1: ◆5AkoLefT7E 2020/04/16(木) 23:49:12.18
~事務所~
P「……」
久川凪「……」
P「……」
凪「……」
P「……はい?」
凪「おおPよ、こんなところで難聴系主人公になってもロマンスは待っていません。ですがもし、凪という名の美少女に見惚れてのことなら見逃すのはやぶさかでもはやさかでもしらさかでもありません。おーけー?」
P「……」
凪「……」
P「今……何時だと思う?」
凪「凪のスマートフォン、略して凪スマートフォンは朝の6時を指しています。あまり略せていない? この1文字を減らすために凪がどんな苦難を乗り越えてきたかも知らずによく言えたものですね」
P「……」
凪「……」
P「……で、何……?」
凪「こほん」
P「……」
凪「チキチキ、チャーハンパラパラアメージング餃子定食~」
P「さっきと変わってんじゃん」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1587048551
2: 2020/04/16(木) 23:49:38.18
P「せめて一貫性を持ってプレゼンしてくれると助かるんだけど」
凪「ジョークですよ、ジョーク。徳島では最新のジョークです。つまり都会では20年遅れくらいとみた」
P「リアクション取りにくいからそういうこと言うなよ」
凪「そもそも、この時間に事務所を訪ねた凪を咎めるのなら、同じく働いているPはどうなるのでしょうか? 自分だけはセーフ? その判定はアウトですよ」
P「う……まあ、いろいろ忙しいんだよ。別に毎日この時間に出てるわけでもないし」
凪「そんな多忙なPにつかの間の癒しをプレゼント。お代は取りません。その笑顔と日本銀行券があれば、凪には何も」
P「がっつり対価の要求が入ってるんだよな」
凪「凪は人々の笑顔のために日夜奮闘しています。疑うなど言語道断だんだんだだんだん」
P「本当は?」
凪「ふむ……そうですね。これは、日本語で丁度よいニュアンスの言葉が見つからず……継続動作の合間の時間、自由に使える時間……例えるなら火事の無い世界での消防士、病の無い世界での医者、国会会期中の議員……」
P「それはな、世間一般だと『ヒマ』って呼ぶんだよ。よく使うワードだから覚えとくといい。あとその議員への偏見は外で絶対言うなよ」
3: 2020/04/16(木) 23:50:05.68
凪「しかし、気遣っているという事実は虚偽記載ではありませんよ。仕事の邪魔になるとすれば……落ち度は凪ですね。出直しましょうか」
P「凪……」
凪「ああ、今みたいなセリフの後には『シュン……』という擬音を設置した方がPの『しょうがないなあ』を引き出す効果は高かったですね。やり直しましょうか」
P「台無しだよ」
凪「サンマは秋が」シュン……
P「当初とニュアンス変わっちゃってるけど?」
4: 2020/04/16(木) 23:50:37.30
P「……まあ、ちょうど一息入れようと思ってたとこだし、付き合ってやるよ」
凪「そう言ったPの机にはまだ湯気の残るコーヒーが。人間は2つに分かれます。休憩する時に飲み物を入れるタイプと、さてもうひと頑張りという時に飲み物を入れるタイプ。そして我らがPは後者のタイプ。凪に気を遣ってくれたことは明白です。おおPよ、偉大なる我らが指導者よ。おお(合掌)」
P「急に察する能力が爆上がりするのはなんなの?」
5: 2020/04/16(木) 23:51:06.19
P「で? なんだっけ? 颯のシチュエーション対決がどうこうって」
凪「先日のはーちゃんの撮影、覚えていますか?」
P「颯の撮影? あの制服のやつか? そりゃつい最近だからな、忘れてるってことはないけど」
凪「凪は感動したのです。誰よりも昔から、それこそ産まれる前のお腹の中から一緒の凪とはーちゃん。凪の知らぬはーちゃんの顔などないはずでした。しかしそんなことはなかった。当たり前です、凪とはーちゃんは同時に年を取るのですから。後輩はーちゃんという概念……このような『未知』に心が躍らぬ凪ではありません」
P「……なるほど、確かにアイドルなら、普通に生きてたらあり得ないような側面を見たりはできるからな」
凪「そこで、凪の心の中のドナルド・トランプが囁きました。『この仕事を企画したPなら、他にも様々なはーちゃんの可能性を見せてくれるのではないか』『倒せば没ネタや未公開ネタをドロップするのではないか』と……」
P「お前はなんてものを心に飼ってるんだ早く逃がしなさい危ないから」
凪「その軽はずみな発言で捨てドナルド・トランプが繁殖してしまう可能性は考えないのですか? これだから利己主義の大人は困ってしまう」
P「まず捨てドナルド・トランプという概念が俺の頭に素直に入ってきてくれねえんだよ」
凪「このままではそこらじゅうで捨てドナルド・トランプがMake America Great Againしてしまいますよ? 責任は取れますか?」
P「やめろやめろこれ以上俺の辞書に不要な文字列を刻み込むな!」
凪「ほら、そのようなことをしている間に捨てバラク・オバマのYes We Canと衝突してヒラリィィィィィィ」
P「疲れてるなら休暇を掛け合っておくけど???」
6: 2020/04/16(木) 23:51:34.00
凪「ジョークです。これが本当のアメリカンジョーク」
P「むやみに敵を増やしそうなだけで全く巧くない冗談をありがとう」
凪「ですが、凪の思惑は伝わったと考えても?」
P「まあ、ある程度はな。颯の企画のボツ案とか含めて、いろんなシチュエーションが見たいんだろ?」
凪「流石は我らがP。偉大なる太陽の威光の化身であるP。おお(合掌)」
P「その北の指導者みたいな崇拝の仕方やめない?」
7: 2020/04/16(木) 23:52:02.59
凪「さて、凪は飢えています。新たなはーちゃんの可能性に」
P「でも、俺が凪にいろいろ教えるだけじゃ対決にはならないんじゃないか?」
凪「語感を重視しました。内情など二の次、三の次、萩の月」
P「大した意味ないのか……ちょっと待ってろ、あの企画を考えた時の資料が、どっかに……」ガサゴソ
凪「凪はこう見えて気の長い方ではありません」
P(そうか?)
凪「カウントダウンの間に資料を見つけ出すのです」
P「って、そんな急がなくても」
凪「3……」
P「おいおい猶予短いな!」ガサゴソ
凪「2……」
P「ここでもない……ここでもない……」ガサゴソ
凪「1……」
P「ちょ……ま、待てって!」
凪「ゴー! シュート!!!」
P「なんで今ベイブレード始まった!?」
8: 2020/04/16(木) 23:52:33.00
P「ってかいい声出たな……凪のセリフにビックリマークが3つってなかなか見ないぞ」
凪「……一生分の声を張りました。凪はもうダメです。故郷のゆーこちゃんに伝えてください。ゲームは1日1時間と……。ああ、それは隣県でしたか」
P「ツッコミにくいんだよいちいち」
凪「して、成果は」
P「おう、あったあった、書面資料としてはこれで、データはこっちのフォルダに入ってるよ」
凪「その隣のフォルダには何が入っていますか? 無題の……あっ(察し)」
P「何を察したんだおい。単純に名前つけるのが面倒だっただけだっての」
凪「大丈夫です、口の堅さで凪の右に出る者はあまりいない」
P「若干名いるのかよ」
凪「問題ありません。凪はPが異常性癖者でも躊躇いなくバンバン110番」
P「問題しかない」
9: 2020/04/16(木) 23:52:58.77
凪「そんなことよりまだ見ぬはーちゃんはどこですか?」
P「話の腰を折ったのは凪だろ……」
凪「話にも腰があるというのに凪には胸もくびれもありません。こんな世界は間違っています。さあPよ、この500ゴールドとひのきのぼうで世界を救うのです。何が王様ですか。数うちゃ当たる精神で若者をそそのかして魔王の城には氏屍累々」
P「話の腰を折ったという話の腰を折るなよもうわけわからん」
10: 2020/04/16(木) 23:53:29.14
P「じゃあまずは……」
凪「わくわく。わーくはわくわくしない。伸ばし棒だけでえらい違いだ」
P「ボツ案1:部活のマネージャー、久川颯」
凪「天才か?(天才か?)」
P「セリフ案としては……」
『おはよっ! ほらほら! 全国目指すんだから、そーんな眠そうな顔しないの! ストレッチ、手伝ってあげるからっ。はい! イチ!ニ!サン!シ! うんうん、調子いいね! 今度の大会も期待してるよ!』
『わ! 大丈夫!? あー、すりむいてる……! 消毒するからこっちきて! ……ちょっとしみるけど、我慢してね? え? ううん、かっこ悪くなんてないよ! はー、頑張ってるキミ……その、いいなって……思うし……な、なんてね! 痛みが引くまでは安静にね! はーは戻るから!』
『あれ!? まだ残ってたの? もー、練習もほどほどにしなきゃ……しょうがない! はーが付き合ってあげる! ……え? あ! ち、ちがうよ! い、今のは練習にってことだから! ね!? ……ね?』
