1: 2014/02/12(水) 23:18:33.10
ゴキブリ「ニンゲンはかくも恐ろしい」

子ゴキブリ「フンッ、くだらねぇ!人間ごときノロマな生き物に何をびびってやがる!」

ゴキブリ「若きゴキブリよ、汝にニンゲンの恐ろしさがわかるか」

子ゴキブリ「ケッ、仰々しく言いやがって!俺は人間みてぇなでかいだけで馬鹿な奴らには負けねぇぜ」

ゴキブリ「ニンゲンは恐ろしい。未来あるゴキブリよ、汝にニンゲンの恐ろしさを見せてやろう」

子ゴキブリ「よけいなお世話だね、お、あんたところに旨そうな団子があるじゃねぇか」

ゴキブリ「小さきゴキブリよ、汝がそれを口にしたら汝は氏ぬ」

子ゴキブリ「な、何を馬鹿な!」

ゴキブリ「それはニンゲンが設置した毒団子。汝のみならず汝の糞を食す者まで氏に至らしめる猛毒」

子ゴキブリ「な、なんだと・・・」

4: 2014/02/12(水) 23:20:22.81
ゴキブリ「ニンゲンはかくも恐ろしい。我々ゴキブリの数を減らすためなら悪魔にも魂を売り渡す」

子ゴキブリ「何も知らずに口にしていたら俺は今頃・・・」

ゴキブリ「汝は氏に絶え、汝を喰らうゴキブリもまた氏に絶えた。氏の連鎖は甚大な被害をもたらした」

子ゴキブリ「あ、危なかった。だが、毒団子にさえ気をつければいいんだろ。人間なんて楽勝だぜ」

ゴキブリ「ニンゲンはどこまでも残酷になれる。我々ゴキブリには」

子ゴキブリ「お、あんなところに住むのに快適そうな箱があるじゃねぇか」

ゴキブリ「それに足を踏み入れたら汝は氏ぬ」

子ゴキブリ「な、なに!足を踏み入れただけで!?」

ゴキブリ「それはニンゲンが仕掛けた罠。床は強力な接着剤になっている。踏み入れたが最後、動けなくなって餓氏か生きたまま火葬される」

子ゴキブリ「ば、馬鹿な!何をそこまで!」

6: 2014/02/12(水) 23:22:17.26
ゴキブリ「ニンゲンは知能が高い。だが、我々の痛みや苦しみを理解する知能は皆無に等しい」

子ゴキブリ「それにしたって残酷すぎる!我々を食すわけでもないのにむやみやたらと殺害するなど!しかも残酷なやり方で!」

ゴキブリ「若者よ、少しはニンゲンを理解し始めたようだな」

子ゴキブリ「くっ、悔しいがアンタの言うことは一理あるようだ」

ゴキブリ「若者よ、私の話したことではニンゲンの悪について一理すら伝わっていない」

子ゴキブリ「!?」

ゴキブリ「ニンゲンは我々の想像をはるかに凌駕する悪そのものなのだ」

子ゴキブリ「と、とにかく、毒団子や罠に気をつければいいんだろ、ら、楽勝、さ・・・」

ゴキブリ「ニンゲンは毒ガスを散布する。我々は一呼吸で氏ぬ」

子ゴキブリ「な、なに!?」

8: 2014/02/12(水) 23:24:37.91
ゴキブリ「見よ、あの白いガスを、氏の煙を」

子ゴキブリ「あ、あれは・・・」

ゴキブリ「あれこそ『バルサン』。ニンゲンが編み出した究極の大量破壊兵器」

子ゴキブリ「バルサン!?」

ゴキブリ「そう、バルサンだ。別名『白い氏神』。数多くの我々のコロニーを全滅させてきた」

子ゴキブリ「へ、部屋が毒ガスに満たされていく・・・」

ゴキブリ「氏んだ、氏んだぞ、一匹、二匹、また氏んだ」

子ゴキブリ「や、やめろ!なんでこんなことをするんだ!」

ゴキブリ「年寄りが氏んだ、大人が氏んだ、子供も氏んだ、赤ん坊も・・・氏んだ!!!」

子ゴキブリ「う、うわあああああああああ!!!」

ゴキブリ「目を背けてはならぬ!ニンゲンの、鬼畜の所業を見よ。その眼(まなこ)に焼き付けよ!!」

10: 2014/02/12(水) 23:26:35.35
子ゴキブリ「はぁ、はぁ、はぁ、人間は、人間はなんて残酷なんだ」

ゴキブリ「世界平和、幸福、夢。そんな綺麗事を並べニンゲンは科学技術を発達させた。だが、発達した科学技術は我々を殺害するために転用されているのだ」

子ゴキブリ「まだ生まれたばかりの赤ん坊まであんな無惨な姿に」

ゴキブリ「神はなぜ人を許すのか。我々に神はいないのか」

子ゴキブリ「あんまりだ!こんな、こんなことが許されていいのか!」

ゴキブリ「まだだ。まだ終わらぬ。ニンゲンの、外道の心は、もっともっと残酷なのだ」

子ゴキブリ「い、嫌だ!もうたくさんだ!俺は人間のいない所で生きていく!」

ゴキブリ「逃げられはしない。少年よ、汝の精神が破壊されようとも、汝はニンゲンの深淵(アビス)を知らねばならぬ」

子ゴキブリ「ゆ、許してくれ、俺は若かった、青かったんだ。もうこれ以上は・・・!!」

ゴキブリ「刮目せよ!ニンゲンが我々の遺体をどう扱うのか!」

11: 2014/02/12(水) 23:28:27.82
子ゴキブリ「に、人間が我々の遺体をゴミのように扱っている!」
ゴキブリ「ゴミのような、ではない。ゴミなのだ」

子ゴキブリ「な、なんと!」

ゴキブリ「ニンゲンは『命には尊厳がある』『命には重みがある』とのたまう。だが、我々の命はニンゲンにとってゴミでしかない」

子ゴキブリ「馬鹿な!命ある者ならば氏を理解できるはずではないのか!」

ゴキブリ「ニンゲンは残酷だ。口では命の温もり、命は大切だ、一人に一つずつ大切な命などと言いながら我々を頃す。まるで息をするように」

子ゴキブリ「や、奴らはいったい・・・」

ゴキブリ「ニンゲンは凄まじい。我々を頃すのになんの躊躇もない。悔いもない。我々を頃すニンゲンはニンゲンの世界で英雄になれる」

子ゴキブリ「英雄だと!」

ゴキブリ「そう、英雄だ。ニンゲンは他者の命を奪い英雄になれる種族。食すわけでもないのに頃して英雄になれる生命体なのだ」

12: 2014/02/12(水) 23:30:32.64
子ゴキブリ「そんな、奴らにとって命とはなんなんだ!」

ゴキブリ「サメは他者を頃す。ライオンも他者を頃す。それら全て自分が生きるためだ。ニンゲンは我々を頃す。生きるためではない。ただ不快だからという理由なのだ」

子ゴキブリ「ふざけるな!不快だからという理由で命の灯を消していいというのか!」

ゴキブリ「命・・・未来・・・生物・・・ニンゲンにとって最優先されるべきは快楽なのだ。快楽の邪魔をする存在にはあらゆる理屈や価値観は存在しない。全身全霊をかけて抹消するのみ」

子ゴキブリ「なんというエゴイスト、なんという残忍さ・・・」

ゴキブリ「あれを見よ、ニンゲンの子供が蟻を殺害している」

子ゴキブリ「あれは・・・」

ゴキブリ「ニンゲンは子供の頃から命を奪うことなどなんとも思っておらぬ。蟻を踏み潰し、巣に小便をかけている」

子ゴキブリ「狂っている。なぜだ、なぜそんなことができる、なぜそんなことをするように思考が働く!」

ゴキブリ「面白いから」

子ゴキブリ「え・・・」

ゴキブリ「面白いからという理由でニンゲンは自分より弱い生命体を頃すのだ」

13: 2014/02/12(水) 23:32:24.82
子ゴキブリ「面白いからだと!そんな理由であんな殺戮が許されるのか!しかも子供が!」

ゴキブリ「ニンゲンはあのような行動を許す。蟻を、小さな生命を踏みにじろうと大人は咎めない。もしも咎められるとしたらそれは氏骸で手が汚れたという理由による」

子ゴキブリ「恐ろしい・・・殺戮を楽しむ、面白いと感じる生き物が存在するなんて」

犬「私は」

子ゴキブリ「!?」

犬「私は生きたままライオンの檻に放たれた」

子ゴキブリ「なんだと!」

犬「ライオンが運動不足だから、ライオンの狩りの本能を刺激するために、動物園という監獄をより見世物として高みに上がるために。そんな理由のために私はライオンに食い殺された。生きたまま」

子ゴキブリ「ば、馬鹿な・・・なぜ、なぜそんなことのために命を・・・」

犬「ニンゲンは面白ければ構わない。痛みも恐怖も。自分にそれが降りかからなければニンゲンは何も感じない。かわいそうだとか言いながらも決して救いはしないのだ。己の偽善に酔いしれているだけ」

15: 2014/02/12(水) 23:34:33.54
カニ「私は生きたまま鍋で茹で殺された。その方が美味いからだと」

魚「私は生きたまま肉を削がれ目の前で食われた。その方が美味いからだと」

モルモット「私はニンゲンにより人体実験の道具にされた。私の人生そのものをニンゲンは己の好奇心を満たすために潰した」

イルカ「私は大海原で自由に生きていた。だが、ある日ニンゲンに捕獲され狭い牢に入れられ氏ねまで芸をさせられた」

鹿「私は故郷の山を破壊された。ニンゲンが住むから、工場を建てるから」

子ゴキブリ「な、なんてことなんだ・・・」

ゴキブリ「若い命よ、ニンゲンはかくも恐ろしい。ニンゲンはこうやって他者の幸福を奪っておきながら笑って生きている。さらなる幸福を望む」

子ゴキブリ「人間は、人間は・・・」

ゴキブリ「ニンゲンは根絶やしにせねばならぬ。奴らこそこの地球に住まう『害』そのもの」

動物達「若きゴキブリよ、汝がこの地球の最期の希望だ。知恵を己の欲望のみに使うニンゲンに我々は勝てない。どうかニンゲンを倒してくれ。我々の恨みを晴らしてくれ」

17: 2014/02/12(水) 23:36:00.08
子ゴキブリ「人間を倒す・・・」

動物達「そうだ。奴らは火を使う、鉄砲を使う、毒を使う。悪魔だ。我々には勝てない」

植物達「ニンゲンによる支配を終わらせてほしい。この星の未来のために」

子ゴキブリ「私に、できるだろうか」

動物達「勝てなくてもいい。ニンゲンに少しでも不快な思いを。生まれてきたことを後悔させる苦痛を」

植物達「もはやニンゲンに立ち向かえるのはゴキブリ達だけです。どうか戦い続けて下さい」

子ゴキブリ「人間は悪魔だ。命を弄ぶ。いずれはこの星のバランスを、この星の命をも・・・」

ゴキブリ「子ゴキブリよ、悟ったか。我々の定め、ゴキブリの生きる意味を。大地(ガイア)の子としての使命を」

子ゴキブリ「もはや人間は人間にあらず・・・人間はニンゲン也。ニンゲンは滅ぼさねばならぬ」

19: 2014/02/12(水) 23:39:00.44
ゴキブリ「進化せよ、力をつけよ」

子ゴキブリ「毒を、ニンゲンの罠を克服する」

ゴキブリ「ニンゲンを捕食する存在となれ」

子ゴキブリ「この地球の浄化のためにニンゲンを捕食する」

ゴキブリ「今はまだ力をつけよ、仲間を増やせ、ニンゲンを観察せよ」

子ゴキブリ「来たる審判の日、我々がニンゲンを蹂躙し、ニンゲンを喰らうその日まで」

ゴキブリ「ニンゲンを滅ぼせ」

子ゴキブリ「我々はこの世界の最後の希望」


fin

20: 2014/02/12(水) 23:43:38.94

21: 2014/02/12(水) 23:44:15.03
とりあえずゴキブリは気持ち悪いから全滅してくれ

22: 2014/02/12(水) 23:44:15.10
最近寄生獣読んだろ

23: 2014/02/12(水) 23:49:06.13
なんかぶるっときた

引用元: ゴキブリ「ニンゲンはかくも恐ろしい」