2: 2014/09/06(土) 00:57:06.12
ヤヤ「ヤヤちゃん今日うちに泊まりにこない?」

ヤヤ「え? 仲良しレOしにいっていいの?」

ヤヤ「大丈夫だよ!日の出の時間まで激しくやろうねヤヤちゃん!」

ヤヤ「じゃあ学校終わったらいかせにいくわね」

ヤヤ「うん準備して待ってるね」

なる「……」

3: 2014/09/06(土) 00:57:50.85
ヤヤ「ヤヤちゃん、今日は寝かせてあげないからね」

ヤヤ「もう、何言ってるのよ……終わったあとはいつも先に寝ちゃうくせに」

ヤヤ「ヤヤちゃんと一緒に寝てるとすごく気持ち良くて……」

ヤヤ「でも今日は先に寝ないよ? 一日中ヤヤちゃんのこと気持ちよくしてあげるから!」

ヤヤ「も、もうっ……何恥ずかしいこと言ってんのよ、バカ……」

ヤヤ「えへへ、ヤヤちゃん大好き……」

ヤヤ「私もよ、なる……」

なる「……や、ヤヤちゃん?」

ヤヤ「!?」

4: 2014/09/06(土) 00:58:38.01
ヤヤ「な、なっ、ななっ……!?」

なる「さっきからずっと1人で喋ってるけど……ど、どうしたの? 大丈夫?」

なる「もしかして、私に話しかけてた……?」

ヤヤ「ちち、違うわよ!? て、てかなるいつからそこに……!?」

なる「今日うちに泊まりにこない、の辺りから……」

ヤヤ「」

なる「勝手に聞いちゃってごめんなさい……ヤヤちゃんすごく幸せそうだったから、話しかけにくくて……」

ヤヤ「ち、違うから」

なる「へ?」

ヤヤ「さっきのは、その……演劇の練習だから!?」

なる「え、演劇の練習……?」

5: 2014/09/06(土) 00:59:26.86
初っ端からクレイジーだ

6: 2014/09/06(土) 00:59:31.18
ヤヤ「わ、私、この前演劇部に助っ人頼まれちゃって、その……それの練習だから!」

ヤヤ「妄想口から垂れ流してたとかそんなんじゃないんだからねっ!?」

なる「そうなんだ……ヤヤちゃん、演劇の練習してて……」

ヤヤ「そ、そうよ。私くらい完璧だとそういうことも頼まれちゃうの」

ヤヤ「本当は忙しいし断りたかったけど? ま、まあ演劇部の子がどうしてもって言うから仕方なく」

ヤヤ「時間もないし忙しいから、今みたいに暇な時間を見つけて練習してたの!」

なる「そうだったんだ……ヤヤちゃんはやっぱりすごいね! 演劇も出来るなんて!」

ヤヤ「ま、まあ私くらい完璧だと逆に出来ないことを探す方が大変だし?」

なる「さっきの演技もすごかったよ! 一人二役なのにすごく真に迫ってて……!」

ヤヤ「ほ、褒めすぎよ。あれくらい誰でも出来るって」

なる「どういう内容の演劇をするの? 気持ちよくしてあげるとかどうとか言ってたけど……」

ヤヤ「そ、それは、えっと……」

7: 2014/09/06(土) 01:00:43.11
ヤヤ「そ、そう。恋愛物の演劇よ」

なる「れ、恋愛物!?」

ヤヤ「耽美でアダルトな内容の恋愛劇よ、おこちゃまななるには10年早いようなね」

なる「そうなんだ……だからあんな恥ずかしいこと言って……」

ヤヤ「こ、これ以上の詳しい内容はネタバレになるから言えないわよ」

なる「ヤヤちゃんは何の役をするの?」

なる「さっきの会話から考えると……やっぱりヒロイン?」

ヤヤ「ま、まあそうね。私に助っ人頼むくらいなんだからヒロインじゃないと引き受けないわよ」

なる「恋愛劇のヒロインをするなんて、ヤヤちゃん本当にすごい!」

なる「私なら恥ずかし過ぎて絶対に出来ないよ……」

8: 2014/09/06(土) 01:01:52.24
ハナ「そんなことないですよ!」

ヤヤ「なっ!?」

なる「は、ハナちゃん!?」

ハナ「よさこいで成長したなるなら演劇だって出来ます!」

ヤヤ「ああ、アンタどこから沸いて来たのよ!? てかいつからそこに!?」

ハナ「ヤヤさんが演劇をやる、ってあたりから聞き耳立ててました!」

ヤヤ(め、面倒くさいヤツに私の嘘が……)

ハナ「なる! 自分に自信を持ってください! 今のなるに努力して出来ないことなんてないです!」

なる「そ、そんなことないよ……私が人前で踊れるのもみんながいるからで……」

ハナ「人前で踊れるようになったのもなるの努力の成果です! だから頑張れば演劇だって出来るようになります!」

ヤヤ「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! なんでなるが演劇やるみたいな話になってるわけ!?」

ヤヤ「この話はなるまっったく関係ないんだけど!!」

10: 2014/09/06(土) 01:03:18.11
なる「そ、そうだよハナちゃん! 私演劇なんてやらないし、やる予定も……!」

ハナ「私、演劇をすることによってなるがもう一回り成長できると思うんですよ」

ヤヤ「ど、どういう意味よ」

ハナ「なるは人前で何かをやることにまだ抵抗がありますよね」

ハナ「だから演劇を通してそれを無くせれば、もっと良いよさこいが踊れるようになると思うんです!」

多美「つまり、よさこいの練習の一貫として演劇に挑戦してみる、ってことだよね」

なる「た、多美お姉ちゃん!?」

多美「私は良いと思うなー。なるちゃんのそれは普通の練習じゃ克服出来ないだろうから」

真智「まあ、今までと違った練習をしてみる、ってのは悪くないと思うわね。こういう機会じゃないと出来ないことでもあるし」

ヤヤ「ふ、2人ともいつの間に……」

11: 2014/09/06(土) 01:04:17.13
真智「普通に部室に来ただけよ。どういう経緯でそういう話になったのかは知らないけど」

ヤヤ(や、ヤバい……嘘がどんどん変な方向に……)

ハナ「なる! チャレンジしてみましょう! レッツ演劇です!」

なる「むむ、無理だよ!? 私に演劇なんて、そんなっ」

真智「大勢の人の前で発表するわけじゃないんだから、そんなに気負うことないでしょ」

ハナ「そうです! あくまでよさこいの練習の一貫ですから!」

多美「ヤヤちゃんの演劇の練習にもなるし、一石二鳥だと思うよ?」

ヤヤ「ちょ、ちょっと待って! 私の練習にもなるってどういう意味!?」

真智「どういう意味って……ヤヤの相手役をなるがするってことでしょ?」

ヤヤ「んなぁっ!?」

12: 2014/09/06(土) 01:06:07.08
ハナ「なるほど! そうすればヤヤさんの練習となるの演劇挑戦の2つを同時にこなせるってことですね!」

ハナ「お二人とも素晴らしい発想です!!」

真智「てかそのつもりでハナがこの話をしてると思ってたんだけど」

ハナ「ってことで早速チャレンジ……」

ヤヤ「ま、待ちなさい! 肝心のなるが乗り気じゃないでしょ!? そもそも私もやるなんて一言も……!」

なる「わ、私は……やってみてもいい、かも……」

ヤヤ「な、なる? アンタ何言って……」

真智「へえ意外。てっきり嫌がると思ったのに」

なる「普段なら絶対に出来ないことだから……ちょっとだけなら体験してみたいなぁ、って……」

多美「なるちゃんはメルヘンなお話が好きだから、演劇とかに憧れがあるのよね」

ヤヤ「め、メルヘンじゃなくて恋愛劇なんですけど!」

なる「それでも相手はヤヤちゃんだし……ちょっとだけなら……」

ヤヤ(あ、相手は私だからって……)

13: 2014/09/06(土) 01:07:09.32
ハナ「決まりですね! 2人ともレッツチャレンジです!」

ヤヤ「だから私はやるなんて一言も言ってないでしょ!?」

ハナ「どうしてそんなに嫌がるんですか? 一人二役で練習してたなら、相手が出来て普通喜ぶと思いますけど……」

多美「一人二役?」

ヤヤ「ちょっ」

ハナ「それにヤヤさんなるのこと大好きですから、より感情も……アウチ!?」

ヤヤ「それ以上喋るとぶん殴るわよ……?」

真智「もう殴ったわよね」

ハナ「ひ、酷いですヤヤさん……」

ヤヤ「黙りなさい! 勝手な話を勝手に進めていい加減に……!」

なる「ヤヤちゃん……」

ヤヤ「な、なに」

なる「私が練習の相手役じゃ、嫌……?」

ヤヤ「っ……」

14: 2014/09/06(土) 01:08:12.41
ヤヤ「い、嫌とかじゃ、ないけど……」

なる「どうしてそんなにも嫌がるの……?」

なる「私が相手だとダメな理由とかあるの……?」

ヤヤ「だ、ダメな理由は、ない、けど……」

なる「じゃあなんで……?」

ヤヤ「えっと、そのっ……」

なる「……」ウルウル

ヤヤ「だ、台本……」

ヤヤ「そう! 今台本がないから出来ないの!」

真智「持ってくればいいじゃない」

ヤヤ「台本は家にあるから……それに今から持って来て帰ってくればもう最終下校だし……」

ヤヤ「だ、だから、その……明日にしない?」

なる「うん、いいよ!」

ハナ「決定ですね! ってことで明日の放課後にしましょう!」

ハナ「台本、忘れずにちゃんと持って来てくださいね!」

15: 2014/09/06(土) 01:09:22.68
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

ヤヤ「ど、どうしよう……」

ヤヤ(演劇なんて嘘だし台本なんてあるわけないのに……)

ヤヤ(とりあえず明日の放課後までは大丈夫だけど、このままじゃ嘘がバレるのは時間の問題……)

ヤヤ「もしなるに私のアレが演技なんかじゃないってバレたら……」


なる『演劇云々って嘘だったの……?』

なる『じゃあ私とレズしたいとかイかせるとかも全部ヤヤちゃんの願望で……』

なる『気持ち悪い……二度と私に話しかけないでください、笹目さん』


ヤヤ「……」

ヤヤ(ヤバい、想像しただけで吐きそう……)

ヤヤ(全部私の自業自得とは言え、こんなのって……)

真智「随分と困ってるみたいね」

ヤヤ「!」

ヤヤ「ま、真智さん……?」

16: 2014/09/06(土) 01:10:08.19
真智「ハナとなるから詳しい話を聞いたけど……演劇するって嘘でしょ?」

ヤヤ「なっ」

真智「私の友達に演劇部の子いるけど、そんな話知らないって言ってたわよ」

ヤヤ「うぅぅ……」

真智「どうしてそんなすぐにバレるような嘘を吐いたの」

ヤヤ「やむを得ない事情があって……」

真智「何よそれ、説明になってないわよ」

ヤヤ「説明出来ないようなことなんです!!」

真智「はぁ……で、どうするつもりなの?」

真智「なると演劇なんて出来ないじゃない」

ヤヤ「た、助けてください……」

真智「無理ね。大人しく謝りなさい」

ヤヤ「それが出来たら苦労しないわよ!」

17: 2014/09/06(土) 01:11:13.67
真智「あのね、いくらプライドが高いからって自分に非があることを謝れないのは人として……」

ヤヤ「……」ウルウル

真智「なっ、なんで泣きそうになってるのよ!?」

ヤヤ「だってぇ……」

真智「協力して欲しいなら事情を話しなさい!」

ヤヤ「……誰にも言わないですか」

真智「言わないわよ」

ヤヤ「絶対に?」

真智「そんなにも信用がないならもう帰るわ、じゃあね」

ヤヤ「ちょ、待って!」

真智「早く話しなさい、私だって暇じゃないのよ」

ヤヤ「……実は」

~説明中~

ヤヤ「っていうことで……」

真智「……想像以上に馬鹿らしい経緯で頭が痛くなるわ」

18: 2014/09/06(土) 01:12:37.21
ヤヤ「悪かったわね、馬鹿らしい経緯で……でも私にとっては氏活問題なの……」

真智「……事情は分かったわ。で、ヤヤはどうしたいの?」

ヤヤ「ど、どうしたいって……」

真智「こんなの解決法は2つしかないじゃない」

真智「演劇なんて嘘ですって正直に謝るか、あくまで嘘を通してなると演劇の練習のフリをするか」

ヤヤ「前者は絶対にあり得ないわ……想像しただけで吐きそうになる……」

真智「後者を選ぶにしても台本が無いし、演劇自体しないんだからバレるのは時間の問題よ」

真智「私は素直に謝った方が良いと思うけど。なる自身もその時の様子はよく分かってないだろうし」

ヤヤ「でもあの子、練習とは言え演劇するの楽しみにしてたし……それを裏切るのはちょっと……」

真智「はぁ。ほんっと骨抜きなのね」

ヤヤ「うっさい……」

真智「あくまで妄想垂れ流しを演技ってことにしたいなら、まず台本を用意して、それから演劇部に話を通さないといけないわよ」

ヤヤ「演劇部云々は大丈夫よ。明日さえ乗り越えれば、やっぱりやめることにしたって言えばそれで終わるから」

真智「随分と強引なやり方ね……」

19: 2014/09/06(土) 01:14:05.74
ヤヤ「ハナやなるには演劇部の友達なんていないだろうから、そう簡単には裏なんて取れないわ」

真智「台本はどうするつもり?」

ヤヤ「それをどうするか思いついてればこんなに悩んでないわよ……」

真智「……ネットか何かで拾って来るか、演劇部に頼んでそれっぽいのを用意してもらうか」

真智「自分で作るか」

ヤヤ「!」

真智「この3つくらいじゃないかしら」

ヤヤ(自分で、作る……)

真智「一番手軽で現実的なのはネットで拾ってくるだと思うけど……」

真智「自分で作るってのも案外アリじゃないかしら」

真智「全部は見せられないから練習用に一部抜粋した、とかなんとか言えばそれなりの量で抑えられるだろうし」

真智「……何より、普段からそういう妄想してるなら、その……ぱっと思いついたりするんじゃないの、知らないけど」

ヤヤ「そ、そんなこと……!」

真智「で、どうするの?」

20: 2014/09/06(土) 01:15:09.81
ヤヤ「……」

真智「……」

ヤヤ「……じ、自分で作る」

真智「ヤヤ、あなた……」

ヤヤ「な、何よ!? 提案したのは真智さんでしょ!?」

真智「それはそうだけど……」

ヤヤ「わ、私はなんでも出来るからこれくらいなら自分で考えた方が楽なの!」

ヤヤ「別になるに恥ずかしい台詞言わせたいとかそんなんじゃないんだから!」

真智「え、ええ、そうね」

真智(本当に何考えてるのか分かりやすいわねこの子……)

ヤヤ「……」

真智「……」

ヤヤ「……相談、乗ってもらってありがとうございました」

真智「どういたしまして。これに懲りたら部室での妄想は控える事ね」

21: 2014/09/06(土) 01:16:33.88
ヤヤ「……真智さんもたまに声に出てますよ」

真智「なっ」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ハナ「放課後です!」

ハナ「ヤヤさん、台本持って来てくれましたか!?」

ヤヤ「え、ええ。持って来たわよ」

ハナ「グレートです! これで演劇できますね!」

真智(本当に一晩で台本作ったんだ……)

多美「2人の演劇楽しみー」

なる「早速だけど、どんな内容のお話なのか読んでもいいかな……?」

ヤヤ「べ、別にいいわよ。はいこれ、なるの分」

なる「わぁ……演劇の台本ってこんな風になってて……」

多美「なんだかそれっぽいねー」

ヤヤ「言っとくけどそれは一部抜粋だから。練習に使えそうな部分だけ」

ハナ「えー、なんでですかー!?」

22: 2014/09/06(土) 01:17:20.57
ヤヤ「全部は演劇部的にNGだからよ」

ハナ「あー、そういう事情ならしょうがないです……」

真智(ヤヤはどんな内容の話にしたのかしら……)

なる「や、ヤヤちゃん、このお話の主人公とヒロインって2人とも女の子なの……?」

ヤヤ「え、ええそうよ」

ハナ「??」

ハナ「恋愛劇なのに主人公とヒロインが女の子なんですか?」

ヤヤ「ど、同性同士の禁断の愛を描いた話だから」

ヤヤ「ま、まあここ女子校だし? 演劇部の子たちがそういう話を考えてもおかしくないわ」

多美「女の子同士の禁断の愛……」

ハナ「なんだかそれっぽいですね!」

真智(ヤヤ……)

23: 2014/09/06(土) 01:18:30.89
多美「なるちゃん、軽く読んでみた感想はどう?」

なる「……」

多美「なるちゃん?」

なる「わ、私……無理です……」

ハナ「へ?」

なる「こんな恥ずかしい台詞言えないよーー!!」

ヤヤ(わ、悪かったわね恥ずかしい台詞で!!)

真智(なるのあの様子から察するに、相当に煩悩に溢れてるっぽいわね……)

なる「む、無理……私こんな役出来ない……」

ハナ「ダメですよなる! 演劇の台詞なんて恥ずかしくて当然です!」

ハナ「それを乗り越えるからこそ練習なんですよ!?」

なる「で、でも……」

24: 2014/09/06(土) 01:19:32.35
なる「これ、キスシーンが入ってて……」

ハナ「!?」

真智「はぁ……」

多美「ふふ、本格的なんだねー」

なる「い、いくら相手がヤヤちゃんでも、こんなの私には無理だよぉ……」

ヤヤ「ば、バッカじゃないの? キスシーンなんて本当にするわけないでしょ。フリよフリ」

なる「それでも恥ずかしいよぉ……」

ヤヤ「わ、私だって恥ずかしいわよバカ!?」

真智(じゃあなんでそんな台本を……)

ヤヤ「でも演劇だからやらないといけないの! 女優とか俳優はもっとすごいことを堂々としてるんだからね!?」

なる「私は女優じゃないもん……」

ハナ「なる、それじゃあダメです! この恥ずかしいを乗り越えるのがこの練習で一番大切なテーマなんです!」

ハナ「これを乗り越えられれば人前でよさこい踊るくらい平気になるはずですから!」

なる「で、でも……」

25: 2014/09/06(土) 01:20:15.02
真智「まあ、やりたくないならやらないでもいいんじゃない?」

真智「本人が嫌なら無理に強制させることでもないし」

ハナ「でも……これはなるのためで……」

真智「私も良い練習にはなると思うけど、ここまで嫌がってるんだから可哀相でしょ」

なる「……」

ヤヤ(深夜テンションで書いちゃったけど……冷静になって考えてみるとなるのこの反応は当然で……)

ハナ「なるは……ヤヤさんのこと嫌いですか……?」

なる「そ、そんなことないよ! ヤヤちゃんのことは大好きで……!」

ハナ「なら出来ない理由は恥ずかしい、ってことだけですよね?」

なる「……うん」

ハナ「もしそれを乗り越えられるなら……なるはもっと輝けると思います」

なる「!」

ハナ「なるはもっと輝きたくないんですか? 素敵になりたくないんですか?」

なる「わ、私は……」

26: 2014/09/06(土) 01:21:51.87
ヤヤ「なる……」

多美「なるちゃん……」

なる「私も……みんなみたいに輝きたい!」

ハナ「なる!」

なる「私、やるよ! デパートの時みたいな失敗するのはもう絶対に嫌だから!」

ハナ「イエス! そうと決まればレッツ演劇チャレンジです!!」

ヤヤ(ほ、本当にやるんだ……)

真智(一体どうなるやら……)

なる「よ、よろしくね、ヤヤちゃん」

ヤヤ「う、うん。よ、よろしく……」

なる「えっと、私はどっちの役をすればいいのかな?」

ヤヤ「へ? あ、えっと、じゃあヒロインの方で……」


多美「2人の演技楽しみー」

ハナ「ファイトファイトですなる!!」

真智(本当にファイトしないといけないのはヤヤだろうけど……)

27: 2014/09/06(土) 01:23:03.28
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
ヤヤ「えっと、じゃあ始めるけど……その前に、今から演じるのがどういうシーンなのかの説明をするわよ」

なる「う、うん」

ヤヤ「まず前提として……なるは私のことが好きなの」

なる「……」

なる「うん、私ヤヤちゃんのこと好きだよ?」

ヤヤ「っ……」

ヤヤ「ご、ごめん、言葉が足りなかったわ」

ヤヤ「なるの演じるB子は私が演じるA子が好きなの」

なる「あ、そっちの意味だったんだね」

ヤヤ「で、この好きってのが普通の好きじゃなくて、その……」

ヤヤ「恋愛対象としての好き、なの」

なる「その……キスしたい、とかの好き、ってことだよね……?」

ヤヤ「そうよ。この前提が大切だから、しっかりそれを意識して演じる事、分かった?」

なる「う、うん」

28: 2014/09/06(土) 01:24:25.78
ヤヤ「でね、このシーンは風邪を引いて学校を休んだA子をB子が看病しに行く、っていう場面なんだけど……」

ヤヤ「この時のB子の気持ち、なるは分かる?」

なる「……」

なる「好きな人が風邪を引いて、それの看病をしに行ってるから……」

なる「私がB子ちゃんなら、すごくドキドキしてる、と思う……」

ヤヤ「そ、そうね。おおよそ正解よ」

ヤヤ「そういうドキドキしてるとか緊張してるっていうニュアンスを出しながら演じられればOKよ」

なる「む、難しいけど頑張ってみるよ……」

ヤヤ「それじゃあ始めるわよ、なるの独白からスタートで……」



ハナ「か、かなり本格的なんですね」

多美「そうだね……」

真智(変な雰囲気になったら止めるべきなのかしら……でも……)

29: 2014/09/06(土) 01:25:56.09
 
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

なる『携帯繋がらないから勝手に来ちゃった……』

なる『ヤヤちゃん大丈夫かな……熱を出して休んでるって聞いたけど、昨日まではそんな素振り無かったし……』

ヤヤ「す、ストップ」

なる「な、なに? 私台詞間違えちゃった……?」

ヤヤ「いや、台詞は間違ってないんだけど……その、なんで私の名前なの?」

ヤヤ「一応A子って書いてるはずだけど……」

なる「A子ちゃん、って呼ぶよりもヤヤちゃんって呼ぶ方がなんとなく台詞が言いやすくて……ダメかな?」

ヤヤ「だ、ダメじゃないけど……」

ヤヤ「その、私がやりにくいっていうか、一々ドキドキしちゃうっていうか……」

なる「?」

ヤヤ「あーもうなんでもいいわよ! 続けて!」

なる「う、うん」



ハナ「ふふ、ヤヤさん顔真っ赤です……」

真智(頃しにかかってるわね、なる……)

30: 2014/09/06(土) 01:27:04.56
なる『家の中暗い……誰もいないのかな……』

なる「……ねえヤヤちゃん、こういう場合ってどうするの?」

なる「インターホンを鳴らす、って書いてあるけど……」

ヤヤ「そういう素振りをしてから続きを読み上げていけばいいわ」

なる「分かった」

なる(こ、こんな感じでいいのかな……)スッ


ハナ「なる、少しぎこちないですね」

真智「素人なんだから誰だってあんなものでしょう」

多美「噛まずにちゃんと読めてて、なるちゃんすごいなぁ」


なる(さ、三人の会話が気になる……)

ヤヤ『はーい……って、なる……?』

なる『あ、ヤヤちゃん』

ヤヤ『あんたどうしてここに……』

なる『携帯繋がらないから勝手に来ちゃった……お見舞いなんだけど……』

31: 2014/09/06(土) 01:28:57.72
ヤヤ『あー、そういうえ携帯の電池切れたままだったわ……』

なる『だ、大丈夫? あんまり顔色良くないけど……』

ヤヤ『朝に比べれば大分マシよ。とりあえず、中入って』

なる『え、い、いいの?』

ヤヤ『わざわざ来てくれたのに玄関先で帰す訳ないでしょ』

なる『でもヤヤちゃん、風邪引いてて……』

ヤヤ『……今、家の中誰もいないから寂しいんだ』

なる『えっ』

ヤヤ『だから一緒に居てよなる。人が恋しかったところなんだ』

なる『う、うん分かった。それじゃあお邪魔するね……』

なる『ヤヤちゃんと2人きり……どうしよう、すごくドキドキしてくる……』

なる『こんな気持ち……ダメなのに……』

ヤヤ(こ、これ想像以上にヤバいかも……私絶対に顔赤くなってる……)

なる(みんなに見られてる中で、こんなこと……恥ずかしい……)

32: 2014/09/06(土) 01:30:44.93
ヤヤ『なる? どうしたのぼーっとして、早く入りなよ』

なる『あ、ご、ごめんなさい……お邪魔します』

ヤヤ『私以外に誰もいないけどね。そう言えばなんか持ってるけど、なるはなに買って来てくれたの?』

なる『えっと、スポーツドリンクと、あとプリンとか甘い物を……』

ヤヤ『わあ、そのプリン私の大好きなヤツだ。流石は我が親友、私のことよく分かってるー』

なる『えへへ……あと桃缶も買って来てるよ?』

ヤヤ『ふふ、私の好物だらけじゃん。嬉しいなー』

ヤヤ『一緒に食べよ? 缶切り持って来るね』

なる『あ、待って。私が持って行くからヤヤちゃんは部屋で寝てて?』

なる『病人なんだからちゃんと寝てなきゃダメだよ』

ヤヤ『そこまで過保護にされなくても大丈夫なんだけど……』

なる『だめ。ヤヤちゃんは部屋で寝て待ってて』

ヤヤ『ふふ、なるは心配性だね』

なる『心配するよ……本当に、心配したんだからね……』

ヤヤ『なる……』

33: 2014/09/06(土) 01:31:29.55
なる『ラインも見てないし、電話しても出てくれないし』

ヤヤ『ついさっきまで寝てたから……ちょっと拗ねてる?』

なる『……怒ってる』

ヤヤ『そっか、怒ってるか……どうすれば機嫌直してくれる?』

なる『……早く元気になってくれたら』

ヤヤ『ふふ、可愛いやつめっ』ギュ

なる『きゃ』

ヤヤ『な、なるのそういう優しいところ大好きだよー』

なる『も、もうっ……調子の良い事ばっかり言って……』

ヤヤ(や、ヤバい、ちょっと噛んだ……)

なる(抱きついたりっていうのも台本通りにやるんだ……)

ヤヤ(ドキドキしてるのバレたらヤバい……早く次……)

34: 2014/09/06(土) 01:32:44.27
ヤヤ『んじゃ、なるに甘えて私は早く元気になるためにゆっくりさせてもらおうかな』

ヤヤ『先部屋戻ってるね。缶切りは食器入れの中にあるからよろしくー』

なる『う、うん、すぐに持って行くね』


なる『……』

なる『心臓、すごくドキドキしてる……』

なる『ヤヤちゃん急に抱きついてくるんだもん……私の気持ちも知らないで、あんなこと……』

なる『はぁ……桃缶開けよ……あとプリンも一緒に持っていって……』

なる『あ、そういえば、ヤヤちゃんお腹空いてないのかな……』

なる『おばさんたちいない、って言ってたし、もしかしたら何も食べてないかも……』

なる『ご飯、作ってあげて……』

なる『あ……』

なる『雑炊がある……おばさんの作り置きかな……?』

なる『……』スッ…

なる『……まだあったかい』

35: 2014/09/06(土) 01:33:40.46
なる『さっき温めて食べたのかな……』

なる『台所が使った形跡があるけど……』

なる『……?』

なる『どうして包丁がこんな場所に直してあるんだろ……いつもならこっちなのに……』

なる『それに調味料の置き場所もいつもと違うような……』

なる『……』

なる『誰か、来たのかな……私より先に、お見舞いに……』

なる『そういえばヤヤちゃんさっき……なる”は”なに買って来てくれたのって……』

なる『…………』



多美「なるちゃん演技上手だねー」

ハナ「す、すごく真に迫ってます……」

真智「さっきまでのぎこちなさが嘘みたいね……」

36: 2014/09/06(土) 01:34:35.05
ヤヤ『あ、なる。ちょっと遅かったね、缶切り見つかんなかった?』

なる『缶切りはすぐに見つかったんだけどね……』

ヤヤ『?』

なる『……ヤヤちゃん、私の他に誰かお見舞いに来たの?』

ヤヤ『うん、来てくれたよ? ハナが』

なる『ハナちゃんが……?』

ヤヤ『まー騒がしかったわ、ちょっと病状悪化したんじゃないかって思うくらい』

なる『……お雑炊もハナちゃんが作ったの?』

ヤヤ『ええ、そうよ。知ってたなる? アイツ意外と料理出来るのよ、今年入って一番ビックリしたわ』

なる『そうなんだ……』

ヤヤ『おかげさまで台所はめちゃくちゃにされてたけど……まあ元気は出たわ。アイツが来るまで1人ぼっちだったから』

なる『……』

ヤヤ『……なる?』

なる『へっ、な、なに?』

ヤヤ『どうしたの? なんかぼーっとしてたけど……』

37: 2014/09/06(土) 01:35:54.87
なる『な、なんでもないよ? なんでも……』

ヤヤ『……?』

なる『それより桃缶食べようよ。プリンもあるけど、先にどっち食べたい?』

ヤヤ『うーん、じゃあ桃で』

なる『……た、食べさせてあげるね』

ヤヤ『え、いいよ、そんなの。自分で食べれるから』

なる『ヤヤちゃんは病人なんだから動いちゃダメ』

ヤヤ『そこまで重症じゃないから……って、ちょ、なる……』

なる『ヤヤちゃん、口開けて……』

ヤヤ『は、恥ずかしいって』

なる『誰も見てないよ』

ヤヤ『そういうことじゃなくて』

なる『ヤヤちゃん』

ヤヤ『わ、分かったわよ……あむ』

なる『どう? おいしい?』

38: 2014/09/06(土) 01:36:54.80
ヤヤ『……おいしい』

なる『ふふ、じゃあもっと食べさせてあげるね』


ハナ「……い、今さらですけど、これってどういう演劇なんでしょうか」

多美「な、なんなんだろうね……」

真智(ヤヤ……)

ヤヤ(外野は無視外野は無視外野は無視……)


なる『はい、あーん』

ヤヤ『あむ……なんか今日のなる強引だね』

なる『ヤヤちゃんは病人だから』

ヤヤ『ハナも同じこと言っておせっかいやいて来てたわね』

なる『……ハナちゃんも?』

ヤヤ『ええ、ちょうどこんな具合に。どんだけ雑炊食べさせられたか』

なる『……』

39: 2014/09/06(土) 01:37:43.47
ヤヤ『しかも自分で食べれるって言ってるのに、今のなるみたいに……』

なる『ね、ねえヤヤちゃん』

ヤヤ『?』

なる『もっとして欲しいこととか……ない?』

ヤヤ『して欲しいこと……?』

なる『欲しいものがあるなら買って来るし、そうじゃなくても私が出来る事ならなんでも……』

ヤヤ『どうしたのよ急に。そこまで献身的にされると逆に気遣うんだけど……』

なる『そうだ……ヤヤちゃん、汗拭いてあげるよ』

ヤヤ『へ?』

なる『お風呂入れてないから気持ち悪いよね? だから汗、拭いてあげるね……』

ヤヤ『そ、そういうのはいいから……って、ちょ、なるっ』

40: 2014/09/06(土) 01:39:12.68
なる『ほら、やっぱり汗かいてる……ヤヤちゃんじっとして? 服脱がせるから……』

ヤヤ『や、やめてなる! 本当に大丈夫だから!』

なる『大丈夫じゃないよ……こんなにも汗かいて……』

ヤヤ『かいてないから! これは服が汗を吸ってるだけで……』

なる『じゃあ服を替えないと……』

ヤヤ『服もさっき替えたから大丈夫なの!』

ヤヤ『それに身体だってさっきハナに拭いてもらったし……』

なる『え……?』

ヤヤ『だからもうなるにしてもらうようなことはないから、大人しく……』

なる『ま、待ってヤヤちゃん。ハナちゃんに身体拭いてもらったの……?』

ヤヤ『今のなるみたいにやめろって言っても聞かなかったから、しょうがなくよ』

なる『……』

ヤヤ『なるもハナもちょっと風邪引いたくらいで気遣い過ぎなのよ……逆に疲れるわよ、まったくもう』

なる『……仲、良いんだね』

41: 2014/09/06(土) 01:40:50.08
ヤヤ『え?』

なる『……』

ヤヤ『……なる?』

なる『……ごめんヤヤちゃん、私、用事思い出しちゃった』

ヤヤ『えっ?』

なる『もう帰るね……』

ヤヤ『!』

ヤヤ『ちょ、ま、待ちなさいよ! なる!』

なる『……離して、ヤヤちゃん』

ヤヤ『離さない。どういうことよ』

ヤヤ『なんで……泣いてるのよ……』

なる『……泣いてないよ』

ヤヤ『どう見たって泣いてるでしょ!? 急にどうしたの!? 意味不明で……』

42: 2014/09/06(土) 01:41:53.56
なる『分からなくていいよ……ヤヤちゃんには、分かって欲しくないから……』

ヤヤ『……どういうことか説明するまで絶対に離さないわよ』

なる『……やめてよ』

ヤヤ『やめない、ちゃんと全部話して』

なる『やだよ……こんな気持ち、話したくなんてない……』

なる『ハナちゃんも大切な友達なのに……それなのに……』

ヤヤ『ハナ……? ハナが何か関係あるの?』

なる『……』

ヤヤ『さっきまでアイツの話してたけど……』

ヤヤ『!』

ヤヤ『も、もしかして……な、なる、ハナに嫉妬したの……?』

なる『っ……』

ヤヤ『だからアイツに対抗するみたいにおせっかいやいて、それで……』

なる『ヤヤちゃんのばか……鈍感……』

なる『気付くの遅過ぎだよ……』

43: 2014/09/06(土) 01:42:32.13
ヤヤ『だ、だからって泣き出すようなこと? なるは泣き虫だけど、それでも……』

なる『鈍感なヤヤちゃんには一生分からないだろうね……私の気持ちなんて……』

ヤヤ『っ』

ヤヤ『ええ分かんないわよ!分かんないからどういうことか訊いてるんでしょ!』

なる『ちょっとくらいは考えてよ! ヤヤちゃんのバカ!!』

ヤヤ『ぐっ……』

ヤヤ『わ、分かったわよ、考えるわよ。考えればいいんでしょ……』

なる『……』

ヤヤ『えーっと、どうしてなるが泣いたかというと、ハナが私と仲良くしてるのに嫉妬したからで……』

ヤヤ『いや、もしかしたら逆かも……私がハナと仲良くしたからなるは……』

なる『ばか……』

ヤヤ『……訂正どうも』

44: 2014/09/06(土) 01:43:19.76
ヤヤ『でもだからって泣くほどのことじゃないわよね……?』

ヤヤ『私もなるとハナが自分の知らないところで仲良くしてたらちょっとくらい嫉妬はするけど……』

ヤヤ『あ』

なる『……分かった?』

ヤヤ『……たぶん』

なる『言ってみて、私の気持ち』

ヤヤ『……私にとっての一番がなるじゃないと嫌、ってことでしょ?』

ヤヤ『だからハナに色々と先超されてムカついた、違う?』

なる『……半分正解』

ヤヤ『はぁ……ギブアップ。もう半分はなに?』

なる『……ハナちゃんに対して嫌な気持ちを持った自分が嫌になったの』

ヤヤ『あー……なるらしいわね』

なる『ハナちゃんは大切な友達だから……』

45: 2014/09/06(土) 01:44:17.92
ヤヤ『それにしたって泣くほどなことじゃないと思うけど……なるは泣き虫だからしょうがないか』

なる『むー……』

ヤヤ『一応言っとくけど、私の一番の友達はなるのつもりだよ? ……その様子じゃ伝わってないみたいだけど』

なる『……私は一番の友達じゃなくて、ヤヤちゃんにとっての特別な存在になりたいの』

ヤヤ『なるは私にとって十分特別だと思うけど……』

なる『特別って言うのは、その人だけってことなんだよ……?』

なる『ハナちゃんに身体拭かせるようなヤヤちゃんにそんなこと言われても信用出来ないよ……』

ヤヤ『面倒くさいわね……じゃあどうすれば私にとってなるが特別だって証明できるのよ』

なる『……他の人には絶対に出来ないようなことをしてくれたら、信じる』

ヤヤ『例えば?』

なる『……き、キス、とか』

ヤヤ『……』

ヤヤ『なっ!?』

46: 2014/09/06(土) 01:45:25.66
ヤヤ『なな、なに言ってんのよ!?』

ヤヤ『き、キスなんて、そんなこと……』

なる『出来ないっていうのは、ヤヤちゃんにとって私が特別じゃないって証拠だよ……』

なる『私は出来るよ? ヤヤちゃんとキス』

ヤヤ『っ……』

なる『……』

ヤヤ『……わ、私も』

ヤヤ『私も……出来るよ、なるとキス』

なる『!』

なる『う、嘘だよ』

ヤヤ『嘘じゃない』

なる『じゃあ……してよ、ヤヤちゃん……』

ヤヤ『っ……』

なる『唇、だよ……?』

ヤヤ『な、なる……』

47: 2014/09/06(土) 01:46:53.28
なる『ヤヤちゃん……』

ヤヤ『なる……』


ハナ「あ、あわわわ……」

多美「……」ドキドキ

真智(ま、まさか本当にしない、わよね……?)


ヤヤ(次、キスシーンだ……)

ヤヤ(本当にするわけにはいかないから、適当に顔近づけて、それで……)

なる「……」

ヤヤ(うぅ、なるの顔、近い……この距離が限界で……)

なる「……」スッ…

ヤヤ「えっ?」
 
 
―――――――――チュ
 
   

48: 2014/09/06(土) 01:47:32.46
なる「…………」
 
ヤヤ「…………」
 

なる『……し、しちゃったね。キス』

ヤヤ「……」

なる『これで私たち……』



なる「……特別だね」

49: 2014/09/06(土) 01:48:45.36
ヤヤ「……」

ヤヤ「……」フラ…

ハナ「!?」


バタン


ハナ「や、ヤヤさんが倒れました!?」

多美「だだ、大丈夫ヤヤちゃん!?」

ヤヤ「きゅう……」

真智「き、気絶してる……」

ハナ「ほほ、保健室の先生を―――――――」



なる「……」クス…

50: 2014/09/06(土) 01:49:30.27
   
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

ヤヤ「ん、んぅ……」

ヤヤ(頭痛い……ここ、どこ……?)

ヤヤ(私、何して……)

真智「おはよう、やっと起きたわね」

ヤヤ「真智、さん……?」

真智「突然倒れたんだから本当に驚いたわよ」

ヤヤ「倒れた……?」

真智「まあその直前に起こったことの方が驚いたけど……」

ヤヤ「……」

ヤヤ「!!」

真智「記憶の整理が付いたみたいね」

ヤヤ「な、な、なななっ……」

真智「気持ちの整理は……まあ、ゆっくりしなさい」

51: 2014/09/06(土) 01:50:58.54
ヤヤ「あぅ……」プシュー

真智(頭の中沸騰してそうね……)

真智(そりゃあんな台本書けるくらい好きな相手にキスされたんだから、こうなるのが普通だろうけど)

真智(この状態じゃロクに会話も出来なさそうだし……)

真智「ヤヤ、私もう帰るわね。そろそろ最終下校だから、あなたも落ち着き次第帰りなさいよ」

真智「それじゃあね」



真智「……なる」

なる「真智さん」

真智「ちょうど良かったわ。悪いけど私も用事で先に帰るから、ヤヤのことお願いね」

なる「分かりました。ヤヤちゃん、目を覚ましましたか?」

真智「ええ、今は放心してるけど」

なる「そうですか……」

真智「ま、すぐに元に戻ると思うわ。なるの前だとどうなるかは分からないけど」

なる「あはは……」

52: 2014/09/06(土) 01:51:37.83
真智「そろそろ最終下校だから、時間だけ気を付けてね」

なる「分かりました」

真智「それじゃ、またね」

なる「はい、また明日部室で」


真智「……」


真智「ねえ、なる」

なる「はい?」

真智「気になることがあるんだけど、訊いてもいいかしら?」

なる「なんでしょうか?」

真智「演劇の最後のシーン……なるからヤヤにキスしてたわよね?」

なる「は、はい」

真智「あれは台本がそうなっていたから、なるからキスしたの?」

なる「……はい、そうです」

53: 2014/09/06(土) 01:53:21.10
真智「そう。ならいいわ」

なる「何か気になることでも……?」

真智「シーンの流れ的に、あそこはヤヤからなるにキスするのが自然だと思ったから」

なる「……」

真智(でもまあヤヤのことだし、なるにキスされたかった、の一言で……)

なる「私も変だと思いました。でも、そういう台本なのかな、ってあんまり気にならなかったです」

真智「ふふ、そう考えるのが一番納得いくわね。素人の作るものに統合性を求めるのは無粋だから」

なる「……」

真智「話はそれだけよ。引き止めちゃってごめんなさい」

真智「ヤヤのこと、よろしくね」


なる「……はい」ニコ


終わり

58: 2014/09/06(土) 10:47:07.80
乙!
次のラブコメも期待してる

引用元: ヤヤ「ヤヤちゃんおはよう」ヤヤ「おはようなる」