1: 2016/04/06(水)13:44:07 ID:v4w
綾波「どれくらいあるの?」

シンジ「2、30キロくらいかな。いらない部分は捨てたりしたんだけど・・・」

綾波「どうしてそんなに?」

シンジ「えっと、ちょっと買いすぎちゃって」ハハハ

綾波「そうなの」




3: 2016/04/06(水)13:46:57
ちょっとまて、それは一体何の肉だ…?

4: 2016/04/06(水)13:49:03
綾波「そんなに多いならすてればいいじゃない」

シンジ「ダ、ダメだよ!そんなのもったいないじゃないか」

綾波「食べるの?」

シンジ「僕だけじゃ食べきれないんだ」

シンジ「だから綾波にもおすそ分けしようかなと思って」
綾波「私、肉は食べられないの。ごめんなさい」

シンジ「あ、そうだったね。ごめんごめん」

8: 2016/04/06(水)13:54:06
綾波「他の2人は?」

シンジ「ん?2人って誰のこと?」

綾波「弐号機の人と葛城三佐のことに決まっているわ」

シンジ「ああ、アスカとミサトさんだね。今は奥の部屋で寝てるよ」

綾波「そう・・・」

シンジ「アスカとミサトさん、最近寝てばっかりなんだよねー」ハハ

12: 2016/04/06(水)14:02:58
綾波「2人はお肉、食べないの?」

シンジ「え?」

綾波「さっき碇くん、『僕だけ』じゃ食べきれないって言ったわ」

シンジ「あ、ああ。実はこの肉、ウミガメのなんだよ」

綾波「ウミガメ?」

シンジ「そうそう。だからアスカもミサトさんも気味悪がって食べないんだ」

シンジ「僕は柔らかくて美味しいと思うんだけど」

綾波「・・・」

14: 2016/04/06(水)14:10:23
シンジ「綾波もウミガメのお肉食べる?」ニコ

綾波「・・遠慮しておくわ」

シンジ「残念だな」

綾波「それにさっきから変な臭いがする・・・」

シンジ「ウミガメはちょっとクセがあるんだ、慣れれば平気だよ」

シンジ「お肉が無理ならウミガメの甲羅でダシをとったスープがあるよ。食べる?」

綾波「えっ」ゾクリ

シンジ「これなら平気でしょ?今用意するから」

綾波「あ・・・」

15: 2016/04/06(水)14:13:33
逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ

16: 2016/04/06(水)14:21:35
シンジ「はいどうぞ」

綾波「これが、スープ・・・」

綾波(やけに黄色い・・・しかもドロドロしてる・・・)

シンジ「綾波?」

綾波「はっ、な、なんでもない」

シンジ「早くしないと冷めちゃうよ」

綾波「え、ええ。いただくわ」カチャ

ジュル・・・

綾波(うっ・・・ものすごい臭みが鼻に・・・味はなんとも言えない・・・)

シンジ「おかわりもあるから遠慮しないで」

綾波「そ、そう」カチャカチャ

17: 2016/04/06(水)14:27:26
綾波「・・・」カチャカチャ

シンジ「もっとグイッと飲みなよ。こうグイッと」

綾波「こ、こうかしら」グイッ

ゴクン・・・ゴクン・・・

シンジ「もっと飲んで」

綾波「あう・・・」

綾波(早く飲んでこの場からはなれないと・・・嫌な予感がするわ)

ポタ、ポタポタ

シンジ「ハハハ、綾波口元からスープがこぼれてるよ」

18: 2016/04/06(水)14:34:23
はは、どうせLCLなんだろ?

19: 2016/04/06(水)14:37:29
綾波「ぷはっ!はーっ、はーっ、」

シンジ「そんなに口元スープで汚しちゃって。美味しかった?」

綾波「・・・!も、もういらない。大丈夫」

綾波「わたし、用事を思い出したから帰るわ。さようなら」

シンジ「え、帰っちゃうの?」

綾波「ええ、さよなら」ガチャ

シンジ「・・・このことは2人だけの秘密だよ」ニコ

綾波「・・・!」ゾクッ


碇くんのその言葉は2人きりで食事をしたことなのか、それともそれ以上の意味があったのか。
そのときの私にはわからなかった。

22: 2016/04/06(水)18:16:00
マヤ「ねえねえ聞いた?」

青葉「何がだい?」

マヤ「葛城さんとアスカの話よ」

日向「ああ、ユーロへ慰安旅行に言ったって話か」

マヤ「そうそう」

青葉「なんでこんなタイミングで・・・使徒がいつくるかもわからないってのに」

日向「上には上の事情があるんだろうさ」


加持(・・・こいつはまた一癖ありそうなことを聞いちまったな)

23: 2016/04/06(水)18:26:17
加持(あのロン毛くんの言う通り、このタイミングで長期旅行に出かけるなんて怪しすぎる)

加持(葛城の性格からして仕事を放り出して旅行に行くとも思えない)

加持(アスカもな。ユーロはアスカにも俺にも馴染みのある土地だ。何も言わずに行っちまうなんて寂しいじゃないか)

加持(何か裏でとんでもないことが起こってないといいが・・・)

加持(とりあえず末節から情報を集めるとするか、ここは慎重にね)

24: 2016/04/06(水)18:32:39
ヒカリ「・・・」

加持「洞木ヒカリさん・・・だね?」

ヒカリ「あなたは・・・?」

加持「ちょいと君に話があってね」

ヒカリ(髪が長くてブショウヒゲ。なんかうさんくさい・・・)

加持「いやはや、いかにも警戒してるって感じだな。こいつは手厳しい」

加持「俺はこういうもんだ」スッ

ヒカリ「なになに・・・ネルフ諜報部主席監察官加持リョウジ・・・ってネルフの人!?」

加持「ああ。だから安心してくれ。俺は君に危害を加えない」

26: 2016/04/06(水)18:41:05
ヒカリ「でもなんでネルフの人がわたしなんかに・・・?」

加持「他でもない、君にしか聞けないことがあってね」

ヒカリ「わたしにしか・・・?」

加持「アスカについて何か知っているかい?」

ヒカリ「!」

ヒカリ「ア、アスカはパイロット訓練を受けるためにユーロに行ってるそうです」

加持「それは俺も知っている。だが君はそのことを本当だと思うか?」

ヒカリ「・・・」

加持「頼む、この通りだ。君の情報が必要なんだ。もしかしたら君が感じている疑問が解決するかもしれない」

27: 2016/04/06(水)18:41:16
さぁて次は誰が冷凍庫行きになるんだ

30: 2016/04/06(水)18:52:45
ヒカリ「アスカが学校に来なくなってから担任の先生からユーロに出張だと言われました」

ヒカリ「でもアスカはそんなこと一言もわたしに言ってくれなかった・・・」

ヒカリ「今までもアスカが学校を欠席したり早退することはあったんですが必ず一言私には言ってくれました」

加持「アスカにとって君は、親友とも呼べる存在だったんだろうな」

ヒカリ「ええ。わたしもそう思ってました。だから今回はなんだか変な感じがするんです」

ヒカリ「もう・・・わたしの知らないところで大事な人が傷ついて行くのは嫌なんです・・・」

加持「・・・優しいんだな、君は」

34: 2016/04/06(水)19:06:32
加持(アスカが親友に何も言わずに失踪・・・やはり裏がありそうだ)

加持「泣かせてすまなかったな、お嬢さん。そうだ、このあと一緒にディナーでもどうだい?奢るよ」

ヒカリ「そんな。大丈夫ですよ」

加持「遠慮しなくてもいい。答えはいつでもシンプルさ」

ヒカリ(言ってることよくわかんないけど・・・この人なら大丈夫かも・・・)

ヒカリ「行きます!」

加持「よしきた」ニコ

36: 2016/04/06(水)19:12:27
シンジ「そろそろ勘のいい人間が動き出すころかな
、っと」ザクッ

シンジ「そのときは盛大におもてなしできるように準備しておかないとね」

シンジ「調理のしがいがあって何よりだよ」

グツグツグツグツ・・・

38: 2016/04/06(水)19:27:19
加持「ウミガメ?」カチャ

ヒカリ「ええ。この前、碇君に誘われたんです。一緒に食べないかって」

加持「へぇ、こりゃまた珍しいな。味はどうだったんだい?」

ヒカリ「いえ。わたしは家の手伝いがあっていけなかったんですけど」

加持「そういえばシンジ君はアスカや葛城と同居してるんだったな。彼からは何も聞かなかったのか?」

ヒカリ「それが・・・アスカが旅行に行ってから碇君も学校に来なくなっちゃって」

加持「ほう」

ヒカリ「風邪らしいですけど・・・大丈夫かしら」

加持(・・・なるほどね)

40: 2016/04/06(水)19:39:34
翌日

綾波「あの、」

加持「お。レイじゃないか。珍しいな、俺に話しかけるなんて」

綾波「弐号機パイロットと葛城三佐のことについてあまり深入りしないほうがいいわ」

加持「・・・忠告のつもりかい?」

綾波「この前、私たちのクラスメイトと話しているのを見た」

加持「あちゃあ、見られてたか。別にそういうつもりはないぞ」

綾波「・・・忠告したわ」

加持「待ってくれ。レイ、お前はどこまで知ってるんだ」

綾波「・・・」ガチャ

バタン

43: 2016/04/06(水)19:49:11
加持(シンジくんに事情を聞きたいがどうしたものか)

冬月「主席監察官くん。君に言伝がある」

加持「なんでしょうか副司令」

冬月「碇の息子が君を夕食に招待したいそうだ」

加持「・・・!」

冬月「確かに伝えたぞ。ではわたしはこれで」

加持(副司令を駒に使うとは・・・一体この裏には何が隠れているんだ・・・?)

44: 2016/04/06(水)19:59:51
加持「ここがシンジくんのアパートか・・・」

ピンポーン

加持「反応がないな・・・約束の時間のはずなんだが・・・」

ガチャ

加持(開いてる・・・)

加持「上がらせてもらうぞ」

加持(うっ・・・なんだこの臭いは・・・)

加持(まるで氏臭だ・・・)

シーン・・・

加持「だれもいない・・・」

加持「物色させてもらうか」

48: 2016/04/06(水)20:10:36
加持「ん・・・?何かキッチンで音がしてるな」

グツグツグツグツ

加持「なんだこの真っ赤な液体は・・・トマトスープ?いや・・・これは

シンジ「血ですよ」

加持「!?」バッ

シンジ「やだなあ、加持さん。驚きすぎですよ」

加持「シ、シンジくん。いつの間に?」

シンジ「ついさっきです。材料の買い出しにいってました」

シンジ「ちなみにそれは生き血です。ウミガメのね」

加持(一瞬・・・一瞬だけだが殺気を感じた・・・)

51: 2016/04/06(水)20:24:19
加持「シンジくん、風邪はもう良くなったのかい?」

シンジ「・・・はい。すこぶる快調ですよ」

加持「そりゃよかった」

加持「で、今日は何を食べさせてくれるんだい?」

シンジ「冷蔵庫にお肉が余りすぎちゃって。ステーキをご馳走します」

加持「へぇそいつは嬉しいな」

シンジ「ちょっと待っててください」


シンジ「どうぞ。ウミガメのステーキです」ゴト

加持「美味そうじゃないか。さすがはシンジくん」

シンジ「でしょ?」

加持「ところでシンジくん。食べる前に一つ聞きたいんだが」

シンジ「?はい」

加持「俺は南米に行ったときにウミガメを食べたことがある。こいつは本当にウミガメかい?」

シンジ「・・・」

54: 2016/04/06(水)20:34:01
加持(ま、ウミガメなんて食べたことないんだけどな)

シンジ「・・・ウミガメですよ」

加持(一瞬だけシンジ君の目が泳いだ。間違いない・・・)

シンジ「食べたらわかります。食べないんですか?」

加持「食べなくてもわかる。これはウミガメじゃない」

加持「人肉・・・違うか?」

シンジ「ふふっ、あはははっ、あはははははっ!」

加持「どうやら図星のようだな」

57: 2016/04/06(水)20:43:13
シンジ「ひーひっひっひっひ!うひひひ!」

加持「シンジくん・・・」

シンジ「あーおかしい・・・まさかそこまでたどり着くとは・・・あっはっは」

加持「もう終わりだ・・・」

シンジ「それはあなたの方ですよ」

ドスドスドスドス!!

加持「!?・・・がはっ」

ポタポタ・・・

???「背後を突かれるなんてあなたらしくもない」

60: 2016/04/06(水)20:52:12
???「まさか僕がタチであなたがネコになるとはねぇ・・・」

加持「お前は・・・フィフスチルドレンの・・・!?」

カヲル「渚カヲルです。以後お見知り置きを」

カヲル「締まりが良すぎて果ててしまいましたよ」ポタポタ

加持「そいつはどうも」

加持「くっ最初からこれが狙いだったのか・・・!」

シンジ「当たり前ですよ。加持さんを仕留めるにはこれくらいしないと」

61: 2016/04/06(水)20:59:07
加持「じゃああのステーキは・・・!?」

シンジ「本当にウミガメです。ネルフの力を使って捕獲しました」

加持「じゃあ葛城やアスカは・・・!?」

シンジ「父さんの権限で無理やりユーロに飛ばしました」

加持「なんだと・・・!」

シンジ「ネルフがホ〇、バイセクシャルの集まりってしらなかったみたいですね」

シンジ「この映像は高く売れますよ」

加持「アーッ!!!」


終劇

65: 2016/04/06(水)21:35:36
なんだ、ハッピーエンドか











なんだ…

66: 2016/04/06(水)22:46:25
すべてはゼーレのシナリオ通り

引用元: シンジ「冷蔵庫にある肉の処理に困ってるんだ」