2: 2014/12/03(水) 18:57:20.95

P「ふぅ…」ヌクヌク

拓海「あったけぇ…」

P「ネコはこたつで丸くなる、とは言うけど」

拓海「ライオンもこれには勝てねえよ…」グテー

P「…うん。そうだけどさ」

3: 2014/12/03(水) 18:58:55.86



P「なんで拓海が俺の家にいるんだよ!」バンッ

拓海「こまけえこたぁいいんだよ」ヌクヌク

P「アイドル連れ込んでちひろさんに怒られるの俺なんだぞ!」



4: 2014/12/03(水) 19:02:00.57

拓海「でぇじょうぶだ。コイツの顔を見に来てるだけ、って言えば反論できねえよ。なー?」

ネコ「にゃーお!」

P「そのネコもだいぶ大きくなったぞ」

拓海「アタシが拾った時はチビ助だったのにな。いいモノ食わせてもらってんだな、このこの!」

ネコ「にゃっ」ツンツン

P「太りすぎないようにするのは大変なんだぞ?」

拓海「…コイツを飼ってくれてありがとな」

P「我が家の癒しが増えたからいいよ」

5: 2014/12/03(水) 19:05:31.54

P「………」ムキムキ

拓海「このミカンうめえな」モグモグ

P「楓さんが実家に帰った時に、お土産として持ってきてくれたんだ」

拓海「楓さんは…和歌山出身か」

P「ミカンといえば愛媛…って考えがちだけど、和歌山も名産地なんだよなぁ」

拓海「…アルミ缶の上に」

P「勿論それは言ってたぞ」

拓海「だよな」

6: 2014/12/03(水) 19:08:05.12

P「あっ」

拓海「ミカンなくなっちまったな」

P「ミカンの段ボールが廊下にあるけど…」

拓海「………」ジーッ

P「寒いからイヤだぞ」

拓海「アタシも寒いんだよ」ジーッ

P「ジャンケンで負けたほうが取りに行く…これでどうだ」

拓海「うーし、絶対勝つ」グググ

P「…その覗き込むヤツ、意味あるの?」

拓海「知らねえ。気分の問題だ」

7: 2014/12/03(水) 19:09:47.68

P「最初はグー!」

拓海「ジャンケンッ…」

「「ポンッ!」」





P「っしゃあ!勝ったぁぁぁ!」グー

拓海「ちくしょう…」チョキ

P「というわけでミカン取ってきてね」

拓海「うう…寒ぃ」ズルズル

P「コタツごと移動しようとするな」

8: 2014/12/03(水) 19:13:52.14

拓海「ほら、持ってきたぜ…ああ、寒い寒い」ドサッ

P「ご苦労」

拓海「ああ…オマエとは離れたくねえ」ヌクヌク

P「言う相手がコタツじゃなかったらロマンティックなんだけどな」

拓海「ロマンティックなんぞ止めてやるよ」

P「じゃあ俺がロマンティックあげるよ」

拓海「…………」フッ

P「鼻で笑われた…っ! こんな屈辱は初めてだっ!」

拓海「アンタはロマンティックって柄じゃねえだろ」

9: 2014/12/03(水) 19:15:35.02

拓海「…あ、サッカーやってんな」ピッ

P「拓海はサッカーとか見るのか?」

拓海「晴ほど熱心ってワケじゃねえけど、たまに見るぜ」

P「そうか。試合は…後半アディショナルタイムか」

拓海「このまま逃げ切りだろうな」

P「どうかね? ワンチャンスあれば同点くらい…」


10: 2014/12/03(水) 19:19:02.87


<ニアサイドに飛び込んで…ゴール!!!起氏回生の同点ゴール!!!

P「な?」

拓海「マジかよ…予言者かアンタは」

P「晴が言ってたんだよな。サッカーは何が起こるかわからないって」

拓海「やってる人間が言うと説得力が違えな」

P「まったくだ」

11: 2014/12/03(水) 19:21:14.98





P「………」ウツラウツラ

ネコ「………」スピー

拓海「すー、すー…」

P「…ハッ!?」ガバッ

P(あれ、今何時だ?)チラッ

時計「20:30」

P(げえっ、20時過ぎてる! そろそろ拓海を帰さないとヤバい時間)

12: 2014/12/03(水) 19:24:54.11



<prrrr

P「………」タラー

携帯「着信だぞ」prrrr

P(アカン)



13: 2014/12/03(水) 19:26:21.88

<ピッ

P「…もしもし」

早苗「あ、Pくん? そっちに拓海ちゃんいない?」

P「…コタツで寝てます」

早苗「なら安心ね。まだ帰ってきてなかったから心配だったのよ?」

P「…あの、このことはちひろさんはご存じなのでして?」

早苗「大丈夫よ。誤魔化して報告したから」

P「早苗さんマジ天使!(ありがとうございます!)」

早苗「なんか逆になってるわよー」

14: 2014/12/03(水) 19:28:07.75

早苗「ただ、その代わりとして…わかってるわよね?」

P「…何ケースですか?」

早苗「今度は居酒屋1回でいいわよ。一緒に飲みたいだけだからオゴリじゃなくていいから」

P「…マジですか?」

早苗「マジマジ。ちゃんと予定空けておいてね?」

P「来週の金曜を空けておくんで大丈夫です!」

早苗「それじゃ、早めに送り届けてねー♪」

P「はーい」ピッ

15: 2014/12/03(水) 19:31:42.62

P「拓海ー、起きろー」ユサユサ

拓海「んむぅ…」

P「起きないとキスするぞー」ユサユサ

拓海「………」

P「…寝息が止まった。早く起きなさい」

拓海「…あっさりバレたな」ムクッ

P「流石にわかるわ。ほら、もう外暗いから帰りなさい」

16: 2014/12/03(水) 19:33:26.61

拓海「今何…ゲッ、20時!?」

P「だから起こしたんだ。ほら、送っていくから」

拓海「オウ…」イソイソ

P「忘れ物はないか?」

拓海「大丈夫だ。貴重品は財布しか持ってねえよ」

P「ん」

17: 2014/12/03(水) 19:38:10.86

拓海「うわっ…外さみぃな…」

P「手袋持ってこなかったのか?」

拓海「昼間はなくても平気だったからよ…」

P「…んー」



ぎゅっ

P「これなら多少マシだろ?」

拓海「ちょ…何してやがる?!」

P「だって俺も手袋ないし…こうやって手をつなげばあったかいだろ?」

拓海「そうだけどよ…!」

P「さ、行くぞ」

拓海(顔が熱くなるんだよバカ!)

18: 2014/12/03(水) 19:40:48.44

P「あ、着いた」

拓海「な、なぁ…もう手放していいだろ?」

P「いいけど…そんなに一刻も早く手を放したいのか…」

拓海「いや、そういう意味で言ったワケじゃ」

P「そうだよな…こんなオッサンと手をつなぐなんてイヤだよな…」

拓海「ッ! アンタとだったらいくらでも手ぐらいつないでや…」

19: 2014/12/03(水) 19:42:13.69

P「…いくらでも、か」ニヤニヤ

拓海「…テメエ、わかっててわざと煽っただろ!」

P「ハハハ、ごめんごめん」

拓海「このヤロォ…!」ワナワナ

20: 2014/12/03(水) 19:43:13.88

P「拓海」

拓海「ンだよ」

P「…また、手繋がせてくれるか?」



拓海「…考えといてやるよ、じゃあな!」

P「早く寝ろよー」フリフリ

P(残った手の温もりが温度以上にあったかかった。そんなある冬の夜だった)

おわり。

引用元: モバP「ある冬の日のこと」