1: 2009/08/22(土) 15:40:27.31
紬「おはよう、みんな。」

唯「オハヨウ ムギチャン オハヨウ ムギチャン」

律「オソイゾ ムギ マッテタゾ ムギ」

紬「ふふふ、じゃあお茶にしましょうか♪」

唯「ワーイ ウレシイナ オカシ ウレシイナ」

紬「もう、唯ちゃんったら♪」

3: 2009/08/22(土) 15:42:14.38
唯「オカシ オイシイナ ムギチャン アリガトウ」

梓「ソレヨリ レンシュウ レンシュウ シマショウ」

律「アズサ ウリウリ アズサ ウリウリ」

梓「パクッ モグモグ ホワーン ホワーン」

唯「アズニャン ワタシモ ウリウリ ウリウリ」

紬「うふふ…♪」


斉藤「お嬢様……」

4: 2009/08/22(土) 15:44:42.38
お嬢様は高校を卒業されてからは、
部屋にこもりがちになり、ふさぎこまれてしまっていた。
我々も八方手をつくしたのだが、お嬢様の症状は悪化するばかり。
おそらく高校時代のご学友と離れ離れになってしまわれたことが原因なのだろう。
彼女らと会うことができれば、あるいは回復の兆しが見られたのかもしれない。

しかし、旦那様はそれを許されなかった。
琴吹家の者から精神病患者が出たということを、
世間に知られることを恐れられたのだ。

5: 2009/08/22(土) 15:47:32.98
そうして、お嬢様はこの琴吹本家の屋敷で
半ば幽閉された状態で毎日を過ごされている。
最初は誰とも言葉を交わすことの無かったお嬢様だが、
琴吹系列の会社に依頼し、ご学友を模したロボットを作り与えてみると、
お嬢様の顔に笑顔が戻ったのだ。

唯「ムギチャン ダイスキ」

紬「あらあら。うふふふ♪」

もちろんお嬢様の症状が回復したわけではない。
お嬢様は、学生時代の夢を見ておられるのだけなのだ。

7: 2009/08/22(土) 15:51:29.12
澪「オイ ソロソロ レンシュウダ レンシュウダ」

唯「ヤダ モット オカシ オカシ」

律「ショウガナイ ユイ ヤルゾ ヤルゾ」

梓「ワーイ レンシュウ レンシュウ」

紬(ニコニコ)



部下「…ではいつも通り、このまま練習が終わった後にご帰宅ということで」

斉藤「ああ。出迎えの準備をしておくように。」

メイド「かしこまりました。出迎えはお部屋の前でよろしいですね」

斉藤「ああ。いつも通りだ。」

8: 2009/08/22(土) 15:54:43.03
ジャーン!!

澪「ミンナ ヨクヤッタ」

唯「ウマカッタ ウマカッタ」

律「アタシモ サイコウ」

澪「オマエ ドラム ハシリスギ」

紬「……」

梓「センパイ キーボード サイコウ デシタ」

紬「……………ぃゃ………」



斉藤「む…」

執事「どうしました?斉藤さん」

10: 2009/08/22(土) 15:57:48.07
紬「いやああああああああっ!!!」

斉藤「いかん!」

紬「違う!違う違う違う!こんなの唯ちゃんの演奏じゃない!!」

ガンガンガンガン

唯「ムギチャン イタイヨ イタイヨ」

梓「センパイ ヤメテ センパイ ヤメテ」

紬「唯ちゃんはどこなの!?唯ちゃんを帰してよおおおおおおぉ!!」

唯「ワタシ ユイ ワタシ ユイ」

紬「いやああああああああああああああ!!!」

11: 2009/08/22(土) 16:01:10.20
執事「お嬢様!落ち着いてください!」

メイド「唯さんはちょっと調子が悪いだけなんです!」

紬「誰よあなた!私たちの部室に入ってこないでよおおおおおお!!」

執事「お嬢様!」

紬「はなしてえええええええ!!誰か助けてええええええええ!!」

斉藤「お嬢様」

紬「斉藤!早く警察を…」

プシュ

紬「…呼ん…で…」カクッ

斉藤「寝室へ運びなさい」

メイド「かしこまりました」

15: 2009/08/22(土) 16:03:14.96
唯「ムギチャン サヨナラ ムギチャン サヨナラ」

律「マタ アシタ マタ アシタ」

斉藤「回路に損傷はないようだな」

執事「演奏プログラムは先日と同じだったのに…なぜなんでしょう」

斉藤「おそらくお嬢様自身も覚えてはいないのだ…本来の演奏など」

執事「………」

19: 2009/08/22(土) 16:05:21.61
紬「はっ!」 ガバッ

斉藤「おはようございます、お嬢様」

紬「さ、斉藤…ねえ斉藤、私すごく怖い夢を見たの」

斉藤「ほう」

紬「唯ちゃんが唯ちゃんじゃない誰かと入れ替わってて…怖かった…」

斉藤「毎日の練習でお疲れなのでしょう。さ、夕食の準備ができております」

紬「えっ、私そんなに寝てしまったの?学校は?」

斉藤「本日は日曜日でお休みでございます」

紬「そうだったわね」

21: 2009/08/22(土) 16:06:53.67
紬「でね、唯ちゃんったら面白いのよ、うふふ…」

斉藤「それはそれは」

こうしていると紬お嬢様も普通の女学生と変わりない。
夕食後のティータイムには、その日にあった、ご学友とのエピソードを…
──お嬢様が、その日にあったと思い込んでいる、エピソードを──
こうやって私に教えてくれる。その時のお嬢様は本当に楽しそうで、
毎日の辛い仕事の中で、一時の安らぎを与えてくれる。

25: 2009/08/22(土) 16:08:12.59
なにこれこわい



もっとやれ

28: 2009/08/22(土) 16:10:00.40
斉藤「お嬢様、そろそろお休みになるお時間でございます」

紬「あら、そうね。うふふ、明日はどんな楽しいことが起こるのかしら」

斉藤「きっとまた楽しい一日になるでしょう」

紬「そうね。みんなと一緒だもの。退屈なんてこと、ありえないもの!」

斉藤「おやすみなさいませ、お嬢様」

紬「おやすみなさい、斉藤…」

斉藤「よい夢を……」


そう、全ては夢。
全てはお嬢様のために作られた夢の世界。
そしてお嬢様はこれからも、夢を見続けられるのだ。
この、屋敷の中の楽園で、その命が尽きるまで…。

                                 Fin

32: 2009/08/22(土) 16:12:02.06
あ・・・終わり!?

33: 2009/08/22(土) 16:13:08.29
嘘だっ

46: 2009/08/22(土) 16:32:29.06
なんだなんだ?
終わっちゃったのか!
でもgjだったぞ!>>1

47: 2009/08/22(土) 16:38:39.51
良かった

ハガレンの盲目の錬金術師思い出した

引用元: 唯「ムギチャン ダイスキ」