1: 2009/11/02(月) 01:10:02.29

―部室


  チ~~~~~ン






律「バカやろう……」

紬「うっ……」

唯「澪ちゃん……なんで氏んじゃったんだよ…」




律「………ん」

律「そういえば何でだっけ?」

唯「さぁ?…」

7: 2009/11/02(月) 01:20:36.52
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唯「なんでだっけ…でもこの部室入った時から感じたんだよ」

唯「もう澪ちゃんは……」

紬「うぅっ…」シンシン

律「解ってるよ…けどその理由がはっきりしないんだよ」

律「澪は確かに……なのに不思議だ」

唯「なんか悩みとか……」

8: 2009/11/02(月) 01:25:48.42
唯「………あっ…」

律「どうした」

唯「ほら…あの時」

唯「和ちゃんと一緒に帰った後のファミレス……」

律「和ぁ?」

紬「あ…ほら……」

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律『澪ってさ、案外眼鏡かけたら似合うんじゃん』

澪『え~…似合わないよ』

10: 2009/11/02(月) 01:32:39.39


律『ちょっと和、眼鏡貸して』

澪『イヤいいって…!』

唯『ほら、似合うかも!』

律『さぁさぁ!』スッ

澪『お、こらッ……』

律紬唯和『………』ジィ~~

澪『ど、どうせ似合わないでしょ…』

11: 2009/11/02(月) 01:41:03.12

律『……………ぷっ』

律『ギャーー似合わねぇえええーー!!!!wwwwwwwww』デコデコデコ

澪『…………………』

唯(マズいよりっちゃん…!)

紬(ど、どうしましょ…)ハラハラ

和(見えないわ…)

バキャーーン

律『でこっ!!』ガシャッ




澪『ッッ帰る!!!!!』

12: 2009/11/02(月) 01:47:53.62
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唯「今思えば、やっぱりあれが引き金に……」

律「待て待て!!そんなんで氏ぬか!?ふつう」

律「…それにそれ二週間も前じゃんか……」

紬「うーん………」

紬「もしかして、三日前のあれじゃあ……」

律「あ、あれって…?」

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―部室

澪「律、消しゴムかして」

律「いいよー」

13: 2009/11/02(月) 01:53:14.23

澪『へぇ~……』

律『なんだよ…』

澪『律のって、“まとまるクン”じゃないんだ……』


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紬「…………ね?」

律「……!!?!?」

唯「取りあえずなんで氏んじゃったのか調べてみない?」

16: 2009/11/02(月) 02:13:04.54

律「まだ7時半か……HRで話あるだろうな……」

紬「信じられないわね…」


唯「………ねえ、まだ梓ちゃんは?」

律紬「え?」

唯「梓ちゃんだよ…朝練休むなんて珍しいね……」

律「梓ちゃんっておま…」

ガチャ

澪「おーっす……」

澪「…居ないよね……」

梓「…先輩、唯先輩達ならきっと大丈夫ですよ」

17: 2009/11/02(月) 02:21:37.82

律「み、澪!?」

澪「………」

梓「…………先輩」

唯「澪ちゃん!梓ちゃん!?…なんで無視するの…?」

律(…………)

紬「これって……」

律「どういう事だ…」

唯「ねえ二人ってば!!」

律(……)

19: 2009/11/02(月) 02:27:15.36

澪「分かってるよ。きっと皆なら、大丈夫だよね……」

梓「そうですよ!きっと直ぐに……」

律「おい…何のことだよ……」

澪「憂ちゃんも…心配だな…」

梓「…行きましょ。HR始まりますよ」

澪「うん…」

バタン

21: 2009/11/02(月) 02:38:08.30




律「ムギ、どういう事だと思う…?」

紬「ちょっと頭が混乱して…」

律「澪は生きてた……というより」

律「なんで私達は“氏んだ”なんて思ってたんだろ…」

唯「それに私達が見えてなかったみたい…」

紬「そう……」

唯「澪ちゃんも、梓ちゃんも…」


22: 2009/11/02(月) 02:49:19.30

律「その梓ちゃんってのやめろよ……」

唯「え?」

律「…もういい。それより、あいつらの言ってた事が気になるな…」

紬「ダイジョウブ、とか…憂ちゃんのことも言ってたよね…」



律「ん?AZUSAは澪とフツウに会話してたな…」

唯「あ………もしかして……」

律「…なに」

唯「氏んでるのって…私達なんじゃ……」

律紬 (あ―ッ!)


23: 2009/11/02(月) 03:00:21.05

紬「でも、そんなような事は…」

律「そうだ!私は確かに昨日聡と話したんだ!!そんな事は―」

唯「だったら私も憂と話したよ」

律「間違いないな……唯、今から憂ちゃんの携帯に電話しろ」

唯「…なんで?」

律「いいから…」

唯「うん」パッピッコッ

prrrrrr・・

26: 2009/11/02(月) 03:10:15.64

ピッ


憂『お姉ちゃん……?私イジメられてるかもしれない…』

唯「!?どういう事!?」

憂『みんながね……私のこと無視するの……』

憂『話しかけても誰も返事してくれなくて……』

律「どうしたんだ…?」

唯「憂……皆に無視されるって……」

律「(やっぱり……)…ちょっと貸して!」パリ

律「憂ちゃん!?田井中だけど!」

29: 2009/11/02(月) 03:18:31.93
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―部室

律「ごめんね……抜けてもらっって」

憂「大丈夫ですよ…皆やっぱり気にも留めてなかったですし…」

律「もしかしたら…唯の言う通りかもしれない……」

紬「私達が…」

憂「何ですか?」

唯「いや~…私達氏んでるかも、って……」

憂「…………ん?」


32: 2009/11/02(月) 03:40:20.33

律「やっぱり……心当たりとかないか…」

紬「でもまだそうと決まった訳じゃないでしょ?」

紬「あの二人の言葉思い出して」

唯「じゃあさ…もう本当に氏んじゃってるのか試してみることから始めようよ」

律「どうやって?」

唯「ベタに物で殴るとか…」

律「オイ言い出しっぺがやれよ」

33: 2009/11/02(月) 03:50:06.67

唯「えぇ…じゃあ誰かにいたずらして反応を見るとか…」

律「憂ちゃん、HRで先生何も言ってなかったの?」

憂「特に、いつも通りでしたけど…」

律「なんか存在自体が空気扱いって感じだな…」

紬「でもあの二人は……」


律紬「うーん………」

律「取りあえずここに居てもしょうがないし、外出よう外」

34: 2009/11/02(月) 03:57:10.26


「なあなあ」


―廊下


律「私達同士はこう―触れるじゃん」

律「周りの連中はどうなのかな?」

チーンコーンカーン・・・



唯「あ、授業終わったみたい」

律「ちょうどいいや、通りすがりにタッチしてみよう」

唯「なるほど!本当に氏んじゃってたら触れないもんね」

35: 2009/11/02(月) 04:03:59.25

わいわい


律(いくぞー)

生徒「……が憎めないよね~」

律(ちょっとゴメンよ…!)





ふぁさ…

律!



憂「きゃぁぁああ!!」

唯紬(あー……)(ダメか…)

37: 2009/11/02(月) 04:20:33.23

律「……」

紬「駄目だったね……」

律「お前らもやって来いよ…」

律「私だけかも知んないしさ……」






唯紬憂「ダメでした…」

律「うわぁぁあああもう私ら氏んだぁぁあああ!!!!」

唯「あでも…ってことは……」

39: 2009/11/02(月) 04:28:29.29

唯「聡君もマズいんじゃ……」

律「ハッ……」




律「うわぁぁあああさとしぃぃぃいいい!!!」デコデコ

紬「りっちゃん……」

紬「でも、澪ちゃんや中野さんは何で私達の事覚えてた」

律「ぐずっ……あれ?」

唯「そうだよ!秋山さん達なら、何か知ってるかな!?」

律「…おい、お前ら……」

59: 2009/11/02(月) 20:06:30.33

律「なんだよ…その呼び方…」

律「梓ちゃんとか、秋山さんとか!」

唯「どしたの…?別にいつも通りじゃん」

紬「うん……きっと少し疲れてるのよ」

律「はぁ…?」

憂「あの、それより私達って本当に…」

唯「それ、マズい事になったよねー…」

60: 2009/11/02(月) 20:17:26.25

憂「どうします?これから」

律「うん…あ!そうだ聡!あいつも……」

律「…ムギは!?昨日誰かと話せたり」

紬「私は……」

紬「昨日は疲れててすぐ寝ちゃったから…誰とも」

唯「う、うい~~…」フランス

憂「大丈夫だよ……」

憂「律さん、聡君のところ行ってみませんか?」

62: 2009/11/02(月) 20:26:56.43

律「そうだ……あいつもきっと私達みたく困ってる筈…」

紬「じゃあきっとお家に帰ってるかも…」

唯「りっちゃん!行こう」

律「うん…」

律「憂ちゃん大丈夫?」

憂「はい、もちろん」


63: 2009/11/02(月) 20:34:55.75
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―田井中家



紬「りっちゃんの家初めて…!」

唯「人の家ってわくわくするよねえ!」



憂「アハハ……」

律「いいんだよ…それより」

律「…………まだ帰ってないな」

憂「え…」


64: 2009/11/02(月) 20:42:29.20

律「靴がない…」

憂「あ、いつもの」

律「そう……おい、二人とも帰るぞ」

唯「えぇ!?せっかくだから上がりたい!」

律「何言ってんだこんな時に」

唯「ねえムギちゃんも上がりたいでしょ~」

紬「私は~…」

唯「上がろ上がろ~♪」

律「」イィラッッ

66: 2009/11/02(月) 20:47:35.74

律「憂ちゃん、ちょっと外してくれる?」

憂「すみません……」ガラッ






シドッッ



唯「あ…ぅ……」アリアリ

律「出るぞ」

紬「うん…」

律「憂ちゃんおまた」ガラッ

67: 2009/11/02(月) 20:56:41.70
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律「とは言ったものの…」

紬「どうするの?これから…」
律(…!)

唯「どーすーるのー」イライラ

律「なあ……」

紬「なに?」

律「お前達……家来た事あるだろ」

69: 2009/11/02(月) 21:05:28.65

紬「?さっきので初めてだけど」

唯「りっちゃん、さっきから何かオカシイよ…」

律「ほら!私が風邪ひいた時!お見舞い!」

唯「ホラ…カゼ…オミマイ……?」

律(名前の事といい…間違いない…)

紬「大丈夫かしら…」

律(こいつら記憶がどんどん……!?)

唯「あ…和ちゃんは……?」


71: 2009/11/02(月) 21:17:54.48


律「そうか…こうなると和も無事かどうか……」

唯「早く学校戻ろうよ!」

律「行こう皆」

紬「…………」

憂「あの…私…」

律「なに?」

憂「いえ……なんでも」

律「…?おい、ムギも」

紬「え…うん、行こ……」

律(………)


79: 2009/11/02(月) 23:33:06.38

―銭湯 ~湯の和~





カコーーン





律「あぁ~…いい湯だな…」

唯「皆で来るの初めてだね~」

紬「私皆でお風呂に来るの夢だったのぉ♪」

律「憂ちゃん湯加減どう、熱くない?」

憂「大丈夫ですよ、気持ちいいです」

律唯紬憂「ふぅ~・・・・・」


81: 2009/11/02(月) 23:43:12.68

―学校 教室前


律(開けるよ……)

唯(うん…)

紬(……)

律(し、失礼しま)

唯(ねえ…)

律(な、なんだよ…)

唯(勝手にドア開けたらマズくない?)

律(なに言ってんだ、確かめるだけだろ…)


82: 2009/11/02(月) 23:52:19.48

唯(いや…勝手にドア開いたら皆びっくりするんじゃないかな……)

律(でもここからじゃよく見えないし…)

唯「そもそもこんなコソコソする必要ないじゃん。どうせ聞こえないんだし」

律(…………)






律「……仕方ない、授業終わるまで待つか…」

唯「うん」

83: 2009/11/03(火) 00:08:07.54

― 一階、踊り場


律「和大丈夫かな」

唯「うん…それよりこれからどうするか考えようよ」

紬憂「……………」

律(………)

律「ちょっと私トイレ…唯も来る?」

唯「私は大丈夫だよ」

律「……来る?」

唯「え…大丈夫だって」

律「来 る……?」


85: 2009/11/03(火) 00:12:58.10

唯「うん、行く……」

律「じゃあ私達トイレ…ムギと憂ちゃんはここで待ってて」

憂「あ、はい」

紬「…わかった」

律「じゃいこ、唯」




 ―トイレ


唯「どしたの……りっちゃん」

律「唯、やっぱあの二人…」

唯「なに…」

86: 2009/11/03(火) 00:21:30.18



―踊り場

憂「あの……紬さん」

紬「なに?」

憂「和って人、二年生の人ですか?」

紬「いや…私の知らない人みたい」

紬「二人の知り合いなのに、私だけ知らないの寂しくて…」

憂「…………」


87: 2009/11/03(火) 00:31:54.76






律「間違いない…紬や憂ちゃんは記憶が……」

唯「なんで…」

律「(お前もだけど……)それと憂ちゃんも引っかかる」

律「あの子、澪がいないこと気にしてなかっただろ…」

律「いつも一緒にいるのに気遣った…というより」

唯「秋山さんの事も…」

律「…………。だろうな」


91: 2009/11/03(火) 01:11:12.16

律(まずいな……このペースだと…)

律(けど憂ちゃんや唯達はお互いを覚えてる…)



律「…取りあえず戻るか」

唯「うん…」

ガタガタガタ ・・・

唯「あ、なんか騒がしくなったね」

律「終わったか……よし、確かめるぞ」

93: 2009/11/03(火) 01:24:43.71


―教室


澪(おかしい……皆唯達のこと知らないだなんて)

澪(まるで私一人おかしいみたいな反応…)



「 澪? 」

澪「あ?あぁ…ごめん何?」

和「どうしたの?世界の終わりみたいな顔して」

澪「はは…そんなに暗かったな…」

和「うん。あんまり思い詰めちゃダメ。悩みがあるなら、相談しなよ」

澪「うん…けど平気」

澪(…梓は、大丈夫かな)

98: 2009/11/03(火) 02:28:10.63

―定食屋~和の極み~



「いらっしゃいませー!!」




店主「はいどうぞ~!」

律「いやー腹減った!皆なに食べる?」

唯「おじさん、私この焼き魚定食!」

紬「じゃあ私この秋飯スペシャル~華の乱~、憂ちゃんは?」

憂「私はお姉ちゃんと同じのお願いします」

律「おっちゃん!私この爆弾そぼろ飯ね!」

店主「はいよ!」


99: 2009/11/03(火) 02:43:36.20


律「澪と何か話してるな……」
唯「ってことは……」

憂「無事みたいですね」

紬「………」

唯「あとは聡君の無事だけだね…」

律「………なあ、今日一日澪の後ついて行ってみない?」

紬「それは…!」

唯「悪いよそんなの!」

律「確かに気が引けるけど…状況が状況だしさ……」

律「なにより情報が足りなさ過ぎるよ」



100: 2009/11/03(火) 02:55:36.05

律「嫌なら無理にしなくてもいいけど…」

憂「あの…私は?…」

律「あ…じゃあさ憂ちゃん、梓をお願いできる…?」

憂「梓ちゃんですか……」

律「(あ、覚えてるぞ…!)ダメかな?」

憂「あ…分かりました」

律「ムギは…どうする?事が事だから…無理しなくても…」

紬「やるっ」ムギュ

律「そ…そうか」



104: 2009/11/03(火) 03:11:08.33

律「じゃあこれからは二手に、私と唯は澪、ムギと憂ちゃんは梓を頼むな」

憂「はい」

紬 「はい!」

律「動くのは昼休みと放課後くらいかな」

唯「結局私もやるんじゃん……ねえそれより私お腹が…」ズゴーーー

律「まさか腹減ったのか!?氏んでるのに?」


107: 2009/11/03(火) 03:48:22.33

律「じゃあ取りあえずどっかで飯……って勝手に盗って食うのはまずいか…」

律「しょうがね…家来いよ…」

唯「本当に!?ッッしゃ」



紬 ニコニコ

憂「紬さん楽しそうですねー…」

紬「だって、皆で後付けるなんて探偵みたいで楽しそう!」

紬「こういうのユメダッタノー♪」

憂「はは……はぁ…」


律「じゃ皆ウチ行くぞー」


129: 2009/11/03(火) 17:46:46.49

―田井中家



律「結局また来ちゃったけど…」

唯「さっ、早く入ろうよー」

律「はいはい…」

ガラッ

律 !

唯「どしたの?」

律「聡が帰ってる……」

紬「あっ、じゃあ…」

律「うん、よし……」


130: 2009/11/03(火) 17:56:38.16


律「おーい聡ー、姉ちゃん帰ったぞー」






唯「…居ないのかな?」

律「靴はあるのに……ま、入るか…」

唯「オジャマします!」

律「…さ、入って」

紬憂「あ、お邪魔します…」


134: 2009/11/03(火) 18:42:36.23

スタスタ

律「聡いないのかー…?」

唯「っていうかさ」

律「何?」

唯「弟くん、サトシっていうんだ…?」

律「は……!?オマエ何言って…!」

律「聡!!」

バシュン!ピピーッ

聡「………」ピコピコ

律「おい聡……」

紬「……やっぱり聞こえてないみたいね…」


135: 2009/11/03(火) 18:59:00.71

憂「あ…でも無事、ってことですよね」

律「…………」

紬「よかったのよね、りっちゃん…」

唯「そうそう、何でもないってことだよ!」

聡「あー…キャプチャー失敗」カチャカチャ

律「………出るぞ」

唯「え……いやまだ本当の目的が」

律「いいから出るんだよ!!」


136: 2009/11/03(火) 19:24:26.63
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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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唯「りっちゃん…急にどうしたの…?」ビクビク

律「よく考えればおかしいだろ……」

紬「なにが?…」

律「今日の朝、聡とは私はなんでもなかった……」

唯「それだったら私も憂も別に…」

律「そこだ…」

律「今朝まで同じ状況だった。なのに私と聡、唯と憂ちゃんとは今状況が違う……」

唯「だからそれは、憂も…だからでしょ……?」

137: 2009/11/03(火) 19:51:18.54

律「違うな」

律「今朝、私と聡はいつもと変わらず話せた…」

唯「……うん」

律「つまり……状況は“今朝”から変わったんだ……何もかも…………!」



唯 紬 憂 「「  」」



律「あ、あ……れ……?」

唯「…りっちゃん……」



そ ん な こ と   最 初 か ら わ か っ て る よ ・・・

律「……………へへっ…」

148: 2009/11/04(水) 00:00:15.47

「先生、どうですか?」

「もう時間も残り少なくなってきたからねえ……」

「だいぶ乱れてますね…」

「そう、現にプログラムにない…というか完全に関係ないものまで見てるわよ…」

「銭湯とか全く関係ないですもんねー…」



150: 2009/11/04(水) 00:09:56.88

「後何分?」

「28分と30秒です」

「なるほどねえ……どうりでイメージが歪んでるわけ」

「こういう事ってよくあるんですか?」

「最新式よ?ウチも導入してみたはいいものの…」

「まあ、不測の事態は付きモノですよ。何ごとも、何せ人間ですし」

「ふふ…それじゃ困るんだけどねぇ」


151: 2009/11/04(水) 00:18:36.78

「この子達ももうすぐ……ですか」

「設定上この子にとって関係の薄い人間や、思い入れの少ない人から順にね…」

「何だが、少し良心が痛むと言いますか…」

「そんな事で大丈夫なの?“消える”とは考えずに、ただ元に戻すと思えばいいの」

「……はい、そうですね」

「じゃあ、また少し様子見しましょう」

「あ、はい」




152: 2009/11/04(水) 00:27:26.00

―思えば、中学の頃からか…



私は人付き合いが苦手だった

周りに合わせてふざけた振りしても、笑った振りしても
心の中はいつも退屈だった…
気付けばグループの後ろを付いて歩くだけ

皆変に私に気を使うだけ
冗談言っても、私顔が笑ってないし…

ただ寂しかっただけかもしれない
誰かに構って欲しかっただけで…

そんな中律だけは本当に楽しそうに笑ってた……


153: 2009/11/04(水) 00:34:30.35
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ーーーーーーーーーーーーーーーーー



― 中3、春

律『おーい澪、帰ろうぜ』

澪『あ、うん』

『律ー!帰ろうよー』

律『おーう!今行くって!』

律『ほら、早く行くぞ!』

澪『いや…私いいよ、あの人達あんまりよく知らないし……』

律『何言ってんだよ、紹介してやるから、さ!』

澪『え……でもな…』


154: 2009/11/04(水) 00:43:25.24

「何やってんのー、はやく~!」

律「ほら早く行くぞ!」グイ

澪「ちょっと!…」

律「こいつ、二組の澪!一緒に帰ろうってさ、ほら」バン

澪「あ…よ、よろしくね…ハハ」

「澪ね、じゃ一緒に帰ろ!」

澪「うんっ」

律「なぁこれからどこ行く?」

「え~、あ!駅前にサー○ィワン出来たの知ってる!?」

律「マジで!?よっしゃ行こう行こう!」

澪「……………」


155: 2009/11/04(水) 00:51:14.56

律は他クラスにも友達が多かった…
当然だ。元気で明るくて、私とはまるで正反対なのだから…

学校帰りに皆でどこか行こう、とか、私はそういうノリは苦手だった……


律「澪も来るだろ!?」

澪「あぁ、うん…」

律「ノリ悪いなー…あ、もしかしてダイエット中か?」ニヤニヤ

澪「ち、違うよ!行くよっ」

律「じゃ、皆行こうぜ」


158: 2009/11/04(水) 00:59:29.93


― サーティ○ン

律「おぉー…これがテレビでよく見る……!」

「律、その言い方オバサンくさいよw」

律「うるせぇ!それより何にする?さすが種類が多いな~」


ダメだ……こういう会話が私にはできない…
出来るのは、こうやって最後尾からその光景をみて微笑むだけ…

律の場合、本当に微笑ましいのだけど…

律「澪は何にする?」

澪「えっ?……そうだな…」


159: 2009/11/04(水) 01:10:45.72

澪「そうだな……」

澪「じゃあチョコカレーと、マシュマロ豆乳のダブルで…」

「わ~…凄いの選ぶね澪…」

「じゃあ私は…」


期待していた反応とは違った…

ただ一人を除いて


律「ギャーー馬鹿だ馬鹿!!wwww絶対それ全部食えよー!?」ケラケラ

澪「あ…あったり前だろ!」ポン


160: 2009/11/04(水) 01:18:23.86





「おいしかったねー」

「また来よっか!」

澪「………うぷ…」

律「おい大丈夫かよ…あんなゲテモノ食うから……」

「じゃあ律、私達行くね」

律「おー、じゃあな!おい、澪」

澪「……うっ、じゃあ…」

「………うん、じゃあね」



161: 2009/11/04(水) 01:31:25.31
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ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

―帰り道


澪「うぅ…お腹痛…」

律「ホント大丈夫かよ……」

澪「律……帰ったらメールしてよ?」

律「するから…もう今日は早く帰って休めよ」

澪「うん…」

律「くくっ……けど澪、ホントにあれ全部食うんだもんなぁ」

澪「全部食べるって…言ったからな……」

律「…………」


162: 2009/11/04(水) 02:00:38.81

―翌日、学校、廊下


スタスタ

「―あ」ピタ

澪「あ…」

「き、昨日は楽しかったね……澪…」

澪「う、うん…」

「ま、また行こうね!」

澪「そうだね…ハハ」

「えっと…じゃあね」

澪「………うん」

なんだよ……あの感じ…


163: 2009/11/04(水) 02:10:21.96


―放課後



澪(トイレトイレ……)

「あー、あの子ね…澪っていう」

澪 !! ピタ

「なんか暗いんだよねー…ノリ悪いし」

「でも律と仲良さそうだったよ」

「あー幼馴染みらしいよ…あれ」

澪「ッ……………」



律「あっ、お前ら何してんの?なんの話?」

澪(律……!)


165: 2009/11/04(水) 03:06:13.96

「あのさ……澪はもう遊びに誘わなくてよくない?」

律「は?何で?」

「だって暗いじゃん…」

「そうそう、一緒にいてもなんかさ…向こうも無理してんじゃない?…」

澪(…………)

律「じゃあいいよ、お前らが嫌ならそれで」

「え…」

律「それだけの事じゃん」

律「お前らはもう澪と関わらない、それでいいんだろ?ならそうすれば」

「律…」

澪(…………)


182: 2009/11/04(水) 17:29:44.93

律「とにかく私からうまく言っておく。だからこの話はもう終わりっ」

「…………」

律「じゃあ今日は私もう帰るから、じゃあな」

「うん…じゃあね…」





律(今日は澪と二人で帰るんだ)シタシタ

律「あ……」

澪「……………」

律「…………聞いてた…?」

澪「別に…」ダッ

律「おっ、おい待てよ!」ズギャオッ


184: 2009/11/04(水) 17:51:32.52


―廊下



律「………なあ」

澪「帰れよ……あの人達と」

律「…私は澪と帰るよ」

澪「フ…同情……」

律「違えよ」

澪「違うもんか!!」

澪「いつも独りで可哀想とか、構ってあげようとか!」

澪「昔から、ずっとそう思ってるんだろ!!」


186: 2009/11/04(水) 18:01:02.62



シュッ ←足払い




澪「いたっ」ドサッ

律「馬鹿やろう!!!!!」

澪 !!

律「そんな気持ちで!!……そんな気持ちで…!」

律「そんな気持ちで今まで私と友達やってたのかッッ!!!」

澪「………!!」

律「私は悲しいぞ……」

律「友達っていうのは……いや…親友っていうのは……!!」

律「…そんなんじゃないだろ………」ポロポロ

澪「………律…」



188: 2009/11/04(水) 18:37:17.32



澪「ごめん……私間違ってた…」

律「そうだよ…」

律「可哀想とか…そんなんで付き合う訳ないじゃんか……」

律「私はただ、好きだから一緒居るだけだよっ」ニコ

澪「……うん…」

律「さっ…一緒に帰ろ!」

澪「…うん!」

ありがとう律……
好きって言ってくれて
友達の意味が少しだけ解ったような気がするよ…

190: 2009/11/04(水) 18:46:50.26






「どうですか?」

「一瞬乱れた部分もあるけど……」

「精神的にはまた安定してきたわ」

「これがこの子の今後に活かせればいいんですけど…」

「そうねえ……今年から高校生だっけ?」

「そうみたいです」

「多感な時期よね~…若いって羨ましいわ……」

「何言ってるんですかw」


191: 2009/11/04(水) 18:55:12.02

―午前11時

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唯「ねえ……私達どうなっちゃうの…?」

律「さぁな……」

憂「皆……私達の事、忘れちゃったんですかね…」

唯律紬「……………」

律「忘れる………か…」

律「なあ、この状態が幽霊ってやつかな?」サッサッ

唯紬憂「……………」

律「ごめん……」



204: 2009/11/05(木) 00:36:20.95


律「また負けた……」

紬「3二金がぴったり」

唯「うわ、りっちゃん弱すぎ…」

律「うっせぇ!“最強羽生将棋”でちゃんと勉強したんだ」

唯「それゲームじゃん……古いし」

律「もう羽生の頭脳全集買うか…」


205: 2009/11/05(木) 00:44:57.28
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―12時半、学校



律「とりあえず―」

唯「昼休みの時間だね……これから秋山さんの後付けるの?」

律「……そう、まずは私達の身に何が起きたのか調べないと…」

律「憂ちゃん、梓の方よろしくね」

憂「あの……ちょっと分からないです…」

律「えっ?」


206: 2009/11/05(木) 00:51:11.11

憂「何だが分からなくなっちゃって……」

律「お、落ち着いて…」

唯「うい、大丈夫?」

憂「……お姉ちゃん…」

律「……!」

律「……ねえ、梓は…?梓って子…」

憂「あずさ…?すみません、ちょっと…」


208: 2009/11/05(木) 00:57:51.62

律(おい…マジかよ………)

紬「ねえ…」

律「な、なに?」

紬「その子がどうかしたの?…」

律「ムギ……おい唯!?」

唯「なに?」

律「何じゃないだろ!梓だよ!お前は覚えてるだろ……?」

唯「えっ…覚えてるも何も知らないよ」

律「ウソだろ……」


210: 2009/11/05(木) 01:13:05.52



どうすればいいんだ…どうすれば……
…何故私だけ記憶がはっきりしてる……?

梓…澪…和……
無くなっていく記憶

とにかく……澪の周辺だけでも調べないと
理由を……早く何とかしないと皆が………!

憂「あの、律さん」


211: 2009/11/05(木) 01:31:23.43



「後何分?」

「えっと、4分と15秒です」

「残り時間3分になったら、予定通りアレお願いね」

「分かりました」

「この子も心の準備、しておかないとだからね…」

「ちょっとびっくりするでしょうね……」

「問題ないわよ、直ぐにこっちに戻るんだから」

「あのー…」ガチャ

「ん?梓ちゃん、どうしたの?」


213: 2009/11/05(木) 01:39:45.19

梓「少し姉の様子が気になって……」

「大丈夫よ、少しイメージが乱れる部分もあるけどね。今は安定してるわ」

梓「どんなの見てるんだろ…」

「気になる?けど規約で見せられないの、ごめんね」

「あ!梓ちゃんも今度試してみる?今ならサービスしちゃうわよ~ん」

梓「い、いや…私は………」

「先生、困ってるじゃないですか…!」ボソ

梓「じ、じゃあ私はこれで……」

バタン



216: 2009/11/05(木) 01:53:09.04


「やっぱり似てますね。姉妹だと」

「そうねえ……って、そろそろよ。アレ準備して」

「あ、はい」

(……やっぱり、プログラムのイメージにノイズが入り始めてるわね…)

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律「どうしたの……?憂ちゃん……」

憂「私……今全部知っちゃいました…」


218: 2009/11/05(木) 02:10:49.00


律「え……?」

唯「ねえ憂、どういう事…?知ったってなにを……」

紬「教えて、憂ちゃん」

憂「紬さん……」

憂「紬さん、いつも姉に楽しいティータイムを提供してくれてありがとうございます」

紬「え…?」

憂「お姉ちゃんはいつも『明日のお菓子は何かなー♪』とか…」

憂「…『今日はムギちゃん美味しい紅茶を淹れてくれたんだよー!』とか……」

憂「嬉しそうに…とっても嬉しそうに……」

律「憂ちゃん……?」


220: 2009/11/05(木) 02:22:41.78

憂「たくさんの笑顔を作って下さって、本当に妹として感謝してるんです」

紬「憂ちゃん…」

憂「お姉ちゃん……ありがとね」

唯「憂……何言って…?」

憂「ねえ、小さい頃のクリスマスの日、覚えてる?」

唯「クリスマス…」

憂「ふふ…クション破って中身出しちゃったんだよね」

唯「あ…あの時…」

律(…………)


223: 2009/11/05(木) 02:56:34.53

憂「その後お父さんとお母さんに凄く怒られて…」

唯「えへへ……憂に喜んでほしくてさ…」

憂「……今までの思い出が全部なくなっちゃうなんて事…絶対ないよね……」

唯「……憂、なんで泣いて…」

律(…!…)

憂「私のお姉ちゃんでいてくれてありがとう……」

憂「じゃあね……お姉ちゃん」

大好きでした…

律「憂ちゃん!!」







225: 2009/11/05(木) 03:01:19.66
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唯「…………」

律「憂ちゃん…?まさか消え……」

律「…おい唯!!」

唯「へ?……」

律「なにボーッとしてんだよ!!憂ちゃんが…!」

唯「ウイ…チャン…?」

唯「何のこと言ってんの?りっちゃん…」

紬「さぁ…」


227: 2009/11/05(木) 03:15:50.51

律「おい!!今見ただろ!!!」ガッ

唯 「なに!?」

律「憂ちゃんが消えちゃったの!!お前見ただろ!!!」

唯「もうさっきから何言ってんの!?痛いよ……」

律「ふざけんな!!お前憂ちゃんの姉だろ!!?今まで一緒に暮らしてきたんだろ!!!?」

唯「ねえ……なんなの…」ビクビク

律「お前妹のことまでッ……!!」

紬「…………」



231: 2009/11/05(木) 03:34:10.26

律(けど憂ちゃんはなんで……)

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「じゃあ始めて」

「はい…」


―学校


澪(皆大丈夫かな…)

澪(唯もムギも律も……)


グニャアア・・・


澪(うっ……!?頭イタ……)

澪(歪んでる……?物が全部…!)

アタマ痛たぁぁぁぁ…


233: 2009/11/05(木) 03:45:22.96






唯「ねえりっちゃん…澪ちゃんの教室行くの…?」

律「そーだよ…当たり前だろ…」スタスタ

唯「ねえ…何で怒ってるの…?」

律「怒ってねえよ……」スタスタ

律(とにかく…今はこの状況をなんとかするんだ……)

律(急がないと、にかくヤバい……)

律(憂ちゃん………)



234: 2009/11/05(木) 04:00:39.54

―教室

紬「ここね…秋山さん」

律「…………」

唯「居るかな……」





紬「いないみたい……」

唯「どうするの…?」

律「……他急いで探すぞ」

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梓「どうしたんですか?先輩」

239: 2009/11/05(木) 04:36:38.20

澪「梓、私全部解ったんだ……」





「これでようやく一歩お目覚めね」

「そうですね」

「後なん…」

「2分です」

「…一人関係の薄い子が消えたわね」

「可哀想ですよね……最後に自分の運命を知るわけですし」

「“プログラム”としての運命ね…」

「この子、ちゃんと皆にお別れの挨拶できてるでしょうか……」

「その心の余裕があればね…」

「そろそろ梓ちゃん呼んどく?」

「あ、そうですね」


295: 2009/11/06(金) 00:24:54.13

梓「解った…?なにがですか」

澪「もう少しでこの世界も終わるんだ」

梓「…は……?」

澪「信じられないのは分かる。私だって信じたくないよ…」

澪「けど思い出しちゃったんだ。全部…」

梓「ちょっと……何言ってるか全然解んねーです……」


298: 2009/11/06(金) 00:38:47.24

澪「この世界が歪み始めてる…」

澪「梓……もう気付いてるんだろ?」

澪「自分が…仕組まれた存在であることにッッ…………!!」バキバキ

梓「ッ………!」

梓「……そうですよ…。出来れば気付かれずに“あっち”に行って欲しかったです」

澪「………」

梓「でもよかったです。こっちではお別れですが…」

梓「あっちではあなたの妹なんですから」



299: 2009/11/06(金) 00:46:07.26

澪「ああ……」

澪「後輩としての梓と出会ってからの一年……絶対忘れないよ」

梓「私はもう消えちゃいますが……」

梓「あっちに行っても、元気に暮らして下さい」





律「居た!!」

澪梓 !

澪「律!!…に二人も!?」

唯紬「いや、ダレ……?」



302: 2009/11/06(金) 00:53:18.50

澪「そっか…私のこともう忘れちゃったのか……」

律「っていうかお前私達のこと見えて……!」

梓「先輩は全てを思いだしたそうです」

律「オモイダス…?」

梓「そっか……澪先輩と特に関係が深い先輩3人はまだ……」

梓「本来の使命、自分の宿命に気付いてないんですね…」


304: 2009/11/06(金) 00:59:57.56

澪「………」

律「お、おい澪…梓の奴何言ってんだよ……ワケわかんないっての…」

唯「そうだよ……さっきからあの子、何言って…」

唯「あっ、アタマいた………」

紬「私も……なんだか…」

律「おいどうした……!?」

澪「気付き始めたんだ……」

梓「もうすぐ終わるんですね………」


308: 2009/11/06(金) 01:19:51.40

唯「そんな……皆そうだったの……?」

唯「みんなみんな、澪ちゃんの……」ポロポロ

澪「……そう」

紬「嘘よこんなの…」

梓「本当です……私達は全て……」

プログラムされた仮想世界に仕組まれた存在
“データそのもの”に過ぎません

梓「つまり…………」

梓「私達は、澪先輩の見てる夢そのものなんですよ……。思い出しました?」



310: 2009/11/06(金) 01:29:12.23


律「唯…ムギ……こいつ何ワケわかんないこと」

唯「りっちゃん、もう終わりなんだよ…」

律「だから…なにが」

紬「聞いたでしょ……私達は別に氏んでなんかなかった…」

唯「ただ“最初から”存在しなかったんだよ……」

律「なにを……」

梓「まだ分からないんですか………」

梓「私達も律先輩も、この仮想世界にプログラムされた―」

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ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

澪「ん………」

梓「あ、お姉ちゃん起きましたよ!?」


311: 2009/11/06(金) 01:36:30.29


―山中クリニック


さわ子「お帰りなさい」ニコ

澪「…………」

さわ子「どうだった?『人生円滑サポートシミュレーションシステム』は?」

和「先生、その名前なんとか短くできないんですか……」

さわ子「助手が口出ししなさんな~」

梓「お姉ちゃん大丈夫…?」

澪「梓……うん、大丈夫」

さわ子「今年から高校生なんでしょ?今回のシミュレーションは役に立ちそうかしら」


312: 2009/11/06(金) 01:45:53.07

和「凄い技術ですよね、たった二時間で二年分の仮想体験が出来るんですから」

梓「この機械でですかぁ……」

さわ子「今回澪ちゃんには、高校入学から、二年時の冬までを体験してもらったけど」

さわ子「大切なお友達はできたかな?」

澪「はい…あの先生、こんなこと訊くのも野暮かと思うんですけど……」

さわ子「なに?」


314: 2009/11/06(金) 01:53:52.82


澪「あの世界で出会った皆は……やっぱり消えてしまうんでしょうか…」

和「………」

さわ子「消える、とは考えない方がいいわ」

さわ子「確かに、今まで二年間一緒だった人だろうから、心苦しいのは解るわ」

澪「…………」

さわ子「だからこそ、最後に皆にさよならを言ってほしかったの…」

澪「…それで最後に現実の記憶を……」

さわ子「まっそういうワケね…」


315: 2009/11/06(金) 02:02:00.91


さわ子「でもその様子なら高校生活も心配なさそうね」

和「秋山さん、きっと直ぐに大切なお友達が見つかりますよ」

澪(和………いや、真鍋さんか…)

梓「お姉ちゃん、あんまり心配する必要なかったんだよ…」

澪「…あの、最後に一ついいですか?」


317: 2009/11/06(金) 02:11:30.32


澪「律………いやあのカチューシャの子は…」

澪(って、こんな事言っても分かるわけないか……)

さわ子「……真鍋さん…」

和「…はい…やっぱり…」

澪「?」

澪「あの、どうかしましたか……?」

さわ子「でるのよ…………」

澪「え?」



320: 2009/11/06(金) 02:22:02.08

さわ子「ウチにはこれと同じマシンが他にもたくさんあるけど……」

さわ子「このBー05番、澪ちゃんが今回使ったこれね…」

さわ子「使ったクランケの方が皆言うのよ……」

さわ子「“カチューシャをした女の子が”って……名前は…」




「田井中律」




澪「……!」

さわ子「そうでしょ?」

澪「……はい…」


325: 2009/11/06(金) 02:32:03.18


さわ子「どうやらこの機械で行うシミュレーションには、必ず『田井中律』と呼ばれる女の子が存在するみたいなの」

和「皆さん、終わった後に必ず言うんですよ、リツ、リツ、って…」

梓「なんか怖いですね……」

さわ子「きっと体験者に強い影響を残すんでしょうね……」

澪「リツ、…タイナカリツ……」

澪「ただの…プログラム……」


326: 2009/11/06(金) 02:38:28.85

幼馴染みのタイナカリツ・・・

小学校時代のタイナカリツ

中学時代のタイナカリツ

高校生のタイナカリツ

バンドを一緒に組んだリツ

バイトをしたリツ…

合宿をしたリツ…

ライブを皆でした…………タ イ ナ カ リ ツ







330: 2009/11/06(金) 02:46:25.48

梓「お姉ちゃん、そろそろ帰ろっか」

…全てはプログラム

和「秋山さん……?」

何度も、何度も違う人の…

さわ子「大丈夫?」

大切な人になってきた……律

梓「ねえ、聞いてるの?」

皆消えていく中……

たった一人で何度も何度も

仮想世界に生きる田井中律……






332: 2009/11/06(金) 02:53:48.47

梓「お姉ちゃん!!」

澪「………!」

梓「ねぇ大丈夫……?」

澪「ごめん……大丈夫だよ」

和(無理もないですよね…本人にしたら何年も向こうに居たわけですから……)

さわ子(そりゃま、まだ少しは混乱するわよ…)

澪「じゃあ私、帰りますね」


333: 2009/11/06(金) 02:58:10.70

さわ子「あ…はい、それじゃあ、今後に活かせるように祈ってるわ」

澪「はい…ありがとうございました」

さわ子「高校生活、頑張ってね」

澪「はい」

梓「じゃ、行こっ」

澪「…うん」

バタン


「次の方どうぞ」


336: 2009/11/06(金) 03:10:06.46
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―季節、春

「じゃあねー」「バイバーイ」




「―なぁなぁ!」

少女「え……私…?」

「君いっつも一人で帰んないでさ、今日は私と一緒に帰ろうぜ!」

少女「あなたは…確か三組のクラスの……」

「あ、名前?」

「私は律、田井中律!よろしくね」



          ―END―

337: 2009/11/06(金) 03:11:05.33

338: 2009/11/06(金) 03:11:41.04
りっちゃぁぁぁん!


341: 2009/11/06(金) 03:16:22.77
終局です
ダラダラと指してしまいすみませんでした
言いたかったことは、とにかく羽生さん永世七冠目指して頑張ってください。
ということです。ここまで観戦ありがとうございました

345: 2009/11/06(金) 03:31:30.57
>>344
その通りですよ。記憶を再構築された状態で、他人の夢を永遠ループします

引用元: 唯「澪ちゃん…なんで……」