1: 2009/08/19(水) 00:25:37.53
梓「ふぁああああ……かふぁ。」
私の名前は中野梓。桜ヶ丘高校の2年生。
こんなに気持ちの良い朝なのに、私の心は晴れないでいた。
先週やった新歓ライブでは大盛況だったのに、
未だに入部希望者が一人も現れていないのだ。
このまま来年になり、先輩が卒業してしまうと、軽音部は私一人になってしまう。
なんとかして、新入部員を…できれば4人以上…集めなければならない。
私の名前は中野梓。桜ヶ丘高校の2年生。
こんなに気持ちの良い朝なのに、私の心は晴れないでいた。
先週やった新歓ライブでは大盛況だったのに、
未だに入部希望者が一人も現れていないのだ。
このまま来年になり、先輩が卒業してしまうと、軽音部は私一人になってしまう。
なんとかして、新入部員を…できれば4人以上…集めなければならない。
2: 2009/08/19(水) 00:26:14.54
最近の軽音部はこの問題にかかりっきりだ。
みんなで変な気ぐるみを着てビラをくばったり、
メイド服を着てビラをくばったり、
なんかよくわからない変な服を着てビラをくばったり。
単にさわ先生のおもちゃになっているような気もする。
部活の時間はビラをくばっているか、部室でお茶を飲むかの毎日で、
どうしても練習はおろそかになってしまっている。
私も、こんな状況では練習しようとは言い出しにくくて、困っていた。
なんとかしないと……。
みんなで変な気ぐるみを着てビラをくばったり、
メイド服を着てビラをくばったり、
なんかよくわからない変な服を着てビラをくばったり。
単にさわ先生のおもちゃになっているような気もする。
部活の時間はビラをくばっているか、部室でお茶を飲むかの毎日で、
どうしても練習はおろそかになってしまっている。
私も、こんな状況では練習しようとは言い出しにくくて、困っていた。
なんとかしないと……。
4: 2009/08/19(水) 00:29:44.03
通学路を歩いていると、軽音部の4人が談笑しながら登校してるのを見かけた。
その様子は傍から見ていても微笑ましくて、この人たちが築き上げた軽音部を
決して私の代で失ってはならないという気持ちにさせてくれる。
そのためにも、部員の勧誘、頑張らないと!
梓「みなさん、おはようございます!」
澪「あ、おはようございます、梓先輩!」
梓「えっ」
その様子は傍から見ていても微笑ましくて、この人たちが築き上げた軽音部を
決して私の代で失ってはならないという気持ちにさせてくれる。
そのためにも、部員の勧誘、頑張らないと!
梓「みなさん、おはようございます!」
澪「あ、おはようございます、梓先輩!」
梓「えっ」
6: 2009/08/19(水) 00:34:31.72
紬「おはようございます、先輩」
唯「あずにゃん先輩、今日の放課後はチーズタルトだよお!」
律「こら唯、食べてばっかじゃ先輩に怒られるぞ?」
唯「えへへへ…」
梓「……」
なに、これ。
先輩たちがグルになって私をからかっているんだろうか。
私が真意が測れずに沈黙している間に、先輩たちは先に行ってしまった。
唯「あずにゃん先輩、今日の放課後はチーズタルトだよお!」
律「こら唯、食べてばっかじゃ先輩に怒られるぞ?」
唯「えへへへ…」
梓「……」
なに、これ。
先輩たちがグルになって私をからかっているんだろうか。
私が真意が測れずに沈黙している間に、先輩たちは先に行ってしまった。
8: 2009/08/19(水) 00:41:41.29
それにしても不謹慎だ。
部員を獲得するチャンスは今しかないといっても過言ではない。
今の時期に、どの部に入るか迷っている新入生を獲得しなければ、
あとは帰宅部の学生を勧誘するしかなくなるのだ。
あえて部活に入らない──入りたくない──学生を勧誘するのは、
新入生を勧誘するのとは比べ物にならないほど難しいだろう。
1時限目の後の休み時間に、私は澪先輩のいる教室へ向かった。
あの朝の行動に何か理由があるのなら、それが知りたかったし
たとえそれが、悩んでいる私を気遣って飛ばした冗談だとしても、
今は他にやることがあるのだ。
澪先輩が律先輩や唯先輩に流されているのなら、
私が目を覚まさせてあげないと。
部員を獲得するチャンスは今しかないといっても過言ではない。
今の時期に、どの部に入るか迷っている新入生を獲得しなければ、
あとは帰宅部の学生を勧誘するしかなくなるのだ。
あえて部活に入らない──入りたくない──学生を勧誘するのは、
新入生を勧誘するのとは比べ物にならないほど難しいだろう。
1時限目の後の休み時間に、私は澪先輩のいる教室へ向かった。
あの朝の行動に何か理由があるのなら、それが知りたかったし
たとえそれが、悩んでいる私を気遣って飛ばした冗談だとしても、
今は他にやることがあるのだ。
澪先輩が律先輩や唯先輩に流されているのなら、
私が目を覚まさせてあげないと。
9: 2009/08/19(水) 00:47:04.49
梓「すいませーん」
上級生の教室というものは、いつ訪れても緊張する。
私は教室の扉近くにいた上級生に声をかけて澪先輩を呼んでもらおうと思った。
「秋山さん?秋山……秋山?このクラスに秋山って人はいないわよ?」
梓「えっ」
「クラスを間違えているんじゃない?クラス替えしたばかりだしね。」
梓「ちょ……っ」
そう言って、上級生は立ち去ってしまった。
そんなはずはない。私も学年が変わってから、澪先輩を呼びに来たことが何度かある。
間違いない。澪先輩はこのクラスで間違いないはずだ。なのに。
私は紬先輩のクラスに足を運んだ。
上級生の教室というものは、いつ訪れても緊張する。
私は教室の扉近くにいた上級生に声をかけて澪先輩を呼んでもらおうと思った。
「秋山さん?秋山……秋山?このクラスに秋山って人はいないわよ?」
梓「えっ」
「クラスを間違えているんじゃない?クラス替えしたばかりだしね。」
梓「ちょ……っ」
そう言って、上級生は立ち去ってしまった。
そんなはずはない。私も学年が変わってから、澪先輩を呼びに来たことが何度かある。
間違いない。澪先輩はこのクラスで間違いないはずだ。なのに。
私は紬先輩のクラスに足を運んだ。
11: 2009/08/19(水) 00:50:32.29
「琴吹さん?いないわねぇ」
「田井中?聞いたことないわ」
「平沢…唯さん?唯さんって人はいないわよ。
平沢ゴンザレスさんならあそこに…ねーえ、ゴンちゃ」
梓「すいませんすいません間違えました!!」
ガタイの良い黒人ハーフの三つ編み女学生が、
かわいらしく「みぃ?」と鳴いたのを背に私は教室を飛び出した。
「田井中?聞いたことないわ」
「平沢…唯さん?唯さんって人はいないわよ。
平沢ゴンザレスさんならあそこに…ねーえ、ゴンちゃ」
梓「すいませんすいません間違えました!!」
ガタイの良い黒人ハーフの三つ編み女学生が、
かわいらしく「みぃ?」と鳴いたのを背に私は教室を飛び出した。
13: 2009/08/19(水) 00:55:18.36
変だ。
変だ変だ変だ。
先輩たちが確かに登校していたのを私は見た。
集団でサボリ?いや違う。それなら「いない」なんて言い方はしない。
なんだこれ。頭が変になりそうだ。
そういえば憂がいない。
朝からずっと考え事をして気づかなかったけど、憂は休み?
もしかして、憂も…いなくなった?
変だ変だ変だ。
先輩たちが確かに登校していたのを私は見た。
集団でサボリ?いや違う。それなら「いない」なんて言い方はしない。
なんだこれ。頭が変になりそうだ。
そういえば憂がいない。
朝からずっと考え事をして気づかなかったけど、憂は休み?
もしかして、憂も…いなくなった?
15: 2009/08/19(水) 00:59:19.90
「……では、今日はここまで。」
2時限目、化学の授業が終わった。
私は先生の教材の片付けを手伝うことにした。
この先生は忘れっぽいのだ。
後は私にまかせてください、と言えば
安心して職員室に戻っていくだろう。
…やはり忘れていった。出席簿。
2時限目、化学の授業が終わった。
私は先生の教材の片付けを手伝うことにした。
この先生は忘れっぽいのだ。
後は私にまかせてください、と言えば
安心して職員室に戻っていくだろう。
…やはり忘れていった。出席簿。
18: 2009/08/19(水) 01:04:41.18
予想していなかったといえば、嘘になる。
でも、心の底では認めたくなかった。
みんなで私をからかっているだけなんじゃないか。
最悪でも、先輩たちがいじめを受けて無視されていて、
いないことにされているんじゃないか、とか。
それなら私が心の支えになってあげないと…そんなことも考えていた。
でも、そんな淡い期待は、現実の前にはたやすく吹き飛ばされた。
出席簿の中に、平沢憂の名前は、なかった。
でも、心の底では認めたくなかった。
みんなで私をからかっているだけなんじゃないか。
最悪でも、先輩たちがいじめを受けて無視されていて、
いないことにされているんじゃないか、とか。
それなら私が心の支えになってあげないと…そんなことも考えていた。
でも、そんな淡い期待は、現実の前にはたやすく吹き飛ばされた。
出席簿の中に、平沢憂の名前は、なかった。
20: 2009/08/19(水) 01:10:20.08
放課後。
誰もいない音楽準備室の中で、私は呆けていた。
ティーセットもある。ドラムも、機材もある。
なのに、先輩たちだけが、いない。
先輩の家に行ってみようかとも思ったけど、
どうしても、ここから離れたくはなかった。
この音楽室から一歩出て、振り返るだけで、
何もかもが消えてしまう気がして。
私がここにいなければ、何の変哲も無いただの音楽室に変わってしまう気がして。
このテーブルが、このティーセットが、あのドラムが、機材が。
この音楽室だけが、先輩方がいたという、ただ一つ残った、証なのだ。
誰もいない音楽準備室の中で、私は呆けていた。
ティーセットもある。ドラムも、機材もある。
なのに、先輩たちだけが、いない。
先輩の家に行ってみようかとも思ったけど、
どうしても、ここから離れたくはなかった。
この音楽室から一歩出て、振り返るだけで、
何もかもが消えてしまう気がして。
私がここにいなければ、何の変哲も無いただの音楽室に変わってしまう気がして。
このテーブルが、このティーセットが、あのドラムが、機材が。
この音楽室だけが、先輩方がいたという、ただ一つ残った、証なのだ。
21: 2009/08/19(水) 01:13:55.36
楽しかった。
いま振り返れば、先輩がたと何気なく過ごしてきたあの日々は、輝いていた。
無駄だと思ったティータイムも、かけがえの無いものだった。
先輩たちがいなくなった今では、もう二度と戻ってこない、あの日々。
なんで…こんなことになっちゃったんだろう…。
この音楽室は、何も変わらない。
今にも、あのドアを開けて、先輩たちが…入って…
ガチャ
律「おぅいーっす!」
唯「いーっす!」
梓「…!」
いま振り返れば、先輩がたと何気なく過ごしてきたあの日々は、輝いていた。
無駄だと思ったティータイムも、かけがえの無いものだった。
先輩たちがいなくなった今では、もう二度と戻ってこない、あの日々。
なんで…こんなことになっちゃったんだろう…。
この音楽室は、何も変わらない。
今にも、あのドアを開けて、先輩たちが…入って…
ガチャ
律「おぅいーっす!」
唯「いーっす!」
梓「…!」
22: 2009/08/19(水) 01:15:41.94
せ……
梓「せんぱぁぁぁいっ!!」ガシッ
唯「わわっ!あずにゃん先輩、どうしたの!?」
律「せんぱい?どゆことだ?澪。」
紬「きっと、卒業してしまった先輩を思い出して寂しくなってしまったのね。」
澪「そうか…この音楽室にも色んな思い出が詰まっているんだろうな…」
梓「せんぱぁぁぁいっ!!」ガシッ
唯「わわっ!あずにゃん先輩、どうしたの!?」
律「せんぱい?どゆことだ?澪。」
紬「きっと、卒業してしまった先輩を思い出して寂しくなってしまったのね。」
澪「そうか…この音楽室にも色んな思い出が詰まっているんだろうな…」
23: 2009/08/19(水) 01:20:26.47
先輩たちの言葉は明らかにおかしかったが、
そんなことは私には気にならなかった。
先輩たちが戻ってきてくれたんだ。でも。
梓「いままで…今までどこにいってたんですか!」
唯「え?私たち?」
律「あちゃあ、もしかして今日って昼休みに集まる約束してたっけ?」
澪「いや、そんな予定はなかったと思うけど」
梓「違います!教室にいってもいなかったじゃないですか!だから私…」
澪「そう言われても…私はずっと教室にいましたよ」
律「教室間違えたんじゃない?澪と私は 1 - 4 だよ?」
梓「……」
梓「えっ」
そんなことは私には気にならなかった。
先輩たちが戻ってきてくれたんだ。でも。
梓「いままで…今までどこにいってたんですか!」
唯「え?私たち?」
律「あちゃあ、もしかして今日って昼休みに集まる約束してたっけ?」
澪「いや、そんな予定はなかったと思うけど」
梓「違います!教室にいってもいなかったじゃないですか!だから私…」
澪「そう言われても…私はずっと教室にいましたよ」
律「教室間違えたんじゃない?澪と私は 1 - 4 だよ?」
梓「……」
梓「えっ」
25: 2009/08/19(水) 01:23:36.56
唯「私は1-3!」
紬「私は1-1です。覚えておいてくださいね。」
梓「ちょ、ちょっと待ってください。せんぱ…みなさんは、えっ?」
律「どしたん?先輩。」
梓「待って…待って。…唯せ…唯さん。憂ちゃんは…」
唯「憂?憂は中学校の授業もう終わってるはずだから、家にいると思うよー。」
梓「………」
律「変な先輩。」
紬「私は1-1です。覚えておいてくださいね。」
梓「ちょ、ちょっと待ってください。せんぱ…みなさんは、えっ?」
律「どしたん?先輩。」
梓「待って…待って。…唯せ…唯さん。憂ちゃんは…」
唯「憂?憂は中学校の授業もう終わってるはずだから、家にいると思うよー。」
梓「………」
律「変な先輩。」
27: 2009/08/19(水) 01:26:57.19
どういうこと?どういうこと?
いや、わかってる。頭では理解している。けど自分の理性が追いついてきていない。
改めて見ると、先輩がたの見た目も気持ち幼く見えるような気がする。
はっきりと断言できるほどの違いではないけど……。
やっぱり、これは……。
紬「まあまあ。とりあえずお茶にしましょう。」
梓「あっ…」
もし、私が本当に先輩になったのなら。
梓「さ、先に練習しましょう!!!」
四人「……」
いや、わかってる。頭では理解している。けど自分の理性が追いついてきていない。
改めて見ると、先輩がたの見た目も気持ち幼く見えるような気がする。
はっきりと断言できるほどの違いではないけど……。
やっぱり、これは……。
紬「まあまあ。とりあえずお茶にしましょう。」
梓「あっ…」
もし、私が本当に先輩になったのなら。
梓「さ、先に練習しましょう!!!」
四人「……」
31: 2009/08/19(水) 01:31:40.37
梓「れ、れんしゅ……う……。」
…ああ、みんな何も言わない…やっぱり駄目なの?
私が先輩なら、もしかして…と思ったのに…
澪「やりましょう!」
梓「ふえ?」
唯「チーズタルト…」
律「ンモー、先輩いきなり大声出すからびっくりしちゃったよ!」
紬「そうね。こういう時は演奏で悩みを吹き飛ばすのが一番よ。」
梓「紬せ…さん……」
律「先輩たちが卒業して寂しいかもしれないけど、今はあたしたちがいるからな!」
澪「私たちが代わりになれるとは言わないけど、なんていうか…元気出して」
梓「先輩…みんな…ありがとう…」
本当は、悩んでいた原因は違うんだけど、
今は先輩たちの心遣いが本当に嬉しかった。
唯「チーズタルト…」
…ああ、みんな何も言わない…やっぱり駄目なの?
私が先輩なら、もしかして…と思ったのに…
澪「やりましょう!」
梓「ふえ?」
唯「チーズタルト…」
律「ンモー、先輩いきなり大声出すからびっくりしちゃったよ!」
紬「そうね。こういう時は演奏で悩みを吹き飛ばすのが一番よ。」
梓「紬せ…さん……」
律「先輩たちが卒業して寂しいかもしれないけど、今はあたしたちがいるからな!」
澪「私たちが代わりになれるとは言わないけど、なんていうか…元気出して」
梓「先輩…みんな…ありがとう…」
本当は、悩んでいた原因は違うんだけど、
今は先輩たちの心遣いが本当に嬉しかった。
唯「チーズタルト…」
32: 2009/08/19(水) 01:34:23.94
ジャーン!
梓「ふう…」
最高だった。
先輩たち…みんなのやる気が以前とは段違いだ。
唯先輩は最後までぐずってたけど、
一曲終わったらお茶にするという約束で急に目が輝きだして、
これもまた最高のギターを見せてくれた。
…あれ?
なんだろうこの空気。いつもなら…あ、そうか。
梓「みんな最高だったよ!」
その一言で張り詰めた空気が緩むのを感じた。
そうか、私が先輩なんだ。澪先輩みたく、みんなを引っ張っていかないと。
梓「お茶にしよっか。」
唯「わーい!」
梓「ふう…」
最高だった。
先輩たち…みんなのやる気が以前とは段違いだ。
唯先輩は最後までぐずってたけど、
一曲終わったらお茶にするという約束で急に目が輝きだして、
これもまた最高のギターを見せてくれた。
…あれ?
なんだろうこの空気。いつもなら…あ、そうか。
梓「みんな最高だったよ!」
その一言で張り詰めた空気が緩むのを感じた。
そうか、私が先輩なんだ。澪先輩みたく、みんなを引っ張っていかないと。
梓「お茶にしよっか。」
唯「わーい!」
34: 2009/08/19(水) 01:38:09.37
唯「お~ぃしひぃ~いん」
紬「おかわりもありますよ♪」
唯「ムギちゃん大好き!」
律「告白か!」
唯「けっこんして!」
紬「あらあら」
澪「おいおい…」
ティータイムになると、いつもの軽音部が戻ってきた。
さっきまでの誰もいない音楽室のことを思い出すと、
今まで無駄に思えていたこの時間も、演奏している時と同じく、
かけがえの無い最高の時間なのだと実感する。
紬「おかわりもありますよ♪」
唯「ムギちゃん大好き!」
律「告白か!」
唯「けっこんして!」
紬「あらあら」
澪「おいおい…」
ティータイムになると、いつもの軽音部が戻ってきた。
さっきまでの誰もいない音楽室のことを思い出すと、
今まで無駄に思えていたこの時間も、演奏している時と同じく、
かけがえの無い最高の時間なのだと実感する。
35: 2009/08/19(水) 01:40:53.44
唯先輩がチーズタルトを平らげるのを眺めながら、
そんな感慨に浸っていると、ある言葉が聞こえた。
律「………道館!」
澪「また言ってるのか、それ…」
梓「えっ?」
律「だからぁ、やっぱ夢は武道館だって!」
梓「武道館……」
澪「いくら夢でも大きすぎるっての。ですよねえ、先輩?」
梓「行けますよ!」
澪「えっ」
そんな感慨に浸っていると、ある言葉が聞こえた。
律「………道館!」
澪「また言ってるのか、それ…」
梓「えっ?」
律「だからぁ、やっぱ夢は武道館だって!」
梓「武道館……」
澪「いくら夢でも大きすぎるっての。ですよねえ、先輩?」
梓「行けますよ!」
澪「えっ」
36: 2009/08/19(水) 01:43:14.32
梓「このメンバーなら…この状況なら、行けますよ!絶対行けます!」
澪「先輩…」
律「先輩…」
紬「先輩…」
唯「あずにゃん先輩…」
梓「というか、私が連れて行きます!みんな、私を信じてついてきてください!」
4人「先輩!!」
行ける。
真面目に練習してくれる、この先輩たちと一緒なら、
どんな高みへも登っていける。私はそう確信していた。
澪「先輩…」
律「先輩…」
紬「先輩…」
唯「あずにゃん先輩…」
梓「というか、私が連れて行きます!みんな、私を信じてついてきてください!」
4人「先輩!!」
行ける。
真面目に練習してくれる、この先輩たちと一緒なら、
どんな高みへも登っていける。私はそう確信していた。
37: 2009/08/19(水) 01:44:41.69
梓「よし、もう一回練習です!今なら最高の演奏が出来る気がします!!」
律「先輩!あたし感動したよ!」
澪「私…軽音部に入ってよかった!!」
紬「ああ…これこそ私の求めていたものだわ!」
唯「チーズタルト…」
紬「頑張ったら明日は唯ちゃんの好きなお菓子持ってきてあげる」
唯「よーし、やーるぞぉぉう!」
梓「みんな…みんな…ありがとう!!」
律「先輩!あたし感動したよ!」
澪「私…軽音部に入ってよかった!!」
紬「ああ…これこそ私の求めていたものだわ!」
唯「チーズタルト…」
紬「頑張ったら明日は唯ちゃんの好きなお菓子持ってきてあげる」
唯「よーし、やーるぞぉぉう!」
梓「みんな…みんな…ありがとう!!」
41: 2009/08/19(水) 01:50:43.37
─それは 梓が いまわの際に見た 幻覚でした……
しかし 梓にとって
それは まぎれもない 現実なのだ。
42: 2009/08/19(水) 01:50:49.49
見てください。
この嬉しそうな氏に顔……
/\ /ヽ
|ミ| \ // 彡
|<丶-‐..::::  ̄ ̄ ::::::.</ >
/:::::::::/::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::ヽ /
r'´:/:::::::,イ:::::::::: |::jハ;:::::::::ヽ:::::::::::\
|::/::::::::/│::::::::::|::| |::::ヽ:: ',:::::|:::::::..',
!:l:::::::/ ̄|::::::::::// ̄|:::从:: |:::::|::::::::::rヘ
ノ:|::::/ ___レヘ:::::/ ___V ';::|:::::|::::::::::|:::::.i
. !:::{从rテ示 ∨ rテ示7 V::::::|::::::::/::::: |
/:::::::::リ ヒソ ヒソ /::::::/::::::/:::::::::|
|:::::::: ⊂⊃ ⊂⊃:::::::「`)イ::::::::::::|
|:::::::小、 ヽフ /::::::::::r'´ |:::::::::::::|
|∧:::| l::> .. _ .イ::::::::::/ |:::::::::::::|
l| V !:::::::::|rュr勹 フ::::/V |:::::::::::::|
|:::::/ん)´ /:/ン勹ぅ- 、│:::::::::::|
|::/ r')ヘ んr'´ノ´ ヽ ::::::::::::|
l;' / `⌒´ ( {、 |:::::::::::::|
/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ }! |:::::::::::::|
あなたは こんな顔で 氏ねますか?
完
44: 2009/08/19(水) 01:52:51.91
めんどくなんなwwww
46: 2009/08/19(水) 01:54:33.69
訳がね
分からないですよ
分からないですよ
48: 2009/08/19(水) 01:56:19.62
ごめwwww
でも、スレタイの次に浮かんだのがこのオチだったw
書き進めれば書き進めるほど、これ以外にないわwwwってw
でも、スレタイの次に浮かんだのがこのオチだったw
書き進めれば書き進めるほど、これ以外にないわwwwってw
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります