1: 2009/09/22(火) 23:51:27.43
放課後の部室。
西日が差しこみ、オレンジ色に染まる音楽室で
澪が問いかける。
「何だよ改まって?」
そう言って、律は怪訝そうな顔を澪に向ける。
澪は少し逡巡したようにみえた。
「何だよ?聞いてほしいことって?」
律が再度問いかける。
その声を聞き、澪が意を決したように口を開いた。

「律のことが好きなの。」

6: 2009/09/22(火) 23:55:36.71
「何かの冗談?」
「冗談なんかじゃないよ。」
「・・・」
しばらくの間、教室を沈黙が支配する。
時計が時を刻む音さえも聞きとれるような静寂
「は、はは・・・」
「律・・・本気だよ、私。誰にも律を渡したくないの」
ダメを押すように、澪は続ける。
その声が教室に響く。

9: 2009/09/23(水) 00:00:50.41
ガタ

音を立てて、律が椅子から立ち上がる。
視線を澪に向けないように、机のわきに置かれた鞄に手をかける。
「ねぇ、律・・・」
「・・・」
澪の呼びかけに、律は何も言わない、何も返さない。
そのまま、厳しい表情で音楽室から出て行こうとする。
「まって!!!!」
澪が大きな声で律を呼び止める。
律の足が止まったのを見て、澪は一転消えいりそうな声で問いかける

「律・・・せめて・・・どう思ってるかだけでも聴かせてほしい・・・」


13: 2009/09/23(水) 00:05:00.42
「ごめん・・・今日はもう帰らせて・・・」
「あ、じゃあ私も一緒に・・・」
「来ないで!!!」
律の厳しい口調に、澪は思わず息をのむ。
彼女の心臓の鼓動が速くなる。
驚き、そしてそれ以上に拒否されたことへの動揺
ドアを開けて、教室から出ていく
その姿はすぐに見えなくなったが
澪はただ、入口付近を呆然と見つめていた

14: 2009/09/23(水) 00:09:05.49
教室から足早にでた彼女の鼓動もまたいつになく激しい。
親友だと思っていた相手からの突然の告白
冗談でも、友達としてのそれでもない
絶対に違う

「・・・ありえないっての」

でも、私にはそんな気は全然ない
考えたこともない

18: 2009/09/23(水) 00:12:49.70
家に帰って、音楽を聴いても、宿題しても、テレビ見ても
胸の動悸が治まらないでいる。
(澪・・・明日あったらどんな顔すればいいんだよ・・・)
普通に接すればいいのか
それとも、もう一度しっかり話したほうがいいのか
(・・・こんな経験めったにないし)
大きな溜息が、彼女の口から洩れる。
「とにかく、明日一度澪と話そう。
同じ部活なんだし、ウジウジ悩んでるわけにもいかないしな」

19: 2009/09/23(水) 00:17:26.03
辺りがすっかり暗くなって、月が町を穏やかに照らす頃に
ようやく澪は家路についた
もう秋も半ばであり、この時間になると肌寒い。

「・・・ただいま」

小さな声でぽつりとつぶやき、澪は階段を上る。
「澪ちゃん、ずいぶん遅いじゃない?なにかあったの?」
下から母親の声が聞こえる
「うん、部活の練習」
「まぁ、大変ね」
「うん。」
適当なウソを言って、澪は自室に入る。

24: 2009/09/23(水) 00:22:07.35
月明かりに照らされた部屋には
所狭しとアルバムが置かれている。
そして、壁には大きく引き伸ばされた軽音楽部五人の写真・・・

「律・・・」

部屋の明かりをつけず、そっとルームランプに手を伸ばす。
「私のこと嫌いなの?」
澪は、引き伸ばされた写真の中で笑う“彼女”に問いかける。
「私はこんなに好きなのに・・・」
「愛しているのに・・・」
「律・・・」
「律・・・」
彼女は、うわごとのように、律の名を呼び続けた


28: 2009/09/23(水) 00:28:37.57
窓から差し込む朝日が室内を照らす。
けたたましく朝の到来を告げる目ざましに手を伸ばす

「・・・もう朝かよぉ~ねむい・・・」

目覚ましを止め、頭が冴えると、律の頭に昨日の出来事が思い出される。
「はぁ・・・」
深い溜息が律の口から洩れる。
(あ~思い出しちゃった。)
(いっそ夢だったらよかったのに)
そう思いながら、ベッドから起き上がった。

31: 2009/09/23(水) 00:34:49.39
(クラスが別でよかった・・・)
教室に入りながら、律はつくづく思う。
「あ、おはよ~りっちゃん」
「おっす、唯」
「おはよう、律ちゃん」
「おはよう、ムギ」
二人と挨拶しながら、律は自分の気が紛れていくのを感じていた。
できることなら、全部なかったことにしたいと思う。
「昨日、憂がねぇ~」
律は、ニコニコ笑いながら話をする唯を
いつもより可愛く感じていた。

35: 2009/09/23(水) 00:41:31.72
できれば、放課後まで澪と顔を合わせたくなかった
いや、いっそのこと二三日部活を休んでやろうか
律は、そんなことを考えながら
授業なんか上の空でぼーっと雲の流れゆくのを見つめている


その隣の教室で
また様々に思いを巡らせ、澪は空を見上げる
どうして私を拒否したの?
私のこと嫌い?
そんなことないよね
律だって私のこと好きだよね
私と同じくらい愛してくれてるよね

疑問形だった自問自答は、徐々に彼女自身の中で肯定されてゆく
それは、自分に言い聞かせるように延々と続く

38: 2009/09/23(水) 00:48:16.02
ついにきてしまった

そんな思いで、律は放課後を迎えた
「りっちゃん!!!部活行こー!!!」
「あ、・・・うん」
「お?なんか元気ないねりっちゃん」
「そ、そんなことないってー!!よし行くかー!!」
「どうしたの?なんか気が進まないことでもあるの?」
「いや、別にそういうわけじゃ・・・」
「じゃあ元気出さないと~」
「あ、うん、そうだな」
律は自然と歯切れが悪くなってしまう
自分でも分かっている・・・なのに
昨日のことを思い出し、律の心の平静は再び乱れ始める
そして、彼女の心はさらに大きく乱されることになった

「そうだぞ、律!!気合入れろ~」

澪がそこに立っていた

39: 2009/09/23(水) 00:55:30.16
「よ、よう・・・律」
「なんだ~?律らしくない」
視線をそらし、伏し目になった律の顔を覗き込むように澪が茶化す。
(誰のせいだと思ってんだ・・・)
心の中で、ひとり突っ込みを入れる。
けど・・・
(なんか、あんまり気にしてなさそうだな・・・)
「ほれ、唯、ムギ!!はやく部活行こう。律も遅れるなよー」
そういって澪は三人の前を歩きはじめる。
「あ-待ってよ澪ちゃん!!!」
その後ろを、唯がペンギンのように愛らしい動きでついていく
(私が気にし過ぎたのかな?)
そう考えると、必氏に悩んだ自分がバカっぽく感じられた。
「よーし!!ガンバローぜー」
そう言って、律は三人の後ろを走りだした。

41: 2009/09/23(水) 00:59:26.10
練習中も
お茶の間も
澪はいつも通りだった
昨日のことなんてなかったかのように

唯の天然ボケに笑って
ムギの持ってきたお菓子を笑いながら食べて
梓にギターのアドバイスをして

やはり、律には、それが不思議だった
あまりにも普通だから
もしかして、昨日のことはホントに私の夢だったのか?とさえ思う

42: 2009/09/23(水) 01:03:33.08
そんな余所事考えながら練習していれば当然だが
この日の律のドラムはいつも以上にリズムがいいかげんで・・・
乱れるたびに、澪があきれたように律を注意する。
「ごめんごめん~」
「しっかりしろよ~もう・・・」
そういって向き直る澪の背を見ながら、律はやはり不思議に思う。
(なんかもう、話する必要もないか・・・)
昨晩、澪と話さなければと思っていたが、どうやらそんな必要もなさそうだ
と思いながら、律はまた、リズムが少しずれたドラムの演奏を始めた。

43: 2009/09/23(水) 01:10:54.11
「じゃあ、今日はここまでだな~」
澪の一言で、全員が片付けを始める。
「あずにゃん、今日のとこよくわからないから、教えてくれる?」
「いいですよ」
「じゃあ、家においでよ。今日は憂いと二人なんだ」
「あ、それじゃ少しだけ・・・」
唯と梓の会話を聞きながら、ドラムを片していく。
その隣では、ムギがキーボードを丁寧にかたずけていた。
「律~今日はいつもよりペースが乱れたぞー」
「それは、お前が・・・」
そこまで言って、律はあわてて口を閉じる。
「ん?私が?」
訝しげに澪が問いかける。
「あ、いや・・・なんでもない・・・」
「変な律」
そう言って、澪は自分の片付けを続ける。
(あれ?澪の中でなっかたことにでもしてるのかな・・・)
違和感を覚えながらも、律も片付けを続けた

46: 2009/09/23(水) 01:17:47.63
一通り片付けが終わったところで、唯と梓が一足先に下校した
「あたしらも帰ろうか、律」
「え、あ・・・えーと」
「律、何か用事でもあるの?」
澪の追及に、思わず律は口を開いてしまう。
「え、実は今日・・・そうムギと・・・ちょっと」
そう言って、律はムギのほうを見る。
当然のことながら、約束も何もないムギには何のことかわからない。
「え?なぁに、律ちゃん」
素直な律の反応に、澪が解せぬという顔をする。
「あ、一緒にどこかに行こうかなって・・・」
「あら、いいわね。それなら澪ちゃんと三人でハンバーガー食べに行きましょうよ」
「いいね、それ」
「あ・・・うん。そうしよっか」
(思わぬ方向に話が進んでしまった。)
ほんの少し後悔しながらも、律はムギがいれば変なことにはならないだろうと
そうタカをくくっていた

47: 2009/09/23(水) 01:25:57.03
「三人でって久しぶりね。」
「去年、三人で勧誘してたころ以来じゃないか?」
楽しそうに前を歩く二人を、少し気を重くしながら律が歩く。
ファーストフード店にはいり、注文を済ませると、彼女らは席に着いた。
「それにしても、律・・・今日はなんか元気ないな」
「ホントね律ちゃん・・・どうしたの?」
またその話題か・・・
いい加減にしてほしい、そう思いながらも
無理な笑顔を作りつつ律は答える。
「そんなことないって」
「それならいいけど・・・」
「でも、クラスでもなんか変だったし・・・何か悩みがあるなら言ってね」
「分かった」
二人の追及はそこまでで、他愛のない会話が始まる


(悩みか・・・相談できるならしてるって・・・)
律は、もやもやとした気分で、ちらりと澪の顔を見た。

49: 2009/09/23(水) 01:33:56.65
「おいしかったわねー」
肌寒い店外に出て、ムギが誰にでもなく言った。
「ほんと。」
それに合わせて、澪の言葉が続く。
「また来ような」
いつもの私を探して、律が口を開く。
これ以上、あれこれ追及されたくないのだろう
律は「自分らしく」答えた
「じゃあ、また明日、学校でなー」
「ええ、学校で」
「じゃーなー」
店の前で、三人ばらばらになって帰路につく
商店街の雑踏の中を歩きながら、律はまた溜息をつく
(結局、話しできなかった・・・)
そう思ったとき
「ねぇ、ちょっと待って」

律の心臓は再び激しく鼓動し始めた

51: 2009/09/23(水) 01:39:26.12
「ムギ・・・」
そこには、険しい顔をしたムギの姿があった。
「どうしたの?」
「どうしたのじゃない」
そういってムギは律の手を引いて歩き始めた。
「ど、どこ行くの?」
「ゆっくり話ができる場所」
「な、何で?」
「だって、律ちゃん、何か隠し事して悩んでるみたいだから」
「そ、そんなこと・・・」
腕を引かれながら、抗弁しようと試みるが
律の口からは何も出てこない
引っ張られまいとして体重をかけても、腕を振り払おうとしても
ムギはお構いなしでずんずん進んでいく

53: 2009/09/23(水) 01:47:14.15
律の腕を引き、ムギは背の高い分譲マンションの一室に帰ってきた。
「ここ、ムギのマンション?」
さすがに観念したのか、部屋のソファーに腰掛けながら律が問いかける。
「うん。お父様が経営してるのよ。
このフロアは私が自由に使えるようにって。」
「へー」
「キーボードの練習なんかも、ここでしてるのよ」
そういってムギは隣の部屋に目をやった。
あちらの部屋に楽器があるようだ
なににせよ、律には永遠に縁がない話である。
(ほんと金持ちなんだな・・・ムギ)
「紅茶いれるね」
「あ、ありがとう」
そういってムギはキッチンへと消えた。

55: 2009/09/23(水) 01:52:10.31
「で、何を悩んでるの?」
紅茶を煎れ、戻ってきたムギが
そっと紅茶のカップを並べながら問いかける。
「・・・あのさ」
「ん?」
「ムギは、女の子から・・・友達から告白されたらどうする?」
思わぬ質問だったのか、ムギは答えに詰まったようだった。
二人の間に沈黙が流れる。
「と、とにかく紅茶飲んで・・・」
その沈黙を破り、ムギが律に紅茶をすすめる
「あ、そうだね」
「おいしいのよ、英国から取り寄せたの」
「そう・・・」
律はそっとカップに口をつけた。

57: 2009/09/23(水) 01:56:28.65
「お菓子も出すわ。有名なケーキがあるから・・・」
「・・・やっぱ聞かれても困るよね」
「・・・そうじゃやないけど」
歯切れの悪い返事が、キッチンの奥から返ってくる。
「ただ、私だったら嬉しい」
イチゴの乗ったショートケーキを、見るからに高価そうな食器にのせながら
ポツリとムギがつぶやいた
「うれ・・しい?」
「うん。だって、自分のことを好きだなんて思ってもらえたら嬉しい」
「そ、そうかな・・・」
それは、律にとって思ってもない返事だった

64: 2009/09/23(水) 02:05:34.22
「律ちゃんは、嬉しくないの?」
「だって・・・」
「だって?」
フォークに突き刺したケーキの切れ端を
口に運べずに、律は押黙っている。
「・・・気持ち・・・悪いじゃん」
やっとの思いで口に出した言葉を、ムギはどう受け止めただろうか
今の律には、それを感じ取る余裕がなかった。
「・・・そう」
「・・・・」
「誰かから告白されたの?」
「・・・うん」
「もしかして、澪ちゃん?」

「・・・うん」

66: 2009/09/23(水) 02:11:10.41
カチャリと音を立てて、ムギはフォークをお皿の上に置いた。
「それで・・・どう返事したの?」
「・・・」
「きちんと話した?」
「・・・きちんとは、してない・・・・かも」
ムギはいつになく厳しい目をして律を睨んでいる。
律にもそれが分かった。
分かっているからこそ、律はますます顔を上げづらくなっている。
「ねぇ・・・澪ちゃんがどんな想いで気持ちを伝えたと思うの?」
「・・・」
「きっと、すごく悩んだと思う。」
「・・・」
「それを、そんないい加減な態度で返事しちゃうの?」
ムギの口調が厳しかった
それに委縮して、ますます律は何も言えなくなっていった。

67: 2009/09/23(水) 02:16:48.48
「・・・ごめん」
やっと呟いたことばが、それだった
「私に謝ったって、仕方ないでしょっ!!!」
ムギの予想外の怒鳴り声に、律の体はビクりと反応する。
律は、目を閉じて、震える仔猫のように体を小さくする。
「怒鳴っちゃってごめんなさい。」
依然として口調は厳しいが
声はまた普段のやさしいものに戻った。
「・・・ううん」
律の声に涙が交じる


69: 2009/09/23(水) 02:20:14.91
「でも、澪ちゃんは友達じゃない」
「・・・うん」
「だったら、ちゃんと話ししたほうがいいと思うわ。
最悪、もうすこし言い方を考えて・・・」
ムギの言うことはもっともだと思う。
澪は友達だ
それは間違いないのに
それなのに・・・

――――来ないで!!!

どうしてあんなに強く拒絶してしまったんだろう…

今更ながら、律の心に深い後悔の念が押し寄せる

70: 2009/09/23(水) 02:25:25.52
堰を切ったように、律の瞳から涙がこぼれおちる。
拭っても、堪えようとしても、涙はとめどなくあふれくる。

ごめん・・・ごめん

ごめん・・・澪・・・

律は、何度も何度も心の中で澪に謝った

泣きじゃくる律の隣に、ムギはそっと腰掛ける
そして、そっと律の肩を抱いた

73: 2009/09/23(水) 02:31:44.14
「澪ちゃんに謝らないとね」
「・・・うん」
ムギのやさしい問いかけに
律は泣きじゃくりながら、必氏に声を絞り出す。
部屋に律の泣き声だけがこだまする



どれくらい時間が経っただろう
律も徐々に落ち着いてきていた。
(・・・?)
それと同時に、律の感覚がぼやけてきているのを感じた
(あれ?・・・なんか・・・へんだ・・)
重くなった瞼を必氏に開けようとしながら
ぼやけた視界にムギをとらえる


「あら?薬が効いてきたのね、よかった」


薄れゆく意識の中で
ムギが妖しい笑みを浮かべて、そうつぶやくのを
律は聞いた

78: 2009/09/23(水) 02:39:09.88
薄暗い部屋の中
律は意識を取り戻した
目が慣れないからだろうか?辺りの様子が分からない
なんだか、酷く目覚めが悪い
(どうしたんだっけ?
三人でハンバーガー食ってて
そのあと、ムギに連れられて
それで、澪とのこと話して
それで何だか眠くなって・・・!!)
ここまで記憶をたどり、律は置かれている状況を把握する

彼女の肢体は、縄で縛りあげられ、天井からつるされている。
口には猿轡。縄が体に食い込み、鋭い痛みが走る。
そして、どうやら自分が何も着ていないらしいことも分かる。
そして、その眼には、光をとらえぬように目隠しがされていた。

80: 2009/09/23(水) 02:44:15.40
んーんー


声にならない、声を必氏に出そうとする律。
「あら?気づいた?」
ムギの声が聞こえる
「!!!」
「もう、律ちゃんたら~何言ってるかわからないわよ?」
「!!!」
「あ、そうか。猿轡したんだっけ。外してあげるから
お話しましょうね」
律の口にはめられた、猿轡が外される。
「おい、ムギ!!!
一体何してるんだよ!!!」
「あらあら、口調が乱暴になっちゃってるわよ・・・

お仕置き、しないとね」

83: 2009/09/23(水) 02:49:44.25
「お、お仕置き?おい何言ってるんだよ、ムギ」
「だって・・・ペットには躾が必要でしょ?」
「ふざけるなって・・・痛っ!」
ビシィ
鋭く空気を切り裂く音とともに
何かが律の露わになったヒップに激しく叩きつけられた
ビシィ、ビシィ
小刻みに何かが叩きつけられるたびに
律の体を激しい痛みが襲う
そのたびに、彼女の体は痛みに反応し、体をよじらせる
そしてそれが、ますます縄を体の体に食い込ませる
「痛いって、やめろよムギ!!!」

84: 2009/09/23(水) 02:56:05.49
「まだ分からないのかしら?」
そういうと、ムギは先ほどの行為を中断し、新たな道具を取り出してくる。
手にしているのは、赤い蝋燭
通常、こういったプレイとしての行為の際には低温のものが使用される。
だが、彼女が手にしたものは違った。
「不躾なペットを持つと苦労するわぁ~」
「いい加減にしろって、さっきから何してるんだよ!?」
「キャンキャン煩いなぁ・・・」
律の抗議の声などどこ吹く風で、ムギは嬉々として蝋燭に火をつける。
「どんな声で鳴いてくれるのかしら・・・」
「・・・なに?・・・なんなの?」
視界を奪われてはいるものの、ただならぬ様子に怯える律。
それが、ますますムギの加虐心に火をつける。

85: 2009/09/23(水) 03:01:17.37
ムギはそっと律の背中に蝋燭を垂らす
「きゃああああああああ、あ、熱い熱い熱い!!!」
「ふふふ・・・いい声」
激しい悲鳴が、部屋にこだまする。
(素敵よ、律・・・壊しちゃいたいくらい)
背中に・・・先ほど鞭を打ちつけた臀部に・・・二の腕に
ムギは、余すことなく、律の体の反応を楽しむ
「お願い、やめて!!!ムギ!!!こんな酷いこと・・・」
(そんなこと言ったってやめられないわぁ~)
必氏に哀願する律の姿さえ
いまのムギにはただのメインディッシュの前菜に過ぎない。

87: 2009/09/23(水) 03:09:38.84
「うふふ、素敵よ・・・律ちゃん」
一通り行為を楽しんだ律は、蝋燭をかたずける。
「・・・ムギ・・・なんで?」
悲鳴に枯れた声で、ムギに問いかける律。
その問いを聞き、ムギはそっと律のミももとで囁き返した。
「あら?女の子同士の素晴らしさを教えてあげてるのに?」

素晴らしい?

ムギが何を言っているのか・・・律には理解が及ばない。
「澪のことで怒ってるの?それとも何かムギの気に障ること言った?」
「違うわよ・・・知ってほしいだけ」
そういったムギは、また何かしら道具を準備しているようである。
目隠しされた律は、その得体のしれない何かにひどく恐怖した。
「ごめん・・・ごめんなさい・・・」
「だから謝ることないのよ?知ってほしいだけ」
「もう分かったから・・・もう分かったから
・・・だからお願い・・・もう許して」
「あら?分かってくれたのね!!」
「う、うん」
「よかった


じゃ、続きをしましょうね」

89: 2009/09/23(水) 03:17:42.91
「いやぁぁぁぁあああ!!!!」
「もう・・・」
必氏に泣き叫び、拘束から逃れようとする律を
ムギは呆れた目で一瞥する。
「仕方ないわね・・・ちょっと早いけどこれ使っちゃおうかな・・・」
そういうと、ムギは「新たな道具」を手にする。
「はい、律ちゃん。チクッとしますよ~」
冗談めかして言いながら
ムギはたっぷりと水の入った「その道具」の先を、律の尻穴に差し込んだ
「ひっ!!」
思わず肢体をくねらせる律
「はい、いいこだから我慢してねー」
「え、何これ?やだ、何を・・・」
ゆっくりと、律の直腸に液体が流し込まれてゆく

律のこの世のものとは思えない悲鳴が部屋に響き渡る

90: 2009/09/23(水) 03:25:02.70
その注入行為は数回にわたって行われた
律のアナルからは、入りきらない液体があふれ出る
「あらあら、洩れちゃってる。もったいないわね・・・そうだ」
ムギは手元にあったディルドーを、尻穴に一気にねじ込む。
「い・・・ぎゃあ・・・う・・・」
絞り出すように、うめき声が律の口から洩れる。
「はい、じゃあしばらくそのままで待っててね。」
「ム・・・ムギ・・・出させて」
「あらあら・・・我慢のない子ね、律ちゃんは。
ダメよ。あと10分くらいだから、我慢しなきゃ」
「じ・・・10分なんて・・・う、・・・あっ・・無、無理だって・・・く・・」
拘束された体をよじり、激しい痛みに耐えながら
律が必氏に訴える
「ダメよ・・・そこで待ってなさい」
「待って・・・むぎ・・・」
律の訴えだけが虚しくこだまする
部屋には、もうムギの姿はない

93: 2009/09/23(水) 03:34:37.10
その10分は、数日にも、数年にも感じたことだろう
額には汗がにじむ
周りの人間がいても、目隠しで分からないだろうが
涙でその顔を濡らしている。
「ムギ・・・お願い・・・」
なんども呼びかけるが返事はない
押し寄せる波が、容赦なく律を責め立てる
「ムギ・・・ムギ・・・」
何度も何度もその名前を呼ぶ


どれだけ、その名を呼んだろうか?
そして、これは何度めだろうか?
「・・・ムギ」
「お待たせ。」
「ムギ!!!ムギ、そこにいるの?早くこれをはずひて・・・
とひれ、トイレにいか、いかへて・・・」
「あらあら~もう呂律が回ってないわね」
そういいながら、ムギは律に近づく。
「律ちゃんったら、顔が青いわよ?」
「お願いです・・・お願い・です・・おトイレに・・・」
「しょうがない。外してあげる。出させてあげるわよ」
「よかった・・・」

「さ、思う存分出しなさい」
ムギの声が聞こえると同時に
律の尻穴をふさいでいた、ディルドーが取り払われる



95: 2009/09/23(水) 03:42:49.30
「え?・・・だめ・・・でちゃう」
驚き、抗議の声を上げる律
「あら?出していいのよ?」
「ダメ・・・トイレに・・・トイレ・・・」
苦悶の表情を浮かべ、必氏にお尻に力を入れ出すまいとする律。
そんな愛玩動物を見て、ムギは殊更満足そうな顔を浮かべる
「手伝ってあげましょうか?」
そういうと、ムギは律の肛門付近を指で刺激し始める
「あ、やだ・・・やめて・・・おねがひ・・・もう・・・」
波が押しよせている
それを敏感に感じ取ったムギは、刺激行為をやめ
律の顔付近へと移動する
「せっかくだから、自分の出したものをしっかり見届けなさい」
そういうと、ムギは、律の目をふさいでいた目隠しを取り払う
律の目に飛び込んできたのは
先ほどとは別の禍々しく薄暗い部屋と
いるはずのない、部活のメンバーと顧問・・・
「なん・・・で・・・」
その瞬間、彼女の尻穴から激しく排泄物が噴き出る
「いや・・・いやああああああああああああああああああああああああああああ
見ないで・・・見ないでえええええええええええええええええ」

97: 2009/09/23(水) 03:48:33.09
(見られた・・・みんなに・・・)
自らの排泄器官からもれる残りの糞と、ガスの音を聞きながら
律は我を見失い、呆然としている。

「りっちゃん、凄いねー
さすがの私でも、こんなに溜めこめないよ」
「ほんと、さすが先輩ですよね」

(みんな、何言ってるの?)

「いまからこれだと、潜在能力は計り知れないわね」
「先生もそう思いますか?」
「ええ、もちろんよ。さすがムギちゃん。あいかわらず、いい調教するわね」
「まぁ、そんな・・・」

(・・・先生?)

「綺麗だよ、律・・・すごくきれい」

(・・・澪・・・なの?)

98: 2009/09/23(水) 03:55:29.94
ぐったりとした顔を上げ、律が問いかける
「み・・澪?」
「律、すごいね。意識を保てるなんて」
「何言ってるの?」
律の疑問を意に介さず、澪は続ける。
「私なんて、初めて調教食らったときは、失神して目が覚めなかったのに」
「ちょう・・・きょう?」
「そう。それなのに、律はすごいわね。
ウンコもこんなに美味しそう・・・」
そう言うと、澪は律の排泄物の付近にかがみ込む。
「え・・・澪・・・?」
憔悴しきった律は、か細い声で澪に呼び掛ける。
「食べちゃお♪」
そういうと、澪は四つん這いになり、地面に排出された律の糞を食べ始める
まるで餌にありついた駄犬のようなその様子に
律は吐き気を抑えられなかった。

101: 2009/09/23(水) 04:01:53.31
「澪っ!!!」
ムギの鋭い声が飛ぶ
と、同時に澪の体はけり上げられ、地面に打ち付けられた
「躾のなってない駄犬は嫌いなのよ。
何度も言わせないで・・・」
「す、すいません」
「せっかく呼んであげたのに」
「は、はい!!ありがとうございます」
「じゃ、しばらくそこでオXXーでもしてて」
「はい」
ムギに命じられた澪は、自らの秘部に指をあてて
自慰行為を始める。
「あ・・・ん・・・あぁ・・・あ・・・」
甘い吐息をこぼしながら、既に湿り気を帯びたヴァギナを
自らの指で責め立てる。
「あなたたちも、別の部屋でやってなさい。
道具使っていいから」
ムギが呼びかけると、唯と梓は喜び勇んで部屋から出ていった。
「さ、律ちゃん。お疲れのところ悪いけど、これから仕上げをするわ」
「仕上げ・・・?」

102: 2009/09/23(水) 04:08:07.21
「そ、仕上げ」
「それは・・・何を?」
憔悴しきった律に、もはや恐怖を感じる気力さえなかった。
無気力になった律を縛り上げていた縄を解いて床に下ろす。
律は、力なく崩れ落ちる。
「澪ちゃん。そっちの双頭バイブもってきて、特大のやつ」
「は、はい」
「三個あるでしょ?全部よ」
「はい!!!」
ムギに言われ、嬉しそうにバイブをとりに行く澪
「あら?私も混ぜてくれるのかしら?」
「あら?嫌ですか?」
「私は、皆のを見ながらオXXーさせてもらうわ。
バイブとローション貸してね」
「相変わらず変わった性癖ですね」
「あら、あなたに言われたっくないわ」
ムギとさわ子先生の間に交わされている会話の意味が
律にはよくわからないでいた
いや、分かろうとしなかった
そんな気力は、とっくに尽き果てていた

104: 2009/09/23(水) 04:18:45.42
「あ・・・」
ムギに抱き起こされて、律は小さく声を出す
抱き起こすムギの股間には、逞しいディルドーが顔をだしている。
長さは20cmはあるだろうか。
「すっかりグロッキー状態ね。
ほら、澪も手伝いなさい」
「ご、ごめんなさい・・・でも痛くって」
「あらあら・・・そういえば前は初めてなんだっけ。
律ちゃんと一緒にバージン喪失したかったんだものね」
「えへへ・・・」
「ほら、じゃあ始めるわよ
あんたから入れちゃいなさい」
「・・・澪?何してるの」
朦朧としている律が尋ねる
「今から律の初めてもらうのよ。
私にバージンちょうだい・・・私のはあげるから」
「・・・やめて、澪。」
「やめるわけないじゃない」
そう言って、澪はディルドーを律の秘所にそっとあてる。
「・・・お願いだよ・・・澪
・・・・・・・・お願い・・・
っ!!!!・・・・い、痛い」
「あは・・・入っちゃった。でもキツキツだね
私のほうにも押し返されて、こっちまで感じちゃった・・・」
「・・・痛いよ・・・澪・・・」
「私は、もっと痛かったよ、心が」
「・・・」
「でも許してあげる・・・だってバージンくれたもんね、私に」
「みお・・・」

106: 2009/09/23(水) 04:25:55.14
「ほら・・・気持ちいいでしょ?」
「・・・」
盛りのついた犬のように
澪は律とつながった喜びを噛みしめるが如く
ひたすら腰を振っている
もはや、その眼にはまともな世界は映っていないのかもしれない
「じゃあ、私も律ちゃんのお尻のバージン貰うわね」
「・・・」
律の意識はすでにここにはなかった。
「お尻に入れる時に、押し戻される感覚がたまらないわ・・・
素敵よ、律ちゃん」
二人に挟まれ、意識を失った律は、二人に散々嬲りつくされる
その様子をみながら、教師は自らの秘書を弄り、恍惚の表情を浮かべる
「素敵よ、澪ちゃん・・・ムギちゃん・・・そしてりっちゃん」


「律・・・律・・・愛してる・・・・大好き・・・」
狂ったように愛をささやきながら、腰を振る澪
その澪を見ながら、新たな愛玩動物を手に入れた喜びにうちふるえるムギ


軽音部の饗宴は、まだ始まったばかりである・・・

                                        おわり

114: 2009/09/23(水) 08:28:15.10

引用元: 澪「なぁ、律…聞いてほしいことがあるんだけど…」