1: 2009/10/09(金) 02:07:27.20
澪「いかくんこそおつまみ界でも頂点を極める存在であるが故に
  私は魅了されたのだ」

澪「うめえ」くっちゃっくっちゃっくっちゃっくっちゃっ

3: 2009/10/09(金) 02:12:50.69
唯「やあ、澪ちゃん」

澪「よう」クッチャクッチャ

唯「なに食べてるの」

澪「唯も食べるか?」

4: 2009/10/09(金) 02:17:30.97
唯「ほう、これはなかなかおいしいですな」クッチャクッチャ

澪「だろう?」

唯「これなんて食べ物なの?」

澪「いかの燻製のおつまみでな、通称いかくんだよ」

唯「!?」

6: 2009/10/09(金) 02:24:08.05
唯「うわあああああああ!!!」

唯は突然暴れ始めた

澪「ッ!?どうした、唯!イカが嫌いだったか!?」

唯「あああああああああ!!」

ドカッ

澪「痛いぃ!」

7: 2009/10/09(金) 02:32:30.75
澪「もはや、私の手には負えん」

バンッ

憂「お姉ちゃん!!」

澪「憂ちゃん!?唯が大変なんだ
  いかくんを食べたら突然暴れだして…」

憂「なんてこと」

澪「心当たりがあるのか?」

憂「はい」

8: 2009/10/09(金) 02:35:12.18
憂「実は、うちの父はゲイなんです」

澪「?」

憂「いえ、正確には違うんですけど
  お姉ちゃんが、そう勘違いしてしまっているんです」

澪「どういうことだ」

憂「そう、あれは…」

9: 2009/10/09(金) 02:41:45.23
憂「ある夏の日の出来事でした」

・・・
・・・・・
・・・・・・・

唯父「お酒おいしい!おつまみのいかくんおいしい!
   決めた、究極のいかくんを探す旅に出る!」

唯「いっちゃやだよー、お父さん!」

10: 2009/10/09(金) 02:46:14.96
・・・・・・・
・・・・・
・・・

憂「そして、父は海外へと旅立って行きました
  お姉ちゃんはいかくんを人名(男)だと勘違い」

憂「父がゲイになって家を離れた
  全ていかくんのせいだ、と思い込むようになったんです」

澪「いつも親御さんがいないのはそういうことだったのか」

11: 2009/10/09(金) 02:49:45.20
澪「唯!」

唯「うわああああ」

澪「落ち着け!そして聞けッ、唯!」

唯「……あ」

12: 2009/10/09(金) 02:54:19.65
澪「おまえ、おつまみには2種類あるって知っているか?」

唯「え?」

澪「乾もの、生もの、この二つだ」

唯「うん…
  乾ものは、乾いてて、生ものは湿ってる……」

澪「そうだな、簡単に言えばそんなところだ」

澪「なら、この二つの欠点は分かるか?」

13: 2009/10/09(金) 02:58:55.89
唯「ううん、わかんない」

澪「そうか」

澪「乾ものは喉が渇きやすくなる…」

唯「あっ、生ものは手がべたべたになる!」

澪「その通りだよ!箸が必要になるな」

14: 2009/10/09(金) 03:01:37.19
澪「演奏中、乾ものを食べたら
  喉が渇いて歌どころじゃあなくなる」

唯「生ものは、手がべちょべちょになって
  楽器が弾けなくなるね」

澪「ああ。だがな、いかくんは違うんだ」

唯「?」

澪「この二つのタイプに属さない
  まったく新しいおつまみなんだ!」

15: 2009/10/09(金) 03:04:37.63
澪「それは……ソフトタイプ」

唯「ソフトタイプ?」

澪「ほのかな湿り心地を持っていながらも
  手で触った感触はサラサラなんだ」

唯「それって……」

澪「うん、私たちバンドマン……
  軽音部にとっても、最高のおつまみなんだよ」

18: 2009/10/09(金) 03:08:42.12
唯「そうだったんだ……。私、酷いことしちゃった」

澪「しかたないさ。唯は、何も知らなかったんだ
  それと……憂ちゃん」

憂「あ、はいっ」

澪「いかくんの本場は日本だ
  お父さんにすぐ戻るよう連絡を取ると良い」

憂「え?はい、ありがとうございます!澪さん」

19: 2009/10/09(金) 03:13:35.71
唯「お父さんに会えるの?」

澪「そうだぞ、良かったな。唯」



憂「もしもし、お父さん?」

憂「え?あ、はい…そうです」

憂「………え?」

20: 2009/10/09(金) 03:16:33.48
ガチャン

唯「憂、お父さん元気だった?」

憂「……んじゃった」

唯「え」

憂「お父さん」

憂「氏んだって………」

21: 2009/10/09(金) 03:20:16.25
・・・
・・・・・
・・・・・・・

時は流れて春


澪「唯、ここに居たのか」

唯「あ、澪ちゃん」

22: 2009/10/09(金) 03:22:37.25
唯「見て、桜の木」

唯「綺麗だよね」

澪「……遺言だったんだって?」

唯「うん?」

澪「氏んだら桜の木の下に埋めて欲しいってさ
  お父さんの」

唯「うん」

23: 2009/10/09(金) 03:26:06.33
澪「知ってるか?唯
  燻製がどんな風に作られるか」

唯「ううん」

澪「木のチップから作るんだよ
  桜の木のさ…」

唯「…」

澪「私さ、唯のお父さんの言いたかったこと
  分かる気がするんだ」

24: 2009/10/09(金) 03:30:45.51
澪「燻製の様に、いつまでもいつまでも変わらない姿で
  優しい唯と憂ちゃんのままでいて欲しい」

澪「ずっとずっと、二人仲良くしていって欲しい」

澪「そう、言いたかったんじゃあないかな」

唯「そうかな」

25: 2009/10/09(金) 03:34:38.60
澪「たぶんね」

唯「…」

唯「澪ちゃん、ありがと」

澪「よせよ、照れるから」

26: 2009/10/09(金) 03:37:34.78
律「おーい、二人とも何やってるんだよ
  はやくお花見始めようぜーーーー!」


澪「さて、戻るか!」

唯「うん!」

辛いことは沢山あったけれど
今だけは全てを忘れて楽しもう
大いに飲み、そして食べよう。いかくんを

fin

27: 2009/10/09(金) 03:38:42.74
あれ、ベーコン出てこなかった…

28: 2009/10/09(金) 04:30:29.46
乙と言いたいところだがお前なら続きを描けるはずだ。さぁ

引用元: 唯「いかくん!」