1: 2013/09/01(日) 23:55:09.18
唯(8月31日)

唯(夏休み最後の日…だけど明日は日曜日)

唯(だからムギちゃんの家にお泊りにきたんだけど…)

紬「さ、遠慮なくあがって」

唯「う、うん…」

唯(こんなに大きな家だなんて聞いてなかったよぉー)

4: 2013/09/01(日) 23:56:13.69
紬「私の部屋に行きましょうか」

唯「あ、うん」

紬「うふふ、唯ちゃんがお泊りにきてくれるなんて嬉しいわー」

唯「私も一度ムギちゃんの家を見てみたかったから…ムギちゃんって本当にお嬢様なんだね」

紬「ええ」

唯「おっきい家だからびっくりしちゃったよー」

紬「かくれんぼすると探すのが大変なのよ」

唯「そうなんだ?」

唯(誰とやってるんだろう…?)

紬「さ、ついたわ」

唯「ここがムギちゃんの部屋?」

紬「ええ」

7: 2013/09/02(月) 00:00:15.92
ガラッ

唯「わ、すごい」

紬「そう?」

唯「うん! このベッドなんてお姫様のベッドみたい」

紬「そうかしら」

唯「…」ウズウズ

紬「…?」

唯「あのね、よかったらでいいんだけど、寝っ転がってみていい?」

紬「もちろん」

唯「えいっ!」ドサッ

唯「わ、ふかふかー」

紬「うふふ、唯ちゃんったら」

紬(唯ちゃん、最初は緊張してたみたいだけど楽しそう)

紬(良かった…)

8: 2013/09/02(月) 00:01:28.60
唯「ムギちゃんはいいなー。毎日こんなふかふかなベッドで眠れて」

紬「うん…」

唯「どうしたの?」

紬「私ね、どちらかというと畳でお布団で寝るのが好きなんだ」

唯「畳の匂いがして気持ちいいよねー」

紬「唯ちゃんも畳好きなんだ」

唯「うん!」

紬「あ、そうだ。今日は唯ちゃんもふかふかベッドで眠れるわよー」

唯「え、一緒のベッドに寝てもいいの!?」

紬「えっと…客室のベッドのことなんだけど」

唯「あ、そっちかぁ…」

11: 2013/09/02(月) 00:03:56.27
紬「えっと、一緒のベッドで寝てみる…?」

唯「いいの?」

紬「うん。唯ちゃんさえよければ」

唯「やった」

紬「ふふ。なんだか修学旅行みたい」

唯「修学旅行?」

紬「うん。夜遅くまでおきて恋話するの」

唯「ムギちゃん、それは無理だよ」

紬「どうして?」

唯「だって…ね」

紬「//」

13: 2013/09/02(月) 00:08:57.61
唯「ムギちゃ--」

トントン

唯「あれ、誰か来たみたい」

紬「入っていいわ」

?「失礼します」

唯「こ、こんにちは。ムギちゃんのお父さんですか?」

紬「ううん。この人は斎藤。うちの執事よ」

唯「し、しつじさん…」

斎藤「はい。執事の斎藤と申します。紬お嬢様のご学友でございますか?」

唯「は、はい」

斎藤「ではこちらのテーブルのほうにお茶をおいておきますので。ごゆっくりどうぞ」

スタスタスタ バタッ

唯(し、執事さんまでいるの!?)

15: 2013/09/02(月) 00:10:31.57
紬「唯ちゃん?」

唯「う、うん。ちょっとびっくりしちゃって。本当にムギちゃんってすごいお嬢様なんだね」

紬「そうかも。ね、お茶でも飲みましょうか」

唯「うん…」ゴクッ

紬「私も」ゴクッ

唯「あ、おいしい」

紬「斎藤は私のお茶の先生だから」

唯「あ、そうなんだ。じゃあ後からお礼を言っておかないと」

紬「え…?」

唯「だって軽音部でおいしいお茶が飲めるのは斎藤さんのおかげでしょ」

紬「あ、そういうことかぁ」

唯「もちろんムギちゃんにも感謝してるよ」

紬「好きでやってるだけだよ」

唯「それでも、だよ」

18: 2013/09/02(月) 00:13:12.42
紬「そうだ唯ちゃん。お菓子はいる?」

唯「うん!」

紬「何がいいかしら、焼き菓子も生菓子も両方あったと思うけど…」

唯「あ、忘れてた」

紬「どうしたの?」

唯「ちょっとまって……」ゴソゴソ

唯「あった!」

紬「それは…クッキー?」

唯「うん。お泊りに行くからおみやげとして憂と一緒に作ったんだ」

紬「唯ちゃんと憂ちゃんの手作りなんだ!」

唯「あ、でも、ムギちゃんの家のクッキーのほうが美味しいかも」

紬「ううん、そんなことない! ね、さっそく食べてもいい?」

唯「うん。どうぞ」

紬「いただきます……」

19: 2013/09/02(月) 00:15:15.24
唯「…どうかな」ゴクリ

紬「うんっ、とってもおいしい!」

唯「よかった」

紬「ね、唯ちゃん、もっと食べてもいいかしら」

唯「もちろんだよー」

唯(うん。ムギちゃんはお嬢様だけど、やっぱりムギちゃんはムギちゃんだよー)

唯(美味しそうに食べてる…あ、私の分がなくなっちゃう)

唯「私も食べる」

紬「うふふ、一緒に食べましょう」

唯「うんっ!」

20: 2013/09/02(月) 00:17:12.57
:::

紬「おやつでお腹ふくれちゃったね」

唯「うん……夜ご飯食べられるかな」

紬「友達が泊まりに来るって言った、料理長さん張り切ってたんだった」

唯「そうなんだ」

唯(料理長!? ムギちゃんの家には何人も料理人さんがいるのかな…)

紬「そうだ、ちょっと家の中を案内しよっか。歩いていれば少しはお腹も減ると思うし」

唯「ムギちゃんのお家を?」

紬「ええ、亀さんも飼ってるのよ」

唯「亀さん?」

紬「ええ、こ~んな大きな」

唯「ムギちゃん、それはいくらなんでも大袈裟だよ。だってそれじゃムギちゃんより大きくなっちゃうよ」

紬「うふふ、私より大きな亀さんがいるの。その気になれば乗れるんだから!」

唯「わ、ほんと!?」

紬「ええ、ほんとよー」

21: 2013/09/02(月) 00:18:10.08
紬「じゃあいきましょうか」

唯「うん!」

紬「あ、そういえば…」トコトコ

唯「どうしたの?」トコトコ

紬「憂ちゃんはちょっと悪いことしちゃったかなって」トコトコ

唯「どうして?」トコトコ

トコ‥

紬「夏休みの最後なのに、大好きなお姉ちゃんをとっちゃったから」トコトコ

唯「あ、それなら大丈夫だよ。今日はお母さんもお父さんもいるから、家族水入らずで仲良くやってるはずだから」トコトコ

トコ‥

紬「家族水入らずって、唯ちゃんも家族じゃない」トコトコ

唯「あ、そうだった」トコトコ

トコトコ…

紬「うふふ、唯ちゃんったら」トコトコ

唯「……ねぁ、ムギちゃん」トコトコ

23: 2013/09/02(月) 00:18:45.01
トコ…

紬「うん?」

唯「さっきから誰かがついてきてない」

紬「そんなはず…あら…!」

?「……」

唯「?」

紬「菫、出てきなさい」

菫「あ、見つかっちゃった…」トコ

唯「この子は?」

紬「えっとね、さっき斎藤に会ったわよね」

唯「うん」

紬「その孫娘の菫よ。私の妹同然なの」

唯「そっかぁ、よろしくね、スミレちゃん」

24: 2013/09/02(月) 00:19:20.89
菫「よ、よろしくお願いします」

紬「ふふ、菫はちょっと人見知りなところがあるの」ダキッ

菫「お、お姉ちゃん」

唯「…」ウズウズ

紬「ほら、唯ちゃんも遠慮せずに」

唯「いいの?」

紬「ええ」

唯「菫ちゃーん」ダキッ

菫「え、ええー」

紬「尾行してた罰よ」

菫「だって、お姉ちゃんのお友達が気になったから」

唯「私、注目の的だね!」

紬「そうね」

25: 2013/09/02(月) 00:19:56.85
菫「えっと…お姉さんの名前は?」

唯「あ、私は平沢唯だよー」

菫「えっと…唯お姉さんって呼んでもいいですか」

唯「どうしよう、ムギちゃん」

紬「どうしたの、唯ちゃん」

唯「妹が増えちゃった」

紬「お持ち帰りしちゃダメよ」

唯「じゃあ現地妹だね!」

紬「ええ!」

菫「え、え」

唯「スミレちゃんは何歳?」

菫「あ、12歳です」

26: 2013/09/02(月) 00:20:21.56
唯「え、私達と背の高さそんなに変わらないのに…」

紬「こう見えてもこの前までランドセル背負っていたのよ」

唯「そんな菫ちゃんも今日から私の妹だね」

菫「え…私はお姉ちゃんの妹です」

紬「いいのよ菫、お姉ちゃんは何人いてもいいんだから」

菫「そうなの…?」

紬「ええ、そうなの」

菫「えっと…じゃあ、これからよろしくお願いします、唯お姉ちゃん」

唯「うん。これからよろしくね、菫ちゃん」

菫「私はお爺ちゃんに呼ばれてるからそろそろ行くね」

紬「ええ、また夜ご飯のときお話しましょう」

唯「ばいばい。またね」

28: 2013/09/02(月) 00:21:12.46
唯「ムギちゃんにあんな妹がいるなんて」

紬「うふふ。ちょっと人見知りなところがあるから心配だったけど、大丈夫そうね」

唯「うん、菫ちゃんともっと仲良くなりたいな」

紬「また夜ご飯のときにお話しましょう」

唯「うん!」

:::
6時間後
:::

紬(あの後、亀さんを一緒に見にいった)

紬(唯ちゃんが亀に乗っている写真…焼き増しして憂ちゃんにも送ってあげよう)

紬(それから庭や厨房、書庫、リビング、客室などを純に紹介してあげた)

紬(見慣れた場所でも唯ちゃんとまわるととっても楽しい)

紬(それから夜ご飯を食べて、菫と3人でボードゲームをして、それから眠ることにした)

29: 2013/09/02(月) 00:21:30.78
紬「電気消すね」

唯「うん」

紬「…」ポチ

唯「暗くなった」

紬「ね」

唯「うん」

紬「…」

唯「…」

紬「…」

唯「…」

32: 2013/09/02(月) 00:23:18.74
紬「…あの、唯ちゃん」

唯「…」

唯「…」

紬「…寝ちゃったんだ」

唯「ううん、寝たふり」

紬「もう、唯ちゃんったら…」

唯「ごめんごめん」

紬「ね、唯ちゃん、今日は楽しかった?」

唯「あのね、最初ちょっと緊張しちゃったんだ」

紬「うん」

唯「ムギちゃんの家はとっても大きいし、執事さんまでいるし」

紬「うん…」

唯「でもムギちゃんはムギちゃんだし、菫ちゃんもかわいいし…」

紬「うん」

33: 2013/09/02(月) 00:24:02.86
唯「……あれ」

紬「どうしたの?」

唯「何を言いたかったのか忘れちゃった」

紬「うふふ。唯ちゃんったら…」

唯「ごめんね、上手く言葉にできなくて」

紬「いいの、伝わったから」

唯「ムギちゃんって人の心が読めるみたい」

紬「うん、唯ちゃんのことはなんとなくわかっちゃうの」

唯「以心伝心だね」

紬「ええ、そうねぇ」

34: 2013/09/02(月) 00:24:30.04
唯「ね、ムギちゃんは楽しかった?」

紬「うん。唯ちゃんが遊びにきてくれてとっても楽しかった」

唯「そっかそっか」

紬「ね、唯ちゃん」

唯「なぁに」

紬「これからもずっと仲良くしてね」

唯「ムギちゃん…」

紬「なぁに?」

唯「それはこっちの台詞だよ!」


おしまいっ!

36: 2013/09/02(月) 00:26:19.85

程よく仲良くていいね

37: 2013/09/02(月) 00:26:53.65
唯ムギはいつ読んでも素晴らしい

38: 2013/09/02(月) 00:27:29.44
おつー
もっと色々してもいいんだよ

引用元: 唯「ムギちゃんと過ごす夏の終わり」