1: 2016/06/27(月) 20:24:22.72
佐久間まゆ「おはようございます、Pさん。まゆ、あなたのためにお弁当を作ってきましたよぉ…」
P「いや、折角で悪いが今日は昼から出るんだ。外で食べてくるよ」
まゆ「そう、ですか…残念です。ところで今日はいつ頃お帰りですか?」
P「時間が読めないんで何とも…それよりまゆは早く帰らないとだろ?親御さんが心配するぞ」
まゆ「でも…」
P「お願いだから待たずに帰ってくれ。待たれると仕事もやりづらくなるんだよ」
まゆ「ご、ごめんなさい…私、そこまで考えてなくて…」
P「わかってくれ」
まゆ「はい…」
ちひろ「今日は一段とまゆちゃんに厳しいですね」
P「いや…もう流石に放置できない段階ですし…」
ちひろ「そうですね…第三者の私から見ても、こう…まゆちゃんの気持ちが伝わってきますからね」
P「クソッ、こんなつもりじゃなかったのに…」
ちひろ「人の気持ちばっかりはコントロールできるものじゃありませんから」
P「ええ…それでちひろさん、例の話はまとまりそうですか?」
ちひろ「おそらく、社内的にも認められるかと」
P「そうですか…喜んでいいのか、悲しむべきなのか」
ちひろ「『悲しい』って目が語ってますよ」
P「ハハ…俺も感情隠すの苦手なんですよねえ」
2: 2016/06/27(月) 20:40:25.87
まゆ「プロデューサー交代、ですか?」
P「ああ…急な話ですまないな」
まゆ「何でっ…!いやですよぉ、まゆ、Pさんじゃないと、まゆは…」
P「わかってくれ、上の意向もあるんだ」
まゆ「だって、そんな、まゆは…Pさんと離れるなら、アイドルやってる意味が…」
P「俺だって離れたくないんだよ!!」
まゆ「…!Pさん…」
P「なんで離れなきゃいけないか、わかるだろ?」
まゆ「はい…わかり、ますよぉ…まゆは、Pさんのことなら、何でも、わかりますから」
P「そう、俺だってまゆのことはわかってるつもりだ。他の誰より」
まゆ「だからこそ、なんですよね」
P「ああ…せっかく軌道に乗ってきたアイドルが、寄り道なんてしちゃいけない」
まゆ「どうしても、ダメなんですかねぇ…」
P「どうしてもダメだ」
まゆ「そう、ですよね…」
P「すまん…」
まゆ「ご、ごめんな、さい…涙が、止まらなくてっ…」
P「そうだよなぁ…そうなるよな」
まゆ「ご、ごめんなさ、もう、出ますね…」
P「待ってくれまゆ!最後に一つだけ我儘を聞いてほしいんだ」
まゆ「何、でしょうか…」
P「無理なお願いだとは思うんだが、その、もう一度だけ笑ってほしい」
まゆ「…ふふ、Pさんは、やっぱり少し変わってますねぇ…また、会いましょうね」
P「ああ、また、いつか、きっとな」
まゆ「ふふ…」
P「ああ…急な話ですまないな」
まゆ「何でっ…!いやですよぉ、まゆ、Pさんじゃないと、まゆは…」
P「わかってくれ、上の意向もあるんだ」
まゆ「だって、そんな、まゆは…Pさんと離れるなら、アイドルやってる意味が…」
P「俺だって離れたくないんだよ!!」
まゆ「…!Pさん…」
P「なんで離れなきゃいけないか、わかるだろ?」
まゆ「はい…わかり、ますよぉ…まゆは、Pさんのことなら、何でも、わかりますから」
P「そう、俺だってまゆのことはわかってるつもりだ。他の誰より」
まゆ「だからこそ、なんですよね」
P「ああ…せっかく軌道に乗ってきたアイドルが、寄り道なんてしちゃいけない」
まゆ「どうしても、ダメなんですかねぇ…」
P「どうしてもダメだ」
まゆ「そう、ですよね…」
P「すまん…」
まゆ「ご、ごめんな、さい…涙が、止まらなくてっ…」
P「そうだよなぁ…そうなるよな」
まゆ「ご、ごめんなさ、もう、出ますね…」
P「待ってくれまゆ!最後に一つだけ我儘を聞いてほしいんだ」
まゆ「何、でしょうか…」
P「無理なお願いだとは思うんだが、その、もう一度だけ笑ってほしい」
まゆ「…ふふ、Pさんは、やっぱり少し変わってますねぇ…また、会いましょうね」
P「ああ、また、いつか、きっとな」
まゆ「ふふ…」
3: 2016/06/27(月) 20:54:57.15
ちひろ「今日でまゆちゃんがいなくなって半年ですね」
P「…そうですね」
ちひろ「私たちの判断は、いえ…あなたたちの判断は、正しかったのでしょうか」
P「どうなんでしょうね…何にせよ終わったことです」
ちひろ「…終わってなんかないですよね」
P「どういう意味ですか」
ちひろ「知ってますよ、プロデューサーさん。空き時間になるといつもそのPCでまゆちゃんの情報調べてるの」
P「…放っておいてくださいよ」
ちひろ「そろそろ前に進まないと、プロデューサーさんの気持ちも、まゆちゃんの気持ちも、報われませんよ」
P「わかってます…わかってるつもりです」
ちひろ「簡単に折り合いがつく問題ではないですが…」
コンコン
ちひろ「どなたか訪問の予定ありましたっけ?」
P「いえ…今日はお客さんが来ることはないかと」
ちひろ「誰でしょう…入ってもらわないとわかりませんね」
P「どうぞ!」
まゆ「失礼します…」
ちひろ「まゆちゃん!?どうしたんですか!?」
まゆ「実はその…色々と事情がありまして…」
4: 2016/06/27(月) 20:55:35.98
ちひろ「何かあったんですか?」
まゆ「別のプロデューサーさんの下で色んな仕事をさせていただいたのですが、以前あった『覇気』というか『凄み』がなくなったと言われてしまって…」
ちひろ「あら…そうなんですね」
まゆ「それから、ついさっき、『元のプロデューサーの所に戻らないか?』と打診されまして…」
ちひろ「それで居ても立ってもいられず駆け出してきた、ということでしょうか…」
まゆ「はい…何というか…出戻りみたいで恥ずかしいのですが」
P「まゆ」
まゆ「…! はい」
P「お帰り」
まゆ「Pさん…!」
ちひろ「ふふ…私は少し外の空気でも吸ってきた方が良さそうですね。と、その前に」
P「ちひろさん、何ですかこれ」
ちひろ「見ての通り、今朝のスポーツ新聞ですよ」
P「何でまた急に」
ちひろ「いいから芸能面を読んでみてください」
P「なになに…元アイドル歌手が結婚?知り合いの男性と?」
ちひろ「まゆちゃんも、ずっとアイドルができるわけではないですからね。そうですね…トップアイドルになってから華々しく引退、なんてどうでしょう」
P「はぁ…何年先になるかわからないですねそれは」
まゆ「まゆは!まゆは何年でも待てますよぉ…!」
P「そうか、まゆ。実はな」
まゆ「はい…」
P「俺もだ」
まゆ「Pさん…!」
P「あーあー、こりゃ明日から忙しくなりそうだな!」
まゆ「そうですねぇ。でも、無理はしちゃいけませんよぉ…?」
P「わかってる、もう無理はしないさ。色々とな」
まゆ「ふふ、それでこそまゆのPさんです」
P「うん、そうだな…うん。これからも頑張ろうな、ずっと」
まゆ「ええ、ずっと。ずっとですよ?」
まゆ「別のプロデューサーさんの下で色んな仕事をさせていただいたのですが、以前あった『覇気』というか『凄み』がなくなったと言われてしまって…」
ちひろ「あら…そうなんですね」
まゆ「それから、ついさっき、『元のプロデューサーの所に戻らないか?』と打診されまして…」
ちひろ「それで居ても立ってもいられず駆け出してきた、ということでしょうか…」
まゆ「はい…何というか…出戻りみたいで恥ずかしいのですが」
P「まゆ」
まゆ「…! はい」
P「お帰り」
まゆ「Pさん…!」
ちひろ「ふふ…私は少し外の空気でも吸ってきた方が良さそうですね。と、その前に」
P「ちひろさん、何ですかこれ」
ちひろ「見ての通り、今朝のスポーツ新聞ですよ」
P「何でまた急に」
ちひろ「いいから芸能面を読んでみてください」
P「なになに…元アイドル歌手が結婚?知り合いの男性と?」
ちひろ「まゆちゃんも、ずっとアイドルができるわけではないですからね。そうですね…トップアイドルになってから華々しく引退、なんてどうでしょう」
P「はぁ…何年先になるかわからないですねそれは」
まゆ「まゆは!まゆは何年でも待てますよぉ…!」
P「そうか、まゆ。実はな」
まゆ「はい…」
P「俺もだ」
まゆ「Pさん…!」
P「あーあー、こりゃ明日から忙しくなりそうだな!」
まゆ「そうですねぇ。でも、無理はしちゃいけませんよぉ…?」
P「わかってる、もう無理はしないさ。色々とな」
まゆ「ふふ、それでこそまゆのPさんです」
P「うん、そうだな…うん。これからも頑張ろうな、ずっと」
まゆ「ええ、ずっと。ずっとですよ?」
5: 2016/06/27(月) 20:56:01.69
おわり
7: 2016/06/28(火) 23:17:38.46
まゆはいいなぁ
引用元: 佐久間まゆ「君が思い出になる前に」
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