1: 2015/12/11(金) 06:37:59.307
真美「いきなりお菓子とか床にばらまいてさ」

伊織「うん」

真美「それを這いつくばって食べろって言うんだよ……」

伊織「ええ……」

真美「しかも、食べてたら頭ふんづけて『意地汚い犬ですぅ』って嬉しそうな声で……」

伊織「アンタはなんでおとなしく従ってんのよ……」

真美「だって断ったら怒るし……」

伊織「雪歩なんか別に怒ったって怖かないでしょ」

真美「ちょ、ちょっといおりん!聞かれてたらどーすんの……」

伊織「上等じゃない、いい機会だから私がガツンと言ってやるわよ。真美のこと何だと思ってるのってね」

真美「あわわ……」

4: 2015/12/11(金) 06:42:17.984
伊織「ちょっと」

雪歩「伊織ちゃん?どうしたの?」

伊織「アンタ真美のことイジメてくれたらしいわねぇ」

雪歩「え?」

伊織「とぼけてんじゃないわよ」

真美「あわわ……」

雪歩「真美ちゃん?」

真美「……い、いおりん!」ギュッ

伊織「……ちょっと雪歩、いま私が話してるんだけど?」

5: 2015/12/11(金) 06:50:19.857
雪歩「真美ちゃんがそういうふうに言ったの?」

伊織「はあ?そうだけど、なんか関係あるわけ?」

雪歩「そっかぁ……」

伊織「ホラホラなんとか言ってみなさいよ!」

真美「……」

雪歩「うん……ごめんねぇ伊織ちゃん、全部私が悪いんだよ……」

伊織「え?……あーうん、まあ、分かったんなら別にそれでいいけど……ていうか、謝るんなら私じゃなくてコイツに謝りなさいよ」

雪歩「そうだね、ごめんね真美ちゃん」

真美「ウ、ウン……」

9: 2015/12/11(金) 06:55:11.010
雪歩「しつけが足りなかったかぁ……」

真美「っ!!」ゾワァ

伊織「ん?今なんか言った?」

雪歩「なんでもないよぉ」

伊織「そう……なんか拍子抜けだわ、どんなキレ方するのかと思えば……」

雪歩「わ、私はそんなすぐにキレたりしないよぉ」

伊織「でしょうね。真美、アンタびびりすぎなのよ」

真美「……」

伊織「?なに青い顔してんのよ」

真美「ナンデモナイヨ……」

伊織「あ、そう……はぁ、なんだか無駄に疲れたわね」

雪歩「ふふ……」

11: 2015/12/11(金) 07:03:09.687
伊織「ふわぁあ……いい朝ね」

雪歩「おはよう伊織ちゃん」

伊織「あら雪歩、おはよう」

真美「オハヨー……」

伊織「真美もいたのね、おはよう……なんか痩せた?」

真美「チョットネー……」

伊織「ふふっ、何よアンタにしては暗いわね、元気出しなさいよ!」ドンッ

真美「いっだぁぁ……!!」

伊織「え?ちょ、ちょっと、そんな強く叩いてないでしょ?」

雪歩「ダメだよ伊織ちゃん、そこは今アザができてるから」

伊織「アザ?」

雪歩「2段ベッドの角で打っちゃったんだって」

伊織「はぁーん、相変わらずバカねえ」

真美「うぅ……」

14: 2015/12/11(金) 07:11:22.826
雪歩「あ、私そろそろお仕事に行かなくちゃ」

伊織「そう?いってらっしゃい」

真美「ガンバッテネー……」

雪歩「ふふ、ありがとう真美ちゃん。それじゃいってきまぁす」

伊織「……行ったわね」

伊織「ねえ真美、アンタもう雪歩に何もされてない?」

真美「……ウ、ウン」

伊織「正直に言っていいのよ」

真美「ナニモサレテナイヨ」

伊織「本当に?」

真美「ホントダヨ」

15: 2015/12/11(金) 07:21:52.518
伊織「……私はアンタの味方よ、真美」

真美「……」

伊織「そのアザ、本当は雪歩にやられたんでしょ?」

真美「……」

伊織「いくら仲がよくても、やっていいことと悪いことが……」

真美「いおりん、真美にはもう構わないで」

伊織「……はぁ?」

真美「昨日はあんな話してゴメン、もう真美のこと気にしなくていいから」

伊織「ちょっとなにその言い方?私はアンタのために言ってやってんじゃない!」

真美「ごめんね」

伊織「なにを私に謝ることがあんのよ!だいたいアンタらしくないわよ、ウジウジして人の顔うかがって……」

17: 2015/12/11(金) 07:32:50.939
真美「いおりんまで巻き込むわけにはいかないから……」

伊織「どういう意味よ?」

真美「おねがい!もういおりんはこのことに首つっこまないで!」

伊織「……まあ、アンタがそこまで言うんなら」

真美「ふう……わかってくれてありがと、いおりん」

伊織「なんかいろいろと腑に落ちないけどね」

真美「まーまーそう言わずに!ほら、真美がお茶でも入れたげよっか?」

伊織「いいわよ、どうせ変なもん入れるでしょ」

真美「もー、お茶ぐらい作れるよ!バカにしないでよねっ!んふふ~」

伊織(なんか昨日から初めてコイツの笑顔を見た気がするわね……)

18: 2015/12/11(金) 07:39:32.531
伊織「ああは言ったけど、首を突っ込むなと言われて簡単に引き下がる私じゃないわよ」

伊織「ちょっと」

亜美「ほえ?どうしたのいおりん」

伊織「真美のことで聞きたいことがあるんだけど……」

亜美「真美のこと?あー、最近なんか元気ないよねぇ」

伊織「アンタにはなんか話してないの?」

亜美「んーん、なんにも聞いてないよ。どーしたのって言っても『ナンデモナイ』って言うだけだし」

伊織「別に言い方をマネしなくていいわよ……」

伊織(亜美にも話してないってことはよっぽどね……)

伊織(亜美に聞いてこれだから、他の連中に話を聞いても大した情報は得られないかしら……)

伊織(いや、一応真美や雪歩に近い奴だけでも調査しといたほうがいいわね)

20: 2015/12/11(金) 07:50:20.135
伊織「真、貴音に聞いても収穫なし……まあいいわ、気を取り直していくわよ」

伊織「ねえ、やよい」

やよい「どうしたの伊織ちゃん、なにか聞いて回ってるみたいだけど」

伊織「真美か雪歩のことで、なにか変わったこととか、気づいたことはない?」

やよい「真美と、雪歩さん……」

伊織「どんなことでもいいわ」

やよい「あ、雪歩さんなら一つ気になってたことが……」

伊織「なに!?」

やよい「はわ!ちょ、ちょっと怖いよ伊織ちゃん……」

22: 2015/12/11(金) 07:59:48.984
やよい「雪歩さん、この前なんか独り言を言ってて……」

伊織「独り言?」

やよい「うん、それ自体は結構よくあることだけど……」

伊織「まあ、たまにあるわね……それで?」

やよい「その内容がね、『しつけが足りない……』って。ちょっと気になるでしょ?」

伊織「しつけ?」

やよい「うん、たぶん……ペットでも飼いはじめたのかな?そうだったら、そのうち私にも見せてくれるといいなぁ」

伊織「そうね……やよい、ありがと」

やよい「うん!」

25: 2015/12/11(金) 08:10:25.817
伊織「しつけ……間違いなく真美のことだわ」

伊織「アイツはこの期に及んで真美のことをペット扱いしようってわけね……」

伊織「さらに、しつけとやらの影響で真美自身も洗脳されつつあるようね……これは私がなんとかしなくちゃ」

雪歩「あ、伊織ちゃん?」

伊織「やい雪歩!アンタの企んでることはわかってるわよ!」

雪歩「うぅ……そんな大声出したら怖いよぉ」

伊織「怖いってどの口が言ってんのよ……私がアンタに裁きを下してやるわ」

雪歩「……そっかぁ、伊織ちゃんは私の邪魔をするんだね」

伊織「そうよ、覚悟しなさい!」

雪歩「ふふふ……」

伊織「な、なによ?そんなに余裕かましちゃっていいの?アンタがやってることは全部……」

28: 2015/12/11(金) 08:17:39.385
雪歩「伊織ちゃんは大きな勘違いをしてるね」

伊織「……はあ?」

雪歩「私達のやってることは、双方合意の上でのことなの」

伊織「つまり真美もそのことを望んでるってわけ?」

雪歩「さすが伊織ちゃん、その通りだよぉ」

伊織「そんなこと……」

雪歩「真美ちゃんはね、イジメられると喜んじゃうタイプなんだ」

伊織「はぁ?なにそれ、マゾってこと?」

雪歩「うん、伊織ちゃんは頭の回転が早くて助かるなぁ」

30: 2015/12/11(金) 08:24:08.491
伊織「で、アンタはサドってわけね……」

雪歩「そうだよ、そういう意味では伊織ちゃんも私の仲間だと思ってたのになぁ」

伊織「アンタなんかと一緒にされたくはないわ」

雪歩「ふふ……話を戻すけど、とにかく私が一方的に真美ちゃんをイジメてるわけじゃないから」

伊織「はぁ、アンタ本当わかってないわね」

雪歩「え?」

伊織「真美?いるんでしょ、出てきなさい」

真美「……」

雪歩「あ、いたんだ真美ちゃん」

31: 2015/12/11(金) 08:30:58.258
伊織「真美?今から私がアンタの主人よ、靴を舐めなさい」

真美「っ……」

雪歩「ちょ、伊織ちゃん?」

伊織「早くしなさい」

真美「……」ペロペロ

雪歩「あのさぁ……」

伊織「にひひっ!よくできたわね、流石は私の飼い犬だわ!」

真美「わんっ!」

雪歩「えぇ何これ……意味がわからない……」

33: 2015/12/11(金) 08:35:39.330
伊織「まだわからないわけ?アンタのは『アメ』が足りなかったのよ」

雪歩「うっ……」

伊織「いいこと?ただ厳しくするだけじゃ下僕は悦ばないの、服従すればいいことがあるって思わせなきゃ」

雪歩「……」

真美「むひゅむひゅ」

伊織「ちょっといつまで舐めてんのよ、もういいわよ」

真美「わんわん!」

雪歩「そんなぁ……私が間違ってたなんて……」

35: 2015/12/11(金) 08:45:15.602
伊織「アンタのはただ自分の支配欲を満たしたいだけの自己満足にすぎないのよ」

雪歩「……」

伊織「いい?恐怖では本当に人を支配することはできないの、むしろご褒美をちらつかせて……」

雪歩「師匠……」

伊織「え?」

雪歩「師匠と呼ばせてください!」

伊織「ま、まあ、悪い気はしないわね」

雪歩「師匠ぉ!私にサドの道を極めさせてくださいぃ!」

38: 2015/12/11(金) 09:06:10.837
伊織「とにかく、アンタは弟子になったわけだし、真美のことは返してやるわ。いいわね、真美?」

真美「うん!」

雪歩「真美ちゃん……ごめんね、私ちょっと勘違いしてたみたい」

真美「いいよ、真美はゆきぴょんの冷たい表情もいい感じでゾクゾクくるから好きだし……でも、それでいてたまに優しくしてくれたら最高っていうか」

伊織「なんていうかこいつも大概こじらせてるわね……」

雪歩「あれ、私のことは『ゆきぴょん』じゃなくて『ご主人様』って呼ばなきゃダメだよね?」

真美「はぁぁん……ごめんなさいご主人様……」

雪歩「えへへ、よくできたね真美ちゃん、いい子だね」

真美「あぁぁ!!こういうのだよこういうの!!」

41: 2015/12/11(金) 09:16:52.329
伊織「ちょっと雪歩、褒めすぎるとダメになっちゃうから程々にしなさいよ」

雪歩「はい師匠!!」

真美「わんわん!!」

雪歩「うっ!ちょ、ちょっと真美ちゃん、私のときは犬っぽい鳴き声はやめて」

真「いいなぁ、ボクも雪歩に飼われたいなぁ」

やよい「私は伊織ちゃんがいいなぁ」

響「なんだこいつら……」

貴音「心配しなくとも響はわたくしが引き取ってさしあげますよ」

響「なんでそうなるんだよ!?言っとくけど、自分はサドでもマゾでもないからな!!」

真美「え?ひびきんはマゾっしょ?」

雪歩「響ちゃんはマゾだよ」

伊織「響はマゾね」

響「だぞぉ!?」


42: 2015/12/11(金) 09:20:26.505
やさしい世界

45: 2015/12/11(金) 09:26:08.678
くぅ~疲れましたw これにて完結です!

引用元: 真美「ゆきぴょんがドSすぎてこわい」