P「こういう感じかな」
凪「ふー……」
凪「……」
凪「……」
凪「……」
凪「……天才か?」
P「溜めたなあ」
11: 2020/04/16(木) 23:53:56.48
凪「凪の中でのP評価が急上昇しているのを感じます。おめでとう、Pは『ランク:アリクイ』にアップした」
P「どれくらいの評価かはわからないけど多分バカにされてるんだろうなってことは伝わった」
凪「初撃でこの威力……凪は生きてこの事務所を出られるのか……次回、凪、氏す」
P「氏ぬな」
凪「なぜこのような素晴らしい企画がボツに?」
P「ボツっていうか、結果的に後輩颯が採用になったってだけで、将来的に使われる可能性はあるよ。4月のモチーフとしては体操服やジャージのマネージャーより、制服姿の後輩に軍配が上がった感じかな」
凪「おお……Pは本当にプロデューサーだったのですね……過去14年間で23番目に驚きの事実です」
P「ピンと来ねえんだよ数字が」
凪「ちなみに22番目の驚きは『近所の家のおじいちゃんだと思ってた人がおばあちゃんで、おばあちゃんだと思ってた方がおじいちゃんで、ペットのポメラニアンが実はくたびれたモップの頭だった』事件です」
P「けっこう濃くない? それで22位? 一桁入れるポテンシャルあるよ絶対」
12: 2020/04/16(木) 23:54:24.77
凪「ではPよ、次なる供物を凪に捧げるのです」
P「そのポジションはなんなんだ……」
凪「さあさあ」
P「えっと……これだ。ボツ案2:病弱系幼馴染、久川颯」
『あ……お見舞い、来てくれたんだね……えへへ……え? げ、元気だよ! ほらほら! こーんなに元気に……ごほっごほっ!』
『……ごめんね、うん、もう落ち着いたから。……桜、綺麗だね。病室の窓からじゃなかったら、もっと綺麗だったのかな。……覚えてる? 昔さ、ふたりで「伝説の桜の木を探すんだー!」って。隣町まで行ってさ、迷子になっちゃって。はーが泣いちゃって、でもキミは、はーの手を引っ張ってくれた……懐かしいね』
『……3年後はもう、難しいかもって。お医者さんが』
『なんで……こうなっちゃったんだろうね……?』
『なんで? ……もっと、もっと! キミと! やりたいこともあったのに……これから……グスッ……だったのにね……グスッ……』
『うわぁぁぁぁぁぁあああん……』
P「という感じの」
凪「ハッピーエンド厨、久川の凪、推して参る。狙うはあのPヘッド」ジャキン
P「怖い怖い怖い」
13: 2020/04/16(木) 23:54:54.66
凪「遺言があれば聞きますが?」
P「その構えてる警棒を降ろせ! どこから取り出したんだそんなの……」
凪「そこに落ちていましたよ」
P「大丈夫かこの事務所。誰が落としたんだバカだろ」
凪「ともあれPよ、はーちゃんを泣かせるとは、極刑は免れません」
P「いやいや、そういう役柄なんだって!」
凪「言い訳があるなら聞きましょう」
P「あくまで演技なんだからな? 普段は明るい颯の、少し弱々しい姿も新鮮だろ?」
凪「……なるほど、一理ありますね」
P「だろ?」
凪「では、判決は氏刑となります」
P「変わってないし! 減刑してくれ減刑!」
凪「確かに、プロデューサーという職業である以上、時にはマイナスの演技をさせることも仕事の内と……」
P「そうそう」
凪「わかりました。氏刑です」
P「もしかして情状酌量って概念を知らない? 法曹界ではけっこうポピュラーなんだけど」
14: 2020/04/16(木) 23:55:20.52
P「だいたいこういうのは最初が一番弱々しくて、だんだん元気になって医者をビックリさせて『愛の力……かなっ』って照れながら言うのがセオリーなんだよ。俺の腕をギュってしてな」
凪「は?」
P「すまん、最後のは失言だ。ただでさえ冷たい凪の目がさらに冷たくなっていく」
凪「仕方がないので汚名返上のチャンスを差し上げることにしましょう。四国八十九ヶ所目のお遍路さんと名高い仏の凪、1度の失敗では手足をもぐ程度に留めることで有名」
P「致命傷じゃねえか」
15: 2020/04/16(木) 23:55:51.73
凪「御託はけっこうです」
P「圧倒的にセリフが多いのは凪なんだが」
凪「まだ残っているのでしょう? ジャンプしてみてください。音が鳴るはずですよ。『チャリンチャリーン』もしくは『ルパンルパーン』と」
P「どう振り回しても成人男性の体内から怪盗一味はドロップしねえよ」
