1: 2012/12/29(土) 19:39:48.59
杏子「よっこらせ、っと。あーくたびれた」
ほむら「今回も、大したことのない魔獣どもだったわね」
杏子「ああ。それでも戦いが終わったら、ちゃんと疲れるんだから嫌んなるよ」
ほむら「この高層ビルの屋上は、初めて使う場所か」
杏子「見晴らしがいいから、この辺りで魔獣狩りをやる場合は便利だな」
ほむら「吹く風が気持ちいい」
杏子「しばらくこの恰好でいるか」
ほむら「変身を解除すると多分、今より寒く感じるわね」
杏子「ここから下りられなくなっちまうしな」
QB「二人とも、お疲れ様」
ほむら「……」
杏子「……」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1356777588
ほむら「今回も、大したことのない魔獣どもだったわね」
杏子「ああ。それでも戦いが終わったら、ちゃんと疲れるんだから嫌んなるよ」
ほむら「この高層ビルの屋上は、初めて使う場所か」
杏子「見晴らしがいいから、この辺りで魔獣狩りをやる場合は便利だな」
ほむら「吹く風が気持ちいい」
杏子「しばらくこの恰好でいるか」
ほむら「変身を解除すると多分、今より寒く感じるわね」
杏子「ここから下りられなくなっちまうしな」
QB「二人とも、お疲れ様」
ほむら「……」
杏子「……」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1356777588
2: 2012/12/29(土) 19:41:25.96
QB「どうかしたかい。二人とも」
杏子「……お前、今、なんつった?」
QB「どうかしたかい。二人とも」
ほむら「その前よ」
QB「二人とも、お疲れ様」
杏子「……あのー、あなたはどちらさんで?」
ほむら「こいつが、私たちにそんなことを言うなんて」
杏子「今度は何企んでやがる」
ほむら「あなた、どこで憶えたのよ。そんなセリフ」
QB「巴マミが頻繁に、二人へ言ってるじゃないか。“お疲れ様”は、ねぎらいという意味を持つ言葉なんだろう?」
杏子「そりゃそうだけど、お前が言うとすっげー違和感」
QB「今はこの言葉を使うのに最適な状況だと判断したんだけどね」
ほむら「まあ、好きにしたらいいわ。気味が悪いけど」
杏子「……お前、今、なんつった?」
QB「どうかしたかい。二人とも」
ほむら「その前よ」
QB「二人とも、お疲れ様」
杏子「……あのー、あなたはどちらさんで?」
ほむら「こいつが、私たちにそんなことを言うなんて」
杏子「今度は何企んでやがる」
ほむら「あなた、どこで憶えたのよ。そんなセリフ」
QB「巴マミが頻繁に、二人へ言ってるじゃないか。“お疲れ様”は、ねぎらいという意味を持つ言葉なんだろう?」
杏子「そりゃそうだけど、お前が言うとすっげー違和感」
QB「今はこの言葉を使うのに最適な状況だと判断したんだけどね」
ほむら「まあ、好きにしたらいいわ。気味が悪いけど」
3: 2012/12/29(土) 19:42:45.10
杏子「そういえば、そのマミはどうした?」
QB「もう帰ったよ」
杏子「早っ」
ほむら「最近、帰るのが早いわね」
杏子「……何か、さ」
ほむら「何?」
杏子「あいつ最近、変わったよな」
ほむら「……あなたもそう思っていた? 私も、何となく感じていた」
杏子「何つーか、雰囲気つーか……芸風とか、そういうのが変わった気が」
ほむら「……プフッ」
杏子「……あんた今、吹いたか?」
ほむら「聞こえた?」
杏子「珍しいな。あんたが笑うなんて」
ほむら「ごめんなさい。“芸風”っていうのがおかしくて」
杏子「芸でいいだろ。あんなの」
QB「もう帰ったよ」
杏子「早っ」
ほむら「最近、帰るのが早いわね」
杏子「……何か、さ」
ほむら「何?」
杏子「あいつ最近、変わったよな」
ほむら「……あなたもそう思っていた? 私も、何となく感じていた」
杏子「何つーか、雰囲気つーか……芸風とか、そういうのが変わった気が」
ほむら「……プフッ」
杏子「……あんた今、吹いたか?」
ほむら「聞こえた?」
杏子「珍しいな。あんたが笑うなんて」
ほむら「ごめんなさい。“芸風”っていうのがおかしくて」
杏子「芸でいいだろ。あんなの」
4: 2012/12/29(土) 19:44:31.44
ほむら「『ティロ・フィナーレ!』」
杏子「ぶふっ」
ほむら「『さあ、今夜も! さっさと、決めさせてもらうわよォォ!』」
杏子「ぶははは。いきなり笑わすなよ」
ほむら「『ティッロ・フィナーレェェェェ!!』」
杏子「ぎゃはははははははは。がはげは。やめろ。苦しい」
ほむら「気付いたんだけど、あの必殺技の名前が」
杏子「ひっさつ……ぷぷぷ」
ほむら「いちいち吹かないでくれる?」
杏子「いや、悪い悪い……あんた、今夜はどうしたんだ。けっこう似てたぞ、今の」
ほむら「今夜は特別サービスよ」
杏子「何の話だったかな」
ほむら「巴マミの、技の名前。あれが最近、ちょっと変わったのよね」
杏子「うん、そうなんだよ。……何だっけ」
ほむら「何だったかしら。憶えてないわ。どうでもいいし」
杏子「ぶふっ」
ほむら「『さあ、今夜も! さっさと、決めさせてもらうわよォォ!』」
杏子「ぶははは。いきなり笑わすなよ」
ほむら「『ティッロ・フィナーレェェェェ!!』」
杏子「ぎゃはははははははは。がはげは。やめろ。苦しい」
ほむら「気付いたんだけど、あの必殺技の名前が」
杏子「ひっさつ……ぷぷぷ」
ほむら「いちいち吹かないでくれる?」
杏子「いや、悪い悪い……あんた、今夜はどうしたんだ。けっこう似てたぞ、今の」
ほむら「今夜は特別サービスよ」
杏子「何の話だったかな」
ほむら「巴マミの、技の名前。あれが最近、ちょっと変わったのよね」
杏子「うん、そうなんだよ。……何だっけ」
ほむら「何だったかしら。憶えてないわ。どうでもいいし」
5: 2012/12/29(土) 19:46:36.70
杏子「あ。ひでー言い方。自分からこの話始めたくせに」
ほむら「あなただって、そう思ってるんでしょ?」
杏子「そりゃそうなんだけどさ。……おい。お前、知ってるか?」
QB「『¡ Tiro final !』」
杏子「ぶふっ」
ほむら「……プフッ」
杏子「それだそれだ」
ほむら「“ティロ・フィナール”か。最後の“レ”が“ル”に変わっただけなのね」
杏子「それにしても今の、そっくりだったな。あんたの声マネをはるかに超えたぞ」
ほむら「こいつは感情がない、機械みたいなものだから」
杏子「録音も再生も自由自在か」
杏子「おい、じゃあアレは? すごい勢いで回転したりしながら撃ちまくるヤツ」
ほむら「あの時にも彼女、何か絶叫するわよね」
ほむら「あなただって、そう思ってるんでしょ?」
杏子「そりゃそうなんだけどさ。……おい。お前、知ってるか?」
QB「『¡ Tiro final !』」
杏子「ぶふっ」
ほむら「……プフッ」
杏子「それだそれだ」
ほむら「“ティロ・フィナール”か。最後の“レ”が“ル”に変わっただけなのね」
杏子「それにしても今の、そっくりだったな。あんたの声マネをはるかに超えたぞ」
ほむら「こいつは感情がない、機械みたいなものだから」
杏子「録音も再生も自由自在か」
杏子「おい、じゃあアレは? すごい勢いで回転したりしながら撃ちまくるヤツ」
ほむら「あの時にも彼女、何か絶叫するわよね」
6: 2012/12/29(土) 19:48:19.32
杏子「ホントはあの技、迷惑なんだけどな」
ほむら「あ、それは同感」
杏子「いつか絶対、流れ弾がくるぞ」
ほむら「被害がこっちへ及ばないうちに、ちゃんと言った方がいいかしら」
杏子「そうしよう。……で、何だっけ、アレは」
ほむら「あなた、憶えてる?」
QB「『¡ La danza de las balas mágicas !』」
杏子「……」
ほむら「……外国語だから、どう反応したらいいのか分からないわね」
杏子「何て言ってるんだ?」
QB「“ラ・ダンサ・デ・ラス・バラス・マヒカス”」
ほむら「ああ、そう言ってるのね」
杏子「意味分かるのか?」
ほむら「全然。分かるわけないじゃない」
ほむら「あ、それは同感」
杏子「いつか絶対、流れ弾がくるぞ」
ほむら「被害がこっちへ及ばないうちに、ちゃんと言った方がいいかしら」
杏子「そうしよう。……で、何だっけ、アレは」
ほむら「あなた、憶えてる?」
QB「『¡ La danza de las balas mágicas !』」
杏子「……」
ほむら「……外国語だから、どう反応したらいいのか分からないわね」
杏子「何て言ってるんだ?」
QB「“ラ・ダンサ・デ・ラス・バラス・マヒカス”」
ほむら「ああ、そう言ってるのね」
杏子「意味分かるのか?」
ほむら「全然。分かるわけないじゃない」
8: 2012/12/29(土) 19:49:53.68
杏子「ま、分かったとしても、すごくどうでもいいんだけどな」
ほむら「技の名前らしいけど……どんな意味なの?」
QB「“魔弾の舞踏”だよ」
杏子「まだん……何だって?」
QB「魔弾は、端的に言えば、魔法の弾丸だね。その舞踏、ダンスということさ」
杏子「……やっぱ、すごくどうでもいい」
ほむら「何語なの?」
QB「スペイン語だよ」
杏子「あれ? ティロ何とかっていう方は、イタリア語じゃなかったっけ」
QB「『Tiro finale !』がイタリア語、『¡ Tiro final !』がスペイン語だね」
杏子「ぶふっ。いちいち声マネすんな」
ほむら「違う国の言葉なのに、ほとんど同じに聞こえるわね」
QB「イタリア語とスペイン語は、フランス語やポルトガル語などとともに、姉妹関係にある言語だからね」
杏子「その、まだんがどーのこーの、ってのは?」
QB「それもスペイン語だね」
ほむら「技の名前らしいけど……どんな意味なの?」
QB「“魔弾の舞踏”だよ」
杏子「まだん……何だって?」
QB「魔弾は、端的に言えば、魔法の弾丸だね。その舞踏、ダンスということさ」
杏子「……やっぱ、すごくどうでもいい」
ほむら「何語なの?」
QB「スペイン語だよ」
杏子「あれ? ティロ何とかっていう方は、イタリア語じゃなかったっけ」
QB「『Tiro finale !』がイタリア語、『¡ Tiro final !』がスペイン語だね」
杏子「ぶふっ。いちいち声マネすんな」
ほむら「違う国の言葉なのに、ほとんど同じに聞こえるわね」
QB「イタリア語とスペイン語は、フランス語やポルトガル語などとともに、姉妹関係にある言語だからね」
杏子「その、まだんがどーのこーの、ってのは?」
QB「それもスペイン語だね」
9: 2012/12/29(土) 19:51:31.34
ほむら「芸風が変わったのは、言語が変わったことからきてるのかしら」
杏子「種明かしをしてみたら、意外とつまんなかったな」
ほむら「でも彼女は、どうしてそれを変えたのかしらね」
杏子「単に、気が向いたとかじゃね? この理由も多分、つまんねーもんなんだろうよ」
ほむら「あなた、変わった事情を知ってる?」
QB「魔法がマイナーチェンジされたことに関係しているね」
杏子「魔法がマイナーチェンジ? どういうことだ?」
ほむら「私が翼を得たようなものかしら」
QB「それと同種の変化だね」
杏子「そういえばあんた、翼なんて、前はなかったよな」
ほむら「こいつへ言って、飛翔能力を付けさせたのよ」
杏子「えっ。そんなことできるのか?」
杏子「種明かしをしてみたら、意外とつまんなかったな」
ほむら「でも彼女は、どうしてそれを変えたのかしらね」
杏子「単に、気が向いたとかじゃね? この理由も多分、つまんねーもんなんだろうよ」
ほむら「あなた、変わった事情を知ってる?」
QB「魔法がマイナーチェンジされたことに関係しているね」
杏子「魔法がマイナーチェンジ? どういうことだ?」
ほむら「私が翼を得たようなものかしら」
QB「それと同種の変化だね」
杏子「そういえばあんた、翼なんて、前はなかったよな」
ほむら「こいつへ言って、飛翔能力を付けさせたのよ」
杏子「えっ。そんなことできるのか?」
10: 2012/12/29(土) 19:53:04.49
ほむら「佐倉杏子。あなたには、空を飛ぶ能力といってもいいくらいの跳躍力がある」
杏子「ああ」
ほむら「巴マミは、支点になる物さえあれば、それへリボンを巻き付けて、振り子のようにして空中のかなり長い距離を移動できる」
杏子「めったにやってくれないけど、あれ、すげー大技だよな。スパイダーマンみたいだ」
ほむら「私にはそういう能力がなかった。あなたたちと一緒に戦う際に連携が取りにくいから、飛翔用の羽を付けさせたのよ」
杏子「それが、魔法のマイナーチェンジか」
QB「例えば契約で魔法少女になってもらうことは、完成された大掛かりなシステムだから、僕がそのプロセスに関与することはない」
杏子「ふむ」
QB「でも、契約後に魔法を少し変えるくらいなら、僕にもできるのさ」
杏子「そんなオプションがあったのか。早く言ってくれよ」
QB「訊かれなかったからね」
杏子「ああ」
ほむら「巴マミは、支点になる物さえあれば、それへリボンを巻き付けて、振り子のようにして空中のかなり長い距離を移動できる」
杏子「めったにやってくれないけど、あれ、すげー大技だよな。スパイダーマンみたいだ」
ほむら「私にはそういう能力がなかった。あなたたちと一緒に戦う際に連携が取りにくいから、飛翔用の羽を付けさせたのよ」
杏子「それが、魔法のマイナーチェンジか」
QB「例えば契約で魔法少女になってもらうことは、完成された大掛かりなシステムだから、僕がそのプロセスに関与することはない」
杏子「ふむ」
QB「でも、契約後に魔法を少し変えるくらいなら、僕にもできるのさ」
杏子「そんなオプションがあったのか。早く言ってくれよ」
QB「訊かれなかったからね」
11: 2012/12/29(土) 19:55:18.25
杏子「いいなあ。あたしも何かやろうかな」
ほむら「余りお勧めはしないわ。魔法は変わっても、魔力は変わらないのよ」
杏子「つーことは?」
QB「それまでよりも、魔力の消耗が激しくなる可能性があるのさ」
ほむら「私の場合、翼を使うと、以前よりソウルジェムが濁りやすくなった」
QB「佐倉杏子。君は今のままで何ら不足はないと思うけどね」
杏子「まあ、そりゃそうか。……それでさ」
ほむら「何?」
杏子「マミがやったマイナーチェンジは、何だったんだろ」
ほむら「こいつへ訊いていいのかしらね。本人がいない所で」
杏子「やっぱ、直接マミに訊いた方がいい話なのかな。微妙だな」
ほむら「魔獣狩りに使う魔法のことだから、私たちも知っておくべきだとは思うけど」
杏子「おい。これ、あたしたちに喋るな、って言われてるか?」
QB「そうは言われてないよ」
ほむら「余りお勧めはしないわ。魔法は変わっても、魔力は変わらないのよ」
杏子「つーことは?」
QB「それまでよりも、魔力の消耗が激しくなる可能性があるのさ」
ほむら「私の場合、翼を使うと、以前よりソウルジェムが濁りやすくなった」
QB「佐倉杏子。君は今のままで何ら不足はないと思うけどね」
杏子「まあ、そりゃそうか。……それでさ」
ほむら「何?」
杏子「マミがやったマイナーチェンジは、何だったんだろ」
ほむら「こいつへ訊いていいのかしらね。本人がいない所で」
杏子「やっぱ、直接マミに訊いた方がいい話なのかな。微妙だな」
ほむら「魔獣狩りに使う魔法のことだから、私たちも知っておくべきだとは思うけど」
杏子「おい。これ、あたしたちに喋るな、って言われてるか?」
QB「そうは言われてないよ」
12: 2012/12/29(土) 19:57:04.02
杏子「なら訊いちゃえ」
ほむら「私が訊くの?」
杏子「どっちが訊いても同じだろ?」
ほむら「……じゃ、訊くわね。彼女は、何て言ったの?」
QB「『本格的にラテン系を目指すわよ!』」
杏子「……」
ほむら「……」
杏子「……えーと……どうぞ。お先に。感想」
ほむら「……いえ、遠慮するわ。……お先にどうぞ」
杏子「……今まで生きてきた中で、一番リアクションに困る出来事かもしれない」
ほむら「ええ。……知ってる人のことだけにね」
杏子「……訊くんじゃなかった、のかな」
ほむら「何を今さら……私に訊かせたくせに」
杏子「……どこからツッコんだらいいんだろ」
ほむら「私が訊くの?」
杏子「どっちが訊いても同じだろ?」
ほむら「……じゃ、訊くわね。彼女は、何て言ったの?」
QB「『本格的にラテン系を目指すわよ!』」
杏子「……」
ほむら「……」
杏子「……えーと……どうぞ。お先に。感想」
ほむら「……いえ、遠慮するわ。……お先にどうぞ」
杏子「……今まで生きてきた中で、一番リアクションに困る出来事かもしれない」
ほむら「ええ。……知ってる人のことだけにね」
杏子「……訊くんじゃなかった、のかな」
ほむら「何を今さら……私に訊かせたくせに」
杏子「……どこからツッコんだらいいんだろ」
14: 2012/12/29(土) 19:59:06.41
ほむら「……あなたは」
QB「何だい」
ほむら「そう言われて、どうしたの?」
QB「言うまでもないよ。本格的なラテン系にしたのさ」
杏子「……それは、答えのような、答えになっていないような……」
ほむら「まあ、こいつにこう訊けば、こういう答えが返ってくるか……」
杏子「じゃあ、ちょっと訊き方を変えて……。ラテン系にするって、どういうことだ?」
QB「この国では、ラテン諸国と呼ばれる地域における人々の特性を、ラテン系と称するようだ」
ほむら「確かに、“ノリがラテン系”とか“あいつはラテン系だ”とか、言うものね」
QB「『本格的に!』それを『目指すわよ!』ということなので」
杏子「だから、いちいち声マネ入れんなって」
QB「僕はラテンアメリカ地域の諸事情について情報を得るため、現地の担当と連絡を取った」
杏子「え。外国にも、お前みたいなのがいるのか?」
QB「魔法少女は世界中に存在しているからね。各地にそれぞれの担当がいるのさ」
ほむら「こいつと同じのがたくさんいるんでしょうね……。考えたら気分悪くなるわ」
QB「僕たちが1か所に密集しているわけではないよ」
杏子「わざわざ言うな。余計に想像しちまう」
QB「何だい」
ほむら「そう言われて、どうしたの?」
QB「言うまでもないよ。本格的なラテン系にしたのさ」
杏子「……それは、答えのような、答えになっていないような……」
ほむら「まあ、こいつにこう訊けば、こういう答えが返ってくるか……」
杏子「じゃあ、ちょっと訊き方を変えて……。ラテン系にするって、どういうことだ?」
QB「この国では、ラテン諸国と呼ばれる地域における人々の特性を、ラテン系と称するようだ」
ほむら「確かに、“ノリがラテン系”とか“あいつはラテン系だ”とか、言うものね」
QB「『本格的に!』それを『目指すわよ!』ということなので」
杏子「だから、いちいち声マネ入れんなって」
QB「僕はラテンアメリカ地域の諸事情について情報を得るため、現地の担当と連絡を取った」
杏子「え。外国にも、お前みたいなのがいるのか?」
QB「魔法少女は世界中に存在しているからね。各地にそれぞれの担当がいるのさ」
ほむら「こいつと同じのがたくさんいるんでしょうね……。考えたら気分悪くなるわ」
QB「僕たちが1か所に密集しているわけではないよ」
杏子「わざわざ言うな。余計に想像しちまう」
15: 2012/12/29(土) 20:01:16.78
QB「例えば最近、オーストラリアの担当からは、僕へ連絡があったよ」
杏子「お前に? わざわざそんな所から? どんな用があるってんだ?」
QB「中央部の砂漠へ、強力な魔獣が大量に出現する可能性があるらしい」
杏子「へえ」
QB「それで、応援を要請してきたのさ。3人のうち誰かに、行ってもらうことになると思う」
ほむら「オーストラリア……」
杏子「外国だろ? 魔法でひとっ飛びってわけにはいかないよな。飛行機で行くのか?」
QB「もちろん、移動や宿泊などの手配は全て、僕と現地の担当が行うよ」
ほむら「言葉はどうするのかしら。英語でしょ?」
QB「言語を習得する必要はないけど、現地スタッフとのコミュニケーションには、ある魔法を使ってもらう。自動翻訳みたいなものさ。誰が行くか決まったら、それを教えるよ」
杏子「海外出張、ってやつか」
ほむら「そう言うと、何だか一気におじさん臭くなるわね」
QB「現地での戦いは記録されて、その映像は、最終話のラストシーンで使われる予定だよ」
杏子「最終話? ラストシーン?」
QB「頑張って」
ほむら「……何?」
QB「きゅっぷい。こっちの話さ」
杏子「お前に? わざわざそんな所から? どんな用があるってんだ?」
QB「中央部の砂漠へ、強力な魔獣が大量に出現する可能性があるらしい」
杏子「へえ」
QB「それで、応援を要請してきたのさ。3人のうち誰かに、行ってもらうことになると思う」
ほむら「オーストラリア……」
杏子「外国だろ? 魔法でひとっ飛びってわけにはいかないよな。飛行機で行くのか?」
QB「もちろん、移動や宿泊などの手配は全て、僕と現地の担当が行うよ」
ほむら「言葉はどうするのかしら。英語でしょ?」
QB「言語を習得する必要はないけど、現地スタッフとのコミュニケーションには、ある魔法を使ってもらう。自動翻訳みたいなものさ。誰が行くか決まったら、それを教えるよ」
杏子「海外出張、ってやつか」
ほむら「そう言うと、何だか一気におじさん臭くなるわね」
QB「現地での戦いは記録されて、その映像は、最終話のラストシーンで使われる予定だよ」
杏子「最終話? ラストシーン?」
QB「頑張って」
ほむら「……何?」
QB「きゅっぷい。こっちの話さ」
17: 2012/12/29(土) 20:03:28.03
杏子「マミの話に戻るけど、ラテンアメリカってどこら辺だ?」
QB「中南米だよ」
ほむら「確か、メキシコとか、アルゼンチンとか?」
QB「そのとおりさ。そこでは、ほとんどの国でスペイン語が使われている」
ほむら「だから、叫ぶ技の名前がスペイン語になったのね」
QB「彼女は、魔弾の舞踏が“ダンザデルマジックバレット”と訳されたり表記されることに不満だったようだね」
杏子「何のことだ?」
QB「“無限の魔弾”という場合に比べて、“魔弾”の訳が食い違っていることにも納得していなかった」
ほむら「あなたは、さっきから何の話をしてるのかしら」
QB「きゅっぷい。これも、こっちの話さ」
杏子「あのー、だんだん、この話題についていけなくなってきたんスけど」
QB「人間には、こだわりという精神活動がある。それが、巴マミによるマイナーチェンジ依頼の動機だと推測できるね」
ほむら「どういうこと?」
QB「見方によっては、彼女は既にラテン系だったんだ。『Tiro finale !』と、イタリア語を使っていたのがいい例だよ。イタリアもラテン諸国に含まれるからね」
杏子「お前もう、声マネ禁止な」
QB「でも彼女は、こだわりによってそれを徹底させたいと思った。そして、本格的にラテン系を目指す、という発想へ至ったと考えられるんだ」
QB「中南米だよ」
ほむら「確か、メキシコとか、アルゼンチンとか?」
QB「そのとおりさ。そこでは、ほとんどの国でスペイン語が使われている」
ほむら「だから、叫ぶ技の名前がスペイン語になったのね」
QB「彼女は、魔弾の舞踏が“ダンザデルマジックバレット”と訳されたり表記されることに不満だったようだね」
杏子「何のことだ?」
QB「“無限の魔弾”という場合に比べて、“魔弾”の訳が食い違っていることにも納得していなかった」
ほむら「あなたは、さっきから何の話をしてるのかしら」
QB「きゅっぷい。これも、こっちの話さ」
杏子「あのー、だんだん、この話題についていけなくなってきたんスけど」
QB「人間には、こだわりという精神活動がある。それが、巴マミによるマイナーチェンジ依頼の動機だと推測できるね」
ほむら「どういうこと?」
QB「見方によっては、彼女は既にラテン系だったんだ。『Tiro finale !』と、イタリア語を使っていたのがいい例だよ。イタリアもラテン諸国に含まれるからね」
杏子「お前もう、声マネ禁止な」
QB「でも彼女は、こだわりによってそれを徹底させたいと思った。そして、本格的にラテン系を目指す、という発想へ至ったと考えられるんだ」
18: 2012/12/29(土) 20:05:39.99
杏子「……ちょっと待てよ。イタリアもラテン系なのか?」
QB「そうだよ」
杏子「だったら、イタリア語のままでもいいだろ? スペイン語にしちまう理由が分からない」
ほむら「それは全く、そのとおりね」
QB「……どちらも、ラテン系であることに変わりはないよ」
杏子「……」
ほむら「……」
QB「どうして二人とも、無言で僕をそんなに見つめるんだい。わけが分からないよ」
杏子「……あたしに指摘されて、お前の顔色が変わった気がするんだよな」
ほむら「……あなた、感情がないなんて、嘘でしょ」
QB「二人が何を言っているのか理解できないよ。わけが分からないよ」
ほむら「……あなた、ミスしたんでしょ」
杏子「……テキトーに、ラテン系なら何でもいいや、って思ったんだろ」
ほむら「イタリア語のままでも問題ない。むしろその方がマイナーチェンジの際に、変更点が少なくて合理的。なのによく考えもせず、勝手にイタリアじゃなくて、中南米を参考にしてしまった。こんなところでしょうね、真相は」
QB「何を言っているのか理解できないよ。わけが分からないよ」
ほむら「私も危うくこんなふうに、テキトーにされるところだったのかもね。背中に翼じゃなくて、頭にプロペラ、生やされてもおかしくなかったわ」
QB「きゅっぷいきゅっぷい」
杏子「誤魔化すんじゃねえよコラ」
QB「そうだよ」
杏子「だったら、イタリア語のままでもいいだろ? スペイン語にしちまう理由が分からない」
ほむら「それは全く、そのとおりね」
QB「……どちらも、ラテン系であることに変わりはないよ」
杏子「……」
ほむら「……」
QB「どうして二人とも、無言で僕をそんなに見つめるんだい。わけが分からないよ」
杏子「……あたしに指摘されて、お前の顔色が変わった気がするんだよな」
ほむら「……あなた、感情がないなんて、嘘でしょ」
QB「二人が何を言っているのか理解できないよ。わけが分からないよ」
ほむら「……あなた、ミスしたんでしょ」
杏子「……テキトーに、ラテン系なら何でもいいや、って思ったんだろ」
ほむら「イタリア語のままでも問題ない。むしろその方がマイナーチェンジの際に、変更点が少なくて合理的。なのによく考えもせず、勝手にイタリアじゃなくて、中南米を参考にしてしまった。こんなところでしょうね、真相は」
QB「何を言っているのか理解できないよ。わけが分からないよ」
ほむら「私も危うくこんなふうに、テキトーにされるところだったのかもね。背中に翼じゃなくて、頭にプロペラ、生やされてもおかしくなかったわ」
QB「きゅっぷいきゅっぷい」
杏子「誤魔化すんじゃねえよコラ」
19: 2012/12/29(土) 20:07:34.40
ほむら「……あ」
杏子「どうした?」
ほむら「私たち、巴マミの雰囲気が変わった、と言ったわよね」
杏子「ああ」
ほむら「変わったのは芸風だけじゃなく、ほかのいろいろな点も一緒に変わった気がする。……これだったんじゃない?」
杏子「何のことか分からな……あ」
ほむら「きっと、これよ」
杏子「そうか……。これだったのか」
ほむら「ラテンアメリカ地域について調べるために、現地の担当に連絡を取った。あなた、そう言ったわね」
QB「そうだよ」
杏子「で、そこに住んでる連中の特徴が、ラテン系ってやつなんだよな?」
QB「この国では、そう呼ばれているね」
ほむら「巴マミは、魔法のマイナーチェンジで本格的な、現地のままのラテン系になった。ということは、性格やその他のこともそう変化した、ということなんじゃない?」
QB「そのとおりさ」
杏子「どうした?」
ほむら「私たち、巴マミの雰囲気が変わった、と言ったわよね」
杏子「ああ」
ほむら「変わったのは芸風だけじゃなく、ほかのいろいろな点も一緒に変わった気がする。……これだったんじゃない?」
杏子「何のことか分からな……あ」
ほむら「きっと、これよ」
杏子「そうか……。これだったのか」
ほむら「ラテンアメリカ地域について調べるために、現地の担当に連絡を取った。あなた、そう言ったわね」
QB「そうだよ」
杏子「で、そこに住んでる連中の特徴が、ラテン系ってやつなんだよな?」
QB「この国では、そう呼ばれているね」
ほむら「巴マミは、魔法のマイナーチェンジで本格的な、現地のままのラテン系になった。ということは、性格やその他のこともそう変化した、ということなんじゃない?」
QB「そのとおりさ」
21: 2012/12/29(土) 20:09:43.23
杏子「……やっぱり」
ほむら「最近、そして今日も、さっさと帰ってしまったのは、これだったのね」
QB「どの行動が本格的なラテン系への変化によるのか、それは、詳しく調べないと分からないけどね」
杏子「おい。そのラテン系ってのは、どういう性格なんだ? 詳しく教えろ」
QB「特性は多岐にわたるし、諸説あるから、説明すると長くなるよ」
ほむら「よく知らないけど、“陽気”とか“情熱的”、“細かいことを気にしない”とかいわれている気がするわ」
杏子「マミが変わったのは、帰る時だけじゃない。来る時、つまり魔獣狩りで集まる時に、あいつは前より遅れるようになった」
ほむら「そうね。以前の彼女は、いつも素早く魔獣の気配を察知して、戦いの場所へ私たちより早く来ていた」
杏子「でも今は、時間ギリギリみたいなタイミングで現れるようになったよな」
ほむら「そして、それが当たり前のような顔をしている。かつての巴マミからは考えられない態度ね」
杏子「こういう変化は、本格的なラテン系とやらに、なったからだったのか……?」
QB「ラテン諸国と違って、この国での時間についての感覚は、他の国よりも厳しいといわれているね。首都における一部の列車が、数十秒刻みともいえるくらいの正確さで運行されているのは、その代表的な例だ」
ほむら「……外国人は、それを見てびっくりする。ほんの2分か3分遅れただけで、それを謝るアナウンスがあって、もっとびっくりする。そういう話は聞いたことがあるわ」
ほむら「最近、そして今日も、さっさと帰ってしまったのは、これだったのね」
QB「どの行動が本格的なラテン系への変化によるのか、それは、詳しく調べないと分からないけどね」
杏子「おい。そのラテン系ってのは、どういう性格なんだ? 詳しく教えろ」
QB「特性は多岐にわたるし、諸説あるから、説明すると長くなるよ」
ほむら「よく知らないけど、“陽気”とか“情熱的”、“細かいことを気にしない”とかいわれている気がするわ」
杏子「マミが変わったのは、帰る時だけじゃない。来る時、つまり魔獣狩りで集まる時に、あいつは前より遅れるようになった」
ほむら「そうね。以前の彼女は、いつも素早く魔獣の気配を察知して、戦いの場所へ私たちより早く来ていた」
杏子「でも今は、時間ギリギリみたいなタイミングで現れるようになったよな」
ほむら「そして、それが当たり前のような顔をしている。かつての巴マミからは考えられない態度ね」
杏子「こういう変化は、本格的なラテン系とやらに、なったからだったのか……?」
QB「ラテン諸国と違って、この国での時間についての感覚は、他の国よりも厳しいといわれているね。首都における一部の列車が、数十秒刻みともいえるくらいの正確さで運行されているのは、その代表的な例だ」
ほむら「……外国人は、それを見てびっくりする。ほんの2分か3分遅れただけで、それを謝るアナウンスがあって、もっとびっくりする。そういう話は聞いたことがあるわ」
22: 2012/12/29(土) 20:12:01.88
QB「ラテン諸国では一般的に、そこまでの厳しさがない。例えば、多くの事業所では、仕事を始める時間とは“出勤時間”なんだよ」
杏子「どういうことだ?」
QB「その時間までに出勤すればいいということさ。だけど、この国では“始業時間”という意味である場合が多いね。つまり、“業務を開始できる時間”ということだ。その時間に業務を開始するのなら、それよりも前に出勤して、準備を済ませていなくちゃならない」
ほむら「……それが、当たり前と思っていたけれど。授業でもチャイムが鳴ったら、先生が来る前に席へ着いているし」
QB「そして仕事を終える時は、ラテン諸国では“退勤時間”と同時に帰るのさ。その時間に合わせて帰れるように、人々は準備をする」
杏子「終わりの鐘やらベルやらが鳴る何分も前から、家へ帰る準備をしてるってことか?」
QB「そのとおりだよ。一方、この国では“終業時間”という意味である場合が多いね。“業務を終了する時間”ということだ。家へ帰る準備は、その後にするんだよ」
ほむら「でも、お給料はどちらも、その決められた時間の分しか出ないんでしょ?」
QB「もちろんさ」
杏子「よく分からなくなってきた。この国の場合と、ラテン系と、どっちが良いんだ?」
QB「どちらが良いのか悪いのか、という問題なのかい?」
杏子「……」
QB「もし良いか悪いかを判断するのなら、それを、まず考えなくちゃならないね」
杏子「どういうことだ?」
QB「その時間までに出勤すればいいということさ。だけど、この国では“始業時間”という意味である場合が多いね。つまり、“業務を開始できる時間”ということだ。その時間に業務を開始するのなら、それよりも前に出勤して、準備を済ませていなくちゃならない」
ほむら「……それが、当たり前と思っていたけれど。授業でもチャイムが鳴ったら、先生が来る前に席へ着いているし」
QB「そして仕事を終える時は、ラテン諸国では“退勤時間”と同時に帰るのさ。その時間に合わせて帰れるように、人々は準備をする」
杏子「終わりの鐘やらベルやらが鳴る何分も前から、家へ帰る準備をしてるってことか?」
QB「そのとおりだよ。一方、この国では“終業時間”という意味である場合が多いね。“業務を終了する時間”ということだ。家へ帰る準備は、その後にするんだよ」
ほむら「でも、お給料はどちらも、その決められた時間の分しか出ないんでしょ?」
QB「もちろんさ」
杏子「よく分からなくなってきた。この国の場合と、ラテン系と、どっちが良いんだ?」
QB「どちらが良いのか悪いのか、という問題なのかい?」
杏子「……」
QB「もし良いか悪いかを判断するのなら、それを、まず考えなくちゃならないね」
23: 2012/12/29(土) 20:13:40.38
ほむら「……やれやれ」
杏子「……今夜は、あんたにしては珍しい反応ばっかりだな。でも、そう言いたくなる気持ちは分かるよ」
ほむら「巴マミ本人が望んだ変化だもの。私たちがとやかく言う問題ではないわ」
杏子「とっとと帰っちまっても、時間ギリギリに来ても、それは別に、ヘマをしてるわけじゃないしな」
ほむら「むしろ魔獣狩りに関しては、やり方が効率良く、いえ、巧妙になった気さえするのよね」
杏子「氏んだふりみたいなこと、するようになったよな」
ほむら「致命的な打撃を受けたようなふりをする。魔獣が、動かなくなった彼女へ迫る。そこでいきなり大砲を出して、至近距離から射撃」
杏子「どの魔獣も、一発で消えたな」
ほむら「成果は上がってるんだけど……何だか、方法が小ずるいというか……」
QB「それはMaliciaと呼ばれる特性だね」
杏子「またスペイン語かよ。もうウンザリだ」
ほむら「マリーシア……どういう意味?」
QB「“性悪さ”や、“悪賢さ”ということだよ」
ほむら「……なるほど」
杏子「……今夜は、あんたにしては珍しい反応ばっかりだな。でも、そう言いたくなる気持ちは分かるよ」
ほむら「巴マミ本人が望んだ変化だもの。私たちがとやかく言う問題ではないわ」
杏子「とっとと帰っちまっても、時間ギリギリに来ても、それは別に、ヘマをしてるわけじゃないしな」
ほむら「むしろ魔獣狩りに関しては、やり方が効率良く、いえ、巧妙になった気さえするのよね」
杏子「氏んだふりみたいなこと、するようになったよな」
ほむら「致命的な打撃を受けたようなふりをする。魔獣が、動かなくなった彼女へ迫る。そこでいきなり大砲を出して、至近距離から射撃」
杏子「どの魔獣も、一発で消えたな」
ほむら「成果は上がってるんだけど……何だか、方法が小ずるいというか……」
QB「それはMaliciaと呼ばれる特性だね」
杏子「またスペイン語かよ。もうウンザリだ」
ほむら「マリーシア……どういう意味?」
QB「“性悪さ”や、“悪賢さ”ということだよ」
ほむら「……なるほど」
24: 2012/12/29(土) 20:15:28.14
QB「本格的なラテン系になって、彼女は食生活も変化したよ」
杏子「どういうふうに?」
QB「肉を多く食べるようになったんだ。お菓子は、前より少なくなった。紅茶よりもコーヒーを好むようになったね」
杏子「肉食に変わったか。ますます太るぞ、あいつ」
ほむら「彼女のケーキ好きや紅茶趣味は、スペインやイタリアではなく、イギリスとかをイメージさせるものだったわね」
QB「紅茶はラテン諸国でも飲まれているけどね」
ほむら「イメージよ、イメージ。イギリスのアフタヌーンティーとか」
QB「それから、夕食ではなく昼食をメインにしたいとか、シエスタをしたいとよく言うようになった。だけどこれらは、学校の都合があるから無理のようだね」
杏子「……片仮名が多くて頭痛くなってきた。別の話しないか? それとも、もうお開きにするか?」
杏子「どういうふうに?」
QB「肉を多く食べるようになったんだ。お菓子は、前より少なくなった。紅茶よりもコーヒーを好むようになったね」
杏子「肉食に変わったか。ますます太るぞ、あいつ」
ほむら「彼女のケーキ好きや紅茶趣味は、スペインやイタリアではなく、イギリスとかをイメージさせるものだったわね」
QB「紅茶はラテン諸国でも飲まれているけどね」
ほむら「イメージよ、イメージ。イギリスのアフタヌーンティーとか」
QB「それから、夕食ではなく昼食をメインにしたいとか、シエスタをしたいとよく言うようになった。だけどこれらは、学校の都合があるから無理のようだね」
杏子「……片仮名が多くて頭痛くなってきた。別の話しないか? それとも、もうお開きにするか?」
25: 2012/12/29(土) 20:17:33.73
ほむら「……」
杏子「どうした? どこ見てんだ、あんた」
ほむら「あったわよ……。別の話題」
杏子「下の大通りに何が……あ。あれ、あいつ」
ほむら「“別の”ではなかったかしらね」
QB「今話題にしていた、巴マミだね」
杏子「何だあの恰好は。そんで、何だあの隣にいる男は」
QB「腕を組みながら歩いているね」
杏子「見りゃ分かる。どういう関係か、って言ってんだ」
QB「そのことへ言及するには情報不足だよ。僕はあの人物を初めて見る」
ほむら「あなたも知らない人なの?」
QB「そうだよ」
杏子「あれ? お前はあいつがガキの頃から面倒見てきた、親代わりみたいなもんだろ?」
ほむら「保護者として、知らなくていいのかしら。あれはどう見ても、付き合ってる人同士の雰囲気よ」
QB「彼女の行動を全て把握しているわけではないからね」
杏子「……彼氏、なのか? でも、ちょっとチャラ過ぎやしないか?」
ほむら「余りいい印象は受けないわね……服、髪、アクセサリー、ここは高層ビルの屋上だから会話は聞こえないけど、その全体的な様子……」
杏子「……何を話してるかまでは無理か。おい、何とかならないか?」
杏子「どうした? どこ見てんだ、あんた」
ほむら「あったわよ……。別の話題」
杏子「下の大通りに何が……あ。あれ、あいつ」
ほむら「“別の”ではなかったかしらね」
QB「今話題にしていた、巴マミだね」
杏子「何だあの恰好は。そんで、何だあの隣にいる男は」
QB「腕を組みながら歩いているね」
杏子「見りゃ分かる。どういう関係か、って言ってんだ」
QB「そのことへ言及するには情報不足だよ。僕はあの人物を初めて見る」
ほむら「あなたも知らない人なの?」
QB「そうだよ」
杏子「あれ? お前はあいつがガキの頃から面倒見てきた、親代わりみたいなもんだろ?」
ほむら「保護者として、知らなくていいのかしら。あれはどう見ても、付き合ってる人同士の雰囲気よ」
QB「彼女の行動を全て把握しているわけではないからね」
杏子「……彼氏、なのか? でも、ちょっとチャラ過ぎやしないか?」
ほむら「余りいい印象は受けないわね……服、髪、アクセサリー、ここは高層ビルの屋上だから会話は聞こえないけど、その全体的な様子……」
杏子「……何を話してるかまでは無理か。おい、何とかならないか?」
26: 2012/12/29(土) 20:19:53.13
QB「ここから彼女を視認できたように、君たちの視力は、人間の場合でいう約25.0から1.5の間で調節できる。でも、聴力へそこまでを期待するのは無理だよ」
杏子「チッ。何だよ、使えねーな」
QB「音は空気などを伝わるからさ。読唇術を身に付ける方が早道だよ」
杏子「何なんだろうな、このヤキモキする気持ち……」
ほむら「恋愛は個人の自由だけど、ちょっと引っかかるものはあるわね」
杏子「あんたもそう思うか」
ほむら「同じ魔法少女として、巴マミがああいう種類の人と……実際に話してみれば、いい人なのかもしれないけど」
杏子「“人を見掛けで判断するな”なんて、小学生でも鼻で笑うような説教だぜ」
QB「君たちは今、あの人間について“軽薄”とか“異性との関係について慎重ではない”という疑念を抱いているのかい」
ほむら「難しい言い方してるけど、要するに“チャラい”ということね」
QB「もしそうなら、それは、今の彼女に関してもいえる可能性があるよ」
杏子「そりゃそうだけど……あいつが、あんな服着てるの見れば、言うまでも……」
ほむら「彼女、あんなの持ってたのね」
杏子「チッ。何だよ、使えねーな」
QB「音は空気などを伝わるからさ。読唇術を身に付ける方が早道だよ」
杏子「何なんだろうな、このヤキモキする気持ち……」
ほむら「恋愛は個人の自由だけど、ちょっと引っかかるものはあるわね」
杏子「あんたもそう思うか」
ほむら「同じ魔法少女として、巴マミがああいう種類の人と……実際に話してみれば、いい人なのかもしれないけど」
杏子「“人を見掛けで判断するな”なんて、小学生でも鼻で笑うような説教だぜ」
QB「君たちは今、あの人間について“軽薄”とか“異性との関係について慎重ではない”という疑念を抱いているのかい」
ほむら「難しい言い方してるけど、要するに“チャラい”ということね」
QB「もしそうなら、それは、今の彼女に関してもいえる可能性があるよ」
杏子「そりゃそうだけど……あいつが、あんな服着てるの見れば、言うまでも……」
ほむら「彼女、あんなの持ってたのね」
27: 2012/12/29(土) 20:22:12.07
杏子「中学生には絶対見えないな。二十歳くらいに見えるぞ」
ほむら「丈が短過ぎて、パンツ見えそうじゃない」
杏子「いや、パンツの線ハッキリ浮き出てる。見えてるのと同じだ。恥ずかしくねーのかあいつ」
ほむら「しかも、襟ぐりがあんなに深くて……寒くないのかしらね」
QB「“胸元が大きく開いた”とか“思わずマミマミしたくなる”と表現した方が、ここを見てくれている数少ない読者諸兄に親切だと思うよ」
ほむら「あなたのそういう発言はもう無視するとして」
QB「きゅっぷい」
杏子「魔獣狩りが終わってから、まだ、そんなに時間たってないよな」
ほむら「それなのに彼女は、もう着替えて、男性と待ち合わせて、デートを楽しんでる」
杏子「明日学校ないのか?」
ほむら「明日は休み」
杏子「今日早く帰ったのは、このためだったのか」
ほむら「でも、帰宅が早いのは最近、いつものこと……むしろこれは、本格的なラテン系になったのと関係してるのかも」
QB「二人が、立ち止まったよ」
ほむら「丈が短過ぎて、パンツ見えそうじゃない」
杏子「いや、パンツの線ハッキリ浮き出てる。見えてるのと同じだ。恥ずかしくねーのかあいつ」
ほむら「しかも、襟ぐりがあんなに深くて……寒くないのかしらね」
QB「“胸元が大きく開いた”とか“思わずマミマミしたくなる”と表現した方が、ここを見てくれている数少ない読者諸兄に親切だと思うよ」
ほむら「あなたのそういう発言はもう無視するとして」
QB「きゅっぷい」
杏子「魔獣狩りが終わってから、まだ、そんなに時間たってないよな」
ほむら「それなのに彼女は、もう着替えて、男性と待ち合わせて、デートを楽しんでる」
杏子「明日学校ないのか?」
ほむら「明日は休み」
杏子「今日早く帰ったのは、このためだったのか」
ほむら「でも、帰宅が早いのは最近、いつものこと……むしろこれは、本格的なラテン系になったのと関係してるのかも」
QB「二人が、立ち止まったよ」
28: 2012/12/29(土) 20:23:33.42
杏子「……向かい合った」
ほむら「……彼女が目を閉じた」
杏子「……あ」
ほむら「……あ」
QB「……あれが接吻、キスという行為だね」
杏子「……」
ほむら「……」
QB「僕も実際に見るのは初めてだよ」
杏子「……おい、あんた」
ほむら「……何?」
杏子「……どうして、あたしの手を握るんだよ」
ほむら「……それは……無意識に……」
QB「暁美ほむら。君は今、あの光景を見て興奮しているね」
ほむら「……変な解説しないでくれる?」
杏子「……言っとくけど、あたしにそっちのケはないからな」
ほむら「……いいじゃない……手くらい握ったって」
杏子「ちょっと汗ばんでて、気持ち悪いんだよ」
ほむら「……彼女が目を閉じた」
杏子「……あ」
ほむら「……あ」
QB「……あれが接吻、キスという行為だね」
杏子「……」
ほむら「……」
QB「僕も実際に見るのは初めてだよ」
杏子「……おい、あんた」
ほむら「……何?」
杏子「……どうして、あたしの手を握るんだよ」
ほむら「……それは……無意識に……」
QB「暁美ほむら。君は今、あの光景を見て興奮しているね」
ほむら「……変な解説しないでくれる?」
杏子「……言っとくけど、あたしにそっちのケはないからな」
ほむら「……いいじゃない……手くらい握ったって」
杏子「ちょっと汗ばんでて、気持ち悪いんだよ」
29: 2012/12/29(土) 20:25:59.61
ほむら「……何て言うか、びっくりした子供が……そばにいた人の陰に隠れるようなものよ」
杏子「まあ確かに、ちょっとビビるけど……あたしもナマであんなの見るの初めてだし」
QB「巴マミの舌が、口の中で動いているね」
ほむら「……言葉にしないでよ……気付いてたけど、黙ってたのに」
杏子「……あれがディープキスか……」
QB「見たくなければ、さっきも言った視力の調節で、見えないようにすればいいんじゃないかな」
ほむら「……怖いもの見たさ、ってのがあるじゃない」
QB「あれは“怖いもの”なんだね」
ほむら「電車の中で、高校生とかのはたまに見るけど……」
杏子「……実際に自分の知り合いがやってるのを見ると、インパクトあるよな」
QB「親しい男女が公共の場でもキスをするのは、ラテンアメリカ地域ではありふれた光景だよ」
杏子「……ところで、お前」
QB「何だい」
杏子「まあ確かに、ちょっとビビるけど……あたしもナマであんなの見るの初めてだし」
QB「巴マミの舌が、口の中で動いているね」
ほむら「……言葉にしないでよ……気付いてたけど、黙ってたのに」
杏子「……あれがディープキスか……」
QB「見たくなければ、さっきも言った視力の調節で、見えないようにすればいいんじゃないかな」
ほむら「……怖いもの見たさ、ってのがあるじゃない」
QB「あれは“怖いもの”なんだね」
ほむら「電車の中で、高校生とかのはたまに見るけど……」
杏子「……実際に自分の知り合いがやってるのを見ると、インパクトあるよな」
QB「親しい男女が公共の場でもキスをするのは、ラテンアメリカ地域ではありふれた光景だよ」
杏子「……ところで、お前」
QB「何だい」
30: 2012/12/29(土) 20:28:41.82
杏子「お前、いいのか? 保護者なのに、マミがあんなことになってて」
ほむら「……そうね。あなたは今、自分の“娘”が夜遊びして、ああいう男性と路上でじゃれあってる現場を見てるのよね」
QB「……二人が言っていることには比喩が多くて、理解できないよ」
ほむら「分からないふりをしてるんじゃない?」
杏子「ほれ、見ろ。お前の“娘”は、キスしたまま男の首に両手をまわして、抱きついた」
ほむら「積極的ね。相手の男性がよっぽど好きなのね」
杏子「これが本格的なラテン系とやらの、ジョーネツテキって特徴か。なあ、違うか?」
QB「……」
杏子「お前、今、“僕よりそいつの方が好きなのか”とか、そういうこと考えてるんだろ」
ほむら「それとも、“誰だそいつは。お父さんは許さんぞ”とか?」
QB「……」
ほむら「やっぱりあなた、感情がないなんて、嘘でしょ」
杏子「取りあえずあいつ、幸せそうだからいいじゃん」
QB「……観察に値する状況であることは認めるよ」
ほむら「自分の“娘”を本格的なラテン系にしたのは、“お父さん”のあなただものね。その結果を受け入れて、見届けなくちゃね」
QB「何を言っているのか分からないよ」
ほむら「……そうね。あなたは今、自分の“娘”が夜遊びして、ああいう男性と路上でじゃれあってる現場を見てるのよね」
QB「……二人が言っていることには比喩が多くて、理解できないよ」
ほむら「分からないふりをしてるんじゃない?」
杏子「ほれ、見ろ。お前の“娘”は、キスしたまま男の首に両手をまわして、抱きついた」
ほむら「積極的ね。相手の男性がよっぽど好きなのね」
杏子「これが本格的なラテン系とやらの、ジョーネツテキって特徴か。なあ、違うか?」
QB「……」
杏子「お前、今、“僕よりそいつの方が好きなのか”とか、そういうこと考えてるんだろ」
ほむら「それとも、“誰だそいつは。お父さんは許さんぞ”とか?」
QB「……」
ほむら「やっぱりあなた、感情がないなんて、嘘でしょ」
杏子「取りあえずあいつ、幸せそうだからいいじゃん」
QB「……観察に値する状況であることは認めるよ」
ほむら「自分の“娘”を本格的なラテン系にしたのは、“お父さん”のあなただものね。その結果を受け入れて、見届けなくちゃね」
QB「何を言っているのか分からないよ」
31: 2012/12/29(土) 20:30:54.03
杏子「……でも、何かさ」
ほむら「何?」
杏子「今のマミ見てると、何かさ……ちくしょう、楽しそうだなあいつ……って気分にならないか?」
ほむら「“ちくしょう”って……あなたが悔しがるのは変じゃない?」
杏子「何か悔しくないか? あたしも何が悔しいのか、自分で分からないけど」
ほむら「確かに、楽しそうな人を見ると、自分と比較してしまうかもしれないわね」
杏子「さっきの話じゃないけどさ」
ほむら「何かしら」
杏子「あたしたちって、キッチリし過ぎなのかな」
ほむら「……」
杏子「今まで、思いっ切り、テキトーに生きてきた積もりだったけど」
ほむら「もっとテキトーな人たち……言い方は悪いけど、そういう人たちを見ると……」
杏子「いかに自分がキッチリしてたか、ってのが分かるんだよな」
ほむら「そして、実はテキトーでも、何の問題もなかったりするのよね」
杏子「なーんだ、自分もキッチリやる必要なんてなかったんだ、アホらしい、ってなるよな」
ほむら「何?」
杏子「今のマミ見てると、何かさ……ちくしょう、楽しそうだなあいつ……って気分にならないか?」
ほむら「“ちくしょう”って……あなたが悔しがるのは変じゃない?」
杏子「何か悔しくないか? あたしも何が悔しいのか、自分で分からないけど」
ほむら「確かに、楽しそうな人を見ると、自分と比較してしまうかもしれないわね」
杏子「さっきの話じゃないけどさ」
ほむら「何かしら」
杏子「あたしたちって、キッチリし過ぎなのかな」
ほむら「……」
杏子「今まで、思いっ切り、テキトーに生きてきた積もりだったけど」
ほむら「もっとテキトーな人たち……言い方は悪いけど、そういう人たちを見ると……」
杏子「いかに自分がキッチリしてたか、ってのが分かるんだよな」
ほむら「そして、実はテキトーでも、何の問題もなかったりするのよね」
杏子「なーんだ、自分もキッチリやる必要なんてなかったんだ、アホらしい、ってなるよな」
32: 2012/12/29(土) 20:35:44.26
ほむら「巴マミを見て、ああいうのもいいかなって、ちょっと思ってしまう?」
杏子「あたしは、あそこまではっちゃけられないよ」
ほむら「彼女だって元は全然違うタイプだったのよ。こいつに頼めば、あんなふうになれるけど?」
杏子「ぶふっ。そりゃ無理だ。あたしが体へピッタリの服着たり、男とイチャついたりするのは想像できねー」
ほむら「でも、今見てるああいう行動は別として、ラテン系でノビノビやるのは悪くないかもしれないわね」
杏子「おい。お前」
QB「何だい」
杏子「あたしたちが3人とも、マミみたいになってもいいか?」
ほむら「……プフッ」
QB「“マミみたい”の部分が漠然としていて、わけが分からないよ」
ほむら「今の私たちと、ラテン系になった私たち。あなたにとってはどっちが扱いやすいかしら」
QB「仮定に関する質問には、答えにくいね」
杏子「別に、マジで訊いてるわけじゃねーよ。ラテン系の魔法少女3人組、そんなのでもいいのかって、シャレで言ってるのさ」
QB「……さっきの繰り返しになるけど、良いか悪いか決めるべき問題なのかを、先に考えた方がいいね」
杏子「……」
ほむら「……」
QB「ラテン系が良いか悪いか。それは、良いか悪いかを決めたい人が、決めればいいんじゃないかな」
杏子「あたしは、あそこまではっちゃけられないよ」
ほむら「彼女だって元は全然違うタイプだったのよ。こいつに頼めば、あんなふうになれるけど?」
杏子「ぶふっ。そりゃ無理だ。あたしが体へピッタリの服着たり、男とイチャついたりするのは想像できねー」
ほむら「でも、今見てるああいう行動は別として、ラテン系でノビノビやるのは悪くないかもしれないわね」
杏子「おい。お前」
QB「何だい」
杏子「あたしたちが3人とも、マミみたいになってもいいか?」
ほむら「……プフッ」
QB「“マミみたい”の部分が漠然としていて、わけが分からないよ」
ほむら「今の私たちと、ラテン系になった私たち。あなたにとってはどっちが扱いやすいかしら」
QB「仮定に関する質問には、答えにくいね」
杏子「別に、マジで訊いてるわけじゃねーよ。ラテン系の魔法少女3人組、そんなのでもいいのかって、シャレで言ってるのさ」
QB「……さっきの繰り返しになるけど、良いか悪いか決めるべき問題なのかを、先に考えた方がいいね」
杏子「……」
ほむら「……」
QB「ラテン系が良いか悪いか。それは、良いか悪いかを決めたい人が、決めればいいんじゃないかな」
33: 2012/12/29(土) 20:37:43.09
ほむら「……思いがけず、シリアスなオチがついてしまったかしらね」
杏子「……お。見ろよ」
ほむら「どうしたの?」
杏子「おいお前、でも、アレはどうするんだ?」
ほむら「……巴マミたちが移動を始めた」
杏子「……向かってる先にあるのは」
QB「……飲食店街。その奥は……いわゆる、ラブホテル街」
杏子「アレはいいのか? マミは未成年なんだぜ? なあ、“お父さん”?」
QB「二人とも、降下しよう。目標を追尾するよ」
杏子「お前、焦ってる?」
ほむら「変身を解除しなくてよかったわ」
杏子「……あんた、こんなことで翼出すのかよ。ソウルジェムが濁りやすくなるんだろ?」
ほむら「確かに、魔力の無駄使いね」
杏子「そいつを乗せて、あたしにつかまりな。連れてくから」
ほむら「でも今は、アレの緊急追尾と観察が最優先事項。個々が独立して動ける能力は高い方がいい」
杏子「……ふふっ、分かったよ」
ほむら「呆れた?」
杏子「まあ、あたしたちができるテキトーさとか、おふざけは、こんな程度だよなあ」
ほむら「ボヤいたって仕方ないわ」
杏子「そうだな。……おーし、先に跳ぶぜ。えいやっ、と」
ほむら「さあ、行くわよ。“お父さん”」
QB「何を言っているのか分からないよ」
終
杏子「……お。見ろよ」
ほむら「どうしたの?」
杏子「おいお前、でも、アレはどうするんだ?」
ほむら「……巴マミたちが移動を始めた」
杏子「……向かってる先にあるのは」
QB「……飲食店街。その奥は……いわゆる、ラブホテル街」
杏子「アレはいいのか? マミは未成年なんだぜ? なあ、“お父さん”?」
QB「二人とも、降下しよう。目標を追尾するよ」
杏子「お前、焦ってる?」
ほむら「変身を解除しなくてよかったわ」
杏子「……あんた、こんなことで翼出すのかよ。ソウルジェムが濁りやすくなるんだろ?」
ほむら「確かに、魔力の無駄使いね」
杏子「そいつを乗せて、あたしにつかまりな。連れてくから」
ほむら「でも今は、アレの緊急追尾と観察が最優先事項。個々が独立して動ける能力は高い方がいい」
杏子「……ふふっ、分かったよ」
ほむら「呆れた?」
杏子「まあ、あたしたちができるテキトーさとか、おふざけは、こんな程度だよなあ」
ほむら「ボヤいたって仕方ないわ」
杏子「そうだな。……おーし、先に跳ぶぜ。えいやっ、と」
ほむら「さあ、行くわよ。“お父さん”」
QB「何を言っているのか分からないよ」
終
34: 2012/12/29(土) 20:39:45.88
乙
引用元: マミ「本格的にラテン系を目指すわよ!」
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります