《シンクロ率テスト》

シンジ『…』
アスカ『…』
綾波『…』


リツコ「…」

ミサト「…不思議よねー…」

リツコ「何が?」

ミサト「シンジ君よ。シンクロ率はアスカのほうがよっぽど上、レイとほとんど変わらないのに、あの活躍ぶり…」

リツコ「イメージの力かしらね」

3: 2010/04/11(日) 15:39:54.48
ミサト「…イメージ?」

リツコ「彼の頭の中によほど具体的な強さのイメージがあるか…或いは」

ミサト「或いは?」

リツコ「彼自身の強さがシンクロ率の低さを補っているとか」

ミサト「そんな…いくら破天荒な性格だからって…ただの中学生よ?」

リツコ「本当にそう思ってる?

お疲れ様三人とも。上がっていいわよ」

4: 2010/04/11(日) 15:49:17.84
《ネルフ・エレベーターホール》

シンジ「お疲れー。綾波は?」

アスカ「さあ?終わったらどっか行ってそれっきり」

シンジ「ふうん」

アスカ「…何よ。別にアタシはファーストとは何でもないんだから」

シンジ「…ねえツンデレの使いどころ間違えてない?それともマジで百合ルート?」

アスカ「うるさい黙れ。そのまま[ピーーー]」

シンジ「お前が[ピーーー]。千の風になれ」

アスカ「お前がもっと[ピーーー]。教会で復活して所持金半額になれ」

ポーン

5: 2010/04/11(日) 15:58:34.72
《エレベーター内》

シンジ「アレだよね。この[ピーーー]って銀魂本編みたいでいいよね」

アスカ「本当黙らすわよアンタ。

にしてもアンタのあのシンクロ率なによ。寝てたんじゃないの?」

シンジ「さー、あんなもんじゃないの」ポリポリ

アスカ「…言っとくけど、足手まといにならないでよね。
ファーストはともかく、アンタの戦ってるところまだ一度も見てないんだから」

シンジ「はいはい。初号機の修理も終わったことだし、次はせいぜい気張るとしますよっと」

アスカ「…」イライラ

ブツン…

6: 2010/04/11(日) 16:03:52.00
《エレベーター停止》

シンジ「…アレ?」

アスカ「ちょっと…何よこれ」

カチッ カチッカチッ

アスカ「動かないじゃない!?」

シンジ「…停電?」

アスカ「んもう!しょうがないわね!…ま、すぐに予備に切り替わるでしょ」

シンジ「…え、またTo Loveる展開?」

7: 2010/04/11(日) 16:13:57.27
《10分後》

シンジ「…」

アスカ「ちょっとおかしいわよこれ!?停電の復旧にこんなにかかるなんて…」

シンジ「蒸し暑…」

アスカ「…まさか…使徒?」ガサゴソ

シンジ「何それ」

アスカ「緊急時のマニュアルよ!?アンタも早く出しなさい!」

シンジ「あ?…ああアレね。

ラーメンこぼして捨てた」

メリメリメリ

アスカ「真面目にやんなさい」

8: 2010/04/11(日) 16:32:36.51
アスカ「とにかく何とか発令所まで行かないと」

シンジ「っていってもエレベーターが動かなきゃねえ」

アスカ「わかってるわよそんなこと!
…このっこのっ!」ガンガン

アスカ「他には…上か。シンジ!ちょっと踏み台になりなさい!」

シンジ「あ?いやいやそういうお約束の展開いいから」
アスカ「ハァ!?」

シンジ「どーせ下見たらコロスとか言うんだろ?んでいざ乗っかったら」

土台の僕フラフラ

ちょっと!どこ触ってキャァッ!?

イタタ…

くんずほぐれずな体勢

シンジ「とかスヴェンの支配眼じゃなくても流れ見え見えなんだよ未来見えちゃったよ」

アスカ「…」イライライラ

9: 2010/04/11(日) 16:43:24.92
アスカ「ああそう…!?
じゃあ無敵のシンジ様はどうやってこの状況を乗り切るワケ…!?」イライライライラ

シンジ「上をこじ開けりゃいいでしょ。ちょっと下がってて」

スッ

アスカ「…アンタ馬鹿ァ?木刀なんかで」

シンジ「はあァァァ!!!!」

ボゴォォォンン

アスカ「…」ポカン

シンジ「よっ」ヒョイ ヒョイ

シンジ「ホレ、早く登った登った」

アスカ「…嘘でしょ」ポカン

10: 2010/04/11(日) 17:04:37.89
《やはり使徒が攻めてきていたようです》

リツコ「良かった、間に合ったのね。
…レイは一緒じゃないの?」

シンジ「来てないんですか?」

アスカ「…着替えてからは一緒じゃないわ」

リツコ「ミサトも戻ってこないし…仕方がないわ。二人で出撃して頂戴」

シンジ「出撃って…停電したままでエヴァが出せるんですか?」

リツコ「問題ないわ。見て」

オーエス オーエス

ゲンドウ「…っ!…っ!」
ネルフ職員「せーのっ!」

リツコ「あなた達が戻ってくると信じて、準備していたのよ。
シンジ君、あなたが以前から注文してあった刀も完成しているわ。マゴロク・E・ソード。
二人とも頼んだわよ」

シンジ「りょーかい」

アスカ「…了解」

11: 2010/04/11(日) 17:21:40.10
《対マトリエル戦》

シンジ「縦穴の真上から溶解液か…面倒な相手だこと」

アスカ「…シンジ。アタシが前に出てATフィールドを中和するわ。その隙にパレットガンで攻撃して」

シンジ「は?前に出るって…危ないだろ」

アスカ「だからよ!アンタにはさっきの借りを返しておかないとね」

シンジ「…アスカもアスカで面倒くさいなァ」

アスカ「何ですって…」

シンジ「面倒くさいって言ったんだよ。
アスカ…前に綾波にも言ったけどな、女を盾にして陰から撃つなんて性に合わないんだ、僕は。
それに…」

12: 2010/04/11(日) 17:30:02.55
アスカ「それに…何よ」ギリッ

シンジ「…新品の刀、使ってみたくてしょうがないのさ」ニタッ

シンジ「バックアップ頼むわ。よっ!」

アスカ「ま、待ちなさ…!?」

シンジ「うおおぉぉぉ!!!?」

フォンッ フォンッ

アスカ「(さ、三角飛びで登りながら溶解液を斬ってる!?)」

シンジ「そらよおォォォッッ!!!!」

ズンッ

ボカーン



アスカ「何なのよ…何なのよアンタ…!?」

13: 2010/04/11(日) 17:53:46.14
《その頃のミサトさんは元彼に口説かれていたようです》

ミサト「…何よそれ…まるで自分が命を落とすみたいな…」

加持「別に。ただ、そういう覚悟があるってだけさ」

ミサト「ふうん、まあいいわ…。
ところで真面目な話してる時に悪いんだけど…」


ミサト「ここで、ウンコしてもいいかな」


加持「」

加持「かっ、葛城…!?
別れてから性癖が変わったとかそういうアレじゃないよな!?」
ミサト「ちょっふざけないでマジこれヤバいから!!!?マジこれキてるから!!!?」」

《その頃の綾波は身動きがつかなかったようです》

綾波「…」

綾波「…紙がない」

綾波「…碇司令にウォシュレッポの設置を申請しなきゃ」

21: 2010/04/13(火) 01:24:16.34
《葛城家の朝》

アスカ「…シンジィ~ごはんまだァ~?」

ミサト「アスカ…お願いだから大きい声出さないで…頭に響くから…」

綾波「…碇君、何か手伝うことはある?」




シンジ「何だこの状況」

22: 2010/04/13(火) 01:34:36.15
シンジ「…ねえ、なし崩しでアスカが一緒に生活してるとかさ、僕の部屋が勝手に物置に移動してるとかさ、
綾波が朝ご飯食べに来てるとかさ、そもそも3スレ目にしてようやくATフィールドって単語が出てきたとかさ。
もう色々ありすぎてどこからツッこめばいいかアレなんだけど、ねえその辺どうなの?」

ミサト「あー駄目だわこれ…ちょっとシャワー浴びてくる」

アスカ「もーミサトもお酒の量くらい考えなさいよねー」

綾波「お茶碗、並べたわ。おかずに卵焼きはある?」

シンジ「聞き流してんじゃねーよお前ら。

卵焼きね、ハイハイ…」

23: 2010/04/13(火) 01:41:22.65
シンジ「…卵焼きか」



《シンジの回想・万事屋》

「こんにちは~」

シンジ「あ、はーい…?」

お妙「…あら?あなたもしかして…」

シンジ「えっと…ごめんなさい、どちら様でしょう…?」

神楽「アネゴォ!」ダキッ
お妙「あらあら神楽ちゃんたら」

シンジ「…?神楽ちゃんのお姉さん…ですか?」

お妙「えっ?
うふふ、そうじゃないわ。まあ神楽ちゃんはかわいい妹分だけど」
新八「あれ、姉上?」
銀時「オウ、どしたァ?」
シンジ「えっ?えっ?」

24: 2010/04/13(火) 01:49:40.17
シンジ「新八さんのお姉さんだったんですね…ごめんなさい勘違いして」

お妙「いいのよ。はじめまして、志村新八の姉の妙といいます」ニコ

シンジ「あ、えと…碇シンジ…です」

お妙「あら、あなたもシンちゃんなのね」

新八「アハハ、そうですね」

シンジ「…」

神楽「オイ、何いっちょまえに赤くなってるアルかシン坊」

シンジ「ちょっ、やっ、違うよ神楽ちゃん!?」

お妙「うふふ。これからよろしくね、シンジ君」ニコニコ

シンジ「よ、よろしくお願いします…

(キレイな人だなあ…)」

銀時「んで?今日はどした?」

お妙「ああ、そうだったわ。

ハイこれ、差し入れ持ってきたの」

25: 2010/04/13(火) 02:02:04.46
シンジ「わぁ、ありがとうございます」

ガタガタガタッ

神楽「私!ちょっと茶ァ淹れてくるネ!?」

銀時「いいって!?ここ俺んちだから俺がやるからお前座ってろって!?」

新八「いやいやいやこういうのは下っ端の僕が!?雑用係の僕が!?」

グワシッ

お妙「逃がさないわよ~」ニコニコ

シンジ「…あの、三人ともどうしたんですか…?せっかくの差し入れですから頂きましょうよ」


銀時「あ…そだな…。
んじゃ、新入りのシンジから遠慮なく…」

シンジ「は?はぁ…それじゃ失礼して…」

カパッ

ズドオオオオンンン

シンジ「…」

26: 2010/04/13(火) 02:19:39.56
シンジ「ええと…お妙さん…コレって…」

お妙「卵焼きよ」ニコニコ

ズドオオオオンンン

シンジ「(あの、銀さん…僕かぶき町に来て日が浅いんですけど…何ですかコレ。ズドオオオオンンンとか聞こえるんですけど。
かぶき町じゃダークマターの事を隠語で卵焼きとか呼ぶんですか)」チラッ

銀時「(いーやそれは卵だ。焼けた卵だ。
もしくはかわいそうな卵だ)」チラッ

神楽「(腹ァ決めるネシン坊…これはお前がかぶき町で生きていく上で乗り越えなきゃならねー試練アル)」チラッ

新八「(いや無理して食べちゃダメだよシンジ君!?
こればっかりはハードル高すぎるよ!?僕みたいに目が悪くなるよ!?)」チラッ

お妙「さ、召し上がれ」ニコニコ



シンジ「あ、ありがとうございます…

…いただきまーす…!!!!」


逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ
逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ
逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ
逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ

逃げちゃダメだッッッ!!!?

ガリッ

27: 2010/04/13(火) 02:31:37.45



シンジ「…」グスッ

アスカ「ちょっ、シンジ何泣いてるのよ!?」

シンジ「…いやあ…卵焼きが黄色いなあ、って…!
黄色く焼けて…良かったなあって…!」ポロポロ

ミサト「何があったのシンちゃァァァんん!!!?お姉さんに話してごらんなさい!!!?」

綾波「碇君が…壊れた」オロオロ

ピンポーン

28: 2010/04/13(火) 03:08:33.49
トウジ「シーンージーくーん」
ケンスケ「がっこーいこー」

アスカ「帰れ。今それどころじゃないから」

トウジ「何でやねん!?」

ミサト「あ、あのね二人とも。シンちゃんちょーっち具合がよくないから今日は休ませようかなーって…」

ケンスケ「え、風邪かなんかですか?」

ミサト「んー風邪っていえば風邪かしらー?なんていうか心が風邪をひいた的な?」

シンジ「いや人聞きの悪いこと言わんで下さい。平気ですから」

綾波「…本当に?」

ミサト「本当の本当に大丈夫?」

トウジ「…朝っぱらから何しとん碇センセ。
若いおなご三人に囲まれてハーレムやん。真中やん。結城リトやん」

ケンスケ「ホント、うらやましい限り…

ってあああ!!!?」

アスカ「今度は何よ…!?」

ケンスケ「ミサトさん!昇進おめでとうございますっ!」

30: 2010/04/16(金) 09:26:57.26
《ミサトさんは出世したようです》

トウジ「何の話をしとるんや」

ケンスケ「襟の階級章が見えないのかよ!?一尉から三佐に昇進されたんだ!!」

アスカ「そうなの?」

ミサト「あはは…まっね」

ケンスケ「よし!今夜は葛城三佐の昇進パーティーだ!焼き肉だ焼き肉!」

綾波「お肉は嫌い…」
ヤイノ ヤイノ

ミサト「…」

31: 2010/04/16(金) 09:29:17.92
シンジ「出世ですか。おめでとうございます、ミサトさん」

ミサト「ンッ、ありがと」

シンジ「でもなんか…嬉しそうにゃ見えないですね」

ミサト「そう…?

…そうね。上に認められるのは嬉しいけど、それがネルフにいる理由じゃないから」

シンジ「ネルフにいる理由…?」

ミサト「まーねー。さっ!みんなそろそろ出ないと遅刻するわよん!」

32: 2010/04/16(金) 09:45:33.94
《その夜》

ケンスケ「では一同!葛城三佐の昇進を祝して!」

『かんぱーい!』

ミサト「ありがとう、みんな」

ヒカリ「おめでとうございます、葛城さん」

ミサト「ありがとう洞木さん」

トウジ「せや、何で委員長がおんねん?」

アスカ「私が誘ったのよ!むさ苦しい野郎ばっかりじゃ味気ないでしょ?ねー!」
ヒカリ「ねー」

ケンスケ「さ、じゃんじゃん焼いて!じゃんじゃん食べて!」

綾波「…(お肉嫌い…)」

34: 2010/04/16(金) 09:59:08.89
スッ
シンジ「綾波、サラダ足りてる?」

綾波「…」コク

シンジ「足りなかったら言って。また作るから」

綾波「ありがとう…」

トウジ「なんや?これシンジのお手製なんか?」

アスカ「何よ」

トウジ「んにゃ別に。
なんちゅうか碇センセはホンマ無敵やな~思てな」

シンジ「無敵ねぇ…」

ミサト「そうねぇ~、うちで家事全般取り仕切ってもらっちゃってるし」

ヒカリ「最初に会ったときは…えっと、木刀が気になって仕方なかったけど…
その、不良なのかなって」

シンジ「これ?あー…世話になった人からの貰い物だから。

…差してないと落ち着かないおしゃぶりみたいなもの、かな」ポリポリ

35: 2010/04/16(金) 10:12:01.00
アスカ「フン、赤ん坊じゃあるまいし。
アンタいい年しておしゃぶり手放せないの?」

ヒカリ「ちょっとアスカ…」

シンジ「くっくっ、違いないや」ニヤリ

アスカ「…」イラッ

ミサト「あ、ねぇシンジ君!そのお世話になった人って…」
ピンポーン

リツコ「こんばんは」
加持「悪いね遅くなって」

アスカ「あー加持さーん」ギュッ

加持「こらこらアスカ。

この度はおめでとうございます葛城三佐、もう、タメ口ってわけにはいかないかな?」

ミサト「バカばっか言ってアンタは」

加持「ハハ、厳しいなぁ。これ、うちの菜園で取れたスイカ」

シンジ「ありがとうございます。じゃあ冷やしておいて後で切りますね」

綾波「スイカ…」キラキラ

36: 2010/04/16(金) 10:30:31.83
シンジ「よっと…冷蔵庫空いてるかね…」
綾波「手伝うわ」

ケンスケ「ささっ、お二人とも遠慮なく食べて下さいね!」

加持「やあありがとう。しかし主婦顔負けだなシンジ君は」

トウジ「あーやっぱ加持さんもそう思いまっか。
男やなかったら嫁に欲しいぐらいの男ですよ碇センセは」

シンジ「聞こえてんぞ関西人。嬉しくねーよその評価」

トウジ「あかん!?うっかりプロポーズしてもうた!?」

ケンスケ「何でやねん」
アハハ…

37: 2010/04/16(金) 10:51:32.45
加持「まあ嫁うんぬんはさて置き、大したものだよシンジ君は。
…エヴァに関してもね」

リツコ「そうね。あのシンクロ率であそこまでの活躍…
…性格はちょっと破天荒だけど」

シンジ「そりゃあどうも…」

アスカ「…」イライラ

リツコ「せっかくの機会だから聞きたいわね。
あの素人とは思えないマゴロクソードの使い方、運動性…誰かモデルになる人が?」

シンジ「…んー…」ポリポリ

ミサト「それがさっき言ってた…シンジ君のお世話になった人?」

ガチャッ
アスカ「ごちそうさまっ…!」

38: 2010/04/16(金) 11:04:03.76
ミサト「…アスカ?ちょっとアスカ!?」

アスカ「お腹いっぱいになったから寝るわー。じゃっ」ドスドス



シンジ「あーあ…ほったらかしたからお姫様がヘソ曲げちまったじゃないですか」

加持「…失敗したな」

リツコ「ごめんなさい。タイミングを間違えたわね」

ミサト「ううん、私こそ…」

トウジ「なあ委員長…」
ヒカリ「あ……うん、任せて」
トウジ「すまんな」

ケンスケ「…まだ肉余ってるんだけどなぁ」
綾波「…スイカ…」

39: 2010/04/16(金) 11:30:19.06
《ちょっとしてお開きになったようです》

ヒカリ「…アスカ、少し話してふて寝しちゃいました」

ミサト「そう…ごめんね、せっかく来てくれたのに…」

ヒカリ「いいんです。アスカはちょっとワガママだけど、根は頑張り屋なのわかってますから」

トウジ「さすがやなぁ委員長」ニカッ

ヒカリ「…(///)

あの、えと、碇君!私にも後片付け手伝わせて…」

シンジ「いいよ、こっちはやっておく。
加持さんがみんなを送って行ってくれるそうだから、委員長はもう帰って。遅くなっても悪いし」

ヒカリ「でも…」

トウジ「せやな、若いおなごが歩いて帰るわけにもいかんやろ」

ヒカリ「あ…うん…それじゃ、ごめんなさい。
私たちはこれで…お休みなさい…」
トウジ「また明日~」
ケンスケ「お邪魔しました~」

ミサト「今日はありがとね~ん」

綾波「…碇君」
シンジ「スイカはちゃんと取っておくから大丈夫。食べないから」
綾波「…」コク



ミサト「…ふぅ」ゴッキュゴッキュ

40: 2010/04/16(金) 11:45:58.72
シンジ「飲み直しですか?ミサトさん?」

ミサト「んふふ、肉も余ってるみたいだしちょっちね~」

シンジ「はいはい…歯磨きは忘れないで下さいね…。
さ、洗い物洗い物っと」

ジャバジャバジャバ……

ミサト「ねえシンジ君」ゴッキュゴッキュ

シンジ「はい?」

ミサト「私の父はね、私を庇って氏んだの。セカンドインパクトの時にね」



シンジ「…」

42: 2010/04/16(金) 12:07:49.55
シンジ「…」ジャバジャバ

ミサト「非道い父親だったわ。自分の研究…やりたいことばかりやって、家庭を省みない人だった。
フフ、誰かさんのお父さんと同じかしら」

シンジ「…」ジャバジャバ…

ミサト「…母はいつも泣いてた。
そんな父親だから…離婚が決まった時もざまあ見やがれって…そう思ったわ」

シンジ「…」ジャバジャバ

ミサト「そんな父親なのに…最後には私だけを救命カプセルに…」

シンジ「…」ジャバジャバ…キュッ



シンジ「敵討ち、ですか。お父さんの」

ミサト「…わからない。ううん、わからなくなった…かな。
あんなに嫌いだった父親なのに…私を…」

シンジ「…」

ミサト「私は、父の敵を討ちたいのかもしれない。
父の呪縛から逃れたいのかもしれない。父に復讐したいのかもしれない。

…それが…私がネルフにいる理由」

43: 2010/04/16(金) 12:18:00.15
カシュッ

シンジ「…」ゴキュゴキュ

ミサト「…ちょっ、シンちゃん!?それビール…」
シンジ「シラフで聞けますか、こんな話…」ゲフ

ミサト「…」

シンジ「ミサトさん…僕があの人たちに…あの街で教わったのは…」

ミサト「…?」

シンジ「…」ゴキュゴキュ

シンジ「『後ろばかり見てないで、自分らしく胸張って、前見て歩いていきな』

ってことですかねぇ…」

ミサト「…」

44: 2010/04/16(金) 12:28:13.71
シンジ「まぁ、口に出して言うのは簡単ですけど…」

シンジ「人間、色んなモンを背負って歩いてます。
大事なモン、余計なモン、背負わなくてもいいモン…」

シンジ「いっそハナっから何も持たなきゃ楽なのかもしれないけど…

それでも、いつの間にかまた背負いこんでる」

シンジ「そうやって難儀に繰り返すのが、生きるってことなんじゃないですかねぇ」

ミサト「…シンジ君」

シンジ「お互い、大事な荷だけは…胸張って、背筋シャンと伸ばして…背負って歩きたいですね」ニッ

ミサト「…」

ミサト「ホント…大した子よ、あなた…」

45: 2010/04/16(金) 12:36:10.37
ミサト「あーあっ…またシンちゃんにしてやられたわぁ」ゴッキュゴッキュ…

ミサト「ふぅ……」

シンジ「してやられたって何ですか」

ミサト「んふふ、自覚ないでしょ。いいのよー自覚ないままでー」フラフラ

シンジ「ちょっ、ミサトさん!?」

ミサト「あはは…悪酔いしちゃった…かな?」バタリ

シンジ「あああ、ちゃんと布団で寝て下さいよ!?」

ミサト「シンちゃん…おんぶ」

シンジ「おんぶて」

ミサト「おーんーぶー!!」

シンジ「しぃっ!アスカが寝てるんですから……ああもう…!」

46: 2010/04/16(金) 12:44:33.84
シンジ「よっ、と…!」

ミサト「んふふー…よしよし、よきにはからえー」

シンジ「ああもうこの酔っ払いは…」

ミサト「あにゃよう…あんただって飲んだでしょーがーみせーねんのクセにー…」

シンジ「はいはい…わかったから毛布かぶって寝ちまって下さい」

ミサト「…」ムニャムニャ









ミサト「…ねえシンジ、キスしようか」

47: 2010/04/16(金) 12:49:37.73
《ミサト寝室》

シンジ「…お休みなさい、ミサトさん」

ミサト「…」ムニャムニャ

パタン

ミサト「…」

ミサト「…」

ミサト「…」








ミサト「(酔ったフリに聞こえないフリ、か。ふふ…)」

ミサト「ホント…大した子」

51: 2010/04/17(土) 21:36:19.72
政府による特別宣言D17が発令されました。市民の皆様は速やかに…

《対サハクィエル戦》

アスカ「ハァッ!?使徒を、手で、受け止めるぅ!?」

ミサト「そうよ、敵は超々高度から自身の体の一部をATフィールドを展開させたまま切り離して落下させている。
あと数時間後には本体ごとネルフに落ちてくるわ。巨大な爆弾としてね」

ミサト「なので、エヴァ三機を予測地点に配置。使徒をATフィールドで受け止めてもらうわ」

52: 2010/04/17(土) 21:37:48.12
アスカ「もし、落下コースが予測地点を外れたら?」

ミサト「その時はアウト」

綾波「エヴァの機体が耐えきれなければ…」

ミサト「その時もアウト」

シンジ「すいまっせーん、お腹痛いんで早退しまーす」
ミサト「逃がさねえわよ~」ガシッ

シンジ「いやいやいや無理。
無理だって。こんなもん作戦でも何でもねーよ。
『νガンダムでアクシズ押し返せ』とかやらせるぐらいの暴挙だよ」

ミサト「…うん、実はジョーダン」

アスカ「へっ?」

シンジ「あ、冗談…?
ですよね~。こんな無茶苦茶な作戦なんかナイですよね~」

ミサト「ええ、だから嫌なら拒否できるわ」



シンジ「ひょっとして…逃がさないってのが冗談?作戦自体はやるの?」

ミサト「んふふ」コク

53: 2010/04/17(土) 21:48:04.70
シンジ「おいマジでか」

ミサト「ごめんなさい。でも、やるべき事はやっときたいのよ」



アスカ「…いいわよ。やったろうじゃない」

綾波「…」コク

ミサト「…シンジ君は?」

シンジ「…ハァ…」ポリポリ

シンジ「ま、ヤバくなったらさっさと使徒ほっぽりだして逃げますよ」

ミサト「…ありがとう、みんな」

アスカ「こんな無茶な作戦…よく碇司令が許可したわね?」

ミサト「司令は今ここにはいないわ。現責任者は私」

シンジ「…」

54: 2010/04/17(土) 22:06:21.33
アスカ「成功する確率は0.00001%だって。これで本当にうまくいったら奇跡ね」

シンジ「…」

(やるべき事はやっときたいのよ)

(私は、父の敵を討ちたいのかもしれない。
父の呪縛から逃れたいのかもしれない。父に復讐したいのかもしれない。

…それが…私がネルフにいる理由)

シンジ「本当、面倒くさいなァ…」

アスカ「何よ。面倒なら最初から参加しなきゃいいでしょ」

シンジ「あー全くだ。

…アスカ。アスカは何でネルフに…エヴァに乗ってる?」

アスカ「ハァ?そんなの決まってるじゃない!自分の才能を世に知らしめる為よ!」

シンジ「…綾波は?」

綾波「…絆だから」

シンジ「絆?マダオとの?」

綾波「…」ピク

シンジ「あ、ごめん間違えた。MA-DA-Oとの?」

綾波「っ……なんで発音にこだわったの…」プルプル

55: 2010/04/17(土) 22:18:54.05
アスカ「エフェッwwエフン!

そういうアンタは何でなのよ」

シンジ「さあ…?」

アスカ「さあ、って!?」

シンジ「成り行き?」

アスカ「…もういいわ…アンタが馬鹿ってのがよくわかったから」

シンジ「はいはい、シンちゃんは馬鹿ですよー…

遺書を書けって言われてもなあ…」

綾波「書くの?」

56: 2010/04/17(土) 22:30:20.71
シンジ「…」サラサラ

グラサン粉砕したい

シンジ「よし」

アスカ「よくねえェェェ!!!?一つもよくねえ!!!?
何コレ!?父親殴りたいだけじゃない!?」

シンジ「うるさいな…こんなの書いたことないから勝手がわかんないんだよ」

アスカ「勝手とか以前の問題よ…!
遺書ってのは私が氏んだらアレをああしてほしいとか、そういう頼み事とかを書くの!?」

シンジ「わーった、わーったよ」

グラサンを鼻メガネに買い替えて下さい

アスカ「どんだけ親父を攻撃したいのアンタはぁぁぁ!!!?
あのヒゲ面で鼻メガネとか嫌がらせじゃない!?鼻メガネで仕事しろっての!?」

綾波「…ーっ…ーっ…!?」ゴロゴロ

アスカ「そこ!想像してのた打ち回らない!?」

57: 2010/04/17(土) 22:43:50.54
ギター「目標を最大望遠で確認!」
メガネ「距離、25000!」

ミサト「おいでなすったわね…。
途中、距離10000まではMAGIが誘導するわ。あとはあなたたちに任せます」

ミサト「作戦開始!!」

シンジ「スタート!」

ダダダダダダダダダ………

綾波「…!(落下地点に一番近いのは…

碇君…!)」

アスカ「くっ…!(これ以上…これ以上アイツにいいカッコさせない…!)」

シンジ「うおぉぉぉ…!!!!

来いッッッ!!!?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

ズウゥゥゥゥゥゥンンン

シンジ「ぐうぅっ!!!?」

58: 2010/04/17(土) 22:50:52.69
ギター「初号機、目標と接触!!」

マヤ「使徒のATフィールドに…お、押されています!?」

ミサト「シンジ君っ…!?」

シンジ「も…燃えろ僕の何かァァァァァァ!!!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

ミシミシミシ…

シンジ「ふんごォォォ…!!!!」

ギター「弐号機、目標地点到着まであと20秒!?」

メガネ「零号機の到着まであと35秒っ!!」

シンジ「っ…ぁぁぁあああ!!!!!!!?」

メリメリメリメリ…

59: 2010/04/17(土) 22:59:58.28
(アンタはまだ守られてるだけ。何も守ってない)

シンジ「…っ!!」



《シンジの回想・スナックお登勢》

シンジ「おはようございます、お登勢さん」

お登勢「おや、坊やかい」

シンジ「はいっ。えと、お家賃分働きに来ました」

お登勢「くくっ、殊勝な心がけだ。上のバカどもにも見習わせたいくらいだよ」

シンジ「あはは、働かざるもの食うべからず、ですよね」ニコッ

お登勢「おやおや、いい顔で笑うようになったじゃないか。
最初にここに来たときにゃ、世界中の不幸を背負って歩いてるような面してたアンタがねぇ」

シンジ「や、やめて下さいよ…」

60: 2010/04/17(土) 23:02:28.09
お登勢「類は友をって言うけど…
本当、似たようなのを寄せ付ける奴だよあいつは」

シンジ「…?誰のことですか?」

お登勢「上の天然パーマさ」

シンジ「銀さんが…?そんな、銀さんは僕なんかとは全然…
銀さんは堂々としてて…言いたいことはハッキリ言って…」

お登勢「似ているさ…どこかで何か落っことして、ずーっと探し物をしてるようなところがねえ」

シンジ「…!?」

61: 2010/04/17(土) 23:20:26.60
カチッ シュボッ
お登勢「フーッ……おっと、別に何があったか聞こうなんて思っちゃいないよ。

だが…アンタはまだ守られてるだけ。何も守ってない。
おシメの取れてないガキんちょさ。だろ?」

シンジ「…はい」


お登勢「別に聖人君子になれたぁ言わない。人の為に生きるなんて言う奴なんざ、ロクに信用できるもんじゃないからねェ。
でも…坊やが少しでも強くなりたいんなら…少しでも強くなったら…」

お登勢「そん時ゃ、何かを守ってやんな。上のバカどもみたいにねェ」

シンジ「…」

お登勢「フフ。まあこの町で生活してりゃ、ちっとはわかるようになるさ」

お登勢「背筋伸ばしてシャンとして、前見て生きていきなよ」

62: 2010/04/17(土) 23:37:03.59



シンジ「(わかってますよ…お登勢さん…!!
今なら、わかる!!)」

無くしたモン探して下ばっか見ながら歩くのは止めようって!
僕は、あの人たちみたいになるって決めたんだ!

シンジ「背筋シャンと伸ばして胸張ってェ!!背負ったモン持ち上げてみせますッ!!!?」

ググググググ……!!!!

ギター「初号機、使徒を押し戻しています!?」

マヤ「シンクロ率上昇!!」

ミサト「…!!」

綾波「弐号機、フィールド全開…!!」
アスカ「やってるでしょう!?」

シンジ「おおりゃああああああああ!!!!!!!!

アスカァ!!!!」

アスカ「っ!!」

ズブブッッッッッッ



ボッッカーーーーーン

63: 2010/04/17(土) 23:56:21.95
《作戦終了後、通信が入ったようです》

ミサト「申し訳ありません、私の勝手な判断で初号機を破損させてしまいました。
責任は全て私にあります」

[SOUND ONLY]

シンジ「…」ジーッ

冬月『構わん。使徒を倒す事こそ最優先事項だ。その程度の損害はむしろ幸運と言える』

シンジ「…」サラサラカキカキ ペタッ

[MADAO ONLY]

ゲンドウ『ああ、ご苦労だった。葛城三佐』

ミサト「ブフッww!?

あ、ありがとうございプス」

アスカ「…」プルプル

綾波「…~っ!」ジタバタ

ゲンドウ『初号機のパイロットはいるか?』

シンジ「いません」

ゲンドウ『話は聞いた。よくやったなシンジ』

シンジ「いないっつってんだろ鼻メガネが」

ゲンドウ『では、後の処理は葛城三佐に任せる』

プツン…


ゲシゲシゲシゲシゲシ
シンジ「痛い痛い痛い。ごめんってちょっとしたイタズラじゃない暴力とかやめて!?」

65: 2010/04/18(日) 00:19:24.52
《ミサトさんがメシをおごってくれるらしいです》

綾波「ラーメン」

ミサト「ねえレイ?大枚下ろしてきたからステーキだろうとフルコースだろうと…
あ、お肉ダメなんだっけ」

アスカ「ファースト…せめてもっと高い店とか有名なところとか」

綾波「ラーメン。締めは帰ってスイカ」

シンジ「いいじゃないですか、ラーメン」



綾波「私、ニンニクラーメンチャーシュー抜きを針金で。ネギ増し増し」

ミサト「…渋いわね」

アスカ「チャーシューメン全部乗せ!」

ミサト「あ、同じの2つ」

シンジ「中華そば大盛で」

66: 2010/04/18(日) 00:37:01.53
店主「ヘイお待ちっ」

フー フー ズルズルズル…

ミサト「…ね、シンちゃん。作戦前にエヴァに乗る理由、二人に聞いてたわよね」

シンジ「え、あー…」

ミサト「聞かせてくれない?シンちゃんはどうなの?」

綾波「…」ジッ
アスカ「…成り行き、でしょ」

ミサト「自分だけ言わないってズルくないかしらん?」

シンジ「んー…

自分の武士道(ルール)、ちゃんと守りたいから。
堂々と胸張って、あの街に帰りたいから。ですかね」



綾波「碇君…帰っちゃうの?」

シンジ「…うん。全部片付いたらね」

ミサト「そう…」

アスカ「アンタがどこにいたかなんて知らないけど、ネルフにいればVIP待遇でしょうに…

…本当に馬鹿ね」

シンジ「はいはい、僕は馬鹿ですよっと。なんせ目指すは…」
ミサト「…目指すは?」

シンジ「…」ズズズズ…

目指すは、宇宙一バカな侍だから。


67: 2010/04/18(日) 00:46:01.91
筆が遅いのは勘弁してください

見てやってくれてありがとう


次は遅くとも火曜くらいまでには。

71: 2010/04/21(水) 00:07:52.81
《三人とも起動実験中にエントリープラグごと放り出されました》

シンジ「全裸で」

綾波「…」

アスカ「もー!?これじゃ外にも出られないじゃない!?何なのよこれ!?」

シンジ「そりゃオメーアレだよ。そういうプルェェェイだよ大人の」

アスカ「あー、そーゆーコトねー。
やったわ大人の階段駆け上がりーって馬鹿ァァァ!!!?」

シンジ「いいからちょっと外出てみ。新しい世界が広がるから。
『私はここにいてもいいんだ!』的な快感が待ってっから。
おめでとうアスカ」

綾波「おめでとう」

シンジ「おめでとう」

綾波「おめでとう」

シンジ「おめっとさん」

綾波「おめでとう」

アスカ「ありがとう。お前ら二人とも氏ね」

72: 2010/04/21(水) 00:14:53.87


シンジ「あんさ」

アスカ「何よ…」

シンジ「前々から気になってたんだけどさ。

使徒って何?」

綾波「…私達の敵」

シンジ「いやそれはわかるけども。アイツら何なの?どういう生き物なの?
何で他はスルーしてウチにだけまっすぐ来んの?っつー話」

アスカ「…アンタ馬鹿ァ?そんなのわかるわけないじゃん!」

シンジ「うるっせーよオメーはもう喋んな馬鹿」

アスカ「ああ!?調子こいてんじゃないわよ馬鹿馬鹿バーカ!?ウンコ!!!?」

プツン…

73: 2010/04/21(水) 00:23:07.40
シンジ「通信切りやがった。つかウンコて」

綾波「…碇君、あの子をいじめてはだめ」

シンジ「へいへい…綾波はどう思う?」

綾波「わからない」

シンジ「ふうん。ぶっちゃけアレ…えいりやんじゃね?」

綾波「えいりやんって何」

シンジ「宇宙人」

綾波「…」

シンジ「対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースでも可」

綾波「…」

シンジ「グラサンはないほうがいいぞ。僕マダオ属性無いし」

綾波「私に何を期待してるの」

74: 2010/04/21(水) 00:32:23.12
《一方ネルフ本部には細菌型の使徒が侵入していたようです》

カタカタカタカタ…
リツコ「大丈夫、計算上一秒近く余裕があるわ」

ミサト「一秒って…!?」

リツコ「ゼロやマイナスじゃないのよ」キリッ

マヤ「(先輩カッケェェェ!!!!」

《が、対イロウル戦は省略されました》

リツコ「この年になると徹夜がこたえるわね…」
ミサト「コーヒー淹れたわ~。はいどーぞっ」
リツコ「ありがとう」

マヤ「何でェェェ!?先輩の見せ場はァ!?私達の奮闘はァ!?」

《ぶっちゃけ面倒》

マヤ「チックショオォォォ!!!?」

リツコ「マヤ?どうしたの大声上げたりして」

マヤ「…」

マヤ「何でもありません、先輩♪(はぁと」

75: 2010/04/21(水) 00:49:07.17
《全裸のまま夜が明けつつあるようです》

アスカ「…あふ…寝ちゃったのか…。

まだ迎えが来ないの…?いい加減暇だわ」イライラ

アスカ「…アイツら何やってんのかしら」



シンジ「マジカルバナナ。バナナといったらゴリラ」

綾波「ゴリラといったらケツ毛」

シンジ「ケツ毛といったら空知」

綾波「空知といったらゴリラ」

シンジ「ゴリラといったら局長」

アスカ「ねえ…何でマジカルバナナやってんのアンタら」

綾波「局長といったらストーカー」

シンジ「ストーカーといっ…あ、何?アスカもまざりたいの?」

綾波「碇君の負け」

76: 2010/04/21(水) 01:36:52.22
《人類補完委員会》

?「では碇。第拾壱使徒侵入の事実はない、と言うのだな?」

ゲンドウ「はい」

?「碇、自分の発言には気をつけたまえ。この席での偽証は氏に値するよ」

ゲンドウ「MAGIのレコーダーを調べて下さっても結構です。そのような事実は記録されておりません」

?「ふざけるな。事実の隠蔽は君の十八番ではないか」

ゲンドウ「タイムスケジュールは氏海文書の記述通りに進んでいます」

議長「まあいい。碇、君の罪と責任については言及しない。だが、君が新たなシナリオを作る必要は無い」

ゲンドウ「わかっております。全てはゼーレのシナリオ通りに」

77: 2010/04/21(水) 01:41:38.04



太陽。一つしかないもの。

花。同じものがいっぱい。いらないものもいっぱい。

水。気持ちのいいこと。碇司令。

空。赤い空。赤い色は嫌い。

空。青い空。目に見えるもの。目に見えないもの。碇君。

空。銀色の空。鉛の空。曇り空。

街。人の作り出したもの。

街。とても騒々しい。でもみんな笑ってる。とても楽しそう。
誰かいるの?この先に。碇君?

この人たちは誰?私は知らない。

あなた誰
あなた誰
あなた誰



リツコ「どう、レイ?久しぶりの初号機の感想は?」

綾波「…碇君の加齢臭がする」

シンジ「ちょっと待て」

78: 2010/04/21(水) 01:44:34.74
ミサト「シンちゃん…中学生なのに頼りになる子だと思ってたらもうオッサン化が…」

アスカ「あーシンジはオッサンだったのね。なーんか納得」

シンジ「待てやコルァァァ!!!!誰がオッサンだ誰が!?」

綾波「酒と煙草と男と女の匂いがする」

ミサト「シンちゃん!?いつの間にそんな大人のエスカレーターを!?」

シンジ「知らねェェェ!?綾波さん何口走っちゃってんの!?」

アスカ「シンジは今後お風呂は一番最後に入って。オッサン臭いのイヤだから」
シンジ「オッサン臭くあーりーまーせーんんん!?
シンちゃんはまだ乳臭いガキ臭い匂いがしますぅ!!」

79: 2010/04/21(水) 02:12:44.64
《初号機と零号機の互換起動実験中のようです》

リツコ「どうシンジ君?零号機のエントリープラグは?」

シンジ「…」

アスカ「どーおシンちゃんママのおっOいはー?それともお腹の中かなぁー?」

シンジ「匂いが…綾波の匂いがするよォォォ綾波かわいいよ綾波ハァハァ。

とでも言や満足か馬鹿」

アスカ「馬鹿に馬鹿って言われる筋合いないわよバカシンジ!?」

リツコ「ちょっとアスカ!ノイズが入るから邪魔しないで!」

アスカ「あーハイハイすみませんでしたー!

…何よ。アイツばっかり特別扱いして」

リツコ「それで、どう?」

シンジ「…綾波っぽい感じはしますかねー…」

80: 2010/04/21(水) 02:21:46.39
マヤ「二人とも、搭乗機ほどの数値は出ませんね」

リツコ「予想通りよ」

ミサト「…。なんかとりあえず動きますが何か?って数値ねえ」

リツコ「互換性は確認されたわ。これであの計画も実行に移せる」

マヤ「…ダミープラグ、ですか。
先輩の前でこんなことを言いたくありませんが、私はあまり…」

リツコ「感心しないのは解るわ。でも、何事も備えは必要なのよ。人が生きていく上では」

リツコ「(…また、都合のいい理屈を使って言い訳をしている……もし、シンジ君が真実を知れば。

私は、殺されるかもしれないわね)」

リツコ「ありがとうシンジ君。上がっていいわ」

82: 2010/04/21(水) 02:41:14.09
冬月「予定外の使徒の侵入。その事実を知った委員会からの突き上げか。文句を言うだけが仕事の下らん連中だがな」

ゲンドウ「切り札は全てこちらが擁している。連中には何も出来んよ」

冬月「わざわざ焦らすこともあるまい。今ゼーレに出てこられたら厄介だぞ」

ゲンドウ「全て我々のシナリオ通りだ。問題ない」

冬月「全て。本気でそう思っているのか」

ゲンドウ「何が言いたい」

冬月「では碇。お前の息子はどうだ」

ゲンドウ「…」

冬月「俺のシナリオにはないぞ、あのイレギュラーは」

ゲンドウ「下らん。取るに足らん些細なことだ」

冬月「…この数年の記録はあてにならん。改めて調査をし直すぞ」

ゲンドウ「好きにしろ」


88: 2010/04/24(土) 01:35:54.46
《葛城家の朝はたまごかけごはんから始まったり始まらなかったり》

ミサト「…あれ?シンちゃん味噌汁のおダシ変えた?」モシャモシャ

シンジ「あー、リツコさんからのお土産ですよ」

ズカズカズカ

アスカ「ちょっとシンジ!?お風呂沸かしといてって言ったじゃない!」

シンジ「沸いてるのはお前の頭だけでたくさんだポンコツ。朝風呂ぐらいテメーで用意しろ」

アスカ「何をををを!?」

89: 2010/04/24(土) 01:41:07.81
ミサト「ハイハイ朝っぱらからケンカしないの」

アスカ「ミサトはシンジに甘すぎなのよ!?」

ミサト「いやいやいや、朝ごはんの用意してもらってる時点で私たちのが甘えすぎでしょ」

シンジ「メシの用意してやってんのにネチネチネチネチ姑かオメーは。
姑になりたいならまず嫁に行って孫をこさえろ行けるもんならな」

アスカ「お前がまずあの世に逝くかコラ」

90: 2010/04/24(土) 01:46:03.07
《またシンクロテスト》

シンジ『…』
綾波『…』
アスカ『…』

ミサト「…ねえリツコ…。
シンちゃんとうとうレイに抜かれてシンクロ率最下位になっちゃったわよ」

リツコ「数値は下がってはいないわ。むしろ実戦では突発的にアスカに近い数値を出している。
…基本数値が全く上がっていないだけで」



ミサト「…赤木博士、どうなのコレ」

リツコ「そうね…。あえて理由をつけるなら…

『シンジ君はすでに精神的に自立している』

そうでなければ

『他人に対して一線を引いている、どこかで心を許していない』

っていうのはどうかしら」
ミサト「…(普段の気の強さは、他人を寄せ付けないためのもの?
…ううん、少し違う気がする。彼はもっと…)」

リツコ「まあ、科学者として認めたくはないけれど、彼に限っては数値があてにならないわ」
ミサト「…」

91: 2010/04/24(土) 01:48:44.37
リツコ「それより、アスカのシンクロ率が少し下降気味なのが気になるわね。
…保護者として何か心当たりは?」

ミサト「彼…シンジ君、でしょうね」

リツコ「恋わずらい?」

ミサト「そーんな甘い話なら十八番だったんだけどねー。
…一方的なライバル視ね。つっかかっても彼は彼でああいう性格だからやりこめられて受け流されてあの子ったらなお加熱…。

ふふ、一つ間違えば片思いね」
リツコ「…ふうん」

92: 2010/04/24(土) 01:50:55.54
リツコ「『彼』…」

ミサト「ん、何?」

リツコ「アスカは『あの子』でシンジ君は『彼』なのね」

ミサト「…。

え、何が?ちょっと何言ってるかわかんない。あんたが何を言ってるか全然わかんないわリツコさん」

リツコ「ねえミサト?以前あなた中学生に手を出したりしないって言ったわよね?」


…ねえシンジ、キスしようか。


ミサト「ああああああるわけないじゃないじゃない!?そんなことしたらマジぶっ頃してやんよ保護者として!?」ダラダラ

リツコ「ぶっ頃すって誰を?自分?
何でそんなに汗だくなの葛城三佐?」

ミサト「え!?なんか今日あっついわねぇー!!!?サボってんじゃねーわよ空調ォ!?仕事しなさいよコレェ!!!?」ダラダラダラ

93: 2010/04/24(土) 02:03:23.24
リツコ「三人とも上がっていいわ」

ミサト「レイー、ユーアーナンバーツーよ」

綾波「…」

アスカ「あーあ、シンちゃんたら最下位転落?」

リツコ「レイのシンクロ率が上がったことによってね。
数値が下がったのはあなたよ、アスカ」

アスカ「…何よ!?私がナンバーワンなのは変わらないでしょう!?」

アスカ「何よみんなしてシンジシンジシンジ!?
アタシのあら探しばっかりしてんじゃないわよ!?」

ミサト「落ち着いてアスカ。別にアスカを責めてるわけじゃ」

シンジ「んだよずいぶん絡むな。排卵日か何かですかアスカさん」



リツコ「初号機のLCL圧縮濃度を限界まで上げて」
ミサト「異議なし」
マヤ「はーい」

シンジ「え、何すんの?何してんの?
何してんのっていうかどうなんの僕?

ガボァッ!!!?」

綾波「今のは碇君が悪い」

94: 2010/04/24(土) 02:22:29.98
《テスト終了後》

シンジ「チクショウ氏ぬかと思った…」

綾波「…」

シンジ「アスカは?」

綾波「先に帰ったわ」

シンジ「ハァ…何を気負ってんだか。

大体アスカはナンバーワンだの天才だのにこだわりすぎなんだよ。
ああいうエリートに限って落ちこぼれでも努力する下級戦士に負けるんだよ。
『完全体になってみろ』とかいらないこと言って若本ボイスにボッコボコにされんだよ」

綾波「…何の話をしてるの」

95: 2010/04/24(土) 02:27:46.75
シンジ「別にいいじゃねーか…一番じゃなくったって」

綾波「…それが出来ないのが、あの子」

シンジ「…」

綾波「一番じゃないと…不安なのね。一番じゃない自分は、自分じゃないような気がして」

シンジ「難儀なこった。

んな余計なモン背負わなくったってアイツはアイツだろうにさ…」

綾波「…」

97: 2010/04/24(土) 02:42:40.54
アスカ「何をしてるの惣流・アスカ・ラングレー…!?あなたはプロでしょう…!?」

クスクス…クスクス

アスカ「あ…?何笑ってんのよガキども」ギロッ
小学生「ヒッ!?」
アスカ「次で降りるかコルァ!!!?」
小学生「スイマセンっしたぁぁぁ!!!?」



《対レリエル戦》

メガネ「パターンオレンジ!ATフィールド反応なし!」

ミサト「どういうこと?」

マヤ「MAGIは回答を保留しています」

リツコ「新種の使徒…?」

98: 2010/04/24(土) 02:54:25.89
ミサト「もー、こんな時に碇司令は留守なのよねー。

三人とも、目標のデータは今送ったことしかわかってないわ。できるなら都市部から移動させたいところだけど」

ミサト「とりあえず一人が先鋒、あとの二人がバックアップ。よろし?」

アスカ「はーい先生!先鋒に立候補しちゃいまーす!」

ミサト「アスカ?」

アスカ「ここらでナンバーワンの実力差、最下位の落ちこぼれにわからせてやんなきゃね~」

シンジ「…」ホジホジ

ミサト「シンちゃ~ん、エヴァの中で鼻ほじるのやめなさーい」

アスカ「クッ…!

女は度胸!弐号機行きます!」

ミサト「ちょっとアスカ!?」

シンジ「やれやれ…」

綾波「零号機、バックアップに回ります」

シンジ「同じくー」

99: 2010/04/24(土) 03:05:17.92
ミサト「あの子ったら勝手に…」

リツコ「マズいわね」

ミサト「戻ったら叱ってあげなきゃ…」



アスカ「…二人ともまだ!?」

シンジ「早い男は嫌われるって中[ピーーー]リニックで言ってた」

綾波「まだよ」

アスカ「チッ…」

ビンッ

シンジ「アレ?…ちょっ、これ…アレ?」

アスカ「何やってんのよ…!?」

シンジ「背中のコード絡まった…アレ?マジでか。マジでかコレ…」グイグイ

アスカ「さっさと切断しなさいよバカ!?」

シンジ「いやそういうレベルじゃないんだわもはや」



アスカ「何で亀甲縛りィ!!!?どうやったらそんなんなるのそれスゴくね!?」

100: 2010/04/24(土) 03:13:04.84
綾波「待ってて。今ほどくから」

シンジ「あ頼むわ。僕こう見えてドSだから」

アスカ「アンタはドSにしか見えねーわよ!」

綾波「…」

シンジ「…綾波、早いとこ…」

綾波「碇君…こんな時どんな顔すればいいかわからないの」

シンジ「いや顔とかどうでも…

綾波、何で半笑い?」

綾波「…ちょっとだけ吊してもいいかしら。ちょっとだけだから。ちょっと持ち上げて眺めたら満足すると思う」

シンジ「アレ?綾波さん?何か…ねえ何か目覚めちゃったの綾波さん?綾波さんの中の綾波さんが!?」

ミサト「二人ともそういう遊びは生身でやってくれない?今仕事中だから。
あとエヴァは職場の備品だから」

アスカ「いい加減にしなさいよバカども…!?」



アスカ「バカどもは使えないし…

足留めだけでもしておく…か」

102: 2010/04/24(土) 03:30:00.55
ドパンッ ドパンッ

シュン

アスカ「消えた!?」

ズブブブブ…

メガネ「パターン青!使徒です!?」

リツコ「場所は!?」

メガネ「弐号機の直下!」

アスカ「か、影が!?くぅっ!?」ドパンッドパンッ

ミサト「アスカ逃げて!?」

リツコ「マズいわ!?プラグ強制射出!!」

マヤ「ダメです!?信号を受け付けません!」

アスカ「何なのよこれ!?あのバカどもは!?さっさと…」


アイツらの助けなんて…いらない。


アスカ「…さっさと倒してやるわよこんな奴!!!?
このっ!?このぉっ!?」

ズブブブブブブブブ…

アスカ「こ…コンチクショォォォォォォ!!!!!!!?」

ミサト「シンジ君!!レイ!!」

綾波「碇君…可愛い…」ウットリ
シンジ「綾波ィィィ!!!?遊んでる場合じゃねえよ踏ーむーなー!!!?」

103: 2010/04/24(土) 03:41:28.56


リツコ「アンビリカルケーブルを引き上げてみたら、途中から先がなくなっていたそうよ」

ミサト「使徒に飲み込まれたの…?」

リツコ「取り込まれた、といったほうが正しいかしら。あの影こそが本体、地上の球体が影ね」

ギター「目標、直径600メートルに達してからは動きはありません」

ミサト「アスカは、無事なの…!?」

リツコ「影の内部はおそらく別の宇宙に繋がっている。
アスカがむやみにエヴァを動かさず生命維持モードに切り替えていればあと16時間は生き延びられる計算よ」

ギター「国連軍の包囲、完了しました」

メガネ「地上部隊なんて役に立つんですかね」

ミサト「私たちに対するプレッシャーよ…」

104: 2010/04/24(土) 03:46:26.38
綾波「…」

シンジ「…どう考えても僕たちの責任が重すぎなわけだが」

綾波「ごめんなさい」

ミサト「責任問題はあとよ二人とも…。
あの子の独断専行を止められなかった私にも責任はあるわ」

ミサト「先ほど赤木博士より弐号機のサルベージ作戦が発案されました。説明するわね」

105: 2010/04/24(土) 03:55:01.02
ミサト「N2爆雷992個投下…それと同時にエヴァ二機によるATフィールドを展開。
爆発エネルギーを集約して使徒を破壊して弐号機を回収するわ…」

シンジ「…それは」

綾波「…弐号機のパイロットは…」

ミサト「…。この際、パイロットの生氏は問うべきではないという意見よ…!」

綾波「…。あの子を、見頃しにするの」

ミサト「私だってこんな作戦やりたかないわよ!?
他に手段がないの!?」





シンジ「…こんな事まで、銀さんの真似しなきゃならないとはねぇ……」ポリポリ

106: 2010/04/24(土) 04:06:50.20
シンジ「あーあー、テステス。聞こえますか作戦部。急に通信の調子が悪くなりましたー」

ミサト「シンジ君?」

シンジ「あ、やっぱ聞こえないわ。しゃーねえこっちからの声は聞こえてるモンと信じてー」

シンジ「ちょっくら行ってくる。綾波、あと頼むわ」

マヤ「初号機、マゴロクソードを装備…?

アンビリカルケーブル切断!?」
ミサト「シンジ君何を!?」
綾波「碇君待って!?」

シンジ「ミサトさん…信じて下さいよ。
僕のことはさておき…あのバカを」

リツコ「待ちなさい!!!?初号機を失うわけには!!!?」

シンジ「よっと」

ズンッ

ズブブブブブブブブ…



メガネ「初号機……目標に、取り込まれ…ました……」

ミサト「……」

リツコ「何てことを……」

112: 2010/04/26(月) 22:22:08.04
アスカ「ママー!ママッ!私、選ばれたの!エヴァのパイロットに選ばれたの!世界一なのよ!」

バタン

アスカ「他のみんなには内緒だけど、ママにだけは教えてあげるね!」

バタン

アスカ「人類を守るエリートなのよ!」
バタン

アスカ「いろんな人が優しくしてくれるわ!だからちっとも寂しくなんてない!」

バタン

アスカ「パパがいなくったって寂しくなんかない!だからママ!私を見て!」

バタン

アスカ「もっともっと私を見て!」

バタン

アスカ「ねぇ!ママ!」

バタン




アスカ「」

113: 2010/04/26(月) 22:24:01.66
《ディラックの海・弐号機エントリープラグ内》

アスカ「…ハァ…ハァ…

…最悪。…眠るのがこんなに辛いなんて…」

アスカ「…何やってるの、アタシ…焦って突っ込んで……」

アスカ「何で…あの時…ママは笑ってたの…?」

アスカ「ロープに…ぶら下がったまま…」

アスカ「…LCLが濁ってきてる……寒い…」

アスカ「生命維持モードは、あと…」

アスカ「…やだな、ここまで…なの…?」

114: 2010/04/26(月) 22:26:26.16
ねえ

何で私を見てくれないの

加持「大したものだよシンジ君は。
…エヴァに関してもね」

加持さん、何でシンジばかり褒めるの

リツコ「そうね。あのシンクロ率であそこまでの活躍…」

シンクロ率は私のほうが高いのに

トウジ「なんちゅうか碇センセはホンマ無敵やな~思てな」

無敵なのは…私のはずだったのに

ヒカリ「えと、碇君!私にも手伝わせて…」

みんな…みんなシンジばかり見てる

私を見てくれない

ミサト「…ねえシンジ、キスしようか」
フケツ…ミサトまで。シンジなんかのどこがいいの

綾波「碇君…」

あの人形みたいな優等生もシンジ

シンジシンジシンジシンジシンジシンジシンジシンジ

115: 2010/04/26(月) 22:27:52.45
「アスカちゃん」

ママ?

「アスカちゃん、好き嫌いしちゃダメですよぉ?あそこにいるお姉ちゃんに笑われますよぉ?」

人形を…アタシと思いこんでる

「アスカちゃん、ママといっしょに氏んでちょうだい」

ダメ。アタシは、ママの人形じゃない

お願いだからアタシを殺さないで

お願いだから、アタシを人形にしないで

どこまでいっても、アタシ、アタシ、アタシ

アタシアタシアタシアタシアタシアタシアタシアタシ

アスカ「気持ち悪い…」

バカみたい

もう、いいや

疲れちゃった


「アスカちゃん」

うるさい

「アスカちゃ…」

寝かせて

「アスカ」

永遠に寝かせて

「アスカ!」

116: 2010/04/26(月) 22:29:39.79
「アスカ…」

初号機…?

シンジ「アスカ!」

バカシンジ…?


何で…よりによって…



最後に出てくるのが…




バカ…シンジ……なの………かしら……ね…

117: 2010/04/26(月) 22:30:24.12
シンジ「ほ~らアスカちゃーん、ネコ耳カチューシャだよ~」


118: 2010/04/26(月) 22:31:09.23
シンジ「コレつけて団地妻みたいな顔しとけ。あ、しゃべりはカタコトな。
それでちっとはキャラ立つだろ」

…オイ…

119: 2010/04/26(月) 22:32:10.81
シンジ「何、イヤなの?しょうがねえな。
んじゃアレ、ツインテールにしてギター弾け」

ちょっと待て…

120: 2010/04/26(月) 22:33:03.27
シンジ「あ、ニックネームはアスにゃんな」

…#

121: 2010/04/26(月) 22:37:02.80
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

リツコ「何が起きてるの!?」

メガネ「すべてのメーターは振り切れています!?」

ミサト「球体が…!?」

綾波「…っ!?」

プシュッ

バッシャァァァァァァァァァ

弐号機『テメェェもパクってんじゃねーかァァァァァァ!!!!!!!?』

初号機『ぶべらぁっ!?』

リツコ「」

122: 2010/04/26(月) 22:41:57.13
シンジ「ちょおまっ!?助けに来た相手にアッパーカットはないんじゃないの!?」

アスカ「うるっさい!毎回毎回アンタはアタシのキャラにケチつけてんじゃないわ………よ……………」

ズゥンンンン

ミサト「…」ポカーン

マヤ「…初号機、弐号機、共に活動停止……」

リツコ「…有り得ないわ…有り得る筈がない…。
こんな、非科学的な…」

ミサト「…。き、救護班急いで!」

123: 2010/04/26(月) 22:59:15.06



ミサト「…アスカは、命に別状はないそうよ」

綾波「…」ホッ

シンジ「あー、良かった良かった」

リツコ「良くないわ!!」バンッ

ミサト「(ビクッ)」

シンジ「…」ポリポリ

リツコ「…シンジ君。自分が何をしたかわかっているの?」

シンジ「いやー、急に通信の調子がアレ、全然ダメな感じになっちゃって。
とにかくアスカ助けなきゃなーって思ったらつい」

リツコ「あなたのその独断で、貴重なエヴァを二機も失っていたかもしれなかったのよ…?」キッ

リツコ「結果として成功したからいいものの、アスカの独断先行と変わらないわ。いいえ、もっと悪質よ」

リツコ「今後、エヴァを危険に晒すような行動は謹んでもらいます。次に同様の事があれば…」
シンジ「失えばいいじゃねーか」

リツコ「…何?」

124: 2010/04/26(月) 23:17:12.22
シンジ「失えばいいじゃねーかよ、あんなデカブツ」

リツコ「…!?」

シンジ「リツコさん…エヴァってのは何の為にあるんですか」

リツコ「っ!?それは…」

シンジ「…。マダオやリツコさんの本音はどうだか知りませんけど…

少なくとも表向きは、世界だか人類だかを守る為のモンでしょうに」

シンジ「それをN2爆雷ブッこむだのパイロットの生氏は問わないだの」

リツコ「それは!他に手段が!」

シンジ「あったじゃねーか。
使徒は倒した。アスカは助かった。僕もまあ、戻ってきた」

シンジ「もしまた同じことが起きたら…僕ァ同じことをしますがね」

シンジ「アレがどんだけ貴重か知らねーけど……

それでも、アイツの命ほど重くはない。

…順番、間違えるなよ。赤木博士」

リツコ「っ…」ゾクッ

125: 2010/04/26(月) 23:29:34.50
ミサト「もう止めて、シンジ君」

ミサト「シンジ君…下手をしたら、あなたまで氏んでいたかもしれなかったのよ…」

シンジ「…」

ミサト「これは上官としてじゃなく、私からのお願い。
また同じことをするなんて言わないで。あんなバカな真似しないで。

心配、させないでちょうだい…」

シンジ「…」ポリポリ

シンジ「ま、努力しますよ…」スタスタ

綾波「碇君…どこに行くの?」

シンジ「もう一人のバカの様子見てくる」スタスタスタ




ミサト「リツコ…シンジ君にはもう一度私から言っておくわ…だから…」
リツコ「…」




リツコ「(シンジ君……初号機を失うことは、あなたのお母さんを失うことと同じと知ったら…

あなた、同じことが言えて……?)」

126: 2010/04/26(月) 23:40:23.02
《病院・知らない天井》

アスカ「…」

アスカ「…」

アスカ「何でアンタなのよ」

シンジ「寝覚めっからご機嫌斜めだなオイ」

アスカ「起き抜けにアンタなんかの顔見たくなかったわ。そんな氏んだ魚みたいな顔」

シンジ「いーんだよいざという時はキラめくから。
オメーはオメーでアレだ、団地妻みたいな顔しろって言ったろ?」

アスカ「…やっぱり、アンタだったんだ。アタシを助けたの」

シンジ「…」

127: 2010/04/26(月) 23:45:25.95
アスカ「何でアンタなのよ」

シンジ「あ?」

アスカ「何でこのアタシが…アンタなんかに助けられなきゃならないのよ…!?」

アスカ「アンタなんかに助けられるくらいなら!?氏んだほうがマシるりゅぶっ!?」

ムギュッ

シンジ「はーいそれまでよーっと。

それ以上言うなバカ」

アスカ「は、はにゃしにゃさ」
シンジ「黙れバカ」

128: 2010/04/27(火) 00:00:22.40
シンジ「アスカ、テメーらしく生きるのにプライド持つんなら上等だ。いくらでも誇りもって胸張りゃいい。
だがなぁ…プライドがなきゃ生きていけねーなんて…順番、逆だろバカ」

シンジ「シンクロ率ナンバーワンじゃなきゃアスカじゃねーのか?大学出た天才じゃなきゃアスカじゃねーのか?
猫耳生やそうが団地妻顔だろうがツインテールだろうが…アスカはアスカじゃねーのかバカ」

シンジ「テメーで持ちきれないプライドなんざ、抱え込むな。
テメーで余計な荷ィこさえてんじゃねーかバカ」

シンジ「持ちきれない荷なら…まわりの助け借りりゃいいじゃねーかバカ」

シンジ「みんなに…心配させてんじゃねーよ。バカアスカ」



アスカ「…」

129: 2010/04/27(火) 00:08:33.43
シンジ「帰るわ。バカの顔も見たしな」パッ

アスカ「アンタはどうなのよ」

シンジ「あん?」

アスカ「アタシなんか助けに来て!?アンタこそバカじゃないの!?」

シンジ「あーそうだよ。僕ァバカが目標なんだ」

アスカ「バカが目標って……何よ……?」

シンジ「バカになりたいんだよ…。



宇宙一バカな…侍に」

130: 2010/04/27(火) 00:12:31.14
《病院・病室外》



綾波「もう、いいの?」

シンジ「…どうだかな」

綾波「そう、良かったわね」

シンジ「…」スタスタ




シンジ「アレで良かったんだかね……」

131: 2010/04/27(火) 05:53:34.41
《ネルフ本部・司令室》

リツコ「私は今日ほど、彼を怖いと思ったことはありません」

ゲンドウ「…」

リツコ「司令…彼は他人を、世界を恐れてはいません。
このままでは…」

ゲンドウ「今はまだいい。修正可能な範囲だ」

リツコ「…私達は、彼に殺されるかもしれません」

ゲンドウ「…」ギリッ

リツコ「(…私は、彼に罰してもらいたいのね。私達を)」


154: 2010/05/01(土) 15:15:29.30
銀時「テメーで持ちきれない余計な荷ィこさえてんじゃねーよ、馬鹿」

銀時「持ちきれねえ荷なら、まわりの助け借りりゃいいじゃねーか」

銀時「悲しい時は鼻水垂れ流して泣きやがれ。
頭にきた時は腹から声出して叫びやがれ」

銀時「オメーはもう、他人の目ェ気にして抱え込まなくていいンだ」

銀時「シンジ、オメーはどうしたい」

銀さん…僕は…
僕は…おじさんとおばさんの…
あの家に帰りたくないです…!

銀時「最初っからそう言えよ、バカシンジ」

「バカシンジ!」
シンジ「ハッ!?」

156: 2010/05/01(土) 15:19:27.54
《葛城家・シンジの部屋》

アスカ「やっと起きたわね…バカシンジ」

シンジ「…。アスカ?

何だいMutter今日は日曜だよ?まったくおっちょこちょいだナァ」ゴシゴシ

アスカ「今日は土曜よバカ。つか何でちょっといい発音のドイツ語!?あとお母さんじゃないわよバカ!?」

シンジ「あー…どういう風の吹き回しですか。アスカが僕を起こしに来るとか…」

アスカ「フフン、涙流して感謝しなさい。それとも

『もおっ!シンジくん早く起きて!遅刻しちゃうよっ!』

とでも言ったほうが良かったかしら?ん?」

シンジ「どんなラブコメだ。幼なじみか?幼なじみプレイか?」

アスカ「バカ言ってないでさっさと来なさい。朝ご飯の支度もできてるわよ」

シンジ「ハァ?」

160: 2010/05/01(土) 15:37:37.91
《葛城家の朝はトーストとウインナーエッグと牛乳から始まったり始まらなかったり》

シンジ「これ…アスカが作ったのか?」
アスカ「フフーン、このアタシが本気出せばこんなの朝飯前よ」

ミサト「朝ご飯を朝飯前に作るのは当たり前じゃね?」モグモグ

アスカ「うっさい黙って食ってなさい」

シンジ「しっかし何でまた」

アスカ「…ネコ耳だろうと団地妻だろうとアタシはアタシなんでしょ?」

シンジ「あ?」

アスカ「アンタなんかに論破されるのは不本意だけどね。悔しいけど納得はしたわ。
だ、か、ら!アタシらしく正々堂々真っ正面から!アンタの領域に攻め込むことにしたから!」

シンジ「…」

アスカ「負けないわよ!」フンゾリ

ミサト「(要するに?これからはシンちゃんのお手伝いするってことよねぇ?)」

アスカ「ほれっ!さっさと食べて学校行くわよ!」

シンジ「朝から元気だねえ…」モシャモシャ

161: 2010/05/01(土) 15:56:39.25
シンジ「…」モシャモシャ

何で、いまさらあんな夢…

…。

シンジ「そうだった、今日は…」

ミサト「ん?今日はどしたのシンちゃん?」

シンジ「え?ああ、いえ…

今日は綾波が来てないなって」

アスカ「そう言えば今日はいないわね?3バカのあと二人も来ないし」

シンジ「トウジは日直がどうとか昨日愚痴ってたな。ケンスケは港に軍艦が来てるから休むとか何とか」

アスカ「ふーん。じゃ、さっさと行くわよ!」

シンジ「へいへい…。
んじゃ行ってきます」

アスカ「ミサト!片付けぐらいはよろしく!じゃ!」パタパタ

ミサト「はいは~い、行ってらっしゃ~い」

ミサト「んふ、いよいよデレ期到来かしらん?

…にしてはシンちゃんは妙に冴えないわね?」

162: 2010/05/01(土) 16:05:01.10
《通学路》

アスカ「アンタがもたもたしてるから時間ギリギリじゃない!」

シンジ「んー…」

アスカ「ほら、ちょっと急ぐわよ!」

シンジ「…」

アスカ「…ねえシンジ!どうだった?アタシの腕ま…」



アスカ「…シンジ?」

シンジ「悪い、先に行ってて。僕今日休むから」

アスカ「休むって…!?何で!?」

シンジ「あ?あのアレ…。

男の子の日三日目だから。じゃ」

アスカ「待て」

163: 2010/05/01(土) 16:13:56.71
アスカ「シ ン ジ?男の子の日って何。いや知りたくもないけど何?サボろうっての?」

シンジ「バッカオメーその辺アレだよ察しろよ。この年頃の子は色々傷つきやすいんだよガラスの十代なんだよ」

アスカ「同い年だろうがバカ!?」

シンジ「いや違うんだよ。
馴染みの店の娘にさ、たまには朝キャバで指名して下さい~とか言われちゃっててシンさん」

アスカ「どこがガラスの十代!?コンクリの団塊世代の発言だろうがこのオッサン中学生!?」

シンジ「まそういうことなんで。じゃ学業に精出して~」ヒラヒラ

アスカ「…勝手にしなさいよバカぁっ!?」

165: 2010/05/01(土) 16:20:49.10
シンジ「…」スタスタ

シンジ「…」スタスタ

シンジ「…」ピタ

シンジ「…ついて来る気?」

アスカ「…っ。アンタがバカな遊びをしないようにね!」

シンジ「ついて来ても面白くないと思うけど。…まあいいや」

アスカ「どこに行くのよ…?」

166: 2010/05/01(土) 16:25:20.64
アスカ「花束なんて買って…イヤらしい」

シンジ「深読みしすぎですよアスカさん。別にキャバ嬢に入れ込んでるわけじゃないから」

アスカ「…お見舞いにでも行くの?」

《墓地・入口》

アスカ「お墓……っじゃあ…。

…何で先に言わないのよ!?」

シンジ「ホレ、行くよ」

アスカ「ま、待ちなさいっての!?」

167: 2010/05/01(土) 16:30:44.50
《墓地・碇ユイ墓前》



シンジ「…」

ゲンドウ「…シンジか」

アスカ「いっ、碇司令…!?」

シンジ「…こいつぁ驚いた。女房の命日はちゃんと覚えてたってか」

アスカ「(女房って…じゃ、シンジのお母さんの…)」

ゲンドウ「忘れる筈はない…

…何故セカンドチルドレンが居る」

アスカ「え!?えっと、その」

シンジ「ただついて来ただけさ。どこに行くかも知らないでな」

ゲンドウ「そうか」

アスカ「(ちょっとぉ完璧アタシが空気読めてない危機的状況なんですけど!?
…いや、普段から読めてるかって言われたら読めてないけど!?)」

168: 2010/05/01(土) 16:35:25.84
シンジ「…」

ゲンドウ「…」

……

アスカ「(く…空気重ッ…!?何コレ何この親子!?)」

シンジ「…わからんね」

ゲンドウ「何がだ」

シンジ「アンタの腹の内がさ。
エヴァの事も、使徒の事も……親子の仲も、全部」

ゲンドウ「…」

シンジ「飾りものの墓でも母さんの前だ。殴りはしねーが…答えてもらおうか。

アンタ…一体何を考えてる?」

169: 2010/05/01(土) 16:46:01.43
ゲンドウ「シンジ。どんな答えを期待しているかは知らんが…。

私に父親を求めるのはやめろ」

シンジ「……」

ゲンドウ「人は他人と分かり合おうとする悲しい生き物だ。だが、お互いが完全に分かり合う事などない。例えそれが肉親であってもだ」



シンジ「…。答える気は無いってか。
分かり合う事がないからハナっから言うだけムダってか。

…そうかい、それならそれでいいさ」

170: 2010/05/01(土) 17:08:37.53
ゲンドウ「シンジ、私の質問にも答えてもらおう」

シンジ「何でしょうかね碇司令?」

ゲンドウ「この数年間、お前は一体どこで何をしていた」

シンジ「…」

ゲンドウ「お前が伯母夫婦の家を飛び出していたことは先日判明した」

ゲンドウ「だが飛び出した事自体、当時こちらでは察知していなかった」

ゲンドウ「ただの子供が、一人で生きていける筈もない」

ゲンドウ「それを何故、行方をくらますことができた。私の呼び出しに応じられた」

ゲンドウ「答えろ。お前は何をしていた。一体どこにいた」



シンジ「…家族のところにいたさ」

172: 2010/05/01(土) 17:23:05.50
ゲンドウ「家族とは何だ。誰のことを言っている」

シンジ「分かり合えねー相手に何言っても無駄だろ?」


皮肉なもんだなァ。本当に大事なモンってのは、持ってるヤツより持ってねーヤツの方が知ってるもんさ。

言っときますけどねェ、僕はずっと万事屋にいますからね。家族と思ってくれていいですからね。

私は最後の一本になっても折れないネ。最後まで木と一緒にいるネ。


ゲンドウ「…」

シンジ「息子に『家族とは何だ』なんて聞いてる時点で…テメーにゃわかんねえだろうよ…!」

シンジ「必要なモンも大事なモンも全部あの街で、あの人たちに貰った!アンタがくれなかった分までな!」

シンジ「…安心しな、報酬分の仕事はするさ。だが…

俺の領分に入り込むな」

シンジ「この刀、コイツが届く範囲は、俺の領分だ。土足で踏み入れてみろ。

遠慮なくブッた斬るぞ」

ゲンドウ「…そうか」

バラララララララ……

ゲンドウ「時間だ、先に帰る」

シンジ「…」

173: 2010/05/01(土) 17:30:35.93
バラララララララ………

シンジ「…」

アスカ「…」

シンジ「…ハァ…」

アスカ「…シンジ…」

シンジ「うっし、帰ーるかね」

アスカ「ちょっ、ちょっと。お母さんのお墓参りは…」

シンジ「あ?あーそうだったそうだった」ファサッ
っ花束

シンジ「はぁい終了ォ。行くぞー」

アスカ「シンジ!?もうちょっとちゃんと…!

待ってったらもう!?」

174: 2010/05/01(土) 17:36:35.94
《VTOL機内》

綾波「(…碇君…怒っているの…?)」

ゲンドウ「レイ、調子はどうだ」

綾波「あ…はい。問題ありません」

ゲンドウ「ならばいい」



綾波「(碇司令も…怒ってる?

ううん違う…何か…何か、怖い。とても)」

177: 2010/05/01(土) 17:57:01.73
《帰り道》

シンジ「…」

アスカ「…!(怯んでんじゃないわよアスカ!ここは一丁アタシが…!)」

アスカ「っし!ねぇシンジ!」

シンジ「アスカ、先に帰ってて」

アスカ「へっ?」

シンジ「いや、マダオとやりあってストレス溜まったからな…ちょっと息抜き」ボリボリ

アスカ「何よ…まだどこか行くの?だったらアタシも…」

シンジ「そこはアレだよ察しろ。息抜きっつーか違うモンを抜くんだよ。
シンちゃんの暴れん棒なアレをアレするんだよフンフンハァハァ言いながら」

アスカ「なっ…がっ…アンタ何をっ!?」

シンジ「わかんない?だから僕の堅くて長くて太くてそそり立つ棒をこう」

バチーン

アスカ「バカっ!?最低っ!?」ズカズカズカ

シンジ「…」

178: 2010/05/01(土) 18:05:25.48
《近所の公園》

シンジ「うっし、ここなら人気もないしちょうどいいかね。
ここしばらく使うばっかでまともにやってなかったからなァ…。

剣の鍛錬」

…洞爺湖…。
早いとこ帰りたいな…かぶき町。

シンジ「…始めるか」

シンジ「フン!フン!」
ビュンッ ビュンッ

シンジ「フン!フン!」
ビュンッ ビュンッ

シンジ「フン!フン!」
ビュンッ ビュンッ



179: 2010/05/01(土) 18:07:43.68
《シンジの回想・志村家恒道館道場》

カランカラン
シンジ「っ痛つつ…」

新八「大丈夫シンジ君?」

シンジ「すみません…木刀って重たいんですね…。
痛…血マメが」

新八「ちょっと頑張りすぎちゃったかな…今日はこれくらいにしておく?」

お妙「そうねぇ、初日から飛ばしすぎても後が続かないでしょうし」

近藤「いやっ、何事も始めが肝心と言いますからね。鉄は熱いうちに打つべきでしょう」



お妙「テメェは何レギュラーキャラみたいに当たり前に出てきてんだゴリラストーカァァァ!!!?」
バキバキボコゴグシャッ
近藤「ギャァァァ!!?!」

シンジ「…新八さん、あの人確か真撰組の」

新八「局長だね一応」

シンジ「いいんですか助けなくて」

新八「ストーカーだから。いつものことだから」

シンジ「世も末ですね」

181: 2010/05/01(土) 18:23:26.95
近藤「ガハハハ!いやはや、見苦しいところを見られてしまったね!」ダラダラ

新八「近藤さん、見苦しいまんまなんですけど。シンジ君ドン引きなんですけど。まず血ィ止めてくんない?」

近藤「いやぁ、万事屋に新人が入ったと聞いてついな。君がそうか?」

シンジ「…碇シンジです」

近藤「んっ、俺は真撰組の近藤勲だ。剣の修行とは結構結構!
だが、初日からちと諦めが早すぎやせんか!?」

シンジ「…でも、血マメが」

近藤「血マメなんぞはできて当たり前!
むしろ血マメが潰れるところから修行が始まると言っても過言ではないよウンウン!」

シンジ「そんな…でも…」

新八「ちょっと近藤さん!シンジ君は今日初めて剣を持つ素人ですよ!?」

近藤「ならば尚更。半端な覚悟で始めればまず失敗する。
君は強くなりたくて剣を習いたいんだろう?」

シンジ「それはそう、ですけど…。
…やっぱり僕なんかじゃ剣は無理…ですかね…」

近藤「…ふむ…。

シンジ君は、痛いのや辛いのは嫌いか」

シンジ「…。好きじゃ、ないです」

近藤「俺もだ」ニタッ

シンジ「え…?」

183: 2010/05/01(土) 18:36:28.80
新八「近藤さん?」

近藤「俺だけじゃあない誰だってそうだろう。
順風満帆、何も問題なく生きられるならそれに越したことはない。だが、そうも行かないのが人生というやつだ」

近藤「痛い思いも辛い思いも必ず待ち受けている。じゃあどうするか」

シンジ「どうするん、ですか」

近藤「自分から、痛みや辛さに突っ込んでいくのさ」

新八「…」

近藤「今自分から痛い思いをしておけば、いずれ来るもっと大きな痛みにも耐えられる。
今辛い思いをしておけば、先の辛い思いをはねのけられる。
そうやって繰り返すことが強くなることだと、俺は思う」

近藤「そうして強くなっておけば…自分自身だけじゃない。
いざという時、大切な何かを、誰かを護れる!」

184: 2010/05/01(土) 18:49:20.77
シンジ「自分だけじゃない何かを…守る…」

近藤「フフ、まあ剣しか能がない田舎侍の屁理屈だが…。
俺自身はそうやって剣を振るってきたつもりだ。

見ろ!手なんぞ血マメ潰しすぎてボコボコだぞ!」ニカッ

シンジ「…凄い。凄いです」

近藤「そう言ってくれると嬉しいな。今までの修行で、この潰した血マメの分くらいは強くなったつもりだ。
どれ…木刀をお借りしますよ師範殿」

新八「え、あ。はい」

近藤「フンッッ!!」
ブゥォォォンン…!

シンジ「うわっ…!?素振りで風が…!?」

近藤「シンジ君。君の目は強くなりたくてもがく男の目だ。
もっともっともがいて!迷いを捨てろ!
ゴリラみたいなオッサンからの最初のアドバイスだ」

シンジ「…」

新八「近藤さん…」

シンジ「…やります…。自信はないけど僕、もっとやってみます!」

186: 2010/05/01(土) 19:04:42.62
近藤「ンッ!100点満点とはいかないが悪くない返事だ!
どうだ、万事屋の天パなんぞ見切りをつけて、真撰組に来んか!?」

シンジ「え!?いやあの、それは…」

新八「ちょっと近藤さん!シンジ君はうちの新人なんですから勝手に勧誘しないで下さい!」

近藤「ナッハハハ!スマンスマン!なかなか見どころがありそうだったんでな!」

シンジ「…(///)」テレ

近藤「よし、新八君!少し俺も汗を流させてもらいたい!」

新八「…はいっ!僕もやりますよ!」

シンジ「ぼ、僕も頑張ります!」

ブンッ ブンッ

ビュゥンッ ビュゥンッ

ブォォォンン…!! ブォォォッンン…!!













近藤「(ンッフッフッフッフッ……見てくれましたか聞いてくれましたかお妙さん!?この近藤勲の勇姿を!!
若人を導く真撰組局長の凛々しき言葉をッ!!)」

新八「…ああ、姉上だったら>>181でさっさと出て行きましたけど」

近藤「何でェェェェェェ!!!!!!!?
俺いい事言ったのに!?カッコいい事言ったのにぃぃ!!!?」

シンジ「理由は明白ですよね」

近藤「シンジ君までヒドいぃぃぃ!!!?」

187: 2010/05/01(土) 19:05:49.08
さて休憩

193: 2010/05/02(日) 03:52:54.89
休憩のつもりが6時間ほど寝ていたでござるの巻

タイミング間違えたごめんなさい

もうちょいスイスイ書きたいもんだ…

194: 2010/05/02(日) 03:55:39.02
ビュゥンッ……ビュンッ

シンジ「…フッ…ンッ…フンッ………ハァ、ハァ、ハァ……」

シンジ「まだ、まだ……!フッ…!

ッ!?」

アスカ「フンフンフンフンうるさぁぁぁいっ!!!?」
ゲシッ
シンジ「ヒラサワッ!!!?」

ズサー

アスカ「フンフンフンフン桜木かお前はァァァ!?いい加減帰って来なさいよ!!!?」

シンジ「」

アスカ「剣道だかゲンドウだかマダオだか知らないけど日が暮れるまでやることないでしょアンタバカァ!?

…あれ、シンジ?」

シンジ「」チーン

アスカ「あれ…?ちょっ…シンジ!?」

195: 2010/05/02(日) 04:02:36.08
シンジ「…お前…こっちは限界ギリギリまで剣振り回してんのに…後ろから蹴るか普通…」

アスカ「あ、アンタがいつまでたっても帰ってこないから…!?
ほら、起きなさい!」グイ

シンジ「痛だだだだだだ痛い痛い腕引っ張んな!?」

アスカ「ッ!?アンタこれ…手、血まみれじゃない!?」

シンジ「あー血マメ潰れたから。ちなみに腕もまともに動かない。全身まともに動かない。
このまんまチーズ蒸しパンになりたい」

アスカ「何でそんなに無茶してんのよ…」

シンジ「ストレス解消って言ったろーが。あとアレ、無茶しなきゃ修行になんねーし。
あー…地べた気持ちいい。もう僕公園で暮らすわ。ここの植え込みとして一生を終えるわ」

アスカ「あああもー世話のやける…!」・


シンジ「肩貸してくれるたぁサービスいいな」

アスカ「うっさい。そして重い。…汗臭いわよバカ」

シンジ「悪かったな」

196: 2010/05/02(日) 04:05:09.52
《葛城家・風呂》

カポーン

シンジ「あ~……手ェ痛…全身痛…」

シンジ「…(うつら、うつら)」

アスカ『シンジー?着替え置いとくわよ!?
シンジー?』

シンジ「」ガボガボブクブクブクブク…

アスカ「シンさあぁぁぁんん!?」


シンジ「いや風呂場で氏ぬかと思った。湯に溶けてシンクロ率400%超えるかと」ゴシゴシフキフキ

アスカ「そのまま下水に流すわよバカ。

つか前を隠せェェェ!!!?何で堂々むき出しにしてんの!?セクハラ!?」

シンジ「気にすんな」

アスカ「アンタが気にしろっ!?
こちとらアンタほど人生スレてないの!?まだ花も恥じらう乙女なの!?」

シンジ「はいはい…。
あれ?人生スレてる乙女じゃない人はまだ帰って来てないの?」

アスカ「…まだね。
明日は友達の結婚式って言ってたから、買い物でもしてんのよきっと」

シンジ「ん、そ。

あふ…僕もう寝るわ…夕飯は」

アスカ「適当に用意するわよ。いいからオッサンはさっさとパンツ履いてさっさと寝なさい」

シンジ「そーするわ……アスカ」

アスカ「何よ…」

シンジ「ありがとな。色々」

アスカ「…いいから寝ろっ」

197: 2010/05/02(日) 04:24:52.13
アスカ「…」

ありがとな。色々。

アスカ「…フン」ニヘラ

《おまけ》

ミサト「ただいま。
アスカ?今日はシンジ君と一緒に学校サボったそうね?」

アスカ「おかえり。サボりじゃないわよ付き添いよ付き添い」

ミサト「ごまかさないの!学校からこっちに連絡があったわよ?
何をしてたの?」

アスカ「ミサト?この年頃の子は傷つきやすいガラスの十代なの。そっとしといたげて。
心配しないで、別にキャバクラなんて行ってないから」

ミサト「」

アスカ「アタシも寝るわ。おやすみ~♪」

ミサト「キャ、キャバクラ!?アスカ待ちなさいちょっと!?」


215: 2010/05/05(水) 07:36:55.26
冬月「昨日キール議長から計画の遅延に関して文句が来たぞ。俺のところに直接。
終いにはお前の解任もほのめかしていた。相当苛ついていたな」

ゲンドウ「アダムは順調だ。ダミープラグにも着手している。ゼーレの老人たちは何が不満なのだ」

冬月「肝心の補完計画が遅れている」

ゲンドウ「全ての計画はリンクしている。問題はない」

冬月「お前の息子もか?昨日のユイ君の墓参りで会ったのだろう?」

ゲンドウ「…。手は打った。アレも確実に計画に組み込んでみせる」

冬月「…まあいい。あの男はどうする」

ゲンドウ「今しばらくは役に立ってもらう。マルドゥック機関と同じだ」



《京都某所》

加持「…ここもハズレ、か…」

マルドゥック機関…。人類補完委員会直属、エヴァンゲリオンパイロット選出機関。その実体は未だ不透明。
108の関連企業の内106がダミー。
そしてここが107番目…

加持「…やはり全てはネルフの…碇司令の手の内か」

216: 2010/05/05(水) 07:38:43.63
《葛城家は日曜朝っぱらからお説教タイムのようです》

シンジ(正座中)「…」
アスカ(正座中)「…」

ミサト「二人とも、私には保護者としての責任があるわ。わかるわね?」

シンジ(正座中)「…」チラッ
アスカ(正座中)「…」チラッ

ミサト「正直に答えなさい。昨日は一体学校サボって何をやっていたの?」

シンジ「公園でフンフンハァハァやってました。棒使って」

アスカ「そのフンフンハァハァやってるシンジを蹴っ飛ばしたりしてました。
あと動けなくなった後は家まで運んでお風呂に入れたり」

ミサト「本当に何やってたのアンタ達ィィィ!!!?」

217: 2010/05/05(水) 07:44:02.88
ミサト「ねえホンットわかんない。女29年やってるけどわかんないわなにそれ何プレイ?」

アスカ「あ、あと溺氏しかけの全裸見せられて『キャー!シンジさんのエOチー!』とかやる流れだったけど…
まあそこまでの下半身でもなかったから自重したわ」

シンジ「オイオイ聞き捨てならないね。僕の本気があの程度とか思ったら大間違いだよ?
まあ確かに普段は一歩後ろに下がってる控えめな子だけど?
いざとなったらグイグイ前に出て自己主張するやればできる子だようちの子は?」

アスカ「見栄はってんじゃないわよ。いざとなったらってそんな日が来たことあんの?悲しい男ね」

シンジ「その言葉そのままバットで打ち返すよ。見栄はっても未経験なのはバレバレ愉快だよアスカちゃん」

アスカ「何言っちゃってんの?男の未経験と女の未経験は似て非なるモンなの。値打ちが違うの。
アカツキと百式ぐらい違うの」

シンジ「何だコノヤロー僕がアカツキか。エヴァンゲリオンの鷹かコノヤロー」

アスカ「鷹っていうかむしろ雀ね。砂漠の虎というより砂場の猫ね」

ミサト「アンタたち打ち合わせでもしたのかァァァ!?何その無駄なコンビネーション!?ぶっつけ本番でイスラフェル倒せそうじゃん!?」

218: 2010/05/05(水) 08:13:16.88
アスカ「もー、ミサトが考えるような薄汚れた展開はなかったわよ。
いいからさっさと友達のお呪いに行ってきなさいって」

ミサト「お呪いじゃないからお祝いだから。
別に三十路前だからって焦ってないから焦って妥協したヤツらを笑いに行くだけだから」

シンジ「さり気に真っ黒だよこの人。ティターンズカラーだよこの人」



ミサト「じゃ行ってくるけど…ホント変なコトしちゃダメよ!?」

シンアスカ「「はいはーい、行ってらっしゃーい」」

PEN2「クワ」

バタン


《結婚式場・ロビー》

ミサト「っていう具合だったのよあの二人…」ムス

リツコ「あらあら」

ミサト「なんだか最近アスカまでスレてきた気がするわ」

リツコ「シンジ君にかかったらミサトも形無しね。
…あら、結局オレンジのドレスはやめたの?」

ミサト「あーアレ?アレはちょっち訳ありで…」

リツコ「そう、キツかったの」

ミサト「っ!そーよ!昨日新調したの!
ご祝儀といいまた出費が…ハァ。どいつもこいつも焦りすぎよ…」

リツコ「お互い最後の一人にはなりたくないものね。さ、そろそろ移動しましょ」

230: 2010/05/06(木) 15:42:22.16
《少し巻き戻って葛城家》

シンアスカ「「はいはーい、行ってらっしゃーい」」

PEN2「クワ」

バタン



シンジ「…悪いな」ボリボリ

アスカ「何よ」

シンジ「余計な気ィ使わせて…」

アスカ「…ふん、アンタだってわざわざヤなこと思い出したくないでしょ。

ふふーん、そうだ。感謝するんなら行動で示してもらいましょうか」

シンジ「上がった株価が早速暴落だよチクショー交換条件かよ。何だよ何が望みだ?」



《結婚式場》

「三つの袋というものを心に……」

リツコ「来ないわねリョウちゃん」チラ

ミサト「アイツが時間通りに来たことなんていっぺんもないわよ」

リツコ「デートの時は、でしょ?仕事は違ってたわよ」

加持「やあやあお二人さん、今日は一段とお美しい。
いやぁ、時間までに仕事抜けられなくってさ…」

ミサト「いっつもプラプラ暇そうにしてるクセに…。
無精ひげ何とかならないの?ほら、ネクタイ曲がってる!」グッ

加持「お、お。…こりゃ、どうも」

リツコ「ふふ、そうしてると夫婦みたいよ。あなた達」

加持「いい事言うねリッちゃん」

ミサト「だーれがこんなヤツと」

231: 2010/05/06(木) 15:43:31.08
《葛城家・キッチン》

グツグツグツグツ…

シンジ「ん、で後はカレールーを投入な。メーカーが違うのを半分ずつ入れて」

アスカ「…何で半分ずつなの?同じメーカーのを一つでも」

シンジ「スパイスの配分が違うんだよ。半々で使ったほうが味わいが深くなる」

アスカ「へぇ…アンタ本当詳しいわね」

シンジ「…(まさか料理を教えろとはねぇ…)」

『言ったでしょ、アンタには負けないって!まずはアンタから教わることで腕を磨くわ!』

シンジ「…職場の食事係が当番制だからなー。
あとは隠し味にバターとかチョコをひとかけらとかあるけど…」

コトコト…

アスカ「ふうん…ね、シンジ。何だかこうしてると」

シンジ「こうしてると?」

夫婦みたいね、私たち。

アスカ「…こうしてるとアンタが主夫一直線なのがよくわかるわね~!」

シンジ「うるっせーよ。料理は好きだけど結婚してまでメシの支度したかねーっての」

アスカ「あっそ!じゃっ、料理のできる相手と結婚しなさい!」

シンジ「結婚ねえ…」

お妙さあぁぁぁんん!!結婚して下っさああいいい!!!

ハツゥゥゥ!?帰ってきてくれェェェ!?


シンジ「あんまりいいイメージないな」

アスカ「?」

232: 2010/05/06(木) 15:50:00.76
《結婚式・二次会》

ミサト「あの二人大丈夫かしら…」

加持「…シンジ君とアスカか?」

ミサト「そーよ」

加持「仲良くやってたんじゃなかったのか?この前の失敗でアスカもいい方向に落ち着いたようだし」

ミサト「仲が良いにも色々あるでしょ、昨日は学校サボって何してたんだか…」

加持「あの年頃ならそういう時もあるさ」

ミサト「もう。あの年頃だから心配なんじゃない」

リツコ「何だかいよいよ夫婦じみてるわね。子供二人を心配するお母さんと旦那?」

ミサト「リッちゃーん?それ以上余計なこと言うなら頭にカチューシャはめてドラム叩かせるわよ?」

233: 2010/05/06(木) 16:03:40.41
《葛城家・リビング》

アスカ「…」パク

シンジ「どう?マイカレーの感想は」

アスカ「…んっふっふっ。初めてでこの出来映え、さすがアタシ!」

シンジ「はいはい…」



アスカ「…シンジ。」モグモグ

シンジ「ん?」モグモグ

アスカ「アンタがいた職場っての?一体どういうところだったのよ」

シンジ「どういうって。…何でそんな事聞くのさ」

アスカ「ひ、暇だからよ。昨日碇司令も聞いてたけど…どんな生活してたの?」

シンジ「んー…」ボリボリ

シンジ「僕が世話になってるのは万事屋でね」

アスカ「万事屋?」

シンジ「そ。頼まれれば何でもやるのさ。ペット探しから爆弾処理、大工の真似事、アイドルの身辺警護…」

アスカ「…胡散臭さがハンパないんだけど」

シンジ「働いててもそう思うよ。まあ預けられてた先でイヤな目にあって、家出してたどり着いたのが万事屋ってわけ。そこの……」



234: 2010/05/06(木) 16:10:40.65
《結婚式・三次会》

ミサト「…調子いいんだから!ちょっちお手洗い~」

加持「とか言って逃げるなよ?」

ミサト「べーだ」

加持「(ヒール、か)

久しぶりじゃないか?三人で飲むのなんて」

リツコ「ミサト、少し飲みすぎじゃない?何だかはしゃいでるみたい」

加持「浮ついた自分を抑えるためにまた飲んでる…今日は逆か」

リツコ「さすがに、一緒に暮らしていた人の言葉は重みが違うわね」

加持「暮らしてたっていっても、葛城がヒールとか履く前の話だからな…」

リツコ「学生時代には考えられなかったわよね」

加持「俺もガキだったし…ありゃ同棲というより共同生活だ。
ままごとだよ。現実は甘くはないさ。

あ、そうだ。これ、ネコの土産」

リツコ「あら、ありがとう。マメねえ」
加持「女性にはね。仕事はズボラさ」

リツコ「京都、何をしに行ってきたの?」

加持「あれ?松代だよその土産?」

リツコ「ごまかしても駄目。深入りすると火傷するわよ。
これは友人としての忠告」

加持「真摯に聞いておくよ。
でもその言葉は…そのままリッちゃんに返したいな」

リツコ「…」

加持「もっとも、俺も説教できるような立場じゃないか。

…遅いな葛城のやつ。化粧でも直してるのかな?」

235: 2010/05/06(木) 16:51:59.94
ミサト「あ、もしもしアスカ?私。…そ、今は三次会でね~」

《葛城家》

アスカ「まさか朝帰りしようってんじゃないでしょうねー?
…はいはい、子供はさっさと寝ます~じゃっ」

ガチャッ

シンジ「ミサトさん?」

アスカ「そうよ~。まだ遅くなるから先に寝てろってさ。
加持さんにお持ち帰りされる気じゃないのかしら」

シンジ「あ?酔った勢いで?」
アスカ「違うわよ。酔ったふりして」

シンジ「…(アレ?加持さん絡みになったらもっと殺伐とするかと…なんで?)」

アスカ「それより続き続き!その…お妙さん?下着泥棒をどうしたの?ボコボコ?」

シンジ「よりによってお妙さんに食いついちゃったよこの娘。ものっそい不安なんですけど」



加持「遅かったな?」

ミサト「ちょっち家に電話をね。…リツコにちょっかい出してないでしょうね?」

リツコ「大丈夫よ。昔話を少しね」

加持「生きるという事は変わるって事って話をしてた」

ミサト「ふーん」

加持「いや本当…本当だって。なにその目」

リツコ「ホメオスタシスとトランジスタシスね」

ミサト「何、それ?」

リツコ「今を維持しようとする力と変えようとする力。2つを兼ね備えたのが生き物なのよ。さて、そろそろお暇するわ。仕事も残ってるし」
ミサト「先帰っちゃうの?」

加持「残念だな」

リツコ「フフ、ごゆっくり」
ミサト「あ…うん」

244: 2010/05/06(木) 23:48:41.93
《おしえて!銀八先生!》

銀八「ペンネーム>>241さんからのお便り」

銀八「はーい、ズバリお答えしまーす」

銀八「本編や原作やアニメや>>242でも言ってるように万事屋のメシは当番制でーす」
銀八「銀さんはああ見えて凝り性なんで料理はバリバリできます。
蒸しパンとか作ってメンバーひかせるくらいバリバリできます」
銀八「新八も姉があの腕前なので当然できます。命に関わるのでできます」
銀八「神楽は…ふりかけごはんとか卵かけごはんとか卵かけごはんとか卵かけごはんとか作ります。
今朝に至っては『卵が!?卵がこっちに来るよぅ!?』ごはんでした。他は味噌汁すら作りませーん」
銀八「シンジは最初はガキでしたしアレでしたが、今じゃレストランに勤められるくらいバリバリできます。
ただし万事屋は食材が乏しいんで腕前が全力で発揮されることはあまりありませーん。
神楽と定春がバカみたいに食い過ぎなんだよ味わって食えっつーの」

銀八「そんなわけで>>241ー。今すぐ廊下で原作やアニメを見返すように」

まったり再開

245: 2010/05/07(金) 00:00:33.75
ミサト「おぼろろろろろろ……」

加持「いい年して戻すなよ」

ミサト「悪かったわねいい年で…」

加持「ハハ、いい年はお互い様か…葛城がヒール履いてるんだもんなあ…」

ミサト「そーよぉ…」

ミサト「(おんぶ…かぁ…)」

ミサト「ん…ありがと、あと歩く」



ミサト「加持君…私、変わったかな?」

加持「そうだな…キレイになった」

ミサト「ね…あの時一方的に別れ話して、ごめんね。
好きな人ができたって…あれ、嘘。気づいてた?」

加持「いや…?」

ミサト「気づいちゃったのよ。加持君、私の父に似てるって」

加持「…」

ミサト「ずっとわからなかった…あの人を憎んでたはずなのに、父に似た人を好きになる…。
ただ、たまらなく怖かった」

ミサト「父の敵討ちか父への復讐なのか、自分でもわからないままネルフに入って…でもそれも父のいた組織で」

加持「葛城が自分で選んだ道だ。俺がどうこう言うことじゃないさ」

ミサト「ん…でもそれすら逃げてたのかも知れなくて…。

そしたらね、彼が言ったの。『後ろばかり見てないで、自分らしく胸張って前を見て歩いて行きな』って」

加持「…彼?」

ミサト「シンジ君。『最初から何も持たなければ楽なのかもしれないけど、それでもいつの間にかまた背負いこんでる』
『お互い大事なものだけは、シャンと背筋伸ばして背負って歩きたいですね』って…」

246: 2010/05/07(金) 00:07:25.02
加持「…子供の言葉とは思えないな」

ミサト「彼も教わったんだってさ…私たちの知らない誰かから…」

加持「…葛城」

ミサト「すごいわよね…。あの年で、あれだけタフで、堂々と振る舞って、エヴァのパイロットで、お父さんとも渡り合って…」

加持「葛城」

ミサト「そう、か…あはは。私、シンジ君がうらやましいんだ…」

加持「葛城」スッ

ミサト「…加持君?」

加持「ズルいな」

ミサト「…えっ…」

加持「昔の男の前で、今気になってる男の話をするなんて」

ミサト「加持く……


んっ……」


247: 2010/05/07(金) 00:16:01.95
カチ コチ カチ コチ…

《葛城家》

アスカ「ねえシンジ…」

シンジ「んー?」

アスカ「アンタ、全部終わったら帰るのよね。万事屋に」

シンジ「んー。帰るよー」

アスカ「じゃあアタシも連れてって」



シンジ「あ?」

アスカ「だから万事屋によ」

シンジ「…何で…?」

アスカ「面白そうだからよ。それとも何?不満なの?」

シンジ「いや不満っつーか…。
現実は甘かねーよ?」

アスカ「子供扱いする気?」

シンジ「いやあそうじゃなしに。

基本的に街の住人全部僕みたいな連中なんだけど、耐えられんの?」

アスカ「…マジでか」

シンジ「マジでだ」

248: 2010/05/07(金) 00:27:32.82
シンジ「だいたい全部終わったらアスカ…ドイツには帰らないの?
僕ァてっきり加持さんを引っ張って帰るモンかと思ってたけど」

アスカ「…」

シンジ「まあ今夜次第ってとこかね。
ひょっとしたらあの二人、本当にヨリをもどすかもしれないし」

アスカ「……ぃでしょ」

シンジ「どちらにしても、いつも食いっぱぐれてるような職場だからね。万事屋はオススメはしな」
アスカ「加持さんは関係ないでしょっ!?」

シンジ「何怒ってんだよ」

アスカ「うるさいバカっ!?」



ピンポーン

249: 2010/05/07(金) 00:35:13.58
加持「ほれ着いたぞ!しっかりしろ!」

ミサト「んぅ…」

アスカ「加持さん!」

シンジ「やっぱり酔いつぶれてきましたか…」

加持「ハハ、予想通りかい?じゃ、俺は帰るよ。済まないが葛城のことを頼む」

シンジ「はーい」

アスカ「ねっ、加持さんも泊まっていったら?」

加持「この格好で出勤したら笑われちまうよ…」

アスカ「えー!?おかしくないったらー!」

加持「アスカ…」

アスカ「ん?」

ナデナデ

アスカ「加持、さん?」

加持「…じゃ、二人ともまたな」

バタン



シンジ「…?」

250: 2010/05/07(金) 00:38:57.46
シンジ「…アスカ、今…」

アスカ「何よ…」

シンジ「加持さんに…何かされなかったか?」

アスカ「…別に…頭なでられただけよ?

…フフン、なにー?シンちゃんったら妬いちゃった?アタシったら罪作りな女ねー」

シンジ「…アスカ」スッ

アスカ「ッ。シンジ?

ちょっ、待っ…」

シンジ「…」サッ

アスカ「…ッ」ビクッ


251: 2010/05/07(金) 00:42:10.28
シンジ「ヘッドセット…なんか挟まってた」

アスカ「……へ」

シンジ「メモ?…こんなの挟んでるの?」

バチコーン

シンジ「おい今何で殴った」

アスカ「うるさいうるさいうるさいバカ!」



シンジ「加持さんか…?」

アスカ「貸しなさいよっ!?」パシッ

アスカ「…何コレ。
アタシとシンジ宛になってる…」

252: 2010/05/07(金) 00:51:35.26
《翌朝・ネルフ某所》

加持「…」

スチャッ

加持「…。やあ、二日酔いは大丈夫かい」

ミサト「おかげ様でね。
ネルフ特殊監査部所属加持リョウジ。と同時に国お抱え、内務省調査部所属加持リョウジでもあるわけね」

加持「バレバレか」

ミサト「ネルフを甘く見ないで。
…昨日のお礼にチャラにしとく。でも、これ以上アルバイトを続けると…氏ぬわ」

加持「司令は俺を利用してる。まだいけるさ。でも、葛城に隠し事していたのは謝るよ」

葛城「謝られても嬉しかないわよ!」

加持「でも、司令やリッちゃんも君に隠し事をしている。それが…」
ミサト「!」
pi!
加持「これさ!」

ゴゴゴゴゴゴ……

ミサト「これは…エヴァ?
…いえ違う……まさか…!?」

加持「そう。全ての始まり。エヴァのベースとなった……アダムだよ」

ミサト「アダム……あの第壱使徒がここに…!?

確かに、私が思ってるほどネルフは甘くないわね」





シンジ「…何なんですこの化けモンは…」
アスカ「エヴァのベースって…私、こんなのに乗ってたの…!?」

ミサト「…!?シンジ君!アスカ!どうしてここにいるの!?」

加持「俺が呼んだのさ」

ミサト「ッ!?加持ッ!!!?」


254: 2010/05/07(金) 01:08:06.45
《NGっぽいおまけ》

加持「でも、司令やリッちゃんも隠し事をしている。それが…」
ミサト「!」
pi!
加持「これさ!」

ゴゴゴゴゴゴ……

ミサト「これは…何?

大量の…紅い…剣…?
…何でネルフ本部にこんなものが…!?」

加持「電魂と呼ばれる人工知能を有し、使用者に寄生することでその身体をも操る。
戦闘の経緯をデータ化し学習を積むことでその能力を向上させていく生きた刀…
『紅桜』だよ」

ミサト「紅桜…!?」

加持「ネルフの…エヴァの技術を応用して碇司令は…この紅桜を量産、大規模な武装蜂起を目論んでいるんだ。
最悪のテ口リスト、高杉晋助と」

チャキッ

「銃を捨てろ。
その話、詳しく聞かせて貰おうか」

ミサト「刀…!?クッ!?」
加持「よせ葛城!碇司令の関係者…ってわけじゃなさそうだな」

桂「葛城じゃない。桂だ」


どう考えても紅桜編一直線なので却下

255: 2010/05/07(金) 01:17:37.17
《NGっぽいおまけ・その2》

加持「でも、司令やリッちゃんも隠し事をしている。それが…」
ミサト「!」
pi!
加持「これさ!」

ゴゴゴゴゴゴ……

ミサト「これは…?
戦自から徴収したポジトロンスナイパーライフル…
いえ違う…まさか!?」

加持「そう、江戸城の天守閣を吹き飛ばし江戸を開国させてしまった戌威族の決戦兵器…
ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲だよ」

ミサト「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲…
別名『走る雷』バルカン戦役における惨劇『火の7日間』を引き起こした地獄の兵器がここに…!?

確かに、私が思ってるほどネルフは甘くないわね」

シンジ「さっきと話違うんですけど」

257: 2010/05/07(金) 01:29:45.52
《NGっぽいおまけ・その3》

加持「でも、司令やリッちゃんも隠し事をしている。それが…」
ミサト「!」
pi!
加持「これさ!」

ゴゴゴゴゴゴ……

ミサト「これは…?
…え…コレ…何?」

加持「日本重化学工業共同体が心血を注いで完成させたロボット兵器ジェットアローン。
そのベースになった機体…ジャスタウェイだよ」

ミサト「ジャスタウェイ……

ってナニ」

加持「ジャスタウェイはジャスタウェイ以外の何物でもないそれ以上でも以下でもない」

ミサト「だからジャスタウェイって何って聞いてんだろーがァ!?」

加持「ジャスタウェイを何だと思ってやがる!?これだから女ってヤツは!」

ミサト「うるっせーよただのガラクタじゃんこんなん!?
なんかコレ見てるとイラッとくんのよ!?」

288: 2010/05/14(金) 00:02:59.49
《病院》

トウジ「…」

「12号室の患者?」

「そうそう、例のE事件の急患。ずいぶん長いわよね」

「難しい怪我みたいよ」

「まだ小学生なのに…」

「あの中学生のお兄さんも週に二度は面会に来るでしょう」

「今時できたいいお兄さんよねえ…」

「E事件って言えば、あの機関から大分治療費が出てるとか何とか…」

「やっぱり国家の機密に関わるのかしら…」

トウジ「…」

289: 2010/05/14(金) 00:06:13.74
《月曜の学校とかもうテンション低すぎだよね》

先生「…えーこの時、皆さんも知っているように」

ガラガラ

シンジ「…すいまっせーん遅くなりました」

アスカ「…」

先生「ああ2人とも、連絡は受けているから早く席につきなさい」

シンジ「はーい」スタスタ

トウジ「…何や碇センセ、おとといから何かあったんか…?」ヒソヒソ

シンジ「あー…ネルフ本部で警戒態勢だったんだよ、土曜からずっと。おかげで寝不足だ」ヒソヒソ

トウジ「さよか…綾波だけまだネルフ本部なん?」

アスカ「…授業中よ、ちゃんと前向きなさい」ヒソヒソ

シンジ「…(綾波も休んでる…?)」

290: 2010/05/14(金) 00:10:24.82
《回想・車内》



ミサト「お願い2人とも…あそこで見たことに関しては、忘れて」

アスカ「あんなもの見せて何も言わない気!?」

シンジ「大人の都合ですか?
不人気により打ち切りで俺達の戦いはこれからだーですか?」

ミサト「無理言ってるのはわかってる。
でも…あれは知らないままのほうがいいわ……お願い」


アスカ「じゃ、加持さんのことは?」

ミサト「…」

シンジ「アスカ…」

アスカ「ああそう。そっちも曖昧なままほったらかし」

ミサト「…好きでも、どうしようもないこともあるわ」

ミサト「とにかく…忘れて」

アスカ「…中途半端が一番ムカつくのよ…!」

シンジ「…」

292: 2010/05/14(金) 00:15:34.35
《放課後》

シンジ「さ、て…」

アスカ「シンジ、行くわよ」

シンジ「んあ?ああ…」

トウジ「おうおうお熱いでんな、夫婦揃ってご帰宅でっかー」

ヒカリ「鈴原っ!」

アスカ「フフン、うらやましい?」ギュッ

シンジ「…何で腕組んでんの」


ざわ……


アスカ「うらやましいならアンタもさっさと相手を探しなさい!さっ、行くわよ!」グイグイ

シンジ「ちょっ、引っ張るなって!?」

シーン…


ケンスケ「リア厨氏ね」ボソッ

293: 2010/05/14(金) 00:20:13.20
《帰り道》

グイグイ

シンジ「おいアスカ!?どこに行くんだよ!?」

アスカ「決まってるでしょう!?加持さんのところよ!」

シンジ「…アレについて問いただそうってのかよ」

アスカ「当たり前でしょ!?アンタだって…!?」

シンジ「どーでもいいよ…あんなモン」ボリボリ



アスカ「…シンジ…?」

シンジ「…。よーくわかったからな…。
自分とこの職場に、あんな大層な化けモンたてまつってる時点で…」

シンジ「野郎が…マダオが完全にイカレてるってのがさ…」

アスカ「あ…」

シンジ「参ったねどうにも…」



銀さんみたいには…いかない…か…

294: 2010/05/14(金) 00:23:43.54
シンジ「そんなわけだからシンちゃんジャンプ買って帰るわ。月曜唯一の楽しみだから」

アスカ「待ちなさいって!?つーかアンタ今までジャンプなんか読んでなかったじゃん!?」

シンジ「サンデー派のアスカはアレ、関西弁のベジータと一緒にたった一つの真実見抜いて」

アスカ「だから何の話!?」

パーッ パーッ

シンジ「ほら車来てる……って…」

加持「や、デートの最中に悪いな2人とも」

シンジ「加持さん…」

アスカ「デ、デートなんかじゃないわ!?」

シンジ「…今朝の話ですか?」

加持「まあそれもある。それもあるが、シンジ君とは一度ゆっくり話したかったのさ。1ファンとしてね」

シンジ「…ファン?」

アスカ「…誰が?誰の?」

加持「ハハ、俺がシンジ君のさ。
2人とも乗りなよ、送っていく」

シンジ「…」
アスカ「…」

296: 2010/05/14(金) 00:28:17.58
ブロロロ…

シンジ「アレのことなら誰にも言いませんけどね」

加持「そうしてもらえると有り難いな」

アスカ「ミサトは忘れろってさ…

そういえばミサトは?加持さん大丈夫だったの?」

加持「ま、何とかね。今頃は本部で大忙しの筈だ」

アスカ「…何かあったの?」

加持「…アメリカのネルフ第二支部が消滅したらしい」

297: 2010/05/14(金) 00:31:09.04
《ネルフ本部》

メガネ「とにかく第一支部の状況は無事なんだな!?」

冬月「消滅!?間違いないのか!?」

ギター「間違いありません!消滅です!」



ミサト「参ったわね……消滅の原因は?」

リツコ「未だ不明よ、手がかりは衛星からの映像だけ…」

マヤ「タイムスケジュールから推測するに、S2機関搭載実験の最中だったと思われます」

ミサト「数千人を道連れに、エヴァ四号機と施設は…」

リツコ「ディラックの海に取り込まれたのでしょうね。先の弐号機と同様に」

ミサト「ワケわからないものを無理して使うからよ…!」

リツコ「(それは…私達も同じだわ)」

298: 2010/05/14(金) 00:44:50.13
ミサト「で?残った参号機はウチで引き取れっての」

リツコ「向こうも第一支部までは失いたくないんでしょうね」

ミサト「危ないとこだけ押し付けようなんて、ムシがよすぎるわ」

リツコ「あんな事故の後じゃ弱腰にもなるわよ」

ミサト「そもそもパイロットは、起動実験はどうするのよ」

リツコ「…」

299: 2010/05/14(金) 01:03:37.55



《ネルフ某所》

リツコ「試作されたダミープラグです。レイのパーソナルデータが移植されています。
ですが、あくまでフェイク。ただの機械です」

ゲンドウ「構わん。パイロットがそこにいると認識し、シンクロさえすればいい。エヴァが動きさえすればな」

リツコ「…」

ゲンドウ「初号機と弐号機にデータを入れておけ。
参号機の運搬はUNに一任してある。数日で届くだろう。起動実験は…」

リツコ「…!ダミープラグはまだ危険です」

ゲンドウ「四人目を使う」



リツコ「…この子を…四人目に?」

ゲンドウ「報告は受けている。あれを躾るのには好都合だ」

ゲンドウ「レイ、上がれ。食事にしよう」

綾波『…はい…』

リツコ「(わかっていた…わかっていたのに…。

この男は狂っている…)」

300: 2010/05/14(金) 01:08:31.27
《水族館》

加持「なあ、君達はネルフについてどれだけ知っている?」

加持「使徒と呼ばれる正体不明の敵と戦う為の機関…そんな風に思っていないか?」

アスカ「あ、使徒によるサードインパクトを未然に防ぐ目的があるわよね?」

加持「ま、表向きはそんなところだな」

アスカ「…表向きって」

加持「君達はおかしいとは思わないか?
第三新東京市をひたすら狙う使徒。まるでそれが決まっているかのような本部の迎撃システム、そしてエヴァ…」

シンジ「…思ってましたよ。連中まるでネルフに用事があるみたいだ」

301: 2010/05/14(金) 01:33:41.65
加持「そうだ。使徒の狙いはあのアダム…だと言われている。アダムと使徒が接触すれば、サードインパクトによって世界が滅びるとも」

アスカ「…それじゃネルフは別に間違ってないじゃない?」

加持「全てがシナリオ通りのことでなければな」

シンジ「シナリオ通り…?」

加持「…秘密結社ゼーレ。ネルフを影から操る組織。
そのゼーレの教典である氏海文書には全てが記載されている。今まで起こった戦いも、これからやって来るであろう使徒に関しても。

全てはゼーレのシナリオの元に動いているのさ」

302: 2010/05/14(金) 01:47:40.55
加持「第壱使徒アダム、アダムから作られたエヴァ、更にはそれらを使った人類補完計画…」

シンジ「人類……何です?」

加持「これに関しては俺にもよくわからん。ただ、世界中の人類全てを巻き込む恐ろしい計画ということは確かだ」

加持「碇司令がゼーレに利用されているのか、ゼーレを碇司令が利用しているかはわからないが…両者は協力関係にある。

使徒との戦いはそれらの内の一環でしかない」

シンジ「待って下さい」

シンジ「んな事僕達に知らされて、どうしろってんです?」
加持「…期待しているのさ。君なら…シンジ君なら何とかできるかもしれない、とね」

シンジ「ハッ、こっちは自分のことで手一杯、ちょっとエヴァを動かせるだけの…ただのガキですよ」

シンジ「それとも何ですか。世界を救う勇者でもやれってんですか?ラスボスは実は父親でした~ですか?」

加持「…ただエヴァを動かせるだけではないさ。
碇ゲンドウと、エヴァンゲリオンの生みの親とも言うべき科学者、碇ユイの子供として生まれた君はね」



シンジ「…母、さん…?」

303: 2010/05/14(金) 01:55:40.71
加持「覚えていないのかい」

シンジ「…」

加持「科学者としてのお母さんを」

シンジ「…母さんは…」

シンジ「母さんは…普通のお母さん…だった」

シンジ「物心つく前に事故で氏んだって…」

加持「人にそう聞いたのか?
…君は、お母さんが消える瞬間を見ていたはずだ」

加持「君はただ、辛い記憶を封じ込めて逃げてしまっているだけだ」

シンジ「…」

『この子には、明るい未来を見せてあげたいんです』

シンジ「…!?」

忘れていた…?

知っていた…?

僕はエヴァを知っていた!?

シンジ「…」ブルブルブル…


アスカ「もうやめて!!」

304: 2010/05/14(金) 02:07:40.60
シンジ「っ…!?」

加持「…アスカ」

アスカ「やめて、加持さん。もういい」

加持「済まない……ただ、俺は真実から目を…」

アスカ「やめろって言ってんでしょう!!!?」

加持「っ…」

シンジ「…」

アスカ「どいつもこいつも…!?シンジにいちいち何か押し付けて!?背負わさないと気が済まないの!!!?
さっき言ったでしょ!?シンジもアタシもただのガキなの!?」
シンジ「アスカ…大丈夫…大丈夫だから」

アスカ「…シンジ帰ろう。もう沢山だわ…!」グイッ

シンジ「…ん、ああ…」ヨタヨタ…



加持「……我ながら情けない……上手くいかんもんだな…」

305: 2010/05/14(金) 02:19:59.11
《ネルフ本部》

ミサト「何?改まって」

リツコ「参号機の起動実験、松代で行うのは聞いてるわよね。
パイロットは四人目を使うことになりそうよ」

ミサト「四人目って…フォースチルドレンが見つかったの!?このタイミングで!?」

リツコ「そのようね…」スッ

ペラッ

ミサト「…これ…!?何で彼なのよ!?」

リツコ「…明日にもマルドゥック機関から正式な書類が届くわ」

ミサト「リツコ!」

リツコ「私に言わないで!?」



ミサト「…嫌な予感がするわ…。
引いちゃいけない引き金にならなきゃいいけど」

リツコ「ミサトのカンは、当たらないでしょ…」

ミサト「当たるわよ……男関係だけはね」

308: 2010/05/14(金) 02:52:17.36
《学校・昼休み》

トウジ「さーってメシやメシ!学校唯一の楽しみやからなー」

ピンポンパンポン
『2年Aクラスの鈴原トウジ、鈴原トウジは至急校長室まで来て下さい』
ピンポンパンポン

トウジ「…何や?」

ケンスケ「何かやったの?」

トウジ「心当たりないわ…」

シンジ「…?」

ドンッ
シンジ「うわっ」
アスカ「ほらっ、お弁当!」

シンジ「あ、ありがとう…」

アスカ「しっかりしなさいよ…昨日からずーっとヘタりっぱなしじゃない」

シンジ「…」

アスカ「アンタがそれじゃ、こっちまで調子狂うわよ…」

シンジ「悪い」

トウジ「愛妻弁当でっかお二人さん?食う前から腹一杯にすんのやめてんかー」

アスカ「アンタはさっさと行けっ」

トウジ「こらまた失礼しましたー」スタスタ

ケンスケ「やあシンジ君」ニコリ

シンジ「どした?」

ケンスケ「リア厨はいっぱい氏ねばいいのに」グッ

シンジ「何だそのおっ立てた親指。折っていい?ねえへし折っていい?」

アスカ「…」ニヤリ

アスカ「はーいシンちゃん、あーん♪」

シンジ「いい加減にしろよお前ら」

309: 2010/05/14(金) 03:04:29.26
ケンスケ「そういえば気になる話があるんだけどさ」モグモグ

シンジ「あ?」モシャモシャ

ケンスケ「アメリカのネルフ第二支部が消滅したとか」

シンジ「…」モシャモシャ

アスカ「なんかそうらしいわね」モグモグ

ケンスケ「で、エヴァの参号機がこっちに来るらしいじゃない」

シンジ「…参号機?」

アスカ「…聞いてないわ」

ケンスケ「本当に?パイロットのこととか聞いてない?」

アスカ「…知らない」モグモグ

シンジ「…(今朝はミサトさんとはまともに話してないしな…)」

ケンスケ「俺にやらせてくれないかなぁ…」

アスカ「アンタじゃムリよ」

ケンスケ「何でだよ!?

…なあシンジ、シンジからもミサトさんに頼んでくれよ!是非やらせてくれって!」

シンジ「…あんなモン、乗るもんじゃねーよ」

ケンスケ「何でさぁ!?」

アスカ「…」

310: 2010/05/14(金) 03:06:40.60
《校長室》

ドンドン
トウジ「鈴原トウジ、入ります!」



「鈴原トウジ君ね…」

トウジ「あれ…」

リツコ「お久しぶりね」

311: 2010/05/14(金) 03:10:59.93
教師「であるからして、若い君たちにはこれからの…」

シンジ「…(トウジ遅いな…?)」

ガララッ

トウジ「…遅れて、すまんです」

教師「ああ、話は聞いているから早く席について。
若い君たちにはこれからの新しい時代の原動力と…」

ケンスケ「…なあ、結局何だったんだ?」ボソボソ

トウジ「何でもあらへん」ボソ

シンジ「…?」

312: 2010/05/14(金) 03:19:11.82
《放課後》

ヒカリ「ねえ碇君、綾波さんなんだけど…」

シンジ「…いつ学校に来るかはわかんないなぁ」

ヒカリ「そう…溜まってるプリント、お願いしてもいい?」

シンジ「別にかまわねーけど」

ヒカリ「ありがとう…じゃ、これ。

アスカ、帰りちょっといい?」

アスカ「へ?あ、うん…。
じゃシンジ、また後で」

シンジ「んー」

ケンスケ「氏ねばいいのに」グッ

ゴキュッ

ケンスケ「あああああ折れたあァァァ!!!?」

シンジ「じゃお先~」



トウジ「…」

313: 2010/05/14(金) 03:25:20.27
《帰り道》

シンジ「…(綾波ん家も久しぶりだな)」テクテク

トウジ「シンジ」

シンジ「…あれ、どした?」

トウジ「ワシも行ってええか」

シンジ「…綾波ん家?」

トウジ「せや」

シンジ「プリント届けるだけだけど…」

トウジ「…」

シンジ「ああ、別にいいけど」

トウジ「すまんな」

シンジ「…」

314: 2010/05/14(金) 03:45:20.45
《綾波ん家》

シンジ「ノックしてもしもぉ~し」

……

トウジ「…」

シンジ「居ない、か。お邪魔しまーす」

トウジ「ええんか、女の部屋勝手に上がって」

シンジ「裸タオルじゃなきゃな」

トウジ「何の話をしとるんや…」



トウジ「…」

シンジ「…散らかってるなオイ」

ゴソゴソ ポイッ ポイッ

トウジ「…。何やろな、自分…」

シンジ「あ?」

ゴソゴソ

トウジ「シンジや。
正直最初は気に食わんヤツや思っとった…ボコボコにされたし」

シンジ「んな事もあったな」

ポイッ

トウジ「人の為になんかするようなヤツとも思えへんかったし…。

余裕、なんやろな。そないなことは…きっと」

シンジ「なあ、トウジ…」

ガチャッ

316: 2010/05/14(金) 03:53:57.66
トウジ「おう、邪魔しとるで…」

綾波「…。何」

シンジ「あれ、休んでた間のプリント。
ゴミは片付けといた」

綾波「…」

シンジ「もうちょい部屋は片付けるようにな」

綾波「ありが、とう…」カァッ

シンジ「んじゃ」



トウジ「ホンマ、エヴァのパイロットは変わり者ばっかりやなあ、ハハ……」

シンジ「トウジ…何があったんだよ」

317: 2010/05/14(金) 03:56:10.63
トウジ「…」

シンジ「言いてーことがあるならハッキリ言えよ」

トウジ「…」

シンジ「…」

トウジ「シンジ…ワシな、エヴァに乗ることになったわ」



シンジ「…あ…?」

318: 2010/05/14(金) 04:02:47.74
シンジ「…。ハハ、ケンスケの病気が移ったか?んなバカな話…」

トウジ「アメリカの参号機か?こっちに来るゆう話でな」

シンジ「だーから…乗ろうと思って乗れるモンじゃ…」

トウジ「前、ミサトさんちで会うた……赤木博士から言われてな」

シンジ「おい…」

トウジ「そんなわけやから!ワシもシンジ同様ヒーローの仲間入りちゅうことで!」

シンジ「トウジッ!!」



トウジ「シンジ…

妹の怪我の見舞金…ネルフの名前で出しとるのお前やったんやな」

319: 2010/05/14(金) 04:14:47.68
シンジ「…ッ」

バキッ!

シンジ「ぐっ!?」



トウジ「…悪いなシンジ…ワシはお前を殴らなあかん…殴らな気がすまんのや…!」ブルブル

シンジ「…」

トウジ「…」

シンジ「何で……殴った方が泣いてんだよ…バカヤロー」

トウジ「当たり前や……ダチ公にいらん気ィ回されたら泣きたくも殴りたくもなるわっ…!」ポロポロ

トウジ「お前…どんだけカッコつけとんねん…どんだけヒーロー気取りやねん…!?」

トウジ「そんなんされたら、ワシは……何も言われへんやろ…!?」グスッ

シンジ「…」

トウジ「シンジ…ワシはエヴァに乗るで…。
お前とおんなじ事せな…お前と同じトコに立たな……お前に借りを返されへん…!」

シンジ「…」

トウジ「頼むで…ダチ公…!」

321: 2010/05/14(金) 04:34:21.34
《翌朝・葛城家》

シンジ「あれ…アスカは」

ミサト「先に出たみたい。あはは、私とは顔を会わせないつもりね…」

シンジ「…そうですか」


「「あの…」」

ミサト「あは、どうぞ?」

シンジ「アメリカの第二支部が消滅したとか聞いたんですが」

ミサト「あ、うん事故でね…。でもここは大丈夫!設備もスタッフも優秀だし」

シンジ「向こうのエヴァがこっちに来るって」

ミサト「そうね、松代で起動実験やってから。何日か留守にするけど、その間は……加持が面倒見てくれるから…」

シンジ「…」

ミサト「あの…シンジ君。参号機のパイロットなんだけど…」

ピンポーン



ケンスケ「おはようございます葛城三佐。本日は三佐にお願いがあって参りました。
どうか僕を、エヴァンゲリオン参号機に乗せて下さい!」キリッ



コキャッ

ケンスケ「ぎにゃぁぁぁぁぁぁ!!!?」

323: 2010/05/14(金) 04:42:40.65
『ワシは明日っから松代や』

『実験が終わり次第本部に配属言われとる』

『そしたら…ワシも戦うで。お前と一緒にな』

シンジ「…」

ケンスケ「何でコキャッとかやるんだよシンジ…氏ぬかと思ったよ…」

シンジ「うるっさいしゃべんな」

ケンスケ「俺だってエヴァに乗って戦いたいんだよ!」

シンジ「乗るもんじゃねーよあんなモンッ!」

ケンスケ「…」ビクッ

シンジ「…悪い、余裕ないんだ。今…」

ケンスケ「どうしちまったんだよシンジ…」

324: 2010/05/14(金) 04:45:55.53
《公衆電話》

シンジ「…」

…こんなこと…銀さんに話してどうしろっていうんだ。愚痴でも聞いてもらうのか…。

プルルルル プルルルル プルルルル

ガチャ

『はい、始末屋さっちゃんです』

シンジ「間違えました」

ガチャン

325: 2010/05/14(金) 04:48:11.36
シンジ「…え?」

…いやいやいやいや……え?

シンジ「…もっかい」

プルルルル プルルルル

ガチャ

『先ほどは失礼しました。万事屋さっちゃんです』

シンジ「何やってんだテメーはこのメス豚」

326: 2010/05/14(金) 05:00:32.53
シンジ「ちょっと猿飛さん!?何で勝手に上がりこんで電話受けてんですか!?いつから万事屋ファミリー気取りですかアンタは!?」

『アラ、誰かと思えばメガネじゃないほうの坊やじゃない』

シンジ「メガネの有無でフォルダ分けしてんじゃねーよカチ割りますよこのドM」

《かぶき町・万事屋》

ドM「フン、ドエマーなめんじゃないわよガキが。
あなた程度の煽りじゃ興奮しないの、腹の足しにもならないの」

シンジ『ポエマーみたいな言い方すんな!?なんだドエマーって!?』

ドM「フン…


どえむだって
いいじゃない
めすぶただもの

あやめ」

シンジ『もぉぉぉ!?何言っても無駄だよコイツ!?何言っても肥やしにするよ腹立つ!!!?ホンット腹立つ!!!?』

329: 2010/05/14(金) 05:18:11.17
シンジ『…で?勝手に上がりこんでるってことは…

銀さんたちは居ないんですか?』

ドM「そうなのよ…ここ数日見てないの。忍の私から行方を眩ますなんてさすが銀サン」

シンジ『いやアンタは忍んでないから。悪目立ち過ぎだから。
もっと忍んで下さいこの世から消えて下さいこの野郎』

ドM「何よ!?忍んでるわよ!?耐え忍んでるから放置プレイされ続けたんでしょ!?
劇場版では出番あれだけで我慢したんでしょ!?ラストでちょっと出てきただけだったでしょ!!!?」

シンジ『おいネタバレやめろ』

ドM「さっさと次は私がヒロインの映画作りなさいよ!?」

シンジ『スタッフに言えよクソが。
だいたいオメーがヒロインとかVシネコース一直線だろうが。何だ、18禁上等か?くのいち淫法帳か?』

ドM「衆人監視の中で私が……そんな……そんなのって……

興奮するじゃないのォォォ!!!!!!!?」
シンジ『氏ね』

ブチッ ツー ツー ツー…

ドM「…。フン、小腹程度は膨れたわ。

…にしても銀サンどこに行っちゃったのかしら」

330: 2010/05/14(金) 05:49:29.72
シンジ「…」

無駄にストレス溜まったよちくしょう…。

シンジ「銀さんたち…留守なのか…。

…情けねーな…こんなことじゃ…!」ボリボリ

《放課後・帰り道》

ヒカリ「…ごめんね、いつもなら碇君と帰ってるのに」

アスカ「いいわよ別に。アイツとは義務でいるだけだし」

ヒカリ「(ふふ…義務でいる相手にお弁当は作らないよね)」

アスカ「鈴原のことでしょ?」

ヒカリ「わかる?」

アスカ「見え見えよ。気づかないのはあの3バカトリオくらいね」

ヒカリ「あはは…」

アスカ「一つ聞いていい?あのジャージのどこがいいの?」
ヒカリ「…。優しい…ところ…」

アスカ「…。そっか」

331: 2010/05/14(金) 06:09:17.20
ヒカリ「今日休んでたの…大丈夫かな。風邪かな」

アスカ「…大丈夫よ!バカは風邪ひかないんだから」

ヒカリ「もう…あんまりバカバカ言わないで」

アスカ「あはは、ごめん」

アスカ「…(まさか…?)」

《葛城家・夜》

シンジ「…」ペラッ

アスカ「…あふ」

シンジ「…」ペラッ

アスカ「シンジ…松代の話、聞いてる?」

シンジ「んー…」ペラッ

アスカ「参号機のパイロットって誰なのかしらね…」

シンジ「…」

シンジ「…さあー…」ペラッ

ドスッ

シンジ「くぎゅっ!?」

アスカ「アンタ、知ってるわね?」

シンジ「ちょっ…乗んなバカ、降りろよ…」

アスカ「言いなさい、参号機のパイロットは!?」

シンジ「知らねーよ…!?」

アスカ「嘘つきなさい!?ジャンプ捲る手止まったでしょ!」

シンジ「バッカオメー違げーよ。オサレ先生の刀が13㎞も伸びたからびっくりして」
アスカ「はい嘘確定ィィィ!!絶対嘘!!」

シンジ「嘘じゃありませんんん!?ある意味びっくりですぅぅ!?」

ドタバタ

332: 2010/05/14(金) 06:18:48.06
ガチャ

加持「ふぅ、いい湯だった…

…って」

アスカ「…」ハーハー
シンジ「…」ゼーゼー

加持「…」



加持「あー…葛城から保護者代理を引き受けた身としては…その」

加持「避妊はしっかりとなっ」グッ


メリメリメリメリメリ
加持「痛い痛い痛い痛い!!!?冗談だよ悪かったっ!?」

333: 2010/05/14(金) 06:48:12.89






シンジ「…加持さん、もう寝ました?」

加持「…いや、まだ」

シンジ「聞いてもいいですか」

加持「うん?」

シンジ「何で、トウジなんですか」

加持「…知っていたか…」

シンジ「本人から聞きましたから」

加持「そう、か…」

加持「前に話したゼーレと繋がっている…人類補完委員会直属の組織にマルドゥック機関というものがある」

シンジ「…」

加持「表向きはエヴァンゲリオンのパイロット選出のための機関となっているが…その実態は存在していない」

シンジ「存在してない?」

加持「そうだ。関連企業は全てダミー。実際にパイロットの選出をしているのはネルフそのものだ。
もう一つ、シンジ君たちの学校は、実はパイロット候補を集めてある」

シンジ「じゃあ…」

加持「クラスメートから選ばれるのは当然だが…彼が選ばれたのは…その」

シンジ「…」

加持「君に対して人質を取った、とも言える」

シンジ「…」ギリッ…

334: 2010/05/14(金) 07:08:51.33
あのマダオ…どこまで腐ってやがる……!?

シンジ「…」ムクリ

加持「…シンジ君…?」

《葛城家・キッチン》

ガチャン

カシュッ
シンジ「…」ゴキュゴキュ

加持「…寝酒とは恐れ入るな」

シンジ「オッサン中学生ですから。加持さんもいかがです」

加持「…貰おうか。ハハ、葛城にどやされるな…」カシュッ

シンジ「大丈夫ですよ。
ミサトさんはビールの在庫が『まだある』か『もうない』かしか気にしてませんから…」ゴキュゴキュ

加持「じゃあ、遠慮なく付き合おう…」





アスカ「…(野郎2人で楽しんでないで、アタシもまぜなさいよ……バカ男共…)」


361: 2010/05/21(金) 00:18:26.12
《松代・参号機起動実験場》

「主電源、問題なし」

「第二アポトーシス、順調なり」

「左腕圧着ロック、固定終了」

「了解。Bチーム作業開始」

「エヴァ初号機とのデータリンク、問題なし」


リツコ「これなら即実戦投入も可能ね」

ミサト「そう…良かったわね」

リツコ「気のない返事ね。この実験が終了すれば、あなたの直轄部隊に配属されるのよ?」

ミサト「エヴァを四機も独占か…その気になれば世界も滅ぼせるわね」

リツコ「…シンジ君には話したの?」

ミサト「…実験が終わったらね…。
ねえ、彼が自分から話すってことは…?」

リツコ「どうかしらね…」

「フォースチルドレン、準備完了しました」

リツコ「始めるわよ」

362: 2010/05/21(金) 00:20:23.79
「エントリープラグ、固定完了。第一次接続開始」

「パルス送信、グラフ正常位置。リスト1350までクリア。初期コンタクト異常なし」

「了解。作業をフェイズ2に移行」

「オールナーブリンク、問題なし。リスト2550までクリア。ハーモニクス、全て正常位置」

「絶対境界線、突破します」


ビーッ ビーッ ビーッ !!!!


リツコ「実験中止!!回路切断!!」

「ダメです!?た、体内に高エネルギー反応!?」

リツコ「まさかっ…」

ミサト「使徒!?」

ドオオオオオオンンン…!!!

364: 2010/05/21(金) 00:22:07.37
《ネルフ本部》

メガネ「松代にて爆発事故!!」

冬月「救助班、及び第三部隊を派遣。戦自が介入する前に処理しろ!」

ギター「事故現場にて未確認移動物体!」

マヤ「パターンオレンジ、使徒とは確認できず!」

ゲンドウ「第一種戦闘配置」

ギター「総員、第一種戦闘配置!」

メガネ「地対地戦闘用意!」

ゲンドウ「早急にチルドレンを召集しろ」

マヤ「はい!」

366: 2010/05/21(金) 00:24:54.10
ピーッ ピーッ

ピッ
シンジ『…はぃ…』

マヤ「シンジ君、アスカと一緒にすぐにネルフ本部まで来て!大変な事になっているの!」

シンジ『…あー…こっちも大変な事になってますよ…』

マヤ「え…?あの…とにかく急いで!エヴァの緊急発進も視野に入って…」

シンジ『いやいやいや。すでに緊急発進してるからね僕は。
僕自身も出てくるブツもスクランブルだからね』

マヤ「ちょっと、シンジ君何の話をしているの」

シンジ『いやなんかね、もうね、新手のスタンド使いが攻撃仕掛けてきてるみたいでね。腸に』

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………

《葛城家・トイレ》

シンジ「…ジョジョの効果音が鳴り続けてるんですよ朝っぱらから」ゴゴゴゴゴゴ…

マヤ『…フケツ』

367: 2010/05/21(金) 00:30:31.74
シンジ「なーんで空きっ腹で寝酒なんてやっちゃったかなー…やっちゃったなー…ホントやっちゃったなー…」

マヤ『や、やっちゃったものはしょうがないとして……今のは聞かなかったことにするから急いで!』

シンジ「伊吹さんさァ…体内の毒素全部出さないと無理だって。だって出てくるモン全部黒い液体だもの。形象崩壊してるもの」

マヤ『あの!?後ろでお父さんがものっそい睨んでるんだけど!?ものっそいやりにくいからなるべく急いで!?』

シンジ「何ですか、伊吹さんとこは父親参観日かなんかですか大変ですね」

マヤ『あなたのお父さんですぅ!?グラサンかけたヤクザ屋さんみたいなあなたのお父さん!?』バンバン

ギター『マヤちゃん、もちょい声抑えて。たぶん発令所中に丸聞こえ』

シンジ「あー、じゃグラサンを鼻メガネに替えといて下さい」

マヤ『できるかァァァ!!!?』

368: 2010/05/21(金) 00:34:12.50
ドンドンドン

加持「シンジ君!ネルフ本部から非常召集だ!」

シンジ「あー連絡入ってまーす。トイレも入ってまーす」

加持「アスカは先に本部へ向かった!ここは俺に任せて君も早く!

お願いだから任せて下さい早くぅぅ!!!?」ゴゴゴゴゴゴ……

マヤ「お前も下してるんかい!?」

369: 2010/05/21(金) 00:37:42.56
《ネルフ本部》

アスカ「松代で実験中に事故って……ミサトは…!?」

シンジ「トウジは無事なのか…」

綾波「…トウジ?」

アスカ「あんた聞いてなかったの。…参号機のパイロットは鈴原よ」

綾波「…っ」

マヤ「向こうとはまだ連絡がとれていないの…。
今は碇司令が直接指揮を執っているわ…」

シンジ「…」

マヤ「…ねえシンジ君。あからさまに初号機のシンクロ率が下がったんだけど…」

メガネ「どんだけ嫌なんだよ」

370: 2010/05/21(金) 00:41:24.71
《対バルディエル戦》

「野辺山にて目標を確認」

「主モニターに映像、回します」

ザワッ…

「これは…!?」

冬月「…やはりこれか…」

ゲンドウ「活動停止信号を発信。エントリープラグ強制排出」

バズンッ…

マヤ「ダメです、停止信号認識せず!
エントリープラグ、射出口が閉ざされて排出されません!」

ゲンドウ「パイロットは」

ギター「呼吸、脈拍の反応はありますが…」



ゲンドウ「現時刻をもってエヴァ参号機を破棄。目標を使徒と識別する」

メガネ「しかし…」
ゲンドウ「予定通り野辺山で迎え討つ。戦線を展開」

371: 2010/05/21(金) 00:49:24.23
ギター「目標接近!」
メガネ「全機、地上戦用意!」

参号機『…』

シンジ「目標…って…あれはエヴァじゃねーか」

ゲンドウ「そうだ、目標だ」

シンジ「まさか…」

アスカ「そんな…使徒にエヴァを乗っ取られるなんて…」

シンジ「エントリープラグは!?」

アスカ「ここからじゃ見えない…けど…」

綾波「…零号機、迎撃します」

シンジ「綾波!」

372: 2010/05/21(金) 00:58:19.60
ゲンドウ「レイ、近接戦闘は避け目標を足止めしろ。初号機と弐号機をまわす」

綾波「了解」
ドパパパ…

参号機『…』

綾波「(エントリープラグが刺さったまま…。

乗っているのは、彼…)」

参号機『』グオンッ

綾波「きゃっ!?」

メガネ「零号機、左腕に使徒侵入!?神経節が侵されていきます!?」

冬月「侵食型の使徒か!?」

ゲンドウ「…零号機をも失うわけにはいかん。左腕部を切断。急げ!」

マヤ「しかし、神経接続をカットしないと!?」

ゲンドウ「切断だ…!」

マヤ「は……はい…」

バシュゥゥッ

綾波「いあああぁぁぁ!!!?」

373: 2010/05/21(金) 01:08:12.72
冬月「(…通信を繋いだまま…!?碇、正気か!?)」



シンジ「…あの野郎やりやがったっ…!?」ギリッ

アスカ「シンジ落ち着いて!!」

シンジ「ああ!?」

アスカ「ファーストが先行した理由、わかる!?
アタシたちにエントリープラグを確認させるため!見えたでしょ!?」

シンジ「…!」

アスカ「いい、そのまま聞きなさい。アンタよりアタシの方がシンクロ率は上よ。わかる?」

シンジ「…」

アスカ「精密動作はアタシの方が上ってこと。
アタシがあいつの後ろに回り込んでプラグを引っこ抜くわ。アンタはアレの気を引いて」

シンジ「…僕が囮か」

アスカ「信じて」

シンジ「…」


シンジ「トウジを、頼む」

アスカ「任されたわよ」ニッ

374: 2010/05/21(金) 01:17:26.27
ギター「目標、更に進行!」

参号機『…』

シンジ「…さて…」

アスカ「…」ジリッ


参号機『…』ブウンッ

シンジ「なっ!?」

アスカ「(う、腕が伸びた!?)」

シンジ「ぐ…あ…は……っ!?」

アスカ「シ…!?」

シンジ「…こんな…モン…!?」ググググ…

アスカ「(見えた!?背中っ!)」

マヤ「弐号機、ソニックグレイブ装備!」

アスカ「こんのぉぉぉ!!!!」

ドゴオオォッ

376: 2010/05/21(金) 01:26:49.37
ギター「目標、転倒!」

冬月「ダメージは!?」

ギター「確認できず!」

アスカ「(石突きなら傷つけないですむ…あとは…!?)」

アスカ「コレさえ取り返せればっ!?」

マヤ「弐号機、プログナイフ装備!背部の侵食部分を切断しています!」

冬月「いけるか…!?」

ゲンドウ「…」

参号機『…』ブンッ

シンジ「ぐあっ!?」

アスカ「じっとしてなさいよ…!?動くんじゃ……

きゃあぁっ!!!?」

ドオォッン

参号機『…』

メガネ「弐号機!完全に沈黙!」
ギター「パイロット、意識ロスト!」



シンジ「ゲホッ、ゲホッ…!

ア…アスカっ!?」

377: 2010/05/21(金) 01:34:58.80
シンジ「…くっそ…!?」

参号機『…』ブウゥンッ

シンジ「また腕が!?」ガシッ


ゲンドウ「…シンジ、何故戦わない」


シンジ「…」ググ…

ゲンドウ「このままではお前が氏ぬぞ」

シンジ「うるっせーよハゲ。現場で血は流れてんだ邪魔すんな…!」

ゲンドウ「…ダミープラグを用意」

マヤ「!?しかし、赤城博士の指示もなく!?」

ゲンドウ「役立たずのパイロットよりは役に立つ」

シンジ「…余計なマネすんなよ作戦本部……」

マヤ「…!?」

シンジ「こっちはこっちでダチ公助けるために必氏こいてんだ……下手なちょっかい出してみろ…。

頃すぞ…!?」

マヤ「…」ゾッ…

378: 2010/05/21(金) 01:42:40.17
シンジ「おい…聞こえてんのか馬鹿野郎…」

シンジ「ヒーローデビュー前にスキャンダルで引退かァ…?」

ゲンドウ「何を言って……」

シンジ「何が同じ場所に立つだ…何がお前と一緒に戦うだ…!?」

シンジ「さすがに口だけだな関西人…!結局こっちの仕事増やしてんじゃねーか…!」

シンジ「とっとと……目ェ覚ましやがれェェェ!!!!」

ボグシャァッ

メガネ「…み、右ストレート…!」

ゲンドウ「下らん…時間の無駄だ…!

ダミープラグを起動させ」



参号機『……キツい……ぁ……シンジぃ…!』

380: 2010/05/21(金) 01:49:20.64
ゲンドウ「!?」


ギター「さっ、参号機より通信っ!?」
メガネ「パイロットの意識が!?」

参号機『…すまん…すまん…った……』ザザッ

シンジ「…そのままじっとしてろ……すぐ助けるから…!」

参号機『あか……やめ………んねん…!?』グオンッ!

シンジ「はぁ…!?ぐはっ……」

参号機『もう……が言うこときかんのや…!?…シンジ…頼…』

シンジ「ト…ウジ…!?」

参号機『苦し………頃してくれ…!』

381: 2010/05/21(金) 01:56:46.05
シンジ「馬鹿…言って…んじゃ…」

参号機『……アホ…ウ………』

参号機『…シに…!?
お前殺させるつもりかボケェッ!!!?』

参号機『頼む…頼む………!!!!』



シンジ「」

シンジ「」

シンジ「」

シンジ「氏ぬほど、痛いぞ」

参号機『…すまん…ダチ公…!!』

マヤ「…初号機……マゴロクソード装備…」



シンジ「」

斬ッッッ

参号機『あああああああああああああああ!!!!!!!!!!!?』

382: 2010/05/21(金) 02:03:54.46
ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ

ギター「……目標の右腕切断…!」

シンジ「」

参号機『うああ……ああああああ………』

シンジ「」

斬ッッッッ

参号機『…があ…!?ああああああ………!!!?』

ギター「も…目標を…腰部より両断……」
メガネ「…」

シンジ「」ガシッ

ギター「エ、エントリープラグを素手で!?」

メガネ「初号機の右腕、侵食……されません…?」

マヤ「右腕にATフィールド発生!使徒の侵食を抑え込んでいます…!」

冬月「なんと…」

ゲンドウ「…」

シンジ「」ググググ…

ズリュリュッッ

マヤ「やりました…!参号機エントリープラグを確保…!」

シンジ「」ゴトン…

383: 2010/05/21(金) 02:12:23.82
メガネ「やった…!やった!」
マヤ「シンジ君、すごい…!」

参号機『』ウゾゾゾゾ

シンジ「」

ザシュッ

ギター「初号機、攻撃を再開!」

シンジ「」

ザシャッザシュザシュッ

ギター「初、初号機…!」

グシャッ

シンジ「」

どしゅっ!ぐちゅっ!

メガネ「あ…あ…」

ぐちゃっぐちゃっぐちゃっぐちゃっ!

ギター「シ……シンジ君…!?もう目標は……!?」

シンジ「」

ぐちゃっぐちゅっびしゃあっ!!

マヤ「…おぇっ……!?」



ゲンドウ「…」ニヤリ…

384: 2010/05/21(金) 02:15:03.16



ギター「参号機…あ、いや……目標は完全に沈黙しました…」

メガネ「…」

マヤ「…ぅ……ハッ……ハッ……」



シンジ「」

385: 2010/05/21(金) 02:22:00.28
《作戦終了後》

「いたぞ!こっちにも生存者だ!急いで救護班を回してくれ!」


ミサト「……。加持…」

加持「良かったな、葛城…」

ミサト「リツコ、は…?」

加持「心配ない。君よりは軽傷だ」

ミサト「そう…。

エ、エヴァ参号機は…!?」

加持「…使徒として処理された。対処したのは初号機だそうだ」

ミサト「…私…シンジ君に何も話してない…!」

ミサト「通信…頼める…?」

加持「ああ…しかし」

ミサト「お願い…!」

386: 2010/05/21(金) 02:29:06.59
ミサト「シンジ君…」


ミサト「…ごめんなさい…。
私…あなたに大事な事を話さないまま…辛い思いをさせて…」


ミサト「怒っているの……ごめんなさい…ごめんなさい……」


ミサト「あのね……参号機のパイロットは……」


ミサト「フォースチルドレンは……」



『頃してやる』



ミサト「」


393: 2010/05/21(金) 02:45:18.32
《ネルフ本部・初号機ケージ》

ギター「…初号機、プラグ射出されません」

マヤ「エントリープラグ側からロックされているようです…」

冬月「使徒の侵食を受けた可能性は!?」

マヤ「パターンオレンジ、使徒の反応はありません」


ゲンドウ「…どういうつもりだ、シンジ」

シンジ「忠告したはずだぞグラサン。人の領分に入り込むなってな」

ゲンドウ「…」

シンジ「聞こえてんだろネルフ本部。命が惜しかったら全力で逃げろ。
巻き添え食っても知らねーぞ」


ドゴオオォォォッ


「初、初号機が!?」
「逃げろ!逃げろぉっ!?」

シンジ「初号機に残ってる一分ちょい。発令所のテメーを握り潰すぐらいはできるだろ。
テメーのよこしたデク人形で、くたばりやがれ…!」

ゲンドウ「…!」

395: 2010/05/21(金) 02:51:55.84
メガネ「初号機!こちらに…発令所に真っ直ぐ向かっています!?」

冬月「零号機と弐号機は動かせんのか!?」

ギター「パイロットの意識が戻っていません!?」

ゲンドウ「LCL圧縮濃度を限界まで上げろ!」

マヤ「!?」

ゲンドウ「もはや子供の我が儘の域を超えている…!」

マヤ「はい…!」


シュウウウウン

シンジ「!?(…シンクロテストの時やられたアレか!?)」

シンジ「させるか…!」

バシュウッッッ

396: 2010/05/21(金) 02:57:44.53
マヤ「エントリープラグ射出!?プラグ側から操作された模様!
LCL信号、キャンセルされました!」

ゲンドウ「エヴァを乗り捨てたか。
保安部、サードチルドレンを拘束。抵抗するようならば発砲しても構わん。
頃しはするな」

『了解!』



「エントリープラグ発見。サードチルドレンは見当たらず!」

ゲンドウ「本部内に居るのは間違いない。追え」

「それが、転倒した初号機が通路を塞いで…」

冬月「フロアモニター確認!絶対に逃がすな!」

ゲンドウ「…」ギリッ

397: 2010/05/21(金) 03:01:57.46
《ロッカールーム》



あった…洞爺湖…。
シンジ「…」

銀時『ま、親父と仲直りするもぶん殴ってくるも、オメーのやりたいようにやってきな。
んでさっさと片付けて帰ってこいや』

シンジ「…」

すいません、銀さん、みんな。
僕、もう帰れないかもしれません。

プシュッ

「サードチルドレンをロッカールームにて発見!」

398: 2010/05/21(金) 03:10:09.11
「おとなしく投降しなさい」

「抵抗するようなら発砲しても構わないと司令から命令されている」

シンジ「…」

「さ、木刀を捨てて」

シンジ「…」ニカッ

ボコオッ

「ぐえぶっ!?」

シンジ「やってみろよ…んな豆鉄砲で止められるモンならな…!」

「貴様抵抗すぶふぇっ!?」

シンジ「今日の僕ァ不殺の誓いなんて上品なもの守れそうにねーぞ…!?」

「う…撃て!撃てぇ!」

パアンッパアンッ

400: 2010/05/21(金) 03:21:55.15
『サードチルドレン、保安部の包囲を突破!?』
『再び発令所を目指して移動中!』
『子供一人に何を……ぐはあ!?』

冬月「…い、碇…」

ゲンドウ「…」

《エレベーターホール》

「間もなくエレベーターが到着する…」

「逃がすなよ…!」

チーン スッ

「撃…!」

!?

「い、居ない?」

「別のルートか!?」

シュタッ
シンジ「」ニカッ

「っ!?」
「う、上からぶぐぇっ!?」

ザシャッ

「ガキぃっ!?」

パアンッ

シンジ「!!!!」

キィンッ ドゴォッ

「が…は……!?

銃弾を…はじい……」ドサッ

シンジ「はぁっ……はぁっ……!?はは……!」

氏ぬ気になりゃ…銀さんみたいな無茶もやれるもんだ…!

シンジ「…!」タッタッタッタッタッ……

401: 2010/05/21(金) 03:29:31.36
《発令所》

『こ、このガキ化け物か!?』

『ひいぃっ!?』

『よせ!?止めっ……』


『』ザザッ

マヤ「…」
ギター「…」
メガネ「…」

冬月「…まさか…」

ゲンドウ「…」

プシュッ

「あのーすいまっせーん!ラスボスのお部屋はここですかぁー!!」

ゲンドウ「!」

シンジ「通りすがりの勇者ですけどー、魔王ブッ頃しにきましたー!」

402: 2010/05/21(金) 03:42:30.06
シンジ「…」ゼエゼエ…

マヤ「…シ…シンジ君」

メガネ「そんな……」

ギター「あの人数相手に…」

ゲンドウ「…」

シンジ「おーいたいた…。
人相の悪いのが高いところでふんぞり返ってやがらぁ…」

ゲンドウ「…サードチルドレン、碇シンジ。数々の造反行為、既に許容できる度合いを超えている。おとなしく」
シンジ「黙っとけやマダオ。いーやマダオの中のマダオ…マダ王さんよォ」

ゲンドウ「…」

シンジ「テメー…俺をダシにしてトウジを…

俺のダチ公食いモンにしやがったな…!」

ゲンドウ「…」スッ

シンジ「もうエヴァも使徒も知ったこっちゃねェ。
アトムだかアダモだか知らねーが、あの化け物でテメーが何しようと何を企もうと知ったこっちゃねェ」

ゲンドウ「…」

シンジ「たった今この場で…全力で、テメーをブッた斬る!」

403: 2010/05/21(金) 03:53:21.31
シンジ「おおおぉぉぉぁぁぁ!!!!!!!?」

「サードチルドレンを止めろぉ!?」
「撃てぇ!?威嚇しようなんて思うな!?」
シンジ「がぁぁぁああああ!!!!」

キィンキィンッ

ボグシャァッ

メガネ「何だ…!?あれ…!?」

ギター「エヴァの動き…そのまま…」

マヤ「…お……夜叉……」

シンジ「碇ゲンドォォォ!!!!」ダダダダダダ…!!

冬月「いかんっ!?碇逃げろ!?」



ゲンドウ「…撃て」

シンジ「!?」

ズキュー……ンン

404: 2010/05/21(金) 04:00:36.55
シンジ「」

シンジ「」ボタッ ボタボタッ ボタッ

…!?

「こちら狙撃班、命中しました…!」

冬月「(ライフル銃だと…!?)」

シンジ「」ドサッ



ゲンドウ「…」



シンジ「…っはは…やば…これ」

405: 2010/05/21(金) 04:08:36.17
シンジ「…んぎぎぎ…!?」ドクドクドク…

マヤ「もうやめてぇっ!!!?動いたら氏んじゃ…!?」

シンジ「おい…碇ゲンドウ……

こんな…モンじゃ……

俺の…魂は……

折れ…ねー…」

ゲンドウ「…」チャキッ

シンジ「」

パアンッ



ゲンドウ「救護班、治療を受けさせろ」

冬月「い…碇」

ゲンドウ「プラグスーツ越しだ…拳銃では致命傷にはならん」

ゲンドウ「サードチルドレンは造反行為により登録抹消。碇シンジを重犯罪者として拘束する」

406: 2010/05/21(金) 04:22:39.33
《松代・参号機起動実験場跡》

リツコ「…ミサト…。体、もういいの」

ミサト「仕事ができれば問題ないわ。
…休んでらんないわよ、こんな時に…!」

ミサト「リツコ…シンジ君は…」

リツコ「あの後……司令に撃たれてから治療は施されたらしいけど…。
そのまま本部に身柄を拘束されたそうよ…」

ミサト「作戦部長として嘆願書は出すわ……でも、今度ばかりは…」

《病院・廊下》

アスカ「…ダメかもしれないわね…。
あのバカ……二度と地上に出てこらんないわよ…!」

綾波「碇君は…」

アスカ「何で…何で一人でやろうとしたのよ…バカ……大バカ…!」

綾波「…」

アスカ「一人で暴れまわって…親父に撃ち殺されそうになって…!
何やってんのよアイツはぁ!!!?」ポロポロ…

綾波「…(怖い……碇司令が…怖い…!)」

アスカ「(何もできなかった…助けることも…止めることも…!

悔しい…!!)」

407: 2010/05/21(金) 04:29:56.86
《ネルフ本部・独房》

ゲンドウ「ネルフに対しての敵対行為。エヴァの私的占有。本部施設の破壊。保安部員への暴行。責任者の私に対する殺人未遂。
何か言いたいことはあるか」

シンジ「」

ゲンドウ「聞こえているだろう」

シンジ「」

ゲンドウ「…フォースチルドレンは氏亡が確認された」

シンジ「」

ゲンドウ「氏因は神経切断によるショック氏」

シンジ「」

ゲンドウ「お前が頃したも同然だ」

シンジ「」

ゲンドウ「…」

ガシャーン



シンジ「…」

トウ…ジ…

ちくしょう……ちくしょう……!!!?

408: 2010/05/21(金) 04:36:58.76
《???》

カンカン カンカン カンカン カンカン…

綾波「…どうして、あんな酷いことをしたの」

シンジ「許せなかったからな」

綾波「だから、みんなを傷つけたの」

シンジ「ああ」

綾波「そうやって、嫌なことから逃げているのね」

シンジ「逃げたのはお前だろ?自分に都合の悪いことは全部相手のせいか?」

綾波「…」

シンジ「おめでたいな」

何や…シンジと綾波やないか…
あいつら何を口げんかしとんねん…

綾波「あなたは逃げなかったの?」

シンジ「ああ」

綾波「だから、彼の腕を切り落としたの?」

シンジ「ああ」

綾波「自分が逃げないために、彼を二つに切り裂いたの?」

シンジ「ああ」ニヤァッ

切り裂いたて…物騒やな…
何を…何……


ワシを………?

409: 2010/05/21(金) 04:45:57.46
《病院・病室》

トウジ「ああああああああっ!!!?
ハァッ!?ハァッ!?…ハァッ……!?」

ヒカリ「鈴原っ!?鈴原落ち着いて!?」ギュッ

トウジ「あ…!?委員長…?

…どこや、ここ……妹の病院か…!?」

ヒカリ「三日間眠ってたの…大丈夫?私、わかる?」

トウジ「あ、ああ…。
ワシ…氏んでへんよな……腕、あるよな…」

ヒカリ「大丈夫…大丈夫だから……触った感触、あるでしょ?」ギュ

トウジ「ああ……ある。

…手、握っててくれたん?」

ヒカリ「やっ、違っ…!?

こ、ここに来たのは委員長としての職務であって!?で鈴原君がうなされてたから……あの…」

トウジ「…ああ、わかる。わかっとるわ」

ヒカリ「…わかってないわよ」ボソ

トウジ「いや…わかっとるわ。ありがとうな…ホンマ」

ヒカリ「…」

トウジ「…なあ…シンジは…?シンジはどないなったん?」

411: 2010/05/21(金) 04:55:24.80
ヒカリ「…碇君は」

トウジ「…シンジは?」

ヒカリ「もう会えないって…アスカが……」

トウジ「はああ!?何やそれ!?まさか…!?」

ヒカリ「ううん!?そうじゃなくて……これからずっとネルフに居続けるだろうって……それ以上教えてくれなくて…」



トウジ「…どないなっとんねん…。
ワシ…あいつに謝らな……礼言わなあかんのに……」

ヒカリ「…」

トウジ「…。なあ委員長……頼んでええか?」

ヒカリ「なあに…?」

トウジ「妹に…ワシは何でもあらへんって伝えて欲しいのと…あと…」

ヒカリ「うん…あと?」

トウジ「……なんか食べるモン調達できへんかな…」

ヒカリ「…ふふっ。

お弁当…食べる?私、お昼食べなかったの」

412: 2010/05/21(金) 05:06:47.44
《ネルフ本部・司令室》

冬月「碇…あれは明らかにやりすぎだ!」

ゲンドウ「冬月、これ以上我々のシナリオを邪魔されるわけにはいかん。わかっているだろう」

冬月「そのために自分で息子を撃ったのか!?」

ゲンドウ「アレを絶望させるには丁度いい。フォースチルドレンの安否も独房では知りようもない」

ゲンドウ「未だ初号機は…ユイは目覚めていない。ユイを目覚めさせるのにはアレが必要だ」

ゲンドウ「アレは絶望の中で母親を求めるだろう。それでシナリオの歪みを少しでも修正する」



冬月「…(それ選択自体……既に歪みだとは思えんのか碇…)」

413: 2010/05/21(金) 05:08:03.11
最後の一文修正

冬月「…(その選択自体……既に歪みだとは思えんのか碇…)」

414: 2010/05/21(金) 05:16:06.72
《第三新東京市・駅券売機前》

アスカ「…」

アスカ「ついて来る気?」

綾波「この街を離れるの」

アスカ「シンジを助けるためにね」

綾波「どこに行くの」

アスカ「…」


か……かぶき町…かぶき町……

アスカ「…あった…」

415: 2010/05/21(金) 05:24:31.57
ピッ

ピーッ ピーッ

アスカ「…よし」

綾波「碇君を助けるために行くの」

アスカ「そうよ。優等生、アンタはどうする?一緒に行く?ネルフにチクる?」

綾波「…」ピッ

ピーッ ピーッ

綾波「行く」

アスカ「…フフン。じゃ行きましょう」

黒服「勝手な真似をされては困るね」

アスカ「…」
綾波「…」

アスカ「あーあ、見つかっちゃった。やっぱりつけられてたのねー」

黒服A「当然だ。サードチルドレンがあのような行為に出た以上、君達の監視も強まる」
黒服B「さ、おとなしく戻ってもらおう。我々も手荒な真似をしたくはない」

アスカ「はいはい、わかりました……

よっと!?」

キィンッ

黒服A「んがぁっ!?」

アスカ「ファースト!?」タタタタ…
綾波「っ!」タタタタタ…

黒服A「く…た、玉……」
黒服B「待てぇっ!?」

416: 2010/05/21(金) 05:33:11.25
《駅・ホーム》

黒服B「そっちに逃げたぞ!?」
黒服C「さあ、止まれ!」

ガシッ
アスカ「は、放しなさい!?」

綾波「…っ…!?」

黒服B「手間をかけさせるな!?」

アスカ「きゃあぁぁぁ変態!?誰か助けてぇぇ!?はーなーしーてー!?」

ザワザワ…

駅員「どうされました!?」

黒服C「ご心配なく!我々は特務機関ネルフの者です!」

駅員「あ、はい!?ご苦労様です…!?」

アスカ「チッ!?」

黒服B「バカな真似はやめるんだ!サードチルドレンのようになりたくはないだろう!?」

綾波「…っ!」
アスカ「…フフン、おあいにく様ね…このアタシも…

あのバカを真似してみたくなったのよっ!?」ジタバタ
黒服B「あ、暴れるんじゃないっ!?」






「おい、今…」
「…ネルフって言ってましたよね?」
「確かに聞こえたアル」

418: 2010/05/21(金) 05:42:23.65
「あのー、すいまっせーん。ちょーっとお聞きしたいんですけどー?」

黒服B「今取込中だ!後にしろ!」

「こっちじゃー口リコン特務機関が幅効かせてるんですかコノヤロー」

黒服C「な、何をぶべらぁっ!!!?」
黒服B「貴様ら邪魔すぶふぇっ!!!?」

「全く…あいつロクな職場で働いてねーなオイ」

「レディーの扱いがなってないネ。
若い娘力ずくで何とかしようなんざ、やっぱりグラサンかけてるヤツにロクなのはいねーアル」

「ちょーちょーちょー!?グラサン愛好家真後ろなんだけどそりゃないんじゃない!?」

「ワン」

「あの…二人とも大丈夫ですか?」

綾波「木刀…氏んだ魚みたいな目…。

碇…君…!?」
アスカ「…まさか…!?」


銀時「あ?」


421: 2010/05/21(金) 05:48:58.13
先生!なんでトウジ生きてんですか?状況的にゲンドウが言ったような感じで氏んでもおかしくはないと思うんですが

423: 2010/05/21(金) 06:24:02.05
《おしえて!銀八先生!》

銀八「ペンネーム>>421さんからのお便り」

銀八「はーい、ズバリお答えしまーす」

銀八「何でもね、達人の一太刀は『斬られたことにも気付けない』レベルらしいでーす」

銀八「おそらくね、友達を斬らなきゃならない極限状態でシンジが放った一刀は、達人のそれに近い会心の一刀として参号機を腰から両断したんでしょうね」

銀八「よって、プラグを引っこ抜くまで神経接続は『気がついたら切れてた』的な反応だったんでしょうね。ショック氏にはならなかったと」

銀八「そんなわけで>>421ー。廊下で立ちながら美味しんぼの村松警部の話だけ読み返すようにー」


>>422



長谷川「……グスッ…アレ…おかしいな…。
前がかすんで見えないや…」

466: 2010/05/28(金) 00:39:40.74
銀時「あ?」

アスカ「…」

アイツから聞いてた通りだった…

銀髪の天然パーマ、やる気のない氏んだ魚みたいな目…!
腰に差した木刀…!

銀時「えーと?とりあえず連中悪党っぽかったんで助けたけど、どういうこと?」

新八「あの、碇君ってもしかしてシンジ君のこと?」

神楽「シン坊知ってるアルか?」

アスカ「…知ってるわ…知ってるわよ、アンタたちのことも…!」

定春「ワフ?」

新八「…ひょっとしてシンジ君の仲間?一緒に戦ってるっていう?」

綾波「…」コク

神楽「そんなら話は早いネ。シン坊のとこまで案内するヨロシ」

アスカ「…。シンジは…」

468: 2010/05/28(金) 00:57:07.60
黒服C「お…お前たち…何者だ…!」ヨロヨロ

アスカ「…っ!」

黒服B「こ、こちらB班…!応答せよ…!」
神楽「アチョ」メキャッゴキュッ

黒服C「」チーン
黒服B「」チーン

綾波「(…トドメ刺した)
アスカ「(遠慮なくトドメ刺した!)」

『こちらA班、チルドレンの確保はどうなった』ザザッ

神楽「あと一歩のところで邪魔が入ったアル、どーぞ」

『は?』

神楽「超絶美少女戦士チャイナーアルーンに邪魔されたアルどーぞ」
スパーン
銀時「何新番組始めようとしてんだ馬鹿。
あーあーテステス、こちらB班ー。なんかね、二人とも説得に応じてくれてね。
これからみんなでカステラ食いに行くことになりましたどーぞ」

『…何でカステラ?』

銀時「バッカオメー知らねーの?若い女は甘いモンと奢りに弱いんだよ。もう俺達の魅力にメロメロなんだよ。
そんなわけで先に帰っててくださいどーぞ」

『ちょっ待』ブチッ

銀時「…よし、ひとまずこれで時間は稼げるな」

新アスカ「「よくねえェェェ!?」」

469: 2010/05/28(金) 01:14:08.44
アスカ「何がよしなのよ何が!?」

銀時「ああ?うまいことごまかせたろーが?」

新八「いや今のやりとりでうまい要素いっこもないですからね!?なにも稼げてないですからね!?」

銀時「いーんだよ、こういうのは曖昧なフワッフワした感じでごまかしたほうがかえって真実味が増すんだよ」

新八「疑惑しか増してねーよどう考えても!?」

綾波「(…碇君そっくり…)」
アスカ「(何なのよこいつら…シンジの性格そのまんまじゃない…!?)」



長谷川「オイオイお前らヤバいって!?こっち来た早々もめ事起こしてどーすんだよ!?」

アスカ「」
綾波「」

471: 2010/05/28(金) 01:33:34.11
銀時「あーサッサとズラかったほうがいいな。
おいオメーら話はあとだ!とりあえず場所変えっぞ!」

アスカ「ブフゥッッwwwwww」
綾波「……っふwww」

銀時「あ?」
長谷川「…え、何?オジサンがどうかした?」

アスカ「そっwwwwwwくwwwりwwwwwwwww
気さくwww気さくな碇司令wwwwwwwww」
綾波「…!!」バシバシバシ

長谷川「ちょっ、何笑ってんのお嬢ちゃんたち!?初対面の相手に失礼でしょ!?」

アスカ「お願いやめてしゃべんないでwwwwwwwww
お腹痛いお腹痛いwwwwwwwwwwww」
綾波「声……まで…ww」フルフルヒクヒク

長谷川「何でェェェ!?何で俺笑われてんの!?普通に傷つくんだけど!?」

新八「あーシンジ君のお父さんが長谷川さんそっくりなんでしたっけ?」

銀時「そーいや電話でんな事言ってたな」

長谷川「にしたって笑いすぎだろちょっと!?こっちのお嬢ちゃんとか痙攣起こしてんじゃん!?」

神楽「オメーはとりあえずしゃべんなマダオ」

ザワザワ…

新八「騒ぎが大きくなっちゃった…!マズいですよ銀さん!」

銀時「いつまでも笑ってないで行くぞオメーらァ!」

神楽「定春!」
定春「ワン!」ヒョイッ

神楽「モタモタしないでさっさと乗るネ小娘ども!」

アスカ「あ、アンタだって小娘でしょっ!?つか犬でかっ!?」
綾波「…おっきい」

476: 2010/05/28(金) 02:11:58.26
ダダダダダ…

《第三新東京市・駅前》

黒服D「B班との連絡がとれん、駅周辺の警戒を怠…!?」

ダダダダダダ…ドゲシッ

黒服D「むぎぇっ!?」
神楽「スイマッセーン!」
新八「すいまっせーん!ホントすいまっせーん!」

ダダダダダダ…

長谷川「ゼェゼェ…ちょっとォ何でこんなことになってんだよ!?
俺ァシンジ君の実家で仕事があるかもって聞いたからついてきたのに!?」

銀時「オイ!どっか落ち着ける場所はねーのか!?」

アスカ「とりあえずアタシたちの家に来て!」

神楽「そんじゃ案内するネ!」

長谷川「まだ走んのかよぉぉ!?」

銀時「ガキどもは楽できていいなァオイ!?」

アスカ「スゴいわねアンタ…人三人乗せて走る犬って…」

定春「ワオン!」

綾波「…もふもふする」

ダダダダダダ…

477: 2010/05/28(金) 02:14:02.03
ごめんなさい眠気でちょっとまともに書けそうにない…

明日また再開させてください……ホントごめんなさい…

480: 2010/05/28(金) 21:24:43.46
…あの…



夕べはマジすいませんっしたぁぁぁぁぁぁ!!!?調子んのってましたぁぁぁ!!!?

再開させて下さい

481: 2010/05/28(金) 21:26:23.20
《葛城家リビング》

神楽「おじゃましますヨー」

長谷川「…ゼェ…ゼェ」

銀時「ふぃー。よーやっと一息つけたな」

神楽「シン坊はここにいるアルか?」

アスカ「シンジは…ここにはいないわ」

定春「ワフ?」


神楽「お前!シン坊んとこに案内してたんじゃねーのかヨ!?」

綾波「碇君は…今はネルフ本部にいるわ」

アスカ「…犯罪者として牢屋の中にね」

…!?

新八「犯罪者って…!?どういうこと!?」

アスカ「それは…」

銀時「まーまー落ち着け新八。お互い色々聞きてーことはあるだろうけど焦っちゃいけねーよ」

新八「銀さん…」

銀時「こういう場合ガッつく奴は相手に引かれるんだよ。
とりあえず?まベタだがお互い自己紹介から始めましょうかねぇ?
じゃ銀魂陣からー」



新八「…いや…合コンやってんじゃないからね?あと銀魂陣とか言わないで!?」

482: 2010/05/28(金) 21:29:55.63
《万事屋側の自己紹介のようです》

銀時「俺ァ坂田銀時だ。シンジから聞いてるかもしれねーが、かぶき町で万事屋なんて商売をやってる」

神楽「白髪の天然パーマアル。糖尿病寸前のダメなモジャモジャネ」

銀時「ダメって何だコラ」

新八「えと、同じく万事屋で働いてる志村新八です」

神楽「頭からつま先まで眼鏡アル。基本ツッコミしかない地味だからダメガネでいいネ」

新八「だからダメって何」

神楽「私は天下無双、無敵の超絶美少女神楽アル。こっちが定春ネ。私のことは気軽に神楽様と呼ぶヨロシ」

アスカ「初対面の相手に気軽に様付け要求すんな。
…って…神楽?」

神楽「様をつけろヨでこ助野郎」

アスカ「ああー…。アンタが最近調子にのってるくgy

…ゲフン。よろしく」

神楽「あ…?今何か言ったかコラ」

アスカ「いーえ何も?」

ピシッ…#


長谷川「あー、オジサンは」
アス綾神「「「マダオでしょ」」」
長谷川「なんでだァァァ!!!?なんでハモってんの!?つか何でその呼び名知ってんの!?」

神楽「マダオはもはや世界共通語アル」

長谷川「やめて!?インターナショナルな嫌がらせやめて!?オジサンちゃんと名前あるから!
長谷川!長谷川泰三!よろしく!」

483: 2010/05/28(金) 21:34:26.49
《エヴァ側の以下同文》

アスカ「アスカよ。惣流・アスカ・ラングレー。
ネルフのセカンドチルドレン……つまりはエヴァンゲリオン弐号機のパイロットをやってるわ」

神楽「…アスカ?」

アスカ「…何よ?」

神楽「ああー。はーん…。
お前がアレアルか。はーん」

アスカ「…言いたいことはハッキリ言ったら?」

神楽「んにゃ別にー」ホジホジ

…ピシピシッ…#

新八「ちょっと…ケンカしちゃダメだよ2人とも?」



綾波「綾波、レイ」



銀時「え、終わり?」

綾波「…何」

銀時「何か続かないの?この銀河を統括する情報統合思念体に作られ」
綾波「…」スッ
っ辞書
銀時「たりはしないですよねー続かないですよねー」

新八「おいホント止めろ」

ガチャン
銀時「んじゃま、自己紹介も終わったところで詳しく聞かせてもらおうじゃねーか。
あいつに…シンジに何があったか」カシュッ

綾波「…」

アスカ「ねえ何で人んちの冷蔵庫ナチュラルに開けてるの。まミサトのビールだから別にいいけど」



484: 2010/05/28(金) 21:46:20.45
《CM》

新八「ちょっと銀さん銀さん!
シンジ君たちの劇場版ブルーレイとDVDが大好評発売中らしいですよ!」

銀時「ま、たとえ売れてなくても大好評発売中って言うんだけどな」

新八「え、そなの?」

神楽「初回特典に劇場生フィルムがついてくるって、どんだけあざとい商売してるアルかガイ●ックスゥゥゥ!?」

新八「いやガ●ナックス違う!!昔はさておき今は違う!!」

銀時「ホント、ガイナッ●スといいカ●ーといいサ●ライズといい商魂むき出しだよなーやらしいよなー!」

新八「敵増やすの止めてェェェ!!!?」

銀時「そんなワケで劇場版ヱヴァンゲリヲン2.22、大好評発売中なんだってよ。
ま、>>1は破はおろか序もテレビでやってたヤツを飛び飛びにしか観てないんだけどな」

新八「その情報が一番いらねえ!!!?」

485: 2010/05/28(金) 21:53:54.95





新八「自分のお父さんに撃たれたって…」

長谷川「…ヒデェなオイ…」

銀時「…何かデケー人型兵器がどうとか聞いたときゃ、いまさら邪気眼デビューかと思ったがよぉ…。
様子見に来てみりゃ、ずいぶん厄介なことになってるじゃねーか」ゴキュ

綾波「…」

銀時「親子喧嘩するのに戦争の真似事たぁ、アイツもつくづく苦労人だなオイ」



新八「…あれ?そう言えばアスカちゃんと神楽ちゃんは?」

アスカ「…」ジリジリジリジリ
神楽「…」キリキリキリキリ

綾波「あそこでメンチを切り合っているわ」
新八「ナニしてんだお前らァァァ!?」

486: 2010/05/28(金) 21:56:37.13
神楽「オウオウ思い出したネ。オメーがシン坊の言ってた私とキャラ被ってる小娘アルか。
はーん、さすがに私のパチモンだけあって面の皮は立派なもんアルなァオイ?」

アスカ「ハァァァ?アンタバカァ?アンタデビューいつよコラ?
こちとら十年以上前から惣流アスカラングレーやってんのよ。十年以上前からバリバリ現役だっつーのバリバリ伝説だっつーの」

神楽「そーアルか、そんなババァだったとは知らなかったネすいませんでしたぁぁ先輩ぃぃ?」ビキビキ

アスカ「ああ…!?アンタちょっと映画化されたからって調子んのってんじゃないの…!?こちとら劇場は四回五回とこなしてんのよガキが」ピシピシピシ

神楽「さすがに先輩は違うアルなぁー?
本編じゃまず着ないような工口衣装フィギュア販売するなんて私にはとーてーもー真似できないネ…!!」ビキビキビキ

新八「…ねえ…なんかあそこだけ画風がおかしいんですけど。
マガジンとかチャンピオンの匂いがするんですけど」

488: 2010/05/28(金) 22:00:10.75
アスカ「あ"あ"!?文句だったら●イナックスに言えやコラァ!?ちょっとカメラ止めろ!?」
神楽「上等だサンライ●の力見せたらァ!?表でろやゴルァ!?」

新八「あああ2人ともやめて!?ホント…もう色々見てらんないから!?」

アス神楽「「すっこんでろやダメガネェェェ!!!?」」

新八「何でそこだけユニゾンしてんだァァ!?」

銀時「…」スパーン スパーン

神楽「だっ!?」
アスカ「いっ!?」

489: 2010/05/28(金) 22:03:36.34
銀時「いい加減にしろよオメーらァ!話進まねーだろーがァ!?」

新八「いやアンタが言うなよ」

長谷川「とにもかくにも、シンジ君が今ヤバい状況にあるんだろ」

綾波「…」コク

アスカ「…だから…かぶき町に行こうと思ったの。アンタたちの…万事屋の力を借りたくて」



アスカ「アンタたち、仕事は何でもやる万事屋なんでしょ…?
お願い…!シンジを助けるのを手伝って!」





銀時「わりーな、その依頼は受けられねー」

490: 2010/05/28(金) 22:07:06.06
綾波「…!?」

アスカ「な、何でよ!?シンジはアンタたちは仲間だって!?家族だって…!?」

銀時「だからだよ」

アスカ「え…?」

銀時「アイツを助けるのは仕事じゃあねー。当然のことだからな?」ニッ

アスカ「…!」

神楽「…」ニカッ
新八「…」ニッ
定春「ワンッ!」

綾波「…」
アスカ「…」ウルッ
ゴシゴシ
アスカ「それじゃ決まり!本部にはアタシたちが案内するわ」

銀時「あ?オメーらも来るのか?」

アスカ「あったり前じゃない!」

綾波「…当然」

銀時「ヘッ…上等だ」

491: 2010/05/28(金) 22:09:11.31
長谷川「…オジサンはただ、仕事が欲しくて来たんだけどな…」ボソッ

神楽「グダグダ言ってんじゃねーヨマダオ」

銀時「ま、長谷川さんは今回テキトー言って連れてきたからな」

長谷川「適当!?今適当っつった!?
おまっ…銀さん第三新東京市ならシンジ君のコネで就職できるかもって!?」

銀時「いや、シンジの様子見に行くのに親父の影分身の術がいたら面白いかなーって思ったんだってばよ」

長谷川「面白くねーよ!?こっちは必氏なの!?
毎日を一生懸命に生きてるんだよギリギリのところで!?」

アスカ「…!」

492: 2010/05/28(金) 22:09:49.92
長谷川「…まあシンジ君を助けるのに異論はねーけどよ…話聞く限りじゃそのネルフ?かなりヤバそうな場所じゃねーか」ポリポリ

アスカ「そうね」

長谷川「まさか策もなしで正面から乗り込む気か?」

アスカ「アラ、ここにとっておきの影分身がいるじゃない…」ムフ

綾波「…っ!」
銀時「…あー」
新八「成る程」
神楽「はーん」





長谷川「…へ?」

495: 2010/05/28(金) 22:15:25.06
《ミサトさんはミサトさんで色々頑張っていたようです》

ミサト「…」
やっぱり正攻法じゃ無理、か…。



ゲンドウ「碇シンジは重犯罪者だ。釈放はない」

ミサト「ですが!?今までの彼の功績を考えれば!」

ゲンドウ「これまでの功績を考慮しての拘束だ。本来ならばあの場で射殺されておかしくはないだろう」

ミサト「…っ」

ゲンドウ「下がりたまえ」



何とかして…シンジ君を助けなきゃ…。

496: 2010/05/28(金) 22:17:27.02
《ミサトさんは深夜のご帰宅のようです》

ミサト「…ただいま…。

あ、アスカ…」

アスカ「…ミサト、お客さんよ」

ミサト「…?こんな時間に?」

アスカ「リビングで待ってるわ。アタシ、もう寝るから」

ミサト「ちょっとアスカ、誰?加持?」





ゲンドウ「邪魔をしている、葛城三佐」
ミサト「」

497: 2010/05/28(金) 22:18:46.94
ミサト「いっ、碇司令!?」

ゲンドウ「夜分遅くに済まないな」

ミサト「いえ、といいますか…あの、まだ本部にいらしたのでは…」



ゲンドウ「それは…その…アレだ。
私の権限でジェット機的な…VTOL的なものを使った」

ミサト「VTOL使ったの!?部下の家訪問するのにVTOL使っちゃったの!?
ご近所迷惑ってレベルじゃないんですけど!?」

ゲンドウ「事は急を要するのでな。

他でもない。シンジの事だ」
ミサト「!?」

499: 2010/05/28(金) 22:27:24.70
ゲンドウ「皆の手前あのような非情な手段をとったが…何とかしてシンジを逃がしてやりたい」

ミサト「は…」

ゲンドウ「葛城三佐、協力してもらえないか」

ミサト「あの……シンジ君を釈放したいと!?」

ゲンドウ「そうだ。私とて人の親だ。普段の私からは想像できないかもしれんが…。
あの子を…シンジを大切に思っている」

ミサト「し、司令…。では先ほど私におっしゃった言葉も…!」

ゲンドウ「え?

…ああ、うむ。無論、本心ではない」

500: 2010/05/28(金) 22:35:48.48
ゲンドウ「だが司令としての立場を考えれば、正規のやり方では不可能というのもわかるな?
君にも危ない橋を渡ってもらうことになるかも知れないが…」

ミサト「司令…!」ウルッ

ゲンドウ「どうだ…葛城三佐」

ミサト「は、はい!是非とも協力させていただきます!」

ゲンドウ「ありがとう。では手始めに…

少し小銭を用意してくれ」

ミサト「はい!小銭で…。

小銭?」

ゲンドウ「うむ、実は本部を出るとき財布を忘れてきてしまってな。帰りのバス賃を用立ててもらえると助かる」

ミサト「呼べよVTOL!?
何!?ジェット機使えるのにバス賃ないの!?ダメじゃん!?」

プス…ププ……フヒッ…

アスカ「はーいカットー」

501: 2010/05/28(金) 22:50:44.10
ミサト「…へ…?」

アスカ「うん、何とかなりそうね」

ゲンドウ?「どうだいアスカちゃん、オジサン似てた?」

アスカ「んー、ま所々危なっかしいけど…ミサトはうまいこと乗せられたし何とかなるでしょ」

ゾロゾロ

銀時「いやーなかなか見ものだったなオイ」ニヤニヤ

綾波「…フ…ヒュッ……ww」ピクピク

新八「長谷川さんあんな渋い声出せるんですねー」

長谷川「ナハハ…ま、これでも昔はエリートだったからな。
昔を思い出し…

思い出し…て…」グスッ

神楽「メソメソすんなマダオ。
とにかくこれでシン坊を助けに行けるネ!
題して!『俺がお前でお前が俺で!月の女王ディアナとキエル大作戦』開始アル!」

アスカ「いや『今ここに俺が来なかった!?バッカモーンそいつがルパンだ!』大作戦で行くから」

アスカ「あ?オイもっかいやんのかコルァちょっとカメラ止めろ」

新八「もうケンカやめなさいっての!?

すいませんこんな大勢で押しかけちゃって…」




ミサト「…どちら様?」

定春「zzz…」

502: 2010/05/28(金) 22:54:39.34
>>501
訂正

アスカの最後のセリフは神楽です…

神楽「あ?オイもっかいやんのかコルァちょっとカメラ止めろ」

新八「もうケンカやめなさいっての!?

すいませんこんな大勢で押しかけちゃって…」





ミサト「…どちら様?」

定春「…zzz」

535: 2010/06/04(金) 23:28:53.36
《???》

カンカン カンカン カンカン カンカン…

ゴトンゴトン… ゴトンゴトン…

シンジ「…」

違うよ…おばさん…

僕は…自転車なんて盗んでない…


ザアアアアア…

もう…いいや…

疲れた……

もう…

「オイ、人ん家の前で何してるアルか」

「君…大丈夫?」

「何だァ?家出少年かなんかかオイ」






そうだ、僕は。
あの人たちみたいになりたかったんだ。

536: 2010/06/04(金) 23:30:32.97
《ミサトさんに説明中のようです》

綾波「…」モフモフ
定春「…」カプ
綾波「…。噛んじゃだめ」

ミサト「…そう、あなた達がシンジ君の言っていた“恩人”なのね」

銀時「ハッ、別にンな大層なモンじゃねーよ。たまたまアイツを拾って、そのまま面倒みてきただけだ」

ミサト「うふふ…そういう素っ気ないところ、シンジ君にそっくりね。
ううん、シンジ君があなたによく似てるのかしら。

…それで?こちらの長谷川さんを司令に仕立ててネルフに…」

長谷川「いやぁ、さっきは申し訳ない」

アスカ「どう?いいアイデアでしょ?」

ミサト「…ねえアスカ…IDカードはどうする気なのよ」


537: 2010/06/04(金) 23:32:35.19
アスカ「…あ」

ミサト「いきなり入り口で引っかかるわよ?さっきは見事に騙されたけど…まず本部に入れないんじゃ意味ないじゃない」



アスカ「いっけなあい、お鍋火にかけっぱなしなの忘れてたっ」

ミサト「ごまかしてんじゃないわよお鍋より本部の構造思い出せって言ってんの!」

銀時「なーに心配いらねーよヅラ木さん。こちとらこの手のもめ事は慣れてっからな」ゴキュ

ミサト「おいヅラ木さんって私か。私のことか。
そしてカッコつけて飲んでるそのビール私のなんですけど!?」

538: 2010/06/04(金) 23:34:34.66
新八「こっちは大丈夫だよアスカちゃん。もう出来上がったから」

ミサト「わぁいい匂いーって…何で夕飯の支度!?しかも人ん家の食材で!?」

アスカ「腹ごしらえに決まってんじゃない」

神楽「ケチケチすんなヨ腹が減っては戦はできねーだろが無駄乳」

ミサト「…本気、なのね」

アスカ「そうよ」

銀時「たりめーだ」

綾波「…碇君を…助ける」

アスカ「ミサト、アンタは?作戦部長としてアタシたちを止める?アイツの家族としてシンジを助ける?」

ミサト「…」

ミサト「私も行くわ」

アスカ「そうこなくっちゃ」ニッ

ピンポーン

全員「!?」

539: 2010/06/04(金) 23:39:00.10
ミサト「まさか…」

アスカ「バレた…!?盗聴でもされてた!?」

新八「…銀さん」

銀時「オウ…」シャッ




加持「や、勝手に上がらせてもらうよ」

ミサト「…加持?脅かさないでよ…」

加持「ハハ…今頃お困りなんじゃないかと思ってね。こいつを届けに来た」

っカード
っメモ

アスカ「これ…IDカード!?」

加持「偽造IDってやつさ。それと、シンジ君が入れられてる独房への最短ルート」

ミサト「加持、アンタ…」

加持「…シンジ君にあんな無茶をさせてしまったのは、俺の責任でもある。少しでも埋め合わせがしたくてね……もっとも…」ポタッ ポタッ…


ミサト「!?」

加持「俺は…同行できそうに…ない、が…」
ドサッ

ミサト「加持ッ!?」
アスカ「加持さん!?」
銀時「オイッ!?」

540: 2010/06/04(金) 23:46:03.12
加持「悪いなぁ葛城…部屋を汚しちまって」

ミサト「加持君、この怪我!?」

加持「フ…俺もヤキが回ったもんだ…肝心なところで、ドジ踏むなんて…」


『あだだだだ!?リッちゃんごめんごめんごめんなさい!!!?もうしませんもうしませんから!!!?』


ミサト「…ねえ加持君、明らかに回想がおかしいんだけど。
何でリツコにアイアンクロー食らってるの?リツコはいつからパワーキャラになったの?」

加持「ちょっと茶目っ気でちょっかい出したらこの様さ、フッ…」

ミサト「フッ、じゃねーんだよリツコに何やった、ああ?」

加持「いいか葛城…よく聞け」

ミサト「アンタが聞けよ人の話」

加持「このIDを使ったと同時に、MAGIが独房までのセキュリティーを外してくれる…。
シンジ君を助けたあとは、リッちゃんが地上まで逃がしてくれる手筈だ」

ミサト「まさか、リツコも…!?」

加持「リッちゃんにも、思うところはあるのさ…」

543: 2010/06/05(土) 00:27:00.99
加持「…やぁ、君達が…シンジ君の…」

銀時「ん、ああ…(…何か落ち着かねーなコイツの声)」

加持「諜報部の包囲を力ずくで振り切った面々がいるって聞いていたが、なるほど…彼の関係者なら頷ける。
済まない…どうかシンジ君を頼む」

銀時「頼まれるまでもねーよ」

長谷川「任しときな」

ミサト「…加持君、私は…」

加持「君も行ってくれ…こっちは大丈夫だ」

ミサト「でも…」

加持「みんなとは別に動ける人間がいたほうがいい…」

ミサト「そうかもしれないけど…」

綾波「…」モグモグ
アスカ「…」モッシャモッシャ
神楽「…」ムガモゴ

ジーッ…

ミサト「…。
えっと…ゴメンもしかして私空気読めてない?」

アスカ「だいじょうぶよー、戦闘中にラブシーン始めるどこぞの歌姫よりかはマシだから」

545: 2010/06/05(土) 00:38:00.23
銀時「よっしゃ、ぼちぼち始めっか」

新八「はいっ!」

長谷川(低音)「問題ない」

綾波「…」コク

定春「ワン」

神楽「オペレーション・グラ&グラツー開始アル」

アスカ「違うわよ。コードネーム二人はヒゲキュア大作戦よ」

神楽「あ?」
アスカ「あ?」

ミサト「ちょっと2人とも仲間割れしちゃダメよ!
ここは間をとって…ダミー歌姫ミーアとラクス大作戦で行きましょう」

新八「アンタも乗っかんなよ。もうどうでもいいです作戦名は」

546: 2010/06/05(土) 00:48:04.03
ちょっち休憩

>>516
沖田「あっれー?土方さんそっくりっつーかもうほぼ土方さんじゃねーですかィ。何やってんです新しい儀式ですか」

土方「おい斬り殺されたいのか総悟。つか何で俺達ァこんなとこに居んだよ」

沖田「本編にゃ出番なさそうですからねィ。出られるとこで出とこうってハラでさァ」

土方「ぶっちゃけるにも程があんだろ!?」

547: 2010/06/05(土) 01:00:23.88
ミサト『私は先にリツコと合流するわ。シンジ君を逃がす手順を確認しておきたいし』

ミサト『レイとアスカは、長谷川さんたちと一緒に独房へ。いいわね?』

ミサト『シンジ君を…お願い』

《ネルフ本部》

コツ コツ コツ コツ…

職員「…!お疲れ様です!」

長谷川「…ご苦労」


銀時(グラサン)「ご苦労さん」

グラさん「ご苦労さんネ」

新八(グラサン)「…」ダラダラ

定春(グラサン)「ワン」

綾波「…」
アスカ「…」

ゾロゾロ

職員「…」

548: 2010/06/05(土) 01:03:39.88
長谷川「よーしいい調子だぞお前たち、自分がグラサンを掛けているなどと思うな。
かといってグラサンに掛けられていても駄目だ、違和感が生じる。
人間には体があり手足があり頭があり、そしてグラサンがある。グラサンは己の一部であり己はグラサンの一部だ…」

グラさん「己はグラサンの一部!?スゴいネ小さな悩みなんざどーでもよくなるヨ!!人類グラサン計画ネ!」

新八「ってホントにどーでもいいわァァ!?」パリン

銀時(グラサン)「オイオイ新八ィ…何勝手に割ってんの?
グラサンに関しちゃー長谷川さんはベテランだぞ?先人に習うのは基本だろーが」

新八「何を習ってるんですかこれもうただの怪しい集団でしょ!?グラサンかけりゃ何でもごまかせると思ったら大間違いだよ!?」

長谷川「新八君、メガネユーザーの君が嫉妬したくなる気持ちは解るが、TPOは使い分けなきゃな。
今この場ではグラサンこそ適材だ」

549: 2010/06/05(土) 01:06:09.53
新八「いや…長谷川さん以外グラサンかける必要なくね?
明らかに不審者の集団がただグラサンかけて歩いてるだけだよコレ?」

銀時(グラサン)「何がだよ。うまいことスルーできてんじゃねーか」

グラさん「グラサンにジェラシーしてんじゃねーヨダメガネ」

職員「もしもし…あの、発令所ですか?
なんか碇司令が不審者を引き連れてですね…」

グラさん「ほあたァァァ!!」ドゴォ

職員「」チーン



長谷川「…」
綾波「…」
アスカ「…」

銀時「だーから俺ぁ最初っからこんなモンいらねーって言ったんだよ」パリン

神楽「珍しく役に立ってるからって調子乗りすぎなんだよクソが」ペッ

長谷川「…」グスッ

新八「調子乗りすぎなクソはお前らだよ」

アスカ「本当に頼もしい連中ね」

綾波「何が」

550: 2010/06/05(土) 01:17:39.88
《ネルフ・独房》

ガシャァン

アスカ「シンジ、シンジッ!?」タタッ

シンジ「」

アスカ「シンジ!大丈夫?…生きてるわよね?」

シンジ「」

シンジ「…アスカ…?」

アスカ「良かった…。
時間がないわ。説明はあと!さっさと逃げるわよ!」

綾波「碇く…」


シンジ「帰れ」


アスカ「え…?」

綾波「碇、君?」

シンジ「帰れよ」

551: 2010/06/05(土) 01:19:54.95
アスカ「アンタ…何言ってんのよ…!?アンタを助けに」

シンジ「誰がンな事頼んだよ」

アスカ「シ…」

シンジ「これ以上…僕に何しようってんだ…」

シンジ「何やらせようってんだよ……」

シンジ「もう……いい……疲れた…」

シンジ「ほっといてくれよ……」

綾波「そん、な」

シンジ「」




銀時「オウオウ、こっち来て女ァ泣かすような真似覚えたのかコノヤロー」

シンジ「…!?」

銀時「大人のエスカレーター三段跳びで駆け上がってんじゃーねーか。

…久しぶりだなァ、シンジ」

552: 2010/06/05(土) 01:22:48.24
シンジ「銀…さん……。
新八さん、神楽ちゃん…!?」

銀時「何だァ?ちょっと見ねー間にずいぶん諦めがよくなったじゃねーの。あきらめたらそこで試合終了ですよコラァ」

シンジ「…どう、して」

銀時「んなもん、決まってんだろーが」

神楽「あんまり帰りが遅いから迎えに来てやったアル。ありがたく思えヨ」

新八「さあ、一緒に帰ろう。シンジ君」

シンジ「…」

シンジ「ありがとう…ございます…。
でも…無駄足です。帰って下さい」

553: 2010/06/05(土) 01:24:13.07
新八「どうして…!?」

シンジ「…僕は、氏んだんです」

銀時「あ?」

シンジ「護るべきものを護れずに生き残っても、氏んだと同じ」

銀時「…」

シンジ「僕は…何にも護れやしなかった」

神楽「シン坊…」

シンジ「だから…僕は氏んだんです。
ごめんなさい。僕はもう、かぶき町には戻れません。このまま、帰って下さい」

銀時「…」ボリボリ


シンジ「僕は…駄目だ。もう駄目なんですよ…。

魂が…折れちまった…。

もう…戦えない…」

554: 2010/06/05(土) 01:27:17.60
銀時「…シンジ」

シンジ「あの街で…かぶき町で銀さんたちに会って…少しは強くなれたって。
大嫌いだった自分が少しは好きになれたって思ったのに…そんなの…結局ただの思い込みで…!」

新八「シンジ君」

シンジ「ネルフのみんなに酷いことしたんだ…!トウジを…トウジを頃してしまったんだ!!
それなのに親父一人殴ることもできなかった!ダチ公一人護れなかった!
自分の武士道一つ…守れなかったっ…!!」ギリッ

神楽「シン坊」

シンジ「助けるって……助けるって言ったのに…!

…ちくしょう……最低だ…俺…!」

銀時「シンジッ!!!!」
シンジ「っ!!」ビクッ





銀時「…。よーく踏ん張ったじゃねーか…」

555: 2010/06/05(土) 01:29:13.78
銀時「オメーは最低なんかじゃねー」

銀時「最低なんかじゃあねーよ」

銀時「シンジ…お前はダチの敵討つために、テメーの命張ったんだろ?」

銀時「テメーの意地通すために、親父に戦ァ仕掛けて負けたんだろ?」

銀時「だったら…お前は最低なんかじゃあねー。

…最っ高のバカだ」ニッ

神楽「そんな無茶やるやつバカしかいないヨ。…本物のバカネ」ニッ

新八「たった一人で戦しようなんて…。
宇宙一のバカだよ」ニッ

銀時「あー間違いねー。お前は宇宙一のバカだ。

宇宙一バカな……本物の、侍だ」

シンジ「…」

シンジ「…う」

シンジ「あ…」ポタッ

シンジ「っうあああ……!あああああっ………!!」ポロポロポロ…

556: 2010/06/05(土) 01:53:08.68
シンジ「うあああ…!ふぐっ…えぐっ……」グズッ

銀時「ちゃーんと、できてるじゃねーか…」

銀時「それでいいんだよ…昔、教えたろ」

銀時「悲しい時は、鼻水垂れ流して泣きゃーいい。頭にきた時は、腹から声出して叫びゃいい」

銀時「持ちきれない荷なら…周りの助け借りりゃあいい、ってな…」

銀時「オメーの魂が折れちまったってんなら……俺達で支えてやる。二度と折れねーように添え木打ちつけてやるよ。
歪んじまったってんなら、俺達でボッコボコにブッ叩いて真っ直ぐにおっ立ててやらァ」

銀時「なあシンジ、オメーはどうしたい」



シンジ「…」

ゴシゴシ

シンジ「…銀さ…」

シンジ「僕は…」

シンジ「僕はっ…!」

シンジ「このまんま…!負けっぱなしのまんま終わりたくないです…!」

銀時「へっ、見てみろ……。
オメーの魂は、折れてなんざいねーよ!」

558: 2010/06/05(土) 02:10:53.21
シンジ「…」

アスカ「…シンジ…」

綾波「碇君…」

シンジ「アスカ…綾波…。

さっきは…ごめん」

綾波「…」フッ

アスカ「…シンジ、よく聞きなさい。あのマダオに何言われたか知らないけど…

鈴原は、生きてる」

シンジ「…!?」

綾波「本当よ」

アスカ「アンタが助けたのよ。アンタは…ちゃんと護るべきものを護ったの」

シンジ「…!」

シンジ「良かった……生きてた……トウジ…!」ギュッ
アスカ「ちょっ…!?待っ…!?」カァッ

銀時「…」ニヤニヤ
神楽「…」ニヤニヤ
新八「…」ニコニコ
綾波「…」ムスッ…


アスカ「なっ何ニヤニヤしてんのアンタらっ!?シンジもその…だ、抱きつかないでよ…!?」

シンジ「っ…ごめん、つい…」

銀時「うし、んじゃーひとまず行くか。モタモタしてっと厄介だしな。
あー何なら予行演習でこっちのマダオ殴っとく?」

長谷川「ちょっやめてくんない!?空気読んでおとなしくしてたのにやめてくんない!?」

シンジ「は、長谷川さん!?長谷川さんも来てくれてたんですか…!?」

長谷川「ダハハ…ま、成り行きで」

リツコ「感動の再会は済んだかしら」

全員「!?」


596: 2010/06/16(水) 00:38:34.65
《葛城家・リビング》
ピーッピーッ

加持「…はい。……了解だ、直ぐに向かう」
ピッ

加持「さ、て……こっちももう一仕事しなきゃあな……よっ」

《ネルフ本部・独房前》

綾波「…赤木博士」

リツコ「シンジ君は無事なようね…何よりだわ」

シンジ「…ま、無事と言や無事ですよ…腹に2つばかり穴があいてますがね…」

銀時「…オイ誰だあの工口っぽいねーちゃん」ヒソヒソ

アスカ「加持さんが言ってたでしょ?赤木リツコ博士…エヴァの開発責任者よ」

長谷川(低音)「白衣と泣きボクロがなんともセクシーだな」

アスカ「ムダにいい声でセクハラすんのやめなさい」

リツコ「…!

あなたが長谷川さん、なのね?」

長谷川「お?ああ、まーな」

リツコ「…フフ、本当に司令に似てる。魅力的な人ね」フッ



綾波「…」
新八「…え?」
シンジ「…マジでか」

長谷川「ええ?いやぁ俺が魅力的とか……何か照れるなぁ…」

リツコ「研究材料としてとても興味深いわ」ニコ

長谷川「今なんか怖いこと言ったよこのネーチャン!?駄目だからね!?人のこと研究材料とか言ったら駄目だからね!?」

597: 2010/06/16(水) 00:40:59.02
リツコ「そうだわ。忘れないうちにシンジ君、これを」

っ洞爺湖

シンジ「…これ…わざわざ回収してくれたんですか」

リツコ「…きっとあとで必要になるから」ボソッ

シンジ「…?」

リツコ「さ、ついて来て頂戴。あなた達を逃がす前に…見せたいものがあるの」

アスカ「見せたいもの?」

リツコ「…エヴァの真実よ」

シンジ「…?」
アスカ「エヴァの…真実?」
綾波「…」

アスカ「…あの地下の化け物と関係あること?」

リツコ「…。ターミナルドグマに入ったのね。
そうよ。チルドレンのあなた達三人には、知っておいてもらいたいの。
…レイ。あなたには辛い思いをさせてしまうかもしれない。でも…必要な事だから……お願い」

綾波「…」

598: 2010/06/16(水) 00:41:43.75



コツコツコツコツ…

神楽「…ついてって大丈夫アルか?」

銀時「…ま、とりあえずはな。いざとなりゃ実力行使だ」

新八「…シンジ君、怪我の具合は大丈夫?」

シンジ「…ぶっちゃけ、歩くのもけっこうしんどいです」

神楽「定春ー、シン坊乗せてやるネ」

定春「ワンッ」

シンジ「あはは、定春…久しぶり」ナデナデ

定春「ワフ?」カプ

シンジ「…うん、再会を喜んでくれるのは嬉しいんだけどさ。シンちゃん割と氏にかけてるから。甘噛みでも致命傷だから放して下さい定春君」

599: 2010/06/16(水) 00:42:43.51
《セントラルドグマ・エレベーター前》

ミサト「っ…シンジ君っ…!」

シンジ「…あー、お久しぶりミサトさん」

ミサト「…」ウルッ

ギュム

ミサト「ごめんなさいシンジ君…私…!」

シンジ「…いだだ…。ミサトさんサービスはありがたいんですけど、腹の穴がふさがってからお願いしますよ…」

ミサト「あ、ゴメンね…」

リツコ「ミサト、再会を喜ぶのは後にして。ここから更に下に降りるわよ」

ミサト「…さっき言ってた『見せたいもの』?」

リツコ「ええ…。MAGIがセキュリティーを外している今しか機会がないの」

ミサト「…いいわ」

600: 2010/06/16(水) 00:45:12.41
ブゥ……ンン

《エレベーター内》

リツコ「…」

シンジ「…」

アスカ「…」

綾波「…」

銀時「…」

新八「…」

神楽「…」

定春「…」

長谷川「…」

ミサト「…」

銀時「あんさ…

これエレベーター無理やり乗りすぎじゃね?」

ギチギチギチギチ

602: 2010/06/16(水) 00:47:17.73
銀時「オイィィィ何でこんな狭いのに全員詰め込んでんだよ!?順番に何回かに分けて乗りゃいーじゃん!?」ギチギチ

定春「ワウウゥ…」ギチギチ

リツコ「急いでいるとはいえ焦りすぎたわね…」ギチギチ

銀時「焦りすぎにも程があるわ!定春入れて10人も乗ってんだぞこのクソ狭いエレベーターにぃぃ!?」

長谷川「よく止まらねーなこの人数で」ギチギチ

神楽「感心してる場合かヨ。…なんかクサいアル」ギチギチ

アスカ「ちょっどこ触ってんのよ!?今の誰!?」ギチギチ

シンジ「いやそーゆうテンプレ通りのお約束いらないから。
ちょ痛い痛い痛い。押さないでヤバい、何かLCL的なものが出る」ギチギチ

新八「いやそこは普通に血液でいいでしょ!?」ギチギチ

綾波「(…LCL的なもの?)」



綾波「駄目……そんなマーライオンみたいな碇君は駄目。四六時中口からそんなものを出されたら気を使ってしまうわ。
せっかく築き上げた関係がギクシャクしてしまうわ」

ミサト「…レイは何を想像したの?」

シンジ「綾波さーん、そのふざけた幻想はぶち壊しといて。
何で口からLCL垂れ流さなきゃならねーの」



603: 2010/06/16(水) 00:49:34.49
《殺風景な部屋》

綾波「…ここは」

シンジ「何か…まるで綾波の部屋みたいな…」

リツコ「綾波レイの部屋よ」

シンジ「ここが!?」
リツコ「そう、生まれ育ったところよ。レイの深層心理にある光と水のイメージは、ここに記憶に影響されているのね」

アスカ「そうなのファースト?」

綾波「…」

ミサト「ねリツコ、見せたいものってこれじゃないでしょう?」

リツコ「わかっているわ、ミサト…」

604: 2010/06/16(水) 00:52:11.61
《エヴァ素体廃棄場》

アスカ「これって…エヴァ?」

リツコ「最初のね。失敗作よ。10年前に破棄されたわ」

銀時「」ダラダラダラ

神楽「…銀ちゃんなんか顔色悪いネ。ウンコか?ウンコアルか?」

銀時「え、何?俺ァ最近は毎朝快便だよ?」

長谷川「いやウンコじゃなしに」

神楽「ひょっとして怖いアルか」

銀時「怖い?Why?何が?意味わかんないね怖い要素なんてなんもねーじゃん。
むしろ居心地良すぎてここに別荘建てたいぐれーだっつーの」

神楽「ならゆっくりロングバケーション楽しむといいネ。さよなら銀ちゃん」

銀時「待って神楽ちゃぁぁぁんん!!!?怖くはないけど待って!?」

ミサト「…」
新八「スイマセン、アレは気にしないで下さい」

シンジ「…エヴァの、墓場…」

リツコ「今となってはただのゴミ捨て場よ…」

606: 2010/06/16(水) 00:55:42.01
リツコ「シンジ君のお母さんが消えた場所でもあるわ。
あなたは覚えていないかもしれないけど、あなたも目の当たりにしていたのよ……お母さんが消える瞬間を」

シンジ「…」

リツコ「それじゃ問題。消えたお母さんはどこに行ったでしょう?
天国?それともお墓の中?」

ミサト「ちょっとリツコッ!?」

リツコ「ミサト、黙っていて。どう?」


銀時「アレじゃね?千の風になってなんか…傍らに立つもの的な」

新八「オメーも黙ってろ」

607: 2010/06/16(水) 00:57:28.31
シンジ「…」

リツコ「答えは…

『どこにも行っていない』」

アスカ「…どういう意味よ?」

リツコ「そのままの意味よ。
ユイさんは、エヴァ初号機の中にいるの」

!!!?

リツコ「アスカ、あなたのお母さん…キョウコさんも弐号機の中にね」

アスカ「…何を。…何言ってんのよ!?ママは…だって、ママは…!?」

リツコ「実験中の事故が原因で発狂、後に自頃してしまった?」

アスカ「…」

リツコ「違うわ。『弐号機の中に取り込まれた』の。発狂してしまったのは魂の一部を失って正気を保てなくなった為」

リツコ「エヴァには魂が…心があるの。あなた達のお母さんの」

銀時「…魂…」

608: 2010/06/16(水) 00:59:52.08
リツコ「人は神様を拾ったので喜んで手に入れようとした。だから罰が当たった。それが15年前」

銀時「…イデ発動みてーなモンか?」

リツコ「せっかくの神様も消えてしまったわ。だから今度は人の手で神様を復活させようとした。それがアダム」

銀時「ガンダムみてーなモンか」

リツコ「それからアダムから神様を真似て人を作った。それがエヴァ」

銀時「ジムみてーなモンか」

ミサト「いちいち富野作品に例えないと理解できねーのかアンタ!?」


シンジ「…エヴァは人…人間なんですか」

リツコ「そうよ…本来魂のないエヴァには、サルベージされた人の魂が宿らせてあるの」

シンジ「そんな…。
…じゃ、綾波も!?零号機にも綾波のお母さんが…!?」

リツコ「いいえ…。
そうでは…ないのよ…」

609: 2010/06/16(水) 01:01:55.49
《ダミーシステム開発所》

ミサト「ダミープラグの正体って…これ?」

リツコ「…真実を見せてあげるわ」

pi



ウフフフ……ウフフフフ……


アスカ「ひっ!?」
新八「うわっ!?」
神楽「何アルかこれっ!?」
定春「ガルルルル…!!」
長谷川「ななななな…!!!?」
銀時「こいつァ…!?」

綾波「…どう、して」

シンジ「…綾波…レイ!?」

ジッ

シンジ「っ!?」ビク

ウフフフ……ウフフフ……

610: 2010/06/16(水) 01:04:01.33
リツコ「ダミーシステムのコアとなるもの、その生産工場……そしてレイの為の予備のパーツ」

ミサト「これ、が…ダミープラグの正体…!?」

綾波「…」フルフル

リツコ「過去にユイさんをサルベージしようとした際の産物…。
人類補完計画の依り代として…アダムからエヴァを作ったように、ユイさんの眠るエヴァ初号機とリリスから生まれた存在。
それが、綾波レイ」

……

シンジ「母さん、から…初号機から……

…綾波は……人間じゃ…ない…?」

レイ「…っ…」

シンジ「…あ、いや…」

リツコ「…シンジ君、人間というのは何を指すの?」

シンジ「…それは」

リツコ「人間などというカテゴリーは曖昧なものよ。
心があるのが人間?
人間から生まれるのが人間?
自分一人しかいないのが人間?」

シンジ「…」

611: 2010/06/16(水) 01:05:27.39
リツコ「心配はいらないわ…今この場でレイは人間になる…。
予備なんてない…人間に」

pi

バツンッ

…!!!?

ゴボゴボゴボボボボボ………

ボロボロボロ……

綾波「!?」

ウフフフフフフ……

綾波「や…めて…!!やめて!?」

ミサト「リツコォッ!!!?アンタ何やってるかわかってんの!!!?」チャキッ

リツコ「ええ、わかっているわ…過去の清算よ」

612: 2010/06/16(水) 01:08:02.45
リツコ「銃を下ろしてミサト。私はあなたに撃たれるわけにはいかないの」

ミサト「…!」

リツコ「見て、シンジ君……。母娘二代に渡って続いた狂気の結果がこれよ」

シンジ「…あ…」

リツコ「母も私も、あの人の愛人として利用され続けてきた。
人であることも止めた外道にいいようにされて、それでもあの人から離れられなかった。
そのツケを払う時が来たの」

リツコ「あなたの手で……私を罰して頂戴……そうして貰えるなら嬉しい……。

どうか…お好きに…」スッ

ミサト「…(土下座…!!)」

613: 2010/06/16(水) 01:10:47.61
シンジ「………。リツコさん……アンタ……





それでも、まだ野郎に惚れてんですか…」

614: 2010/06/16(水) 01:11:42.95
リツコ「…」

シンジ「野郎にいいようにされて、こんな無茶な真似して…僕みたいなガキ相手に、地べたに頭こすりつけて…。
それでもあのクソ野郎を恨みきれないんですか」

銀時「…自分が被れるだけ悪名ひっ被って、シンジに討たれようってのかよ」

615: 2010/06/16(水) 01:13:58.40
リツコ「…私のことなんてどうでもよかった…。
あの人のことを考えるだけで、どんな目にあっても耐えられると……思ってた。
シンジ君がここに来るまでは…」

シンジ「…僕が?」

リツコ「真っ直ぐに生きて、真正面からあの人と戦ったあなたを見て…自分が恥ずかしくなった……。
あの人とユイさんの息子の、あなたに罰してもらわないと…許してもらえないって…」

…。

シンジ「…頭上げて下さいリツコさん。

あいにく僕ァ、泣いてる女にトドメ刺すような剣は教わっても持ち合わせてもないですよ」ボリボリ

リツコ「…」ポタッ ポタッ

シンジ「それに…お好きになんて色っぽいセリフ言われるにゃ…僕はまだガキすぎますから」ヘラッ

リツコ「待って…!?それじゃ私の気が!?」

ミサト「…リツコ…!アンタ、それこそバカよ…」ギュッ

リツコ「ミサ…ト」

長谷川「赤木さんよォ。いい女ってなァ幸せにならなきゃいけねーモンだ。
アンタまだ若いんだからよ、真っ直ぐに生きるなんざ難しくも何ともねーさ。
…シンジ君の心意気、無駄にしちゃいけねーよ」

リツコ「…。

うっ…うぅっ…ああっ…!」ポロポロ

616: 2010/06/16(水) 01:17:44.64
シンジ「…。

…綾波…」

綾波「…」

シンジ「さっきは…その…」

綾波「碇君…私は」

シンジ「…」

銀時「なあシンジよ」

シンジ「…銀さん?」

銀時「話は難しすぎて半分もわかりゃしなかったがよォ…アレだろ?
オメーの母ちゃんから生まれたんなら、オメーにとってこいつは妹みてーなモンだろうよ」

シンジ「…」
綾波「…」

銀時「それでいんじゃね?」

シンジ「ッハハ…相変わらず単純ですね」

銀時「その方がわかりやすくていーだろが」

シンジ「…ええ、全くもってその通り」

617: 2010/06/16(水) 01:26:28.03
シンジ「綾波、さっきは悪かった。
正直色々な事がありすぎて頭グチャグチャなまんまだけど…

でも、ま…綾波は、綾波だから」

綾波「…!」

シンジ「それでいんじゃね」ニッ

綾波「…」

綾波「」ガバッ

シンジ「っと…!?」ヨロ

綾波「私……碇君の…」

シンジ「…ああ。家族だ」

綾波「…碇君は…兄さん?」

シンジ「ハハ、今さら妹属性持たれても困るかねぇ」

綾波「…」ギュ

シンジ「…よしよし」ナデナデ

銀時「…」ニヤッ

新八「…うん、うん…」ジーン
神楽「…」ニッ
アスカ「…フン」フッ
定春「ワンッ!」

618: 2010/06/16(水) 01:30:40.97


シンジ「そういやリツコさん…肝心な事聞くの忘れてました」

リツコ「…なあに」

シンジ「野郎の目論見です」

リツコ「…」

シンジ「野郎は…碇ゲンドウは一体何をしようとしてるんです」



リツコ「…ネルフの職務も使徒との戦いも、目的の為の手段にすぎないわ。
彼の目的はたった一つ。もう一度ユイさんに」
ゲンドウ「そこまでだ、赤木博士」

!!!?

《市内某所》

加持「よう……遅かったじゃないか」


675: 2010/06/27(日) 00:31:59.85
ゲンドウ「…」


ザザザザッ…

保安部員「…」「…」「…」「…」「…」「…」「…」
ジャキジャキジャキジャキッ

ミサト「やば…!」

リツコ「碇司令…」

シンジ「…出やがったな」

ゲンドウ「碇シンジ、何故ここに居る」

シンジ「うるっせーよ、てめートウジが氏んだなんてハッタリかましやがってこの

まるで
駄目な
おマヌケ野郎

略してマダオが!」

ゲンドウ「…っ…(植え付けた絶望が取り払われている…)」

676: 2010/06/27(日) 00:32:49.67
ゲンドウ「…赤木博士…君の仕業か」

リツコ「…ええ」

ゲンドウ「ダミーシステムを破壊したのもか」

リツコ「そうよ」

ゲンドウ「何故だ」

リツコ「あなたに抱かれても嬉しくなくなったから」

…。

ゲンドウ「…。君には失望した」

リツコ「奇遇ですわね、失望したのは私もよ。だから…望みを彼に託したの」

ゲンドウ「…」ギリッ

…ドクン…

677: 2010/06/27(日) 00:33:22.12
ゲンドウ「侵入者との内通、機密漏洩、重犯罪者・碇シンジの脱走幇助。

葛城三佐と赤木博士、並びにチルドレン二名を拘束。
侵入者は排除しろ」

ヒソヒソ…

ゲンドウ「…何をしている。

…?」




長谷川「…」ドーン

ゲンドウ「…」ドーン




……。えっ?

678: 2010/06/27(日) 00:36:05.00
ヒソヒソヒソ…

エ、ナニアレシレイ?
マジデ?ツカコッチニモシレイインダケド?
ナニアレカゲブンシン?
カゲムシャトカジャネ?
ツカ…ドッチガホンモノ?

ザワザワザワ…

ゲンドウ「…」

長谷川「…(あれ?連中野郎と俺の区別ついてない?
これ……イケんじゃね?)」

679: 2010/06/27(日) 00:36:55.80
神楽「…おいシン坊、なんかスゲー絵ヅラが出来上がったネ」

シンジ「ねぇー…。なんつーか……ねぇー」

銀時「オイオイ話にゃ聞いてたが何あれ?あそこまでモシャスしてっと笑えねーよ…。
もう間違いなく同型機だよ。派生機だよアレ。長谷川Mk-Ⅱだよアレ」

神楽「違うヨ銀ちゃん!もう今はダブルオーの時代ネ。MADA-00マダーオーで決まりヨ」

新八「いや、もう放送終わってるし。
放送終わってていいんなら長谷川アサルトバスターとか」

神楽「そりゃねーナ」

新八「何でだよ!?おかしいですよそんなの!?」

ミサト「そうよ!?せっかくだからファースト長谷川ンとセカンド長谷川ンに」

銀時「それこそねーよゴロ悪すぎんだろ。なんか暮らし安心クラシアンみたいになってんぞ」

新八「…じゃ無難なところでニセモノの長谷川さん…短縮してニセ川さんと呼ぶのはどうでしょう?」

シンジ「いやみんな違うから。アレはマダオの中の頂点に立つマダオの王、略してマダ王だから」

綾波「……っ!っ!」ビクンビクン

アスカ「…ファースト…もうキャラはいいから普通に笑いなさいよ。
ひきつけ起こすまでこらえなくていいわよ」



ゲンドウ「…」イラ

681: 2010/06/27(日) 00:39:19.14
ゲンドウ「何をしている、早く連中を捕らえろっ!」

「は、ハッ!」

ジャキジャキッ

リツコ「…!」
ミサト「クッ…!?」

ズイッ

長谷川(低音)「何をしているお前たち…!誰に銃を向けている!?」

…!?

長谷川(低音)「貴様らに命令を下しているのが偽物だ…!捕らえろ!」

シンジ「長谷川さ…!?」

ゲンドウ「…どういうつもりだ貴様」

長谷川(低音)「貴様こそどういうつもりだ!私の名を語り保安部員を動かすとは何を企んでいる…!」

ゲンドウ「貴様っ…!?」

長谷川(低音)「彼らは私の指示で共に行動しているのだ。この偽物めが!」

ゲンドウ「…」イライラ

682: 2010/06/27(日) 00:40:09.54
ゲンドウ「私だ…私がネルフ総司令の碇だ…!」

長谷川(低音)「いいや私だ!私がネルフ司令にしてシンジのお父さん、碇ゲンドウだ!」



シンジ「…。なんだかなぁ」

アスカ「フフッ、やるじゃないマダオ…!
チャンスよファースト」

綾波「…」コク

684: 2010/06/27(日) 00:42:04.27
アスカ「きゃーなぜか司令が二人いるわー、全く区別がつかないわー(棒読み)」

綾波「どっちがどっちかわからないわ。どっちがほんものなのかしら(棒読み)」

…ザワザワ…

ゲンドウ「!?」

銀時「おいオメーら…!?」

アスカ「私達はシンジを助けるようにこっちの司令に指示されたのに困ったわー(棒読み)」

綾波「このままほんものがどちらかわからないままだと、おたがいこうちゃくじょうたいにおちいってしまうわ(棒読み)」

新八「なんで説明口調?」

綾波「私達が保安部員を混乱させる。今のうち」ボソ

ゲンドウ「レイ…まさかお前も!?」

綾波「…」

ゲンドウ「グッ…!?」

ドクンッ…ドクンッ…

685: 2010/06/27(日) 00:43:03.76
綾波「…碇君がもう……エヴァに乗らなくていいようにする…」ボソ

アスカ「早くシンジを連れて逃げて」ボソ

新八「二人ともっ、ここに残る気…!?」

アスカ「大丈夫、まだアイツはアタシ達を切り捨てられない」ボソ

綾波「碇君をお願い」

銀時「…。

長谷川さんよ、頼めるかい」

長谷川「あ?」

銀時「定春と一緒にシンジ連れて先に行ってくれや。後から必ず追いつく」

686: 2010/06/27(日) 00:44:58.07
シンジ「…ちょっと待って下さいよ」

ズイッ

新八「…道は僕達が開きます」

神楽「サッサと行くヨロシ」

長谷川「本気かよ」

アスカ「アンタら人の話聞きなさいよ!?一緒にアンタ達も逃げろって言ってんの!?」

神楽「ガキがナマ言ってんじゃねーヨすっこんでな」

アスカ「あん?アンタもガキだろが」

神楽「あ?」
アスカ「ああ?」

新八「だからケンカすんなって!?」

ミサト「仲間割れしてる場合じゃないでしょ二人とも!?」

シンジ「つか…なーに勝手に決めてんですかオメーら!?野郎は僕がケリつけなきゃ気が」
グリグリグリ
シンジ「あだだだだだだだっ!!!?」

687: 2010/06/27(日) 00:47:11.69
シンジ「あにすんですか銀さん!?」

銀時「そのザマじゃ足手まといにしかならねーよ。ここは俺達に譲れや」

シンジ「でも!?」

新八「シンジ君、木刀借りるよ」

シンジ「新八さん…!」

神楽「女子供はすっこんでな」

アスカ「いやアンタも女子供…」
ミサト「アスカ!レイ!」
リツコ「ここは任せましょう」
綾波「…」コク

「に、逃がすな!撃t」

神楽「撃ったらァァァ!!!!」
ドパンドパンドパンドパン!!!

「うおぉっ!?」
「あの傘、仕込み銃か!?」
「下がれ、下がれっ!?」

銀時「行くぜ新八ィィィ!!!!」
新八「はいィィィ!!!!」

ズバキィッ!!!

「ぐふぉ!?」
「うげぇっ!?」
「こ、こいつら…!?」

銀時「行けェェェ定春ゥゥゥッッ!!」
定春「ワォォォォン!!!」

ヒョイヒョイッ

シンジ「ちょっ定春待っ!?」
長谷川「ぬををををっ!?定春君引きずってるオジサン引きずってっあだだだだだ!?」
ダダダダッ…!!!!

「い、犬!?」
「でかっ!?つかサードチルドレンと司令(?)が!?」

シンジ「銀さぁぁぁんんん!!!?」

銀時「」ニィッ

688: 2010/06/27(日) 00:49:56.96


ゲンドウ「貴様らっ…一体何者だ…!?」

銀時「おーう、初めましてオトウサンっと。アイツの雇い主だ」トントン

新八「彼を引き取りに来ました…。
シンジ君の家族みたいなもんです」キッ

神楽「シン坊は世話の焼ける生意気な弟分ネ。
それ痛めつけられて黙ってるほど万事屋ファミリーは甘かねーぞコルァ」フンッ

ゲンドウ「…そんなバカげた詭弁に騙されると思うか」

銀時「ああ?」

ゲンドウ「シンジ一人を助ける為にネルフに潜入するなどあり得ん。
答えろ、一体どの派閥の人間だ。ゼーレか、内調か」





銀時「」ニカッ
新八「」ニカッ
神楽「」ニカッ


「「「宇宙一バカな侍だコノヤロー!!!!!!!!」」」

689: 2010/06/27(日) 00:53:24.44
《葛城家リビング》

PEN2「クワ(あんさ、なんつーかさ、なにこの俺の扱い)」

PEN2「クワワ(本当ならさ、遺伝子実験で生まれたとかミサっさんの家族観とかシリアス展開かませたのにさ。俺出番自体ねーじゃん。存在意義ねーじゃん)」

PEN2「クワー…(よそ様のスレはそりゃすごいよ?俺はもちろんラミエルたんだのMAGIたんだのちび三人組だのかわいいキャラ盛りだくさんじゃん?
…それに比べてなにこれ?)」

PEN2「クワッ(あのデカい犬の独壇場じゃん?なんなのコレ?帰っていい?魂のふるさとの温泉に帰っていい?)」

PEN2「…クワ?(…オイ聞いてんのか新入り?つかオメー何?一応ペンギン?ペンギンなの?)」

「…」



っ看板

[どこ、ここ]

690: 2010/06/27(日) 00:55:11.22
《市内某所》

加持「よう…遅かったじゃないか」

?「いや遅かったはこっちのセリフだって!?どんだけ待たされたと思ってんの!?」

加持「スマン、途中でアイアンクロー喰らっていてね」

?「…何、ネルフって専属のレスラーとかいんの?」

加持「いや…まぁ、とにかくこいつを」

っディスク

加持「人類補完計画の詳細、碇司令の目論見、ゼーレの目論見、首謀者キール・ローレンツ議長以下の所在…判った限りの情報を入れてある」

?「はいよ。敵の喉笛に食らいつくためとは言え、副長も沖田隊長もかなり焦れてるからな…。
まあ、これで俺達もやっと動ける。お上も説得してみせるさ」

加持「頼むよジミー」

?「そのあだ名やめてくんない!?言っとくけど俺が地味なのは調査!調査のためだから!
やろうと思えば目立てるからね!?女装でもアフロでもモヒカンでも!?」

加持「いや悪かった。松平のとっつぁんによろしくな」

?「ったく…」タタタ…



加持「…俺が出来ることはここまでか…」

691: 2010/06/27(日) 00:58:24.14
バキィッ

ドサッ

ゲンドウ「…っ」

銀時「…っち、いくらブチのめしてもキリねーなァ」

新八「銀さん、このままじゃジリ貧ですよ!?」

ズドォッ

神楽「次から次へと回転寿司気分ネ」

銀時「絵皿は取るんじゃねーぞ高くつくから」

神楽「心配いらないネ。どいつもこいつも食いでのない色皿ばっかりアルっ!!」

バチコーン





ミサト「凄…!?ネルフの保安部員がまるで歯が立たないわ…!?」

綾波「…当然」

アスカ「アイツら、シンジ一人に引っ掻き回されたのよ。
…そのシンジの身内相手に勝てるわけないわよっ!」

692: 2010/06/27(日) 00:59:49.75
疼く……


ドクンッ


ドクンッ


ゲンドウ「…」ギリッ…!

疼く……!私の最も醜い部分が……!

ドクンッ

ドクンッ

ドクンッ…!


「し、司令!副司令より…!」

ゲンドウ「」ギロリ

「ひっ!?」

ゲンドウ「何だ…」

「はっ、いえ!?副司令よりの連絡が…」

ゲンドウ「…」

693: 2010/06/27(日) 01:00:38.46
ゲンドウ「冬月、今は裏切り者と侵入者の処断に」

冬月『それどころではないぞ碇!すぐに戻れ!』

ゲンドウ「何があった」



ゲンドウ「…なん、だと」

695: 2010/06/27(日) 01:10:54.50
《人類補完委員会》

?「馬鹿な…!?」

?「有り得ぬ…!有ってはならぬ!」

?「よもやこのような事態が…!?」

?「氏海文書を無視できる筈がない!?」

?「だが、事は起こった!有ってはならぬ事が!」

?「キール議長…!このようなシナリオは許されん…!」





議長「…貴様の筋書きか、碇…

ゼーレを裏切る気かっ…!」

696: 2010/06/27(日) 01:12:46.90
《ネルフ本部・発令所》

マヤ「最大望遠で衛星軌道上の目標を確認!
間違いありませんっ!」

メガネ「目標は大涌谷上空にて滞空!パターン青からオレンジへと周期的に変化しています!」

ギター「目標、東海方面より駒ヶ岳に徐々に接近!
ふ、副司令!?」

冬月「…(こんなことが…ゼーレが自らシナリオを無視して送りこんだのか!?)」




《大気圏外・衛星軌道上》

アラエル「…」

《第三新東京市・大涌谷上空》

アルミサエル「…」

《駒ヶ岳防衛線・遠方》

ゼルエル「…」



冬月「使徒が…三体……!」


697: 2010/06/27(日) 01:17:05.11
今夜はここまでです…

どうやらこのSSにも少しずつゴールが見え始めたようで…

果たして男の戦いに繋がるかは次回をお楽しみに。



銀八「はーい、じゃ次は烈海王とアス海王のお二人ー。よろしくー」

708: 2010/06/27(日) 23:42:55.61
《人類補完委員会》

?「議長…!」

議長「うむ…」

?「我等の悲願、ここで潰えるわけにはいかぬ!」

議長「無論」

?「あの、すいません。こちらにこういった生k」

?「ならば!」

?「あの、こういった生き物をご存知ありm」

議長「時計の針を戻すことはできん…」

?「名前はエリz」

議長「だが自ら進めることはできる」

?「ねえ聞いてよ人の話」

議長「こちらも切り札を切らねばなるまい…!」



議長「目覚めの気分はどうだ…?

タブリス…」

カヲル「…」





桂「タブリスじゃないエリザベスだァァァ!!!!」



議長「…誰?」

709: 2010/06/27(日) 23:44:53.87
桂「さっきから何なのだ貴様ら!?人がものを訊ねているのに無視しおって!?
人の話をちゃんと聞けとお母さんに教わらなかったのか!?」

?「な、何者だお前は!?」

?「ここは選ばれた者のみが立ち入りを赦される神聖な場だぞ!?」

桂「む、失礼した。俺は桂。好物は蕎麦だ」

?「何で好物言った?何で?腹でも空かせてるの!?」

カヲル「…蕎麦?」

桂「むっ、少年。ちとものを訊ねるが」
ピラッ

  __
/   \
| ◎ ◎ |
∠ ∈∋ ゝ
|    |
|    |
| __  |
(m) (m)


桂「このような生き物をご存知ないか」

カヲル「…(…使徒?)」

710: 2010/06/27(日) 23:46:47.59
桂「俺の相棒が行方不明になってしまってな。名前はエリザベス、あちこち探し回っているのだが」

議長「…(なんか横に潰れてる)」


カヲル「さあ…僕は目覚めたばかりだから」

桂「…そうか…。
休んでいるところ済まなんだ。では俺はこれで…」

カヲル「あ、待って。心当たりならあるよ」

桂「っ本当か!?」

カヲル「…第三新東京市」

桂「第三新東京市!?そこにエリザベスが!?」

カヲル「多分ね」

711: 2010/06/27(日) 23:47:28.66
桂「ありがとう少年!名を伺っても!?」

カヲル「僕はカヲル。渚カヲル」ニコ

桂「ありがとうカヲル殿!この桂小太郎、受けた恩は決して忘れぬ!」

カヲル「桂、小太郎…ああそうか。

君は僕と同じだね」

712: 2010/06/27(日) 23:50:33.39
桂「ん?同じ、とは?」

カヲル「…」ニコニコ

桂「…!そうかっ!
もしや君もこの脆弱な世に変革を起こさんとする憂国の同志!」

カヲル「うーん…世界を換えるって意味ではそうなるかな」

桂「ならば共にゆこうではないか!いざ第三新東京市へ!」

カヲル「そう?じゃあ…ご一緒しようかな」

議長「待てタブリス…!?」

カヲル「なに?僕は向こうに行かなきゃいけないんでしょう?」

?「そのようなワケの分からん輩に同行するなど許さんぞ!?」

?「ゼーレの目的を!本懐を忘れたか!」

桂「フン、お前たちごときに我らの理想は止められん!

んまい棒……混補駄呪!!鎖羅魅!!猪呼婆!!」

ドフドフッドフッ

?「なっ煙幕!?」

?「ちょっ何この煙幕なんか粉っぽい!?」

議長「なんかおいしい匂いがする!?香ばしい匂いが混ざりあってなんか…エホッエホッ!?変なとこ入ったっ!?」

713: 2010/06/27(日) 23:52:02.34



カヲル「さあ行くよリリンの子、そして僕と同じ桂小太郎」

桂「うむ!この国の夜明けは近いぞ!はーっはっはっはっ!!!!」

タッタッタッタッタッ…


753: 2010/07/09(金) 19:31:02.65
《ダミーシステム開発室》

ゲンドウ「…遊びは終わりだ」

銀時「あん?テメー一人ご帰宅ですかコノヤロー。そろばん塾の時間ですかコラ」

神楽「キックベース途中で帰るアルかコルァ。透明ランナーで続けろいうアルかコルァ」

ゲンドウ「…。

レイ、セカンド。使徒が現れた」

綾波「…!」
アスカ「っ!」

ゲンドウ「2人ともすぐに戻れ。今ならばお前たち全員の行動は不問にする」

アスカ「…他にも条件があるわ」

ゲンドウ「何だ」

アスカ「シンジ達を追わないこと。…こいつら三人も見逃すこと」

754: 2010/07/09(金) 19:32:07.09
ゲンドウ「…。よかろう」

新八「待ってアスカちゃん!?」

アスカ「もうここまでで十分よ…アンタ達にはでっかい借りができちゃったわね。
ここから先は、アタシ達の仕事」ニッ

綾波「ありがとう…碇君に、よろしく」フッ

神楽「まだ野郎の言うこときくアルか青髪ィ!?パチモン!?」

リツコ「使徒を倒さなければ、人類に未来はない……これは事実なの」

ミサト「これ私の車のキー、使って。ぶつけちゃいやよん♪」スッ

銀時「…」

ミサト「ホント、ありがとう坂田さ……ううん。銀さん。

さあ、早く行って!」

755: 2010/07/09(金) 19:35:15.25
銀時「最後までシンジの代理こなさなきゃならねーと思ってたが…

…どうやら俺たちゃお役御免みてーだな。行くぞオメーら」

神楽「銀ちゃん…」
新八「銀さん…」

銀時「…」


タッタッタッタッ…

ゲンドウ「…」

銀時「…また会おーや、オトウサン?」ボソ

ゲンドウ「…!」


タッタッタッタッタッタッ…

756: 2010/07/09(金) 19:38:21.94
《発令所》

冬月「碇何をしていた!?見ろ!」

ゲンドウ「っ…!!」

ゼルエル『…』
アラエル『…』
アルミサエル『…』


ミサト「そんな!?使徒が三体も!?」

リツコ「ありえないわ…!?」

ゲンドウ「…それでも。事実は事実だ」

冬月「…ゼーレが介入したということか?」ヒソヒソ

ゲンドウ「…」

そうか…あれを呼んだのは……私か…!

ゲンドウ「…」フッ…

ゲンドウ「総員、第一種戦闘配置」

ギター「了解。総員第一種戦闘配置!」

ゲンドウ「駒ヶ岳付近の敵を第一目標、衛星軌道上の敵を第二目標、大涌谷上空の敵を第三目標と識別する。
それぞれの状況を知らせろ」

メガネ「第一目標、駒ヶ岳防衛線に侵攻中!
第二目標は衛星軌道上から動きはありません!
第三目標は周期的にパターン青からオレンジへと変化していますが移動する気配はなし!」

ゲンドウ「…葛城三佐、指揮を執りたまえ」

ミサト「…!…司令…」

ゲンドウ「三体中一体でも討ち漏らせば人類に未来はない。君達への処断はすべてを終えてからだ」

ミサト「はい…!

弐号機の用意は!?」

マヤ「セカンドチルドレン、エントリー準備中です」

ミサト「弐号機は侵攻中の第一目標を迎撃!地上への射出、間に合うわね!?急いで!」

757: 2010/07/09(金) 19:40:05.25
ミサト「…リツコ、残る二体をどう見る?」

リツコ「難しいわね…はたして使徒が連携をとるのか、とれるのか…。
或いはあの位置からの攻撃が可能か否か…」

ミサト「…零号機の修理状況は?」

ギター「零号機は左腕の修復を終えていません…」

ミサト「くっ…」

ゲンドウ「レイは初号機で出せ。ダミープラグをバックアップに用意」

…!

マヤ「了解」

ミサト「司令…」

ゲンドウ「サードチルドレンは登録抹消済みだ。問題はない」

ミサト「…っ!

(そうよ…シンジ君にはもう頼れない…頼っちゃいけない…!)」

ミサト「初号機はパーソナルデータ書き換え終了後、第三目標を牽制しつつ弐号機を援護!」


リツコ「…もし第二目標があの位置から攻撃可能なら」

ミサト「その時は、全部パーね」

758: 2010/07/09(金) 19:41:54.03
《初号機・エントリープラグ内》

綾波「…」

『エントリー、スタート』

『LCL電化』

『A10神経、接続開始』

綾波「…ッ!?」

ビーッビーッビーッ!

マヤ「パルス逆流!初号機、神経接続を拒否しています!」

ミサト「そんな!?」

リツコ「…」

冬月「碇…」

ゲンドウ「ああ…レイを、私を拒絶するつもりか」

綾波「…(駄目なのね…もう…。



…良かった…私はもう…人形じゃない)」

759: 2010/07/09(金) 19:42:25.24
綾波「お願い…」

ミサト「!?」

綾波「…零号機の準備を、早く」

ミサト「レイ…!?でも」

ゲンドウ「…よかろう。レイは零号機で出撃。初号機はダミープラグで再起動」

綾波「お願い、します」

ミサト「(自分から率先して意見を…)」

760: 2010/07/09(金) 19:44:13.49
《ネルフ・通路》

定春「ハッ、ハッ、ハッ!」ダダダダダダ

シンジ「…みんな…」

…第一種戦闘配置……繰り返す、第一種戦闘配置……


シンジ「…!」

長谷川「何だ?戦闘?」

定春「ワフ?」

シンジ「…使徒だ…」

長谷川「…使徒って…えいりあんみたいな化け物か?」

シンジ「…。

定春、ありがとう。下ろして」

定春「?」

スタッ

シンジ「長谷川さん…このまま真っ直ぐ進めば外に出られます。定春と先に行っててください」

長谷川「はぁ!?おいシンジ君まさか戻る気か!?」

シンジ「使徒が攻めて来てます。僕が行かなきゃ…」ヨロッ

長谷川「だって、そんな体で…!?」

シンジ「ククッ…ホントですよね……ここまできて何でまだやらなきゃならねーのか……自分でも嫌んなりますよ、ホント」

761: 2010/07/09(金) 19:48:02.29
シンジ「それでも、みんなを…あいつらを氏なせるつもりはねーんです。
もう、目の前のモンは一個も取りこぼしたくねーんです」

長谷川「…」
定春「…」

シンジ「ごめんなさい、じゃ…」

カチッ シュボッ

長谷川「フーッ…。
しゃあねえな。定春君、もっかいシンジ君乗せてやってくれ」
定春「ワン」

シンジ「…!」

長谷川「この期に及んで帰れはナシだ。さ、行こうや!」

シンジ「…。後悔しても知りませんよっ!」

ダダダダ…

762: 2010/07/09(金) 19:49:58.25
《弐号機・エントリープラグ内》

アスカ「…」

キョウコさんの魂も、弐号機の中に…

アスカ「…。

ママ、ここにいるの…?」ポツリ

ミサト「アスカ、これから言うことをよく聞いて!」

アスカ「っ!ええ」

ミサト「弐号機には侵攻中の第一目標を地上で迎撃してもらうわ。
レイには零号機でバックアップに回ってもらうけど、左腕のない状態のまま。まともに戦えるあなたが頼りよ。アスカ!」

アスカ「了解!」

763: 2010/07/09(金) 19:50:31.11
ミサト「初号機は、ダミープラグで起動させ次第戦線に投入するから」

アスカ「…大丈夫よミサト。
シンジが居なくったって、使徒の三体や四体アタシたち二人でお茶の子さいさいよ!」

ミサト「ありがとう…アスカ。


エヴァンゲリオン、発ッ進!」

バシュゥゥッッ

764: 2010/07/09(金) 19:52:26.18
《駒ヶ岳防衛線》

ゼルエル「…」ピカッ

ドーンドーンドーンドーン!!!

ギター「第1から18装甲まで損壊!あ、あの距離から!?」

メガネ「18もある特殊装甲を、一瞬で…」

ミサト「アスカ…!」

アスカ「おいでなすったわね…!」

ゼルエル「…」

《大気圏外・衛星軌道上》

アラエル「…」

ピカーッ……!

アスカ「!?」

765: 2010/07/09(金) 19:54:38.32
ha-llelujah!ha-llelujah!
hallelujah!hallelujah!halle-lujah!

アスカ「あ…ああ!!!?あああああぁぁぁ!!!?」

ミサト「何が起きてるの!?」

マヤ「弐号機、第二目標からの可視光線を浴びています!」

リツコ「敵の指向性兵器なの!?」

ギター「いえ、熱エネルギー反応なし!」

マヤ「ATフィールドに近いものですが詳細不明!
心理グラフが乱れています。精神汚染が始まります!」

ミサト「そんな…使徒が連携を…弐号機を足止めするつもり!?」

リツコ「使徒の心理攻撃…使徒が人の心を知ろうとしているの…!?」

アスカ「あ…あああ…」

ゼルエル「…」スッ

メガネ「第一目標、弐号機脇を通過!」

アスカ「待……ちなさ…」

アラエル「…」

ピカーッ……!

アスカ「イヤァァァァァァ!!!!!?」

ミサト「アスカッ!?
レイ、弐号機の救助を!あの光線を浴びないように気をつけて!」

綾波「了解!」



アルミサエル「…」シューン シューン


グワッ

綾波「!?」

メガネ「第三目標!動きます!」

ミサト「こ、こいつら…!?」

766: 2010/07/09(金) 19:57:13.45
綾波「邪魔を…しないで…!」
ドパパパ…!!


アルミサエル「…」シューン

ズンッ

綾波「ぐっ…!?」

ギター「第三目標、零号機と物理的接触!」

マヤ「零号機を侵食しています!?」

リツコ「使徒が自ら積極的に一次的接触を…!?
心を知ろうとして…いいえ、知らせようとしている!?」

ミサト「初号機の…ダミープラグの準備はまだなのっ!!!?」

「プラグ搭載完了!」

「探査針、打ち込み完了!」

リツコ「シンクロスタート!急いで!」

「了解!」

ビーッ ビーッ ビーッ…

リツコ「何!?」

「パルス消失、ダミーを拒絶!?ダメです!エヴァ初号機、起動しません!?」

リツコ「ダミーを…レイを…」

冬月「受け入れないというのか…」

ゲンドウ「…」

ミサト「何で…!?何で肝心な時に動かないのよぉ!?」

マヤ「弐号機が危険です!精神汚染がYに達します!?」

ギター「零号機!使徒と生体部品の融合度が3%……4%……!」

767: 2010/07/09(金) 19:59:13.68
《第三新東京市・街路》

ブロロロ……

銀時「…くそっ、シンジたちゃどこ行ったんだァ?駅か?」

神楽「…!銀ちゃんアレ!」

キキッ

銀時「いたか!?」

神楽「違うアル!空!」

銀時「ああ?」

新八「…あれって…!?」


アルミサエル「…」シューン シューン


神楽「何かヒモが回ってるアル」

新八「もしかしてあれが…使徒!?」

銀時「…」

ズーン…!

銀時「!?」

零号機『…』

新八「また何か出てきた!って、エヴァですよねあれ!?」

アルミサエル「…」シューン シューン…


グワッ

零号機『…!?』

768: 2010/07/09(金) 20:00:21.37
零号機『邪魔を…しないで…!』
ドパパパ…!!


アルミサエル「…」シューン

ズンッ

零号機『ぐっ…!?』

新八「今の声…あれに乗ってるのってまさかレイちゃん!?」

ブォォンッ

新八「うわっ!銀さん!?」

銀時「…気合い入れろよオメーら」

神楽「おうネ!このまんま引き下がっちゃ、万事屋の名折れアル!」

新八「…まさか、あのデカブツを!?」

銀時「忘れたかぱっつぁんよぉ。俺たちゃシンジの代理やらなきゃなんねーんだぜ?

アイツが護ると決めたモンは、いっこたりとも取りこぼしゃしねえ!!」

ブロロロォォッ…!!

769: 2010/07/09(金) 20:01:54.43
《弐号機・エントリープラグ内》

「痛い!」

「いたい!」

「イタイ!」

「イタイ!?」

アスカ「イヤァァ……私を汚さないで…!?私の中に入ってこないで……!?」

ほうらアスカちゃん?好き嫌いしちゃダメですよぉ?
あそこにいるお姉ちゃんに笑われますよぉ?

アスカ「せっかく…せっかく忘れようとしてたのに…!?」

アスカちゃん、ママと一緒に氏んでちょうだい。

アスカ「こんな…こんなの思い出したくないのにっ…!?」


チガウ…


ううん、私は泣かない!早く大人になるの!

アスカ「う…あ……」

やめろって言ってんでしょう!!!?
どいつもこいつも…!?●●●にいちいち何か押し付けて!?背負わさないと気が済まないの!!!?
さっき言ったでしょ!?私も●●●もただのガキなの!?

アスカ「あ……あ……?」


アスカチャン……

770: 2010/07/09(金) 20:03:14.40
アスカ「あ……あ……!?」

前に綾波にも言ったけどな、女を盾にして陰から撃つなんて性に合わないんだよ、僕は。

アスカ「……やめ……」

あ、ニックネームはアスにゃんな。

アスカ「や……め……ろ……」

みんなに…心配かけてんじゃねーよ、バカアスカ。

アスカ「や、めろ……!?」

…ついて来る気?

アスカ「そ…れに……触るな…!?」

この刀、コイツが届く範囲は、俺の領分だ。土足で踏み入れてみろ。
遠慮なくブッた斬るぞ。

アスカ「それ…は……!?」

肩貸してくれるたぁサービスいいな。

アスカ「それは……!!」

ありがとな。色々。

アスカ「それはぁッ!!!?」

夫婦みたいね、私たち。

弐号機『!』キィィン

ドオオオオォォンンン…!

771: 2010/07/09(金) 20:04:08.97
リツコ「!?」
ミサト「…十字架…!?」




弐号機『ウオオォォォォォォンン!!!!!!』
アスカ「アタシとシンジのものだぁァァッッッッ!!!!!!!?」


792: 2010/07/25(日) 23:00:22.54
弐号機『ウオオォォォォォォンン!!!!!!』



ミサト「…まさかっ……暴走…!?」

リツコ「ついに目覚めたの、キョウコさんが…!!」



冬月「…よりによって弐号機が…!」

ゲンドウ「何故だ…」ギリッ

何故…弐号機なのだ!何故初号機は!ユイは目覚めない!?

ゲンドウ「初号機の起動は!」

ミサト「碇司令…!?」

「ダ、ダミープラグ拒絶!」

「だめです、反応ありません!」

ゲンドウ「続けろ!もう一度108からやり直せ!」

ミサト「(焦ってる…?)」

リツコ「(…不様ね)」

794: 2010/07/25(日) 23:03:15.20
ギター「弐号機、使徒の可視光線を侵食!精神攻撃を押し戻しています!」

マヤ「せ、先輩!?弐号機のシンクロ率が!?」

リツコ「!?」

マヤ「100、120、140…!?信じられません!?シンクロ率が150%を超えました!?」

リツコ「いけない!?アスカ、それ以上は!?」

弐号機『オオオオォォォォォォ!!!!!!!?』

アスカ「…」

795: 2010/07/25(日) 23:04:07.46
キイィィンンン

ミサト「あれは…!?」

アスカ「…」

キイィィ……ンン…!!

アスカ「覚悟…しなさいよね…!」

弐号機『ウウウゥゥゥ…!!!!』ギュッ

アスカ「アンタは…」

ブゥンン…!

リツコ「ATフィールドがあんなはっきりと!?実体化…物質化している…。
まるで…」


アスカ「…踏み込んじゃいけないとこに土足で踏み込んだ…!?」


冬月「ロンギヌスの槍を模したのか!?」

ゲンドウ「…!」

リツコ「…いえ…あの形状は…」



ミサト「…刀!?」

796: 2010/07/25(日) 23:06:00.62
チャキッ

アスカ「地獄に」

弐号機『!』ブゥンンッ

アスカ「堕ちろぉぉぉぉぉぉ!!!!!!?」

ザォンッッ!!!!



《大気圏外・衛星軌道上》

アラエル「!」

スパァァァァァァンンン

ズルッ…

アラエル「……!?」

ギュルンッ

797: 2010/07/25(日) 23:07:53.27


「第二、目標……撃破…」

リツコ「斬撃で…使徒を」

ミサト「凄い……」



アスカ「…ッ…!ハァッ…ハァッ………

…ざまあ……見なさい……」

アスカ「乙女心、覗き見て……ただで済むわけないでしょ…クソ天使…!」

グラッ

ズーン…

799: 2010/07/25(日) 23:14:38.43
ミサト「あ、アスカ!っ?」

アスカ「…んなでっかい声出さなくても…聞こえてるわよ…」

ミサト「…良かった…」

「パイロット、シンクロ率下降!心理グラフ平常値へ!」

「精神回路へのダメージ確認!」


アスカ「……。
さっきの声、もしかして……。

…!ミサト、弐号機を回収して…!まだ一仕事も二仕事も残ってんでしょ…!?」

ミサト「アスカ、その前にレイの救出を……!

…へっ!?」

アスカ「…!?ファースト!?

…はあっ!?」

802: 2010/07/25(日) 23:18:18.18
《???》

誰?

…。

私。エヴァの中の私


いいえ、私以外の誰かを感じる。

あなた、誰?

『…』

…使徒?私たちが使徒と呼んでいる人?

『私と一つにならない?』

いいえ、私は私。あなたじゃないわ。

『そう。でもだめ、もう遅いわ』

…!


グググググ…

803: 2010/07/25(日) 23:21:10.49
『私の心をあなたにも分けてあげる。この気持ち、あなたにも分けてあげる』


ッ…!

『痛いでしょう?ほら、心が痛いでしょう?』

痛い…いえ、違うわ…。
寂しい…そう、寂しいのね。

『サビシイ?分からないわ』

一人が嫌なんでしょう?

私たちはたくさんいるのに、一人でいるのが嫌なんでしょう?

それを、寂しいというの。

『それはあなたの心よ。
悲しみに満ち満ちているあなた自身の心…痛っ』

……?
痛がっているのは、私?あなた?

『ちょっ、ちょっと待っ痛っ。
なんか痛い。心だけじゃなくて体が痛い』



「だありゃあァァァ!!!?」

ボコォーン!!



綾波「…ハッ!?」

804: 2010/07/25(日) 23:22:31.18
銀時「食らいやがれうどん野郎ォッ!!!!」

ドゴォォンン!!

新八「レイちゃんを離せェェェ!!!?」

バシィーン!!

神楽「青髪を…離すネサナダムシぃぃぃ!!!?」

ボグシャァッ!!

綾波「…あなた、たち…!?」


《ネルフ発令所》

全員「」ポカーン…



ミサト「あにやってんのォ銀さんんんん!?」
リツコ「使徒を、素手で…」ポカーン

ミサト「ちょっとそこの三人ッ!?使徒に通常攻撃は!?」メガネ「効いてます…」

ミサト「…。へ?」

メガネ「使徒の生体反応、弱まってます…」

リツコ「…ATフィールド…は?」

マヤ「零号機に侵食している為か、発生が安定していません!?
それをあの三人が無理矢理…」

リツコ「あ、有り得ないわ…有り得ないはずなのに…」クラッ

ミサト「…あ、あはは…!」


銀時「夏場の食欲ねー時においしくいただかれてーかコルァァァァ!!!?」

新八「生姜醤油でツルッといかれたいかコラァァァ!!!?」

神楽「虫下し飲んでケツからズルズル引きずられたいかゴルァァァァ!!!?」

805: 2010/07/25(日) 23:29:57.75
アスカ「…」

アスカ「…プッ…!アッハッハッ…!」

アスカ「弐号機、一時撤退!リフト準備を!」

ミサト「あ、アスカ!?」

アスカ「ファーストは大丈夫よ…アイツらがついてるもの!!早くっ!!」

806: 2010/07/25(日) 23:34:00.76
綾波「駄目…!このままじゃあなたたちを巻き込んでしまう…!
私のことはいいからお願い、逃げ…」

銀時「バカヤロォォォ!!!!簡単にあきらめてんじゃねェェェ!!!?」

綾波「…!」

銀時「オメーにもしものことがあったら!!シンジに合わせる顔がねーんだよッ!!!」

新八「がんばってレイちゃん!?こんなのすぐひっぺがしてやるからっ!!!?」

神楽「一人で戦ってるつもりアルか青髪ィ!!こんなギョウ虫みんなでかかれば何でもないネ!!
みんな一緒でないと…みんな一緒に帰らないと意味なんてないアルッ!!!」



綾波「あ…」

ただ自分の手の届く範囲に…守れるものがあるなら守ってやりたいって…

そんなことを教わったんだよ、恩人に。

綾波「…い、かりく…」


綾波「……りたい…」ポタッ


綾波「私……みんなのところへ帰りたい…!」ポタポタッ

807: 2010/07/25(日) 23:36:59.65
ビュゥゥゥゥ……

《第三新東京市・ビル屋上》



?「チッ…思ったより被害が出てやがるな。

…衛星軌道上の一匹はこっちの連中が片付けたか。手間が省けたぜ。あとは?本命が地下に潜ってザコが交戦中、と…。
フン、わざわざ来た甲斐が、って……ありゃあ……。


あいつらっ…!?何でこんな所に!?」

ダッ…!!

808: 2010/07/25(日) 23:40:20.67
《初号機ケージ》

シンジ「の、乗せて下さい!僕を…僕をこの初号機に乗せて下さいっ…!」ヨロヨロ

作業員A「あ、あんたら…!?」

長谷川「ゼェ、ゼェ……。
は、早くしろォ!?パイロット様がわざわざ戻って来てんだ!?」

作業員B「あ、アンタ司令のニセモノなんだろう!?騙されな…」

シンジ「いいから乗せれらァァァ!!!?ぶち殺されたいのかテメーらァァァ!!!?」

定春「ガルルルル…!」

作業員B「ひっ!?」

作業員A「し、しかし司令の許可もなく!?サードチルドレンは登録抹消されt」
長谷川「!」

バキッ!

809: 2010/07/25(日) 23:41:14.91
作業員A「ぶっ!?」

長谷川「バッカヤロォォォ!?ンな事言ってる場合じゃねーだろうがァァァ!!!?規則守って命守れねーでどうすんだ!?
そんなにテメーの立場が大事か!?だったら責任は俺が取ってやらァ!?」

作業員B「は、はぁ!?」

長谷川「よーく聞け!オメーらは、俺と野郎の区別がつかなったんだよ!?
上の命令なら問題ねーんだろォ!?」

作業員A「!?あ、あんた…」

810: 2010/07/25(日) 23:44:00.05
シンジ「長谷川さん…!」

長谷川「…いざって時に戦えねーヤツァ負け犬以下だ。戦う為の牙も持ち合わせちゃいねーんだからな。
シンジ君は牙を取り戻して戦おうとしてんだよ!それをテメーらごときが足引っ張ろうなんざヘドが出らぁ!
男は!牙がある限り最後まで戦わなきゃならねェ!それが!

マジェスティック
ダンディーな


略してマダオだ…!」

…!

作業員A「…マ、ダオ…」

長谷川「…」

作業員B「…っ!」

作業員A「了解しました…!エントリープラグ準備!」

作業員B「パイロットデータをサードチルドレンに!急げ!」

作業員C「早くしろ!間に合わなくなっても知らんぞーー!!」



長谷川「…へっ、いちいち世話のやける奴らだ。なあシンジ君?」

シンジ「まあ、一時のテンションに身を任せると大抵ロクなことにならないんですけどね」

長谷川「やめてくんない!?カッコつけたのに昔のこと混ぜっ返すのやめてくんない!?」

811: 2010/07/25(日) 23:46:33.27
綾波「…!」グスッ



「零号機、プログナイフ装備!」

綾波「ごめんなさい…私はあなたとは一つになれない。

出て行って……私から、出て行って」

綾波「私は…帰るの」

綾波「みんなのところに…碇君のところに…!」

綾波「だから、あなたとは一つにはならない!」

アルミサエル「…」シューンシューン

ズブゥッ

アルミサエル「…!?」

綾波「私から、出て行ってっ!」

ギリギリギリ…

ズリュッ

綾波「つっ…!」

メガネ「零号機!生体融合部分を切断!」

ギター「使徒の侵食、切り離しました!」

リツコ「レイ…!」

812: 2010/07/25(日) 23:50:22.21
銀時「ぃよっしゃあ!」

神楽「あとはコイツブチのめせば終わりアルな!」

アルミサエル「…!」シューン

ビッタンビッタン!!

綾波「…!危ないよけて!?」

神楽「!?」

ドオッ!

神楽「ぐぅっ!?」

銀時「っ!?神楽ァ!?」
新八「神楽ちゃんっ!?」

神楽「(しまっ…!?)」


ガシッ


神楽「!?」

?「…フン、だから半人前の娘よそに預けるなんざ気が進まねーんだ。
大丈夫か、神楽」

銀時「っ!?」
新八「あ、あなたは!?」

神楽「…パピー!?」

ハゲ「オウ。久しぶりだな」ニッ

814: 2010/07/25(日) 23:51:52.84
ハゲ「…」

ハゲ「ちょっと待て何だこの名前表記ィィィ!!!!ケンカ売ってんのかコラァァァ!!!?」

神楽「現実から逃げんなヨ。銀魂でハゲゆったらオメーしかいねーだろハゲが」

ハゲ「コラッ!お父さんに向かって何てこと言うんだコラッ!
いいか神楽ちゃん、お父さんだって好きで無くなったわけじゃないぞ!?
この年の男は油断するとすぐ毛根の女神がへそ曲げるんだよ!実家に帰ってそのまま別居から離婚の流れなんだよ!?」

銀時「いやいや、アンタは普段の気構えからなってなかったんじゃねーの?
どこぞのホームドラマでもいってたじゃん?ハゲてもハゲられるなって」

ハゲ「黙れ天パァ!!お前みたいな若僧に何がわかる遺伝子からねじ曲がったお前にぃぃ!?
オメーは天パっても天パられんなァァァ!!!?」

天パ「あんだコルァ!?俺ァ生まれてからこっちずーっと天パと一緒ですよコルァ!?
生まれた時から悲しみ背負ってんだよ健やかなる時も病める時も天パりっぱなしなんだよ!?」

綾波「…」

アルミサエル「…」シューンシューン

815: 2010/07/25(日) 23:54:24.19
新八「…。あの…星海坊主さんも銀さんもとりあえずあとにしませんか。今それどころじゃ」

ハゲ「すっこんでろ小僧ぉ!?コイツぁ触れちゃならねー部分に触れやがった!」

天パ「男にゃ譲れねー一戦があんだよ男の戦いが!?」

新八「無理矢理サブタイねじ込もうとすんな!?」

アルミサエル「…」シューン

グワッ

綾波「あの、危な…」

ドッゴオオォォォ!!!!

天パゲ「「邪魔すんなぶっとい冷や麦ィィィィィィ!!!!!!!!」」

アルミサエル「!?」

ヒュルヒュルヒュルズーン…

816: 2010/07/25(日) 23:57:26.60
綾波「…強い。

…けど、滅茶苦茶」

神楽「パピーも銀ちゃんもあんなもんアル」ホジホジ

新八「何ていうか…ごめん。ホントごめん」



銀時「チッ…んで?何でアンタがこっちにいんだ」

星海坊主「フン、仕事に決まってんだろ。アレを狩りに来たんだよ。
お前らこそ何でここにいる」

銀時「あーアレだ、ガキどもの夏休みの自由研究でな。ちょうど珍しい生き物がいたからよ」

星海坊主「ククッ、そーかい」



銀時「んじゃ話は早ェな。細けー事ァ」ニカッ

星海坊主「このきしめん野郎を標本にしてからだ…!」ニタッ

850: 2010/08/13(金) 09:54:05.16
《前回までのあらすじ》

こんばんは、葛城ミサトです。
突然ですがネルフ発令所の空気がザ・ワールドです。

銀時「だあぁぁぁ!!!!」
星海坊主「ぬおおぉぉぉ!!!!」
新八「でやあぁぁぁ!!!!」
神楽「うごォォォ!!!!」

…ありのまま今起こっている事を話すと、生身で使徒と戦ってる連中がいます。
何を言っているかわからないと思いますが、私にも何が起こっているのかよくわかりません。頭がどうにかなりそうです。
催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてないもっと恐ろしいものの片鱗を味わっています現在進行形で。

シンジ君の恩人という時点でただ者ではないとは思っていましたが、人類ですらない可能性が出てきました。

ミサト「リツコ…なにあの汎用人型決戦兵器…。
…リツコ?」

リツコ「…」スパー

どうやら友人の科学者は目の前の事実を認めたくないのか、タバコを逆さまにくわえて鼻から煙を吹く練習を始めました。
リツコ今は仕事中だ。

リツコ「ンフッゲフッ!?」

あ、失敗した。

851: 2010/08/13(金) 09:55:03.54
銀時「オラアッ!!」
星海坊主「フンッッ!!」

ブンッ

アルミサエル「!」キイィィンン…!

スタッ

星海坊主「チッ、また妙なバリア張りだしやがった」

銀時「おまけにチョコマカチョコマカと逃げ回りやがる」

神楽「グネグネ柔らかいせいでイマイチ決め手に欠けるアルな」

新八「何とか動きを止めないと…!」

零号機『…任せて』ズイッ

新八「レイちゃん!?」

852: 2010/08/13(金) 09:55:31.07
アルミサエル「…」シューンシューン

綾波「…同じ手は二度と食わない」

綾波「このごんぶと野郎」ボソッ

アルミサエル「…!」シューンシューン

グワッ

綾波「…っ!」

ガシッ

アルミサエル「!?」
綾波「つか、まえた…!」

853: 2010/08/13(金) 09:56:09.73
アルミサエル「!」ジタバタ

零号機『逃がさない…!』ブンッ

零号機『ふんぬ!』

ビッターン!!!!

ミサト「ちょっとリツコッ!?今『ふんぬ!』って言ったわよあの子!?何か叫びながら使徒叩きつけたわよあの子!?」

リツコ「感情豊かになったわねえ」スパー

零号機『…!』キイィンンン!!

マヤ「零号機、ATフィールド展開!」
メガネ「使徒のATフィールドを中和!」

綾波「……お願い…今のうちに…!」グググ…

854: 2010/08/13(金) 09:59:14.12
銀時「上出来だぜ。後は任しときな!行くぞオメーらァァァ!!!?」ダッ

神楽「オウネ!!ぶちかますアルッ!!」ダッ

星海坊主「テメーが指図してんじゃねえ…!!」ダッ

新八「ありがとうレイちゃん!これでっ!」ダッ


銀時「コイツで…終ェだァァァ!!!!」

「「「「うおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!?」」」」

ズドォッッ…!!!!!!!!

アルミサエル「!!!?」

ビシッ…ミシッ…ミシミシッ……

855: 2010/08/13(金) 09:59:52.65
綾波「…ごめんなさい」

綾波「私は、私たちが生き残るために」

綾波「あなたを、頃すわ」

ビキビキビキビキッッッ……!!!!

アルミサエル「!!!!」

綾波「さようなら…私と同じだったヒト」

ぶっっっちんんっっっっっっっっっっ

星海坊主「伏せろぉぉぉ!!!!!!!?」
綾波「ATフィールド全開…!」

ドオオオオォォォォォンン…!!!!






「…やなみ…」

「…っかりし…」

「綾波…!」

シンジ「綾波!」


…碇……君?

856: 2010/08/13(金) 10:00:53.08
《零号機・エントリープラグ内》

銀時「オイしっかりしろ綾波!?」

綾波「あ…」

神楽「良かったアル気がついたネ…!」

新八「大丈夫?ケガはない?」

銀時「ホレ、コレは何本に見える?」

星海坊主「…」ドン

綾波「…毛がないわ。0本、レイだけに」キリッ



綾波「…(///)」

857: 2010/08/13(金) 10:02:14.13
銀時「あー…ウンまあ…大丈夫みてーだな」

メリメリメリメリ

星海坊主「何がよーしだ、あ?微塵も大丈夫じゃねーよテメェの命がな…#」ブチブチブチッ

銀時「いだだだだ!?ちょっ離せっつか何抜いてんだぁぁぁ!?八つ当たりかコノヤロー!?」

新八「れ、レイちゃんもホラ…その辺のアレな感じは僕たちが出すからさ。無理して上手いこと言おうとしなくても…。
ただでさえキャラ崩壊激しいSSだし」

綾波「…ごめんなさい…こんな時どんな顔をすればいいかわからないの…」シュン

神楽「とりあえず笑っとけ笑っとけ」

綾波「!」

新八「…?どうしたの?」

綾波「…みんな。

おつかれ、さま」ニコッ

858: 2010/08/13(金) 10:07:23.27
新八「…へへっ」

銀時「いい顔で笑えんじゃねーか」

神楽「おつかれさんアル、青髪」ニカッ

星海坊主「…。(それにしてもあの人型兵器…それに、この娘…)」



星海坊主「それでオメーら。何でこの件に首つっこんでる?」

銀時「あー…シンジの親父がちょっとなァ。
実家に帰省したら親父がマダオになってた上に、表向きその防衛システム潰す仕事をやってんだよ。
あいつァそれに巻き込まれてエヴァに乗って戦わされてた」

星海坊主「…あのモヤシみてーなガキがか」

神楽「モヤシ馬鹿にすんなヨ。モヤシ三日たてば爆盛りして見ろアル」

新八「男子三日たてば刮目!モヤシてんこ盛りにしてどーすんの!?」

神楽「モヤシ三日も放置したらヒゲぼーぼーネ。シン坊だってヒゲもアレもモジャモジャで見違えるアル」

新八「おいィィ!?女の子がモジャモジャとかゆったらダメェェェ!?」

ギャーギャー

綾波「…」

星海坊主「なあ嬢ちゃん、アンタ使徒と似た匂いがするな。いったい何者だ」

綾波「…!」
銀時「おいハゲ!?」

星海坊主「…」

綾波「…私は、使徒から産まれたから。魂は第弐使徒リリスだったから」

星海坊主「!?」

綾波「今は人間、綾波レイ」

星海坊主「…あと一匹本命が残ってる。
移動しながらでいい、詳しく聞かせてもらおうか」

859: 2010/08/13(金) 10:10:44.31
《ネルフ発令所》

ミサト「勝っ…ちゃった…生身で…」

ギター「零号機は大破、使用不可能なレベルです!」

メガネ「使徒の爆発を零距離で押さえ込みましたからね…」

リツコ「…」スパー

ミサト「あ、あはは…あははは…!
よ、良かった良かっt」

ドオオオオォォォンンン
グラグラグラ…

ミサト「な、何!?」

「第一目標、ジオフロント内に侵攻っ!?」



ミサト「…うわやべっ、一番ヤバいやつ忘れてた」ボソ

リツコ「…(ダメだこいつ早く何とかしないと)」

860: 2010/08/13(金) 10:11:34.16
ゼルエル「…」カッ

ドォォォォンン…!!

ギター「第三基部に直撃!」

メガネ「最終装甲版融解!」

ミサト「まずいっ!?メインシャフトが丸見えだわ!?」

ギター「目標はメインシャフトに侵入、降下中です!」

ミサト「目的地は!?」

メガネ「そのままセントラルドグマへ直進しています!」

ミサト「ここに来るわ…!総員退避!急いでっ!」

ビーッビーッビーッ

メガネ「総員退避!繰り返す、総員退…!」

ドゴォォンン!!!!

ゼルエル「…」

861: 2010/08/13(金) 10:12:25.25
…っ!?

ゼルエル「…」ピカッ

ドバアァァンン!!!!

ゼルエル「!?」グラッ…

『ひとおぉぉぉつ!!!人の世天使をかたりィ!!』

ミサト「エヴァ、初号機!?」
ゲンドウ「!?」

バキィッ!!

『ふたぁぁぁつ!!不埒な悪行三昧!』

冬月「まさか…!?」

ドゴォッ!!

『みぃぃぃぃっつっ!!!醜い浮き世の使徒をォォォ!!?』

ズリズリズリズリズリ

ゼルエル「!?」


シンジ「月だか天王星だかに代わっておしおきじゃあァァァァ!!!?」

ミサト「はr…シンジ君っ!?」

リツコ「今なに言いかけた?」

862: 2010/08/13(金) 10:13:10.28
ズリズリズリドーン
シンジ「ミサトさんッ!!」

ミサト「っ!!5番射出急いでっ!?」

バシュゥッ!!!!
ガリガリガリガリガリガリ…!!!!

ゼルエル「!?…!?」
シンジ「ぐううううう…!!!!」

ドクン…

シンジ「う…るせえ…!!」

《ジオフロント》

ヒュウゥゥゥ……ズーン

シンジ「ぬぅうおおおぉぉぉ!!!!」

バシッ、バシッバキィッ

ドクン…ドクン…ドクン…
!!

シンジ「黙れっ…さっきっからボソボソと…!すっこんでろ!」

《エレベーター内》

マヤ「これって!?」

リツコ「どうしたの?」

マヤ「初号機のシンクロ率が…!?全く安定していません!?」

ミサト「どういうことよ!?」

マヤ「メチャクチャなんです!?100%を超えそうになったり、二桁を切るまで落ち込んだり!?」



シンジ「今さら……」

ユイさんは、エヴァ初号機の中にいるの。

エヴァには魂が…心があるの。あなた達のお母さんの。

シンジ「今さら…どうしろってんだっ…!」

863: 2010/08/13(金) 10:16:33.03
《司令室》

冬月「目覚めるか…!?」

ドクン…ドクン…

ゲンドウ「…」

お前の力はそんなものか…

ゲンドウ「もっとだ…」

立て…そして痛めつけろ…!
ヒトならざる者の力を見せてみろ、ゼルエル!

ドクン!!ドクン!!!ドクン!!!!

ゼルエル「…!!」

864: 2010/08/13(金) 10:18:22.07
ゼルエル「!!!!」ピカッピカッ

ドバンドバンドバンドバン!!!!

シンジ「ぐわ、ぶ!?」

何だ、こいつっ!?いきなり動きが良くなりやがった!?

ゼルエル「…」グググ…

シュゥゥゥ…

シンジ「…再生…!?嘘だろオイ!?」

ゼルエル「…」シュル…

シンジ「…?(…布?)」

ゾッ…

シンジ「ッ!!!!」サッ

ゼルエル「…」シュルンッ!

スパン…ッ…ブシュゥゥゥゥゥゥ………

シンジ「がっ……!?」

865: 2010/08/13(金) 10:19:09.05
シンジ「ぐ、ううぅぅぅ………」


ミサト「ハァ、ハァ…!し、シンジ君!?」

マヤ「初号機の左腕が!?」


シンジ「クソ、野郎が…!?
腕一本ぐらいくれてやらァァァ!!!?」


マヤ「初号機、マゴロクソード装…」

ゼルエル「…」シュルッ

バキィィィ…ンン

シンジ「!?」


メガネ「マゴロクソードが…」

ギター「…折れた…」

シンジ「…。オイオイ、これヤバ…」

ザグッッッ


初号機『…』ダラン…

866: 2010/08/13(金) 10:21:25.77
リツコ「…」

マヤ「初号機、機能停止…。
活動限界です…予備も動きません…」

ミサト「そんな…シンジ、君」

ゼルエル「…」ガイン!!ガイン!!ガイン!!ガイン!!

シンジ「」

867: 2010/08/13(金) 10:22:20.75
冬月「…碇?」

ゲンドウ「…」ニヤリ

そうだ、それでいい…!
さあ、目覚めろユイ!このままではシンジが氏ぬぞ!お前の大切なシンジが!

《初号機・エントリープラグ内》

ガイン!!ガイン!!ガイン!!ガイン!!

シンジ「…」

ざまァないや…カッコつけて戻って来て…返り討ちかよ…

エネルギーは切れた…

腕一本…切り落とされた…

刀…も…

シンジ「…」

シンジ「刀……」

シンジ「…なら…まだ、あるぜ……とっておきのがもう一本…!」ニィッ

ザォンッッッ

ゼルエル「!?」ブシュッ

ゴロンゴロンゴロンズーン……

!?

弐号機『…』

リツコ「エヴァ弐号機!!」

ミサト「アスカッ!!アスカが間に合ったっ!?」

アスカ「…」

868: 2010/08/13(金) 10:23:30.46
シンジ「…へっ、やりゃ出来んじゃねーか……天才…」

カクン…




ミサト「アスカ!早く使徒にトドメを!?アスカ!?」

弐号機『…』

ミサト「…アスカ?」

869: 2010/08/13(金) 10:27:10.14
初号機『』

弐号機『…』スッ

ナデナデ

アスカ「…」

アスカ「戻ってくるような気がしてた」

アスカ「あんた、バカだから」

アスカ「本物のバカだから」

アスカ「宇宙一のバカだから…」

アスカ「…でしょ?」

初号機『』

アスカ「ね」

アスカ「返事、してよ」

アスカ「宇宙一バカな、本物の、お侍、さん」

初号機『』




ママ、お願い

力を貸して

私はどうなってもいい

シンジを護るための力を

あの野郎を頃すための力を

アスカ「」スゥッ…




アスカ「ゥああああああああアアアアアアアアァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!」

ドクン…

870: 2010/08/13(金) 10:27:35.46
戻ってきてくれたのね

もう会えないと思っていたわ

ありがとう

私に気づいてくれて

さあ

いらっしゃい

もう一度、私の中に




お帰りなさい、アスカちゃん

871: 2010/08/13(金) 10:30:06.98
《残酷な天使のように》

弐号機『ゥアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!』グググググ…

バキィン!バキィンン!

リツコ「拘束具が!?」

メガネ「拘束具!?」

リツコ「そうよ。あれは装甲板ではないの。エヴァ本来の力を私たちが押え込むための拘束具なのよ」

リツコ「その呪縛を自らの力で…アスカ…キョウコさん…」

ゼルエル「!」シュルンッ

弐号機『…』キィインンン

ゴゴゴゴゴゴ………

ゼルエル「!?」

マヤ「背中から…」

ギター「十字の羽…いや、腕なのか!?」

リツコ「ATフィールドをあんな形に発生させるなんて…」

メガネ「あれじゃあまるで…」


…使徒…


ミサト「あ、れは」

872: 2010/08/13(金) 10:30:42.12
《ミサトの回想・15年前の南極》

「…」

「…。お父さ…」バシュッ




「…」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ………



ミサト「セカンドインパクトと同じじゃない!?」フルフルフル…

ゼルエル「…!?」ズズッ…

メガネ「使徒が、怯えてる」

マヤ「そんな…!?弐号機のシンクロ率、400%を超えています!?」

リツコ「アスカ、あなた…ヒトを捨てる気!?」

ミサト「リツコ!?あのままじゃ、あのままじゃアスカが!?」

873: 2010/08/13(金) 10:33:05.60
リツコ「…私たちにはもう、弐号機を止める事は…」

ミサト「そんな!?」

弐号機『アアアアアアアアアアアアァァァァァァ……』
ゼルエル「!!!!」ブシュゥッ

メガネ「…羽根で串刺し…」
マヤ「ウッ…」

リツコ「あれはもう、ヒトの域を超えつつある…使徒に近づいてしまっているわ」

ミサト「ふざけないで…!?アスカが使徒になんて…使徒って一体何なのよォッ!?」

リツコ「…」

874: 2010/08/13(金) 10:34:28.49
《どうやらパピーも何か知っているようです》

タッタッタッタッ…

星海坊主「こっちの連中は天使だ何だ騒いでいるようだが、んな大層なモンじゃねえ。
…地球産のえいりあん亜種ってとこだな」

新八「はぁ!?この星にあんな化け物が!?」

神楽「やっぱりえいりあんアルか」

星海坊主「厳密に言や、人間のなり損ないだ」

綾波「…」

銀時「オイオイ冗談だろ?あんな化けモンが人間だってのか?」

星海坊主「…向こうにとっちゃ、お前ら人間のほうが自分たちのなり損ないかも知れねーぜ」

銀時「どういう意味だよ」

875: 2010/08/13(金) 10:35:04.29
リツコ「…人類は、本当なら生まれる筈のなかった第拾八使徒…氏海文書にはそう記されているそうよ」

ミサト「人類も、使徒…!?
あいつらは一体何する気なのよ!?サードインパクトって!?」

リツコ「…全ての生命の融合」

ミサト「は…?」

876: 2010/08/13(金) 10:35:32.11
星海坊主「…以前、別の星で似たタイプのに出くわしたことがあったが…俺がたどり着いた時にはもう手遅れだった」

神楽「そのソードインパルスが起こっちまったアルか?」

新八「いや…サードインパクトね。
それで、その星は…」

星海坊主「…。

星一つ、みんな仲良く取り込まれてた。
わかるか?動物も、植物も、生き物全て一つになった単色生命体…星そのものが巨大なスライムだ」

銀時「…」

星海坊主「ヒデーもんだったぜ…あん時は結局星ごと潰す羽目になったが…」

星海坊主「連中の厄介なところはただ補食するだけじゃねえ。
対象の心にも寄生する。まるで神か悪魔かのような扱いを受ける。星の自己防衛システムとしちゃよくできてらァ。
そいつが外敵に反応して目覚めちまったんだろう」

新八「外敵、って…。

そうかっ!?天人の襲来!?」

877: 2010/08/13(金) 10:36:36.64
星海坊主「直接のきっかけはターミナルだろうな。アレをおっ立てたせいで龍脈の…星の流れが完全におかしくなっちまった」

銀時「…(そういやあった気がすんな。攘夷戦争ん時に妙な津波騒動が)」

星海坊主「話戻すぞ。はんたー協会の話じゃあ連中に取り憑かれた…スライムになりたがってるカルト集団がいるらしい」

878: 2010/08/13(金) 10:37:13.12
リツコ「それが人類補完委員会…そしてゼーレ」

ミサト「…」

リツコ「全ての生命が一つに…それこそヒトの完全な形だと信じているのね」

ミサト「狂ってる…!」

リツコ「そうよ。そしてそれは碇司令も同じ。
ただユイさんに、もう一度会いたいがために」

879: 2010/08/13(金) 10:40:44.73
ゲンドウ「何故だ…!?何故だ!?」ガンッガンッ

冬月「落ち着け碇…」

ゲンドウ「落ち着いていられるかっ…!?弐号機を依り代にするわけには!?」

冬月「…だが」


弐号機『…』
ゼルエル「!?」ジタバタ


冬月「事態は取り返しのつかないところに来ているようだ…」

ゲンドウ「…!S2機関を自ら取り込む気か…!」

880: 2010/08/13(金) 10:45:32.59
弐号機『ヴッ…ヴッ…ヴッ…』

ねえ、今の気分はどう?

ねえ、あんたたちには感情は

心はあるの?

弐号機『…』ギリッ
ゼルエル「!?」

どう、怖い?

ゼルエル「!!!?」ジタバタ

怖いのね

さんざんシンジを痛めつけておいて

ホント、いい気味

さあ

どうしてやろうか

弐号機『…』ジッ

そうだ

こいつを

こいつを貪り食おう

これでもかというぐらい無様に、下品に!

全てカタがつく…!!

私の気も晴レル

S2機関モ手ニ入ル

私ノ腹モ膨レル!!!!!!!!

弐号機『…』ガァッ!!





イタダキマス

881: 2010/08/13(金) 10:46:17.69
『ダメ…』

!?

『ダメよ…アスカちゃん』

ドウシテ!?

『それ以上は…ヒトに戻れなくなっちゃうわ』

…ママ…

882: 2010/08/13(金) 10:46:51.02
《魂のルフラン》

『よーく聞いて…アスカちゃん』

『あなたには大切な友達が…護りたい人が…

大好きな男の子ができたんでしょう』


『自分のためじゃなくて、誰かのために戦えるようになったんでしょう?』

『だったら、ダメよ』

『あなたは、みんなのところに』

『…帰らなきゃ』


『もう、ママがいなくても大丈夫ね?』

883: 2010/08/13(金) 10:47:17.79
『…ゴメンね』

『ママはもう、あなたと一緒にいられない』

『あなたとお話しすることも』

『あなたにごはんを作ることも』

『あなたを抱きしめることもできない』


『でも、せめて』

『アスカちゃんの大切なものは、ママが護ってあげる』

『アスカちゃんを困らせるやつは、ママがやっつけてあげる』

『だから、お別れ』


『ありがとう、私の娘に産まれてくれて』

『ありがとう、私を母親にしてくれて』

『もう一度、あなたを産んであげます』


『さようなら』

『アスカちゃん』




バシゥゥッッ

884: 2010/08/13(金) 10:48:47.32
マヤ「ATフィールド反転!?コアが押し潰されます!?」

ゼルエル「!!!!!!!?」
弐号機『…』ニッ

カッ

ドオオオォォォォォォォォォォォォ………



ミサト「…」

リツコ「…」

マヤ「…」

メガネ「…自爆…」

ミサト「…ア……アスカァァァァ!!!?」

マヤ「…」

リツコ「アンチATフィールド…使徒を内側に取り込んだまま…」

ガシッ

リツコ「っ!?ミサト!?」

ミサト「何で…何でなの…!?何で…!!」ブルブル

リツコ「…」

マヤ「…使徒…弐号機の反応…共に…。
…!?
いえ!?エントリープラグ反応あり!?」

!?

マヤ「自爆直前に射出されたようです!パイロット…生きてます!」

ミサト「場所はっ!?」

893: 2010/08/13(金) 22:05:51.83
《初号機ケージ・そのころあの人は》

シュボッ

長谷川「ふーっ…」

作業員A「…静かになりましたね」

長谷川「終わったのか?」

作業員B「…かもしれません」

長谷川「…うっし」パンパン

長谷川「これでアンタらもメンツは立つだろ。あとは俺を捕まえるなりなんなり好きにしな」



作業員A「全員、集合!」

ゾロゾロゾロ

作業員A「敬礼!」

全員「「「「お疲れ様でした!“碇司令”!」」」」

長谷川「オメーら…!?」

作業員A「早く行って下さい、マダオさん…!」

作業員B「貴男には、男の戦いを教わりました!」

作業員C「マダオ!貴男がナンバーワンだ!」

長谷川「…」

長谷川「すまねえ…!」タッタッタッタッ…

894: 2010/08/13(金) 22:06:43.77
作業員A「マダオ万歳!」

作業員B「お気をつけて!

マジェスティック!
ダンディーな!
男!

略してマダオに栄光あれ!」

作業員C「男たちよマダオであれ!」

マーダーオ!!マーダーオ!!マーダーオ!!







タッタッタッタッタッタッ……

長谷川「…(…何でだろ…何か…イマイチ嬉しくない……)」

896: 2010/08/13(金) 22:08:12.06
《銀さん一行もジオフロントに到着していたようです》

ドオオオォォォォォォォォォォォォ………

星海坊主「…!」

新八「…アスカ、ちゃん…!?」

アスカ「パチモンんんん!!!?」

銀時「…クソッ!?」

綾波「そんな…!?」


星海坊主「…オイおめーら。手ェ引くんなら今しかねーぞ」

銀時「あ?」

星海坊主「こっから先は、まともな神経で立ち入れる場所じゃねェって事だ」

銀時「へっ、バカ言ってんじゃねーよハゲ。ここまで来て引き下がれるか。今さら何が起ころーとびびりゃしねーよ。
オメーの方こそびびってんじゃねーの?」

星星海坊主「ああ?誰に物言ってんだ天パ。この星海坊主様が何にびびるってんだ頃すぞ」

銀時「いやいや、そうやって強がってんのがいかにもごまかしてますって感じじゃない?
別にお前のことなんて何とも思ってないんだから勘違いしないでよねー的な?」

星海坊主「ああ!?調子に乗ってんじゃねーぞ誰がツンデレだ!?んなことあるわけねーだろ!?」

神楽「え、何アルかお前ら?二人は実は仲良しアルか?悟空とベジータばりにライバル関係アルか?」

897: 2010/08/13(金) 22:12:26.91
星海坊主「ちょっやめろ神楽ちゃん!?お父さんは昔っから夜兎族孤高のエリート戦士…アレ?俺ベジータ?
いやいやいやそれはない!?」

銀時「オイオイ冗談キツいぞ神楽ァ!?何で俺がこんな脂ぎったオッサンベジータとライバル関係!?
どーせだったらピッコロさんのがいいんですけどォ!?」

神楽「二人ともムキになるのがかえって怪しいアル。

アッチッチ~アッチッチ~、パピーと銀ちゃんアッチッチ~♪」

天パゲ「「ちょっやーめーろ!やーめーろーよー!?」」

新八「…お前らはもう精神と時の部屋から出てくんな」

898: 2010/08/13(金) 22:13:46.59
クイクイ

新八「…どしたのレイちゃん」

綾波「…。何か降ってくるわ」

新八「え…

アレ…何かこっちに…ちょっとみんな!?」

銀時「よーし!じゃ先にびびったほうが負けだかんな!?」
星海坊主「上等だ!?吠え面かかせてやらぁ若僧が!?」

ヒュルルルル……ドォォンンン!!

天パゲ「「たわばぁぁぁァァァ!!!?」」

899: 2010/08/13(金) 22:14:18.03


銀時「…」パンパン

星海坊主「…」サッサッ

銀時「いや…今のは違うよ…びびるっていうか?びっくりしたってだけだし…びびってないし。なァ?」

星海坊主「ああ…びびるの質が違うし…そういうびびるとは違うアレだし…つかびびってないし。なァ?」

神楽「わかったわかった、もうどっちでもいいよクソが」

新八「いい加減にしろお前らァァァ!?それよりこれェ!?
エントリープラグでしょコレ!?」

綾波「…02…!?弐号機の!?」

900: 2010/08/13(金) 22:17:17.68
《弐号機・エントリープラグ内》

アスカ「…うぇっ…うええっ………ママ…ぁ…」ポロポロ

プシュゥッ

綾波「…セカ…!?」

新八「アスカちゃん大丈夫!?」

銀時「しっかりしろオイッ!?何があった!?」

アスカ「ママが…えぐっ……」

銀時「あ…?」

アスカ「ママが…ママが、護ってくれた…」



綾波「…」

アスカ「ママが助けてくれなかったら…私…!本当に化け物になってた…!」

アスカ「私の…私の代わりに…!アイツを…!」

アスカ「私を…!もう一度……産んで…!うわあぁぁぁぁぁんんん…!!!!」ポロポロ…

神楽「…」

901: 2010/08/13(金) 22:18:38.40
神楽「…ホレ、顔上げろヨ」

アスカ「…ふっ…えぐっ…?」

フキフキ

アスカ「んっ…」

神楽「下向いたまんまじゃ涙拭けねーアル」

アスカ「…」

神楽「オイアスカ…お前の母ちゃん、泣いてたアルか。笑ってたアルか」

アスカ「…。

笑って、た。泣きながら、笑ってた…」

神楽「なら、お前も笑えヨ。
私のマミー言ってたネ。最後に笑って逝けたならそれ上々の人生って。お前が泣きっぱなしじゃ、母ちゃん心配して逝けないまんまアル」

銀時「…。
オメーは…母ちゃんの“魂”受け継いだんだなァ…。
うらやましいぜ。俺ァ欲しかったよ、そんな立派な母ちゃんが…」

アスカ「…たま、しい…」

新八「…大丈夫だよアスカちゃん。その涙が…魂があれば。
また一つ、強くなれる」

アスカ「…」

綾波「…」ギュッ

アスカ「ファース…」

綾波「…大丈夫…あなたのお母さんは…最後まで幸せだった。
ね…そうでしょ、アスカ…」

アスカ「…」

アスカ「…レイ…」

アスカ「…私」

レイ「…お帰り、アスカ」ギュッ

アスカ「…うん…ただ、いまっ…!」ギュゥッ

902: 2010/08/13(金) 22:22:19.81
《ミサトさんたちと合流したようです》

ミサト「アスカ、アスカぁ!?」ギュムッ

アスカ「んむっ!?ちょっとミサt…」

ミサト「良かった…良かったぁ…!」

アスカ「…もう…」

リツコ「…」フッ

キョロキョロ

銀時「…いねーなシンジのヤツ」

神楽「ホントどこ行ったアルか」

新八「あの…シンジ君を見てませんか?」

リツコ「…シンジ君は初号機の中よ」

新八「ええ!?」

リツコ「私たちを助けるために戻って来てくれたのね…今救護班が回収に向かっているわ」

新八「シンジ君…」

銀時「ったく、どーりでいねーハズだぜあのヤロー」

アスカ「シンジは…シンジは無事なの…!?」

ミサト「リツコ…」

リツコ「ええ…」

prrrr…ガチャ

リツコ「私よ。サードチルドレ…いえ、シンジ君は無事?」

『それどころではありません赤木博士!そちらでは確認していないのですか!?
退避!退避ぃっ!』

リツコ「…は…?」



初号機『…』グググ…

ムクリ…

904: 2010/08/13(金) 22:23:40.19
…!?

ミサト「…何で…何で初号機が立ってるの…!?」

初号機『…』

マヤ「初号機…再起動…」

リツコ「パ、パイロットの状況は…?シンジ君が動かしてるってことは…」

マヤ「…」カタカタ…

マヤ「…ダメです、データほか一切の回線が開きません…!?」

初号機『…』ガキン

初号機『…ォォオオォォォ……オオォォォ……』



ミサト「あれ……暴走?」

ギター「それにしては…」

リツコ「…あまりにも弱々しい……」

アスカ「あれって…」

銀時「…」

神楽「何か…泣いてるみたいアル……」

ミサト「エヴァが…泣いてる?」

初号機『オオォォォ…ォォォオオオオォォォ……!』


ズーン ズーン ズーン…

新八「移動し始めた…」

銀時「…どこ行く気だ?」

綾波「…もしかして」

905: 2010/08/13(金) 22:24:34.64
《メインシャフト直上・セントラルドグマへの大穴》

初号機『…』

ミサト「あれって、使徒があけた…」

初号機『…』

ミサト「!?地下のアダムのところへ降りる気!?」

星海坊主「っ!?おいアンタ、アダムとリリスの場所知ってんのか!?」

ミサト「え、ええ…このネルフ本部の最奥部に…」

リツコ「は!?ミサトあなた…もしかしてリリスの事を言ってるの!?」

ミサト「え?…リリス…って?」

リツコ「あの地下の巨人よ!」

ミサト「は!?アレってアダムじゃないの!?加持がアダムって…」

リツコ「…リョウちゃん!肝心なところで間違えてるじゃないっ!?
あれはアダムじゃなくてリリス!?」

星海坊主「細けェ事ァ後だ!?母体のオスメスは間違いなくここにあるんだな!?」

リツコ「え、ええ…リリスは地下に、アダムは…おそらく碇司令が所持している」

星海坊主「案内しろっ!このまんまじゃ全員スライムなのはわかってんだろ!?」

ミサト「そういえば司令と副司令は…?



…ていうかオジサン誰?」

906: 2010/08/13(金) 22:28:13.62
《司令室》

初号機『…オオォォォ…』

冬月「ついに…ついに、ユイ君が…」

ゲンドウ「…」ガタッ

冬月「…碇、どこへ?」

ゲンドウ「ユイのところへだ」

冬月「…まだ最後の使徒が残っている。ゼーレも直接動き出すだろう。
それに、欠けている要素が余りに多すぎる…それでも今行くのか?」

ゲンドウ「ユイが目覚め、リリスに向かった今しかチャンスはない。
問題ない…最後のシ者は、すぐそこまで来ている」



バラララララララ…

《ヘリ内部》

カヲル「…?」

桂「む?どうしたカヲル殿?」

カヲル「ううん、ちょっと呼ばれた気がしただけだよ、桂さん」

「桂さん!間もなく第三新東京市上空…あれは!?」

桂「どうした!」

「街に火の手が!?かなりの規模です!?」

桂「何だと!?」

カヲル「…始まってるんだな」

桂「戦か…?とにかく、急いでくれ!」

「はっ!」

バラララララララ…

907: 2010/08/13(金) 22:29:09.39
新八「星海坊主さん…さっき言ってたアダムとリリスって…」

星海坊主「アダムとリリスは使徒の母体…オスとメスだ。
2つを潰さなきゃまた同じことの繰り返しだ」

神楽「ブラストインパルス起きるアルか」

新八「いや無理矢理すぎるでしょその間違い。原型とどめてないじゃん!?」

星海坊主「あの人型が向かった先がリリスなら…厄介なことになりかねねェ」

銀時「どーやら、もう一仕事しなきゃならねーらしいな」ボリボリ

星海坊主「フン、やっぱりついて来る気かよ」

銀時「シンジのやつがあん中に入ったまんまだからなァ」

神楽「デスティニープラン起こさせるわけにはいかないネ」

新八「おいィィィ!?なんか間違いの方向おかしなことになってんぞぉ!?」

アスカ「私たちも行くわよ」

綾波「…」コク

星海坊主「…好きにしな」

908: 2010/08/13(金) 22:30:43.02
ミサト「総員、第二種警戒配置。みんなにそう伝えて」ジャキッ

メガネ「葛城三佐も行かれるのですか!?」

リツコ「青葉君、日向君、マヤ。あなた達は第二発令所の準備を」

マヤ「先輩も!?」

リツコ「MAGIの損傷を確認、回線を第二に回して。何かあった時はすぐに使えるように」

ギター「りょ、了解…!」

銀時「…(アレ?何だこのロン毛の声?なんか無性にイラッとくんだけど。無性にたたっ斬りたくなるんだけど?)」

ギター「…?あの、何か?」

銀時「いや、何かちょっと俺の中の獣がのた打ち回った気がして」

ギター「え?」

銀時「何でもねーよ。
よーし行くぞオメーらァ!!もうそろそろここらでお終ェにしようや!!」


ゲンドウ「冬月先生」

冬月「…」

ゲンドウ「あとを頼みます」

冬月「…本気なのだな。
ユイ君と会えるよう、祈っている」




シンジ「(何だ、これ…?どこだ、ここ…?
エントリープラグ?初号機の?でも誰もいない…僕もいない…)」

シンジ「(何だこれ…何だこれ…何だこれ…?

…よくわかんないや…)」


909: 2010/08/13(金) 22:36:19.91
はい、そんなわけで何かエヴァっぽい感じで進んだわけですけどね。
やっぱりアレだね、エヴァの引力マジパネェということでね。

さんざん引っ張ってアレだけどもうちょいお付き合い下さい。

912: 2010/08/13(金) 23:26:28.92
とにかく乙

914: 2010/08/13(金) 23:37:59.89
あの…ホント…ちょっと…優しくしないで…
…泣きそうに…なるから……

あとアレ…アレだから…残り少ないから控えるとか気にしないで…感想とか…雑談とかあると…心の安定計れるから…遠慮なく…

もう次スレ考えてるから…エピローグとかおまけとか……色々…

な、泣いてねーよ!?泣くわけねーじゃんバッカじゃねーの!?
お、俺ダチ待たせてっし…おまけ書く作業あるから…行くわ

916: 2010/08/13(金) 23:45:46.72
《おまけ》

沖田「ふぁ…ふぁ…ふぇ…

ぶえっくしねェェェ土方ァァァ!!!!」ヒュウンッ

土方「なんでだァァァ!!!?」



沖田「チッ」

土方「てめっ総悟ォォ!?オメー何いきなり斬りかかってんだああ!!!?」

沖田「いやぁすいやせん、何かムカっ腹の立つ噂された気がしてつい抜いちまいやした」

土方「くしゃみついでに殺されてたまるかァァァ!!!?」






寝ます

934: 2010/09/01(水) 01:19:25.56
《次スレ予告》

「女ァ盾にして陰から撃つより、女の盾になるほうが楽ですから」

半年に及ぶ戦い

ゲンドウ「よく…よく目覚めてくれた…ユイ」

遂に、完結

銀時「ずいぶんとやっすい魂だ。
テメェも…テメェの女房もな」

【最終章突入……!】

ゲンドウ「フ…父か…。
だがあいにくだな。
私は、父親としてシンジを愛しいと感じたことはない」

シンジの父、碇ゲンドウ

新八「あんたそれでも人の親かよ!?」
神楽「マダオ名乗る資格もないクズヤローが…!?」

その目的が明らかに…

綾波「…嫌…いや…!?」
アスカ「レイ!?」
リツコ「あなたって男は…!?」
ミサト「っ!このっ!」パァンッ パァンッ

サードインパクトは起こってしまうのか

初号機に囚われたシンジの運命は

万事屋ファミリーは

銀時達の“魂”の行方は!?

侍達の最後の勇姿、しかとその目に焼き付けろ!


【ゲンドウ「そうだ。久しぶりだなシンジ」シンジ「…長谷川さん?」4スレ目】鋭意執筆中!

935: 2010/09/01(水) 01:20:37.92
そして…


長谷川「あ、危ねえッ!!!?」ドンッ
綾波「!?」

ガッ…!

パリン…

銀時「はっ…!?」

カツン…カランカラン……

銀時「長谷川さァァァあんんん!!!?」



―――さらば、マダオ

936: 2010/09/01(水) 01:21:48.48
銀時「ってなわけだけどさ」



シンジ「…オイ何ですかコレ。何で予告編とか作ってんですか。何で予告編までパクってんですか」

神楽「終わる終わるサギまでパクってるネ。やりたい放題アル」

シンジ「つか、そもそもこんなん書いてる暇あったら本編書けって話でしょ」

新八「しかもアレ…最後の何?長谷川さん氏ぬの?」

銀時「その辺はアレだよ、本編をお楽しみにだよ」

新八「いやだからその本編さっさと書けって!?」

銀時「それなんだけどさ…ちょっとマズいことになっててさァ」

神楽「何アルか?ここにきて休載のお知らせアルか?冨樫リスペクトアルか?」

銀時「今までだって冨樫よりはなんぼかマシ程度だろ。
そうじゃなくって…」

937: 2010/09/01(水) 01:26:10.95
銀時(赤い人風)「『今計算してみたが、最終章突入の最中にレス数不足でこのスレは落ちる、貴様らの頑張りすぎだ!』」

銀時「ってな具合なんだよ」



シンジ「要するに…このスレのラストまでに終わらないんですね」

銀時「そういうこった」

新八「ちょっとどうするんですか!?まだ70は残してるんですよここ!?」

銀時「あ~…んじゃアレだ。
せっかくだからみなさんへのお礼とかさんざん待たせてるお詫び代わりってことでな。
ゲストをお呼びしようと思いまーす」



シンジ「…今思いついたろコラ」

938: 2010/09/01(水) 01:35:36.71
シンジ「本編ほったらかしてお詫びて…」

神楽「誠意のカケラも見えねーヨ。ただやりたいだけじゃねーのか」

新八「つーかコレもうSSでも何でもなくね!?」

銀時「細けェ事ァいーんだよ。本編じゃまともに出てねーヤツも多いしなァ」

シンジ「…。で、誰が来るんです?」

銀時「はーい、ゲストはこの方でーす」



>>940

新八「って安価かいィィィ!!!?」

940: 2010/09/01(水) 01:37:20.92
監督

942: 2010/09/01(水) 01:50:42.22
エリザベス「…」[え?]

銀時「はーい紹介しまーす。ゲストの監督こと高m…エリザベスさんでーす」

新八「エリザベス先輩ィィィ!!!?」

シンジ「…この発想はなかったわ」

神楽「何でエリーアルか。どう話広げろいうアルかふざけんなヨ>>940」

新八「神楽ちゃんんん!?安価取った人にケンカ売っちゃダメぇ!?」

エリザベス「…」[ひどい]

シンジ「僕ァてっきり女性陣から来るもんかと。月詠さんとか九兵衛さんとか劇場版の眼鏡っ娘とか」

銀時「バッカオメー世の中そんなに甘かねーんだよ。なんやかんやでオメーも工口展開希望してんじゃねーか」

エリザベス?「いい加減にしろよお前ら」

943: 2010/09/01(水) 01:57:19.97


新八「…。すいまっせーん」

銀時「マジすいまっせーん」

神楽「すいませんっしたー」ホジホジ

シンジ「劇場版銀魂DVD発売決定おめでとうございまーす」


エリザベス?「…(ペッ)」スタスタ

944: 2010/09/01(水) 02:03:49.05
新八「…行っちゃいましたけど。監督…じゃなくてエリザベス先輩」

神楽「やっぱりグダグダネ。どーするアルかこの空気」



シンジ「…もっかいやっときますか」

銀時「…次はうまくいくかもしれねーしな」

新八「まだやんのかよ…!?」

銀時「はーい次はコイツなー」

>>946

946: 2010/09/01(水) 02:05:37.58
源内

947: 2010/09/01(水) 02:17:50.07
平賀「オイ銀の字!今ここに俺の名前間違えた馬鹿が来なかったか!」

銀時「はーい紹介しまーす。指名手配犯でーす」

平賀「てめ、年寄りの古傷えぐって楽しいかコラッ!?」

シンジ「あー、お久しぶりです源内さん」

平賀「源、外、だ!?テストで間違っても知らねーぞクソガキッ!?」

銀時「ま、ジジイの出番はさすがにねーしなァ。ちょうどおあつらえむきじゃねーか」

シンジ「一応、>>1の構想の候補にはあったみたいですけど」

神楽「マジでか」

シンジ「たまさんと一緒にMAGIのハッキング対策とか。結局ボツったそうですが」

948: 2010/09/01(水) 02:31:08.77
平賀「オメーら何の話してんだ?」

銀時「あー気にすんな」

神楽「オサレも真っ青のどーしようもないウンコの話アル」

平賀「何だかわからねぇが…俺はもう行くぞ?」

新八「え、行っちゃうんですか」

平賀「オウ、昔っからのダチ公がこないだぶっ倒れて入院してんだ。今からちょいと見舞いにな。
じゃあな!」

ズカズカ

※>>1は青野武さんの復帰を心待ちにしています





シンジ「…行っちゃいましたけど」

神楽「…」

新八「…銀さん、さすがにもう」

銀時「次ラストー」

新八「えええまだやんのォ!?」

シンジ「もーどうにでもなれっての」

>>950

950: 2010/09/01(水) 02:50:41.13
お妙さん

951: 2010/09/01(水) 07:34:26.80
お妙「うふ、ご指名ありがとうございます」

銀時「はーい紹介しまーす。銀魂のラスボスぶほぉ!?」グシャッ

お妙「もう銀さんたら。呼び出しておいてそんな意地悪言うなんて相変わらずなんだから。
で?誰がなんですって?」ニコ

銀時「ラスボスどこの騒ぎじゃねーよ隠しボスだよコイツ…。
エスタークも老山龍も3ターンかからず葬れるよこのメスババコンガ」

ゴグシャ

銀時「」チーン

シンジ「あーよかったー!ようやくキレイどころのゲストが来ましたね!」ダラダラ

お妙「あらシンジ君。しばらく見ないうちにずいぶん口が上手になったじゃない?
でもダメよ?その年から女の子を喜ばせることを覚えるなんて」

シンジ「いえいえぇ!?お妙さんは本当キレイですよ!



…(とりあえずの見てくれは)」

お妙「今何か思わなかったかコラ」

シンジ「あ、バレちゃいました!?僕がもう少し大人だったら迷わずお妙さんに求婚しちゃうのになァなーんて!?」ダラダラダラ

お妙「もう…年上をからかわないの?」

近藤「いやいや、シンジ君もなかなか女性を見る目が出来てきたようですな!
だが!お妙さんは譲らんぞ!」



お妙「何してんだテメーは…あ?」メキメキメキメキメキ

953: 2010/09/01(水) 08:16:36.62
近藤「いや、あの……なんか楽しそうな感じだったんでつひ…」ヒクヒク

シンジ「お妙さん…近藤さんの顔色が極彩色なんですけど」ダラダラ

新八「…姉上、もうその辺で。近藤さんの頭が潰れます」

お妙「大丈夫よ新ちゃん。たかがメインカメラをやられただけで近藤さんは落ちないわ」ニコリ

新八「姉上ぇ!?人類はモビルスーツにはなれませんよ!?
近藤さんはコアファイターだけで脱出とかできませんから!?」

神楽「さっすがアネゴかっけーアル」



近藤「ハッハッハッ、いやお見苦しいところを失礼!」

シンジ「いや見苦しくない時ないじゃないですかアンタ」

近藤「ところでシンジ君!まさか君がお妙さんを口説きにかかるとは予想外だった!
俺と君とは今日から恋敵同士というわぶげぶっ!?」グシャッ

お妙「てんめぇいい加減にしとけやゴルァァァァ!!!?呼ばれたの私だっつーのに何しゃしゃり出て来てんだあああぁぁぁ!!!?」ミシミシミシミシ

近藤「ちょっ待っお妙ざん!?首…極まっ……離れ……」コキャ



新八「」

シンジ「…。

新八さん。何か…近藤さんがジオングみたいな感じに」

新八「え、何が?近藤さんは出会った当初からジオングだったじゃない?」ダラダラ

シンジ「見なかったことにする気かオイィィィ!!!?
殺人幇助か!?姉の犯罪全力でスルーかコラァ!?」

新八「シンジ君、キミが何を言っているのかわからないよ」パリン

シンジ「何でメガネ割った!?何も見てない意思表示かよズルいよ汚いよ!?」

954: 2010/09/01(水) 08:23:41.49
お妙「逃げちゃ駄目よ新ちゃん、シンジ君。自分の敵から…いいえ、己自身から」

新シン「「アンタが逃げろォォォ!!!?いややっぱ逃げちゃ駄目だ自首して下さいシンちゃんのお願いです!」」

ギャーギャー

神楽「…銀ちゃん。いつも通りのグダグダアルよ。こんな時どうすればいいアルか」

銀時「…」ムクリ

銀時「笑えば…いいと思うよ…」

神楽「…」

神楽「…」ニカッ

銀時「…」ヘラッ




近藤「…」チーン


おわり

955: 2010/09/01(水) 08:25:54.45
遅すぎる自分を許せなくてやった。
お礼にも詫びにもなってない気がするがまあそれはそれ。


書いてはいます…書いてはいるんです…本当お待たせしてすいません…。

957: 2010/09/01(水) 12:26:45.25

お妙さんカワイイよお妙さん

引用元: ゲンドウ「そうだ。久しぶりだなシンジ」シンジ「…長谷川さん?」実質3スレ目