1: 2013/04/12(金) 23:11:41.07
紬「ふっふっふーん」


梓(今日はムギ先輩の下宿にお泊りです)

梓(特にやることもなかったので、私の持ってきたゲームを交互にプレイしてます)

梓(そのゲームとは――)


紬「梓ちゃん、見て! 見て!!」

梓「いいの出ましたか?」

紬「ええ、lv4炎の魔道板が出たわ~」

梓「・・・! アマティですか!! これで太陽風無双できます」

紬「誰に持たせましょう?」

梓「そうですね…順当にレベッカでいいんじゃないでしょうか」

紬「ふふっ、これでお母さんが大幅パワーアップね!」

2: 2013/04/12(金) 23:17:11.97
梓「ちょっと休憩しませんか。ずっとゲームやりっぱなしですし」

紬「そうね。お茶をいれてあげるわ」

梓「あっ、あのっ」

紬「・・・?」

梓「・・・私にいれさせてもらえませんか?」

紬「梓ちゃんがお茶をいれてくるの?」

梓「はい。実はお茶の入れ方を菫に習ってるんです」

紬「えっ、菫が梓ちゃんに教えてるの?」

梓「はい。後輩たちともっと仲良くなりたくて・・・」

紬「それは素敵ね! では、梓ちゃん。お願いするわ」

6: 2013/04/12(金) 23:21:01.21
====


梓「おまたせしました」

紬「いただきます♪」コクッコクッ

梓「・・・どうでしょうか?」

紬「うん! とっても美味しい♪」

梓「やった!」グッ

紬「ふふ、これからは交互に紅茶をいれましょうか」

梓「・・・」

紬「梓ちゃん?」

梓「私、ムギ先輩に紅茶をいれてもらうの、好きです」

紬「それなら時々お願いしようかしら」

梓「はいっ!」

7: 2013/04/12(金) 23:22:25.05
紬「それにしてもこのゲーム面白いわ。あんりみてっど・さがだっけ」

梓「通称アンサガです。世間ではフリスビー扱いされてますけど」

紬「フリスビー?」

梓「このゲームすっごく評判が悪いんです」

紬「そうなの!?」

梓「はい・・・ゲームとしてはまともに遊べないからディスクをフリスビーに・・・」

紬「こんなに面白いのに・・・」

梓「カラスよけなんて言われることもあります」

紬「カラスさんにも面白さがわからないのかしら?」

梓「さぁ?」

8: 2013/04/12(金) 23:23:43.59
紬「梓ちゃんはこのゲーム好き?」

梓「はい。大好きです」

紬「私達お仲間ね!」ギュッ

梓「は、はぃ//」

紬「うふふ」

梓「アンサガは特にBGMがいいと思います」

紬「うんうん」

梓「PS2のゲームとしては屈指の出来かと」

紬「そうねー。特に戦闘曲がいいわ」

梓「はい。それにゲームシステムも好きです。ローグ系とRPGを融合させたみたいで」

紬「ローグ系?」

梓「ちょこぼの不思議のダンジョンを一緒にやりましたよね?」

紬「黄色いとりさんのやつね!」

梓「はい。ローグ系とはあんな感じのゲームのことです」

10: 2013/04/12(金) 23:24:38.39
紬「わかったようなわからないような・・・」

梓「ターン制でダンジョンを探索していくゲームとでも言うんでしょうか。これもそうですよね」

紬「アンサガも全ての行動でターンを消費するわね」

梓「はい。移動や罠解除などもターンを消費する。
戦闘もターンを消費する。つまりローグ系がベースになってると思うんです」

紬「そうなんだ?」

梓「ローグ系の上にサガシリーズの成長システムなどをのっけたのがアンサガだと思ってます。
ワイルドカードベースだと主張する人もいますが、スキルの回数制限もないですしカードゲームの特性は限りなく薄いと・・・」

紬「サガシリーズ? ワイルドカード?」

梓「ごめんなさい。
一度にいろいろ話し過ぎました。
説明するよりプレイしてもらったほうが早いので、今度もってきます」

紬「はーい」

11: 2013/04/12(金) 23:25:33.44
梓「システムがわかりにくいのはローグ系ベースだと考えれば許容できる面もあると思うんです
  elonaだって、重要登録したものを外せなくて苦労する人がたくさん・・・」

紬「elona?」

梓「ローグ系人気フリーゲームのことです。
  ・・・まぁ評判が悪いのも理解できなくはないんですが」

紬「そうなの?」

梓「最初説明不足なのはまぁいいとしても、
  トラップ外しの目押しが面倒です。
  閃いた技もリールで当てないと使えないですから。
  従来のサガファンからしたらストレスがたまる仕様ではあると思います」

紬「リール面白いのに・・・」

梓「ムギ先輩は楽しそうに目押ししますね」

紬「回転を見切るのは楽しいから」

梓「ふふふ、だからムギ先輩とこのゲームをやるのは好きです」

紬「そう? なら良かったわ」ニコッ

14: 2013/04/12(金) 23:27:08.18
梓「あと、このゲームはグラフィックもいいと思います」

紬「そうね。素敵な絵だと思うわ」

梓「従来のサガシリーズの正統進化として・・・ロココ調を表現できているかと」

紬「ロココ調?」

梓「こういう絵をロココ調っていいませんか?」

紬「たぶんアール・ヌーヴォーだと思うわ」

梓「そうなんですか?」

紬「ええ、確か・・・」

梓「雄大で、格調高く、躍動感もある。素敵な絵だと思います」

紬「ええ、壮大でいて幻想的で、だけどどこか現実と繋がっているような。そういえば・・・」

梓「どうしました?」

紬「ちょうどアール・ヌーヴォーの絵画が森アーツセンターギャラリーに来てたはずだわ」

梓「森アーツセンターギャラリー?」

紬「森ビルに入ってる美術品展示スペースのことよ」

16: 2013/04/12(金) 23:28:24.30
梓「ということは六本木ヒルズですか」

紬「・・・そうだ! ね、どうかしら、明日でも行ってみない」

梓「そうですね・・・予定もないですし」

紬「ふふっ、じゃあ今日はもう寝なくちゃ」

梓「はいです」


==消灯!==


梓(電気を消した後)

梓(私が布団に潜り込むと、ムギ先輩は体をこっちに寄せてくれました)

梓(私がぎゅっと抱きしめると「仕方ない子」と言って優しく抱きしめてくれました)

梓(ムギ先輩のやさしい匂いにつつまれて、私たちはすぐに眠りに落ちました)

17: 2013/04/12(金) 23:29:25.98
==翌日!==


紬「六本木ヒルズに二人で来たのははじめてね」

梓「スカイツリーなら二人で行きましたね」

紬「二人で見た景色は絶対に忘れられないわね・・・。あのとき梓ちゃんったら・・・」

梓「そ、それは言わないでください//」

紬「ふふっ。チケットはもう買ったから、エレベーターに乗りましょう」

梓「どこに行くんですか?」

紬「ここの52階に展示会場があるの」

梓「詳しいですね」

紬「以前にも来たから」

梓「・・・」

紬「梓ちゃん?」

19: 2013/04/12(金) 23:30:22.66
梓「・・・誰とですか?」

紬「澪ちゃんよ」

梓「ホッ・・・それならいいです」

紬「浮気なんてしないから」

梓「ムギ先輩綺麗ですし・・・」

紬「私には梓ちゃんだけなんだから」

梓「ムギ先輩・・・//」

紬「梓ちゃん・・・//」

チーン♪

梓「エレベーターが来ちゃいましたね」

紬「・・・うん」

21: 2013/04/12(金) 23:31:34.10
==52階==


紬「耳がおかしくなっちゃった」

梓「一気に高さが変わりましたから、気圧差ですね」

紬「・・・・・・治ったみたい」

梓「それじゃあさっそく見に行きましょう」

紬「うん!」


==美術館入り口==


梓「音声案内の貸出やってますね」

紬「桝太一って書いてあるわ」

梓「ニュース番組でお馴染みの人ですか」

紬「美術業界も集客のために色々やってるのね」

梓「そうみたいです」

22: 2013/04/12(金) 23:34:05.35
====


紬「梓ちゃん、これ、これ」

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梓「これは・・・確かにアンサガっぽいです」

紬「装飾がゴテゴテしてて文字も書いてあって・・・そのままタロットカードとして使えそう」

梓「人物もとても素敵です」

紬「纏っている服も風雅で独創的で、それでいて華麗だわ」

梓「これは・・・リトグラフ?」

紬「石版印刷のことね」

梓「石版印刷って・・・岩に掘ってスタンプみたいに?」

紬「こんなに精密で綺麗な線を描けるなんて凄いわ―」

梓「ですね」

紬「この絵は何かのポスターなのかしら」

梓「そうみたいです。こっちに色々書いてありますよ」

24: 2013/04/12(金) 23:35:51.13
====


紬「次は・・・梓ちゃん。これ見て」
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梓「これも素敵な絵ですね。この4枚はシリーズなんでしょうか」

紬「タイトルがそれぞれ春、夏、秋、冬だから、さしずめ四季シリーズってところかしら」

梓「・・・すごい完成度です」

紬「ええ、それにしてもなんていえばいいのかしら。
  ・・・ミュシャさんの絵は欲しくなる絵ね」

梓「そうですね。ゴッホやピカソは凄いですが、あまり欲しいとは思いません。
でも、この人の絵を見てると欲しくなっちゃいます」

紬「この絵の栞とか図書カードとかあったら素敵だと思うわ」

梓「はがきに使ったら送った相手に喜んでも貰えそうです」

紬「そうねぇ」

25: 2013/04/12(金) 23:36:58.57
梓「あっ、もうちょっと四季シリーズ見てもいいですか」

紬「気に入ったんだ?」

梓「はい。なんていうか、凄い絵だと思うんです。このポーズとかも」

紬「立ち方も印象的ねぇ、自然というよりちょっと気取ってる感じ。モデルさんみたい」

梓「私はジョジョ立ちを思い出しました」

紬「・・・」ビシッ

梓「無言でジョジョ立ちするのはやめてください!」

紬「・・・」シュン

梓「・・・そろそろ行きましょうか」

紬「もういいの?」

梓「ずっと見てても私のものにはなりませんし」

紬「後からおみやげコーナーを見に行こっか」

梓「でも美術館のおみやげって高いんですよね・・・」

紬「うふふっ、デートの記念だから1個だけなら買ってあげる。最近シフトも増やしたんだから!」

26: 2013/04/12(金) 23:37:50.02
梓「それは遠慮しておきます」

紬「いいのに・・・」

梓「駄目です。金銭的な面でムギ先輩に頼りたくありませんから」

紬「そう?」

梓「はい。でもどうしてもって言うなら・・・貯金しておいてください」

紬「貯金?」

梓「はい・・・」ゴニョゴニョ

紬「なぁに・・・・・・・・・///」プシュー

梓「///」

紬「///」

梓「///」

30: 2013/04/12(金) 23:43:59.33
====


紬「はぁはぁ・・・」

梓「はぁはぁ・・・」

紬「まわりの人から変な目で見られちゃったね」

梓「はい」

紬「ディズニーシー・・・//」ポーッ

梓「そ、それ以上は言わないでください//」

紬「・・・うん//」

梓「次の絵に進みましょう//」

紬「ええ//」

32: 2013/04/12(金) 23:45:19.69
====


梓「これも四枚組・・・四芸術ですか」
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紬「四季シリーズに負けず劣らず素敵な絵ね」

梓「・・・」ボー

紬「梓ちゃん…?」

梓「は、はにゃっ//」

紬「どうしたの? 赤くなってたみたいだけど・・・」

梓「な、なんでもないです」

紬「・・・あっ、そういうこと」

梓「ご、ごめんなさい」

紬「謝らなくてもいいのよ。この絵、妙にエOチだから・・・」

33: 2013/04/12(金) 23:47:00.67
梓「ムギ先輩もそう思いますか?」

紬「ええ、右の二つなんて完全に、その・・・乳首が見えてるから・・・」

梓「…はい」

紬「当時はこんなファッションがあったのかしら?」

梓「な、ないと思いますけど・・・っう~~~~~っ////」

紬「・・・? また真っ赤に?」

梓「この服を着てるムギ先輩を想像しちゃって・・・」

紬「・・・っ//」

梓「ごめんなさいっ!」

紬「い、いいからっ!」

37: 2013/04/12(金) 23:50:30.86
====


梓「だいぶ見ましたね」

紬「ええ。・・・これはタバコの宣伝かしら?」
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梓「そうみたいですね。画家というよりはイラストレーターなんですねミュシャさんって」

紬「あの四季シリーズや乳首が出ていた絵も何かの宣伝なのかしら?」

梓「さぁ? あとから調べてみましょうか」

紬「そうね・・・あっ、これ」

梓「クッキーの箱ですね。ミュシャの絵が描かれた」

紬「素敵ねー。こんな絵が描かれてたら、箱目当てで買ってしまうわ~」

梓「ふふっ、こんな箱を使ってティータイムできたら素敵ですね」

紬「ねー」

38: 2013/04/12(金) 23:52:02.59
梓「あっ、この絵のタイトル・・・」

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紬「どうかしたの・・・百合の中の聖母?」

梓「はい・・・」

紬「百合の中の聖母ねぇ」

梓「ふーむ」

紬「どうしたの?」

梓「ムギ先輩に似てると思いませんか?」

紬「金髪なだけじゃない?」

梓「なんだかムギ先輩って百合の神様みたいなところがありますし」

紬「ふふっ、そんなことないわよ」

梓「それに左にいる女の子が私みたいだなーって」

紬「確かにこっちの女の子、髪を二つにわけてるわね」

梓「流石にツインテールじゃありませんが・・・」

39: 2013/04/12(金) 23:52:41.15
紬「でも黒髪ではないし共通点は少ないんじゃない?」

梓「百合の中の聖母なんです」

紬「うん?」

梓「ゆりのなかのせいぼ」

紬「・・・なかの」

梓「はい・・・」

紬「じゃあこの女の子と聖母様はこれから結ばれるんだ?」

梓「・・・はい//」

紬「やっぱりだーめ!」

梓「な、なんでですか!」

41: 2013/04/12(金) 23:53:34.57
紬「だって、左下の女の子より梓ちゃんのほうがずっとかわいいわ!!」

梓「それを言うなら聖母様よりムギ先輩のほうがかわいいです!」

紬「こんなに美人じゃないわ、眉毛だって太いし」

梓「眉毛は関係ないです。それに、それを言うなら私も・・・」


周囲の人「・・・」ニヤニヤ


紬「あ、あずさちゃん」

梓「は、はい。次に行きましょう」

43: 2013/04/12(金) 23:54:44.08
====

紬「これは・・・ステンドグラスの複製ね」
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梓「こういうのも作ってるんですね」

紬「ね、これ特にアンサガっぽいと思わない」

梓「はい・・・この黒いマントの人ならゲームにそのまま出てきてもおかしくない、そんな感じがします」
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4123669.jpg

紬「そうよねぇ、スタッフさんもこの絵をみて着想を得たのかしら」

梓「冗談抜きで、そうかもしれませんね」

44: 2013/04/12(金) 23:55:33.12
====


紬「ふぅ・・・これで終わりかしら」

梓「そうみたいですね。意外と少なかった気がします」

紬「点数は数えてないけど、美術展としてはちょっと少なめかしら」

梓「ただ、ミュシャの絵ばかりでしたから、そこは評価してもいいかと」

紬「そうね。◯◯展と名乗っておいて、違う人の絵が多い美術展も珍しくないから・・・」

梓「おみやげコーナー・・・」

紬「梓ちゃんは何か買う?」

梓「これ・・・」

紬「あら、四季シリーズのしおり?」

梓「はい」

紬「梓ちゃん、こっちに乳首のほうもあるわよ」

梓「そ、それはいらないです!」

45: 2013/04/12(金) 23:56:36.16
紬「そう? 素敵な絵だと思うけど・・・」

梓「確かに素敵ですけど・・・。ムギ先輩は何か買わないんですか?」

紬「・・・このマグネットにしょうかしら。あっ、そうだ!」

梓「どうしました?」

紬「互いに買ってプレゼントしない?」

梓「いいですね。じゃあ私はマグネットを買ってムギ先輩にプレゼントします」

紬「じゃあ私はこの栞4枚セットを買って・・・」


====


紬「はい、どうぞ」

梓「ありがとうございます。では、こちらをどうぞ」

紬「ありがとう。さっ、帰りましょうか」

梓「はいっ!」

46: 2013/04/12(金) 23:57:28.11
==下宿!==

紬「ふふふ~ん」ペタッ

梓「冷蔵庫に貼ってあるマグネット、随分増えましたね」

紬「梓ちゃんとデートに行くたびに買ってるから」

梓「本当に色々行きました」

紬「梓ちゃんが大学生になったら、もっといろいろ行こうね」

梓「はいっ!」

紬「ディズニーシーも」ボソッ

梓「・・・///」

紬「はやく増えるといいわ~」

梓「私も開けてみます・・・あっ・・・これ」

紬「ふふっ、気になってたみたいだからおまけにつけちゃった。130円のポストカードだから、ね」

48: 2013/04/12(金) 23:58:12.48
梓「・・・ありがとうございます」

紬「でも、梓ちゃんは本当に乳首が好きねぇ」

梓「・・・否定はしません」

紬「あらあら。・・・そろそろ夜ご飯を作るわ。今日も泊まっていくでしょ?」

梓「はいっ!」

49: 2013/04/12(金) 23:58:46.09
==深夜っ!==


梓「・・・ムギ先輩?」

紬「どうしたの?」

梓「あの絵を見てたら無性に・・・」

紬「もう、梓ちゃんたら仕方ないのね」

梓「ごめんなさい//」

紬「いいの。私も梓ちゃんのちっさいお胸を愛してあげたい気分だったから」

梓「そ、そんな//」

紬「今夜はたくさん楽しみましょう♪」


おしまいっ!

58: 2013/04/13(土) 00:04:50.10
なかなかオツなコラボだな

59: 2013/04/13(土) 00:05:28.71
終わってた乙

引用元: 梓「百合の中の聖母?」紬「ミュシャ展!」