凪「活発マネージャー、病弱幼馴染、さて次の一手は?」
P「ええと、3つ目は……あった。ボツ案3:小悪魔系妹、久川颯」
凪「神ゲーの予感しかしません」
P「別にギャルゲーの設定ではない」
『あ! おにいちゃんっ! こっちこっち! ……え? なんで一緒に住んでるのにバラバラに集合するのかって? もー、わかってないなあ!』
『そんなことよりいいのかな~? クラスメイトの遊びの誘いを断って、やることは妹との”で・え・と”なんて~』
『みんなが見たらどう思うかな? ねえおにいちゃん? ふふふ……クラスメイトの集合場所、ここの近くでしょ? 見つかっちゃったら~?』
『それがイヤなら、今日ははーに付き合うこと! ほらほら! 何って……手! エスコートもできないの? おにいちゃん、ダメダメだなー!』
『大丈夫だよ、妹のはーには、おにいちゃんがマトモになるまで支えるギムがあるんだからっ! それじゃ、荷物持ち、お願いね~』
P「最初は生意気なんだけど、恋心を自覚するにしたがって強く出れなくなってしまう姿がいじらしいんだよな」
凪「Pもギャルゲーのようなていで解説をしているではありませんか。これぞ矛盾。自己矛盾。自己矛盾と首尾一貫がめぐりゆく世界を歩いていく」
P「雑に先輩事務所の歌詞を引用するんじゃない」
16: 2020/04/16(木) 23:56:19.00
凪「しかし安心しました」
P「また泣かせるんじゃないかって?」
凪「いいえ、”小悪魔”というからには『おい兄ちゃん、ちょっとそこで”おはなし”しようや……』とか『おい兄ちゃん、なんやそんなに小指が惜しくないんかワレ?』とか問いかけてくるものだとばかり」
P「なにが小悪魔だよド悪魔じゃねえか」
凪「このように言い寄られては凪も思わず命乞いです」
P「俺でも多分しちゃうよ命乞い」
17: 2020/04/16(木) 23:56:49.00
P「というかここまでプレゼンしておいて悪いんだが、あくまでこれは企画を通す際の資料として俺が考えたセリフだからな。ちゃんとした仕事になったら然るべきライターさんが考えてくれるんだぞ?」
凪「安心しました。Pに泣かされるはーちゃんも、Pの小指をゲットだぜするはーちゃんもいないのですね」
P「後者はもともとお前の頭の中にしかいないから存分に安心してくれ」
凪「しかしながら、それを差し置いても良質なアナザーはーちゃんを摂取することができました。Pには感謝していますよ。本当です。近所のポメラニアンに誓って」
P「それモップだったやつだろ」
18: 2020/04/16(木) 23:57:19.36
凪「おっと、残念ながら戯れもここまでのようです。そろそろはーちゃんがレッスンのために事務所に着く時間となってしまいました。また来週。今後とも『CMのあともまだまだ続くよ!』などと言いながら数秒の次回予告を挟んで終わらせるバラエティへの反骨心だけは忘れずに生きていきましょう」
P「普通に言えば賛同されるだろうにタイミングがおかしいせいで損してるぞ」
凪「問題ありません。凪の心の中の天龍源一郎がこう言うのです。『人生は〇%&▲#※■〇%&』」
P「心にもっとまともに話せる人は住んでないの???」
19: 2020/04/16(木) 23:57:48.58
ガチャ
久川颯「Pちゃんおっはよー! あ! なー、もういる! 今日は早起きだね!」
P「ああ、もうそんな時間か……いや、そこまで長話をしてたとは思わないんだけど」
凪「逆に考えましょう。ふたりとも、どこぞの戦場カメラマンのようなペースで会話をしていた可能性も捨てきれません」
P「老人ホームみたいなテンポになっちゃうな」
凪「Pは自分が老人ではないとでも?」
P「普通に凹ませにくるのやめない?」
20: 2020/04/16(木) 23:58:17.75
颯「むー……」
凪「どうしましたか、はーちゃん」
颯「なんかPちゃんとなー、仲良しじゃない? なに話してたの?」
P「何って……まあ、世間話だよ。な?」
凪「はい、相違ありません。具体的にはベイブレードとルパンルパーン」
P「抜き出す単語、その2つで大丈夫か? 本当に? 総括できてる?」
21: 2020/04/16(木) 23:58:51.72
颯「あれ? なー、その持ってるの、何……?」
凪「これですか? そこに落ちていた警棒です。装備すると攻撃力と正義感が上がるぞ。果たして世の中全ての警察が正義感で動いていると思ったら大間違いですけどね」
P「そういうことを言うな」
