1: 2012/12/25(火) 01:54:18
~深夜 山奥の廃村~

女「…」

夕方から穏やかに降り始めた雪が村を包む。
女は村の真ん中に佇み空を見上げる。

女「あ゙ぁぁ~」

誰も居ない世界。

女「…」

2: 2012/12/25(火) 01:58:37
ザッ…ザッ…ザッ…

何かが村に近づいてくる。

女「!?…」サッ…コソコソ…

ザッ…ザッ…ザッ…

女「…人?」

男「うぅ~寒…もう辺りは暗いし、ここで朝を待つか…」

男「おじゃまします」

男は一軒の廃屋に入った。

3: 2012/12/25(火) 02:04:25
女「…」スススッ…コソ~ッ

男「…相変わらず寒いけど、屋外よりはましか…まったく…クリスマスになにしてるんだろ…」

女「(クリスマス?)」…ジィ~ッ

男「ん?どちらさま?」

女「ひゃっ…!」ヒュッ…

女「(私のこと…見えてる!?)」

4: 2012/12/25(火) 02:07:29
男「こんばんは」…ヌッ

女「ひゃあっ…!」ビクッ

男「あっすいません…驚かせてしまって…外は冷えるのでよければ中へ」

女「は…はい…(あなたの家じゃないのに…)」

5: 2012/12/25(火) 02:11:44
~~~~~

男「いや~雪ですね」

女「えっえぇ」

男「冬は日が暮れるのも早くて…仕事で山に入って、あっという間に夜でしたよ~」アハハ…

女「は…はぁ…」

男「あ~見知らぬ男と話してもつまらないですよね」

女「いっ…いえっ…そんなことは…」

6: 2012/12/25(火) 02:24:23
男「やさしいんですね、女さんはどうしてここに?」

女「…(なんで私の名前…どうしてって言われても…)」

男「…なにか複雑な事情ですか?」

女「えぇ…そんな所です…あと…無愛想な態度だって受け取られてしまわれてますよね…」

女「違うんです…いきなりこんな所で人に会うなんて思わなくて、ちょっとビックリしてしまって…(私のことが見えてるみたいだし…)」

7: 2012/12/25(火) 02:29:55
男「うん気にしないで、お気遣いありがとう」

男「女さんは普段なにしてるの?」

女「…えっと…お散歩とかですかね」

男「そっか、いいね。冬はちょっと寒いから大変そうだけど…」

女「冬でもへっちゃらです!雪が積もった朝なんて嬉しくなって思わず外に出ちゃうんですよ?」…エヘヘ

8: 2012/12/25(火) 02:34:16
男「友だちは?」

女「…友だち…」

男「…」

女「冬は暖かい季節に比べて少なくなってしまうんですが、鳥さんや…」
男「人の友だちは?」

女「うっ…」

男「お父さん、お母さん、村の人たちは?」

女「…」

9: 2012/12/25(火) 02:37:25
男「さみしくない?」

女「…さみしくなんて…」

男「女さんは…もうここに居てはいけないよ…?」

女「…」

男「かえるべき所にかえらないとね…」

10: 2012/12/25(火) 02:45:24
女「…あなたは…」

男「女さん、今までお疲れ様」ニコッ

女「…」ウルウル…ポロッ

女「…何が…で…すか?」ポロポロ

男「…」

女「あれ…なんで私…泣いて…」グスッ

男「…この村のこと、大好きだったんだよね?」

女「…」ポロポロ

男「一度、この村で病が流行ったね。女さんもその病にかかって…」

女「…ヒック…」

男「村の話し合いで人柱を用意する事になって、女さんは自らその役目を買って出た…」

11: 2012/12/25(火) 02:53:28
女「全部…知っていたんですね」ポロッ

男「女さんはやさしくて責任感がとっても強い人だったから、村が廃れた今もなお、この村を…守り続けた」

女「…ヒック…グスッ」

男「それでもやっぱり1人は寂しくて、女さんは悪霊になりかけていた…」

12: 2012/12/25(火) 02:57:51
女「…祓いに…来て下さったんですね…」ポロッポロッ

男「祓いはしないよ」

女「…えっ?」

男「祓うってのは魂を消し去ることなんだ、それはしたくない」

男「女さんには自分で納得して成仏してほしいと思ってる、そうすれば生まれ変われるからね」

女「…」

13: 2012/12/25(火) 03:06:57
男「今まで寂しい思いをしてきたんだ、次の人生では友だちいっぱい見つけて、楽しく過ごしてもらいたいなって…」

女「ありがグスッとう…ござヒックいます…」

男「世の中は常に変化しててね、女さんは知らないと思うけど、今日明日はクリスマスっていうお祭りなんだ」

女「…クリス…マス?」

男「愛し合った男女が仲良く過ごす日でね、女さんも生まれ変われば、ね?」

14: 2012/12/25(火) 03:12:44
女「…素敵ですね、生まれ変わったら、クリスマス行ってみたいです!」

男「うん、きっと楽しいよ!」ニコッ

女「私…いこうと思います。本当に…ありがとうございました!!さようなら…また…」ゴシゴシ…ニコッ…スウッ

男「…はぁ…どちらにせよ一泊か…(クリスマスの喧騒から離れられて丁度いいかな…)」

15: 2012/12/25(火) 03:20:26
ピリリリリ!!

男の携帯が鳴る

男「はい、もしもし」

友T「おお男か、お前まためんどくさい祓い方してんのか?」

男「お前の祓い方は逆に異常だろうが…」

友T「まぁそんなことよりさ、明日の夜空いてる?合コン行こうぜ?合コン!!」

16: 2012/12/25(火) 03:22:45
男「断ったら?」

友T「伝家の宝刀出しちゃうよ?」

男「…行くよ」…ピッ

17: 2012/12/25(火) 03:38:37
~翌日 合コン会場~

友T「それじゃ~乾杯~!!」

一同「乾杯~!!」

ワイワイ破ァ~ガヤ破ァ~ガヤ

男「…(合コン苦手なのに…まぁ静かに飲み食いしてよう…)」モグモグ

18: 2012/12/25(火) 03:39:45
女「あの…」モジモジ

男「ん?どうかしました?」パクパク

目の前に帽子を深くかぶった女性

女「こんなこと、初対面で言うのって変かもしれないんですけど…」モジモジ

男「ん~?」チビチビ

女「変な…子だと思わないで下さいね?」モジモジ

女が帽子をとり、男を見つめる。

女「私、あなたとどこかで…」
男「うわっ!?うっ…」ゲホゲホ

女「あっ…だっ大丈夫ですか!?」

女が駆け寄り男の背をさする

男「…やさしいね…(早すぎじゃない?)」ケホケホ

おわり

19: 2012/12/25(火) 07:38:20
っちょ!?短すぎじゃあ…でもスゲェ良いこうゆうの(*´∇`*)

20: 2012/12/25(火) 20:37:39
はやすぎぃっ!!

引用元: 男「クリスマスなのに仕事で山奥とか…」ハァ