1: 2015/10/12(月) 01:53:25.380
兄「(なんだろ…なんていうのかな、劣等感?)」

兄「(うん、この言葉が一番しっくり来る!)」

兄「(そしたら、俺すげぇダセェじゃん)」

兄「(妹相手に…もっとお兄ちゃんらしくしなくては)」

兄「…」

妹「…」

兄「(あ、そだった。基本的に話しかけてこないんだった)」テヘッ

妹「…」

兄「(何してんだ?)」

6: 2015/10/12(月) 01:55:52.314
兄「(なんか…手帳?)」

兄「(何書いてるんだろ?)」

兄「(おっと、兄貴たるもの…勝手に覗くなんてできない)」

兄「(だから)」

兄「何してんだ?」

妹「関係ないでしょ…」スタスタ

兄「…自室に行ってしまった」

兄「結局何してたんだろ…」

兄「まあ、いいや」

7: 2015/10/12(月) 01:58:31.970
妹部屋

妹「ハァ…」

妹「なぜ、私の兄さんはあんなに素っ気ないんだろ…」

妹「もっと私に構って欲しい…」

妹「氏ぬほど…」

妹「っと…願望を書くのはこれくらいでいいかな…」

妹「…ムフフ」

妹「そうしてくれたら嬉しいのに~♪」

妹「…」

妹「フフフ~」

8: 2015/10/12(月) 02:01:12.338
兄部屋

兄「…あ、決して妹の部屋の音を聞こうとしてたわけじゃないんです」

兄「たまたま、耳に入っただけなんです…」

兄「本当です。信じてください」

兄「…誰に言ってんだ?」

兄「まあ、いい…まさか妹にこんな一面があるとは…」

兄「お兄ちゃん的には嬉しいが…逆にちょっと怖いよ」

兄「と思ったが…まあ、妹に好かれるのはいい事だ」

兄「俺は嫌われてると思ってたしなぁ~」

兄「これからは、構っていこう…」

9: 2015/10/12(月) 02:02:40.587
兄「…な、なあ、妹」

妹「何?」

兄「兄と一緒にゲームでもしないかな~」

妹「何のゲーム?」

兄「これこれ」

妹「わかった…」

兄「じゃあ、俺の部屋で…」

妹「…」

12: 2015/10/12(月) 02:06:03.097
兄部屋

兄「…」ピコピコ

妹「…」ピコピコ

兄「…全然勝てねぇ…」

妹「フフンッ」ドヤッ

兄「くそ~そのドヤ顔が腹立つぜぇ…」

妹「…」ピコピコ

兄「全敗じゃねぇか…」

妹「兄、弱すぎ…」

兄「俺が弱いんじゃねえ、お前が強いんだ」

妹「負け犬の遠吠えだ…」

兄「チッチッチ…違うよ~妹君…」

兄「私は…このゲームはかなりやりこんでるんだ…」

兄「だから、私が弱いなど…ありえんないんだよ」

13: 2015/10/12(月) 02:09:02.074
妹「何言ってんの?」

兄「…いや、だから俺が弱いわけじゃないってこと」

妹「あっそ」

妹「じゃあ、もうそれでいいよ」

兄「やっとわかってくれたか~」

妹「わかったから。次はこれ」

兄「わかった」

一時間後

兄「ん~疲れた…」

妹「…」ジィー

兄「(はまってるな…)」

兄「(まあ、もう少しやらせておくか…)」

兄「(下に行って何か飲み物飲んでくるか…)」スクッ

ガチャ

妹「…」ピコピコ

15: 2015/10/12(月) 02:13:04.089
兄「…戻ってきたが…まだやってるのか」

兄「なあ、妹~他のことして遊ぼうぜ~飽きたよ~」

妹「…わかった」

兄「おう、物分りいいな。」

妹「将棋をしよう…」

兄「おう、俺、絶対に勝てないからあんまりやりたくないな」

妹「じゃあ、このゲームやってる」

兄「なっ!謀ったな!?」

妹「いいえ」ニヒッ

兄「(いやいや、絶対に計画通りって思ってるよ…)」

兄「…」

兄「…一人でオセロでもしてるか」

16: 2015/10/12(月) 02:16:34.022
兄「よしっ!白の勝ちぃ!」

妹「…ねぇ」

兄「ん?」

妹「一人でやってて楽しいの?」

兄「全然」

妹「じゃあ、私とやろう…」

兄「おう、頼む」

兄「フフッ…計画通り」

妹「いや、乗ってあげただけだよ」

兄「あれ?口に出てた?」

妹「うん」

兄「まあ、なんだ気にするな」

妹「うん」

17: 2015/10/12(月) 02:19:43.328
妹「…」

兄「あ…ありえねぇ…なんだこの差は…」

妹「あり得ないほど弱いね。兄…」

兄「お前…少しは手加減しろよ…」

妹「超手加減したよ?」

兄「マジかよ…それでこれ?お前なに?天才?」

妹「いや、全然」

兄「そうか…俺が弱すぎるだけか」

妹「うん」

兄「そこはフォローが欲しかった…」

妹「大丈夫…フォローがなくても兄は…」

兄「お、おう…信用されてるってことかな?」

18: 2015/10/12(月) 02:22:18.542
兄「…これは…どういうことだ…なぜスピードで全然勝てないんだ」

妹「スピードが足りないから」

兄「いや、待て…俺はスピードの神と言われたい男だぞ?」

妹「じゃあ、当分先になりそうだね」

兄「そうか…それは…まあ、そうだな」

妹「じゃあ、次は何する?」

兄「う~ん…なんだろ…今日はもういいだろ」

妹「…そっか」

兄「じゃあ、解散~」

妹「じゃ、自分の部屋に戻るね」

兄「おう」

19: 2015/10/12(月) 02:26:40.886
兄「(さて、自分一人になったので…)」

兄「(…)」ピタッ

妹部屋

妹「今日は…楽しかった…すごく」

妹「あんなに構ってもらえたの。久しぶりだ…」

妹「明日も…遊びたいな~♪」

妹「フフン~♪」

兄「(あ、やべぇ…俺の妹かわいすぎでしょ…自慢できるレベルだ)」

兄「(俺のいもうとがこんなにかわいいわけがない…古いか…)」

兄「(俺はまず、あのタイトルでもう買う気を失せたからな…)」

兄「(リアル妹がいる奴が読む内容じゃないだろ…絶対)」

兄「(しかし、気になってアニメは見てみたが…)」

兄「(あれは…まあ、ありえんな)」

兄「(まあ、どうでもいい)」

兄「さて、何しようかな~」

21: 2015/10/12(月) 02:28:45.157
兄「…そうだな一人って特にやることないな…」

兄「久しぶりに一人でダンスでも踊ってみるか…」

兄「ほいやぁ~たやぁぁ!」

兄「フオイッ!」

兄「…落ち着け…冷静になれ俺…何してんだ」

兄「さて、テンションが戻った所で」

コンコン

兄「ん?」

ガチャッ

兄「どうした?」

妹「…ご飯できたって」

兄「お、そうか」

兄「サンキュー」

妹「…」スタスタ

23: 2015/10/12(月) 02:34:42.249
妹「あ、兄…」

兄「ん?」

妹「ダンスするときはもう少し静かにお願いね」フフ

兄「…」

妹「…」スタスタ

兄「…おお、よく考えたら聞こえるか…黒歴史確定だな…」

兄「変な俺だった…妹は内心なんだこのバカはとか思ってたんだろう…」

兄「まあ、正解だ…」

兄「降りよう…」

兄「…」モグモグ

妹「…」モグモグ

兄妹母「アンタら、本当に会話ないね…もう少し仲良くしたら?」

兄「何言ってんだ…母さん…飯食べるときは静かに食うのが常識だ」

24: 2015/10/12(月) 02:38:53.493
兄妹母「いや、別に今じゃない時間でもさ」

兄「何言ってるんだ…超仲良しだって、近所に評判になるくらいだ」

妹「え…そうなの?」

兄「ん?嘘だよ?」

妹「…」

兄「…」ニヤッ

妹「…」イラッ

兄「痛い、痛い…ごめんって」ペシペシ

妹「くだらない嘘つかないでね」

兄「は~いすいませーん」

妹「…」

兄妹母「なんだい、アンタら仲良かったんだね…?」

兄「だから、近所で評判だって言ってるだろ」

妹「それは嘘でしょ…」

26: 2015/10/12(月) 02:43:41.521
兄「俺は…嘘をつく天才って言われてるからな…」

兄「困ったもんだぜ」

妹「それ、絶対に褒められてないよ…」

兄「そうか?俺的には、嬉しい限りだぜ…」

妹「それを嬉しいと思ってる時点で兄はどこかおかしい…」

兄「そうでもないさ…」

兄「むしろ、俺はお前のほうがおかしいと思う…」

妹「何が?」

兄「なんか、いつも無表情だし…学校に友達いるの?」

妹「いるよ」

兄「そうか。それは良かった…わざわざ心配する必要も無かったんだな」

兄「それで、気になる人はいるのか?」

妹「気になる人?」

兄妹母「それは、私も気になる…」

妹「…いない」

27: 2015/10/12(月) 02:48:44.234
兄「な~んだ…つまんねぇの」

妹「そういう兄はいるの?」

兄「ん?俺か?俺は世界中の女の子が気になる存在さ」

妹「兄は私をそういう目で見てたの?」

兄妹母「じゃあ、私もってことになるね」

兄「…親族は除くでお願いします…」

兄妹母「へぇ…熟女好きで…ブスもOKと…」

兄「…あの、同年代のできればかわいい子が好みです…」

兄妹母「フフン…そう」

兄「はぁ…」

妹「…」フフッ

兄「何笑ってやがる…」

妹「いや、別に」

兄「…はぁ」

28: 2015/10/12(月) 02:52:07.694
兄「ご馳走様」

妹「ご馳走様でした」

兄妹母「ご馳走さんっと」

兄「う~い…」

妹「親父くさいね」

兄「ガーン…」

兄「そういうことを言っちゃいけないよ?妹…」

妹「ごめんなさい」

兄「おお、素直だ…」

妹「親父臭いって言うか…親父だもんね…」

兄「うう~ん…俺はまだ若いんだが…」

妹「ごめん」

兄「う~ん…謝れたのに微妙な気持ちだ…」

29: 2015/10/12(月) 02:56:37.957
兄「さて、漫画でも読もうかなあ~」

兄「…」ペラッ

兄「フフッ」

兄「クッ…フフ」

兄「わおうっ!」

兄「…」ポロポロ

妹「(感情豊かだなぁ…)」

妹「(少しは感情豊かなほうが…いいのかな)」

妹「…」ニヤ

兄「…ふぅ。泣けた」

妹「兄…」

兄「ん?なんだ…」

妹「…」ニヤッ

兄「……」

31: 2015/10/12(月) 03:01:04.457
兄「なんだ…その煽ってるみたいな顔は…」

妹「いや…煽ってない…」

兄「じゃあ、なんだ?」

妹「笑ってる…」

兄「…お前マジで言ってのか…」

兄「いや、不自然すぎて…なんか不気味に見える」

妹「ガーン…」

兄「まあ、なんだ?その無理して笑顔にする必要ないんじゃね?」

兄「笑顔なんて、嬉けりゃ勝手に笑顔になるし…」

妹「…うん。すごい兄…いいこと言った」

兄「だろう…たまには兄貴らしいことしなきゃな」

妹「うん…じゃあお礼に…」

妹「…」チュッ

妹「じゃあ、私もう寝るから」スタスタ

兄「…ほっぺにキスって高等テクだぜ…おい」

32: 2015/10/12(月) 03:01:52.890
終わり

引用元: 兄「俺の妹は完璧だ。腹立つくらい…」