颯「警棒……あっ!」
凪「あげませんよ」
P「別にいらないだろ」
颯「さっき千夜ちゃんに会ったんだけど、『お嬢さまに護身用の警棒を渡したのですが、存外重かったらしく、事務所から持ち帰る体力が残らなかったようです。回収したいのですが、どの部屋にあるのか……』って!」
P「まずちとせの体力が不安すぎる」
颯「それだよきっと!」
凪「おや、確か先ほどPは……」
『誰が落としたんだバカだろ』
P「あっ」
凪「ほほう……これは報告の必要が」
P「チーズバーガー!」
凪「……」
P「ダブルチーズバーガー!」
凪「……」
P「ビックマック!!!」
凪「手を打ちましょう。二人前ですよ」
颯「?」
凪「よかったですね、はーちゃん。ランチはおごりです」
颯「え! よくわかんないけどやったー!」
P「下手なこと言わなきゃよかった……」
22: 2020/04/16(木) 23:59:17.71
颯「じゃあ、千夜ちゃんに届けてこようかな!」
P「おう、サンキュ。レッスン、遅れないようにな。……しかし千夜も大変だよな」
凪「とはいえ、召使いという肩書きに恥じぬ献身性だと凪は思います。人に尽くすのは本当に難しいことです。対価がなければ続きません。そうです、日本銀行券です」
P「いい加減その生々しい言い回しやめない?」
颯「召使い……」
P「?」
凪「どうかしましたか、はーちゃん」
颯「えー、コホン……『おかえりなさいませ、ご主人様っ! メイドのはーです! ご主人様の命令なら、なんでも聞いちゃいますっ』な、なんちゃって! や、やってみると恥ずかしいね! でもでも、アイドルなんだからこういうお仕事もありえるかもだし!」
P「……」
凪「……」
颯「あれ? Pちゃん? なー?」
P「……」
凪「……」
颯「おーい?」
P「……天才か?」
凪「……天才か?」
颯「!?」
23: 2020/04/16(木) 23:59:43.89
颯「ど、どうしたの!? ヘンにリアクションがシンクロしてるよ!?」
凪「はーちゃん……一週に一度のお願いをしても?」
颯「それ結構な頻度で発生しない!?」
凪「『萌え萌えきゅん』と、言っていただけはしないだろうか……後生じゃ……」
P「なッ!? 凪! それはあまりにも危険すぎるッッッ!!!」
凪「試してみたいのです……この凪、どこまでの尊みに耐えることができるのか……」
P「へっ……水くせえじゃねえか凪の姉御!」
凪「P……」
P「俺も挑んでやるよ! その尊みってやつにな!」
凪「ふふ……感謝をしましょう」
P「氏ぬときは一緒だぜ……!」
颯「なにこのノリ!?」
24: 2020/04/17(金) 00:00:10.36
颯「えっと……さっきのセリフを言えばいいの?」
凪「イエスマム」
颯「わ、わかった……Pちゃん、そのコーヒー、借りるね?」
P「おう……」
颯「じゃあ……」
P「ゴクリ」
凪「ゴクリ」
颯「……ふぅ」
颯「……よし」
颯『ご主人様、コーヒーをお淹れしましたっ。あ、でも待ってね! せーのっ、おいしくなーれ、萌え萌えきゅんっ!』チュッ
P「うっ!!!!!」
凪「うっ!!!!!」
颯「あぅ……ちょっと恥ずかしいかも……って、ふたりとも?」
P「」チーン
凪「」チーン
颯「ふ、ふたりとも!? ねえ! ふたりともー!!!」
凪「うぅ……」ヨロヨロ
颯「なー! 大丈夫!?」
凪「はーちゃん……」
颯「ど、どうしたの!?」
凪「……」
凪「……」
凪「……Yes We Can」バタリ
颯「どういうことー!?!?」
早朝からやってたPの仕事は片付かなかったし、凪はレッスンを欠席した。
おわり
25: 2020/04/17(金) 00:00:39.80
ありがとうございました。
直近の過去作
鷹富士茄子「どうしてほたるちゃんは私のイベントを走ってくれないんですか!?」
佐久間まゆ「まゆはどんなプロデューサーさんでも大好きです……!」P「本当に?」
久川颯「えっと……”常識キャリブレーションミーティング招待状”……?」(pixivのみ)
浜口あやめ「珠美殿に宿りし!」道明寺歌鈴「武の神髄……?」
田中摩美々「放クラなんてやかましいだけじゃないですかぁ」
などもよろしくお願いします
26: 2020/04/17(金) 00:02:31.61
掛け合いがもはや芸術
今回も楽しかった
ありがとう!
今回も楽しかった
ありがとう!
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります