1: 2015/08/05(水) 01:23:23.04
やよい「えーと…じゃあこれを買うと幸せになれるってことですか?」
女性信徒「その通りです。この壺はアフリカの一部でしか取れない粘土を、ヒマラヤの神聖な雪解け水で捏ねて作られた特別なもので…」
女性信徒「『ラダーク』のパワーが『ゲネゲの邪気』を閉じこめて、正常な気脈、つまりはプラスの『エイスナー』に戻し『ハピネスセンス』を云々…」
やよい「う~…何だか難しいお話ですけど…幸せを運んできてくれるなら、きっととっても良い壺なんですね!」
女性信徒「あなたはこの壺の価値をとてもよく理解していらっしゃる…やはり私の目に狂いはありませんでした!」
女性信徒「…失礼ですが…あなたのご家庭は…その…経済的な問題を抱えていらっしゃいますね…?
女性信徒「その通りです。この壺はアフリカの一部でしか取れない粘土を、ヒマラヤの神聖な雪解け水で捏ねて作られた特別なもので…」
女性信徒「『ラダーク』のパワーが『ゲネゲの邪気』を閉じこめて、正常な気脈、つまりはプラスの『エイスナー』に戻し『ハピネスセンス』を云々…」
やよい「う~…何だか難しいお話ですけど…幸せを運んできてくれるなら、きっととっても良い壺なんですね!」
女性信徒「あなたはこの壺の価値をとてもよく理解していらっしゃる…やはり私の目に狂いはありませんでした!」
女性信徒「…失礼ですが…あなたのご家庭は…その…経済的な問題を抱えていらっしゃいますね…?
2: 2015/08/05(水) 01:26:18.67
やよい「ええっ!?ど、どうして分かるんですか!」
女性信徒(30円と15円のもやしを手にとってどちらにしようか30分も悩んでたら、そら分かるわよ…)
女性信徒「私は特別なイニシエーションを受けていますから、『ゲネゲの邪気』を感じ取ることができるのです」
やよい「いにしえーしょん…ってよくわからないけど、とにかくすごいですー!」
女性信徒「ちなみに私は『グランドハピネス』の証しを持っていますが、私達の団体ではもっと上位の証しを持つ人々もいます」
女性信徒「こちらのパンフレットを読んで頂ければ、私達の活動が如何に素晴らしいものかが詳しく…」どっさり
女性信徒(30円と15円のもやしを手にとってどちらにしようか30分も悩んでたら、そら分かるわよ…)
女性信徒「私は特別なイニシエーションを受けていますから、『ゲネゲの邪気』を感じ取ることができるのです」
やよい「いにしえーしょん…ってよくわからないけど、とにかくすごいですー!」
女性信徒「ちなみに私は『グランドハピネス』の証しを持っていますが、私達の団体ではもっと上位の証しを持つ人々もいます」
女性信徒「こちらのパンフレットを読んで頂ければ、私達の活動が如何に素晴らしいものかが詳しく…」どっさり
3: 2015/08/05(水) 01:33:09.20
やよい「あう…でも私、その壺を買うようなお金はないかなーって…」
女性信徒「御安心ください。この壺は本来50万円ほどするのですが、もしあなたが私達の活動に加わるなら、無料で差し上げますよ」
やよい「え゛っ!?ご、50万円もするんですかー!?そんなのもらえません-!」
女性信徒「いえいえ大丈夫です、月一回程度の定期的な活動に参加するだけで構いませんから」
やよい「で…でも…」
女性信徒「私達と一緒に、幸せになりましょう!ささ、ここに名前と住所と電話番号を…はい、このペンを使ってください」
やよい「あ、はい…」
女性信徒(本当は貧乏人は相手にしないんだけど…”アイドル”なら事務所から色々引き出せるかも知れないでしょ…ね、『高槻やよい』さん)ククク…
女性信徒「御安心ください。この壺は本来50万円ほどするのですが、もしあなたが私達の活動に加わるなら、無料で差し上げますよ」
やよい「え゛っ!?ご、50万円もするんですかー!?そんなのもらえません-!」
女性信徒「いえいえ大丈夫です、月一回程度の定期的な活動に参加するだけで構いませんから」
やよい「で…でも…」
女性信徒「私達と一緒に、幸せになりましょう!ささ、ここに名前と住所と電話番号を…はい、このペンを使ってください」
やよい「あ、はい…」
女性信徒(本当は貧乏人は相手にしないんだけど…”アイドル”なら事務所から色々引き出せるかも知れないでしょ…ね、『高槻やよい』さん)ククク…
4: 2015/08/05(水) 01:35:49.15
やよい「う~…結局押しに負けてもらってきちゃった…」
やよい「『じゃき』っていうのがついてるから貧乏だったのかぁ…じゃきってなんだろ…?」
やよい「でも、貧乏でも十分幸せだから、この壺は私にはもったいないかなーって…」
やよい「…あ、そうだ!」
やよい「『じゃき』っていうのがついてるから貧乏だったのかぁ…じゃきってなんだろ…?」
やよい「でも、貧乏でも十分幸せだから、この壺は私にはもったいないかなーって…」
やよい「…あ、そうだ!」
5: 2015/08/05(水) 01:39:56.22
小鳥「…壺?」
やよい「はい!ご迷惑じゃなければ、受け取ってください!」
やよい(この前『幸せってどこに生えてんのかしら…畑?』って疲れた顔でつぶやいてたのは…)
やよい(きっと小鳥さんに『じゃき』がついてるせいだよね!)
小鳥「へー、なんだか変わった形の壺ねぇ…」
やよい「はい!実はその壺はしあわ…むぐっ…!」
小鳥「や、やよいちゃん!?どうしたの急に口を押さえたりして…」
やよい「はい!ご迷惑じゃなければ、受け取ってください!」
やよい(この前『幸せってどこに生えてんのかしら…畑?』って疲れた顔でつぶやいてたのは…)
やよい(きっと小鳥さんに『じゃき』がついてるせいだよね!)
小鳥「へー、なんだか変わった形の壺ねぇ…」
やよい「はい!実はその壺はしあわ…むぐっ…!」
小鳥「や、やよいちゃん!?どうしたの急に口を押さえたりして…」
6: 2015/08/05(水) 01:41:31.92
やよい(幸せを運ぶ壺だからあげます!なんて言ったら、まるで小鳥さんが不幸だって言ってるみたいになっちゃう…)
やよい「と、とにかく貰ってください!じゃあ、私は夕飯の支度があるのでっ!」ダッ
小鳥「あっ、ちょっとやよいちゃ…って行っちゃった…」
小鳥「まぁいいか、貴音ちゃんのラーメン探訪100回記念にもらったお花、これに入れておこうっと」
やよい「と、とにかく貰ってください!じゃあ、私は夕飯の支度があるのでっ!」ダッ
小鳥「あっ、ちょっとやよいちゃ…って行っちゃった…」
小鳥「まぁいいか、貴音ちゃんのラーメン探訪100回記念にもらったお花、これに入れておこうっと」
7: 2015/08/05(水) 01:44:19.98
翌朝
やよい「おはようございまーす!……あっ、壺にお花が!」
小鳥「あ、やよいちゃんおはよう。それ綺麗でしょ?早速使わせてもらったわ」
やよい「うっうー!とーってもきれいですー!」
やよい「おはようございまーす!……あっ、壺にお花が!」
小鳥「あ、やよいちゃんおはよう。それ綺麗でしょ?早速使わせてもらったわ」
やよい「うっうー!とーってもきれいですー!」
8: 2015/08/05(水) 01:47:25.85
貴音「おや、それは一昨日頂いた杜若(かきつばた)ですね」
小鳥「水に生けておくにしても、プラのバケツじゃ風情がなかったでしょ?やよいちゃんが壺を持ってきてくれてちょうど良かったわ」
やよい「貴音さん、このお花知ってるんですか?」
貴音「ええ、古い和歌にも詠われていますよ…この様に…」サラサラ
小鳥「水に生けておくにしても、プラのバケツじゃ風情がなかったでしょ?やよいちゃんが壺を持ってきてくれてちょうど良かったわ」
やよい「貴音さん、このお花知ってるんですか?」
貴音「ええ、古い和歌にも詠われていますよ…この様に…」サラサラ
9: 2015/08/05(水) 01:49:44.30
から衣
きつつなれにし
つましあれば
はるばる来ぬる
たびをしぞ思ふ
きつつなれにし
つましあれば
はるばる来ぬる
たびをしぞ思ふ
10: 2015/08/05(水) 01:53:14.24
やよい「???」
貴音「ふふふ…それぞれの句の頭文字を読んでみてください」
やよい「えーと…か…き…つ…は……あっ!」
貴音「旅先で見た杜若の花の名にちなみ、その名の五文字を入れるよう求められた在原業平(ありわらのなりひら)が、妻への想いと旅愁を詠んだ歌だそうです」
やよい「りょ、りょしゅー…」
貴音「ふふふ…それぞれの句の頭文字を読んでみてください」
やよい「えーと…か…き…つ…は……あっ!」
貴音「旅先で見た杜若の花の名にちなみ、その名の五文字を入れるよう求められた在原業平(ありわらのなりひら)が、妻への想いと旅愁を詠んだ歌だそうです」
やよい「りょ、りょしゅー…」
11: 2015/08/05(水) 01:56:39.16
貴音「初夏の水辺での凛とした咲き姿と、この歌の美しさもあって、わたくしの好きな花の一つなのです」
貴音「花言葉は確か…『幸せが必ずくる』…だったかと」
やよい「!!」
貴音「…?どうしたのですかやよい?その様に目を丸くして」
貴音「花言葉は確か…『幸せが必ずくる』…だったかと」
やよい「!!」
貴音「…?どうしたのですかやよい?その様に目を丸くして」
12: 2015/08/05(水) 02:01:10.21
やよい「貴音さんは…その…今、幸せですか?」
貴音「そうですね…とても善き仲間達に囲まれ、自らを表現できる機会を得られたことは、この上ない喜びであり、日々幸せを感じていますよ」
やよい「じゃあ、小鳥さん!小鳥さんはどうですか?幸せですか?」
小鳥「え?そ、そうね…強いて言えば(ずっと探してた同人サークルの初版本を入手して)今幸せかもね」
やよい(…すごい!本当に幸せを運ぶ壺だったんだ…!)
貴音「そうですね…とても善き仲間達に囲まれ、自らを表現できる機会を得られたことは、この上ない喜びであり、日々幸せを感じていますよ」
やよい「じゃあ、小鳥さん!小鳥さんはどうですか?幸せですか?」
小鳥「え?そ、そうね…強いて言えば(ずっと探してた同人サークルの初版本を入手して)今幸せかもね」
やよい(…すごい!本当に幸せを運ぶ壺だったんだ…!)
13: 2015/08/05(水) 02:06:16.53
たるき亭前
女性信徒「えーと…このビルの…あ、あそこね765プロダクションは」
女性信徒「ヒヒ…今日は下見だけど、やよいを使っていずれ吹っかけてがっぽり稼いでやるわよぉ…せいぜい覚悟して…」
やよい「あ!昨日のお姉さん!!」
女性信徒「ふブッ!?や、やよい!………ちゃん…?」
やよい「ど、どうしてここが分かったんですかー!?私、アイドルだってことは言ってないのに…」
女性信徒「えーと…このビルの…あ、あそこね765プロダクションは」
女性信徒「ヒヒ…今日は下見だけど、やよいを使っていずれ吹っかけてがっぽり稼いでやるわよぉ…せいぜい覚悟して…」
やよい「あ!昨日のお姉さん!!」
女性信徒「ふブッ!?や、やよい!………ちゃん…?」
やよい「ど、どうしてここが分かったんですかー!?私、アイドルだってことは言ってないのに…」
14: 2015/08/05(水) 02:12:45.61
女性信徒「いやその…えっと……ら、ラダーク!これもラダークのお力なのですよ!」
やよい「…!!」
女性信徒「私くらいのグランドハピネスともなれば、探し人がどこにいるかくらい、偉大なラダークの目を通してすぐに分かるんですよ!」
やよい「す…すごいですー!超能力でえふびーあいに協力したりするあれですね!この前テレビで見ました!」
女性信徒「そ…そうね、そんなこともたまにあったりなかったりしたようなしないような…」
女性信徒(…この子は疑うということを知らないのかしら…)
やよい「…!!」
女性信徒「私くらいのグランドハピネスともなれば、探し人がどこにいるかくらい、偉大なラダークの目を通してすぐに分かるんですよ!」
やよい「す…すごいですー!超能力でえふびーあいに協力したりするあれですね!この前テレビで見ました!」
女性信徒「そ…そうね、そんなこともたまにあったりなかったりしたようなしないような…」
女性信徒(…この子は疑うということを知らないのかしら…)
15: 2015/08/05(水) 02:15:05.40
やよい「私、お姉さんにお礼を言いたくて電話しようと思って…」
やよい「そうしたら事務所のビルの前にお姉さんが立っててビックリしちゃいました!」
女性信徒「お、お礼…?」
やよい「はい!お姉さんに貰ったあの壺、本当に幸せを運んできてくれたんです!ありがとうございます!」
やよい「そうしたら事務所のビルの前にお姉さんが立っててビックリしちゃいました!」
女性信徒「お、お礼…?」
やよい「はい!お姉さんに貰ったあの壺、本当に幸せを運んできてくれたんです!ありがとうございます!」
16: 2015/08/05(水) 02:18:33.48
女性信徒(あんなのただの中国製の土産物なのに…何があったのか知らないけれど、これは好都合だわ…)ククク…
やよい「…どうかしたんですか?」
女性信徒「べ…別に?…よ、良かったですねー。これもラダークのパワーのおかげですよ」
やよい「はい!ラダークさんにも感謝してます!」
女性信徒「そう…じゃあラダークの奇跡に報いるためにも、イニシエーションを受けに行きましょう」
やよい「…どうかしたんですか?」
女性信徒「べ…別に?…よ、良かったですねー。これもラダークのパワーのおかげですよ」
やよい「はい!ラダークさんにも感謝してます!」
女性信徒「そう…じゃあラダークの奇跡に報いるためにも、イニシエーションを受けに行きましょう」
17: 2015/08/05(水) 02:21:31.86
やよい「え…?今からですか…?」
女性信徒「時間が取れなければまた後日伺いますけど、今日行けばとても特別なイニシエーションが受けられるんですよ」
やよい「でも…今日は午後からボイスレッスンがあって…その前に事務所のお掃除を…」
女性信徒「大丈夫ですよ!会場はすぐ近くだし、ほんの30分程度で済みますから!お掃除はまた今度にすれば!」
やよい「あぅ…じゃあ、ちょっとだけ…」
女性信徒「フフフ…じゃあ行きましょうか…」
女性信徒「時間が取れなければまた後日伺いますけど、今日行けばとても特別なイニシエーションが受けられるんですよ」
やよい「でも…今日は午後からボイスレッスンがあって…その前に事務所のお掃除を…」
女性信徒「大丈夫ですよ!会場はすぐ近くだし、ほんの30分程度で済みますから!お掃除はまた今度にすれば!」
やよい「あぅ…じゃあ、ちょっとだけ…」
女性信徒「フフフ…じゃあ行きましょうか…」
23: 2015/08/06(木) 01:09:57.86
イニシエーション会場
女性信徒「さ、着きましたよ」
やよい「わぁ…人がいっぱいでライブ会場みたいです!」
女性信徒(あながち間違いじゃないわね…偶像(アイドル)を取り囲む信者という意味ではね…)
女性信徒「やよいちゃん、ほら壇上のところ、見えますか?」
女性信徒「さ、着きましたよ」
やよい「わぁ…人がいっぱいでライブ会場みたいです!」
女性信徒(あながち間違いじゃないわね…偶像(アイドル)を取り囲む信者という意味ではね…)
女性信徒「やよいちゃん、ほら壇上のところ、見えますか?」
25: 2015/08/06(木) 01:14:19.14
女性信徒「そして、その事実を世に広めようと団体を立ち上げたのが、隣にいらっしゃる『代口様』です」
やよい「だいこーさま?あのラダークさんの隣に立ってるおじさんですかー?」
女性信徒「おじっ……そ、そうです。ラダークのお告げは代口様の口を通じてのみ語られます」
女性信徒「代口様のお言葉は即ち、ラダークのお言葉に他なりません」
女性信徒「さ、やよいちゃんもあそこに上がりましょう」
やよい「だいこーさま?あのラダークさんの隣に立ってるおじさんですかー?」
女性信徒「おじっ……そ、そうです。ラダークのお告げは代口様の口を通じてのみ語られます」
女性信徒「代口様のお言葉は即ち、ラダークのお言葉に他なりません」
女性信徒「さ、やよいちゃんもあそこに上がりましょう」
26: 2015/08/06(木) 01:17:13.42
やよい「えぇっ!?わ、私ですかぁ!?あのでもぉ…私ここに来たばかりだし…」
女性信徒「だからこそ上がるのです。言ったでしょう、特別なイニシエーションが受けられるって…」
やよい「あ!これがい『にしえーしょん』なんですね!わかりましたぁー!」
女性信徒(す、素直だなぁ…)
女性信徒「だからこそ上がるのです。言ったでしょう、特別なイニシエーションが受けられるって…」
やよい「あ!これがい『にしえーしょん』なんですね!わかりましたぁー!」
女性信徒(す、素直だなぁ…)
27: 2015/08/06(木) 01:19:09.08
×い『にしえーしょん』
○『いにしえーしょん』
やよい「うぅ…間違えちゃいました…」
○『いにしえーしょん』
やよい「うぅ…間違えちゃいました…」
28: 2015/08/06(木) 01:20:37.44
代口「おや、そちらの娘さんは…?」
女性信徒「代口様、この子が昨日お話していた…」
代口「ああ、君が高槻やよい君か!よろしくね!」
やよい「は、はい!よろしくお願いしまぁす!」
やよい(遠くから見てたからだと思ってたけど、この人も社長みたいに黒い人だ!)
女性信徒「代口様、この子が昨日お話していた…」
代口「ああ、君が高槻やよい君か!よろしくね!」
やよい「は、はい!よろしくお願いしまぁす!」
やよい(遠くから見てたからだと思ってたけど、この人も社長みたいに黒い人だ!)
29: 2015/08/06(木) 01:21:50.47
信者A「ねぇ…いま代口様のところに行ったのって…高槻やよいじゃない?」
信者B「わわ…本当だ…やよいちゃんもイニシエーションを受けるのか…?」
信者達「ざわ…ざわ…」アイドル?アイドル?
女性信徒「代口様、良い反応ですね…」ヒソヒソ
代口「フフ…君の狙い通りだな…」ヒソヒソ
信者B「わわ…本当だ…やよいちゃんもイニシエーションを受けるのか…?」
信者達「ざわ…ざわ…」アイドル?アイドル?
女性信徒「代口様、良い反応ですね…」ヒソヒソ
代口「フフ…君の狙い通りだな…」ヒソヒソ
30: 2015/08/06(木) 01:24:09.89
女性信徒「コホン…では代口様、彼女にイニシエーションを…」
代口「うむ。ではやよい君、ラダーク像を頭に乗せるからじっとしていなさい」
〈ポン〉
やよい(うぅ…たくさんのお客さんには慣れてるけど…いつもと感じがちがって緊張しちゃうかも…)
代口「体の力を抜いてごらん…リラックスするんだ…リラックス…そうら…見えてきた…」
やよい「……あ!これ知ってます!」
やよい「『ぐりふぃんどぉぉぉぉるぅぅ!!』ってやつですね!!」
一同「!?」
代口「うむ。ではやよい君、ラダーク像を頭に乗せるからじっとしていなさい」
〈ポン〉
やよい(うぅ…たくさんのお客さんには慣れてるけど…いつもと感じがちがって緊張しちゃうかも…)
代口「体の力を抜いてごらん…リラックスするんだ…リラックス…そうら…見えてきた…」
やよい「……あ!これ知ってます!」
やよい「『ぐりふぃんどぉぉぉぉるぅぅ!!』ってやつですね!!」
一同「!?」
31: 2015/08/06(木) 01:25:44.29
女性信徒「ブフォッwww(あ、鼻水出た…!)」
信者達「ざわ…ざわ…」ハリポタ?ハリポタ?
代口「や、やよい君?残念ながらここはホグ●ーツではないんだよ…。神聖なる魂救済の場なんだ…」
代口「だから、少し静かにしていようね…?頼むよ本当…」
やよい「あぅぅ…ごめんなさい~…」
信者達「ざわ…ざわ…」ハリポタ?ハリポタ?
代口「や、やよい君?残念ながらここはホグ●ーツではないんだよ…。神聖なる魂救済の場なんだ…」
代口「だから、少し静かにしていようね…?頼むよ本当…」
やよい「あぅぅ…ごめんなさい~…」
32: 2015/08/06(木) 01:28:46.66
代口「(気を取り直して)さぁ~見えてきたよ見えてきたよ……」
代口「ハッピネス!」
信者達「ハッピネス!!ハッピネス!!ハッピネス!!」
代口「…聞きなさい迷い人達よ!ラダークは告げている!『この娘にシュープリーム・ハピネス位の証しを与えよ』と…」
信者C「しゅ…シュープリームだって!?…さ、最高位ハピネスじゃないか…」
信者D「十二幹部以外からは初めて、しかも無階位の者がいきなりシュープリームとは…」
信者達「ざわ…ざわ…」スゴクネ?スゴクネ?
代口「ハッピネス!」
信者達「ハッピネス!!ハッピネス!!ハッピネス!!」
代口「…聞きなさい迷い人達よ!ラダークは告げている!『この娘にシュープリーム・ハピネス位の証しを与えよ』と…」
信者C「しゅ…シュープリームだって!?…さ、最高位ハピネスじゃないか…」
信者D「十二幹部以外からは初めて、しかも無階位の者がいきなりシュープリームとは…」
信者達「ざわ…ざわ…」スゴクネ?スゴクネ?
34: 2015/08/06(木) 01:31:48.90
やよい「わぁ!『シュークリームハピネス』って、なんだか甘くて美味しそうですねっ!」
女性信徒「や、やよいちゃん…シュークリームじゃなくて『シュープリーム』ですよ。私以上の最高の位の事です」
女性信徒「今後は『やよい様』と呼ばせて頂きます。私のことはカルプレッタ(修行名)とお呼びください」
やよい「えぇ!?様だなんて困りますぅー!普通に呼んでくださいっ!か…かぅ・・かぷ…かぷるれっ…たぅさん…!」
代口「やよい君、気にすることはないさ。それが我らLHS(ラダーク・ハピネス・ソサエティ)の掟なのだから」
女性信徒「や、やよいちゃん…シュークリームじゃなくて『シュープリーム』ですよ。私以上の最高の位の事です」
女性信徒「今後は『やよい様』と呼ばせて頂きます。私のことはカルプレッタ(修行名)とお呼びください」
やよい「えぇ!?様だなんて困りますぅー!普通に呼んでくださいっ!か…かぅ・・かぷ…かぷるれっ…たぅさん…!」
代口「やよい君、気にすることはないさ。それが我らLHS(ラダーク・ハピネス・ソサエティ)の掟なのだから」
35: 2015/08/06(木) 01:35:32.90
信者達「ヤヨイサマ…ヤヨイサマ…」アリガタヤアリガタヤ
やよい「…みなさん私の足下の箱に封筒を入れてますけど、これなんですかぁ?」
カルプレッタ「信徒の者達の寄進です」
やよい「きしん…?」
カルプレッタ「やよい様はお気になさらずに…そこにお立ちになっているだけでよいのです…」
カルプレッタ(ヒヒ…これだけでも結構な儲けだわ…この子は本当に使い出があるわね…)
やよい「…みなさん私の足下の箱に封筒を入れてますけど、これなんですかぁ?」
カルプレッタ「信徒の者達の寄進です」
やよい「きしん…?」
カルプレッタ「やよい様はお気になさらずに…そこにお立ちになっているだけでよいのです…」
カルプレッタ(ヒヒ…これだけでも結構な儲けだわ…この子は本当に使い出があるわね…)
36: 2015/08/06(木) 01:39:33.96
代口「さ、寄進が終わった者は第二講堂に移動しなさい。ラダークから信徒達へのお告げを聞かせよう…」
信者達「ざわ…ざわ…」ダイコウサマダイコウサマ
やよい「あのぅ…かぅぷ…れぅ…ったさん、そのぅ…私そろそろ事務所に戻らないと…」
カルプレッタ「そうでしたね。では私がお送り致しましょう」
やよい「だ、大丈夫です!一人で帰れますから!今日はありがとうございました!」
カルプレッタ「そうですか…?それではお気を付けて…また後日ご連絡いたします」
カルプレッタ(まぁ本当は送る気なんかさらっさら無いんだけどにぇーwゲラゲラポゥ)」
信者達「ざわ…ざわ…」ダイコウサマダイコウサマ
やよい「あのぅ…かぅぷ…れぅ…ったさん、そのぅ…私そろそろ事務所に戻らないと…」
カルプレッタ「そうでしたね。では私がお送り致しましょう」
やよい「だ、大丈夫です!一人で帰れますから!今日はありがとうございました!」
カルプレッタ「そうですか…?それではお気を付けて…また後日ご連絡いたします」
カルプレッタ(まぁ本当は送る気なんかさらっさら無いんだけどにぇーwゲラゲラポゥ)」
37: 2015/08/06(木) 01:41:35.59
やよい「えーと出口は……あれ?あのおじいさんどうしたんだろう…」
古老「ふぅ…久々だと堪えるのぉ…」
やよい「あのぉ…おじいさんはみんなと一緒には行かないんですか?」
古老「うん?…お嬢ちゃんは確か…やよい様…じゃったかの?」
古老「ふぅ…久々だと堪えるのぉ…」
やよい「あのぉ…おじいさんはみんなと一緒には行かないんですか?」
古老「うん?…お嬢ちゃんは確か…やよい様…じゃったかの?」
38: 2015/08/06(木) 01:42:36.65
やよい「あぅ…さ、様は付けなくても大丈夫ですよ!やよいでいいです!」
古老「ふむ…なら『やよいちゃん』と呼ばせてもらおうかのぉ」ニコリ
やよい「ありがとうございますー!」
古老「で、やよいちゃんはどうしてこんな年寄りが気になったんかの?」
古老「ふむ…なら『やよいちゃん』と呼ばせてもらおうかのぉ」ニコリ
やよい「ありがとうございますー!」
古老「で、やよいちゃんはどうしてこんな年寄りが気になったんかの?」
39: 2015/08/06(木) 01:47:27.85
やよい「その…おじいさんだけひとりで椅子に座ったままだったから…もしかして具合が悪いのかなーって」
古老「なるほどなるほど…こんな可愛らしいお嬢ちゃんに心配してもらえるなんて、ありがたいことじゃて…」
古老「実はの…お恥ずかしい話、年も考えずに遠出してきたからか、腹が減っていまいち体に力が入らんでのぉ」
古老「それにな、頭に滋養が回っとらんせいか、自分の家がどこにあったのか、どうにも思い出せんのじゃよ…」
古老「なるほどなるほど…こんな可愛らしいお嬢ちゃんに心配してもらえるなんて、ありがたいことじゃて…」
古老「実はの…お恥ずかしい話、年も考えずに遠出してきたからか、腹が減っていまいち体に力が入らんでのぉ」
古老「それにな、頭に滋養が回っとらんせいか、自分の家がどこにあったのか、どうにも思い出せんのじゃよ…」
40: 2015/08/06(木) 01:49:07.45
やよい「お家がわからなくなっちゃったんですか…!?どうしよう…」
古老「ほれ、ここまで出かかっとるんじゃがなぁ…」
古老「皮肉なもんで、若い時分の思い出の方が、ずぅっとはっきりしとるわい」カッカッカ
やよい「うぅ…私にできることがあればいいんですけど…おじいさんの家の場所はわからないし…」
古老「ほれ、ここまで出かかっとるんじゃがなぁ…」
古老「皮肉なもんで、若い時分の思い出の方が、ずぅっとはっきりしとるわい」カッカッカ
やよい「うぅ…私にできることがあればいいんですけど…おじいさんの家の場所はわからないし…」
41: 2015/08/06(木) 01:52:06.04
やよい「…そうだ!お腹が空いてるんですよね!じゃあ、私と一緒にこの近くのビルまで行きましょう!」
古老「やよいちゃんと一緒に…?」
やよい「はい!そこに、朝一特売のスーパーで買った材料があるので、それでご飯を作っちゃいます!」
やよい「いっぱい食べて元気になれば、お家のことも思い出せるかなーって!」
古老「やよいちゃんと一緒に…?」
やよい「はい!そこに、朝一特売のスーパーで買った材料があるので、それでご飯を作っちゃいます!」
やよい「いっぱい食べて元気になれば、お家のことも思い出せるかなーって!」
42: 2015/08/06(木) 01:53:46.33
古老「なんとまぁ…本当に優しい子じゃのぉ…」
古老「『捨てる神あれば拾う神あり』とは、いやいや、よう言うたもんじゃ…」
やよい「わ、私、神様なんかじゃないですよぉ…!」
古老「カッカッカ…ものの例えじゃて」
古老「『捨てる神あれば拾う神あり』とは、いやいや、よう言うたもんじゃ…」
やよい「わ、私、神様なんかじゃないですよぉ…!」
古老「カッカッカ…ものの例えじゃて」
43: 2015/08/06(木) 01:58:39.13
古老「…もっとも"捨てられた神"と言うた方がいいかも知れんがの…」
やよい「……?」
古老「なぁに、ただの年寄りの戯言じゃよ。さらりと聞き流すのが人生の知恵じゃて」
44: 2015/08/06(木) 02:00:53.92
古老「やよいちゃんの手作りご飯を食べられると思うたら、こんな年寄りにも多少の元気が出てきたわい」
古老「迷惑じゃなければ、お言葉に甘えようかのぉ…」
やよい「はい!大したものはないですけど、いっしょうけんめい作っちゃいます!」
古老「そりゃあ楽しみじゃわい」カッカッカ
やよい「うっうー!それじゃあ、行きましょー!」
古老「迷惑じゃなければ、お言葉に甘えようかのぉ…」
やよい「はい!大したものはないですけど、いっしょうけんめい作っちゃいます!」
古老「そりゃあ楽しみじゃわい」カッカッカ
やよい「うっうー!それじゃあ、行きましょー!」
53: 2015/08/07(金) 01:34:37.07
765プロ事務所
やよい「おじいさん、着きましたよ!もうちょっとですぅ…」
古老「ぜぇ…ぜぇ…この年でこういう階段はキツいのぉ…」
やよい「ごめんなさい、ここのエレベーターいっつも壊れてて…」
古老「カッカッカ…何のこれしき…!足腰を動かしてこそ、ご飯が美味しいというもんじゃ…」
やよい「おじいさん、着きましたよ!もうちょっとですぅ…」
古老「ぜぇ…ぜぇ…この年でこういう階段はキツいのぉ…」
やよい「ごめんなさい、ここのエレベーターいっつも壊れてて…」
古老「カッカッカ…何のこれしき…!足腰を動かしてこそ、ご飯が美味しいというもんじゃ…」
54: 2015/08/07(金) 01:37:38.19
やよい「ただいま戻りました-!」
亜美「あ!?やよいっち!」
真美「兄ちゃーん!やよいっち帰ってきたYO!」
P「本当か!?…やよい!一体今までどこに行ってたんだ!」
やよい「はわっ!?す、すみませんプロデューサー…!」
亜美「あ!?やよいっち!」
真美「兄ちゃーん!やよいっち帰ってきたYO!」
P「本当か!?…やよい!一体今までどこに行ってたんだ!」
やよい「はわっ!?す、すみませんプロデューサー…!」
55: 2015/08/07(金) 01:39:01.82
小鳥「良かったぁ…何も言わずに急にいなくなったから、みんな心配してたのよ」
やよい「あぅぅ…ごめんなさい~…」
P「まぁその話しは追々するとして…それよりもボイスレッスンの…」
やよい「あっ!そうでしたぁ!す、すぐに準備しますぅ!」
P「…先生が倒れられたので、今日のレッスンは中止になった」
やよい「ふえぇえっ!?」
やよい「あぅぅ…ごめんなさい~…」
P「まぁその話しは追々するとして…それよりもボイスレッスンの…」
やよい「あっ!そうでしたぁ!す、すぐに準備しますぅ!」
P「…先生が倒れられたので、今日のレッスンは中止になった」
やよい「ふえぇえっ!?」
56: 2015/08/07(金) 01:42:34.76
やよい「だ、大丈夫なんですかー!?びょ…病気とかですか…?」
P「いや、それがだな…」
真美「兄ちゃん待って!真美が言うー!実はだねぇーやよいくぅん…」
亜美「あ!真美ばっかずっこいYO!亜美も!亜美も!」
美希「先生ね、宝くじが当たったんだってぇ~…あふぅ」
亜美&真美「ミキミキひどすぎっしょ!!」
P「いや、それがだな…」
真美「兄ちゃん待って!真美が言うー!実はだねぇーやよいくぅん…」
亜美「あ!真美ばっかずっこいYO!亜美も!亜美も!」
美希「先生ね、宝くじが当たったんだってぇ~…あふぅ」
亜美&真美「ミキミキひどすぎっしょ!!」
57: 2015/08/07(金) 01:44:51.32
やよい「宝くじ…ですか?」
P「何等が当たったのか知らんが、当選番号を見てその場で卒倒したらしい」
小鳥「意識は戻ったみたいなんだけど…とてもレッスンできる状態じゃないってさっき連絡が…」
P「…と、言うわけだ。集まってもらってなんだが、今日のレッスンはお休みな」
やよい「あれ…?たしか今日はボイスレッスンの後に新しいダンスの予備練習があるって…」
P「何等が当たったのか知らんが、当選番号を見てその場で卒倒したらしい」
小鳥「意識は戻ったみたいなんだけど…とてもレッスンできる状態じゃないってさっき連絡が…」
P「…と、言うわけだ。集まってもらってなんだが、今日のレッスンはお休みな」
やよい「あれ…?たしか今日はボイスレッスンの後に新しいダンスの予備練習があるって…」
58: 2015/08/07(金) 01:46:32.57
P「あー…実はそれもな…」
亜美「あいや待たれい兄ちゃん!今度こそ亜美が言うかんね!聞いて驚けやよいっち…」
真美「なー!?さっきは真美も言ってないじゃーん!ぬけがけは卑怯なりぃー!」
春香「ダンスのコーチ、ずっと付き合ってた人にプロポーズされたんだって!///」キャッキャッ
亜美&真美「そりゃないっしょはるるーん…」ガックシ
亜美「あいや待たれい兄ちゃん!今度こそ亜美が言うかんね!聞いて驚けやよいっち…」
真美「なー!?さっきは真美も言ってないじゃーん!ぬけがけは卑怯なりぃー!」
春香「ダンスのコーチ、ずっと付き合ってた人にプロポーズされたんだって!///」キャッキャッ
亜美&真美「そりゃないっしょはるるーん…」ガックシ
59: 2015/08/07(金) 01:56:50.44
やよい「ぷ…プロポーズですかー!?うっうー!『オメデタ』ですね!」
春香「えっ!?ちょ、ちょっとやよいっ…!///」アセアセ
やよい「あれ?私なにか間違っちゃいましたかぁ…?」
P「んー、ちょーっと段階を飛ばしちゃったかなー…。いやまぁ、めでたいことに変わりはないが…」
小鳥「そのまま勢いで御両親に会いに行くとかで…危うく電話でのろけ話を聞かされるところでしたよ…」ハァ…
春香「えっ!?ちょ、ちょっとやよいっ…!///」アセアセ
やよい「あれ?私なにか間違っちゃいましたかぁ…?」
P「んー、ちょーっと段階を飛ばしちゃったかなー…。いやまぁ、めでたいことに変わりはないが…」
小鳥「そのまま勢いで御両親に会いに行くとかで…危うく電話でのろけ話を聞かされるところでしたよ…」ハァ…
60: 2015/08/07(金) 01:57:47.24
真美「おんや~?はるるん顔が真っ赤ですぞ~?」ニヤニヤ
亜美「なにやらイケない想像ですかな~?」ニヤニヤ
春香「もう!亜美!真美!///」プンプン
亜美「へっへーん!さっきのお返しだもんねー!」
真美「フトーなゲンロンダンアツには屈しないのだー!」
亜美「なにやらイケない想像ですかな~?」ニヤニヤ
春香「もう!亜美!真美!///」プンプン
亜美「へっへーん!さっきのお返しだもんねー!」
真美「フトーなゲンロンダンアツには屈しないのだー!」
61: 2015/08/07(金) 01:59:16.91
P「今日は妙なことが続くなぁ…」
P「妙なことと言えば…やよい、そちらのご老人は…?」
やよい「あ!そうでした!…ごめんなさいおじいさん!そっちのソファーに座ってください!」
古老「カッカッカ…そんなに気にせんでも、息を整えるのにちょうど良い合間じゃったわい」
古老「それにしても、随分賑やかなところじゃのぉ」
P「妙なことと言えば…やよい、そちらのご老人は…?」
やよい「あ!そうでした!…ごめんなさいおじいさん!そっちのソファーに座ってください!」
古老「カッカッカ…そんなに気にせんでも、息を整えるのにちょうど良い合間じゃったわい」
古老「それにしても、随分賑やかなところじゃのぉ」
62: 2015/08/07(金) 02:03:06.49
真美「…!?亜美亜美ぃ!このじーちゃん、白ヒゲがめっちゃ長いYO!」
亜美「…このただ者でないオーラ!さてはじーちゃんの正体は仙人様だなー!」
P「こ、コラッ!お前ら失礼だろいきなり…」
古老「カッカッカ!面白い嬢ちゃん達じゃ!」
古老「期待にそえんですまんがの、わしゃ霧や霞よりも、やよいちゃんの手料理が食べたい、ただの白髭じじいじゃよ」
亜美「…このただ者でないオーラ!さてはじーちゃんの正体は仙人様だなー!」
P「こ、コラッ!お前ら失礼だろいきなり…」
古老「カッカッカ!面白い嬢ちゃん達じゃ!」
古老「期待にそえんですまんがの、わしゃ霧や霞よりも、やよいちゃんの手料理が食べたい、ただの白髭じじいじゃよ」
63: 2015/08/07(金) 02:04:02.27
P「やよいの手料理を…ですか?」
やよい「あ、あの!私から説明しますー!実はこれこれしかじか…」
…5分後…
P「…つまり、かくかくうまうま、と言うことか」
やよい「はい!そうなんです!」
やよい「あ、あの!私から説明しますー!実はこれこれしかじか…」
…5分後…
P「…つまり、かくかくうまうま、と言うことか」
やよい「はい!そうなんです!」
64: 2015/08/07(金) 02:05:40.64
P「それにしてもやよい…その団体とやら、怪しすぎるぞ…」
やよい「え?そんなことないですよー?みんないい人達ですよー?」
小鳥「う~ん…あの壺の出所がそんなところだったなんて…もっとちゃんと聞いておくべきでした…」
P「霊感商法ってやつかな…それにしちゃ壺をタダでくれるなんて、何か企んでるいるのか…」
P「…失礼ですがおじいさん、あなたもその団体に所属している方ですか?」
古老「安心なされお若いの。わしゃあの連中とはなーんも関係ありゃせんわい」
P「ならどうしてその会場に…」
やよい「え?そんなことないですよー?みんないい人達ですよー?」
小鳥「う~ん…あの壺の出所がそんなところだったなんて…もっとちゃんと聞いておくべきでした…」
P「霊感商法ってやつかな…それにしちゃ壺をタダでくれるなんて、何か企んでるいるのか…」
P「…失礼ですがおじいさん、あなたもその団体に所属している方ですか?」
古老「安心なされお若いの。わしゃあの連中とはなーんも関係ありゃせんわい」
P「ならどうしてその会場に…」
65: 2015/08/07(金) 02:09:26.47
古老「なぁに、あの辺はな、昔はほとんど畑ばっかりだったんじゃが、ちょうどあの建物のある場所に、わしの住んどった家があったんじゃよ」
古老「幼い時分、近くの村の子供らと一緒に縁側で真桑瓜を囓っとったのを、昨日のようによぉーく覚えとるわい…」
古老「どうにも懐かしくなって久しぶりに遠出してみたんじゃが、家のあったところにけったいな建物が建っとって…」
古老「様子見がてら中に入って眺めとったら、何やら諸行無常を感じての…」シンミリ
古老「疲れて座っておったら、こんな老いぼれを心配して、やよいちゃんが声をかけてくれたと、まぁこういう次第じゃ」
P(ふぅむ…信じていいんだろうか…もしその団体の仲間だとしたら…)
古老「幼い時分、近くの村の子供らと一緒に縁側で真桑瓜を囓っとったのを、昨日のようによぉーく覚えとるわい…」
古老「どうにも懐かしくなって久しぶりに遠出してみたんじゃが、家のあったところにけったいな建物が建っとって…」
古老「様子見がてら中に入って眺めとったら、何やら諸行無常を感じての…」シンミリ
古老「疲れて座っておったら、こんな老いぼれを心配して、やよいちゃんが声をかけてくれたと、まぁこういう次第じゃ」
P(ふぅむ…信じていいんだろうか…もしその団体の仲間だとしたら…)
66: 2015/08/07(金) 02:11:52.24
やよい「…あのぅ…お話中にすみません。私、おじいさんにご飯を作ってあげたいんですけど…」
P「んん…?しかしなぁやよい…」
貴音「…あなた様、良いではないですか。空腹の者に食事を振る舞うことは、何よりも尊い行いですよ…」ジュルリ
P「うーん…良いことを言っているように思うんだが、なーんで貴音が箸と器を持っているのかなー?」
古老「カッカッカ!話の分かる別嬪さんじゃのぉ!美味い飯と別嬪さんは大好きじゃ」
やよい「うっうー!貴音さんの言うとおりですー!お腹ぺこぺこの人には、おいしいご飯が一番です!」
P「んん…?しかしなぁやよい…」
貴音「…あなた様、良いではないですか。空腹の者に食事を振る舞うことは、何よりも尊い行いですよ…」ジュルリ
P「うーん…良いことを言っているように思うんだが、なーんで貴音が箸と器を持っているのかなー?」
古老「カッカッカ!話の分かる別嬪さんじゃのぉ!美味い飯と別嬪さんは大好きじゃ」
やよい「うっうー!貴音さんの言うとおりですー!お腹ぺこぺこの人には、おいしいご飯が一番です!」
67: 2015/08/07(金) 02:13:35.68
P「ああもうわかったわかった!…話しの続きは取りあえず飯の後にしましょう…えーと…」
P「…そう言えばまだお名前を伺っていませんでした…私は765プロダクションのプロデューサーを務めています『P』と申します。それであなたは…」
古老「わしか…?わしの名は…そうさなぁ…」チラリ
古老「…杜若…六十郎。もっとも、七十もとっくに越えてるがのぉ!」カッカッカ
やよい「おじいさん、『かきつばた』さんだったんですかー!?うっうー!すっごい偶然ですぅー!」
P「…そう言えばまだお名前を伺っていませんでした…私は765プロダクションのプロデューサーを務めています『P』と申します。それであなたは…」
古老「わしか…?わしの名は…そうさなぁ…」チラリ
古老「…杜若…六十郎。もっとも、七十もとっくに越えてるがのぉ!」カッカッカ
やよい「おじいさん、『かきつばた』さんだったんですかー!?うっうー!すっごい偶然ですぅー!」
68: 2015/08/07(金) 02:15:37.32
P(このじじい…!壺に入ってる花見て今考えたろそれ…!つーかまんま『椿三十郎』じゃねぇか!)イラッ
小鳥「プロデューサーさん…!ここは抑えて…」ヒソヒソ
六十郎「カッカッカ…楽しみじゃのぉ、やよいちゃんの手料理」
やよい「待っててください!すぐに作っちゃいますぅ!」
貴音「嗚呼…わたくしも楽しみです…!」ジュルジュル
小鳥「プロデューサーさん…!ここは抑えて…」ヒソヒソ
六十郎「カッカッカ…楽しみじゃのぉ、やよいちゃんの手料理」
やよい「待っててください!すぐに作っちゃいますぅ!」
貴音「嗚呼…わたくしも楽しみです…!」ジュルジュル
77: 2015/08/08(土) 22:45:42.54
ちなみに白髭の古老・杜若六十郎は、俳優の東野 英治郎氏のイメージで書いています。
79: 2015/08/08(土) 22:48:17.83
LHS本部 代口瞑想室
カルプレッタ「…こちらが本日の寄進の総額です」
代口「いち…じゅう…ひゃく…せん…まん……」
代口「…ほぉ!いつもより桁一つ分多いな!」
カルプレッタ「はい、多めとは思いましたがまさかこれほどまでとは…」
カルプレッタ「…こちらが本日の寄進の総額です」
代口「いち…じゅう…ひゃく…せん…まん……」
代口「…ほぉ!いつもより桁一つ分多いな!」
カルプレッタ「はい、多めとは思いましたがまさかこれほどまでとは…」
80: 2015/08/08(土) 22:52:44.57
代口「…それで、今日のイニシエーションについてだが、幹部連中は何か言っていたか?」
カルプレッタ「異例のことなので驚いてはいましたが…皆一様に『代口様のご判断に全てを委ねる』と…」
代口「ふん…つまらん自尊心から人の上に立ちたがるくせに、いざとなったらおんぶにだっこか…」
代口「相変わらず下らん連中だ。持っているのは金ばかり…か」
カルプレッタ「異例のことなので驚いてはいましたが…皆一様に『代口様のご判断に全てを委ねる』と…」
代口「ふん…つまらん自尊心から人の上に立ちたがるくせに、いざとなったらおんぶにだっこか…」
代口「相変わらず下らん連中だ。持っているのは金ばかり…か」
81: 2015/08/08(土) 22:54:00.17
カルプレッタ「しかし、その彼らの金は、教団にとって必要不可欠なものですから…」
代口「勿論、分かっているとも。組織運営の辛いところだ」
代口「そうだな…『諸君等の献身的働きと教団への忠心に、偉大なるラダークもお喜びだ』とかなんとか、伝えておけばいいだろう」
代口「ああそれと、ラダークからの賜り物だと言って、いつも通りそれっぽいモノを適当に見繕ってくれ」
カルプレッタ「承知しました」
代口「勿論、分かっているとも。組織運営の辛いところだ」
代口「そうだな…『諸君等の献身的働きと教団への忠心に、偉大なるラダークもお喜びだ』とかなんとか、伝えておけばいいだろう」
代口「ああそれと、ラダークからの賜り物だと言って、いつも通りそれっぽいモノを適当に見繕ってくれ」
カルプレッタ「承知しました」
82: 2015/08/08(土) 23:00:40.51
カルプレッタ「…ところで代口様、例の計画なのですが少し変更してはいかがかと…」
代口「うん?…どういうことかね?」
カルプレッタ「はい…元々は高槻やよいを教団に引き入れ、頃合いを見て『マスコミに暴露する』と765プロを脅し…」
カルプレッタ「暴露を取りやめる代償として、まとまった金額を出させるという企てでしたが…」
代口「ハッハッハ…君ぃ、脅すとは人聞きが悪いじゃないか。我々はただ『警告』して、見返りに『礼金』を貰うだけだよ」
カルプレッタ「ヒヒ…そうでしたね…」
代口「うん?…どういうことかね?」
カルプレッタ「はい…元々は高槻やよいを教団に引き入れ、頃合いを見て『マスコミに暴露する』と765プロを脅し…」
カルプレッタ「暴露を取りやめる代償として、まとまった金額を出させるという企てでしたが…」
代口「ハッハッハ…君ぃ、脅すとは人聞きが悪いじゃないか。我々はただ『警告』して、見返りに『礼金』を貰うだけだよ」
カルプレッタ「ヒヒ…そうでしたね…」
83: 2015/08/08(土) 23:15:57.17
カルプレッタ「しかしですね代口様。今日のこの寄進の額を見て計画を再考してみたのです」
カルプレッタ「765プロはあの規模の事務所としては珍しいくらい人気アイドルを擁していますが、所詮は零細…資金も潤沢とまでは…」
カルプレッタ「勿論ある程度の収穫は見込めますが…それよりもむしろ、高槻やよいを利用し続けた方が、より大きな実りを得られるのではないかと…」
代口「ふむ…しかし765プロには水瀬財閥の令嬢がいて、高槻やよいとは親しい間柄とか…。君はそこも計算に入れていたのではなかったかね?」
カルプレッタ「765プロはあの規模の事務所としては珍しいくらい人気アイドルを擁していますが、所詮は零細…資金も潤沢とまでは…」
カルプレッタ「勿論ある程度の収穫は見込めますが…それよりもむしろ、高槻やよいを利用し続けた方が、より大きな実りを得られるのではないかと…」
代口「ふむ…しかし765プロには水瀬財閥の令嬢がいて、高槻やよいとは親しい間柄とか…。君はそこも計算に入れていたのではなかったかね?」
84: 2015/08/08(土) 23:26:54.91
カルプレッタ「はい、水瀬伊織がその気になれば、多少無茶な金銭的要求にも応えられるだろうと踏んだのは確かです」
カルプレッタ「しかし、これはリスクを伴う博打でもあります」
カルプレッタ「…代口様、米国進出への足掛かりにするために、政財界の名門家子息らを取り込もうとした時のこと、憶えていらっしゃいますか…?」
代口「ああ…あの時は流石に肝を冷やしたよ。まさか民間軍事会社を雇って奪還しに来るとは思わんからな…!」
カルプレッタ「目立たぬようにと、コロラド砂漠に施設を造ったのが裏目に出ました…」
カルプレッタ「実は、水瀬財閥に関しても同様の懸念があります」
カルプレッタ「しかし、これはリスクを伴う博打でもあります」
カルプレッタ「…代口様、米国進出への足掛かりにするために、政財界の名門家子息らを取り込もうとした時のこと、憶えていらっしゃいますか…?」
代口「ああ…あの時は流石に肝を冷やしたよ。まさか民間軍事会社を雇って奪還しに来るとは思わんからな…!」
カルプレッタ「目立たぬようにと、コロラド砂漠に施設を造ったのが裏目に出ました…」
カルプレッタ「実は、水瀬財閥に関しても同様の懸念があります」
85: 2015/08/08(土) 23:38:55.32
カルプレッタ「不確定な情報ではありますが、中南米諸国や南アフリカ等に、系列企業の警備会社という体裁で、私兵集団を擁しているとか…」
代口「物騒な話だな…しかしそれならどちらにしろ、高槻やよいを取り込むのは危険なのではないかね?」
カルプレッタ「水瀬に金を出させれば連中が動く可能性は高まりますが、高槻やよい本人を利用する分には、そういったリスクも最小限に抑えられます」
カルプレッタ「当初の計画とは逆に、彼女が教団に所属しているという事実を早々に公にしてしまえば、水瀬と言えども容易には手出しは出来ません」
代口「物騒な話だな…しかしそれならどちらにしろ、高槻やよいを取り込むのは危険なのではないかね?」
カルプレッタ「水瀬に金を出させれば連中が動く可能性は高まりますが、高槻やよい本人を利用する分には、そういったリスクも最小限に抑えられます」
カルプレッタ「当初の計画とは逆に、彼女が教団に所属しているという事実を早々に公にしてしまえば、水瀬と言えども容易には手出しは出来ません」
86: 2015/08/08(土) 23:40:54.15
代口「まぁ少なくとも、軍隊を送り込むなんて事にはならんだろうな」
代口「…よし、いいだろう!その案でいってくれ」
代口「マスコミへのたれ込みはどうするかね?幹部連中には大手媒体に顔が利くのが何人かいるが…」
カルプレッタ「マスコミへのリークよりも良い手があります。若い信徒達を使ってですね…」
代口「…よし、いいだろう!その案でいってくれ」
代口「マスコミへのたれ込みはどうするかね?幹部連中には大手媒体に顔が利くのが何人かいるが…」
カルプレッタ「マスコミへのリークよりも良い手があります。若い信徒達を使ってですね…」
87: 2015/08/08(土) 23:42:45.45
765プロ事務所
六十郎「ふぅ…もう腹一杯じゃ。無駄に長生きをしてきたが、もやしがこんなに美味いものとは知らんかったわい」
貴音「流石はやよいですね。わたくしは味見程度でしたが、大変美味でした」
P「…明らかに貴音の食った量の方が多いけどな」
やよい「うっうー!2人ともありがとうございますー!」
六十郎「ふぅ…もう腹一杯じゃ。無駄に長生きをしてきたが、もやしがこんなに美味いものとは知らんかったわい」
貴音「流石はやよいですね。わたくしは味見程度でしたが、大変美味でした」
P「…明らかに貴音の食った量の方が多いけどな」
やよい「うっうー!2人ともありがとうございますー!」
88: 2015/08/08(土) 23:44:48.61
六十郎「礼を言うのはこっちの方じゃて。ありがとうやよいちゃん。こんな美味い料理なら、毎日食べたいくらいじゃよ」
六十郎「む…!早速効果が現れたようじゃ!家の場所を思い出したぞ!」
やよい「ほ、本当ですかー!?」
六十郎「…それがのぅ、実はここから電車でほんの二駅先のところなんじゃよ」
六十郎「む…!早速効果が現れたようじゃ!家の場所を思い出したぞ!」
やよい「ほ、本当ですかー!?」
六十郎「…それがのぅ、実はここから電車でほんの二駅先のところなんじゃよ」
89: 2015/08/08(土) 23:46:55.62
P「なっ…!?」
六十郎「よー思い出してみるとな、遠出してきたと思うたのは、家から直接歩いてきたからじゃったわ…カッカッカ!」
P(このっ…やよいがせっかくここまでしたっていうのに…いくら爺さんでもここはビシッと…)
P「あのなぁ…ちょっとあんたっ…」
やよい「すぐ近くにお家があったんですね!思い出せて良かったですー!!」
六十郎「よー思い出してみるとな、遠出してきたと思うたのは、家から直接歩いてきたからじゃったわ…カッカッカ!」
P(このっ…やよいがせっかくここまでしたっていうのに…いくら爺さんでもここはビシッと…)
P「あのなぁ…ちょっとあんたっ…」
やよい「すぐ近くにお家があったんですね!思い出せて良かったですー!!」
90: 2015/08/08(土) 23:48:20.11
P「…がったどこさ♪肥っ後さ♪肥っ後どっこさ…」
小鳥「ぷ…プロデューサーさん?どうしたんですか突然歌い出したりなんかして…」
P「いや、急に歌いたくなりまして…」
P「よ…良かったなーやよい!いやー、ホント良かった良かった…」
小鳥「ぷ…プロデューサーさん?どうしたんですか突然歌い出したりなんかして…」
P「いや、急に歌いたくなりまして…」
P「よ…良かったなーやよい!いやー、ホント良かった良かった…」
91: 2015/08/09(日) 00:00:48.73
六十郎「すまんかったのぅやよいちゃん…物忘れ爺は始末が悪くていかん」
やよい「そんなことないですよー?私の作ったもやし炒め、美味しい美味しいって食べてくれたじゃないですか!」
やよい「私もとってもうれしかったから…えーと…こういうのを『うぃんうぃんの関係』って言うんですよ!」
真美「あ、亜美隊員!やよいっちがムズかしい言葉を使ってます!」
亜美「むむむ…真美隊員!この貴重なシーンをすぐファイルに記録したまえ!」
やよい「もー!亜美と真美はそうやってすぐ私のことからかってー!」プンスカ=3
やよい「そんなことないですよー?私の作ったもやし炒め、美味しい美味しいって食べてくれたじゃないですか!」
やよい「私もとってもうれしかったから…えーと…こういうのを『うぃんうぃんの関係』って言うんですよ!」
真美「あ、亜美隊員!やよいっちがムズかしい言葉を使ってます!」
亜美「むむむ…真美隊員!この貴重なシーンをすぐファイルに記録したまえ!」
やよい「もー!亜美と真美はそうやってすぐ私のことからかってー!」プンスカ=3
92: 2015/08/09(日) 00:03:08.23
六十郎「初めて聞いたのぅ…どういう意味なんじゃ?その…うぃんうぃんっちゅうのは?」
やよい「え?あぅ…その…あ、あれです!どっちもうれしい気持ちになったら、それがうぃんうぃんなんです!」
P(おおざっぱだが、あながち間違いでもないな…)
六十郎「ほぉ…じゃあ、わしとやよいちゃんはうぃんうぃんの仲じゃな!良い言葉じゃのぉ、うぃんうぃん」
やよい「はい!うぃんうぃんの仲です!」
亜美「真美ぃー、亜美達もうぃんうぃんの仲だよね?」
真美「ト→ゼンっしょ!」
やよい「え?あぅ…その…あ、あれです!どっちもうれしい気持ちになったら、それがうぃんうぃんなんです!」
P(おおざっぱだが、あながち間違いでもないな…)
六十郎「ほぉ…じゃあ、わしとやよいちゃんはうぃんうぃんの仲じゃな!良い言葉じゃのぉ、うぃんうぃん」
やよい「はい!うぃんうぃんの仲です!」
亜美「真美ぃー、亜美達もうぃんうぃんの仲だよね?」
真美「ト→ゼンっしょ!」
93: 2015/08/09(日) 00:04:53.35
たるき亭前
P「もう外も暗くなりましたし、よろしければ駅までお送りしますが…」
六十郎「いやいや、おいしいご飯を馳走になった上に、『ぷろでーさー』なんて立派な肩書きのある方にそんなことさせたら、罰が当たるでの…」
六十郎「やよいちゃん、それに皆さん方、今日は本当にどうもありがとう」ペコリ
六十郎「運良く生きとったら、今度はお礼に寄らせてもらうからのぉ」カッカッカ
やよい「うっうー!またいつでも来てくださぁい!」
P(いつでもは困るんだが…ま、やよいが嬉しそうだからいいか…)
P「もう外も暗くなりましたし、よろしければ駅までお送りしますが…」
六十郎「いやいや、おいしいご飯を馳走になった上に、『ぷろでーさー』なんて立派な肩書きのある方にそんなことさせたら、罰が当たるでの…」
六十郎「やよいちゃん、それに皆さん方、今日は本当にどうもありがとう」ペコリ
六十郎「運良く生きとったら、今度はお礼に寄らせてもらうからのぉ」カッカッカ
やよい「うっうー!またいつでも来てくださぁい!」
P(いつでもは困るんだが…ま、やよいが嬉しそうだからいいか…)
94: 2015/08/09(日) 00:22:54.65
P「行ったな…足取りも矍鑠たるもんだし、大丈夫だろう」
P「ふぅ…本当に今日は妙な一日だったよ…さ、みんなも事務所に戻って帰り支度するぞ」
美希「変なおじいちゃんだったの!」
春香「確かに変わってるけど…悪い人じゃなさそうだったね」
小鳥(ウフフ…私のことを見るなり『可愛いお嬢さん』だなんて…絶対善い人ね!)
P「ふぅ…本当に今日は妙な一日だったよ…さ、みんなも事務所に戻って帰り支度するぞ」
美希「変なおじいちゃんだったの!」
春香「確かに変わってるけど…悪い人じゃなさそうだったね」
小鳥(ウフフ…私のことを見るなり『可愛いお嬢さん』だなんて…絶対善い人ね!)
95: 2015/08/09(日) 00:25:18.51
亜美「亜美はやっぱり、あのじーちゃんは仙人様だと思うな!あの白ヒゲが動かぬ証拠だYO!」
真美「雲に乗ったり、目からビームとか出すのかな!?食らえ!仙人フラーッシュ!!」シュバッ
亜美「なんの!仙人バリアー!!」バシィッ
春香「二人の中の仙人って一体…」
P「おいおい、危ないから階段ではしゃぐなよ…って、あれ?貴音は…?」
真美「雲に乗ったり、目からビームとか出すのかな!?食らえ!仙人フラーッシュ!!」シュバッ
亜美「なんの!仙人バリアー!!」バシィッ
春香「二人の中の仙人って一体…」
P「おいおい、危ないから階段ではしゃぐなよ…って、あれ?貴音は…?」
96: 2015/08/09(日) 00:28:08.90
貴音「……」
P「どうした貴音?上がらないのか?」
貴音「あなた様……いえ…その…今宵の月を眺めながら、少しばかり夜風に当たってこようかと…」
P「…?まぁ、貴音がそうしたいならいいけど…あんまり遅くなるなよ」
貴音「はい、すぐに片を付けて戻って参ります…では…」スッ…
P「片を…?お、おい貴音それはどういう…」
P「ありゃ?もういない…それに曇ってて月なんか見えないじゃないか…なんなんだ一体…」
P「どうした貴音?上がらないのか?」
貴音「あなた様……いえ…その…今宵の月を眺めながら、少しばかり夜風に当たってこようかと…」
P「…?まぁ、貴音がそうしたいならいいけど…あんまり遅くなるなよ」
貴音「はい、すぐに片を付けて戻って参ります…では…」スッ…
P「片を…?お、おい貴音それはどういう…」
P「ありゃ?もういない…それに曇ってて月なんか見えないじゃないか…なんなんだ一体…」
97: 2015/08/09(日) 00:30:30.78
近所の公園
六十郎「…い~のちぃ~みぃじぃ~かぁしぃ~…こぉいせよ~お~と~めぇ~…」キィコ…キィコ…
六十郎「……そんなところに隠れとらんで、出てきたらどうかの?」
貴音「…やはり気づかれてしまいましたか…」スッ…
六十郎「あの食べっぷりが小気味よかった別嬪さん…確か…貴音さんじゃったかの?」
貴音「六十郎殿、何故に駅の方向とは真逆の公園におられるのですか?」
六十郎「そりゃあ、お前さんを待っとったからじゃよ…」
六十郎「…い~のちぃ~みぃじぃ~かぁしぃ~…こぉいせよ~お~と~めぇ~…」キィコ…キィコ…
六十郎「……そんなところに隠れとらんで、出てきたらどうかの?」
貴音「…やはり気づかれてしまいましたか…」スッ…
六十郎「あの食べっぷりが小気味よかった別嬪さん…確か…貴音さんじゃったかの?」
貴音「六十郎殿、何故に駅の方向とは真逆の公園におられるのですか?」
六十郎「そりゃあ、お前さんを待っとったからじゃよ…」
98: 2015/08/09(日) 00:34:59.90
貴音「…一体…何者…!」
六十郎「こりゃこりゃ…眉間にしわなんぞ寄せたら、せっかくの綺麗な顔が勿体なかろうが…」
六十郎「そんなに用心せんでも、取って食いはせんわい」カッカッカ
貴音「何故やよいに近づいたのですか?答え如何によっては…」
六十郎「お前さんは何か思い違いをしているようじゃが、わしはやよいちゃんをどうにかしようとは思うとらんぞ」
貴音「危害は加えずとも…意図して近づき、やよいを籠絡したことは認めるのですね?」
六十郎「こりゃこりゃ…眉間にしわなんぞ寄せたら、せっかくの綺麗な顔が勿体なかろうが…」
六十郎「そんなに用心せんでも、取って食いはせんわい」カッカッカ
貴音「何故やよいに近づいたのですか?答え如何によっては…」
六十郎「お前さんは何か思い違いをしているようじゃが、わしはやよいちゃんをどうにかしようとは思うとらんぞ」
貴音「危害は加えずとも…意図して近づき、やよいを籠絡したことは認めるのですね?」
99: 2015/08/09(日) 00:36:35.83
六十郎「身も蓋もない言い方じゃのぉ…わしゃ初めにちょいとばかし、やよいちゃんの注意を引くよう振る舞っただけじゃ」
六十郎「その後の事はみぃんな、あの子自身が選んだ結果じゃよ」
貴音「その言葉に、嘘偽りはないのですね?」
六十郎「神仏に誓って、嘘は言っておらん」
貴音「……」
六十郎「その後の事はみぃんな、あの子自身が選んだ結果じゃよ」
貴音「その言葉に、嘘偽りはないのですね?」
六十郎「神仏に誓って、嘘は言っておらん」
貴音「……」
100: 2015/08/09(日) 00:39:50.44
六十郎「…お前さん、目に戸惑いの色が出とるな…」
貴音「……」
六十郎「食事の時、わしよりバクバク食べておったが、其の実、わしの心底をはかろうと必氏じゃったのぉ…」
六十郎「お前さんは鋭い観察眼を持っておる。鋭いが故に、何も見せようとしなかったわしを不審に思ったんじゃろ?」
六十郎「そんなわしを連れてきたやよいちゃんを心配するじゃろうと思うてな、お前さんとだけは差しで話をしようと待っていたんじゃ」
貴音「……」
六十郎「食事の時、わしよりバクバク食べておったが、其の実、わしの心底をはかろうと必氏じゃったのぉ…」
六十郎「お前さんは鋭い観察眼を持っておる。鋭いが故に、何も見せようとしなかったわしを不審に思ったんじゃろ?」
六十郎「そんなわしを連れてきたやよいちゃんを心配するじゃろうと思うてな、お前さんとだけは差しで話をしようと待っていたんじゃ」
101: 2015/08/09(日) 00:42:42.81
貴音「わたくしが追ってきたのも、六十郎殿がそうさせたからなのですか?」
六十郎「追ってくるであろうことを予見して待っとったに過ぎん。追ってきたのは間違いなく、お前さん自身の選択じゃて」
六十郎「正直、来てくれて安心したわい…!」
六十郎「お前さんのような仲間がいるなら、やよいちゃんは大丈夫じゃろう、とな…」
六十郎「追ってくるであろうことを予見して待っとったに過ぎん。追ってきたのは間違いなく、お前さん自身の選択じゃて」
六十郎「正直、来てくれて安心したわい…!」
六十郎「お前さんのような仲間がいるなら、やよいちゃんは大丈夫じゃろう、とな…」
102: 2015/08/09(日) 00:44:29.35
貴音「やよいの身に、何か起こるのですね…」
六十郎「もう起きている、と言うてもいいじゃろう。わしもお前さんと同じで、やよいちゃんを守りたいんじゃよ」
六十郎「色々と困難もあろうが、皆と一緒にあの子を守ってやって欲しいんじゃ…」
六十郎「その間にな、わしがなんとかするでの…」
六十郎「もう起きている、と言うてもいいじゃろう。わしもお前さんと同じで、やよいちゃんを守りたいんじゃよ」
六十郎「色々と困難もあろうが、皆と一緒にあの子を守ってやって欲しいんじゃ…」
六十郎「その間にな、わしがなんとかするでの…」
103: 2015/08/09(日) 00:46:44.74
貴音「…わかりました。やよいを守りたいというその言葉、信じましょう」
貴音「…結局、あなたが何者なのかは教えて頂けないのでしょうね…」
六十郎「カッカッカ!なぁに、ただの旅の隠居じゃよ…」
貴音「ふふふ…意地の悪い黄門様ですね…」
貴音「…結局、あなたが何者なのかは教えて頂けないのでしょうね…」
六十郎「カッカッカ!なぁに、ただの旅の隠居じゃよ…」
貴音「ふふふ…意地の悪い黄門様ですね…」
104: 2015/08/09(日) 00:50:38.31
六十郎「そうさの…一つだけ、黄門様の知恵を授けておこうかの」
六十郎「あの壺に入った杜若じゃが、水を絶やして枯らさぬよう、よくよく労ってやるんじゃぞ」
貴音「杜若の花を…?」
六十郎「そうじゃ、お前さんが好きなあの花をな…」
貴音「どうしてそれを…」
---------
-----
--
-
「お姫ちん!!」
六十郎「あの壺に入った杜若じゃが、水を絶やして枯らさぬよう、よくよく労ってやるんじゃぞ」
貴音「杜若の花を…?」
六十郎「そうじゃ、お前さんが好きなあの花をな…」
貴音「どうしてそれを…」
---------
-----
--
-
「お姫ちん!!」
105: 2015/08/09(日) 00:53:31.30
貴音「!?」
「お姫ちん気がついた!?どうしたのこんなところにボーッと突っ立って…」
「兄ちゃんとはるるん、お姫ちんが戻ってこないから心配して探しに行っちゃったんだよ?」
貴音「ここは…わたくしは一体…」
「だ、大丈夫!?お姫ちん!?」
「これはまさか…!キオクソーシツ!?私達のこと忘れてないよね!?自分が誰だか分かる?」
貴音「…双海亜美に…双海真美…わたくしは、四条貴音…」
「お姫ちん気がついた!?どうしたのこんなところにボーッと突っ立って…」
「兄ちゃんとはるるん、お姫ちんが戻ってこないから心配して探しに行っちゃったんだよ?」
貴音「ここは…わたくしは一体…」
「だ、大丈夫!?お姫ちん!?」
「これはまさか…!キオクソーシツ!?私達のこと忘れてないよね!?自分が誰だか分かる?」
貴音「…双海亜美に…双海真美…わたくしは、四条貴音…」
107: 2015/08/09(日) 00:57:25.37
亜美「うわーん!良かったお姫ちん!さっきまで亜美達完全スルーされてて、ちょ→焦ったんだからっ!!」グスッ
真美「お姫ちんに忘れられたら、真美達おやつものどに通らなくなっちゃうYO!!」ウルッ
貴音「ふふ…それは、真恐ろしいですね…」
亜美「でしょでしょ?絶対忘れちゃヤダかんね!」ギュッ
真美「あ、真美もギュッてする!」ギュッ
貴音「本当に…心配をかけて申し訳ありません…」ギュ…
真美「お姫ちんに忘れられたら、真美達おやつものどに通らなくなっちゃうYO!!」ウルッ
貴音「ふふ…それは、真恐ろしいですね…」
亜美「でしょでしょ?絶対忘れちゃヤダかんね!」ギュッ
真美「あ、真美もギュッてする!」ギュッ
貴音「本当に…心配をかけて申し訳ありません…」ギュ…
108: 2015/08/09(日) 00:59:14.48
春香「貴音さん!良かった何事もなくて…」
貴音「春香…心配をかけてしまい、申し訳ありませんでした…」
小鳥「…はい、貴音ちゃん事務所に戻ってきました…はい…大丈夫みたいです…春香ちゃんも今戻ってきたみたいで…」
真美「はるるん!はるるんもギュッてして!」
亜美「お姫ちんのココ!空いてますYO!」トントン
春香「え?あ、えと…こ、こうでいいのかな?」ギュ
貴音「春香…心配をかけてしまい、申し訳ありませんでした…」
小鳥「…はい、貴音ちゃん事務所に戻ってきました…はい…大丈夫みたいです…春香ちゃんも今戻ってきたみたいで…」
真美「はるるん!はるるんもギュッてして!」
亜美「お姫ちんのココ!空いてますYO!」トントン
春香「え?あ、えと…こ、こうでいいのかな?」ギュ
109: 2015/08/09(日) 01:00:09.08
亜美「どうですかな、真美鑑定士?」
真美「まだまだ足りませんな…もっとこうギュッと!」
春香「え?え?じゃあこの位…」ギュッ
亜美「真美鑑定士?」
真美「…ナイスギュッ!」
亜美「頂きましたっ!」
真美「まだまだ足りませんな…もっとこうギュッと!」
春香「え?え?じゃあこの位…」ギュッ
亜美「真美鑑定士?」
真美「…ナイスギュッ!」
亜美「頂きましたっ!」
110: 2015/08/09(日) 01:02:01.72
貴音「ふふふ…まるで押しくらまんじゅうのようですね…」
春香(うわぁ…貴音さんの髪柔らかいなぁ…!)
美希「あー!ミキを仲間はずれにしちゃやー!なの!」ムギュッ
亜美「真美鑑定士?」
真美「ナイスボリューム!ナイスムギュッ!」
亜美「これは鑑定額も期待できそうです!」
春香(うわぁ…貴音さんの髪柔らかいなぁ…!)
美希「あー!ミキを仲間はずれにしちゃやー!なの!」ムギュッ
亜美「真美鑑定士?」
真美「ナイスボリューム!ナイスムギュッ!」
亜美「これは鑑定額も期待できそうです!」
111: 2015/08/09(日) 01:09:16.37
小鳥「なんだか楽しそうね…私も…えい!」ギュッ
美希「小鳥、ナイスギュッ!なのー!」
亜美「真美鑑定士?」
真美「イイ仕事してますねぇ~!」
亜美「果たして、鑑定やいかに…!!」
美希「小鳥、ナイスギュッ!なのー!」
亜美「真美鑑定士?」
真美「イイ仕事してますねぇ~!」
亜美「果たして、鑑定やいかに…!!」
112: 2015/08/09(日) 01:29:00.87
P「貴音!一体どこまで散歩に出て…」ガチャ
P「……え?何これは…」
P「…よーし、よくわからんが俺も…」
小鳥「プロデューサーさん、セクハラですよ」
亜美「真美ぃー、ここで兄ちゃんがギュッは確実にセクハラだよネー?」
真美「うんうん!セクハラセクハラー。鑑定額もマイナスだYO!」
美希「ハニーならギュッてしてもいいけど、ミキもセクハラはどーかと思うな」
春香「ぷ…プロデューサーさんがどうしてもって言うなら…あ!でもセクハラはやっぱり駄目ですよ!」
貴音「ふふふ…せくしゃるはらすめんと、ですね」
P「今日は本当に妙な一日だわ…ハハ…」シュン…
P「……え?何これは…」
P「…よーし、よくわからんが俺も…」
小鳥「プロデューサーさん、セクハラですよ」
亜美「真美ぃー、ここで兄ちゃんがギュッは確実にセクハラだよネー?」
真美「うんうん!セクハラセクハラー。鑑定額もマイナスだYO!」
美希「ハニーならギュッてしてもいいけど、ミキもセクハラはどーかと思うな」
春香「ぷ…プロデューサーさんがどうしてもって言うなら…あ!でもセクハラはやっぱり駄目ですよ!」
貴音「ふふふ…せくしゃるはらすめんと、ですね」
P「今日は本当に妙な一日だわ…ハハ…」シュン…
113: 2015/08/09(日) 02:05:50.43
高槻家 玄関前
やよい「遅くなるからって先に帰されちゃったけど…貴音さん大丈夫かなぁ…」
やよい「ただいまー!遅くなってごめんね!」ガラガラ
浩太郎「あ!やよい姉ちゃん帰ってきた!お帰りー!」
浩司「おかえりー!」
やよい「ただいまー!」
やよい「遅くなるからって先に帰されちゃったけど…貴音さん大丈夫かなぁ…」
やよい「ただいまー!遅くなってごめんね!」ガラガラ
浩太郎「あ!やよい姉ちゃん帰ってきた!お帰りー!」
浩司「おかえりー!」
やよい「ただいまー!」
114: 2015/08/09(日) 02:07:28.04
長介「お帰り、やよい姉ちゃん」
長介「さっき姉ちゃんに電話あったよ。えーと…『貴音さんは無事見つかりました』だってさ」
やよい「ほんとー!?良かったー…」
やよい(…おじいさんも、きっとお家まで帰れたよね)
長介「さっき姉ちゃんに電話あったよ。えーと…『貴音さんは無事見つかりました』だってさ」
やよい「ほんとー!?良かったー…」
やよい(…おじいさんも、きっとお家まで帰れたよね)
115: 2015/08/09(日) 02:09:12.50
かすみ「……」ジッ…
やよい「…?かすみ、どうかしたの?」
かすみ「お姉ちゃん、なんだか嬉しそう…」
やよい「え?か、顔に出てたかなぁ…///」
やよい「…うん、でもそうなの!今日はとっても良いことがあってね…」
やよい「…?かすみ、どうかしたの?」
かすみ「お姉ちゃん、なんだか嬉しそう…」
やよい「え?か、顔に出てたかなぁ…///」
やよい「…うん、でもそうなの!今日はとっても良いことがあってね…」
118: 2015/08/12(水) 00:59:34.93
再開します。あんまり進みませんがご容赦ください。
119: 2015/08/12(水) 01:02:18.63
翌早朝 765プロ事務所 社長室
貴音「…その後意識が遠のき、気がついた時には事務所のどあの前に佇んでいました…」
P「……」
P「…それで全部か?」
貴音「その後、あなた様のせくしゃるはらすめんとの件が…」
P「あ、そこはいいです…」
貴音「…では、これで全てです」
貴音「…その後意識が遠のき、気がついた時には事務所のどあの前に佇んでいました…」
P「……」
P「…それで全部か?」
貴音「その後、あなた様のせくしゃるはらすめんとの件が…」
P「あ、そこはいいです…」
貴音「…では、これで全てです」
120: 2015/08/12(水) 01:03:57.70
P「…貴音の話が本当なら、あの爺さんは何と言うか…その…」
P「超能力者とか、あるいは人間じゃない何か超常的な存在って事か…?」
貴音「さぁ…わたくしにもその正体までは…」
貴音「しかし、仮に妖異の類いだとしても、邪悪なものではないと思います…」
P「超能力者とか、あるいは人間じゃない何か超常的な存在って事か…?」
貴音「さぁ…わたくしにもその正体までは…」
貴音「しかし、仮に妖異の類いだとしても、邪悪なものではないと思います…」
121: 2015/08/12(水) 01:08:16.39
P(にわかには信じがたい話だが…貴音がこんな意味の無い嘘をつくとも思えないしな…)
P「それで…貴音はなんでその話を俺に?」
貴音「六十郎殿は、『皆と一緒に』やよいを守るようにと、そう言われました」
貴音「また、この話を口外してはならぬとは言っていませんでした」
P「それなら、みんなにもこの話を聞かせれば…」
P「それで…貴音はなんでその話を俺に?」
貴音「六十郎殿は、『皆と一緒に』やよいを守るようにと、そう言われました」
貴音「また、この話を口外してはならぬとは言っていませんでした」
P「それなら、みんなにもこの話を聞かせれば…」
122: 2015/08/12(水) 01:12:33.11
貴音「あなた様…この話を聞いてどう思われたか、正直に仰ってください…」
P「うーん…現実離れした展開でなんとも…」
P「貴音の事は信用しているが、正直半信半疑だ。スマン…」
貴音「いえ…然もありなん、と言うべきでしょう…」
P「うーん…現実離れした展開でなんとも…」
P「貴音の事は信用しているが、正直半信半疑だ。スマン…」
貴音「いえ…然もありなん、と言うべきでしょう…」
123: 2015/08/12(水) 01:18:18.52
貴音「仮にこの話を聞かせたとしても、大半の者はあなた様と同様の感想を抱くと思われます…」
P「亜美や真美は信じるんじゃないか?爺さんのこと仙人様だとか言ってたし…」
貴音「信じてはくれるでしょうが…それはあくまで好奇心の発露によるもの…」
貴音「事態をどこまで深刻に捉えられるのかまでは…」
P「亜美や真美は信じるんじゃないか?爺さんのこと仙人様だとか言ってたし…」
貴音「信じてはくれるでしょうが…それはあくまで好奇心の発露によるもの…」
貴音「事態をどこまで深刻に捉えられるのかまでは…」
124: 2015/08/12(水) 01:21:34.51
貴音「それに…六十郎殿のことは、やよいには知られたくないのです」
貴音「初めだけとは言え、善意からの行いが作り事だったとは…」
貴音「…彼女は困っていた御老人を手助けした。ただそれだけでいいのです」
P「…言わんとするところはわかった。だがそれでも、俺にだけ話す理由が分からないんだが…」
貴音「初めだけとは言え、善意からの行いが作り事だったとは…」
貴音「…彼女は困っていた御老人を手助けした。ただそれだけでいいのです」
P「…言わんとするところはわかった。だがそれでも、俺にだけ話す理由が分からないんだが…」
125: 2015/08/12(水) 01:28:09.66
貴音「あなた様は、皆を繋ぎ止めることができる、最後の切り札だからです」
P「お、俺が切り札…?」
貴音「先程お話しした通り、六十郎殿は終始その心底を隠しておりました…」
貴音「ただ…『なんとかする』と仰ったその時だけ、一抹の不安のようなものを垣間見せたのです」
貴音「恐らく…六十郎殿の力を持ってしても、やよいに降りかかる困難を防ぎきれない可能性があるのでしょう…」
貴音「わたくしに話した真意も、そこにあるのではと…」
P「お、俺が切り札…?」
貴音「先程お話しした通り、六十郎殿は終始その心底を隠しておりました…」
貴音「ただ…『なんとかする』と仰ったその時だけ、一抹の不安のようなものを垣間見せたのです」
貴音「恐らく…六十郎殿の力を持ってしても、やよいに降りかかる困難を防ぎきれない可能性があるのでしょう…」
貴音「わたくしに話した真意も、そこにあるのではと…」
126: 2015/08/12(水) 01:39:21.76
P「お、俺には貴音みたいな鋭い勘も、まして爺さんみたいな妙な力も無いぞ…」
貴音「あなた様は、わたくし達の目指す道、夢、苦難、葛藤…その全てに繋がる、唯一のお方です…」
P「いや…俺はただのプロデューサーで…」
貴音「そこです。わたくし達は『ぷろでゅーさー』に関わるという共通点を持つ仲間です」
貴音「皆で結束して立ち向かうべき時が近づいているのなら…」
貴音「その帰趨を握るのは、あなた様をおいて他にはいません…!」
貴音「あなた様は、わたくし達の目指す道、夢、苦難、葛藤…その全てに繋がる、唯一のお方です…」
P「いや…俺はただのプロデューサーで…」
貴音「そこです。わたくし達は『ぷろでゅーさー』に関わるという共通点を持つ仲間です」
貴音「皆で結束して立ち向かうべき時が近づいているのなら…」
貴音「その帰趨を握るのは、あなた様をおいて他にはいません…!」
127: 2015/08/12(水) 01:41:02.01
P「でもほら、竜宮小町は律子がプロデューサーだし…」
貴音「竜宮小町や律子嬢もまた、あなた様の影響なくしては成立しません…」
貴音「高木殿や小鳥嬢も同じです。どのような形であれ、皆あなた様を常に意識して、共に歩みを進めている…」
貴音「ここは、そういう場所なのですよ」
貴音「竜宮小町や律子嬢もまた、あなた様の影響なくしては成立しません…」
貴音「高木殿や小鳥嬢も同じです。どのような形であれ、皆あなた様を常に意識して、共に歩みを進めている…」
貴音「ここは、そういう場所なのですよ」
128: 2015/08/12(水) 01:44:24.90
P「な、なんかもの凄いプレッシャーなんだが…」
貴音「765ぷろのぷろでゅーさーを務め、あいどる全てと深く関わり続けられること自体が、類い希なる力を持っている何よりの証左です」
貴音「これ程の数の個性溢れるあいどる達が相手とあっては、並の者では三日ともたないでしょう…」
P「いくら何でも買いかぶりすぎじゃないか…?むしろお前達に助けられてばかりだぞ…」
貴音(ふふふ…御自分のこととなると疎いのも、あなた様の魅力ですよ…)
貴音「765ぷろのぷろでゅーさーを務め、あいどる全てと深く関わり続けられること自体が、類い希なる力を持っている何よりの証左です」
貴音「これ程の数の個性溢れるあいどる達が相手とあっては、並の者では三日ともたないでしょう…」
P「いくら何でも買いかぶりすぎじゃないか…?むしろお前達に助けられてばかりだぞ…」
貴音(ふふふ…御自分のこととなると疎いのも、あなた様の魅力ですよ…)
129: 2015/08/12(水) 01:46:42.94
P「…よしわかった!俺も男…いや、漢だ!」
P「そこまで言われたら覚悟を決めて切り札に…765プロのリーサルウェポンなってやろうじゃないか!」
P「…で、具体的に俺は何をすればいいんだ?」
貴音「何も」
P「そこまで言われたら覚悟を決めて切り札に…765プロのリーサルウェポンなってやろうじゃないか!」
P「…で、具体的に俺は何をすればいいんだ?」
貴音「何も」
130: 2015/08/12(水) 01:47:35.87
P「…へ?」
貴音「何か特別なことをする必要はありません」
貴音「事が起きたら、あなた様はいつも通り、御自分の判断で動いてください」
P「???…じゃあ結局、聞いても聞かなくても同じだったんじゃ…」
貴音「何か特別なことをする必要はありません」
貴音「事が起きたら、あなた様はいつも通り、御自分の判断で動いてください」
P「???…じゃあ結局、聞いても聞かなくても同じだったんじゃ…」
131: 2015/08/12(水) 01:52:03.90
貴音「事前の心構えがあるか否かで、結果は大きく異なるものです…」
貴音「それに…わたくしにとっては…あなた様だけが…」カタカタ…
P「貴音…?その手…もしかして震えてるのか…?き、気分が悪いとか…」
貴音「…心配には及びません…いずれ治まります…」
貴音「それに…わたくしにとっては…あなた様だけが…」カタカタ…
P「貴音…?その手…もしかして震えてるのか…?き、気分が悪いとか…」
貴音「…心配には及びません…いずれ治まります…」
132: 2015/08/12(水) 02:00:39.56
貴音「…幼い頃より、時偶ですが、不可思議なものを見聞きすることがあります…」
貴音「わたくしがお化けや妖怪といったものが苦手なのはご存知かと思いますが…」
貴音「それは偏に、そのような怪異の気配を常々感じてきたからに他なりません…」
貴音「…しかし…昨夜ほど具体的に…それもわたくし以外の者にも見える形で現れたことは初めてで…」
貴音「その力に気圧されたとでも言いましょうか…あなた様の仰ったぷれっしゃーを、わたくしも感じているのです…」
P「貴音…」
貴音「わたくしがお化けや妖怪といったものが苦手なのはご存知かと思いますが…」
貴音「それは偏に、そのような怪異の気配を常々感じてきたからに他なりません…」
貴音「…しかし…昨夜ほど具体的に…それもわたくし以外の者にも見える形で現れたことは初めてで…」
貴音「その力に気圧されたとでも言いましょうか…あなた様の仰ったぷれっしゃーを、わたくしも感じているのです…」
P「貴音…」
133: 2015/08/12(水) 02:03:05.13
貴音「その六十郎殿ですら止められない事態が…あるいは『存在』がいるのだとすれば…!」
貴音「ですからもし…わたくしがやよいを守り切れなかった時は…その時には…」
P「…任せろ貴音!」ギュッ
貴音「あ、あなた様…!?」
貴音「ですからもし…わたくしがやよいを守り切れなかった時は…その時には…」
P「…任せろ貴音!」ギュッ
貴音「あ、あなた様…!?」
134: 2015/08/12(水) 02:07:32.18
P「…やよいだけじゃない、貴音も他のみんなも、まとめて俺が守ってやる!」
P「爺さん以上の化け物が出てこようが、俺はお前達を絶対に見捨てたりなんかしない」
P「俺に特別な力があるなんて思えないが…その代わりできることなら何だってやるぞ!」
P「手が震えるなら、こうして俺が握ってやる。倒れそうになったら、その時は俺が支えてやる」
P「何て言ったって俺は、プロデューサーで、切り札だからな…!」
貴音「あなた様……!」
P「爺さん以上の化け物が出てこようが、俺はお前達を絶対に見捨てたりなんかしない」
P「俺に特別な力があるなんて思えないが…その代わりできることなら何だってやるぞ!」
P「手が震えるなら、こうして俺が握ってやる。倒れそうになったら、その時は俺が支えてやる」
P「何て言ったって俺は、プロデューサーで、切り札だからな…!」
貴音「あなた様……!」
135: 2015/08/12(水) 02:10:41.74
P(…ひぃー…わ、我ながら勢いでなんちゅうクサい台詞を…///)
小鳥「ぷ、プロデューサーさん!!たた、大変ですよー!ちょっとこれ見てくだ…」ガチャッ
小鳥「…あ…///」ピヨ…
P「…ん?音無さんどうしたんで…」
P(…っ!?しまったー!貴音の手を握りっぱなしで…よく見りゃ距離も近いぃ…!!)バッ
小鳥「ぷ、プロデューサーさん!!たた、大変ですよー!ちょっとこれ見てくだ…」ガチャッ
小鳥「…あ…///」ピヨ…
P「…ん?音無さんどうしたんで…」
P(…っ!?しまったー!貴音の手を握りっぱなしで…よく見りゃ距離も近いぃ…!!)バッ
136: 2015/08/12(水) 02:14:46.65
小鳥「ご…ごめんなさいその…急にドアを開けたりして…!///」ピヨォ…
P「いやいやいやいや、音無さん違うんですこれは…!確かに誤解を招きかねませんが…」
P「別に何か怪しい事をしていたわけではなくてですね…な!そうだよな貴音?」
小鳥「そ…そうなの貴音ちゃん?」
貴音「はい。ただ、他人には言えぬ事(相談)ですが…」
小鳥「ひ…他人には言えぬ事(×××)を…!?///」ピヨピヨピヨ!
P「いやいやいやいや、音無さん違うんですこれは…!確かに誤解を招きかねませんが…」
P「別に何か怪しい事をしていたわけではなくてですね…な!そうだよな貴音?」
小鳥「そ…そうなの貴音ちゃん?」
貴音「はい。ただ、他人には言えぬ事(相談)ですが…」
小鳥「ひ…他人には言えぬ事(×××)を…!?///」ピヨピヨピヨ!
137: 2015/08/12(水) 02:22:34.59
P「うおぉぉいッ!?変なところを端折るなッ!!」
小鳥「…所属アイドルに手を出すなんて…でも貴音ちゃんも一人の女性として選択の自由が…」ブツブツ
P「貴音、この人の勘違いをそのままにすると後々面倒なことになりそうだから、全部話してやってくれ…」
貴音「小鳥嬢、実は是々然々…」
小鳥「…所属アイドルに手を出すなんて…でも貴音ちゃんも一人の女性として選択の自由が…」ブツブツ
P「貴音、この人の勘違いをそのままにすると後々面倒なことになりそうだから、全部話してやってくれ…」
貴音「小鳥嬢、実は是々然々…」
138: 2015/08/12(水) 02:24:02.96
…10分後…
小鳥「…つまり、斯々馬々、ってこと…?」
P「信じがたいかも知れませんが、昨夜の貴音の失踪や急な帰還の事を考えると…」
小鳥「…さっきのことを誤魔化そうと、嘘ついてるわけではないですよね?」ジロリ
P「それだったらもうちょっとマシな嘘をつきますよ…」
小鳥「…つまり、斯々馬々、ってこと…?」
P「信じがたいかも知れませんが、昨夜の貴音の失踪や急な帰還の事を考えると…」
小鳥「…さっきのことを誤魔化そうと、嘘ついてるわけではないですよね?」ジロリ
P「それだったらもうちょっとマシな嘘をつきますよ…」
139: 2015/08/12(水) 02:28:01.62
小鳥「…いえ、でも信じます。だって、お爺さんの言っていたこと、現実に起きているんですから…!」
P「え?それはどういう…」
小鳥「プロデューサーさん!貴音ちゃん!これを見てください…!」
P「これって…?…なっ!?なんだこれ…!!」
P「え?それはどういう…」
小鳥「プロデューサーさん!貴音ちゃん!これを見てください…!」
P「これって…?…なっ!?なんだこれ…!!」
144: 2015/08/14(金) 16:45:51.55
小鳥「出社前に友達から電話が来たんです。『アンタのとこのアイドルがネットで大炎上してる』って…」
小鳥「それでネットを見てみたら…」
P「これは…やよいが言ってた『イニシエーション』の動画か…」
小鳥「動画のURLがあちこちに貼られていて、その宗教団体の詳細と一緒に拡散されているんです…」
小鳥「某掲示板は言うまでもなく、Twitter、Facebook、それに詳しくは分かりませんけどLINE上でも広まってるらしくて…」
小鳥「それでネットを見てみたら…」
P「これは…やよいが言ってた『イニシエーション』の動画か…」
小鳥「動画のURLがあちこちに貼られていて、その宗教団体の詳細と一緒に拡散されているんです…」
小鳥「某掲示板は言うまでもなく、Twitter、Facebook、それに詳しくは分かりませんけどLINE上でも広まってるらしくて…」
145: 2015/08/14(金) 16:47:38.73
小鳥「動画もYoutubeだけじゃなく、ニコニコ動画とかVineにまで…」
小鳥「この分だと、大手まとめサイトからJ-C●ST経由で、Yahooニュースのトップを飾るのも時間の問題じゃないかと…」
P「LHS…ラダークハピネスソサエティ…こいつらが…」
貴音「あなた様…一体何が起きているのですか…?わたくしには皆目見当が付きません…」
P「…貴音…俺も上手くは説明できないが…こいつは想像以上に厄介なことになりそうだ…」
小鳥「この分だと、大手まとめサイトからJ-C●ST経由で、Yahooニュースのトップを飾るのも時間の問題じゃないかと…」
P「LHS…ラダークハピネスソサエティ…こいつらが…」
貴音「あなた様…一体何が起きているのですか…?わたくしには皆目見当が付きません…」
P「…貴音…俺も上手くは説明できないが…こいつは想像以上に厄介なことになりそうだ…」
146: 2015/08/14(金) 16:50:03.85
ネェネェ ミタ? アノ ドウガ?
ミタミタ! タカツキ ヤヨイ デショ?
メッチャ リツイート サレテタネ
ラインデモ マワッテ キタヨ
ザワ…ザワ…
オレ ヤヨイチャンノ ファンダッタノニ
ヤヨイチャン カワイイケド サスガニ チョット
ゼッタイ コノオッサント デキテルナ
リカチャンカ ミリアチャンニ クラガエ スルカ
ザワ…ザワ…
147: 2015/08/14(金) 16:57:16.63
【炎上】人気アイドル神頼み?"新興宗教儀式動画"流出問題 所属事務所が釈明コメント
アイドルの高槻やよい(765プロ)と言えば、動物映画として近年稀にみる興収を記録した
「カルガモ親子大行進!」での好演が記憶に新しいが、そんな彼女の活躍に水をさしかね
ない、思わぬ騒動が持ち上がっている。
■"火点"は動画流出
きっかけは、とある新興宗教団体施設を撮影したとされる、2分程度の短い動画だ。
教祖の男性に「入信儀式」を施される信者の中に、高槻と見られる少女が映っていたため、
動画がYoutubeにアップされた今月8日夜ごろから、Twitterを中心にその真偽について様々
な意見が飛び交った。
翌日未明、教団のオフィシャルブログに動画の人物が高槻やよい本人であることを仄めかす
記事が掲載されると、各SNSはこの問題に関するコメントで溢れかえった。
■教団に関する黒い噂
ネット上では、この教団の米国支部関係者が禁止銃火器類の不法所持でATF(アルコール・タ
バコ・火器及び爆発物取締局)に摘発され、国内においても警視庁公安部の厳重監視対象に
なっているとの噂が流れたため、"現役アイドルが武装カルト教団に入信した"との見方が強
まり、これまでの健全なイメージとのギャップから批判の声が上がる一方、騒動が拡散して
からは擁護の声も高まっている。
動画のコメント欄には「日本では信教の自由が認められている」といった真面目な擁護から
「元々天使なのだから崇拝は当然」「僕も入信しちゃいそうです!」といった、ファンによ
るものと見られる軽いノリの書き込みまでさまざま。
批判の内容も多種多様で「好きだったのにガッカリ…」「やよいちゃんのファン止めます」
という失望の声、「やよいちゃんの番組が好きな三歳の娘が心配」と子供への悪影響を危惧
する声の他、「□□も△△教の熱心な信者。芸能界にはそんなの大勢いるでしょ」「ドルオ
タ自体宗教信者みたいなもんやし」「武装カルトアイドル路線とは斬新ですね」など、今さ
らといった声や皮肉めいたコメントも数多く見受けられる。
■所属事務所は関係を否定も、残る疑問
この騒動を受け、765プロダクションは公式サイトのトップにファン向けの短いメッセージと
共に、高槻の教団入信を否定する内容のニュースリリースを掲載。
マスコミ各社にも同内容のFAXを送るなど、対応に追われている。
記者も電話取材を試みたが「担当者が不在」として断られた。
同社のニュースリリースも動画の人物が高槻本人であることを否定してはおらず、なぜ彼女が
そのような場所に居たのかなど、事実関係は依然として不明のままだ。
ネット上では、765プロダクションが入居するビルと教団本部の位置が近いことなどから、同社
自体がこの教団と深い関係にあるのではないかとの憶測が広まっている。
もう一方の当事者である教団側にもメールで取材を申し込んだが、「お伝えすべき事がある場合
はこちらから発表します」と、素っ気ない返事が返ってきた。
年々競争が激しさを増し、昨今ますます過激化の一途を辿るアイドル業界だが、その中にあって、
765プロ所属のアイドル達はファン以外の視聴層にも「お茶の間で安心して観ていられる」との
好評価を得ていただけに、今回の炎上騒動は彼女達の芸能活動にも大きく影響しそうだ。
アイドルの高槻やよい(765プロ)と言えば、動物映画として近年稀にみる興収を記録した
「カルガモ親子大行進!」での好演が記憶に新しいが、そんな彼女の活躍に水をさしかね
ない、思わぬ騒動が持ち上がっている。
■"火点"は動画流出
きっかけは、とある新興宗教団体施設を撮影したとされる、2分程度の短い動画だ。
教祖の男性に「入信儀式」を施される信者の中に、高槻と見られる少女が映っていたため、
動画がYoutubeにアップされた今月8日夜ごろから、Twitterを中心にその真偽について様々
な意見が飛び交った。
翌日未明、教団のオフィシャルブログに動画の人物が高槻やよい本人であることを仄めかす
記事が掲載されると、各SNSはこの問題に関するコメントで溢れかえった。
■教団に関する黒い噂
ネット上では、この教団の米国支部関係者が禁止銃火器類の不法所持でATF(アルコール・タ
バコ・火器及び爆発物取締局)に摘発され、国内においても警視庁公安部の厳重監視対象に
なっているとの噂が流れたため、"現役アイドルが武装カルト教団に入信した"との見方が強
まり、これまでの健全なイメージとのギャップから批判の声が上がる一方、騒動が拡散して
からは擁護の声も高まっている。
動画のコメント欄には「日本では信教の自由が認められている」といった真面目な擁護から
「元々天使なのだから崇拝は当然」「僕も入信しちゃいそうです!」といった、ファンによ
るものと見られる軽いノリの書き込みまでさまざま。
批判の内容も多種多様で「好きだったのにガッカリ…」「やよいちゃんのファン止めます」
という失望の声、「やよいちゃんの番組が好きな三歳の娘が心配」と子供への悪影響を危惧
する声の他、「□□も△△教の熱心な信者。芸能界にはそんなの大勢いるでしょ」「ドルオ
タ自体宗教信者みたいなもんやし」「武装カルトアイドル路線とは斬新ですね」など、今さ
らといった声や皮肉めいたコメントも数多く見受けられる。
■所属事務所は関係を否定も、残る疑問
この騒動を受け、765プロダクションは公式サイトのトップにファン向けの短いメッセージと
共に、高槻の教団入信を否定する内容のニュースリリースを掲載。
マスコミ各社にも同内容のFAXを送るなど、対応に追われている。
記者も電話取材を試みたが「担当者が不在」として断られた。
同社のニュースリリースも動画の人物が高槻本人であることを否定してはおらず、なぜ彼女が
そのような場所に居たのかなど、事実関係は依然として不明のままだ。
ネット上では、765プロダクションが入居するビルと教団本部の位置が近いことなどから、同社
自体がこの教団と深い関係にあるのではないかとの憶測が広まっている。
もう一方の当事者である教団側にもメールで取材を申し込んだが、「お伝えすべき事がある場合
はこちらから発表します」と、素っ気ない返事が返ってきた。
年々競争が激しさを増し、昨今ますます過激化の一途を辿るアイドル業界だが、その中にあって、
765プロ所属のアイドル達はファン以外の視聴層にも「お茶の間で安心して観ていられる」との
好評価を得ていただけに、今回の炎上騒動は彼女達の芸能活動にも大きく影響しそうだ。
148: 2015/08/14(金) 17:02:43.57
炎上騒動発生から4日後 765プロ事務所
P「はい…そうですか…いえ、なにぶん状況が状況ですので…」
P「とんでもございません…こちらこそご迷惑をおかけして申し訳ありません…」
P「はい…ではまたの機会に…よろしくお願いします…はい…では失礼いたします…」ガチャ
P「…これで…連絡すべきところには全てした…な…」
律子「やっぱり…駄目でしたか…」
P「はい…そうですか…いえ、なにぶん状況が状況ですので…」
P「とんでもございません…こちらこそご迷惑をおかけして申し訳ありません…」
P「はい…ではまたの機会に…よろしくお願いします…はい…では失礼いたします…」ガチャ
P「…これで…連絡すべきところには全てした…な…」
律子「やっぱり…駄目でしたか…」
149: 2015/08/14(金) 17:07:01.87
P「ああ…制作の方は、現場スタッフさん達が粘ってくれたそうなんだが…」
P「どうも放送局のお偉いさんからストップが掛かったらしくてな…」
P「上は局側と揉めたくないから、掛け合ってもくれないそうだ…」
P「先方のチーフDが「俺達はやよいちゃんを信じているよ」って言ってくれるだけ、他のとこより救いがある
けどな…」フラッ…
小鳥「あ、危ないですよプロデューサーさん…!」ガシッ
P「どうも放送局のお偉いさんからストップが掛かったらしくてな…」
P「上は局側と揉めたくないから、掛け合ってもくれないそうだ…」
P「先方のチーフDが「俺達はやよいちゃんを信じているよ」って言ってくれるだけ、他のとこより救いがある
けどな…」フラッ…
小鳥「あ、危ないですよプロデューサーさん…!」ガシッ
150: 2015/08/14(金) 17:09:05.65
P「す、すいません音無さん…ついボーッとして…」
小鳥「この4日間、ほとんど寝ないで対応してたら無理もありませんよ…」
P「そう言う音無さんも、昨日出勤してから一睡もしてないじゃないですか…」
小鳥「ご心配なく、私は一昨日は家に帰りましたから…!」
律子「…小鳥さん、それかなりブラック事務所的発言ですよ…」
小鳥「この4日間、ほとんど寝ないで対応してたら無理もありませんよ…」
P「そう言う音無さんも、昨日出勤してから一睡もしてないじゃないですか…」
小鳥「ご心配なく、私は一昨日は家に帰りましたから…!」
律子「…小鳥さん、それかなりブラック事務所的発言ですよ…」
151: 2015/08/14(金) 17:11:30.09
P「ブラックと言えば…律子、その後社長から連絡は?」
律子「ええ…1時間ほど前に一度だけ。ただ状況は相変わらずみたいで…」
律子「全便欠航で再開の見通しも立たず、ヒースロー空港に足止めされたままだそうです」
小鳥「火山噴火の影響で空路閉鎖…何年か前にも同じようなことありましたよね…」
律子「今ならフランスまで行けばなんとかなるそうなんですが…鉄道や海路にも人が殺到していてとても辿り着けそうにないと…」
律子「そのフランスも、日本時間の今日の午後には空路が閉鎖されるらしいです」
律子「ええ…1時間ほど前に一度だけ。ただ状況は相変わらずみたいで…」
律子「全便欠航で再開の見通しも立たず、ヒースロー空港に足止めされたままだそうです」
小鳥「火山噴火の影響で空路閉鎖…何年か前にも同じようなことありましたよね…」
律子「今ならフランスまで行けばなんとかなるそうなんですが…鉄道や海路にも人が殺到していてとても辿り着けそうにないと…」
律子「そのフランスも、日本時間の今日の午後には空路が閉鎖されるらしいです」
153: 2015/08/14(金) 17:13:39.58
P「…これで社長の帰還は絶望的だな…」
P「まったくなんちゅうタイミングで英国旅行に…」
律子「BBCのドキュメンタリー取材も兼ねて、半年前から決まっていたスケジュールですから、しょうがないですよ…」
P「だが…偶然にしちゃいくら何でも悪い状況が重なり過ぎていないか…?」
律子「……またあの話ですか?」
P「まったくなんちゅうタイミングで英国旅行に…」
律子「BBCのドキュメンタリー取材も兼ねて、半年前から決まっていたスケジュールですから、しょうがないですよ…」
P「だが…偶然にしちゃいくら何でも悪い状況が重なり過ぎていないか…?」
律子「……またあの話ですか?」
154: 2015/08/14(金) 17:17:36.81
P「…なんだ律子、お前まだ信じてないのか?」
律子「ハァー……いいですか?貴音が不思議な事に巻き込まれたって話は信じますよ?」
律子「でも、どこの誰だか分からない怪しげな老人が話したことまでは…」
律子「大体、私は会ってもいないんですから、その『仙人様』とやらには…」
P「ああ…あの日は竜宮小町の札幌ライブ会場予定地の下見でいなかったんだっけな…」
律子「そのライブも、どうなるか怪しいんですけどね…」ハァ…
律子「ハァー……いいですか?貴音が不思議な事に巻き込まれたって話は信じますよ?」
律子「でも、どこの誰だか分からない怪しげな老人が話したことまでは…」
律子「大体、私は会ってもいないんですから、その『仙人様』とやらには…」
P「ああ…あの日は竜宮小町の札幌ライブ会場予定地の下見でいなかったんだっけな…」
律子「そのライブも、どうなるか怪しいんですけどね…」ハァ…
155: 2015/08/14(金) 17:19:55.09
P「…どこもかしこも、うちに所属しているアイドルってだけで仕事はキャンセルだもんな…」
小鳥「芸能人のネット炎上なんて日常茶飯事だと思ってたんですが、今回に限ってなんでここまで過剰反応に…」
P「やっぱり貴音が言っていたように、妖異の存在が…」
律子「ハイハイ、バカなこと言ってないで、プロデューサーは一回しっかり寝てください!」
P「ぐぬぬ…だが確かにもう限界かも…」
小鳥「芸能人のネット炎上なんて日常茶飯事だと思ってたんですが、今回に限ってなんでここまで過剰反応に…」
P「やっぱり貴音が言っていたように、妖異の存在が…」
律子「ハイハイ、バカなこと言ってないで、プロデューサーは一回しっかり寝てください!」
P「ぐぬぬ…だが確かにもう限界かも…」
156: 2015/08/14(金) 17:20:59.52
律子「外は報道陣が待ち構えているので、ソファーで寝てもらうしかありませんが…」
P「連中もよくまぁ粘るなぁ…あんなところで待機されてたら、たるき亭もえらい迷惑だろうに…」
小鳥「それが…今朝お弁当届けてもらった時に小川さんに聞いたんですけどね…」
小鳥「一般のお客さんが店に入れないのを逆手に取って、マスコミ関係者向けにお弁当作ったら大好評だそうで、いつもの三倍の売り上げだとか…」
小鳥「敵に塩を送るようなまねをして申し訳ないからって、店長さんの計らいで私達の朝昼晩のお弁当代はタダにしてくれました…」
P「…あの店長、商魂たくましいなぁ…」
P「連中もよくまぁ粘るなぁ…あんなところで待機されてたら、たるき亭もえらい迷惑だろうに…」
小鳥「それが…今朝お弁当届けてもらった時に小川さんに聞いたんですけどね…」
小鳥「一般のお客さんが店に入れないのを逆手に取って、マスコミ関係者向けにお弁当作ったら大好評だそうで、いつもの三倍の売り上げだとか…」
小鳥「敵に塩を送るようなまねをして申し訳ないからって、店長さんの計らいで私達の朝昼晩のお弁当代はタダにしてくれました…」
P「…あの店長、商魂たくましいなぁ…」
157: 2015/08/14(金) 17:22:29.87
P「…じゃあ律子、俺は一旦寝るけど、何かあったらすぐ起こしてくれ…」
P「取引先からの電話があった場合は特にな…」
律子「わかりました。小鳥さんにも一度仮眠を取ってもらうようにします」
P「ああ…そうしてくれ…まだまだ先は長そうだから…な…」ボフッ
P「グゥ…」
---------
-----
--
-
「火事だーっ!!」
P「取引先からの電話があった場合は特にな…」
律子「わかりました。小鳥さんにも一度仮眠を取ってもらうようにします」
P「ああ…そうしてくれ…まだまだ先は長そうだから…な…」ボフッ
P「グゥ…」
---------
-----
--
-
「火事だーっ!!」
158: 2015/08/14(金) 17:23:46.08
P「へっ!へぁッ!?」ガバッ
P「かっ火事!?ひゃ…110番!いや118番!!」アタフタ
律子「…海上保安庁に電話してどうするんですか…」
P「り…律子!か…火事は…!?消火器!いや待て、それより早く避難しなきゃ…」アタフタ
律子「…嘘です」
P「かっ火事!?ひゃ…110番!いや118番!!」アタフタ
律子「…海上保安庁に電話してどうするんですか…」
P「り…律子!か…火事は…!?消火器!いや待て、それより早く避難しなきゃ…」アタフタ
律子「…嘘です」
159: 2015/08/14(金) 17:25:53.28
P「うっ…嘘ぉ…?」
律子「呼びかけても揺すってもピクリとも起きないので、非常手段を使いました」
P「…あ、あのなぁ…!メチャクチャ焦ったじゃないか…!」
律子「目が覚めたようで何よりです。それよりも…プロデューサーにお客様が…」
P「まったく最悪の目覚ましで…え?客…?」
律子「呼びかけても揺すってもピクリとも起きないので、非常手段を使いました」
P「…あ、あのなぁ…!メチャクチャ焦ったじゃないか…!」
律子「目が覚めたようで何よりです。それよりも…プロデューサーにお客様が…」
P「まったく最悪の目覚ましで…え?客…?」
160: 2015/08/14(金) 17:26:35.79
男「…気持ちよくお休みのところすいませんねぇ…」ヌゥッ
男「あなたがここの責任者の方で…?」バリトン
P(…デカっ…!?声低っ!!)
P「は、はぁ…現状ではそういうことになりますが…」
P「あのー…一体どちらの…」
男「あなたがここの責任者の方で…?」バリトン
P(…デカっ…!?声低っ!!)
P「は、はぁ…現状ではそういうことになりますが…」
P「あのー…一体どちらの…」
161: 2015/08/14(金) 17:27:29.89
男「…これは失礼、あなたには自己紹介がまだでしたな」スッ…
男「警視庁公安部の権藤と言う者です」
P「…こ、公安部…?警察の方ですか…?」
権藤「ええ、ですがご安心を」
権藤「Pさんを始め、皆さん方の身の潔白はこちらで確認済みですので…」
男「警視庁公安部の権藤と言う者です」
P「…こ、公安部…?警察の方ですか…?」
権藤「ええ、ですがご安心を」
権藤「Pさんを始め、皆さん方の身の潔白はこちらで確認済みですので…」
162: 2015/08/14(金) 17:28:23.14
P「な、なんで俺の名前を…」
権藤「言った通りです。『確認済み』なんですよ…全部ね…」ニヤリ
P(あわわ…)
権藤「…ハハハ、そんなに警戒しないでください」
権藤「名前を調べることくらい、今や中学生でも簡単にできますよ」
P「は、はぁ…」
権藤「言った通りです。『確認済み』なんですよ…全部ね…」ニヤリ
P(あわわ…)
権藤「…ハハハ、そんなに警戒しないでください」
権藤「名前を調べることくらい、今や中学生でも簡単にできますよ」
P「は、はぁ…」
163: 2015/08/14(金) 17:29:39.85
権藤「商売柄、公安部員というのはあまり一般の方とお話しする機会がないもんなんですがね…」
権藤「私の場合、この図体と声でしょう?とにかくどこに行っても目立ってしまうんですよこれが…」
権藤「当然、機密を旨とする公安の捜査には加われない…」
権藤「なもんで、こうして一般の方との連絡が必要になった際の、言わば『渉外担当』みたいなことをしています」
権藤「同期の中では落ちこぼれ、公安部の窓際族ですよ。ハハハ…」
権藤「私の場合、この図体と声でしょう?とにかくどこに行っても目立ってしまうんですよこれが…」
権藤「当然、機密を旨とする公安の捜査には加われない…」
権藤「なもんで、こうして一般の方との連絡が必要になった際の、言わば『渉外担当』みたいなことをしています」
権藤「同期の中では落ちこぼれ、公安部の窓際族ですよ。ハハハ…」
164: 2015/08/14(金) 17:31:14.59
P「そ、そうですか…それであの…ご用件は…」
権藤「もうおわかりかと思いますが、例の教団の件です」
P「や、やっぱりそうですよね…」
P「じゃあ、あのネット上の噂も…」
権藤「あれですか…まぁ当たらずと雖も遠からず、といったところですかな…」
権藤「もうおわかりかと思いますが、例の教団の件です」
P「や、やっぱりそうですよね…」
P「じゃあ、あのネット上の噂も…」
権藤「あれですか…まぁ当たらずと雖も遠からず、といったところですかな…」
165: 2015/08/14(金) 17:33:32.69
権藤「確かに、LHSは我々警視庁公安部の監視対象組織です」
権藤「…ですが、米国の件は現地信者の一人が違法改造を施したライフル二丁を所持していたという程度のものです」
権藤「これだけでは、教団の計画的犯行とは呼べません…」
権藤「それに、やよいさんやこの事務所が、教団と深いつながりを持っているなどというのも単なるデマだ」
権藤「それはあなた方自身、ご存知のはずです」
権藤「…ですが、米国の件は現地信者の一人が違法改造を施したライフル二丁を所持していたという程度のものです」
権藤「これだけでは、教団の計画的犯行とは呼べません…」
権藤「それに、やよいさんやこの事務所が、教団と深いつながりを持っているなどというのも単なるデマだ」
権藤「それはあなた方自身、ご存知のはずです」
166: 2015/08/14(金) 17:34:34.41
P「し、信じて頂けるんですか…!?」
権藤「勿論。我々には確証がある」
律子「じゃあ、やよいや私達の身の潔白も…」
権藤「公安部として責任を持って、世間に公表する用意があります」
P「ほ、本当ですか!よ…良かった…!」
権藤「…ただし、こちらの要望にお応え頂けた場合、という条件付きですがね…」
権藤「勿論。我々には確証がある」
律子「じゃあ、やよいや私達の身の潔白も…」
権藤「公安部として責任を持って、世間に公表する用意があります」
P「ほ、本当ですか!よ…良かった…!」
権藤「…ただし、こちらの要望にお応え頂けた場合、という条件付きですがね…」
167: 2015/08/14(金) 17:35:37.38
P「要望…ですか?」
権藤「回りくどいのは苦手なので単刀直入に…やよいさんを教団内部に引き入れてください」
P「なっ…!?それってつまり…」
律子「やよいを囮に使う…って事ですよね…!」キッ
権藤「そう解釈して頂いても構いませんよ」
権藤「回りくどいのは苦手なので単刀直入に…やよいさんを教団内部に引き入れてください」
P「なっ…!?それってつまり…」
律子「やよいを囮に使う…って事ですよね…!」キッ
権藤「そう解釈して頂いても構いませんよ」
168: 2015/08/14(金) 17:36:28.79
P「ではお断りします…!やよいをこれ以上危険な目に遭わせるわけにはいきません!」
権藤「危険な目にですか…今はまだ可愛いもんです」
権藤「このまま事態が進行すれば、この事務所自体消えてなくなりますよ」
律子「そんな…!」
P「…そんなデタラメには…!」
権藤「危険な目にですか…今はまだ可愛いもんです」
権藤「このまま事態が進行すれば、この事務所自体消えてなくなりますよ」
律子「そんな…!」
P「…そんなデタラメには…!」
169: 2015/08/14(金) 17:37:08.10
権藤「デタラメなもんですか。現にこの件は通常の『ネット炎上』の域を超えている」
権藤「Pさん…おかしいと思いませんか…?アイドル1人の新興宗教入信疑惑で事務所ごと干されるなんて普通じゃあない」
P「何であんた…そ、そんなことまで…」
権藤「そういう情報はすぐ耳に入るんですよ…商売柄ね…」
権藤「Pさん…おかしいと思いませんか…?アイドル1人の新興宗教入信疑惑で事務所ごと干されるなんて普通じゃあない」
P「何であんた…そ、そんなことまで…」
権藤「そういう情報はすぐ耳に入るんですよ…商売柄ね…」
170: 2015/08/14(金) 17:40:16.85
権藤「で、話の続きですが…新興宗教団体やその信者と関わりのある芸能事務所なんてもんは、大手も含めて腐るほどありますよ」
権藤「あなたも業界の人間だ。そういう話は一度や二度ならず聞いたことがあるでしょう」
P「それはまぁ…そうですが…」
権藤「こちらの調べでは、情報の拡散は若い教団信者達の仕業と判明していますが…」
権藤「さらにこれを理由に『方向付け』をしている連中が、メディアの上層部にいるんですよ…」
権藤「あなたも業界の人間だ。そういう話は一度や二度ならず聞いたことがあるでしょう」
P「それはまぁ…そうですが…」
権藤「こちらの調べでは、情報の拡散は若い教団信者達の仕業と判明していますが…」
権藤「さらにこれを理由に『方向付け』をしている連中が、メディアの上層部にいるんですよ…」
171: 2015/08/14(金) 17:42:02.05
P「…!?じゃあ仕事の相次ぐキャンセルは…」
権藤「その連中の意向ですよ。いくら宗教絡みの炎上騒ぎでも、他のアイドルの出演番組まで軒並み放送中止になるなんてあり得ませんよ…」
律子「プロデューサー…お昼の電話のあれも…」
P「『放送局のお偉いさんからストップが掛かった』…!つまりそういう…」
権藤「…分かって頂けましたかね?事態はあなた方が考えているよりも、ずっと深刻だということが…」
権藤「その連中の意向ですよ。いくら宗教絡みの炎上騒ぎでも、他のアイドルの出演番組まで軒並み放送中止になるなんてあり得ませんよ…」
律子「プロデューサー…お昼の電話のあれも…」
P「『放送局のお偉いさんからストップが掛かった』…!つまりそういう…」
権藤「…分かって頂けましたかね?事態はあなた方が考えているよりも、ずっと深刻だということが…」
172: 2015/08/14(金) 17:43:42.72
P「…何故なんでしょうか…」
権藤「うん?」
P「なんでやよいがここまで狙われるんですか…彼女が一体何を…」
権藤「……」
権藤「…初めはね、連中もここまでするつもりはなかったんですよ…恐らくね…」
P「…?」
権藤「うん?」
P「なんでやよいがここまで狙われるんですか…彼女が一体何を…」
権藤「……」
権藤「…初めはね、連中もここまでするつもりはなかったんですよ…恐らくね…」
P「…?」
173: 2015/08/14(金) 17:46:14.88
権藤「教団内で『カルプレッタ』と呼ばれている女がいるんですが…」
権藤「こいつが教団代表の側近で、運用資金全体の管理を任されているんですよ」
権藤「自身も霊感商法を使った詐欺を働いて集金しているようなケチな女でしてね…」
権藤「他の幹部と異なり外に出歩く機会が多いもんですから、尻尾を出さないかとうちの人間がずっとマークしていたんですよ…」
権藤「…で、そこに現れたのがやよいさんだったんです」
P「!?」
権藤「こいつが教団代表の側近で、運用資金全体の管理を任されているんですよ」
権藤「自身も霊感商法を使った詐欺を働いて集金しているようなケチな女でしてね…」
権藤「他の幹部と異なり外に出歩く機会が多いもんですから、尻尾を出さないかとうちの人間がずっとマークしていたんですよ…」
権藤「…で、そこに現れたのがやよいさんだったんです」
P「!?」
174: 2015/08/14(金) 17:48:01.91
権藤「最初はね、やり口からしていつものケチな詐欺の延長かとも思ったんです…」
権藤「教団内の最高位を与えるというのは新しかったが…それ以外はカルプレッタのいつものやり方の枠内だった」
権藤「…それがどうも最初の『儀式』の後に方針を大きく変えたようで、今や教団を総動員してやよいさんを手に入れようとしている…」
権藤「これまで慎重に事を運んでいたあの女が、やっと見せた『尻尾』というわけです」
権藤「公安部としては、これをなんとか教団の実態解明にまで繋げたい…。そのためにはやよいさんの協力が不可欠なんです」
権藤「教団内の最高位を与えるというのは新しかったが…それ以外はカルプレッタのいつものやり方の枠内だった」
権藤「…それがどうも最初の『儀式』の後に方針を大きく変えたようで、今や教団を総動員してやよいさんを手に入れようとしている…」
権藤「これまで慎重に事を運んでいたあの女が、やっと見せた『尻尾』というわけです」
権藤「公安部としては、これをなんとか教団の実態解明にまで繋げたい…。そのためにはやよいさんの協力が不可欠なんです」
175: 2015/08/14(金) 17:49:51.90
P「それじゃああんたら…やよいが連れて行かれるのをわざと見過ごして…!」
律子「ひ、ひどい…」
権藤「視察対象の目の前に堂々と出て行くわけにもいかんでしょう。当然、やよいさんの安全確保には最大限努めたつもりです」
権藤「それに、我々が見ていたからこそ、やよいさんの身の潔白を証明できるんですよ…」
P「その条件がやよいを囮にしろだなんて…あんたら最初からやよいを利用しているじゃないか…!公平な条件と言えるのか…!?」
権藤「……」
律子「ひ、ひどい…」
権藤「視察対象の目の前に堂々と出て行くわけにもいかんでしょう。当然、やよいさんの安全確保には最大限努めたつもりです」
権藤「それに、我々が見ていたからこそ、やよいさんの身の潔白を証明できるんですよ…」
P「その条件がやよいを囮にしろだなんて…あんたら最初からやよいを利用しているじゃないか…!公平な条件と言えるのか…!?」
権藤「……」
176: 2015/08/14(金) 17:52:41.34
権藤「なるほど…もっともな話に聞こえる…」
権藤「えーと…そちらのお嬢さん…律子さん、でしたね?」
律子「はい…そうですけど…」
権藤「Pさんと2人でお話しすることがあるので、少しの間だけ席を外してもらえますか…?」
律子「…!ぷ…プロデューサー…」
権藤「えーと…そちらのお嬢さん…律子さん、でしたね?」
律子「はい…そうですけど…」
権藤「Pさんと2人でお話しすることがあるので、少しの間だけ席を外してもらえますか…?」
律子「…!ぷ…プロデューサー…」
177: 2015/08/14(金) 17:53:28.12
P「大丈夫だ、律子はここにいてくれ…」
律子「わ、わかりました…」
P「…権藤さん、今は社長室が空いています。そこで話しましょう…」
権藤「…いいでしょう」
律子「わ、わかりました…」
P「…権藤さん、今は社長室が空いています。そこで話しましょう…」
権藤「…いいでしょう」
178: 2015/08/14(金) 17:54:55.08
---ガチャリ---
権藤「…さてPさん。『公平な条件』なのかと…そう仰いましたね…」
P「ああ…」
権藤「では一つ、良いことを教えてあげましょう…」
権藤「先程、私は同期の中では落ちこぼれだと言いましたが…」
権藤「そんな私にも気の良い連中でしてね、出世を鼻にかけもせず、今でもよく連絡をくれるんですよ…」
権藤「…さてPさん。『公平な条件』なのかと…そう仰いましたね…」
P「ああ…」
権藤「では一つ、良いことを教えてあげましょう…」
権藤「先程、私は同期の中では落ちこぼれだと言いましたが…」
権藤「そんな私にも気の良い連中でしてね、出世を鼻にかけもせず、今でもよく連絡をくれるんですよ…」
179: 2015/08/14(金) 17:56:00.23
P「一体何の話を…」
権藤「まぁお聞きなさい。…それでですね、その中の1人が警視庁組織犯罪対策部でそれなりのポストに就いてまして…」
権藤「この部門の暴力団関係…まぁ平たく言えばヤクザですが…その辺の情報も耳に入ってくるんですよ」
権藤「例えば、ここ最近の萩原組の動きとか…」
P「!?」
権藤「まぁお聞きなさい。…それでですね、その中の1人が警視庁組織犯罪対策部でそれなりのポストに就いてまして…」
権藤「この部門の暴力団関係…まぁ平たく言えばヤクザですが…その辺の情報も耳に入ってくるんですよ」
権藤「例えば、ここ最近の萩原組の動きとか…」
P「!?」
180: 2015/08/14(金) 17:57:38.70
権藤「…随分とLHSの情報収集に熱心なようで…」
権藤「だけど『枝』の連中まで動員したのはいけません。簡単にうちの網にも引っかかりましたよ」
権藤「これがまた血の気の多い連中でしてね…直接信者に手を出しかねませんよ…」
P「手を出すって…なんでそんなことに…!」
権藤「さぁ…内部の細々とした指示までは知る由もありません…」
権藤「だけど『枝』の連中まで動員したのはいけません。簡単にうちの網にも引っかかりましたよ」
権藤「これがまた血の気の多い連中でしてね…直接信者に手を出しかねませんよ…」
P「手を出すって…なんでそんなことに…!」
権藤「さぁ…内部の細々とした指示までは知る由もありません…」
181: 2015/08/14(金) 17:59:08.50
権藤「暴対法の改正以来、警察はこういう手合いには厳しく対処してましてね…」
権藤「このままいけば、萩原組にも何らかの対応をせざるを得んでしょうな…」
権藤「あそこはこの時世には珍しく昔気質な組で、組長さんも道理を弁えた、人間のできた方だ…」
権藤「そのおかげでこれまで目立つこともなかったが、一旦警察の手入れがあれば、色々嗅ぎ回る連中の良い餌食だ…」
権藤「そうなれば、雪歩さんの素性も…」
権藤「このままいけば、萩原組にも何らかの対応をせざるを得んでしょうな…」
権藤「あそこはこの時世には珍しく昔気質な組で、組長さんも道理を弁えた、人間のできた方だ…」
権藤「そのおかげでこれまで目立つこともなかったが、一旦警察の手入れがあれば、色々嗅ぎ回る連中の良い餌食だ…」
権藤「そうなれば、雪歩さんの素性も…」
182: 2015/08/14(金) 18:04:01.33
P「仮に…俺自身が組に乗り込んで説得したとしても…まだ他にも隠し球があるんだろ…?」
権藤「…これ以上はあなたも聞かん方がいいでしょうな。世の中知らない方が良いことってのは、実に多いもんだ…」
権藤「特に水瀬グループに関してはね…そういうネタには事欠かない…」
P「…あんたの要求を呑めば、そういう事柄を全部処理できると…確約できるのか…?」
権藤「水面下で、物音一つなく、跡形も残さずにね…」
権藤「…これ以上はあなたも聞かん方がいいでしょうな。世の中知らない方が良いことってのは、実に多いもんだ…」
権藤「特に水瀬グループに関してはね…そういうネタには事欠かない…」
P「…あんたの要求を呑めば、そういう事柄を全部処理できると…確約できるのか…?」
権藤「水面下で、物音一つなく、跡形も残さずにね…」
183: 2015/08/14(金) 18:06:41.72
>>182は間違い。次から仕切り直し。
184: 2015/08/14(金) 18:08:35.51
>>181の続き↓
P「なんでそんな話を…」
権藤「あなたが言ったんですよ、『公平な条件か』とね…」
権藤「あなた方が協力してくれれば、組対が動く前にこちらで丸く収めてみせますよ」
権藤「なぁに、今じゃ公安部の窓際族ですが、この図体のおかげで昔はマル暴にいたこともありましてね…」
権藤「萩原組の組長さんとも知らない仲じゃあないんですよ…」
P「なんでそんな話を…」
権藤「あなたが言ったんですよ、『公平な条件か』とね…」
権藤「あなた方が協力してくれれば、組対が動く前にこちらで丸く収めてみせますよ」
権藤「なぁに、今じゃ公安部の窓際族ですが、この図体のおかげで昔はマル暴にいたこともありましてね…」
権藤「萩原組の組長さんとも知らない仲じゃあないんですよ…」
185: 2015/08/14(金) 18:09:21.79
P「仮に…俺自身が組に乗り込んで説得したとしても…まだ他にも何か隠し球があるんだろ…?」
権藤「…これ以上はあなたも聞かん方がいいでしょうな。世の中知らない方が良いことってのは、実に多いもんだ…」
権藤「特に水瀬グループに関してはね…そういうネタには事欠かない…」
P「…あんたの要求を呑めば、そういう事柄を全部処理できると…確約できるのか…?」
権藤「水面下で、物音一つなく、跡形も残さずにね…」
権藤「…これ以上はあなたも聞かん方がいいでしょうな。世の中知らない方が良いことってのは、実に多いもんだ…」
権藤「特に水瀬グループに関してはね…そういうネタには事欠かない…」
P「…あんたの要求を呑めば、そういう事柄を全部処理できると…確約できるのか…?」
権藤「水面下で、物音一つなく、跡形も残さずにね…」
186: 2015/08/14(金) 18:13:06.03
P「だが…やよいの居場所を今すぐ教えるわけには…相談して結論を出してからじゃないと…」
権藤「そんな余裕があったら直接出向きはしませんよ。あなたが、今この場で決めてください」
権藤「それに、やよいさんがご家族と一緒に水瀬家の屋敷に匿われているのは把握していますよ…」
P「…あんた何でも知ってんのかよ…!」
権藤「人の耳目があるところなら、大抵はね…」
権藤「そんな余裕があったら直接出向きはしませんよ。あなたが、今この場で決めてください」
権藤「それに、やよいさんがご家族と一緒に水瀬家の屋敷に匿われているのは把握していますよ…」
P「…あんた何でも知ってんのかよ…!」
権藤「人の耳目があるところなら、大抵はね…」
187: 2015/08/14(金) 18:14:20.87
P「………わかった、協力するよ…」
P「但し…!やよいの身が危険だと判断した時は、途中でも何でも、俺自身体を張って止めるからな…!!」
権藤「はぁ…どうぞお好きなように…邪魔だと感じれば我々も全力で止めにいきますのでおあいこです」
権藤「しばらくは皆さんの安全確保のために公安部員の監視も強化されますが、お気になさらずに」
P「但し…!やよいの身が危険だと判断した時は、途中でも何でも、俺自身体を張って止めるからな…!!」
権藤「はぁ…どうぞお好きなように…邪魔だと感じれば我々も全力で止めにいきますのでおあいこです」
権藤「しばらくは皆さんの安全確保のために公安部員の監視も強化されますが、お気になさらずに」
188: 2015/08/14(金) 18:19:12.10
P「監視か……なぁあんた、あの爺さんもあんたらの仲間なんだろ?」
権藤「…?爺さん?」
P「とぼけるなよ。やよいが教団本部からここに連れてきた爺さんだよ」
P「随分と訳知りだったのは、警察の情報網があったからなんだな…」
権藤「…?爺さん?」
P「とぼけるなよ。やよいが教団本部からここに連れてきた爺さんだよ」
P「随分と訳知りだったのは、警察の情報網があったからなんだな…」
189: 2015/08/14(金) 18:20:34.23
権藤「何のことやら…あの日会場からこのビルに戻ったのは、やよいさん1人だけでしたよ」
P「!?そ、そんなわけないだろ…!?」
権藤「…詳しく聞きたいですな。何者ですか、その老人とやらは…」ズィッ
P「ち…近ッ…!?」
権藤「私はね、自分が把握していない事があると、どうも気になりましてね…」ズズイッ
P「!?そ、そんなわけないだろ…!?」
権藤「…詳しく聞きたいですな。何者ですか、その老人とやらは…」ズィッ
P「ち…近ッ…!?」
権藤「私はね、自分が把握していない事があると、どうも気になりましてね…」ズズイッ
190: 2015/08/14(金) 18:23:40.33
P(このおっさん本当に知らないのか…!?じゃあ…あの爺さん結局何者なんだ…!)
権藤「で、どんな人物ですかその老人は…容姿は?年齢はいくつくらいで…」
♪セカイジューエーガオニシィーヨオー♪ワッハッハッハ!♪
権藤「おっと失礼…」ピッ
P(え?今の曲って…)
権藤「で、どんな人物ですかその老人は…容姿は?年齢はいくつくらいで…」
♪セカイジューエーガオニシィーヨオー♪ワッハッハッハ!♪
権藤「おっと失礼…」ピッ
P(え?今の曲って…)
191: 2015/08/14(金) 18:26:00.50
権藤「私だ…うむ…うむ…やはり連中も掴んでいたか…」
権藤「こちらは"GOサイン"が出た。予定通り動くよう、全員に伝えろ」ピッ
P「なぁ…あんたさっきの着信音…それってやよいの…」
権藤「Pさん…私はね、実際の捜査に参加できない分、監視対象をより深く知る必要があるんです…」
権藤「その作業中にこれを聞いてね…悪くない歌声と歌詞だと思ったんですよ、素直にね」
権藤「こちらは"GOサイン"が出た。予定通り動くよう、全員に伝えろ」ピッ
P「なぁ…あんたさっきの着信音…それってやよいの…」
権藤「Pさん…私はね、実際の捜査に参加できない分、監視対象をより深く知る必要があるんです…」
権藤「その作業中にこれを聞いてね…悪くない歌声と歌詞だと思ったんですよ、素直にね」
192: 2015/08/14(金) 18:28:21.82
権藤「柄にもないことを言うようだが、私も『やよいちゃん』の身の安全を第一に考えている…そこは誤解しないで欲しい」
P「権藤…さん…」
権藤「…それはそうと、LHSの連中はやよいさんが水瀬家にいることに気づいたようです…」
P「え!?さっきの電話はそういう…」
権藤「連中が行動を起こす前に、やよいさん本人を教団本部に連れて行く他ないが…あくまで自然な形でそれを行いたい」
権藤「そこで、あなたに協力してもらいたいことが…」
P「お、俺に…?」
P「権藤…さん…」
権藤「…それはそうと、LHSの連中はやよいさんが水瀬家にいることに気づいたようです…」
P「え!?さっきの電話はそういう…」
権藤「連中が行動を起こす前に、やよいさん本人を教団本部に連れて行く他ないが…あくまで自然な形でそれを行いたい」
権藤「そこで、あなたに協力してもらいたいことが…」
P「お、俺に…?」
198: 2015/08/17(月) 01:53:20.54
数時間前 LHS本部 代口瞑想室
代口「…………」
ビーッ
代口「……瞑想中は呼び出さないようにと言ってあるだろう…」
カルプレッタ『申し訳ありません代口様。高槻やよいの居場所を突き止めましたのでご報告に…』
代口「ああ、なんだ君か…構わんから入りたまえ…」
カルプレッタ『では…』
ガチャ…ガチャン…プシュー…
カルプレッタ「失礼いたします…」
代口「…………」
ビーッ
代口「……瞑想中は呼び出さないようにと言ってあるだろう…」
カルプレッタ『申し訳ありません代口様。高槻やよいの居場所を突き止めましたのでご報告に…』
代口「ああ、なんだ君か…構わんから入りたまえ…」
カルプレッタ『では…』
ガチャ…ガチャン…プシュー…
カルプレッタ「失礼いたします…」
199: 2015/08/17(月) 01:58:56.80
代口「…君にしては随分と時間が掛かったな…で、どこにいたのかね?」
カルプレッタ「水瀬の屋敷内に潜伏しておりました…」
代口「…水瀬の?あそこにはうちの若いのを使用人や庭師として忍び込ませていただろう…」
代口「今まで何の情報も掴めていなかったのかね?」
カルプレッタ「それが…水瀬家の執事が信用できる古株ばかりを集め、離れに密かに匿っていたようです…」
カルプレッタ「水瀬の屋敷内に潜伏しておりました…」
代口「…水瀬の?あそこにはうちの若いのを使用人や庭師として忍び込ませていただろう…」
代口「今まで何の情報も掴めていなかったのかね?」
カルプレッタ「それが…水瀬家の執事が信用できる古株ばかりを集め、離れに密かに匿っていたようです…」
200: 2015/08/17(月) 02:02:22.11
代口「執事…君の報告にあった新堂とかいう男か…」
カルプレッタ「はい…長年水瀬家に仕えているだけあって、抜け目のない人物でして…」
カルプレッタ「表面上は各使用人といつも通り接しながら、入って日が浅い者は重要事から巧妙に外されていました…」
カルプレッタ「我々の間諜も、妙な動きがあるとは薄々感じつつも、確信に至るほどの情報を掴めず…」
代口「それが今になって分かったのはどういうことかね?」
カルプレッタ「はい…長年水瀬家に仕えているだけあって、抜け目のない人物でして…」
カルプレッタ「表面上は各使用人といつも通り接しながら、入って日が浅い者は重要事から巧妙に外されていました…」
カルプレッタ「我々の間諜も、妙な動きがあるとは薄々感じつつも、確信に至るほどの情報を掴めず…」
代口「それが今になって分かったのはどういうことかね?」
201: 2015/08/17(月) 02:05:56.18
カルプレッタ「今夕、サウジアラビア政府関係者を招いたレセプションパーティーが水瀬家で開かれることになっています」
カルプレッタ「王族を招いての重要な催しのため、新堂を始め、古株の使用人達も離れにまで手が回らなくなったのです」
カルプレッタ「そして恐らく、水瀬伊織もパーティーに出るため、高槻やよいの側にいられないのでしょう」
カルプレッタ「彼女なりに気を回したようで…今朝方、765プロ所属のアイドル全員が水瀬の屋敷に…」
カルプレッタ「王族を招いての重要な催しのため、新堂を始め、古株の使用人達も離れにまで手が回らなくなったのです」
カルプレッタ「そして恐らく、水瀬伊織もパーティーに出るため、高槻やよいの側にいられないのでしょう」
カルプレッタ「彼女なりに気を回したようで…今朝方、765プロ所属のアイドル全員が水瀬の屋敷に…」
202: 2015/08/17(月) 02:10:00.41
代口「ふむ…高槻やよいの『お守り役』…というわけか」
代口「だが、彼女達もパーティーに招かれたに過ぎない…そうとも考えられるんじゃないのかね?」
カルプレッタ「アイドル達が集まってきたというだけであれば、私も同様の可能性を考えます。しかし…」
カルプレッタ「我々の息のかかった使用人の一人が、彼女らを離れへ案内する途上で…」
代口「だが、彼女達もパーティーに招かれたに過ぎない…そうとも考えられるんじゃないのかね?」
カルプレッタ「アイドル達が集まってきたというだけであれば、私も同様の可能性を考えます。しかし…」
カルプレッタ「我々の息のかかった使用人の一人が、彼女らを離れへ案内する途上で…」
203: 2015/08/17(月) 02:26:06.85
真美「やよいっち、喜んでくれるかなーコレ?」
響「真美、何持ってきたんだ?この袋か?」ガサガサ
真美「あ!ひびきん!まだ開けちゃダメだかんね!」
亜美「そうそう、後でやよいっちに開けてもらうんだから!」
貴音「響、これはやよいへの"さぷらいずぷれぜんと"だそうです。ここは辛抱いたしましょう…」
響「うがぁー!…そんな風に言われたら余計に気になるぞ…!早くやよいのとこにいちゅんてー(行くよー)!」
響「真美、何持ってきたんだ?この袋か?」ガサガサ
真美「あ!ひびきん!まだ開けちゃダメだかんね!」
亜美「そうそう、後でやよいっちに開けてもらうんだから!」
貴音「響、これはやよいへの"さぷらいずぷれぜんと"だそうです。ここは辛抱いたしましょう…」
響「うがぁー!…そんな風に言われたら余計に気になるぞ…!早くやよいのとこにいちゅんてー(行くよー)!」
204: 2015/08/17(月) 02:27:54.42
カルプレッタ「…そう、確かに聞いたそうです…」
カルプレッタ「結局、内部の様子を確認するまでには至りませんでしたが…」
代口「…なるほど…その発言から推察すれば、その離れに高槻やよいがいる可能性は高いな…」
カルプレッタ「ほぼ確実かと思われます」
カルプレッタ「結局、内部の様子を確認するまでには至りませんでしたが…」
代口「…なるほど…その発言から推察すれば、その離れに高槻やよいがいる可能性は高いな…」
カルプレッタ「ほぼ確実かと思われます」
205: 2015/08/17(月) 02:29:47.21
代口「しかし君、困ったねぇ…まさか水瀬の屋敷に兵隊を送り込むわけにもいかんだろうし…」
カルプレッタ「今は水瀬セキュリティの精鋭に加え、SANG(サウジアラビア国家警備隊)の人間も配置された厳戒態勢で、要塞と化しています」
カルプレッタ「平時であれば、外部から適当な騒ぎを起こし、混乱に乗じて間諜に攫ってこさせることもできたのですが…」
代口「下手に動かして潜り込ませた者達の身元が割れては元も子もない。その上、サウード家まで敵に回すなんてことになったら目も当てられん」
カルプレッタ「今は水瀬セキュリティの精鋭に加え、SANG(サウジアラビア国家警備隊)の人間も配置された厳戒態勢で、要塞と化しています」
カルプレッタ「平時であれば、外部から適当な騒ぎを起こし、混乱に乗じて間諜に攫ってこさせることもできたのですが…」
代口「下手に動かして潜り込ませた者達の身元が割れては元も子もない。その上、サウード家まで敵に回すなんてことになったら目も当てられん」
206: 2015/08/17(月) 02:31:31.70
代口「どれ…こうなれば私が出向く他あるまい…」
カルプレッタ「代口様御自ら…!?」
代口「いい加減、瞑想にも飽き飽きしていた頃だ…」
カルプレッタ「い…いけません…!不用意に力を使ってしまわれるのは…!」
代口「なぁに…心配には及ばん。これさえあればいつでも水脈の霊力を…」ガチャ
カルプレッタ「代口様御自ら…!?」
代口「いい加減、瞑想にも飽き飽きしていた頃だ…」
カルプレッタ「い…いけません…!不用意に力を使ってしまわれるのは…!」
代口「なぁに…心配には及ばん。これさえあればいつでも水脈の霊力を…」ガチャ
207: 2015/08/17(月) 02:35:40.04
代口「……ん?」
代口「な…無い…!?無いぞっ!?」
カルプレッタ「ど、どうなされたのですか?」
代口「お、おい君!ここにあった壺はどうした…!確かに、ここに置いてあったはずだ!」
代口「な…無い…!?無いぞっ!?」
カルプレッタ「ど、どうなされたのですか?」
代口「お、おい君!ここにあった壺はどうした…!確かに、ここに置いてあったはずだ!」
208: 2015/08/17(月) 02:38:22.01
カルプレッタ「つ、壺ですか…?一体どのような…」
代口「ぐぬ…説明が難しいが…とにかく珍しい形をした…そう、土器の壺だ…!」
代口「それが、この棚の中にしまってあったはずだ!」
カルプレッタ「珍しい形の…土器…珍しい…壺…」
カルプレッタ「……ヒッ!?」
代口「ぐぬ…説明が難しいが…とにかく珍しい形をした…そう、土器の壺だ…!」
代口「それが、この棚の中にしまってあったはずだ!」
カルプレッタ「珍しい形の…土器…珍しい…壺…」
カルプレッタ「……ヒッ!?」
209: 2015/08/17(月) 02:41:04.92
代口「な、何だ?何だね今の『ヒッ』は!?さては知っているな…!」
カルプレッタ「い…以前大量に購入した中国土産の壺の一つだと思い…」
カルプレッタ「その…いつもの『布教活動』に使いまして…」
代口「な…なんて馬鹿なことをッ…!!」
カルプレッタ「い…以前大量に購入した中国土産の壺の一つだと思い…」
カルプレッタ「その…いつもの『布教活動』に使いまして…」
代口「な…なんて馬鹿なことをッ…!!」
210: 2015/08/17(月) 02:41:54.66
代口「一体どこの誰にあの壺を渡したんだ!早く回収してきたまえ!!」
カルプレッタ「いえ…それが…あの…」
代口「なんだ?まだ何かあるのか?いいからさっさと行ってきなさい!」
カルプレッタ「つ…壺は…高槻やよいが…持っています…」
カルプレッタ「いえ…それが…あの…」
代口「なんだ?まだ何かあるのか?いいからさっさと行ってきなさい!」
カルプレッタ「つ…壺は…高槻やよいが…持っています…」
211: 2015/08/17(月) 02:43:53.43
代口「………」
カルプレッタ「…代口様…?」
代口「あ…あばばのば……」ドタッ
カルプレッタ「ヒェッ!?だっ!代口様!?」
カルプレッタ「…代口様…?」
代口「あ…あばばのば……」ドタッ
カルプレッタ「ヒェッ!?だっ!代口様!?」
212: 2015/08/17(月) 02:46:54.81
代口「カルプレッタよ…と……とんでもないことを…しでかしてくれたな…!」
カルプレッタ「ももも申し訳ございません!!そんなに重要なお品とは知りませんで…!!」
代口「何を言うか…ちゃあんとこの棚にしまってあったろうが…それをわざわざ持ち出しおって…」
カルプレッタ「い、いえ!瞑想室に勝手に入るようなことはいたしません!」
カルプレッタ「あの壺を見つけたのは、中庭のベンチのところで…」
カルプレッタ「ももも申し訳ございません!!そんなに重要なお品とは知りませんで…!!」
代口「何を言うか…ちゃあんとこの棚にしまってあったろうが…それをわざわざ持ち出しおって…」
カルプレッタ「い、いえ!瞑想室に勝手に入るようなことはいたしません!」
カルプレッタ「あの壺を見つけたのは、中庭のベンチのところで…」
213: 2015/08/17(月) 02:49:51.30
代口「中庭だと…?」
代口「……あっ!」
カルプレッタ「だ…代口様…?」
代口「…な、何でもない!…私は代替案を考える。その間、いつでも出られるよう若い連中に準備をさせておけ!」
カルプレッタ「はっ!わ、わかりました!では失礼いたしますッ!」
シュー…ガチャンガチャッ
代口「……あっ!」
カルプレッタ「だ…代口様…?」
代口「…な、何でもない!…私は代替案を考える。その間、いつでも出られるよう若い連中に準備をさせておけ!」
カルプレッタ「はっ!わ、わかりました!では失礼いたしますッ!」
シュー…ガチャンガチャッ
214: 2015/08/17(月) 02:51:26.75
代口「…中庭か…!」
代口「…この前天日干ししたまますっかり忘れていた…私としたことが何たる不覚…!」
代口「こうなれば何が何でも、壺と共に高槻やよいを連れ出さなければ…」
代口「時機をうかがうか…しかしその間に別の場所に移動されては厄介だし…」
代口「…この前天日干ししたまますっかり忘れていた…私としたことが何たる不覚…!」
代口「こうなれば何が何でも、壺と共に高槻やよいを連れ出さなければ…」
代口「時機をうかがうか…しかしその間に別の場所に移動されては厄介だし…」
215: 2015/08/17(月) 02:54:43.59
代口「…そうだ!765の他のアイドル達が集まっているなら…」
代口「…うん、これはいけるかも知れん…!」
代口「しかし…壺無しでどこまでやれるか…」
代口「…ええい…!迷っていても始まらん!とにかく、誰にするか選ばんとな…」カチ
代口「カルプレッタ君、先程の指示は後回しだ。『No.765』の資料を持ってきてくれ、大至急な…!」
代口「…うん、これはいけるかも知れん…!」
代口「しかし…壺無しでどこまでやれるか…」
代口「…ええい…!迷っていても始まらん!とにかく、誰にするか選ばんとな…」カチ
代口「カルプレッタ君、先程の指示は後回しだ。『No.765』の資料を持ってきてくれ、大至急な…!」
218: 2015/08/23(日) 02:49:06.67
ほぼ同時刻 水瀬家敷地内 駐車場
伊織「全員揃ったみたいね…」
伊織「新堂、ここに来たことは誰にもバレてないでしょうね?」
新堂「…皆様をお迎えに参りました際に、マスコミと思しき何台かの車両に後をつけられてしまい…」
新堂「やむを得ず乱暴な運転にはなってしまいましたが、それらの追跡を振り切りまして…」
新堂「後は手はず通り、お屋敷にはサウジ政府関係者の車列に紛れ込む形で入りましたので、ご心配には及びません」
新堂「尾行をしていた者達は、用意した囮の車を追っている頃かと…」
伊織「全員揃ったみたいね…」
伊織「新堂、ここに来たことは誰にもバレてないでしょうね?」
新堂「…皆様をお迎えに参りました際に、マスコミと思しき何台かの車両に後をつけられてしまい…」
新堂「やむを得ず乱暴な運転にはなってしまいましたが、それらの追跡を振り切りまして…」
新堂「後は手はず通り、お屋敷にはサウジ政府関係者の車列に紛れ込む形で入りましたので、ご心配には及びません」
新堂「尾行をしていた者達は、用意した囮の車を追っている頃かと…」
219: 2015/08/23(日) 02:51:11.59
伊織「…ほんっとうにろくでもない連中ね…!構わないから、うんと遠くまで連れ回してやりなさい!」
新堂「かしこまりました、運転手にはそのように申し伝えておきます」
新堂「しかし…伊織お嬢様も相変わらず手厳しゅうございますな…」ハハハ
伊織「フン、大ごとにするわけにはいかないから、これでも十分寛大な方よ…」
新堂「かしこまりました、運転手にはそのように申し伝えておきます」
新堂「しかし…伊織お嬢様も相変わらず手厳しゅうございますな…」ハハハ
伊織「フン、大ごとにするわけにはいかないから、これでも十分寛大な方よ…」
220: 2015/08/23(日) 02:55:11.19
春香「尾行をまくなんて時点で、かなり大ごとになってたような…」
響「うぅ…ひっくり返るかと思ったさー…ハマーリムジンでいきなりドリフトなんてどうかしてるぞ…」
真「ゆ、雪歩、大丈夫…?歩ける…?」
雪歩「ご、ごめんね真ちゃん…まだ足が震えちゃって…」
響「うぅ…ひっくり返るかと思ったさー…ハマーリムジンでいきなりドリフトなんてどうかしてるぞ…」
真「ゆ、雪歩、大丈夫…?歩ける…?」
雪歩「ご、ごめんね真ちゃん…まだ足が震えちゃって…」
221: 2015/08/23(日) 02:59:30.06
春香「あずささん、大丈夫ですか…?」
あずさ「ええ、何とか…すっごく怖かったわぁ…」
あずさ「それでも…私達は前の方に座ってたからまだマシだったみたいね…」
あずさ「一番後ろにいた亜美ちゃんと真美ちゃん、大丈夫かしら~…」
春香「…あの様子じゃ、大丈夫じゃなかったみたいですね…」
あずさ「ええ、何とか…すっごく怖かったわぁ…」
あずさ「それでも…私達は前の方に座ってたからまだマシだったみたいね…」
あずさ「一番後ろにいた亜美ちゃんと真美ちゃん、大丈夫かしら~…」
春香「…あの様子じゃ、大丈夫じゃなかったみたいですね…」
222: 2015/08/23(日) 03:00:21.50
亜美「う゛え゛ぇぅぅ…じ…氏ぬがど…思っだぁ…」グスッ
真美「…い゛ぎ…生ぎでで良がっだね゙~亜み゙ぃ~」ヒグッ
貴音「二人とも、その様に目を腫らして…しぃとべるとを締めないからですよ…」
貴音「洟が出ていますね…さ、このちり紙に…」
真美「…い゛ぎ…生ぎでで良がっだね゙~亜み゙ぃ~」ヒグッ
貴音「二人とも、その様に目を腫らして…しぃとべるとを締めないからですよ…」
貴音「洟が出ていますね…さ、このちり紙に…」
223: 2015/08/23(日) 03:01:27.30
亜美「ズビィーッ!…真美、宙に浮いてたネ…」
真美「ブビィーッ!…亜美も浮いてたYO…」
亜美「…お姫ちん、あーいうの平気なの…?」
貴音「そうですね…以前乗ったじぇっとこぉすたぁよりは、多少迫力がありましたが…」
真美「ジェットコースターだとかスプラッシュマウンテンだとか…そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ…」
亜美「もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜぃ…」
貴音「…?」
真美「ブビィーッ!…亜美も浮いてたYO…」
亜美「…お姫ちん、あーいうの平気なの…?」
貴音「そうですね…以前乗ったじぇっとこぉすたぁよりは、多少迫力がありましたが…」
真美「ジェットコースターだとかスプラッシュマウンテンだとか…そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ…」
亜美「もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜぃ…」
貴音「…?」
224: 2015/08/23(日) 03:02:54.09
千早「………」
春香「ち!千早ちゃん大丈夫!?顔真っ青だよ!」
千早「…私…ブレーキをかけた時の音が…本当にダメで…」フラッ…
春香「わわっ!危ないよ千早ちゃん!いいから座ってて…!」
春香「ち!千早ちゃん大丈夫!?顔真っ青だよ!」
千早「…私…ブレーキをかけた時の音が…本当にダメで…」フラッ…
春香「わわっ!危ないよ千早ちゃん!いいから座ってて…!」
225: 2015/08/23(日) 03:04:19.48
新堂「む!これはいけません…!すぐに侍医をお呼びいたしましょう…」
千早「だ…大丈夫です…!そこまでして頂かなくても…」
新堂「しかし、無理をなさっては…」
千早「座っていれば…少しはマシになりますから…」
千早「だ…大丈夫です…!そこまでして頂かなくても…」
新堂「しかし、無理をなさっては…」
千早「座っていれば…少しはマシになりますから…」
226: 2015/08/23(日) 03:06:54.15
伊織「…みんなこんな状態だって言うのに、よく寝ていられるわねぇ…」
伊織「ほら美希!起きなさい!」ペシペシ
美希「ううんハニィ……痛いのはやー、なの…」
伊織「寝ぼけてんじゃないわよ」ペシッ
美希「ふゃ…ん…?デコちゃん…?」
伊織「ほら美希!起きなさい!」ペシペシ
美希「ううんハニィ……痛いのはやー、なの…」
伊織「寝ぼけてんじゃないわよ」ペシッ
美希「ふゃ…ん…?デコちゃん…?」
227: 2015/08/23(日) 03:07:55.95
伊織「やっと起きたわね…ってその呼び方、いい加減どうにかなんないの…?」
美希「だって、デコちゃんはデコちゃんでしょー?あふ……」
美希「……ぅ……」
伊織「…美希?」
美希「だって、デコちゃんはデコちゃんでしょー?あふ……」
美希「……ぅ……」
伊織「…美希?」
228: 2015/08/23(日) 03:11:19.05
美希「あ゚ぷぅ…」ングッ…
伊織「…えッ!?アンタまさかっ…!?ばっ…ちょっ…ダメよここじゃ…!!」
美希(何かを訴える目)
伊織「…!?し、新堂!!新堂ーッ!!」
新堂「星井様!こちらに…!」バケツ
オボロロロ…ピーーーーーーーーーーーー
伊織「…えッ!?アンタまさかっ…!?ばっ…ちょっ…ダメよここじゃ…!!」
美希(何かを訴える目)
伊織「…!?し、新堂!!新堂ーッ!!」
新堂「星井様!こちらに…!」バケツ
オボロロロ…ピーーーーーーーーーーーー
229: 2015/08/23(日) 03:14:40.60
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
おそれいりますが、しばらくそのままで
お待ちください
再開まで、美しく雄大なフィヨルドをゆく
クルージング映像をお楽しみください
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
三三\ /三
三三三\ /三三
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
Nice boat. ~~~
~~~~
_ィ†N==ュ_ ~~~
/互巫乢/"/L ~~
Lェェェェェイ"/L|彡~
「ロロロロロロロイL/|彡
∥ ̄ ̄ ̄7/ /彡
∥===/ /彡
`ミ\j_/ /彡
ミヽ__/彡
ミ 彡
おそれいりますが、しばらくそのままで
お待ちください
再開まで、美しく雄大なフィヨルドをゆく
クルージング映像をお楽しみください
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
三三\ /三
三三三\ /三三
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
Nice boat. ~~~
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_ィ†N==ュ_ ~~~
/互巫乢/"/L ~~
Lェェェェェイ"/L|彡~
「ロロロロロロロイL/|彡
∥ ̄ ̄ ̄7/ /彡
∥===/ /彡
`ミ\j_/ /彡
ミヽ__/彡
ミ 彡
230: 2015/08/23(日) 03:26:41.93
美希「ハァ~…スッキリなの!」
伊織「スッキリなの!……じゃないわよッ!!」
伊織「人ん家に来て早々いきなりゲ○吐くアイドルなんて聞いたことないわ!!」
新堂「伊織お嬢様…!その様なお言葉ははしたのうございます…」
伊織「スッキリなの!……じゃないわよッ!!」
伊織「人ん家に来て早々いきなりゲ○吐くアイドルなんて聞いたことないわ!!」
新堂「伊織お嬢様…!その様なお言葉ははしたのうございます…」
231: 2015/08/23(日) 03:28:36.69
伊織「しょうがないじゃない!ゲ○は○ロなんだから!」
美希「うーん…ミキもアイドルがゲ○連呼はナイかなって思うな」
新堂「星井様の仰る通りでございます。せめて『嘔吐』と…」
春香「いや、あの…別に言い直してまで引っ張らなくても…」
美希「うーん…ミキもアイドルがゲ○連呼はナイかなって思うな」
新堂「星井様の仰る通りでございます。せめて『嘔吐』と…」
春香「いや、あの…別に言い直してまで引っ張らなくても…」
232: 2015/08/23(日) 03:30:05.42
雪歩「うぅ…なんだか私も気持ち悪くなってきちゃった…」
真「だ、大丈夫雪歩!?と、とにかく深呼吸を…」
千早「スゥー……フゥー……」
響「ち、千早も深呼吸し始めたぞ…二人とも大丈夫なのか…?」
真「だ、大丈夫雪歩!?と、とにかく深呼吸を…」
千早「スゥー……フゥー……」
響「ち、千早も深呼吸し始めたぞ…二人とも大丈夫なのか…?」
233: 2015/08/23(日) 03:33:27.32
亜美「…真美ぃ…ゆきぴょんと千早お姉ちゃん、なんかヤバそうだよ…!?」
真美「…このままだといおりん家の駐車場がゲロゲロキッチンならぬ"ゲロゲロパーキング"に…!?」
伊織「くだらないこと言ってないで、とっととやよいのところに行くわよ!二人もそっちで存分に休むといいわ」
貴音「そうですね…遠回りした分、やよいもきっと心配していることでしょう…」
真美「…このままだといおりん家の駐車場がゲロゲロキッチンならぬ"ゲロゲロパーキング"に…!?」
伊織「くだらないこと言ってないで、とっととやよいのところに行くわよ!二人もそっちで存分に休むといいわ」
貴音「そうですね…遠回りした分、やよいもきっと心配していることでしょう…」
234: 2015/08/23(日) 03:35:17.43
千早「ええ、早く高槻さんのところへ行きましょうか…」スッ
雪歩「四条さんがそう言うなら…」スッ
響「…二人とも持ち直したぞ…!」
真「分かりやすいなぁ…」
雪歩「四条さんがそう言うなら…」スッ
響「…二人とも持ち直したぞ…!」
真「分かりやすいなぁ…」
235: 2015/08/23(日) 03:37:17.22
伊織「新堂はもう戻っていいわ。パーティーの準備もあるし。私も少ししたら行くから」
新堂「承知いたしました。では皆様、失礼いたします…」スタスタ…
貴音「…新堂殿は、物腰の柔らかい善き御仁ですね、伊織」
伊織「私が生まれる前から仕えてるからね…新堂に任せておけばまず間違いないわ」
伊織「さ、行きましょ…」
新堂「承知いたしました。では皆様、失礼いたします…」スタスタ…
貴音「…新堂殿は、物腰の柔らかい善き御仁ですね、伊織」
伊織「私が生まれる前から仕えてるからね…新堂に任せておけばまず間違いないわ」
伊織「さ、行きましょ…」
236: 2015/08/23(日) 03:42:00.03
春香「…あれ?伊織、なんかメイドさんが慌ててこっちに走って来るけど…」
伊織「メイドが…?」
メイド「はぁはぁ…あっあの!お、遅れて申し訳ございません伊織お嬢様…!」
メイド「皆様を離れへご案内するよう、仰せつかって参りました…」ハァハァ
伊織「メイドが…?」
メイド「はぁはぁ…あっあの!お、遅れて申し訳ございません伊織お嬢様…!」
メイド「皆様を離れへご案内するよう、仰せつかって参りました…」ハァハァ
237: 2015/08/23(日) 03:46:56.84
伊織「案内を?…新堂かしら…?」
伊織「急いで来てもらったところ悪いんだけど、私が一緒に行くから下がって構わないわよ」
メイド「…さ、左様でございますか…し、しかし…」
伊織「心配いらないわ、どうせすぐそこだし。こんなところで迷いようがないで…」キョロキョロ…
伊織「……あずさはどこ…!?」
伊織「急いで来てもらったところ悪いんだけど、私が一緒に行くから下がって構わないわよ」
メイド「…さ、左様でございますか…し、しかし…」
伊織「心配いらないわ、どうせすぐそこだし。こんなところで迷いようがないで…」キョロキョロ…
伊織「……あずさはどこ…!?」
238: 2015/08/23(日) 03:48:00.42
あずさ「伊織ちゃんのお家って、駐車場もお庭も広いのねぇ~…」
あずさ「これだけ広いと、道に迷っちゃったりして…」
あずさ「なーんてね…うふふ…♪」
あずさ「…って、あら~?みんなは…?」
伊織「ちょっとあずさ!何勝手に行ってんのよ!離れはあっちよ!あっち!」
あずさ「あ、あらあら~…」
あずさ「これだけ広いと、道に迷っちゃったりして…」
あずさ「なーんてね…うふふ…♪」
あずさ「…って、あら~?みんなは…?」
伊織「ちょっとあずさ!何勝手に行ってんのよ!離れはあっちよ!あっち!」
あずさ「あ、あらあら~…」
239: 2015/08/23(日) 03:49:16.62
伊織「…あずさが勝手にどこかに行かないよう、よぉーく見張っていなさい…!」
メイド「は、ハイッ!かしこまりました…!」
メイド(…何とか離れまでの同行には成功したわね…)
メイド(有用な情報を聞き出さなければ…またカルプレッタ様に怒られちゃう…!)
メイド(…って!?あの人また違う方向へ…!!)
メイド「は、ハイッ!かしこまりました…!」
メイド(…何とか離れまでの同行には成功したわね…)
メイド(有用な情報を聞き出さなければ…またカルプレッタ様に怒られちゃう…!)
メイド(…って!?あの人また違う方向へ…!!)
240: 2015/08/23(日) 03:50:58.20
メイド「み、三浦様!そちらはオランジェリーへの小道です!離れはあちらに…!」
あずさ「あらー?ごめんなさい…」
あずさ「とても可愛らしいお花が咲いていたから、つい夢中になっちゃって…」
メイド(絵本に出てくるお姫様かっ!…くっ…油断ならないわこの人…!)
あずさ「あらー?ごめんなさい…」
あずさ「とても可愛らしいお花が咲いていたから、つい夢中になっちゃって…」
メイド(絵本に出てくるお姫様かっ!…くっ…油断ならないわこの人…!)
241: 2015/08/23(日) 03:52:46.27
真美「うーむ…」ガサガサ
真美「やよいっち、喜んでくれるかなーコレ?」
メイド「…!!」
メイド(『やよいっち』って、やよい様のことよね…?どうやら、当たりを引いたみたい…!)
響「真美、何持ってきたんだ?この袋か?」ガサガサ
真美「やよいっち、喜んでくれるかなーコレ?」
メイド「…!!」
メイド(『やよいっち』って、やよい様のことよね…?どうやら、当たりを引いたみたい…!)
響「真美、何持ってきたんだ?この袋か?」ガサガサ
242: 2015/08/23(日) 03:53:38.72
真美「あ!ひびきん!まだ開けちゃダメだかんね!」
亜美「そうそう、後でやよいっちに開けてもらうんだから!」
貴音「響、これはやよいへの"さぷらいずぷれぜんと"だそうです。ここは辛抱いたしましょう…」
響「うがぁー!…そんな風に言われたら余計に気になるぞ…!早くやよいのとこにいちゅんてー!」
亜美「そうそう、後でやよいっちに開けてもらうんだから!」
貴音「響、これはやよいへの"さぷらいずぷれぜんと"だそうです。ここは辛抱いたしましょう…」
響「うがぁー!…そんな風に言われたら余計に気になるぞ…!早くやよいのとこにいちゅんてー!」
243: 2015/08/23(日) 03:57:13.24
メイド(これはほぼ確定ね…後はやよい様の御姿を確認次第、カルプレッタ様に御報告を…)
メイド(…ッ!?)ブルッ
メイド(な、何…?何か刺さるような視線が…)
貴音「…もし、めいど殿……」
メイド(…ッ!?)ブルッ
メイド(な、何…?何か刺さるような視線が…)
貴音「…もし、めいど殿……」
244: 2015/08/23(日) 04:03:03.81
メイド「ひぇっ!は、はい!なんでございましょう?」
メイド(四条貴音…この人の視線だったのか…!まさかバレた…!?)
貴音「…あずさが向こうへ行ってしまいましたが…?」
メイド「…え?あ…あぁーッ!?三浦様!そちらにはプールしかございません!お戻りくださーい!」バタバタ
貴音(…あの者の面妖な素振り…何かを探っていた様な…)
貴音(わたくしの思い過ごしであれば良いのですが…)
メイド(四条貴音…この人の視線だったのか…!まさかバレた…!?)
貴音「…あずさが向こうへ行ってしまいましたが…?」
メイド「…え?あ…あぁーッ!?三浦様!そちらにはプールしかございません!お戻りくださーい!」バタバタ
貴音(…あの者の面妖な素振り…何かを探っていた様な…)
貴音(わたくしの思い過ごしであれば良いのですが…)
245: 2015/08/23(日) 04:04:48.63
メイド「…ぜぇ…ぜぇ…」グッタリ
あずさ「ごめんなさい…私ったらつい…も、もう寄り道しませんから…」
伊織「何やってんのよもう…!遅いじゃない!」
メイド「も…申し訳ございません…!」
あずさ「ごめんなさい…私ったらつい…も、もう寄り道しませんから…」
伊織「何やってんのよもう…!遅いじゃない!」
メイド「も…申し訳ございません…!」
246: 2015/08/23(日) 04:07:05.98
伊織「ご苦労様、もういいわよ。今夜のパーティーの事もあるから、早く持ち場に戻りなさい」
メイド「え?あ…あの…お部屋までご案内を…」
伊織「部屋までは私が案内するから、その必要はないわ」
メイド「…承知いたしました。では、失礼いたします…」
メイド「え?あ…あの…お部屋までご案内を…」
伊織「部屋までは私が案内するから、その必要はないわ」
メイド「…承知いたしました。では、失礼いたします…」
247: 2015/08/23(日) 04:09:42.21
メイド(くっ…結局御姿は見られず終い…でも、ここにやよい様がいる可能性は極めて高い…)
メイド(急ぎカルプレッタ様に御報告しなければ…)モゾモゾ…
メイド(…あれ?携帯電話がない!?ここに入ってたのに…)
メイド(まさか…!さっき三浦あずさを全力ダッシュで追った時に…!)
メイド(ど、どうしよ~…!)
メイド(急ぎカルプレッタ様に御報告しなければ…)モゾモゾ…
メイド(…あれ?携帯電話がない!?ここに入ってたのに…)
メイド(まさか…!さっき三浦あずさを全力ダッシュで追った時に…!)
メイド(ど、どうしよ~…!)
248: 2015/08/23(日) 04:14:33.78
庭師「……で、パーティーの準備で大忙しだってのに屋敷を抜け出して、電話を探したと…」
メイド「お屋敷の電話は録音されてるからね…」
メイド「公衆電話をすぐに見つけて連絡はできたけど…出るのはともかく屋敷に入るのは容易じゃなくて…」
庭師「…俺がその尻拭いとはねぇ…」
メイド「…やよい様の所在を確かめる絶好の機会だったのよ…仕方がないじゃない…!」
メイド「お屋敷の電話は録音されてるからね…」
メイド「公衆電話をすぐに見つけて連絡はできたけど…出るのはともかく屋敷に入るのは容易じゃなくて…」
庭師「…俺がその尻拭いとはねぇ…」
メイド「…やよい様の所在を確かめる絶好の機会だったのよ…仕方がないじゃない…!」
249: 2015/08/23(日) 04:16:21.14
庭師「侵入を手助けした上に、何時間も勝手に留守にしたお前をフォローしたこっちの身にもなってくれよ…」
庭師「俺まで新堂さんに叱られたじゃないか…」
メイド「カルプレッタ様のお叱りはあんなもんじゃ済まないでしょ…成果を出さなければ意味がないのよ」
庭師「まぁな…ここに居たのを突き止めたのは大手柄だ、そこは認めるよ…」
メイド「ふふん、あなたとは出来が違うのよ。これで私もグランド・ハピネス位昇格に一歩前進ね…」
庭師「へーへー、どうせ俺はラダークへの信心が足りませんよ…」
庭師「俺まで新堂さんに叱られたじゃないか…」
メイド「カルプレッタ様のお叱りはあんなもんじゃ済まないでしょ…成果を出さなければ意味がないのよ」
庭師「まぁな…ここに居たのを突き止めたのは大手柄だ、そこは認めるよ…」
メイド「ふふん、あなたとは出来が違うのよ。これで私もグランド・ハピネス位昇格に一歩前進ね…」
庭師「へーへー、どうせ俺はラダークへの信心が足りませんよ…」
250: 2015/08/23(日) 04:19:20.74
メイド「…ってこんな話してる場合じゃないわ!仕事に戻らなくちゃ…」
メイド「あなたの携帯電話は借りていくわね。新たな指示が出たら教えるから…」
庭師「へーへー、りょーかいりょーかい…」
メイド「…まったく、本当に不真面目なんだから…じゃあ後で…!」タッタッタ…
庭師「…俺は至って真面目なんだがねぇ…」
庭師「さてと…」ピッピッピッ…
メイド「あなたの携帯電話は借りていくわね。新たな指示が出たら教えるから…」
庭師「へーへー、りょーかいりょーかい…」
メイド「…まったく、本当に不真面目なんだから…じゃあ後で…!」タッタッタ…
庭師「…俺は至って真面目なんだがねぇ…」
庭師「さてと…」ピッピッピッ…
251: 2015/08/23(日) 04:22:11.75
ピッ
『私だ』
庭師「あ、主任ですか?メイドとして潜入してた例の女ですが…」
『うむ…』
庭師『離れに高槻やよいがいることを突き止めたようです…』
『うむ…やはり連中も掴んでいたか…』
庭師「うちの班はいつでも行動を起こせますが…765プロの方はどうなりましたか?」
『こちらは"GOサイン"が出た。予定通り動くよう、全員に伝えろ』ピッ
『私だ』
庭師「あ、主任ですか?メイドとして潜入してた例の女ですが…」
『うむ…』
庭師『離れに高槻やよいがいることを突き止めたようです…』
『うむ…やはり連中も掴んでいたか…』
庭師「うちの班はいつでも行動を起こせますが…765プロの方はどうなりましたか?」
『こちらは"GOサイン"が出た。予定通り動くよう、全員に伝えろ』ピッ
252: 2015/08/23(日) 04:24:01.44
庭師「了解しました。それでですね、教団支給の連絡用端末は女に取られまして…」
庭師「…って、切れてやがる…相変わらずだなぁあの人は…」
庭師「まぁいいや。こっちも『パーティー』の準備といきますか…」
庭師「ハハ…これじゃあ、また新堂さんに怒られちゃうな…」
庭師「…って、切れてやがる…相変わらずだなぁあの人は…」
庭師「まぁいいや。こっちも『パーティー』の準備といきますか…」
庭師「ハハ…これじゃあ、また新堂さんに怒られちゃうな…」
256: 2015/08/26(水) 21:27:03.59
水瀬家敷地内 離れ 765プロ一行到着直後
伊織「うんしょっと…このドアノッカー…ちょっと重いのよね…」
ガチャン…ゴォンゴォン!
〈ハァーイ、イマアケマース…〉
…タッタッタッタッタッタッタッタッ
ガチャ
伊織「みんなを連れてきたわよ、やよい」
伊織「うんしょっと…このドアノッカー…ちょっと重いのよね…」
ガチャン…ゴォンゴォン!
〈ハァーイ、イマアケマース…〉
…タッタッタッタッタッタッタッタッ
ガチャ
伊織「みんなを連れてきたわよ、やよい」
257: 2015/08/26(水) 21:28:33.72
やよい「伊織ちゃん!それに皆さんも、おはようございまー…!」
やよい「わわっ!?…ち!千早さんどうしたんですかぁ!?お顔の色がまっさおですよ!?」
千早「…心配しないで高槻さん…少し気分が優れないだけだから…うっ…」
やよい「大丈夫ですか!?気持ち悪いんですか…?」サスサス…
千早「…たった今大丈夫になったわ…!」シャキ!
やよい「わわっ!?…ち!千早さんどうしたんですかぁ!?お顔の色がまっさおですよ!?」
千早「…心配しないで高槻さん…少し気分が優れないだけだから…うっ…」
やよい「大丈夫ですか!?気持ち悪いんですか…?」サスサス…
千早「…たった今大丈夫になったわ…!」シャキ!
258: 2015/08/26(水) 21:30:13.23
真「やよいが背中をさすっただけで、見る見るうちに血色が戻っていく…」
響「…やよヒーリングは効果絶大だぞ…」
やよい「はー…よかったですー…」
やよい「…伊織ちゃんに聞いてた時間を過ぎても来ないから、なにかあったのかなーって…」
響「…やよヒーリングは効果絶大だぞ…」
やよい「はー…よかったですー…」
やよい「…伊織ちゃんに聞いてた時間を過ぎても来ないから、なにかあったのかなーって…」
259: 2015/08/26(水) 21:31:52.71
春香「まぁ、何かあったといえばあったんだけどね…」
真美「はるるん、みなまで言うなぃ…!」
亜美「聞くもナミダ語るもナミダ…」
伊織「あんた達が泣いてただけでしょうが…」
やよい「…?」
伊織「さ、とにかくみんな中に入りましょ…」
真美「はるるん、みなまで言うなぃ…!」
亜美「聞くもナミダ語るもナミダ…」
伊織「あんた達が泣いてただけでしょうが…」
やよい「…?」
伊織「さ、とにかくみんな中に入りましょ…」
260: 2015/08/26(水) 21:36:33.64
春香「お邪魔しまー…すっ!?」
真「…うひゃあー…離れっていうから小さな別荘みたいなのかと思ったら…!」
雪歩「外側が木で覆われてわからなかったけど…わ、私の家よりも大きいですぅ…」
伊織「二人とも大げさね」
春香「いやいや…芸能人のお宅訪問とかに出てきたら、間違いなく大豪邸扱いだよコレ…」
真「…うひゃあー…離れっていうから小さな別荘みたいなのかと思ったら…!」
雪歩「外側が木で覆われてわからなかったけど…わ、私の家よりも大きいですぅ…」
伊織「二人とも大げさね」
春香「いやいや…芸能人のお宅訪問とかに出てきたら、間違いなく大豪邸扱いだよコレ…」
261: 2015/08/26(水) 21:38:12.98
伊織「私もよくは知らないんだけど、なんとかっていう旧伯爵家の邸宅を移築したものらしいわ」
伊織「でも、建物も古いし外壁も地味だし、今じゃ草木に覆われてるしで、あんまり使ってないのよね…」
伊織「ま、元の主が伯爵だけあって内装とか家具の趣味は悪くないんだけど…やよいも色々不便なんじゃない…?」
やよい「え?…ううん!ぜんぜんそんなことないよっ!」
伊織「でも、建物も古いし外壁も地味だし、今じゃ草木に覆われてるしで、あんまり使ってないのよね…」
伊織「ま、元の主が伯爵だけあって内装とか家具の趣味は悪くないんだけど…やよいも色々不便なんじゃない…?」
やよい「え?…ううん!ぜんぜんそんなことないよっ!」
262: 2015/08/26(水) 21:41:13.69
やよい「お掃除がちょっと大変だけど、ご飯もおいしいし、お風呂も銭湯みたいだし、どのお部屋も広いし…」
やよい「…たまに一人になると…広すぎてちょっと寂しくなっちゃうけど…」
やよい「…あ!で、でもね、他にも色々便利だよ!…えーと、うーんとね…」
伊織「む、無理に理由を挙げなくてもいいから…!…やよいが不便でなければそれでいいのよ…」
やよい「う…うん!私、ここが気に入っちゃったかも!」
やよい「…たまに一人になると…広すぎてちょっと寂しくなっちゃうけど…」
やよい「…あ!で、でもね、他にも色々便利だよ!…えーと、うーんとね…」
伊織「む、無理に理由を挙げなくてもいいから…!…やよいが不便でなければそれでいいのよ…」
やよい「う…うん!私、ここが気に入っちゃったかも!」
263: 2015/08/26(水) 21:41:39.09
貴音「……」
響「ん?どうしたんだ貴音ー?なんか難しい顔して…」
貴音「…いえ、少々考え事を…」
響「ふーん…?」
響「ん?どうしたんだ貴音ー?なんか難しい顔して…」
貴音「…いえ、少々考え事を…」
響「ふーん…?」
264: 2015/08/26(水) 21:43:16.25
伊織「やよいの部屋は2階の奥よ…」
真美「…ねぇねぇ亜美、この階段の手すり、シャーってな感じで滑れんじゃない…?」
亜美「むむ…これは後でテストしてみねば…」
伊織「ちょっとあんた達、物とか壊さないでよ…!?」
真美「…ねぇねぇ亜美、この階段の手すり、シャーってな感じで滑れんじゃない…?」
亜美「むむ…これは後でテストしてみねば…」
伊織「ちょっとあんた達、物とか壊さないでよ…!?」
265: 2015/08/26(水) 21:44:14.56
あずさ「…そう言えばやよいちゃん、ご家族も一緒って聞いていたんだけど…」
やよい「えーと、お父さんは仕事に行ってて、お母さんも用事があって今は外に出てます」
やよい「長介たちは…テレビ局の人とかが学校に集まってしまうので行けなくなって…」
やよい「でも、伊織ちゃんが家庭教師とかベビーシッターの人を呼んでくれたので、3階の広間で面倒を見てもらってるんです!」
やよい「えーと、お父さんは仕事に行ってて、お母さんも用事があって今は外に出てます」
やよい「長介たちは…テレビ局の人とかが学校に集まってしまうので行けなくなって…」
やよい「でも、伊織ちゃんが家庭教師とかベビーシッターの人を呼んでくれたので、3階の広間で面倒を見てもらってるんです!」
266: 2015/08/26(水) 21:44:54.75
あずさ「そうだったの…ご家族も大変なのね~…」
やよい「……私のせい…ですよね……」
あずさ「…あっ、ち、違うのよやよいちゃん…!私、そんなつもりじゃ…」
やよい「わ、わかってます!」
やよい「……私のせい…ですよね……」
あずさ「…あっ、ち、違うのよやよいちゃん…!私、そんなつもりじゃ…」
やよい「わ、わかってます!」
267: 2015/08/26(水) 21:46:40.62
やよい「あずささんは私たちのことを心配してくれただけだって…わかってるんです…」
あずさ「やよいちゃん…」
やよい「…でもやっぱり…私がもっとしっかりしてればって思っちゃって…」
やよい「そうすれば、長介達が学校に行けなくなることもなかったし…」
やよい「それに、私のせいで事務所のお仕事までなくなっちゃって…」シュン…
あずさ「やよいちゃん…」
やよい「…でもやっぱり…私がもっとしっかりしてればって思っちゃって…」
やよい「そうすれば、長介達が学校に行けなくなることもなかったし…」
やよい「それに、私のせいで事務所のお仕事までなくなっちゃって…」シュン…
268: 2015/08/26(水) 21:48:20.68
伊織「…もう!またその話なの!?」
やよい「伊織ちゃん…」
伊織「言ったでしょ、悪いのはラダークなんちゃらとかいうエセ宗教団体の連中で、やよいにはなんの非もないって!」
貴音「その通りです…責めを受けるのはあの面妖な教団と、それに繋がり、わたくし達の道を妨げようとする者達…」
貴音「どうしてやよいを責めることなどできましょう…」
やよい「貴音さん…」
貴音「…伊織やわたくしだけではありません…この場にいる者でやよいを責める者など、一人もおりはしません…」
やよい「伊織ちゃん…」
伊織「言ったでしょ、悪いのはラダークなんちゃらとかいうエセ宗教団体の連中で、やよいにはなんの非もないって!」
貴音「その通りです…責めを受けるのはあの面妖な教団と、それに繋がり、わたくし達の道を妨げようとする者達…」
貴音「どうしてやよいを責めることなどできましょう…」
やよい「貴音さん…」
貴音「…伊織やわたくしだけではありません…この場にいる者でやよいを責める者など、一人もおりはしません…」
269: 2015/08/26(水) 21:49:16.73
真「そうだよやよい!大体、やよいを番組から降ろすって話聞いた時、ボク頭きちゃってさ…!」
真「そんなところ、こっちから願い下げだよ!」
雪歩「わ、私も!真ちゃんと一緒にその話を聞いた時すごいショックで…」
雪歩「もし私達だけ呼ばれても…笑顔でお仕事なんてできないよぉ…!」
やよい「真さん…雪歩さん…」ウル…
真「そんなところ、こっちから願い下げだよ!」
雪歩「わ、私も!真ちゃんと一緒にその話を聞いた時すごいショックで…」
雪歩「もし私達だけ呼ばれても…笑顔でお仕事なんてできないよぉ…!」
やよい「真さん…雪歩さん…」ウル…
270: 2015/08/26(水) 21:51:12.80
千早「初めの頃は、仕事がないなんていつものことだったじゃない…」
千早「高槻さんに濡れ衣を着せて、その上事務所まであらぬ疑いをかけようとする人達に…見せてやりましょう…」
千早「仕事欲しさに仲間を見捨てるほど、私達は落ちぶれてはいないってことをね…!」
響「千早!!でーじいいこと言ったさー!!」
響「やよい!自分もそう思うぞ!やよいを見捨てたりするもんか!」
響「いぬ美達も『やよいちゃんは全然悪くないのにおかしい!』って、すっごい怒ってたぞ!ね?ハム蔵!」
ハム蔵「ジュ!」コクコク
やよい「千早さん…響さん…ハム蔵…」ウルウル…
千早「高槻さんに濡れ衣を着せて、その上事務所まであらぬ疑いをかけようとする人達に…見せてやりましょう…」
千早「仕事欲しさに仲間を見捨てるほど、私達は落ちぶれてはいないってことをね…!」
響「千早!!でーじいいこと言ったさー!!」
響「やよい!自分もそう思うぞ!やよいを見捨てたりするもんか!」
響「いぬ美達も『やよいちゃんは全然悪くないのにおかしい!』って、すっごい怒ってたぞ!ね?ハム蔵!」
ハム蔵「ジュ!」コクコク
やよい「千早さん…響さん…ハム蔵…」ウルウル…
271: 2015/08/26(水) 21:52:27.92
美希「んー、ミキはねー…お仕事できるならその方がいいけどー…」
やよい「あぅ…」
真「えぇ!?ちょ、ちょっと美希…!」
美希「…でもね、やよいの悲しそうな顔見てたら…なんかミキも元気出なくなっちゃって…」
美希「そしたらね、ミキ、お仕事でもキラキラできないなって思うの…」
やよい「あぅ…」
真「えぇ!?ちょ、ちょっと美希…!」
美希「…でもね、やよいの悲しそうな顔見てたら…なんかミキも元気出なくなっちゃって…」
美希「そしたらね、ミキ、お仕事でもキラキラできないなって思うの…」
272: 2015/08/26(水) 21:53:26.42
美希「だから、やよいが一緒にお仕事できるようになるまで、ミキ、ストライキするって決めたの!」
美希「でね、それが終わったら、笑顔のやよいが作った美味しいおにぎりを、お腹いーっぱい食べるの!」
美希「そしたらミキ、きっとまたキラキラできるって思うな♪」
やよい「うぅ…美希さぁん…」グスッ…
美希「でね、それが終わったら、笑顔のやよいが作った美味しいおにぎりを、お腹いーっぱい食べるの!」
美希「そしたらミキ、きっとまたキラキラできるって思うな♪」
やよい「うぅ…美希さぁん…」グスッ…
273: 2015/08/26(水) 21:54:53.60
亜美「あ!それそれ!亜美もミキミキと"ストライク"する!」
亜美「やよいっちにアダなす者打つべし!!イヤーッ!グワーッ!みたいな感じっしょ?」
真美「亜美ぃ、ストライクじゃなくてストライキだYO!みんなで仕事休んでコウギすんやつ」
亜美「えっ!?お仕事休むだけでいいの?あれ…?じゃあもしかして…その間、遊び放題じゃんッ!?」
真美「遊びながらやよいっちのためにコウギもできる…んっふっふ~まさに一石二鳥ですなぁ…!」
伊織「あ、あんた達ねぇ…」
やよい「亜美ぃ…真美ぃ…」グスッ…グスッ…
亜美「やよいっちにアダなす者打つべし!!イヤーッ!グワーッ!みたいな感じっしょ?」
真美「亜美ぃ、ストライクじゃなくてストライキだYO!みんなで仕事休んでコウギすんやつ」
亜美「えっ!?お仕事休むだけでいいの?あれ…?じゃあもしかして…その間、遊び放題じゃんッ!?」
真美「遊びながらやよいっちのためにコウギもできる…んっふっふ~まさに一石二鳥ですなぁ…!」
伊織「あ、あんた達ねぇ…」
やよい「亜美ぃ…真美ぃ…」グスッ…グスッ…
274: 2015/08/26(水) 21:59:31.11
あずさ「あらあら…じゃあ私もストライキに参加させてもらおうかしら~♪」
あずさ「…やよいちゃん、さっきは余計な心配をさせちゃったみたいで、本当にごめんなさい…」スッ…
やよい「あっ…」
やよい(あずささんの手…ほっぺたがぽかぽかですぅ…)
あずさ「…やよいちゃん、さっきは余計な心配をさせちゃったみたいで、本当にごめんなさい…」スッ…
やよい「あっ…」
やよい(あずささんの手…ほっぺたがぽかぽかですぅ…)
275: 2015/08/26(水) 22:00:54.57
あずさ「…私達はいつも、やよいちゃんに元気をもらって助けられて来たわ…」
あずさ「今度は、私達がやよいちゃんを助ける番…」
あずさ「うふふ…だからこれでおあいこ…ね?」
やよい「あ゛…あずささぁん…」ポロ…
あずさ「今度は、私達がやよいちゃんを助ける番…」
あずさ「うふふ…だからこれでおあいこ…ね?」
やよい「あ゛…あずささぁん…」ポロ…
276: 2015/08/26(水) 22:02:03.68
春香「…やよい…!」ポン
やよい「は、春香さぁん…!」ポロポロ…
春香「…ここにはいないけど、律子さんや小鳥さんや社長…」
春香「それに…プロデューサーさんも…」
春香「どこに居たって、765プロのみんなの心は…一つなんだよ…!」
やよい「あぅ…う゛ぅ…春香ざぁん…」ボロボロ…
春香「だって…」
やよい「は、春香さぁん…!」ポロポロ…
春香「…ここにはいないけど、律子さんや小鳥さんや社長…」
春香「それに…プロデューサーさんも…」
春香「どこに居たって、765プロのみんなの心は…一つなんだよ…!」
やよい「あぅ…う゛ぅ…春香ざぁん…」ボロボロ…
春香「だって…」
277: 2015/08/26(水) 22:03:01.70
春香「だって私達みんな…仲間だもんげ!」
278: 2015/08/26(水) 22:04:21.37
春香「……」
やよい「………もんげ?」ヒック…
春香「……のヮの;」
春香「…ちょ、ちょいタンマ…今のナシで…」
やよい「………もんげ?」ヒック…
春香「……のヮの;」
春香「…ちょ、ちょいタンマ…今のナシで…」
279: 2015/08/26(水) 22:07:52.76
真美「あちゃー…はるるんやっちまったネ…」
亜美「もんげもんげ→」
真「今すごいきれいにまとめに入ったと思ったら…」
雪歩「春香ちゃん、も、もんげって…?」
あずさ「あらあら…」
美希「春香、ある意味おいしいの!」
響「春香、じょーとー…」
千早「『もんげ』ってどういう意味の言葉なのかしら…?春香、できればもっと詳しく教えて欲しいのだけれど…」
貴音「わたくしも存じません…。何やら面妖な響き…『もんげ』とは、一体どのような…」
亜美「もんげもんげ→」
真「今すごいきれいにまとめに入ったと思ったら…」
雪歩「春香ちゃん、も、もんげって…?」
あずさ「あらあら…」
美希「春香、ある意味おいしいの!」
響「春香、じょーとー…」
千早「『もんげ』ってどういう意味の言葉なのかしら…?春香、できればもっと詳しく教えて欲しいのだけれど…」
貴音「わたくしも存じません…。何やら面妖な響き…『もんげ』とは、一体どのような…」
280: 2015/08/26(水) 22:09:42.27
春香「ああ…穴があったら入りたい…///」
雪歩「え?じゃ、じゃあ少し待ってて、私掘っちゃうから…」ザクザク
春香「ちょっ…言葉のあやだよ!掘らないで!本当に入りたいわけじゃないから!」
やよい「……ふ…」
雪歩「え?じゃ、じゃあ少し待ってて、私掘っちゃうから…」ザクザク
春香「ちょっ…言葉のあやだよ!掘らないで!本当に入りたいわけじゃないから!」
やよい「……ふ…」
281: 2015/08/26(水) 22:11:32.14
やよい「……ふっ…くふっ…」
春香「…やよい?」
やよい「ぷぁっ…あっはははははっ!!」
一同「!?」
春香「や!やよいっ!?」ビクゥ!
春香「…やよい?」
やよい「ぷぁっ…あっはははははっ!!」
一同「!?」
春香「や!やよいっ!?」ビクゥ!
282: 2015/08/26(水) 22:13:21.87
やよい「あはっ…はぁ…はぁー…ふぅ……」ゴシゴシ…
やよい「春香さんっ!」
春香「は、はいっ!」
やよい「ありがとうございますー!」ガルーン
春香「えぇ!?な、何が…?」
やよい「春香さんっ!」
春香「は、はいっ!」
やよい「ありがとうございますー!」ガルーン
春香「えぇ!?な、何が…?」
283: 2015/08/26(水) 22:14:38.20
やよい「春香さん、私のことを元気づけようとして、わざと間違えたんですよね!」
春香「…え?えっ!?」
やよい「あそこで春香さんが面白いことを言ってくれなかったら…きっと私…みんなの前でわんわん泣いちゃったと思います…」
やよい「…でも!春香さんのおかげで、にこにこ笑顔でみんなにお礼が言えます!」
やよい「皆さん、ありがとうございますー!!」ガルーン
春香「…え?えっ!?」
やよい「あそこで春香さんが面白いことを言ってくれなかったら…きっと私…みんなの前でわんわん泣いちゃったと思います…」
やよい「…でも!春香さんのおかげで、にこにこ笑顔でみんなにお礼が言えます!」
やよい「皆さん、ありがとうございますー!!」ガルーン
284: 2015/08/26(水) 22:16:37.19
やよい「ふふっ…私、あんな風に大笑いしたの久しぶりで…だって『もんげ』ってすごく面白かっ…」
春香「や゙よ゙い゙ぃ…!」ブワッ
やよい「ゔえ゙ぇ!?ど、どうして春香さんが泣いてるんですかぁ!?」
春香「…らんでもらいの…やよいう゛ぁほんろうに…良い子らなぁっで…思っで…」ダー
やよい「あうぅ…春香さん泣かないでください…」ナデナデ
春香「や゙よ゙い゙ぃ…!」ブワッ
やよい「ゔえ゙ぇ!?ど、どうして春香さんが泣いてるんですかぁ!?」
春香「…らんでもらいの…やよいう゛ぁほんろうに…良い子らなぁっで…思っで…」ダー
やよい「あうぅ…春香さん泣かないでください…」ナデナデ
285: 2015/08/26(水) 22:18:00.18
真美「やよいっち完☆全ふっか→つ!…って感じだね!」
亜美「うんうん!やよいっちはこうでなくちゃね!!」
真「へへ…やっぱり、やよいにはかなわないや…」
雪歩「春香ちゃん大丈夫かなぁ…やっぱり穴掘った方が…」
亜美「うんうん!やよいっちはこうでなくちゃね!!」
真「へへ…やっぱり、やよいにはかなわないや…」
雪歩「春香ちゃん大丈夫かなぁ…やっぱり穴掘った方が…」
286: 2015/08/26(水) 22:23:19.76
あずさ「うふふ♪やよいちゃん、まるでお母さんみたいね…」
美希「やよいママに…はるかちゃん(9)って感じなの!」
響「うぅ…やよいは本当に良い子だなぁハム蔵…」エグエグ
ハム蔵「ジュー…!」エグエグ
伊織(…良かった…みんなを連れてきて正解だったわね…)
美希「やよいママに…はるかちゃん(9)って感じなの!」
響「うぅ…やよいは本当に良い子だなぁハム蔵…」エグエグ
ハム蔵「ジュー…!」エグエグ
伊織(…良かった…みんなを連れてきて正解だったわね…)
287: 2015/08/26(水) 22:24:55.64
千早「『もんげ』ね…春香、憶えておくわ…(そして私も高槻さんにナデナデしてもらって…!)」
貴音「…結局『もんげ』の正体はわからず終いなのですね…」
貴音「…ふふ…まるで六十郎殿の様な…」
やよい「う?この前のおじいさんがどうかしたんですか…?」
貴音「…結局『もんげ』の正体はわからず終いなのですね…」
貴音「…ふふ…まるで六十郎殿の様な…」
やよい「う?この前のおじいさんがどうかしたんですか…?」
288: 2015/08/26(水) 22:27:06.21
貴音「おや…聞こえてしまいましたか…」
やよい「ご、ごめんなさい…私、あのおじいさんのことがずっと気になってて…」
貴音「…そうですね…やよいに全てを話すべきか迷っていましたが…」
貴音「今のやよいなら、きっと受け入れてくれると信じています…」
やよい「どういうことですか…?」
やよい「ご、ごめんなさい…私、あのおじいさんのことがずっと気になってて…」
貴音「…そうですね…やよいに全てを話すべきか迷っていましたが…」
貴音「今のやよいなら、きっと受け入れてくれると信じています…」
やよい「どういうことですか…?」
289: 2015/08/26(水) 22:28:31.60
伊織「さ、着いたわ。この部屋よ」
雪歩「はぁ…結構歩いたね…」
真「庭でランニングどころか、陸上競技大会が開けそうだよ…」
千早「…窓から眺めても、とても個人宅の敷地とは思えない広さね…」
真「へー、どれどれ…って、窓でかっ!」
真「うわっ…この部屋もめちゃくちゃ広いじゃないかっ…!」
雪歩「はぁ…結構歩いたね…」
真「庭でランニングどころか、陸上競技大会が開けそうだよ…」
千早「…窓から眺めても、とても個人宅の敷地とは思えない広さね…」
真「へー、どれどれ…って、窓でかっ!」
真「うわっ…この部屋もめちゃくちゃ広いじゃないかっ…!」
290: 2015/08/26(水) 22:30:00.17
響「わっ!立ったまま入れるくらいでっかい暖炉…!沖縄にはこんなのないぞ…!」
春香「いやいや響ちゃん…地域の問題じゃなくて、普通の家にはこんなのないよ…」
真美「…というお話だったのサ…= 完 =」キィキィ…
亜美「あー!亜美もその揺れる椅子座りたい!」
春香「いやいや響ちゃん…地域の問題じゃなくて、普通の家にはこんなのないよ…」
真美「…というお話だったのサ…= 完 =」キィキィ…
亜美「あー!亜美もその揺れる椅子座りたい!」
291: 2015/08/26(水) 22:31:05.78
あずさ「ふぅ…確かに広いけど、落ち着いた装飾のお部屋ねぇ~」
あずさ「この天蓋付きのベッドなんかも…って、あら…?」
美希「フカフカなの…zzz…」
伊織「まったくもう…何しに来たんだか…」
あずさ「この天蓋付きのベッドなんかも…って、あら…?」
美希「フカフカなの…zzz…」
伊織「まったくもう…何しに来たんだか…」
293: 2015/08/26(水) 22:33:15.35
やよい「あの…貴音さん、さっきのお話って…」
貴音「…やよい、この話は皆にも聞いてもらわねばなりません…まず一所に集めてください…」
やよい「は、はい!わかりました!」
やよい「みなさーん!ちょっとあつまってくださーい!貴音さんからお話がありまーす!」
ナンダナンダ?
ザワザワ…
貴音「…やよい、この話は皆にも聞いてもらわねばなりません…まず一所に集めてください…」
やよい「は、はい!わかりました!」
やよい「みなさーん!ちょっとあつまってくださーい!貴音さんからお話がありまーす!」
ナンダナンダ?
ザワザワ…
297: 2015/09/04(金) 22:36:51.98
貴音「集まりましたね…少々込み入った話になりますが…」
伊織「あんまり長いのは勘弁してよ?」
貴音「心配には及びません。要点を掻い摘まんでお話しいたします」
貴音「…この中で、数日前にやよいが事務所へ連れてきた御老人について、知らない者はおりますか…?」
伊織「あんまり長いのは勘弁してよ?」
貴音「心配には及びません。要点を掻い摘まんでお話しいたします」
貴音「…この中で、数日前にやよいが事務所へ連れてきた御老人について、知らない者はおりますか…?」
298: 2015/09/04(金) 22:38:34.50
真「…たぶんその場にいなかった人も、ボク含めてみんな知ってるんじゃないかなぁ…?」
雪歩「その話なら私も聞きました。亜美ちゃんと真美ちゃんから…」
響「自分も二人から聞いたぞ!」
あずさ「あぁ、例の『仙人様』のお話ね~?」
伊織「私はやよいから聞いてるわ」
貴音「それは重畳。では、手短にお話しいたしましょう…」
貴音「六十郎殿を見送ったあの夜、わたくしは散歩を口実にその後をつけました……」
雪歩「その話なら私も聞きました。亜美ちゃんと真美ちゃんから…」
響「自分も二人から聞いたぞ!」
あずさ「あぁ、例の『仙人様』のお話ね~?」
伊織「私はやよいから聞いてるわ」
貴音「それは重畳。では、手短にお話しいたしましょう…」
貴音「六十郎殿を見送ったあの夜、わたくしは散歩を口実にその後をつけました……」
299: 2015/09/04(金) 22:52:04.09
LHS本部 代口瞑想室
代口「ぬぅぅ………!」
代口「…っはぁ!…駄目だっ!」
代口「…壺無しだとこうも手こずるのか…!」
代口「だが水瀬家の離れまでは何とか辿り着いたな…」
代口「ぬぅぅ………!」
代口「…っはぁ!…駄目だっ!」
代口「…壺無しだとこうも手こずるのか…!」
代口「だが水瀬家の離れまでは何とか辿り着いたな…」
300: 2015/09/04(金) 22:52:51.63
代口「765プロのアイドル達も確認できた…もっと集中して…通力を高めさえすれば…」
代口「……ぐぐっ………どいつもこいつも手強いな…!」
代口「……ムッ…?この子は妙にフィーリングが良いぞ…いけそうか…?」
代口「どれ…」
代口「……ぐぐっ………どいつもこいつも手強いな…!」
代口「……ムッ…?この子は妙にフィーリングが良いぞ…いけそうか…?」
代口「どれ…」
301: 2015/09/04(金) 22:54:50.33
水瀬家敷地内 離れ
貴音「…そこでわたくしは意識を失い、気がつけば事務所に戻っておりました」
貴音「六十郎殿の忠告通り、いんたぁねっとでの誹謗中傷が始まったのはその翌日のこと…」
貴音「プロデューサーにも申しましたが、六十郎殿は何らかの不可思議な力を持っております…」
貴音「わたくしが思うに、その六十郎殿が『なんとかする』と仰るのであれば…」
貴音「一見絶望的なこの状況も、わたくし達が団結して耐え抜けば、収束する可能性もあるのではないかと…」
貴音「…そこでわたくしは意識を失い、気がつけば事務所に戻っておりました」
貴音「六十郎殿の忠告通り、いんたぁねっとでの誹謗中傷が始まったのはその翌日のこと…」
貴音「プロデューサーにも申しましたが、六十郎殿は何らかの不可思議な力を持っております…」
貴音「わたくしが思うに、その六十郎殿が『なんとかする』と仰るのであれば…」
貴音「一見絶望的なこの状況も、わたくし達が団結して耐え抜けば、収束する可能性もあるのではないかと…」
302: 2015/09/04(金) 22:56:16.46
春香「そんなことがあったなんて…確かに唐突に事務所に戻ってきたのは変だと思ってたけど…」
千早「他で聞いたならちょっと信じがたい話だけど…でも四条さんが言うのなら…」
あずさ「私も信じます。だって、やよいちゃんを守ろうとしているのなら、そのおじいさん、悪い人じゃないと思いますし…」
あずさ「…あら?『人』って言い方で合ってるのかしら…?」
亜美「ホラホラ~、だから亜美が言ったっしょ?あのじいちゃんは仙人様だって!」
真美「亜美!次会ったらサインしてもらおうよ!」
千早「他で聞いたならちょっと信じがたい話だけど…でも四条さんが言うのなら…」
あずさ「私も信じます。だって、やよいちゃんを守ろうとしているのなら、そのおじいさん、悪い人じゃないと思いますし…」
あずさ「…あら?『人』って言い方で合ってるのかしら…?」
亜美「ホラホラ~、だから亜美が言ったっしょ?あのじいちゃんは仙人様だって!」
真美「亜美!次会ったらサインしてもらおうよ!」
303: 2015/09/04(金) 22:59:08.40
真「仙人…っていうのとはちょっと違うような気もするけど…」
亜美「じゃあ、まこちんはじいちゃんの正体は何だと思う?」
真「え?いやぁ…そりゃわからないけどさ…」
真「昔一度だけ、父さんに太極拳について教わったことがあるんだけど…」
真「その時、一番最初に始めた人が道教を究めた仙人だって聞いたから、たぶん仙人に対するイメージが二人とは違うんだよ」
亜美「じゃあ、まこちんはじいちゃんの正体は何だと思う?」
真「え?いやぁ…そりゃわからないけどさ…」
真「昔一度だけ、父さんに太極拳について教わったことがあるんだけど…」
真「その時、一番最初に始めた人が道教を究めた仙人だって聞いたから、たぶん仙人に対するイメージが二人とは違うんだよ」
304: 2015/09/04(金) 23:00:23.12
真美「ドーキョー?」
真「"道(タオ)"の"教"えで道教。よく知らないけど、中国の三大宗教の一つらしいよ」
真美「中国だって亜美!じゃあやっぱり…!」
亜美「ビームくらい余裕で出せるNE!」
真「二人とも真・三國無双シリーズのやり過ぎだよ…!」
真「"道(タオ)"の"教"えで道教。よく知らないけど、中国の三大宗教の一つらしいよ」
真美「中国だって亜美!じゃあやっぱり…!」
亜美「ビームくらい余裕で出せるNE!」
真「二人とも真・三國無双シリーズのやり過ぎだよ…!」
305: 2015/09/04(金) 23:02:08.13
雪歩「そのぅ、四条さん…おじいさんがなんとかしてくれるって話ですけど、いつになったらなんとかなるんでしょうか…?」
貴音「それは…わたくしにもわかりません…」
伊織「…フン、亜美真美の冗談としてならともかく、本物の仙人だなんてバカバカしいわ!」
春香「い、伊織…!別に貴音さんが仙人だって言ってるわけじゃ…」
伊織「わかってるわよそんなこと!」
伊織「私が気に入らないのはね、ただ待っていればいいって言う、そのじいさんの話よ!」
貴音「それは…わたくしにもわかりません…」
伊織「…フン、亜美真美の冗談としてならともかく、本物の仙人だなんてバカバカしいわ!」
春香「い、伊織…!別に貴音さんが仙人だって言ってるわけじゃ…」
伊織「わかってるわよそんなこと!」
伊織「私が気に入らないのはね、ただ待っていればいいって言う、そのじいさんの話よ!」
306: 2015/09/04(金) 23:03:39.42
貴音「伊織…」
伊織「…本当のところどうなのよ、貴音?」
伊織「このまま何もしないで待てばいいって、本気で思ってるわけ?」
貴音「それは……」
伊織「大体、どんな理由があろうと、やよいに嘘をついて近づいたことが許せないし、信用できないわ…!」
伊織「団結する必要があるって理屈は分かるわよ?でも団結してただひたすら待って、それでどうなるって言うのよ…!」
伊織「…本当のところどうなのよ、貴音?」
伊織「このまま何もしないで待てばいいって、本気で思ってるわけ?」
貴音「それは……」
伊織「大体、どんな理由があろうと、やよいに嘘をついて近づいたことが許せないし、信用できないわ…!」
伊織「団結する必要があるって理屈は分かるわよ?でも団結してただひたすら待って、それでどうなるって言うのよ…!」
307: 2015/09/04(金) 23:05:56.64
真「確かに…もうどうにかなるレベルじゃないくらい、バッシングがひどいらしいしね…」
美希「でも真くん、こーいうのはジタバタしてもどうにもならないの…」
真「わ、分かってるけどさぁ…なんかこう…ムズムズするというか、歯痒いというか…あーもーっ!」
真「何ならいっそのこと、教団本部に直接乗り込んで、敵の首魁に一発こう…バシッ!っと…」シュバッ!
真「そしたら世間の誤解も晴れてめでたしめでたし…」
美希「でも真くん、こーいうのはジタバタしてもどうにもならないの…」
真「わ、分かってるけどさぁ…なんかこう…ムズムズするというか、歯痒いというか…あーもーっ!」
真「何ならいっそのこと、教団本部に直接乗り込んで、敵の首魁に一発こう…バシッ!っと…」シュバッ!
真「そしたら世間の誤解も晴れてめでたしめでたし…」
308: 2015/09/04(金) 23:08:04.59
雪歩「出入り…じゃ、じゃなくて!…暴力は駄目だよぅ…」
美希「世間の誤解は晴れてもブタ箱行き…全然めでたくないの…」
雪歩「真ちゃん…短期でもおつとめは辛いんだよ…?」
真「じょ、冗談だよ!冗談だから!」
美希「世間の誤解は晴れてもブタ箱行き…全然めでたくないの…」
雪歩「真ちゃん…短期でもおつとめは辛いんだよ…?」
真「じょ、冗談だよ!冗談だから!」
309: 2015/09/04(金) 23:09:32.62
伊織「真の話もあながち間違いじゃないわ…私達があのインチキ教団と関係があると思われてるなら、私達自身で潰せばいいのよ!」
千早「それは…いくらなんでも無茶じゃないかしら…」
春香「そ、そうだよ!私達アイドルってことを除けば、普通の女の子と変わらな…」
春香「…あー…まぁその…伊織は例外だし…それに…」チラ…
雪歩「…は、春香ちゃん、なんでこっちを見るのぉ…!?」
千早「それは…いくらなんでも無茶じゃないかしら…」
春香「そ、そうだよ!私達アイドルってことを除けば、普通の女の子と変わらな…」
春香「…あー…まぁその…伊織は例外だし…それに…」チラ…
雪歩「…は、春香ちゃん、なんでこっちを見るのぉ…!?」
310: 2015/09/04(金) 23:10:39.49
伊織「何も私達が直接出向くわけじゃないわ。それぞれの伝手を使えば、戦力としては申し分ないでしょ?」
春香「それぞれって言っても、約二名の、だけど…」
雪歩「その…一応、お父さんのお弟子さん達が教団本部のことを調べてくれてますけど…」
雪歩「誰でも入れるのは入り口からすぐの『第一講堂』っていう建物までで、他は警備が厳しいらしいです…」
伊織「一筋縄ではいかなそうね…」
春香「それぞれって言っても、約二名の、だけど…」
雪歩「その…一応、お父さんのお弟子さん達が教団本部のことを調べてくれてますけど…」
雪歩「誰でも入れるのは入り口からすぐの『第一講堂』っていう建物までで、他は警備が厳しいらしいです…」
伊織「一筋縄ではいかなそうね…」
311: 2015/09/04(金) 23:11:45.51
春香「うーん…どうやってその警備の網をかいくぐるか…」
春香「……って違う違う!出来たとしても駄目だよ乗り込むなんて!!」
あずさ「そうねぇ…もうちょっと穏便に済ませる方法はないのかしら…?」
伊織「私は本気よ。このままじゃ埒があかないもの…!」
真「ええと…なんかボクの発言のせいで大ごとになりそうな予感が…」
美希「もー…めんどくさいの…zzz…」
春香「……って違う違う!出来たとしても駄目だよ乗り込むなんて!!」
あずさ「そうねぇ…もうちょっと穏便に済ませる方法はないのかしら…?」
伊織「私は本気よ。このままじゃ埒があかないもの…!」
真「ええと…なんかボクの発言のせいで大ごとになりそうな予感が…」
美希「もー…めんどくさいの…zzz…」
312: 2015/09/04(金) 23:16:31.82
貴音(…このままでは…団結どころか皆の心が散り散りになるばかり…)
貴音(そして…わたくしの心に一抹の不安があるのもまた事実…伊織はそれを見抜いたのでしょう…)
貴音(あなた様…やはり、皆に話すべきではなかったのでしょうか…わたくしはどうすれば…)
やよい「伊織ちゃん!!!」
貴音(そして…わたくしの心に一抹の不安があるのもまた事実…伊織はそれを見抜いたのでしょう…)
貴音(あなた様…やはり、皆に話すべきではなかったのでしょうか…わたくしはどうすれば…)
やよい「伊織ちゃん!!!」
313: 2015/09/04(金) 23:17:04.61
一同「!?」
貴音(やよい…!)
伊織「い、いきなり大声出したらびっくりするじゃない…!」
伊織「で…何なの…?」
貴音(やよい…!)
伊織「い、いきなり大声出したらびっくりするじゃない…!」
伊織「で…何なの…?」
314: 2015/09/04(金) 23:17:39.12
やよい「伊織ちゃん…私達みんなが目指してるもの…忘れてないよね…!」
伊織「当たり前でしょ?私達はトップアイドルに…」
やよい「……トップアイドルって、伊織ちゃんが言ってるようなことするものなの…?」
伊織「や、やよい…!?」
伊織「当たり前でしょ?私達はトップアイドルに…」
やよい「……トップアイドルって、伊織ちゃんが言ってるようなことするものなの…?」
伊織「や、やよい…!?」
315: 2015/09/04(金) 23:18:41.98
千早(あんな表情の高槻さん…初めて見た…!)
春香(やよい…もしかして怒ってる…?)
真美(うわぁ…いおりんメッチャ動揺してるよ…)
亜美(なんだか亜美まで胃がキュウキュウしてきた…)
春香(やよい…もしかして怒ってる…?)
真美(うわぁ…いおりんメッチャ動揺してるよ…)
亜美(なんだか亜美まで胃がキュウキュウしてきた…)
316: 2015/09/04(金) 23:20:12.50
やよい「伊織ちゃんが…なんとかしようって思ってくれてるのは、すごくよく分かるよ…」
やよい「…家族みんなを助けてもらってるのに、こんなこと言うのは私のわがままかも知れないけど…でも…」
やよい「私は伊織ちゃんに、ちゃんとトップアイドルになって欲しいかなって…」
伊織「やよい…」
やよい「…家族みんなを助けてもらってるのに、こんなこと言うのは私のわがままかも知れないけど…でも…」
やよい「私は伊織ちゃんに、ちゃんとトップアイドルになって欲しいかなって…」
伊織「やよい…」
317: 2015/09/04(金) 23:21:05.60
やよい「上手く言えないけど…ここでたくさんの人を巻き込んで大きな力を使っちゃったら…」
やよい「伊織ちゃんが…もうアイドルでいられないような気がして…」
やよい「誤解が解けて…またお仕事できるようになっても…」
やよい「そこに伊織ちゃんがいないなんて…そんなの…そんなのダメだよっ…!!」
伊織「……」
やよい「伊織ちゃんが…もうアイドルでいられないような気がして…」
やよい「誤解が解けて…またお仕事できるようになっても…」
やよい「そこに伊織ちゃんがいないなんて…そんなの…そんなのダメだよっ…!!」
伊織「……」
318: 2015/09/04(金) 23:22:46.48
やよい「…お願い伊織ちゃん…おじいさんの言葉を信じてあげて…」
やよい「貴音さんが言うように、おじいさんが困ってたのがウソだったとしても…」
やよい「ご飯を食べてた時や、みんなとおしゃべりしてた時のおじいさんの笑顔は…ウソじゃないと思うんだ…」
やよい「…だまされて壺を貰っちゃった私が言っても、説得力ないかも知れないけど…」
伊織「…そんなことないわ…!」
伊織「やよいは他人のために…どうしたらその人の助けになるかって…そう考えて行動しただけだもの…!」
やよい「貴音さんが言うように、おじいさんが困ってたのがウソだったとしても…」
やよい「ご飯を食べてた時や、みんなとおしゃべりしてた時のおじいさんの笑顔は…ウソじゃないと思うんだ…」
やよい「…だまされて壺を貰っちゃった私が言っても、説得力ないかも知れないけど…」
伊織「…そんなことないわ…!」
伊織「やよいは他人のために…どうしたらその人の助けになるかって…そう考えて行動しただけだもの…!」
319: 2015/09/04(金) 23:24:32.07
伊織「それに比べて私なんて…全然やよいの助けになってあげられなくて…」
やよい「そんな…!私だけじゃなくて家族全員、伊織ちゃんに助けられっぱなしなのに…!」
伊織「それは私じゃなくて水瀬の…お父様の力だもの…」
伊織「やよいのために何かしなきゃって思って…でも、みんなを呼ぶことが私の精一杯で…」
伊織「それなのに…バカね私ったら…また水瀬の家の力に頼ろうとして…」
やよい「伊織ちゃん…」
やよい「そんな…!私だけじゃなくて家族全員、伊織ちゃんに助けられっぱなしなのに…!」
伊織「それは私じゃなくて水瀬の…お父様の力だもの…」
伊織「やよいのために何かしなきゃって思って…でも、みんなを呼ぶことが私の精一杯で…」
伊織「それなのに…バカね私ったら…また水瀬の家の力に頼ろうとして…」
やよい「伊織ちゃん…」
320: 2015/09/04(金) 23:34:14.15
伊織「…貴音、さっきはごめんなさい…」
伊織「その…『仙人様』とやら…ちょっとだけなら信じてみてもいいわ…あくまでちょっとだけね!」
やよい「私も…おじいさんのこと信じてます!」
やよい「貴音さん!大事なお話をしてくれて本当にありがとうございます!」
貴音「…伊織…やよい…わたくしは…」
伊織「その…『仙人様』とやら…ちょっとだけなら信じてみてもいいわ…あくまでちょっとだけね!」
やよい「私も…おじいさんのこと信じてます!」
やよい「貴音さん!大事なお話をしてくれて本当にありがとうございます!」
貴音「…伊織…やよい…わたくしは…」
321: 2015/09/04(金) 23:34:46.31
貴音「わたくしはっ…!!」ガバッ
やよい「はわっ!?」
伊織「ちょっと…!?」
貴音「わたくしは…貴女達のような仲間と共に歩めることを…心の底から誇りに思います…!」ホロリ…
やよい「はわっ!?」
伊織「ちょっと…!?」
貴音「わたくしは…貴女達のような仲間と共に歩めることを…心の底から誇りに思います…!」ホロリ…
322: 2015/09/04(金) 23:35:35.33
伊織「や、やぁねぇもう…大袈裟なんだから…///」
やよい「ふふ…伊織ちゃん、耳まで真っ赤だよ?」
亜美「いおり~ん、どうよお姫ちんのギュッ!は?」
真美「癒やされるっしょ~?もっと甘えてもイイんだぜぃ…?」
やよい「ふふ…伊織ちゃん、耳まで真っ赤だよ?」
亜美「いおり~ん、どうよお姫ちんのギュッ!は?」
真美「癒やされるっしょ~?もっと甘えてもイイんだぜぃ…?」
323: 2015/09/04(金) 23:38:08.69
伊織「あーもー!うるさーい!!…調子狂うわね…!///」
伊織「た、貴音ももういいでしょ…」バッ
貴音「はっ…申し訳ありません…わたくしとしたことがつい感極まって…」
やよい「貴音さんの髪の毛、ふわふわで良い香りですぅ!」
伊織「た、貴音ももういいでしょ…」バッ
貴音「はっ…申し訳ありません…わたくしとしたことがつい感極まって…」
やよい「貴音さんの髪の毛、ふわふわで良い香りですぅ!」
324: 2015/09/04(金) 23:39:25.83
春香「ふぅ…これにて一件落着…かな?」
千早「…春香、何か忘れているような気がしない…?」
春香「…え?うーん…言われてみれば確かにそんな気も…」
真「…なんだろう、何か足りないよね…?」
雪歩「ひぃ…ふぅ…みぃ………あれ?何かというか…誰かが足りないんじゃ…?」
千早「…春香、何か忘れているような気がしない…?」
春香「…え?うーん…言われてみれば確かにそんな気も…」
真「…なんだろう、何か足りないよね…?」
雪歩「ひぃ…ふぅ…みぃ………あれ?何かというか…誰かが足りないんじゃ…?」
326: 2015/09/04(金) 23:41:20.10
美希「うぅん…終わったー?あふぅ…」ムクリ…
雪歩「あ、美希ちゃんはベッドに潜り込んでたんだね…!」
雪歩「あれ…?でもやっぱり一人足りないよぅ…」
あずさ「…あの~、もしかして響ちゃんがいないんじゃないかしら~…?」
雪歩「あ、美希ちゃんはベッドに潜り込んでたんだね…!」
雪歩「あれ…?でもやっぱり一人足りないよぅ…」
あずさ「…あの~、もしかして響ちゃんがいないんじゃないかしら~…?」
327: 2015/09/04(金) 23:50:33.41
貴音「…わたくしが話をする前に一言発したきり、響の声を聞いた憶えがありません…」
雪歩「…いつも元気で明るい響ちゃんが…誰にも気づかれずに忽然といなくなっちゃうなんて…」
真「やめてよ雪歩…!そんな神隠しに遭ったみたいな言い方したら、なんだか気味が悪いじゃないか…」
雪歩「ご、ごめんね真ちゃん…そうだね…私の考えすぎ…だよね…」
真「そ、そうだよ…きっとお手洗いにでも行って…」
雪歩「…いつも元気で明るい響ちゃんが…誰にも気づかれずに忽然といなくなっちゃうなんて…」
真「やめてよ雪歩…!そんな神隠しに遭ったみたいな言い方したら、なんだか気味が悪いじゃないか…」
雪歩「ご、ごめんね真ちゃん…そうだね…私の考えすぎ…だよね…」
真「そ、そうだよ…きっとお手洗いにでも行って…」
328: 2015/09/04(金) 23:52:44.52
…カリカリカリカリ…
やよい「…う?何か音がしませんか…?」
千早「……本当ね、カリカリと何かをひっかくような音が…」
雪歩「あ、あっちのドアの方から聞こえますぅ…!」
真「心なしか、段々音が大きくなっているような…!」
やよい「…う?何か音がしませんか…?」
千早「……本当ね、カリカリと何かをひっかくような音が…」
雪歩「あ、あっちのドアの方から聞こえますぅ…!」
真「心なしか、段々音が大きくなっているような…!」
329: 2015/09/04(金) 23:55:29.16
伊織(…ひっかくような音…なるほどね…)
伊織「あ、思い出したわ…!」
伊織「この屋敷の持ち主だった伯爵が亡くなった時、その襲爵権を巡って親族同士でいざこざが起こったって話があって…」
伊織「本当なら伯爵が妾に生ませた幼い息子が継ぐはずだったんだけど…その子、何故か行方不明になっちゃったのよ…」
真「ちょ…ちょっと伊織…!やめようよこんな時にそんな話…!」
雪歩「ひぃぃ…!!い、伊織ちゃんやめてぇ…!」
伊織「あ、思い出したわ…!」
伊織「この屋敷の持ち主だった伯爵が亡くなった時、その襲爵権を巡って親族同士でいざこざが起こったって話があって…」
伊織「本当なら伯爵が妾に生ませた幼い息子が継ぐはずだったんだけど…その子、何故か行方不明になっちゃったのよ…」
真「ちょ…ちょっと伊織…!やめようよこんな時にそんな話…!」
雪歩「ひぃぃ…!!い、伊織ちゃんやめてぇ…!」
330: 2015/09/04(金) 23:56:41.58
伊織「ほんの数分の間、乳母が目を離した隙にその子は忽然と姿を消した…」
伊織「でもおかしいの…行方不明になった時は誰も外に出た形跡はないし…逆に入った形跡もない…」
伊織「そもそもその子はやっとハイハイができるようになったばかりの赤ん坊…そんな遠くに行けるはずもない…」
伊織「警察が屋敷や庭を捜索したけど、手がかり一つ出てこなかったわ…」
伊織「…結局はその子の叔父に当たる人が爵位を継ぐことになった…当然財産もね…」
伊織「でもおかしいの…行方不明になった時は誰も外に出た形跡はないし…逆に入った形跡もない…」
伊織「そもそもその子はやっとハイハイができるようになったばかりの赤ん坊…そんな遠くに行けるはずもない…」
伊織「警察が屋敷や庭を捜索したけど、手がかり一つ出てこなかったわ…」
伊織「…結局はその子の叔父に当たる人が爵位を継ぐことになった…当然財産もね…」
331: 2015/09/04(金) 23:57:49.33
真「だめだ…完全に怖い話モードに入っちゃったよ…!」
雪歩「ど、どうしよぅ…真ちゃん…!」
真「た、貴音は…?」
貴音「わたくしは何も聞こえません…わたくしは何も聞こえません…」ブツブツ…
雪歩「ど、どうしよぅ…真ちゃん…!」
真「た、貴音は…?」
貴音「わたくしは何も聞こえません…わたくしは何も聞こえません…」ブツブツ…
332: 2015/09/04(金) 23:59:30.85
伊織「でね、実はこの叔父から使用人達に箝口令が敷かれてて、警察も知らなかった事実が一つだけあるの…」
伊織「この西洋式の邸宅を建てる時、元々そこには武家屋敷があって、それを取り壊したらしいんだけど…」
伊織「やたら頑丈な古井戸が残ってね…それだけは取り壊さずに床を張って隠しちゃったのよ…」
伊織「設計上はそこに切石をみっちり積んでいることになっていたから、警察は調べもしなかったってわけ…」
伊織「この西洋式の邸宅を建てる時、元々そこには武家屋敷があって、それを取り壊したらしいんだけど…」
伊織「やたら頑丈な古井戸が残ってね…それだけは取り壊さずに床を張って隠しちゃったのよ…」
伊織「設計上はそこに切石をみっちり積んでいることになっていたから、警察は調べもしなかったってわけ…」
333: 2015/09/05(土) 00:00:57.60
春香「…そ…それってまさか…」
千早「あまり想像したくはないけれど…」
やよい「貴音さん、赤ちゃんはどこに行っちゃったんでしょうね…?」
貴音「何も聞こえません…何も聞こえません…」ブツブツ…
真美「亜美ぃ…いおりんの話、メッチャ怖そうだよ…」
亜美「うぅ…亜美おトイレ行きたいのにぃ…」
千早「あまり想像したくはないけれど…」
やよい「貴音さん、赤ちゃんはどこに行っちゃったんでしょうね…?」
貴音「何も聞こえません…何も聞こえません…」ブツブツ…
真美「亜美ぃ…いおりんの話、メッチャ怖そうだよ…」
亜美「うぅ…亜美おトイレ行きたいのにぃ…」
334: 2015/09/05(土) 00:02:22.09
伊織「…結局、それから何年か後に、その床下は古井戸ごとコンクリートで埋められちゃうんだけど…」
伊織「しばらくして、使用人達は妙な『音』がすることに気づいたの…ほんの微かにだけど…少しずつ何かを削り取るような音が…」
伊織「主人の命令で原因を調べた始めたけど、建物の問題でもないし、害虫でもネズミでもなかった…」
伊織「そうしている間にも、音は近づいてくるように日に日に大きくなっていって…」
伊織「そしてある日、パッタリと止んだ…」
伊織「しばらくして、使用人達は妙な『音』がすることに気づいたの…ほんの微かにだけど…少しずつ何かを削り取るような音が…」
伊織「主人の命令で原因を調べた始めたけど、建物の問題でもないし、害虫でもネズミでもなかった…」
伊織「そうしている間にも、音は近づいてくるように日に日に大きくなっていって…」
伊織「そしてある日、パッタリと止んだ…」
335: 2015/09/05(土) 00:04:53.83
雪歩「はー…よかったぁ…」
真「いや、よくないよ…!絶対このあと怖いオチがくるんだよ…!」
伊織「…音が止んだちょうどその日、最後まで手をつけていなかった、あの古井戸がある部屋の床を剥がしていたんだけど…」
伊織「床板を剥がした使用人達は我が目を疑ったわ…」
伊織「だって…床下を全てコンクリートで埋めたはずなのに、あの古井戸の場所だけ、ぽっかりと口を開けていたんだから…」ユラリ…
真「いや、よくないよ…!絶対このあと怖いオチがくるんだよ…!」
伊織「…音が止んだちょうどその日、最後まで手をつけていなかった、あの古井戸がある部屋の床を剥がしていたんだけど…」
伊織「床板を剥がした使用人達は我が目を疑ったわ…」
伊織「だって…床下を全てコンクリートで埋めたはずなのに、あの古井戸の場所だけ、ぽっかりと口を開けていたんだから…」ユラリ…
336: 2015/09/05(土) 00:07:02.44
伊織「あまりの光景に呆然と立ち尽くしていると… 突 然 ッ !!」
一同〈ビクッ!!〉
伊織「耳を劈くような悲鳴が…屋敷中に響き渡った…!」
伊織「その悲鳴が誰のものかは明白だったわ…使用人達は急いで主人の部屋へと向かったのだけれど…」
伊織「主人は首から血を流して、惨たらしく氏んでいた…その顔は恐怖と激痛とに苦しみ歪んでいたらしいわ…」
一同〈ビクッ!!〉
伊織「耳を劈くような悲鳴が…屋敷中に響き渡った…!」
伊織「その悲鳴が誰のものかは明白だったわ…使用人達は急いで主人の部屋へと向かったのだけれど…」
伊織「主人は首から血を流して、惨たらしく氏んでいた…その顔は恐怖と激痛とに苦しみ歪んでいたらしいわ…」
337: 2015/09/05(土) 00:08:33.19
やよい「し、氏んじゃったんですか…?うぅ…怖いですぅ…」
春香「やよい、たぶん怖がるところがちょっと違うよ…」
やよい「え?でも氏んじゃったんですよ?春香さん、氏んじゃうの怖くないんですか…?」
春香「え?そりゃ…うん…怖いけど…うん…」
春香「やよい、たぶん怖がるところがちょっと違うよ…」
やよい「え?でも氏んじゃったんですよ?春香さん、氏んじゃうの怖くないんですか…?」
春香「え?そりゃ…うん…怖いけど…うん…」
338: 2015/09/05(土) 00:10:54.73
伊織「…でもね…使用人達が戦慄したのは、主人の苦悶の表情なんかじゃなかった…」
伊織「鮮血が滴る床に転々とする『紅葉』のような模様が、そのまま主人のいる場所に向かって這うようにべったりと付いていてね…」
伊織「血に塗れた主人の首には…まるで小さな手で掻き毟ったような、無数の引っ掻き傷がビッシリと…!」
貴音「」
伊織「鮮血が滴る床に転々とする『紅葉』のような模様が、そのまま主人のいる場所に向かって這うようにべったりと付いていてね…」
伊織「血に塗れた主人の首には…まるで小さな手で掻き毟ったような、無数の引っ掻き傷がビッシリと…!」
貴音「」
339: 2015/09/05(土) 00:14:27.25
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340: 2015/09/05(土) 00:15:58.94
伊織「そして…止んだと思っていた音がまた聞こえ始めたの…カリカリ…カリカリ…ってね…そう、ちょうど…」
伊織「主 人 が 氏 ん だ こ の 部 屋 の 、 あ の ド ア の と こ ろ か ら ね…!」
341: 2015/09/05(土) 00:17:32.45
カリカリカリカリ…
雪&真「いやぁあぁぁぁぁあああああああ!!!!!!」
亜美&真美「ギャアアアアアアアア!!!!!」
雪歩「…キュー…」バタリ
真「あぁっ!雪歩!ズルいよ!!ボクも気絶したいくらいなのにぃ…!!」
亜美「……あ」ジワ…
真美「あ!亜美ぃ…!」
雪&真「いやぁあぁぁぁぁあああああああ!!!!!!」
亜美&真美「ギャアアアアアアアア!!!!!」
雪歩「…キュー…」バタリ
真「あぁっ!雪歩!ズルいよ!!ボクも気絶したいくらいなのにぃ…!!」
亜美「……あ」ジワ…
真美「あ!亜美ぃ…!」
342: 2015/09/05(土) 00:19:17.03
伊織「にひひっ♪ちょっとやり過ぎたかしら♪」
真「ひ…ひどすぎるよ…!今日はみんなでお泊まりする予定なのに…こんな怪奇現象が起こる部屋で眠れるわけないよ…!!」
亜美「うぅ…ちょっとだけど出ちゃった…亜美もう中学生なのに…」グスッ…
伊織「はぁ…あんた達まだ気づいてないわけ…?」スタスタ…
真「ああっ!伊織何を…まさかドアを開けるつもりじゃ…!!!」
真美「うわぁ!!いおりんダメだよ!!殺人赤ちゃんが入ってきちゃうじゃん!!」
真「ひ…ひどすぎるよ…!今日はみんなでお泊まりする予定なのに…こんな怪奇現象が起こる部屋で眠れるわけないよ…!!」
亜美「うぅ…ちょっとだけど出ちゃった…亜美もう中学生なのに…」グスッ…
伊織「はぁ…あんた達まだ気づいてないわけ…?」スタスタ…
真「ああっ!伊織何を…まさかドアを開けるつもりじゃ…!!!」
真美「うわぁ!!いおりんダメだよ!!殺人赤ちゃんが入ってきちゃうじゃん!!」
343: 2015/09/05(土) 00:19:55.62
伊織「開けるわよ。いつまでもカリカリと音がしてたらうるさいでしょ?」
ガチャ
真美&真「うわぁぁぁぁあああっ!!!」
ハム蔵「ヂュッ!!」シュタタタタタタ…
真「……え……?」
真美「……ハム蔵…?」
ガチャ
真美&真「うわぁぁぁぁあああっ!!!」
ハム蔵「ヂュッ!!」シュタタタタタタ…
真「……え……?」
真美「……ハム蔵…?」
344: 2015/09/05(土) 00:20:58.40
春香「音の正体は…ハム蔵だったの…!?」
真「ど、どういうこと…だってあの話では…」
伊織「あんなの、即興の作り話に決まってるじゃない?」
真「え?……えぇーっ!?」
真「ど、どういうこと…だってあの話では…」
伊織「あんなの、即興の作り話に決まってるじゃない?」
真「え?……えぇーっ!?」
345: 2015/09/05(土) 00:21:55.65
伊織「ここに来た時に言ったはずよ、『私もよくは知らないんだけど』って…」
伊織「名前も知らない伯爵家のお家騒動なんて余計知るはずないじゃない…そもそもこの屋敷は移築したって言ったでしょ?」
伊織「さっきの話みたいないわく付きの屋敷をわざわざ移築するなんて、それどんな物好きよ…」
真「り…リアリティありすぎだよ…」ヘタリ…
真美「うぐぅ…ある意味いおりんが一番怖いYO…」
伊織「名前も知らない伯爵家のお家騒動なんて余計知るはずないじゃない…そもそもこの屋敷は移築したって言ったでしょ?」
伊織「さっきの話みたいないわく付きの屋敷をわざわざ移築するなんて、それどんな物好きよ…」
真「り…リアリティありすぎだよ…」ヘタリ…
真美「うぐぅ…ある意味いおりんが一番怖いYO…」
346: 2015/09/05(土) 00:32:58.45
やよい「ハム蔵がドアの向こうにいたってことは…響さんもやっぱり部屋の外に…」
春香「何も言わずにいなくなるなんて…本当におトイレでも探しに行っちゃったのかな…」
あずさ「あの~…もう怖いお話は終わったかしら~?」モゾモゾ…
千早「あずささん…!?そんなところに…!」
あずさ「私幽霊とか苦手だから…ついベッドの中に隠れちゃった…♪」
美希「ちょうどいい抱き枕だったの♪」
春香「何も言わずにいなくなるなんて…本当におトイレでも探しに行っちゃったのかな…」
あずさ「あの~…もう怖いお話は終わったかしら~?」モゾモゾ…
千早「あずささん…!?そんなところに…!」
あずさ「私幽霊とか苦手だから…ついベッドの中に隠れちゃった…♪」
美希「ちょうどいい抱き枕だったの♪」
347: 2015/09/05(土) 00:35:48.69
貴音「」
やよい「あぅぅ…貴音さん、しっかりしてください~…」
雪歩「」
真「起きてよ雪歩ぉ…」
真美「亜美…大丈夫…?」
亜美「うぅ…亜美、中学生でお漏らしなんて…もうお嫁に行けないかも…」グスグス
やよい「あぅぅ…貴音さん、しっかりしてください~…」
雪歩「」
真「起きてよ雪歩ぉ…」
真美「亜美…大丈夫…?」
亜美「うぅ…亜美、中学生でお漏らしなんて…もうお嫁に行けないかも…」グスグス
348: 2015/09/05(土) 00:36:41.65
春香「へ、平気だよこれくらい!意外とチョロッといくことはあるから…ね!千早ちゃん?」
千早「…え?そ、そうね…(普通はチョロッといくものなのかしら…?)」
春香「で、でしょー?(あれ?千早ちゃんリアクション薄いな…もしかしてチョロッといくのって普通じゃなかった…?)」
伊織「…ほ、ホントにちょっとやり過ぎたわね…」
千早「…え?そ、そうね…(普通はチョロッといくものなのかしら…?)」
春香「で、でしょー?(あれ?千早ちゃんリアクション薄いな…もしかしてチョロッといくのって普通じゃなかった…?)」
伊織「…ほ、ホントにちょっとやり過ぎたわね…」
349: 2015/09/05(土) 00:37:40.72
同時刻 離れの別の場所
響「……」
響「…上手くいったか…?」
響「おお、大丈夫そうだな…!」
響「…さて、問題は壺がどこにあるかだが…」
響「……」
響「…上手くいったか…?」
響「おお、大丈夫そうだな…!」
響「…さて、問題は壺がどこにあるかだが…」
350: 2015/09/05(土) 00:38:58.26
響「憑依に時間がかかったせいで、どうやらこの娘、朦朧状態で彷徨ったらしいな…」
響「千里眼を使って見ていた部屋の様子とはだいぶ違うようだ…」
響「憑依状態では千里眼は使えないし、とにかく探してみるか…適当に部屋を覗いていけばその内見つかるだろう…」ガチャ…
響「…な…なんだこの長い廊下と部屋の数は……!?」
響「千里眼を使って見ていた部屋の様子とはだいぶ違うようだ…」
響「憑依状態では千里眼は使えないし、とにかく探してみるか…適当に部屋を覗いていけばその内見つかるだろう…」ガチャ…
響「…な…なんだこの長い廊下と部屋の数は……!?」
351: 2015/09/05(土) 00:43:11.84
水瀬家敷地内 離れ やよいの部屋(借)
ハム蔵「ヂュッ!ジュジュー!ジュッジュ!ヂュジュジュッヂュジュー…」
ハム蔵「ジュジュジュッジュヂュー!ジュッヂュジューヂュジュッジュー…!」
ハム蔵「ヂュヂュ?ジュジュー?ジュジュー!…ジュジュヂュ…ヂュッヂュ!」
春香「ふんふん…なるへそなるへそ…!」
ハム蔵「ヂュッ!ジュジュー!ジュッジュ!ヂュジュジュッヂュジュー…」
ハム蔵「ジュジュジュッジュヂュー!ジュッヂュジューヂュジュッジュー…!」
ハム蔵「ヂュヂュ?ジュジュー?ジュジュー!…ジュジュヂュ…ヂュッヂュ!」
春香「ふんふん…なるへそなるへそ…!」
352: 2015/09/05(土) 00:44:30.07
千早「春香…さっきからハム蔵と会話しているように見えるけど…何か分かったのかしら…?」
亜美「…いつの間にハム蔵との会話スキルを…!」
真美「ひびきんレベルの個性をゲットするなんて…はるるんはやれば出来る子だって、真美はずっと思ってたYO…!」ウンウン
やよい「うっうー!春香さんすごいですー!」
亜美「…いつの間にハム蔵との会話スキルを…!」
真美「ひびきんレベルの個性をゲットするなんて…はるるんはやれば出来る子だって、真美はずっと思ってたYO…!」ウンウン
やよい「うっうー!春香さんすごいですー!」
353: 2015/09/05(土) 00:45:41.67
春香「…みんな聞いて、大体分かったわ…」
春香「何一つ分からない…ということがね…!」Σdのヮの
美希「その答えも大体分かってたの…」
あずさ「やっぱり、響ちゃんがいないと難しいわよねぇ…」
春香「何一つ分からない…ということがね…!」Σdのヮの
美希「その答えも大体分かってたの…」
あずさ「やっぱり、響ちゃんがいないと難しいわよねぇ…」
354: 2015/09/05(土) 00:47:23.55
貴音「……はっ…わたくしは一体…」
やよい「あ、貴音さん気がついたんですね!良かったですぅ…」
貴音「やよい…あのような惨劇がこの屋敷で起きたとは…嗚呼…なんと恐ろしい…!」
やよい「あ、あれは伊織ちゃんの作り話ですから大丈夫です!赤ちゃんは無事ですから!」
伊織「だから、そんな赤ん坊最初からいないんだってば…!」
やよい「あ、貴音さん気がついたんですね!良かったですぅ…」
貴音「やよい…あのような惨劇がこの屋敷で起きたとは…嗚呼…なんと恐ろしい…!」
やよい「あ、あれは伊織ちゃんの作り話ですから大丈夫です!赤ちゃんは無事ですから!」
伊織「だから、そんな赤ん坊最初からいないんだってば…!」
355: 2015/09/05(土) 00:57:54.37
真「…雪歩はまだ気絶したままだし…みんなで手分けして響を探しに行ければよかったんだけど…」
伊織「…仕方ないわね…大体の間取りくらいは分かるから、私が探しに行くわ…」
伊織「…春香と千早も手伝ってちょうだい」
春香「え?私達?」
千早「別に構わないけれど…」
伊織「…仕方ないわね…大体の間取りくらいは分かるから、私が探しに行くわ…」
伊織「…春香と千早も手伝ってちょうだい」
春香「え?私達?」
千早「別に構わないけれど…」
356: 2015/09/05(土) 00:59:49.90
真美「水瀬いおりん探検隊というわけですな、亜美隊員…!」
亜美「我々はついに!人類未踏の奥地に足を踏み入れるのだよ真美隊員…!」」
真美「大富豪の古びた洋館に、幻の獣人ヒビゴンは実在した!!」
あずさ「うふふ♪面白そうだから私も…」
亜美「我々はついに!人類未踏の奥地に足を踏み入れるのだよ真美隊員…!」」
真美「大富豪の古びた洋館に、幻の獣人ヒビゴンは実在した!!」
あずさ「うふふ♪面白そうだから私も…」
357: 2015/09/05(土) 01:02:33.24
伊織「却下!却下よ!わざわざ行方不明者増やしてどうすんのよ!」
伊織「私達3人で探しに行くから、残りはここで待ってなさい」
伊織「特に!あずさ、亜美、真美はフラフラ出歩かないこと!わかったわね?」
伊織「…さ、春香、千早、行きましょ」
伊織「私達3人で探しに行くから、残りはここで待ってなさい」
伊織「特に!あずさ、亜美、真美はフラフラ出歩かないこと!わかったわね?」
伊織「…さ、春香、千早、行きましょ」
358: 2015/09/05(土) 01:05:41.25
ガチャ…バタン…
真美「あーあー…真美も探検したかったのにぃ…」
亜美「亜美達そんなに信用ないのかなぁ?」
あずさ「そうよねぇ、ちょっと響ちゃんを探すくらい…」
亜美&真美「いやいや、あずさお姉ちゃんはダメっしょ…」
あずさ「ふ、二人ともひどいわぁ~…」
真美「あーあー…真美も探検したかったのにぃ…」
亜美「亜美達そんなに信用ないのかなぁ?」
あずさ「そうよねぇ、ちょっと響ちゃんを探すくらい…」
亜美&真美「いやいや、あずさお姉ちゃんはダメっしょ…」
あずさ「ふ、二人ともひどいわぁ~…」
370: 2015/09/15(火) 01:39:44.46
ガチャ…
響「ここは……違うか…」バタン
響「一旦この体から離れて部屋に戻るのを待つか…」
響「いや、そもそもこの子も元の部屋の位置を分かっていなさそうだな…」
響「…ん?…誰か来る…!」
響「ここは……違うか…」バタン
響「一旦この体から離れて部屋に戻るのを待つか…」
響「いや、そもそもこの子も元の部屋の位置を分かっていなさそうだな…」
響「…ん?…誰か来る…!」
371: 2015/09/15(火) 01:40:26.82
春香「はぇ~…本当に広いよね…このお屋敷…」
伊織「昔は今より使用人が多くて、この離れの半分も使用人達の住む場所として使われていたらしいわ」
伊織「確か…部屋数だけなら本邸以上だって、新堂がそんなこと言ってたわ」
伊織「ま、結局そのせいで小さな部屋ばっかりやたら多くて、何かと使いづらいんだけどね…」
伊織「昔は今より使用人が多くて、この離れの半分も使用人達の住む場所として使われていたらしいわ」
伊織「確か…部屋数だけなら本邸以上だって、新堂がそんなこと言ってたわ」
伊織「ま、結局そのせいで小さな部屋ばっかりやたら多くて、何かと使いづらいんだけどね…」
372: 2015/09/15(火) 01:41:01.80
春香(私の部屋よりもはるかに広いことは、心の中に留めておこう…)
春香「…それにしても、響ちゃんどこまで行っちゃったんだろ…」
千早「もしかして別の階に行ったのかしら…」
伊織「はぁ…じゃあ一階から順に探してみる?」
春香「…それにしても、響ちゃんどこまで行っちゃったんだろ…」
千早「もしかして別の階に行ったのかしら…」
伊織「はぁ…じゃあ一階から順に探してみる?」
373: 2015/09/15(火) 01:43:24.47
響「あれは確か…天海春香に如月千早…そして水瀬家の令嬢、水瀬伊織…」
響「なるほど…我那覇響を探しに来たのか…」
響「…ん?待てよ…今の私はその『我那覇響』本人なのだから、何もコソコソ隠れる必要などないじゃないか…!」
響「フフフ…むしろ渡りに船とはこのことだ。連中について行けば、壺の在処もわかるだろう」
響「…壺を奪い返し、高槻やよいも我が手中に…!」
響「なるほど…我那覇響を探しに来たのか…」
響「…ん?待てよ…今の私はその『我那覇響』本人なのだから、何もコソコソ隠れる必要などないじゃないか…!」
響「フフフ…むしろ渡りに船とはこのことだ。連中について行けば、壺の在処もわかるだろう」
響「…壺を奪い返し、高槻やよいも我が手中に…!」
374: 2015/09/15(火) 01:44:17.39
響「よし…ファイルに書いてあった通りにやれば怪しまれることはないだろう…」
響「どれ、昔取った杵柄だ…」
響「あー、あー、うぉっほん!」バッ
響「はいさーい、自分、我那覇響だぞー!」
響「どれ、昔取った杵柄だ…」
響「あー、あー、うぉっほん!」バッ
響「はいさーい、自分、我那覇響だぞー!」
375: 2015/09/15(火) 01:45:10.60
千早「あ、我那覇さん…!」
伊織「ったくもう!どこ行ってたのよ!」
響「すまな…ご、ごめん、トイレ探してたら迷っちゃって…」
春香「あ、やっぱりそうだったんだ!…よかったぁ…何事もなくて」
伊織「ったくもう!どこ行ってたのよ!」
響「すまな…ご、ごめん、トイレ探してたら迷っちゃって…」
春香「あ、やっぱりそうだったんだ!…よかったぁ…何事もなくて」
376: 2015/09/15(火) 01:45:58.81
伊織「無事見つかったことだし、さっさと戻りましょ」
春香「そうだね!ハム蔵も心配してるだろうし…」
響「…はむぞー?そんな名前のアイドルいたかな…?」
春香「へ…?」
千早「…我那覇さん…?今なんて…」
春香「そうだね!ハム蔵も心配してるだろうし…」
響「…はむぞー?そんな名前のアイドルいたかな…?」
春香「へ…?」
千早「…我那覇さん…?今なんて…」
377: 2015/09/15(火) 01:47:01.72
伊織「何寝ぼけたこと言ってんのよ?自分が飼ってるペットの名前も忘れたの?」
響「!?……あ、ああ!はむぞーかー!そ、そんなのいたなー!たった今思い出したぞ!あ、あはは…は…」
響(しまった…!ペットを大量に飼っているとは書いてあったが…まさか連れてきているとは…!)
響(はむぞー…ハム…ブタか何かか…?)
響「!?……あ、ああ!はむぞーかー!そ、そんなのいたなー!たった今思い出したぞ!あ、あはは…は…」
響(しまった…!ペットを大量に飼っているとは書いてあったが…まさか連れてきているとは…!)
響(はむぞー…ハム…ブタか何かか…?)
378: 2015/09/15(火) 01:47:52.64
春香「…ねぇ、千早ちゃん、伊織、ちょっと…ちょっとだけこっちに…」グイッ
伊織「ちょ、何なのよ…」
千早「春香…?」
春香「あ、響ちゃんはちょっと待っててね…」
響(マズいな…今ので完全に怪しまれてしまった…!)
伊織「ちょ、何なのよ…」
千早「春香…?」
春香「あ、響ちゃんはちょっと待っててね…」
響(マズいな…今ので完全に怪しまれてしまった…!)
379: 2015/09/15(火) 01:48:40.98
春香「…ねぇ…響ちゃんがハム蔵の名前を忘れるなんて、あり得ると思う…?」
伊織「あり得るも何も、さっき完全に忘れてたじゃない…」
春香「たとえば、冗談で言ってみたとか…」
千早「…冗談でとぼけてみたって感じには見えなかったけど…」
伊織「あり得るも何も、さっき完全に忘れてたじゃない…」
春香「たとえば、冗談で言ってみたとか…」
千早「…冗談でとぼけてみたって感じには見えなかったけど…」
380: 2015/09/15(火) 01:49:30.74
春香「じゃあやっぱり…」
千早「春香、何か思い当たることでもあるの…?」
春香「ハム蔵の話を聞いてた時に思ったんだ…なんだか普段と様子が違うっていうか…」
千早「普段通り、身振り手振りでヂューヂュー言ってたようにしか見えなかったけど…」
千早「春香、何か思い当たることでもあるの…?」
春香「ハム蔵の話を聞いてた時に思ったんだ…なんだか普段と様子が違うっていうか…」
千早「普段通り、身振り手振りでヂューヂュー言ってたようにしか見えなかったけど…」
381: 2015/09/15(火) 01:50:14.77
春香「それはそうなんだけど…なんか必氏というか焦っている感じで…」
春香「それとさっきの響ちゃんの発言を併せて考えると…」
千&伊「考えると?」
春香「響ちゃん、きっとハム蔵とケンカしたんだよ…!」
春香「それとさっきの響ちゃんの発言を併せて考えると…」
千&伊「考えると?」
春香「響ちゃん、きっとハム蔵とケンカしたんだよ…!」
382: 2015/09/15(火) 01:58:01.47
伊織「あのふたり、ケンカなんてしょっちゅうしてない?」
春香「それは、ケンカって言っても軽いノリのやつでしょ…」
春香「ハム蔵を『そんなのいたなー』なんて言う響ちゃん、絶対普通じゃないよ!」
千早「だとしたら、相当深刻なケンカなのかも知れないわね…」
春香「今あの状態で部屋に戻ったら、ハム蔵と険悪なムードになっちゃうかも…」
春香「それは、ケンカって言っても軽いノリのやつでしょ…」
春香「ハム蔵を『そんなのいたなー』なんて言う響ちゃん、絶対普通じゃないよ!」
千早「だとしたら、相当深刻なケンカなのかも知れないわね…」
春香「今あの状態で部屋に戻ったら、ハム蔵と険悪なムードになっちゃうかも…」
383: 2015/09/15(火) 01:58:41.93
伊織「やよいを元気付けようとしてみんなを呼んだのに、そんなことになったら台無しじゃない…!」
春香「でしょ?だからさ…」ゴニョゴニョ
伊織「…それ、ちょっとストレートすぎない?」
春香「でも、響ちゃんに回りくどい言い方はかえってややこしくなりそうで…」
千早「…そうね、我那覇さんにはそれくらい直接的に聞いた方が、後腐れがなくて良いんじゃないかしら」
春香「でしょ?だからさ…」ゴニョゴニョ
伊織「…それ、ちょっとストレートすぎない?」
春香「でも、響ちゃんに回りくどい言い方はかえってややこしくなりそうで…」
千早「…そうね、我那覇さんにはそれくらい直接的に聞いた方が、後腐れがなくて良いんじゃないかしら」
384: 2015/09/15(火) 01:59:26.23
響(…ん?こっちに戻ってくるな…一体何を話していたんだ…)
春香「…あのね、響ちゃん…」
千早「今、少し話し合ったんだけれど…」
伊織「…響、私達に何か隠し事してるんじゃない…?」
響「ドキッ…!」
春香「…あのね、響ちゃん…」
千早「今、少し話し合ったんだけれど…」
伊織「…響、私達に何か隠し事してるんじゃない…?」
響「ドキッ…!」
385: 2015/09/15(火) 02:02:04.22
春香「もしそうなら、正直に話して欲しいな…なんて…(今ドキッて口で言った…)」
響「そうか…いつ気づいたんだ…?」
春香「えーとその…響ちゃんとはぐれたハム蔵の様子がおかしかったから…もしかしてと思って…」
響「…それだけか?」
春香「響ちゃんのハム蔵に対する態度も…その…いつもと違うみたいだったから…」
響「そうか…いつ気づいたんだ…?」
春香「えーとその…響ちゃんとはぐれたハム蔵の様子がおかしかったから…もしかしてと思って…」
響「…それだけか?」
春香「響ちゃんのハム蔵に対する態度も…その…いつもと違うみたいだったから…」
386: 2015/09/15(火) 02:02:35.53
響「なるほど…これはトンだ誤算だったな…ブタだけに…」ボソッ
春香「え?」
伊織「?」
千早「…ブタ…?」
春香「え?」
伊織「?」
千早「…ブタ…?」
387: 2015/09/15(火) 02:08:13.56
響「ふ…今さらとぼける必要もあるまい…」
響「私も焼きが回ったものだ…まさか、こんな小娘共に早々に正体がバレるとはな…!」
春香「ひ、響ちゃん、急にどうしたの…!?」
響「白々しい真似はよせ天海春香よ…我が正体を見破ったからには、多少は貴様にも通力の心得が…」
響「私も焼きが回ったものだ…まさか、こんな小娘共に早々に正体がバレるとはな…!」
春香「ひ、響ちゃん、急にどうしたの…!?」
響「白々しい真似はよせ天海春香よ…我が正体を見破ったからには、多少は貴様にも通力の心得が…」
388: 2015/09/15(火) 02:10:52.83
シュタッ!
ハム蔵「ヂュッ!!」ボフッ
響「はむぅう゛ぁっ!?前が見えな…!」
春香「うわっ!?…ってあれ?」
伊織「ハム蔵!?」
千早「ハム蔵がどうしてここに…?」
ハム蔵「ヂュッ!!」ボフッ
響「はむぅう゛ぁっ!?前が見えな…!」
春香「うわっ!?…ってあれ?」
伊織「ハム蔵!?」
千早「ハム蔵がどうしてここに…?」
389: 2015/09/15(火) 02:13:01.95
亜美「真美ぃー!こっちにいたYO!」
真美「よくやったハム蔵隊員!」
伊織「亜美!真美!部屋で待ってろって言ったのに…!」
真美「いやー、違うんだよいおりーん…真美がね、ちょぉーっと部屋の外を見ようと思ってドア開けたらさ…」
亜美「ハム蔵が外に飛び出しちゃったから、そのまま追いかけてきたっちゅーわけだよ、うん」
真美「よくやったハム蔵隊員!」
伊織「亜美!真美!部屋で待ってろって言ったのに…!」
真美「いやー、違うんだよいおりーん…真美がね、ちょぉーっと部屋の外を見ようと思ってドア開けたらさ…」
亜美「ハム蔵が外に飛び出しちゃったから、そのまま追いかけてきたっちゅーわけだよ、うん」
390: 2015/09/15(火) 02:14:20.21
響「……ぷあっ!はぁはぁ…」
ハム蔵「ヂュイ!」ブラリン
響(…な!?これがはむぞー…?ブタじゃなくて、ハムスターだったのか…!)
ハム蔵「ヂュヂュイ!!」
響(…ん?このハムスター、我那覇響の様子がおかしいのを心配しているのか…)
ハム蔵「ヂュイ!」ブラリン
響(…な!?これがはむぞー…?ブタじゃなくて、ハムスターだったのか…!)
ハム蔵「ヂュヂュイ!!」
響(…ん?このハムスター、我那覇響の様子がおかしいのを心配しているのか…)
391: 2015/09/15(火) 02:15:58.57
亜美「ぜんぜん迷わずにひびきんのとこまでハムまっしぐらだったYO!」
真美「LOVEぅ…いわゆる愛の力ってやつですなぁ…」
春香「なんだ…私てっきり響ちゃんがハム蔵とケンカしたのかと…」
響(何…!?じゃあ正体が見破られたと思ったのは早合点だったのか…!)
真美「LOVEぅ…いわゆる愛の力ってやつですなぁ…」
春香「なんだ…私てっきり響ちゃんがハム蔵とケンカしたのかと…」
響(何…!?じゃあ正体が見破られたと思ったのは早合点だったのか…!)
392: 2015/09/15(火) 02:17:34.46
伊織「ちょっと響、さっき急にわけわからないこと言い出したけど、なんなのあれ?」
千早「確か…ブタがどうとか、正体を見破った…とかなんとか…」
春香「そうそう!突然でびっくりしちゃったよ…」
響「あ~…あれはだな…(何か適当にでっち上げねば…)」
千早「確か…ブタがどうとか、正体を見破った…とかなんとか…」
春香「そうそう!突然でびっくりしちゃったよ…」
響「あ~…あれはだな…(何か適当にでっち上げねば…)」
393: 2015/09/15(火) 02:29:48.55
響「と…トイレを探しに来て迷ったって言ったけど…本当は演技の練習がしたくて外に出たんだ!」
千早「我那覇さんが演技の練習を…?」
響「そうだぞ!さっきのも、ドラマのオーディション用台本にあった台詞なんだ!」
響「人前でもぶっつけでやってみたくて…驚かせてごめんね!」
千早「我那覇さんが演技の練習を…?」
響「そうだぞ!さっきのも、ドラマのオーディション用台本にあった台詞なんだ!」
響「人前でもぶっつけでやってみたくて…驚かせてごめんね!」
394: 2015/09/15(火) 02:31:58.95
伊織「なんだそうだったの…通りで珍妙な言い回しだと思ったわ…」ハァ…
響(珍妙だと…ぐぬぬ…!いやいやまてまて…こ、ここは堪えねば…!)
春香「もー、本当に驚いたよー!まるで何かに取り憑かれたみたいで…」
響「は、ははは…」ビクビク…
響(珍妙だと…ぐぬぬ…!いやいやまてまて…こ、ここは堪えねば…!)
春香「もー、本当に驚いたよー!まるで何かに取り憑かれたみたいで…」
響「は、ははは…」ビクビク…
395: 2015/09/15(火) 02:37:21.78
真美「んっふっふ~♪では無事発見ということで…」ジリ…
響「…え?」
亜美「ヒビゴン捕獲作戦発動!!」ブワッ!
響「うわっ!前が見えな…!!」
響「…え?」
亜美「ヒビゴン捕獲作戦発動!!」ブワッ!
響「うわっ!前が見えな…!!」
396: 2015/09/15(火) 02:38:13.19
真美「亜美ソッチ持って!グルグル巻きにすんよ!」ダッ!
亜美「ガッテン承知の助ー!!」
亜美&真美「うりゃぁぁぁあああああ!!」ダダダダダ!
響「うぎゃああああ!?やっ…やめろぉぉぉおお!!」ジタバタ
亜美「ガッテン承知の助ー!!」
亜美&真美「うりゃぁぁぁあああああ!!」ダダダダダ!
響「うぎゃああああ!?やっ…やめろぉぉぉおお!!」ジタバタ
397: 2015/09/15(火) 02:41:43.60
ビターン!
真美「…現在時刻ヒトマルマルマル!ヒビゴン捕獲確認!!」
亜美「やったね真美隊員!またしても人類の勝利だYO!」
春香「わ、わざわざシーツまで持ち出して…」
伊織「…で…こんなもん用意してるってことは…」ピクピク…
真美「…現在時刻ヒトマルマルマル!ヒビゴン捕獲確認!!」
亜美「やったね真美隊員!またしても人類の勝利だYO!」
春香「わ、わざわざシーツまで持ち出して…」
伊織「…で…こんなもん用意してるってことは…」ピクピク…
398: 2015/09/15(火) 02:43:56.81
伊織「あんた達ぃ!!やっぱりわざとハム蔵を逃がしたわねぇっ!?」クワッ!
亜美「うわぁっ!いおりん怒んないで!」
真美「亜美隊員!対いおりんフォーメーションで緊急離脱だ!」ダッ!
亜美「…ラジャー!!」ダッ!
伊織「な!二手に分かれるなんて反則よ!ちょ…待ちなさいッ!!」タッタッタ…
亜美「うわぁっ!いおりん怒んないで!」
真美「亜美隊員!対いおりんフォーメーションで緊急離脱だ!」ダッ!
亜美「…ラジャー!!」ダッ!
伊織「な!二手に分かれるなんて反則よ!ちょ…待ちなさいッ!!」タッタッタ…
399: 2015/09/15(火) 02:45:33.88
春香「伊織まで走って行っちゃった…ちゃんと部屋まで戻れるかなぁ…」
千早「春香…我那覇さん、大丈夫かしら…?」
春香「うわぁ…エジプトのミイラみたいになっちゃってるよ…」
響「…もふ…はえひはい…(もう…帰りたい…)」
千早「春香…我那覇さん、大丈夫かしら…?」
春香「うわぁ…エジプトのミイラみたいになっちゃってるよ…」
響「…もふ…はえひはい…(もう…帰りたい…)」
402: 2015/09/15(火) 03:29:54.14
やよいの部屋(借)
やよい「貴音さん…伊織ちゃんたち、なかなか戻ってきませんね…」
貴音「そうですね…何事もなければよいのですが…」
貴音「…ところでやよい、今何時(なんどき)か分かりますか?」
やよい「えと…この部屋の大っきな時計の針は、10時くらいをさしてます」
やよい「貴音さん…伊織ちゃんたち、なかなか戻ってきませんね…」
貴音「そうですね…何事もなければよいのですが…」
貴音「…ところでやよい、今何時(なんどき)か分かりますか?」
やよい「えと…この部屋の大っきな時計の針は、10時くらいをさしてます」
403: 2015/09/15(火) 03:30:41.45
貴音「では、もうそろそろ頃合いですね…」
貴音「やよい、後ろに置いてある紫の風呂敷包みを取っていただけますか?」
やよい「紫の……これですか?」
貴音「そうです。中の荷が崩れないよう、静かに解いてください…」
貴音「やよい、後ろに置いてある紫の風呂敷包みを取っていただけますか?」
やよい「紫の……これですか?」
貴音「そうです。中の荷が崩れないよう、静かに解いてください…」
404: 2015/09/15(火) 03:31:31.37
貴音「とても…とても大事なものですから…」
やよい「うぅ…そう言われると緊張しちゃいますー…」
シュル…シュルル…
やよい「…あっ…」
やよい「うぅ…そう言われると緊張しちゃいますー…」
シュル…シュルル…
やよい「…あっ…」
405: 2015/09/15(火) 03:32:46.06
今日はここまで
シルバーウィークの間にもうちょっと進めたいな…
シルバーウィークの間にもうちょっと進めたいな…
410: 2015/10/03(土) 16:24:53.63
やよい「あのかきつばたの花…それに…」
貴音「そう…あの日、やよいが持ってきた壺です…」
やよい「……」
貴音「ところで、どこか水を汲めるところはありますか?」
貴音「そう…あの日、やよいが持ってきた壺です…」
やよい「……」
貴音「ところで、どこか水を汲めるところはありますか?」
411: 2015/10/03(土) 16:25:36.82
やよい「…え?あっ…えと…新堂さんが置いてくれたウォーターサーバーが…」
やよい「あ、貴音さんの後ろにあるそれです!」
貴音「これですか…?わたくし、てっきり水槽か何かだと…」
やよい「えーと…ここのレバーを押すとお水が出てきます。こっちの赤い方はお湯で…」
貴音「なんと、お湯も出るのですか…!これはかっぷらぁめんを食べる時に便利ですね…」マジマジ
やよい「あ、貴音さんの後ろにあるそれです!」
貴音「これですか…?わたくし、てっきり水槽か何かだと…」
やよい「えーと…ここのレバーを押すとお水が出てきます。こっちの赤い方はお湯で…」
貴音「なんと、お湯も出るのですか…!これはかっぷらぁめんを食べる時に便利ですね…」マジマジ
412: 2015/10/03(土) 16:26:39.45
シャァァァ…
やよい「…あの…貴音さん…」
貴音「なんでしょう?」
やよい「お花はきれいですけど…なんで…どうしてその壺まで持ってきたんですか…」
やよい「…あの…貴音さん…」
貴音「なんでしょう?」
やよい「お花はきれいですけど…なんで…どうしてその壺まで持ってきたんですか…」
413: 2015/10/03(土) 16:28:28.80
貴音「…全ては壺から始まったこと故、やよいが快く思わないのは是非も無いことですが…」
貴音「目を背けたままでもいいので、少しばかり、わたくしの話を聞いていただけますか…?」
やよい「……はい」
貴音「先程皆の前で話した終わりの部分、わたくしが気を失う直前のくだりを憶えていますか?」
やよい「ええと…たしか、かきつばたのお花を枯らさないようにっておじいさんが…」
貴音「目を背けたままでもいいので、少しばかり、わたくしの話を聞いていただけますか…?」
やよい「……はい」
貴音「先程皆の前で話した終わりの部分、わたくしが気を失う直前のくだりを憶えていますか?」
やよい「ええと…たしか、かきつばたのお花を枯らさないようにっておじいさんが…」
414: 2015/10/03(土) 16:29:21.30
貴音「その通りです」
やよい「でも、それなら…」
貴音「花だけ別の器に移せば済むこと…何故に壺まで一緒なのかと…そう言いたいのですね」
やよい「はい…」
やよい「でも、それなら…」
貴音「花だけ別の器に移せば済むこと…何故に壺まで一緒なのかと…そう言いたいのですね」
やよい「はい…」
415: 2015/10/03(土) 16:30:21.34
貴音「六十郎殿は“壺に入った杜若を、水を絶やして枯らさぬよう”にと、そう仰いました」
貴音「この花は、わたくしのらぁめん探訪百回記念のお祝いとして、番組制作陣のご厚意から贈られたものです」
貴音「生花店等で市販されていたものでしょうから、この花自体が特別な力を持っているとは思えません」
貴音「壺の入手経緯の真偽は不明ですが、わたくし達の助けになる可能性があるとすれば…恐らく…」
貴音「この花は、わたくしのらぁめん探訪百回記念のお祝いとして、番組制作陣のご厚意から贈られたものです」
貴音「生花店等で市販されていたものでしょうから、この花自体が特別な力を持っているとは思えません」
貴音「壺の入手経緯の真偽は不明ですが、わたくし達の助けになる可能性があるとすれば…恐らく…」
416: 2015/10/03(土) 16:31:57.63
やよい「で、でも…私が『幸せを呼ぶ壺』だなんて言われて持ってきちゃったせいで…」
やよい「みんなにも…家族にも…迷惑かけちゃって…プロデューサーや律子さん、小鳥さんも大変な思いをしていて…」
やよい「全然幸せなんかじゃないです…こんなの不幸の壺です…」
貴音「…この壺が幸せや不幸を呼び込むものか否か…それはわたくしにも分かりません…しかし…」
やよい「みんなにも…家族にも…迷惑かけちゃって…プロデューサーや律子さん、小鳥さんも大変な思いをしていて…」
やよい「全然幸せなんかじゃないです…こんなの不幸の壺です…」
貴音「…この壺が幸せや不幸を呼び込むものか否か…それはわたくしにも分かりません…しかし…」
417: 2015/10/03(土) 16:33:52.48
貴音「単に『杜若の花』と言わず、『壺に入った杜若』と六十郎殿が言い及んだ事には、重要な意味が隠されているのではないかと…」
貴音「…それが、ここ数日間に思案した末の、わたくしの出した答えなのです」
やよい「重要な意味…ですか…?」
貴音「確実なものではありませんが…あの夜の体験以降抱いた疑問に対する、わたくしなりの推論です」
貴音「…それが、ここ数日間に思案した末の、わたくしの出した答えなのです」
やよい「重要な意味…ですか…?」
貴音「確実なものではありませんが…あの夜の体験以降抱いた疑問に対する、わたくしなりの推論です」
418: 2015/10/03(土) 16:39:49.73
貴音「そもそも、今の事態を六十郎殿が予見できていたのだとすれば、教団と接触する前にやよいを止めることも出来たはずです…」
やよい「でもそれは…」
貴音「勿論、その時点では後に起こる事態をまだ知らなかったとも考えられます…」
貴音「ですが…もし仮に、知りながらもそれが『出来なかった』のだとすれば…」
やよい「でもそれは…」
貴音「勿論、その時点では後に起こる事態をまだ知らなかったとも考えられます…」
貴音「ですが…もし仮に、知りながらもそれが『出来なかった』のだとすれば…」
419: 2015/10/03(土) 16:40:39.19
貴音「あの時点での六十郎殿は、その行動に何らかの制約を受けていたことになります」
貴音「しかし、そこからやよいの前に姿を現すまでの間に、その制約から解放された…」
貴音「その『間』に起こった、六十郎殿の助言と関わる出来事はただ一つ…」
やよい「その間に起こったこと…」
貴音「しかし、そこからやよいの前に姿を現すまでの間に、その制約から解放された…」
貴音「その『間』に起こった、六十郎殿の助言と関わる出来事はただ一つ…」
やよい「その間に起こったこと…」
420: 2015/10/03(土) 16:43:34.70
やよい「…私が壺を貰って…それを小鳥さんに渡して…」
貴音「受け取った小鳥嬢は、その壺に杜若の花を生けた…」
貴音「わたくし達に降りかかった災難も、六十郎殿という希望も、”全ては壺から始まった”のです…」
貴音「六十郎殿は自らの行動に再び制約がかかることを防ぐために、あのような助言をわたくしに残したのでしょう…」
貴音「受け取った小鳥嬢は、その壺に杜若の花を生けた…」
貴音「わたくし達に降りかかった災難も、六十郎殿という希望も、”全ては壺から始まった”のです…」
貴音「六十郎殿は自らの行動に再び制約がかかることを防ぐために、あのような助言をわたくしに残したのでしょう…」
421: 2015/10/03(土) 16:44:30.36
貴音「……そして……」スッ…
やよい「……貴音さん?」
貴音「どうやら…わたくしの推論は当たっていたようですね…」スタスタ…
やよい「あ!貴音さん!ま、待ってくださいー…!」アタフタ
やよい「……貴音さん?」
貴音「どうやら…わたくしの推論は当たっていたようですね…」スタスタ…
やよい「あ!貴音さん!ま、待ってくださいー…!」アタフタ
422: 2015/10/03(土) 16:45:36.70
真「…あ、貴音!雪歩ならたった今気がついたところで…」
雪歩「し、四条さん、心配かけてごめんなさい…!私本当にダメダメで…」
貴音「雪歩、気に病むことはありません。あのような恐ろしい話をまともに聞いたのですから、無理もありません…」
貴音「それはそれとして…そんなところに隠れていないで、出てきては如何ですか?」
雪歩「し、四条さん、心配かけてごめんなさい…!私本当にダメダメで…」
貴音「雪歩、気に病むことはありません。あのような恐ろしい話をまともに聞いたのですから、無理もありません…」
貴音「それはそれとして…そんなところに隠れていないで、出てきては如何ですか?」
423: 2015/10/03(土) 16:46:24.33
雪歩「…え?え?四条さん…?」
真「隠れてって…一体何を…」
モゾモゾ…
雪歩「ひっ…!」
真「うわっ!?ベッドの中に何かいる!?」
真「隠れてって…一体何を…」
モゾモゾ…
雪歩「ひっ…!」
真「うわっ!?ベッドの中に何かいる!?」
424: 2015/10/03(土) 16:47:44.67
「…今度はわしの方が見つかってしまったようじゃの…カッカッカ…」モゾモゾ
雪歩「ひぃっ!?毛布からおじいさんがーっ!!!わ、私…男の人と一緒にベッドに…」
雪歩「…キュゥ…」パタリ
真「ゆ、雪歩っ!!へ、変質者!?雪歩に手を出す気なら、お年寄りだって手加減はしないよ…!!」グッ
やよい「あっ!おじいさんっ!?」
雪歩「ひぃっ!?毛布からおじいさんがーっ!!!わ、私…男の人と一緒にベッドに…」
雪歩「…キュゥ…」パタリ
真「ゆ、雪歩っ!!へ、変質者!?雪歩に手を出す気なら、お年寄りだって手加減はしないよ…!!」グッ
やよい「あっ!おじいさんっ!?」
425: 2015/10/03(土) 16:48:41.46
六十郎「おお、やよいちゃんしばらくじゃのぅ…と言うても一週間も経っとらんか?」
真「お、おじいさんって…それじゃあこの人が例の仙人…?」
六十郎「仙人?ははぁ…さてはあの双子の嬢ちゃん達じゃな?よほどわしを仙人っちゅうことにしたいようじゃの」カッカッカ
貴音「今か今かと、首を長くしてお待ちしておりましたよ、六十郎殿…」
真「お、おじいさんって…それじゃあこの人が例の仙人…?」
六十郎「仙人?ははぁ…さてはあの双子の嬢ちゃん達じゃな?よほどわしを仙人っちゅうことにしたいようじゃの」カッカッカ
貴音「今か今かと、首を長くしてお待ちしておりましたよ、六十郎殿…」
426: 2015/10/03(土) 16:49:43.77
六十郎「貴音さんのような別嬪さんを待たせるとは、わしもつくづく罪な男よのぅ…」
六十郎「…なんてな。よっこらせっと…」
六十郎「それにしても、お前さんは本当に鋭いのぉ…この前会うた時より数段、研ぎ澄まされておる」
貴音「ふふ…六十郎殿のおかげです。あのような感覚は久しぶりでしたから、きっと良い刺激になったのでしょう…」
六十郎「今のお前さんなら、もう一つの方も気づいておるんじゃろ?」
貴音「ええ…先程まで六十郎殿の気配と混ざっていましたが…今ははっきりと…」
六十郎「…なんてな。よっこらせっと…」
六十郎「それにしても、お前さんは本当に鋭いのぉ…この前会うた時より数段、研ぎ澄まされておる」
貴音「ふふ…六十郎殿のおかげです。あのような感覚は久しぶりでしたから、きっと良い刺激になったのでしょう…」
六十郎「今のお前さんなら、もう一つの方も気づいておるんじゃろ?」
貴音「ええ…先程まで六十郎殿の気配と混ざっていましたが…今ははっきりと…」
427: 2015/10/03(土) 16:51:17.94
六十郎「ま、そっちは勝手にここまで来るじゃろうて…それよりも…」
六十郎「やよいちゃん、わしゃお前さんに謝らなければならん…」
六十郎「守りたい一心でやったこととはいえ、やよいちゃんに嘘をついてしまったのじゃからな…ほんに申し訳ないことをしたのぅ…」
やよい「あの…おじいさん…一つだけ聞いてもいいですか…?」
六十郎「…なんじゃ?」
六十郎「やよいちゃん、わしゃお前さんに謝らなければならん…」
六十郎「守りたい一心でやったこととはいえ、やよいちゃんに嘘をついてしまったのじゃからな…ほんに申し訳ないことをしたのぅ…」
やよい「あの…おじいさん…一つだけ聞いてもいいですか…?」
六十郎「…なんじゃ?」
428: 2015/10/03(土) 16:52:15.92
やよい「…私の作ったご飯をおいしいって食べてくれたこと…あれは…」
六十郎「あれは間違いなく、わしが今まで食べた中でも3本の指に入ろうかっちゅう、心も腹も満たされる美味しいご飯じゃったよ!」
やよい「…!」
六十郎「事食べ物に関して、わしは自分にも人にも嘘は言わん。握り飯一つとて疎かにはせんよ」
六十郎「あれは間違いなく、わしが今まで食べた中でも3本の指に入ろうかっちゅう、心も腹も満たされる美味しいご飯じゃったよ!」
やよい「…!」
六十郎「事食べ物に関して、わしは自分にも人にも嘘は言わん。握り飯一つとて疎かにはせんよ」
429: 2015/10/03(土) 16:54:42.52
美希「あふぅ…握り飯…おにぎり…どこなの…?」
あずさ「あら?美希ちゃん、お昼寝はもういいの?」
美希「…お昼寝の前にお昼ご飯なの。腹がへっては昼寝も出来ないって…」
美希「…あれ?あそこにいるの、この前のおじいちゃんなの…!」
あずさ「そうらしいわねぇ…なんだか、急に現れたみたいだけど…」
あずさ「あら?美希ちゃん、お昼寝はもういいの?」
美希「…お昼寝の前にお昼ご飯なの。腹がへっては昼寝も出来ないって…」
美希「…あれ?あそこにいるの、この前のおじいちゃんなの…!」
あずさ「そうらしいわねぇ…なんだか、急に現れたみたいだけど…」
430: 2015/10/03(土) 16:55:59.56
やよい「うっうー!それなら何も問題ないです!!だから、おじいさんももう気にしないでください!」
六十郎「そうかそうか…こちらこそありがとう、やよいちゃん」
真「あの…失礼ですけど、一体いつの間にベッドに潜り込んで…」
六十郎「ま、お嬢さんや、そういう些細なことはあまり気にしなさるな」
六十郎「そうかそうか…こちらこそありがとう、やよいちゃん」
真「あの…失礼ですけど、一体いつの間にベッドに潜り込んで…」
六十郎「ま、お嬢さんや、そういう些細なことはあまり気にしなさるな」
431: 2015/10/03(土) 16:57:09.99
真「…え?お嬢さんって…ボクが女の子だって知ってたの?」
六十郎「お前さんに会うたのも見たのも今日が初めてじゃが、一目見れば女の子とわかるわい」
六十郎「凜々しい中にも愛らしさを備えた、実に良い顔立ちをしておる」
真「ほ、本当ですか…?ボク、初対面の人にそんな風に言われたの初めてだなぁ…えっへへ…♪」
六十郎「お前さんに会うたのも見たのも今日が初めてじゃが、一目見れば女の子とわかるわい」
六十郎「凜々しい中にも愛らしさを備えた、実に良い顔立ちをしておる」
真「ほ、本当ですか…?ボク、初対面の人にそんな風に言われたの初めてだなぁ…えっへへ…♪」
432: 2015/10/03(土) 17:00:00.74
美希「おじいちゃん!ミキの真くんを誘惑しちゃダメー!」ムギュッ
真「うわっ!美希!?」
六十郎「おお、眠り姫のお嬢ちゃんか。誘惑とは心外じゃのぉ…わしゃこちらの真さんを『可愛らしいお嬢さんじゃなぁ』と、思うたことを述べたまでじゃ」
真「ま、参ったなぁ…可愛らしいだなんて…えへへ…♪///」テレテレ
美希「もー!真くんチョロすぎなの!!」
真「うわっ!美希!?」
六十郎「おお、眠り姫のお嬢ちゃんか。誘惑とは心外じゃのぉ…わしゃこちらの真さんを『可愛らしいお嬢さんじゃなぁ』と、思うたことを述べたまでじゃ」
真「ま、参ったなぁ…可愛らしいだなんて…えへへ…♪///」テレテレ
美希「もー!真くんチョロすぎなの!!」
433: 2015/10/03(土) 17:05:54.46
あずさ「初めまして~…三浦あずさと申します。お噂はかねがね…」
六十郎「ほぉ…あんたがあずささんか…!」
六十郎「やよいちゃんに聞いた通り、これまたえらい別嬪さんじゃのぉ…」
あずさ「まぁ…うふふ…ありがとうございます♪」
六十郎「ほぉ…あんたがあずささんか…!」
六十郎「やよいちゃんに聞いた通り、これまたえらい別嬪さんじゃのぉ…」
あずさ「まぁ…うふふ…ありがとうございます♪」
434: 2015/10/03(土) 17:06:40.37
六十郎「お前さんは『運命の人』を探しとるそうじゃが…本当かの?」
あずさ「はい…お恥ずかしい話ですが…」
六十郎「何を言いなさる、とても大切なことじゃよ…どうじゃ、わしが『運命の人』なんてことは…?」
あずさ「そうですねぇ…できれば、もう少し早くお会いしたかったかしら~♪」
六十郎「カッカッカ!こりゃ一本取られたわい。若い時にお前さんに逢うていればのぉ…」
あずさ「はい…お恥ずかしい話ですが…」
六十郎「何を言いなさる、とても大切なことじゃよ…どうじゃ、わしが『運命の人』なんてことは…?」
あずさ「そうですねぇ…できれば、もう少し早くお会いしたかったかしら~♪」
六十郎「カッカッカ!こりゃ一本取られたわい。若い時にお前さんに逢うていればのぉ…」
435: 2015/10/03(土) 17:07:44.03
貴音「六十郎殿…かなり近づいてきたようですが…」
六十郎「ふむ…もう間もなく此処へ着くようじゃな…ま、そう焦らんでも心構えさえあれば心配はいらん」
真「貴音…『もう一つの方』とか近づいてきたとか、さっきから一体何のこと…?」
貴音「今、わたくし達のいるこの部屋に面妖な気配が近づいているのです…」
六十郎「それもな、わしの見立てでは、どうもお前さん達の仲間の誰かに取り憑いておるようなんじゃよ
六十郎「ふむ…もう間もなく此処へ着くようじゃな…ま、そう焦らんでも心構えさえあれば心配はいらん」
真「貴音…『もう一つの方』とか近づいてきたとか、さっきから一体何のこと…?」
貴音「今、わたくし達のいるこの部屋に面妖な気配が近づいているのです…」
六十郎「それもな、わしの見立てでは、どうもお前さん達の仲間の誰かに取り憑いておるようなんじゃよ
436: 2015/10/03(土) 17:08:54.21
真「取り憑いてるって…それってその…お、怨霊とか妖怪みたいな…?」
貴音「…!ど、どうなのでしょう六十郎殿…?」
六十郎「いやいや、お前さん達が想像しているほど恐ろしげなものではないから安心せい」
六十郎「じゃが…少なくとも結界を張る位の心得はあるようじゃ…奴(やっこ)さんもわしがいることに気がつきおったわ」
貴音「確かに…気配を感じとれなくなりました…」
貴音「…!ど、どうなのでしょう六十郎殿…?」
六十郎「いやいや、お前さん達が想像しているほど恐ろしげなものではないから安心せい」
六十郎「じゃが…少なくとも結界を張る位の心得はあるようじゃ…奴(やっこ)さんもわしがいることに気がつきおったわ」
貴音「確かに…気配を感じとれなくなりました…」
437: 2015/10/03(土) 17:11:38.03
六十郎「貴音さんや…わしの代わりに戻ってきたお仲間に、こう伝えて欲しいんじゃ…」
六十郎「ここ数日の間、お前さん達は各々、苦しく辛い思いをしてきたじゃろうが、それでもまだ人の世の出来事に過ぎん…」
六十郎「ここからはな、『この世の理』っちゅうやつが、少しの間通用せんことになるかも知れん…」
六十郎「何が起きても取り乱さぬ様、心構えが肝心じゃ…とな…」
六十郎「ここ数日の間、お前さん達は各々、苦しく辛い思いをしてきたじゃろうが、それでもまだ人の世の出来事に過ぎん…」
六十郎「ここからはな、『この世の理』っちゅうやつが、少しの間通用せんことになるかも知れん…」
六十郎「何が起きても取り乱さぬ様、心構えが肝心じゃ…とな…」
438: 2015/10/03(土) 17:12:25.63
貴音「また、どこかへ行かれるのですか…?」
六十郎「あの教団の輩に妙な動きがあっての…なぁに、ほんの『挨拶』程度じゃ、心配はいらん」
六十郎「それと…やよいちゃんや」
やよい「う?なんですか?」
六十郎「あの教団の輩に妙な動きがあっての…なぁに、ほんの『挨拶』程度じゃ、心配はいらん」
六十郎「それと…やよいちゃんや」
やよい「う?なんですか?」
439: 2015/10/03(土) 17:13:03.92
六十郎「あの若いの…『プロデーサー』じゃったかの…?」
やよい「プロデューサーがどうかしたんですか…?」
六十郎「もしかするとな、やよいちゃんに突拍子もないことを言ってくるかも知れんが…」
六十郎「その時はな、プロデーサーを信じてついていくと吉じゃ」
やよい「プロデューサーがどうかしたんですか…?」
六十郎「もしかするとな、やよいちゃんに突拍子もないことを言ってくるかも知れんが…」
六十郎「その時はな、プロデーサーを信じてついていくと吉じゃ」
440: 2015/10/03(土) 17:14:24.82
やよい「吉…?なんだか、おみくじみたいですね?」
六十郎「御神籤か…カッカッカ…如何にも如何にも…」
六十郎「どれ…そろそろ行くとするかの…」
やよい「あの…また会えますよね…?」
六十郎「勿論じゃとも」ニコリ
六十郎「御神籤か…カッカッカ…如何にも如何にも…」
六十郎「どれ…そろそろ行くとするかの…」
やよい「あの…また会えますよね…?」
六十郎「勿論じゃとも」ニコリ
441: 2015/10/03(土) 17:15:05.64
バァン!!
一同「!?」
亜美「とうちゃ→く!!」
真美「作成大成功!いおりんを振り切ったぜぃ!!」
やよい「亜美!真美!」
真「妙に大人しいなと思ったら…部屋の外に出てたのか…!」
伊織「はぁはぁ…アンタ達卑怯よ…こっちはヒール履いてんだからね…」グッタリ
一同「!?」
亜美「とうちゃ→く!!」
真美「作成大成功!いおりんを振り切ったぜぃ!!」
やよい「亜美!真美!」
真「妙に大人しいなと思ったら…部屋の外に出てたのか…!」
伊織「はぁはぁ…アンタ達卑怯よ…こっちはヒール履いてんだからね…」グッタリ
442: 2015/10/03(土) 17:16:32.48
貴音「春香や千早、それに響はどうしたのですか?」
伊織「…へ?どうしたってちゃんと響を見つけて……」
伊織「…しまった!三人とも置いてきちゃったわ!」
亜美「いおりんはオッチョコチョイだねぃ~」
伊織「誰のせいだと思ってんのよ!」
伊織「…へ?どうしたってちゃんと響を見つけて……」
伊織「…しまった!三人とも置いてきちゃったわ!」
亜美「いおりんはオッチョコチョイだねぃ~」
伊織「誰のせいだと思ってんのよ!」
443: 2015/10/03(土) 17:21:00.88
あずさ「春香ちゃん達、大丈夫かしら~?」
真美(たぶん、あずさお姉ちゃんよりは大丈夫だと思うよ…)
真「…ん?廊下の奥の方にいるの、ほらあれ、春香達じゃないかな…?」
美希「ドコドコー?…あ、本当だ!」
真美「はるるーん!こっちこっち!」
真美(たぶん、あずさお姉ちゃんよりは大丈夫だと思うよ…)
真「…ん?廊下の奥の方にいるの、ほらあれ、春香達じゃないかな…?」
美希「ドコドコー?…あ、本当だ!」
真美「はるるーん!こっちこっち!」
444: 2015/10/03(土) 17:21:57.02
春香「あ、真美が手振ってる!良かったー…なんとか辿り着けたよ…」
千早「ハム蔵が教えてくれた道順、合っていたみたいね」
ハム蔵「ヂュ!」ドヤァ
響「……」
響(何だったんださっきの気配は…あれは人のものではなかったが…まさか…)
千早「ハム蔵が教えてくれた道順、合っていたみたいね」
ハム蔵「ヂュ!」ドヤァ
響「……」
響(何だったんださっきの気配は…あれは人のものではなかったが…まさか…)
446: 2015/10/03(土) 17:24:59.66
春香「…?響ちゃんどうかしたの?深刻な顔して…」
春香「あ、もしかしてさっきの亜美真美のイタズラの事、まだ怒ってたり…」
響「え?…ああ!ぜ、全然気にしてないぞ!それより早く行こうよ!」ダッ
春香「え!?ちょっと待って響ちゃん!」ダッ
千早「…何も春香まで走らなくても…」
春香「あ、もしかしてさっきの亜美真美のイタズラの事、まだ怒ってたり…」
響「え?…ああ!ぜ、全然気にしてないぞ!それより早く行こうよ!」ダッ
春香「え!?ちょっと待って響ちゃん!」ダッ
千早「…何も春香まで走らなくても…」
447: 2015/10/03(土) 17:27:16.49
貴音「…三人しか居ないはずなのにぼんやりとした人影が六つも…面妖な…!」
真美「お姫ちーん、たぶんソレ、近づいてきた時には三人になってると思うYO」
やよい「おじいさん、千早さんと響さんには初めて会いますよね?」クルッ
やよい「…あれ?おじいさん…?」キョロキョロ
真美「お姫ちーん、たぶんソレ、近づいてきた時には三人になってると思うYO」
やよい「おじいさん、千早さんと響さんには初めて会いますよね?」クルッ
やよい「…あれ?おじいさん…?」キョロキョロ
449: 2015/10/03(土) 17:36:25.16
LHS本部地下 教団秘密青年隊「サンズ・オブ・L」修練所
隊長「…というわけで、今朝、ラダークの助力を得た代口様御自らが、やよい様の居所を突き止めてくださった」
隊長「水瀬財閥はゲネゲに惑わされて、我が教団とやよい様を貶めた上、あろう事かやよい様を監禁するに至った」
隊長「我が教団は、大宇宙と地上の偉大なる創造者にして、理性と愛の守護者たるラダークの加護の下にある」
隊長「中でも諸君らは、ゲネゲの眷属を武を持って打ち倒すという、重大かつ神聖な使命を与えられている」
隊長「…というわけで、今朝、ラダークの助力を得た代口様御自らが、やよい様の居所を突き止めてくださった」
隊長「水瀬財閥はゲネゲに惑わされて、我が教団とやよい様を貶めた上、あろう事かやよい様を監禁するに至った」
隊長「我が教団は、大宇宙と地上の偉大なる創造者にして、理性と愛の守護者たるラダークの加護の下にある」
隊長「中でも諸君らは、ゲネゲの眷属を武を持って打ち倒すという、重大かつ神聖な使命を与えられている」
450: 2015/10/03(土) 17:39:15.88
隊長「…この任に就くため、諸君らが教団に属しているという一切の書類は無く、位階も与えられていない」
隊長「だがしかし…いや、だからこそ!自らを贄とする諸君らには”ラダークの息子達”という栄誉の名が冠されたのだ!」
隊長「間違いなく諸君らこそ、人々が幸せを享受する世を築くために、ラダークによって生を受けた破邪顕正の尖兵である!」
隊長「ハッピネス!!ラダークに栄光あれ!」
隊員達「ハッピネス!ハッピネス!ハッピネス!」
隊長「だがしかし…いや、だからこそ!自らを贄とする諸君らには”ラダークの息子達”という栄誉の名が冠されたのだ!」
隊長「間違いなく諸君らこそ、人々が幸せを享受する世を築くために、ラダークによって生を受けた破邪顕正の尖兵である!」
隊長「ハッピネス!!ラダークに栄光あれ!」
隊員達「ハッピネス!ハッピネス!ハッピネス!」
451: 2015/10/03(土) 17:40:30.30
隊長「…今後別命が下されない限り、きっかり正午に「やよい様救出作戦」を決行する…!」
隊長「最後に、敵に拘束されそうになった場合は、聖なる教えに基づいて『自力解決』するように」
隊長「決して教団との繋がりを漏らさぬ様、各人に厳命する…!」
隊長「ブリーフィングは以上だが…作戦内容について不明点がある者はいるか?」
隊長「最後に、敵に拘束されそうになった場合は、聖なる教えに基づいて『自力解決』するように」
隊長「決して教団との繋がりを漏らさぬ様、各人に厳命する…!」
隊長「ブリーフィングは以上だが…作戦内容について不明点がある者はいるか?」
452: 2015/10/03(土) 17:43:50.79
「隊長さんや、一つ聞いてもいいかの?」
隊長「…ん?誰だそんな口の利き方をする奴は…!」
「わしじゃ、ホレ、ここにおるじゃろ?ここじゃって!」
「まったく、お主ら揃いも揃って体がでか過ぎじゃわい…」
隊員A「うわっ!?なんだこのじいさん!」
隊員B「い、いつの間に隊列の中に…!」
隊長「…ん?誰だそんな口の利き方をする奴は…!」
「わしじゃ、ホレ、ここにおるじゃろ?ここじゃって!」
「まったく、お主ら揃いも揃って体がでか過ぎじゃわい…」
隊員A「うわっ!?なんだこのじいさん!」
隊員B「い、いつの間に隊列の中に…!」
453: 2015/10/03(土) 17:49:22.12
隊長「…!?部外者が何故ここに…!一体何者だ!」
六十郎「わしか?わしはな、越後のちりめん問屋の隠居で、光右衛門と申す…なんてな!」カッカッカ
六十郎「ところで、お主ら何人くらいいるんかの?わしゃ背が低くてここからではよう分からんので教えて欲しいんじゃが…」
隊長「…っ!!ふざけやがって…おい!その爺を拘束しろ!!」
六十郎「わしか?わしはな、越後のちりめん問屋の隠居で、光右衛門と申す…なんてな!」カッカッカ
六十郎「ところで、お主ら何人くらいいるんかの?わしゃ背が低くてここからではよう分からんので教えて欲しいんじゃが…」
隊長「…っ!!ふざけやがって…おい!その爺を拘束しろ!!」
454: 2015/10/03(土) 17:50:35.31
隊員C「ハッ!おい爺!大人しくしろ…って…あら…?」
隊員D「きっ…消えたッ…!?」
隊員A「どこに行った…って!?…た、隊長殿…!後ろ後ろ!」
隊長「何?後ろがどうした…」
隊員D「きっ…消えたッ…!?」
隊員A「どこに行った…って!?…た、隊長殿…!後ろ後ろ!」
隊長「何?後ろがどうした…」
455: 2015/10/03(土) 17:52:06.61
六十郎「別に消えとりゃせんわい」ヌッ
隊長「なっ…!どうして…!!…っとっとっ…のわっ!」ドタン!
隊員A「隊長殿!大丈夫でありますか!?」
六十郎「おお、スマンのぅ…この壇上から見た方が、お主らの数がわかるかと思うてな…」
六十郎「ひぃふぅみぃ……はぁ…三十人か…こりゃ思ったより多いのぅ…」
隊長「なっ…!どうして…!!…っとっとっ…のわっ!」ドタン!
隊員A「隊長殿!大丈夫でありますか!?」
六十郎「おお、スマンのぅ…この壇上から見た方が、お主らの数がわかるかと思うてな…」
六十郎「ひぃふぅみぃ……はぁ…三十人か…こりゃ思ったより多いのぅ…」
456: 2015/10/03(土) 17:55:33.84
隊長「くそっ…この爺妙なトリックを使うぞ…構わん!撃ち殺せ!!」
ジャカッ!
六十郎「初対面の老人を撃ち殺せとは、まったく物騒な連中じゃわい…」
ダダダダダダダダダダダッ!!!!
チリンチリンチリンチリンチリンッ!!!!
チリーン…カラカラ…カラン……
ジャカッ!
六十郎「初対面の老人を撃ち殺せとは、まったく物騒な連中じゃわい…」
ダダダダダダダダダダダッ!!!!
チリンチリンチリンチリンチリンッ!!!!
チリーン…カラカラ…カラン……
457: 2015/10/03(土) 17:56:57.44
六十郎「……なんじゃ?もう終わりかの?こんなもんじゃ肩のこりすらとれんぞ」
隊員B「ぜ、全然効いてない…!?」
隊員E「傷一つ無い…ば…化物…!!」
隊長「…トリックだ!トリックに決まっている!もっとぶち込むんだ!!頭を狙え頭を!」
隊員B「ぜ、全然効いてない…!?」
隊員E「傷一つ無い…ば…化物…!!」
隊長「…トリックだ!トリックに決まっている!もっとぶち込むんだ!!頭を狙え頭を!」
458: 2015/10/03(土) 18:01:54.61
六十郎「こんな美男子の顔を傷つけようとするとは、血も涙も無い連中じゃのぉ…」
六十郎「それにな、わしゃ昔から火薬クサいのが大の苦手でな、スマンが封じさせてもらうぞ」
隊員F「!?…た、隊長!勝手にセーフティーロックが…!」
隊員G「こ、こっちも撃てません!」
隊長「何だと…!?き…貴様!!何をしたッ!?」
六十郎「それにな、わしゃ昔から火薬クサいのが大の苦手でな、スマンが封じさせてもらうぞ」
隊員F「!?…た、隊長!勝手にセーフティーロックが…!」
隊員G「こ、こっちも撃てません!」
隊長「何だと…!?き…貴様!!何をしたッ!?」
459: 2015/10/03(土) 18:09:19.63
六十郎「やれやれ…これだけの人数相手では、流石に全員眠らせておくのは無理じゃのぉ…」
六十郎「…どうじゃ隊長さん、今ので分かったじゃろうが、わしを倒すことは出来んぞ」
六十郎「武器を捨てて、ここで大人しくしていると約束すれば、なんもせんわい」
隊長「誰が貴様などに従うものか…我らは偉大なるラダークの息子…!敵の手に落ちるくらいなら自ら氏を選ぶぞ!」
六十郎「…どうじゃ隊長さん、今ので分かったじゃろうが、わしを倒すことは出来んぞ」
六十郎「武器を捨てて、ここで大人しくしていると約束すれば、なんもせんわい」
隊長「誰が貴様などに従うものか…我らは偉大なるラダークの息子…!敵の手に落ちるくらいなら自ら氏を選ぶぞ!」
460: 2015/10/03(土) 18:10:53.01
六十郎「うーむ…それは困ったのぉ…人氏にが出ては、やよいちゃんが悲しんでしまうわい」
六十郎「仕方がないのぉ…ちぃとばかし『痛い方法』を使うが、我慢するんじゃぞ」
六十郎「ま、お主ら多少は鍛えておるようだし、氏にはせんから安心せい」
隊長「…ちょ、ちょっと待て…何をする気だ…おいちょっと…」
六十郎「じゃ、始めるかの」ニッコリ
六十郎「仕方がないのぉ…ちぃとばかし『痛い方法』を使うが、我慢するんじゃぞ」
六十郎「ま、お主ら多少は鍛えておるようだし、氏にはせんから安心せい」
隊長「…ちょ、ちょっと待て…何をする気だ…おいちょっと…」
六十郎「じゃ、始めるかの」ニッコリ
469: 2015/10/25(日) 03:17:55.48
再びやよいの部屋(借)
春香「さっきまであのおじいさんが…?」
やよい「はい、この部屋にいたんですけど…」
千早「…突然部屋の中に現れて、誰にも気づかれずに去るなんて、そんなことどうやったらできるのかしら…」
伊織「そんなの不可能よ…!一人でうちのセキュリティを突破して侵入するなんて…」
春香「さっきまであのおじいさんが…?」
やよい「はい、この部屋にいたんですけど…」
千早「…突然部屋の中に現れて、誰にも気づかれずに去るなんて、そんなことどうやったらできるのかしら…」
伊織「そんなの不可能よ…!一人でうちのセキュリティを突破して侵入するなんて…」
470: 2015/10/25(日) 03:18:41.86
真「最早そんな次元じゃなくて…何も無いところからポッと現れてポッと消えたって感じで…」
雪歩「そうだよ…!ほんのちょっと前まで何でもなかったベッドの中から、急に出てきたり…」
美希「すっごく変なおじいちゃんなの…!」
あずさ「でも、見た目は人の善さそうな、普通のお爺さんだったけれど…」
雪歩「そうだよ…!ほんのちょっと前まで何でもなかったベッドの中から、急に出てきたり…」
美希「すっごく変なおじいちゃんなの…!」
あずさ「でも、見た目は人の善さそうな、普通のお爺さんだったけれど…」
471: 2015/10/25(日) 03:19:18.81
貴音「表面的な容姿はあくまでも仮初めの姿、ということなのでしょう…」
貴音「響はどう思いますか…?」チラリ…
響「…!!あ、ああ!貴音の言う通り…そ…そういうこともある…かもね…」
響(…この小娘…気付いているな…)
貴音「響はどう思いますか…?」チラリ…
響「…!!あ、ああ!貴音の言う通り…そ…そういうこともある…かもね…」
響(…この小娘…気付いているな…)
472: 2015/10/25(日) 03:22:52.79
亜美「とりあえずさー…仙人様かどうかは分かんないけど…」
真美「あのじいちゃんが人間じゃないのは、ほぼ確定だよね?お姫ちん?」
貴音「…少なくとも、常人でないことはこれではっきりしました…」
貴音「そして…わたくしの推測した通り、六十郎殿はこの壺と強い繋がりを持っているようです…」
真美「あのじいちゃんが人間じゃないのは、ほぼ確定だよね?お姫ちん?」
貴音「…少なくとも、常人でないことはこれではっきりしました…」
貴音「そして…わたくしの推測した通り、六十郎殿はこの壺と強い繋がりを持っているようです…」
473: 2015/10/25(日) 03:23:36.60
真「貴音…六十郎さん言ってたよね、この中の誰かが取り憑かれているって…」
真「それってやっぱり、相手も人間じゃない…ってこと…?」
貴音「その可能性も…或いは人の身でありながら、そのような術を使える者がいるやも知れません…」
伊織「ハァ…まったく、常識外れすぎてついていけなくなりそうだわ…」
真「それってやっぱり、相手も人間じゃない…ってこと…?」
貴音「その可能性も…或いは人の身でありながら、そのような術を使える者がいるやも知れません…」
伊織「ハァ…まったく、常識外れすぎてついていけなくなりそうだわ…」
474: 2015/10/25(日) 03:24:15.28
春香「漫画とか小説の世界だよね…」
真美「ゲームとかアニメの世界でもあるよね!」
亜美「うんうん!」
雪歩「…私達の中の誰かが取り憑かれてるとして…それってどうやって見分ければいいんだろう…?」
真美「ゲームとかアニメの世界でもあるよね!」
亜美「うんうん!」
雪歩「…私達の中の誰かが取り憑かれてるとして…それってどうやって見分ければいいんだろう…?」
475: 2015/10/25(日) 03:25:15.87
貴音「まず、この部屋に残っていた者は候補から外れます」
貴音「わたくしと六十郎殿が察した気配は、外からこの部屋に向かってきていました」
貴音「つまり…今も取り憑かれている可能性があるとすれば…」
貴音「部屋の外に出ていた響、それを探しに行った伊織、春香、千早…」
貴音「そしてその後を追った亜美と真美の内の誰か、ということに…」
貴音「わたくしと六十郎殿が察した気配は、外からこの部屋に向かってきていました」
貴音「つまり…今も取り憑かれている可能性があるとすれば…」
貴音「部屋の外に出ていた響、それを探しに行った伊織、春香、千早…」
貴音「そしてその後を追った亜美と真美の内の誰か、ということに…」
476: 2015/10/25(日) 03:25:54.98
春香「えぇっ!?わ、私達!?」
千早「その中の誰かまではわからないのね…」
貴音「途中で結界を張られてしまい、六十郎殿でも特定は出来なかったようです」
貴音「しかし…全く手がかりが無いわけでもありません…」チラ…
響「う……」
千早「その中の誰かまではわからないのね…」
貴音「途中で結界を張られてしまい、六十郎殿でも特定は出来なかったようです」
貴音「しかし…全く手がかりが無いわけでもありません…」チラ…
響「う……」
477: 2015/10/25(日) 03:27:33.01
貴音「響、先程から落ち着かない様子ですが…何か心配事でも…?」
響「べ、別に何でもないぞ…」
春香「…そう言えば…私達が見つけた時、なんか響ちゃん様子がおかしくて…」
千早「そうね…あらためて考えると、演技の練習って言い訳も苦しいように思えるし…」
伊織「そうよ…!あれだって、急に変なこと言い出したのを誤魔化しただけなんじゃ…」
響「べ、別に何でもないぞ…」
春香「…そう言えば…私達が見つけた時、なんか響ちゃん様子がおかしくて…」
千早「そうね…あらためて考えると、演技の練習って言い訳も苦しいように思えるし…」
伊織「そうよ…!あれだって、急に変なこと言い出したのを誤魔化しただけなんじゃ…」
478: 2015/10/25(日) 03:28:44.18
響「ちょ…ちょっと待ってよ!?確かにいきなりあんな風にしたら変に思われても仕方がないけど…」
響「だからって取り憑かれてるってことにはならないぞ!」
響「第一、証拠が何もないんじゃ、単なる言いがかりだぞ!」
伊織「うっ…それは…」
響「むしろ、自分に罪を被せて言い逃れしようとしているそっちの方こそ、取り憑かれてるんじゃないのか!?」
響「だからって取り憑かれてるってことにはならないぞ!」
響「第一、証拠が何もないんじゃ、単なる言いがかりだぞ!」
伊織「うっ…それは…」
響「むしろ、自分に罪を被せて言い逃れしようとしているそっちの方こそ、取り憑かれてるんじゃないのか!?」
479: 2015/10/25(日) 03:29:36.83
伊織「な!なんでいきなりそんな話になるわけ!?」
響「ふふーん…?ムキになるところを見ると、伊織の方がずっと怪しいんじゃないか?」
伊織「なな…!なんですってぇ!!」ガタッ
やよい「わっ!い、伊織ちゃん落ち着いて…!」
響「ふふーん…?ムキになるところを見ると、伊織の方がずっと怪しいんじゃないか?」
伊織「なな…!なんですってぇ!!」ガタッ
やよい「わっ!い、伊織ちゃん落ち着いて…!」
480: 2015/10/25(日) 03:30:17.46
貴音「なるほど、響の言い分は分かりました…」
貴音「怪しいというだけで証拠も無しでは単なる言いがかり…尤も至極」
貴音「…では、質問を変えましょう…」
貴音「時に真美、やよいへ渡す予定の例のものは、この袋で間違いありませんね?」
貴音「怪しいというだけで証拠も無しでは単なる言いがかり…尤も至極」
貴音「…では、質問を変えましょう…」
貴音「時に真美、やよいへ渡す予定の例のものは、この袋で間違いありませんね?」
481: 2015/10/25(日) 03:30:58.70
真美「ほえ?…うん、その紙袋がそうだけど…?」
貴音「では、今から響に質問をしますが、他の者は一切の助言、口出しは無用でお願いします…」
響(な、なんだ…?何を聞いてくるつもりだ…)
貴音「響、やよいへ渡すこの袋の中身、何が入っているか答えてください」
貴音「では、今から響に質問をしますが、他の者は一切の助言、口出しは無用でお願いします…」
響(な、なんだ…?何を聞いてくるつもりだ…)
貴音「響、やよいへ渡すこの袋の中身、何が入っているか答えてください」
482: 2015/10/25(日) 03:34:18.02
亜美「え?だってお姫ちん、ひびきんは…むぐぅ…!?」
真美「シィーッ…!」
真美「…真美、なんとなくわかっちった…ここはお姫ちんに任せよう、亜美…!」
亜美「???…ら、ラジャー…!」
真美「シィーッ…!」
真美「…真美、なんとなくわかっちった…ここはお姫ちんに任せよう、亜美…!」
亜美「???…ら、ラジャー…!」
483: 2015/10/25(日) 03:35:19.83
響(袋の中身だと…!?知るかそんなこと…)
響(いや待てよ…そうか!我那覇響は袋の中身を知っているのだな…答えられなければ即ち偽者、というわけか…)
響(フン…如何にも小娘が浅知恵で考えそうなことよ…!)
響(憑依中に遠方は見通せなくとも、目の前にある袋の中身くらい造作もないこと…どれどれ…)
響(いや待てよ…そうか!我那覇響は袋の中身を知っているのだな…答えられなければ即ち偽者、というわけか…)
響(フン…如何にも小娘が浅知恵で考えそうなことよ…!)
響(憑依中に遠方は見通せなくとも、目の前にある袋の中身くらい造作もないこと…どれどれ…)
484: 2015/10/25(日) 03:36:11.61
貴音「どうしたのです響、答えられないのですか?」
響「…あははっ!貴音ぇ~、自分のことからかってるのか~?そんなの簡単さー!」
響「答えは、『大豆もやしの栽培セット』と、『公式大会用のオフィシャルオセロ盤』だぞ!」
ガサガサ…
貴音「…御名答、その通りのようですね…」
響「…あははっ!貴音ぇ~、自分のことからかってるのか~?そんなの簡単さー!」
響「答えは、『大豆もやしの栽培セット』と、『公式大会用のオフィシャルオセロ盤』だぞ!」
ガサガサ…
貴音「…御名答、その通りのようですね…」
485: 2015/10/25(日) 03:37:54.30
響「ね!わかったでしょ貴音!これで…」
貴音「ええ…これではっきりとわかりました…」
貴音「取り憑かれているのは響、貴方だということが…!」キッ
響「!?」
貴音「ええ…これではっきりとわかりました…」
貴音「取り憑かれているのは響、貴方だということが…!」キッ
響「!?」
486: 2015/10/25(日) 03:38:58.10
響「な、なんでだ!?だって、ちゃんと袋の中身を答えたぞ…!?」
貴音「『袋の中身を言い当てれば疑いが晴れる』…わたくしは、その様なことを言った憶えはありませんが…?」
響「うぐっ…!そ、それにしたって…なんで中身を当てただけで取り憑かれているだなんて…」
貴音「…真美、響は袋の中身を知っていましたか…?」
響(な…何…!?)
貴音「『袋の中身を言い当てれば疑いが晴れる』…わたくしは、その様なことを言った憶えはありませんが…?」
響「うぐっ…!そ、それにしたって…なんで中身を当てただけで取り憑かれているだなんて…」
貴音「…真美、響は袋の中身を知っていましたか…?」
響(な…何…!?)
487: 2015/10/25(日) 03:42:32.47
真美「んーん、ひびきん中身は知らないはずだよー?」
亜美「そうそう!ここに来る途中で覗こうとしたから、開けちゃダメって、亜美も注意したもん!」
貴音「では、ここに着いてから響が袋に触れたことは?」
真美「ナイナイ!だってお姫ちんの話聞くために集まる前は、ひびきんははるるんとか真美達と一緒に暖炉近くんのとこに居たし」
亜美「紙袋はそっから離れた部屋のこっち側に、荷物と一緒に置いてたもんね」
亜美「そうそう!ここに来る途中で覗こうとしたから、開けちゃダメって、亜美も注意したもん!」
貴音「では、ここに着いてから響が袋に触れたことは?」
真美「ナイナイ!だってお姫ちんの話聞くために集まる前は、ひびきんははるるんとか真美達と一緒に暖炉近くんのとこに居たし」
亜美「紙袋はそっから離れた部屋のこっち側に、荷物と一緒に置いてたもんね」
489: 2015/10/25(日) 03:46:17.70
貴音「わたくしが皆に話している途中、響は姿を消しました…」
貴音「そして、部屋に戻ってからも袋の置いてあった場所には近づいていません…」
貴音「その響がどうして、まるでこの袋の中身を覗いたかのように、明確に言い当てることができたのですか?」
響「そ…それは…その…あの…」
貴音「そして、部屋に戻ってからも袋の置いてあった場所には近づいていません…」
貴音「その響がどうして、まるでこの袋の中身を覗いたかのように、明確に言い当てることができたのですか?」
響「そ…それは…その…あの…」
490: 2015/10/25(日) 03:48:20.12
亜美「よっ!名探偵お姫ちん!」
ハム蔵「ヂュ…!ヂュ!」シュタッ!
響「…あっ!おい!」
真美「ハム蔵こっちおいでー!…んっふっふー…ついにハム蔵にも見離されたねぇ、偽ひびきん♪」
ハム蔵「ヂュ…!ヂュ!」シュタッ!
響「…あっ!おい!」
真美「ハム蔵こっちおいでー!…んっふっふー…ついにハム蔵にも見離されたねぇ、偽ひびきん♪」
491: 2015/10/25(日) 03:58:11.44
貴音「人に憑依するほどの者ですから…初めて見た袋の中身を言い当てるなど造作も無いことだったでしょう…」
貴音「しかしその力を過信した故に、自らを追い込む結果となったのです」
貴音「本来は亜美と真美がやよいへ贈るために用意した品でしたが…どうやら…貴方にとっての"さぷらいずぷれぜんと"になってしまったようですね」
響(サプライズ…そうか!カルプレッタの報告にあったあの会話の…!)
響(私としたことが…なんと迂闊な…!!)
貴音「しかしその力を過信した故に、自らを追い込む結果となったのです」
貴音「本来は亜美と真美がやよいへ贈るために用意した品でしたが…どうやら…貴方にとっての"さぷらいずぷれぜんと"になってしまったようですね」
響(サプライズ…そうか!カルプレッタの報告にあったあの会話の…!)
響(私としたことが…なんと迂闊な…!!)
492: 2015/10/25(日) 03:59:10.58
貴音「さぁ、観念して響の体から出ていくのです…!」
響(目の前に壺があるというのに…あと一歩のところで…!)
響(無理矢理奪うにしても、こう不慣れな体では…)
響(危険だが…少しの間我那覇響と合一する他あるまい…)
響「スゥー………」
貴音(…!?この禍々しい気は…!)
響(目の前に壺があるというのに…あと一歩のところで…!)
響(無理矢理奪うにしても、こう不慣れな体では…)
響(危険だが…少しの間我那覇響と合一する他あるまい…)
響「スゥー………」
貴音(…!?この禍々しい気は…!)
493: 2015/10/25(日) 04:11:21.76
響「…そ…を……たせ…」
貴音「面妖な…この期に及んで一体何をしようと…」
響「…その壺を…渡せッ!!」ダッ!!
貴音「くっ…!?」ガシッ!!
やよい「貴音さん!!」
貴音「面妖な…この期に及んで一体何をしようと…」
響「…その壺を…渡せッ!!」ダッ!!
貴音「くっ…!?」ガシッ!!
やよい「貴音さん!!」
494: 2015/10/25(日) 04:18:33.22
貴音「やよい!来てはなりません!!」
響「お嬢さん、誰が力を過信したって…?小娘風情がこの私に向かって偉そうに…!」グイッ…
貴音「…あぐっ…!」
響「友人に首を絞められるのは心身共にさぞ辛かろう…その壺を渡せば、お前も我那覇響も解放してやる…」
響「お嬢さん、誰が力を過信したって…?小娘風情がこの私に向かって偉そうに…!」グイッ…
貴音「…あぐっ…!」
響「友人に首を絞められるのは心身共にさぞ辛かろう…その壺を渡せば、お前も我那覇響も解放してやる…」
495: 2015/10/25(日) 04:20:21.27
貴音「…どう言われようとも…この壺は…絶対に渡すわけにはいきません…!」
響「それは元々私の持ち物だ…壺から手を離さないなら、この細首へし折って力尽くで…」ギリ…
バッ!!
響「!?」
響「それは元々私の持ち物だ…壺から手を離さないなら、この細首へし折って力尽くで…」ギリ…
バッ!!
響「!?」
497: 2015/10/25(日) 04:22:17.29
バシィ!!
響「ギ…!?」ギリギリ…
雪歩「ま、真ちゃんっ!?」
真「…姿だけじゃなくて…響の知ってる体術も…使えるみたいだね…!」ギチギチ…
亜美&真美「ま…まこちんチョッパヤー!」
響「ギ…!?」ギリギリ…
雪歩「ま、真ちゃんっ!?」
真「…姿だけじゃなくて…響の知ってる体術も…使えるみたいだね…!」ギチギチ…
亜美&真美「ま…まこちんチョッパヤー!」
498: 2015/10/25(日) 04:24:39.54
真「…響と一度手合わせしてみたかったんだよね…琉球空手にも興味あったし…!」ググッ…
響「ぐが…ほざけ小娘…!今の我那覇響は我が通力にて強靱なものとなり…」
真「むしろそれくらいの方が…ちょうど良いよッ!!」シュバ!!
響「うがぅッ!?」ヴン!!
美希「真くんカッコイイのー!」
響(なな…なんて蹴りだ!躱すのが精一杯だと!?)
響「ぐが…ほざけ小娘…!今の我那覇響は我が通力にて強靱なものとなり…」
真「むしろそれくらいの方が…ちょうど良いよッ!!」シュバ!!
響「うがぅッ!?」ヴン!!
美希「真くんカッコイイのー!」
響(なな…なんて蹴りだ!躱すのが精一杯だと!?)
499: 2015/10/25(日) 04:29:46.49
真「貴音、大丈夫?」
貴音「ええ…けほっ…ありがとうございます…」
春香「ひゃ~流石は真…!」
千早「速すぎて全然見えなかった…」
伊織「真ッ!構わないからギッタギタにやっちゃいなさい!!」
あずさ「い、伊織ちゃん…?一応響ちゃんの体だから、ギッタギタはちょっと…」
貴音「ええ…けほっ…ありがとうございます…」
春香「ひゃ~流石は真…!」
千早「速すぎて全然見えなかった…」
伊織「真ッ!構わないからギッタギタにやっちゃいなさい!!」
あずさ「い、伊織ちゃん…?一応響ちゃんの体だから、ギッタギタはちょっと…」
500: 2015/10/25(日) 04:39:22.86
響(これが菊池真か…通力も持たぬ常人の…それも女の身でこれ程の身のこなしとは…!)
響(…四条貴音のあの慧眼といい…こいつらがアイドルとはとても信じられん…!)
響(…他の連中もどんな隠し球を持っているか分かったものではない…斯くなる上は…)チラ…
響「調子に乗るなよ貴様ら!!我那覇響の肉体は我が掌中にあるのだぞ…!」カチャ…
響(…四条貴音のあの慧眼といい…こいつらがアイドルとはとても信じられん…!)
響(…他の連中もどんな隠し球を持っているか分かったものではない…斯くなる上は…)チラ…
響「調子に乗るなよ貴様ら!!我那覇響の肉体は我が掌中にあるのだぞ…!」カチャ…
501: 2015/10/25(日) 04:44:12.19
菊池じゃなくて菊地だよ…間違いが多くてすまない…
502: 2015/10/25(日) 04:45:04.44
響「つまり…この果物ナイフで顔をズタズタにすることも、心臓に突き刺すことも出来るというわけだ!」
真「なっ…!?」
雪歩「ひぃっ…!!」
貴音「!?…なんという卑劣な…!!」
やよい「や、止めてください!」
真「なっ…!?」
雪歩「ひぃっ…!!」
貴音「!?…なんという卑劣な…!!」
やよい「や、止めてください!」
503: 2015/10/25(日) 04:46:03.93
響「くく…私の恐ろしさがやっと理解できただろう…わかったら大人しく壺を…」
フラッ…
響「……ぐっ…なっ…!?」フラフラ…
響(しまった…!合一が進み過ぎたか…!?)
フラッ…
響「……ぐっ…なっ…!?」フラフラ…
響(しまった…!合一が進み過ぎたか…!?)
504: 2015/10/25(日) 04:47:08.62
伊織「…ふらついてるわ真!チャンスよ!」
真「ちょ、ちょっと待ってよ伊織…なんだか様子がおかしいよ…」
響「あがっ……!!が…が…」
やよい「響さん…なんだか苦しそうです…!」
真「ちょ、ちょっと待ってよ伊織…なんだか様子がおかしいよ…」
響「あがっ……!!が…が…」
やよい「響さん…なんだか苦しそうです…!」
505: 2015/10/25(日) 04:51:08.78
響「が………ん?あれ?」キョトン
響「…ど、どうしたんだ真、そんな怖い顔して…?それにみんなも…」
真「あ、あれ…?」
貴音「響…?」
やよい「貴音さん…もしかして、元の響さんに戻ったんじゃないですか!?」
響「…ど、どうしたんだ真、そんな怖い顔して…?それにみんなも…」
真「あ、あれ…?」
貴音「響…?」
やよい「貴音さん…もしかして、元の響さんに戻ったんじゃないですか!?」
506: 2015/10/25(日) 04:52:49.54
響「わ!な、なんでナイフなんか持ってるんだ!?」カチャン!!
響「それに…なんだか頭がクラクラするぞ…」フラッ…
やよい「わっ!響さん危ないですぅ!」ガシッ
貴音「やよい!?…気をつけるのです!罠かも知れません…!」
響「やよい…?貴音の声も…どこだ…?」
響「なんか…別の音も聞こえるぞ…」
---------
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--
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響「それに…なんだか頭がクラクラするぞ…」フラッ…
やよい「わっ!響さん危ないですぅ!」ガシッ
貴音「やよい!?…気をつけるのです!罠かも知れません…!」
響「やよい…?貴音の声も…どこだ…?」
響「なんか…別の音も聞こえるぞ…」
---------
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507: 2015/10/25(日) 04:55:55.02
響「……あれ?もうクラクラしないぞ…?」
響「…何だったんだろ今の目眩…?」
響「にしても助かったさーやよい!もう少し遅かったらバッタリ倒れて…」
響「って……あれ?やよい?やよいー?どこだー?」キョロキョロ
響「貴音に…それに他のみんなも…どこに行ったんだ…?」
響「…!?…ていうかここどこだーっ!?屋敷までどっか行っちゃったぞ!?」
響「…何だったんだろ今の目眩…?」
響「にしても助かったさーやよい!もう少し遅かったらバッタリ倒れて…」
響「って……あれ?やよい?やよいー?どこだー?」キョロキョロ
響「貴音に…それに他のみんなも…どこに行ったんだ…?」
響「…!?…ていうかここどこだーっ!?屋敷までどっか行っちゃったぞ!?」
508: 2015/10/25(日) 04:59:01.63
スン…スン…
響「ん?この音はさっき聞こえた…あっちの方か…?」スタスタ…
響「…それにしても何にもないなぁ…地面のずっと向こうまで真っ白だぞ…」
響「でも空も見えないし…外じゃないのかな…?」
響「おーい!おーい!………オーイッ!!……」
響「……声が跳ね返っても来ない…気味が悪いぞ…」
響「ん?この音はさっき聞こえた…あっちの方か…?」スタスタ…
響「…それにしても何にもないなぁ…地面のずっと向こうまで真っ白だぞ…」
響「でも空も見えないし…外じゃないのかな…?」
響「おーい!おーい!………オーイッ!!……」
響「……声が跳ね返っても来ない…気味が悪いぞ…」
509: 2015/10/25(日) 05:00:28.17
スン…スン…
響「またあの音だ…あっちから聞こえるぞ…」
<うぅ…ひっく…>スン…スン…
響(あれは…あの子が泣いてる声か…)
響「…ねぇ君…なんで泣いてるんだ?」
<あ!誰…!?>ビクッ!
響「またあの音だ…あっちから聞こえるぞ…」
<うぅ…ひっく…>スン…スン…
響(あれは…あの子が泣いてる声か…)
響「…ねぇ君…なんで泣いてるんだ?」
<あ!誰…!?>ビクッ!
510: 2015/10/25(日) 05:04:51.89
響「あ!怖がらないで!だ、大丈夫だぞ!」
響「えっと…自分、ただの通りすがりのアイドルで…だから全然怪しくないぞ!」
<…あいどる…?>
響「そうだぞ!自分、我那覇響!君の名前は?」
<…五郎…五郎右衛門…>
響「えっと…自分、ただの通りすがりのアイドルで…だから全然怪しくないぞ!」
<…あいどる…?>
響「そうだぞ!自分、我那覇響!君の名前は?」
<…五郎…五郎右衛門…>
511: 2015/10/25(日) 05:06:07.39
響「ご、ゴローエモン?…なんか時代劇みたいな…シブい名前だな…!」
響「で?どうして泣いてるんだ?」
<うぅ…オイラ…おっとうが氏んじまって…それで悲しくて泣いてんだ…>
響「え…?」
響「で?どうして泣いてるんだ?」
<うぅ…オイラ…おっとうが氏んじまって…それで悲しくて泣いてんだ…>
響「え…?」
512: 2015/10/25(日) 05:06:59.46
<おっとうが氏んでから…オイラ、ここでおっかぁのことずっと待ってんだけど…おっかぁも帰ってこねぇ…>
<悲しくて…寂しくて…我慢しても涙が止まんねんだ…>ポロポロ…
響「そ、そうだったのか…ごめんな…」
<…別にいいよ…ねぇちゃんが悪いわけじゃねぇ…>
<なぁ…ねえちゃんには家族いんのか…?>
<悲しくて…寂しくて…我慢しても涙が止まんねんだ…>ポロポロ…
響「そ、そうだったのか…ごめんな…」
<…別にいいよ…ねぇちゃんが悪いわけじゃねぇ…>
<なぁ…ねえちゃんには家族いんのか…?>
513: 2015/10/25(日) 05:08:04.09
響「母さんとにぃ…えと…兄貴が沖縄にいるぞ!」
響「でも…君と同じで父さんはいないんだ…」
<え?ねえちゃんも…?>
響「うん…でも、自分が小さい頃に亡くなったから、覚えてないけどね」
<…ねぇちゃんはおっとういなくて寂しくねぇのか…?>
響「でも…君と同じで父さんはいないんだ…」
<え?ねえちゃんも…?>
響「うん…でも、自分が小さい頃に亡くなったから、覚えてないけどね」
<…ねぇちゃんはおっとういなくて寂しくねぇのか…?>
514: 2015/10/25(日) 05:10:40.20
響「え?うーん…そうだなぁ…」
響「顔も覚えてないからあんまりピンとこないけど…」
響「小学生の時、運動会で家族参加の二人三脚競争があって…」
響「友達がみんな父親と一緒に出てるのを見た時は、ちょっと寂しかったかな…ほんのちょっとだけ…」
響「あ!でも競争自体は自分とにぃにが一位だったけどな!自分、カンペキだからなー!」
響「顔も覚えてないからあんまりピンとこないけど…」
響「小学生の時、運動会で家族参加の二人三脚競争があって…」
響「友達がみんな父親と一緒に出てるのを見た時は、ちょっと寂しかったかな…ほんのちょっとだけ…」
響「あ!でも競争自体は自分とにぃにが一位だったけどな!自分、カンペキだからなー!」
515: 2015/10/25(日) 05:12:00.33
<ふぅん…今は、おっかぁやあんちゃとも離れてんだろ?寂しくねぇのか?>
響「沖縄はたまに恋しくなるけど…ハム蔵やいぬ美達、765プロの仲間にファンのみんなもいるし…」
響「…そりゃまぁ、ちょっと大変な時もあるけど…」
響「でも、プロデューサーやみんなと一緒なら、全然平気なんだ!だから寂しくなんかないぞ!」
<ぷろでゅーさー…?なんかよくわかんねぇけど…ねぇちゃんは友達がたっくさんいんだなぁ…>
<オイラずっと独りぼっちだから、羨ましいなぁ…>
響「沖縄はたまに恋しくなるけど…ハム蔵やいぬ美達、765プロの仲間にファンのみんなもいるし…」
響「…そりゃまぁ、ちょっと大変な時もあるけど…」
響「でも、プロデューサーやみんなと一緒なら、全然平気なんだ!だから寂しくなんかないぞ!」
<ぷろでゅーさー…?なんかよくわかんねぇけど…ねぇちゃんは友達がたっくさんいんだなぁ…>
<オイラずっと独りぼっちだから、羨ましいなぁ…>
516: 2015/10/25(日) 05:12:56.50
響「…それなら!自分がゴローエモンの友達になるぞ!」
<え…?ねぇちゃんが…?>
響「うん!きっとこんな寂しい場所にいるから、気持ちも寂しくなるんだぞ!」
響「なんなら、自分の家に来ればいいさー!」
響「ハム蔵やいぬ美達に紹介するぞ!それから、765プロのみんなにも…」
<え…?ねぇちゃんが…?>
響「うん!きっとこんな寂しい場所にいるから、気持ちも寂しくなるんだぞ!」
響「なんなら、自分の家に来ればいいさー!」
響「ハム蔵やいぬ美達に紹介するぞ!それから、765プロのみんなにも…」
517: 2015/10/25(日) 05:14:22.99
<嬉しいなぁ…オイラに友達なんて…考えたこともなかったなぁ…>
<……でもやっぱダメだぁ…オイラこっから離れらんねぇんだ…>
響「え?なんでだ?」
<だって…『おんつぁん』に見張られてっから…>
響「オンツァン?…あれ?さっき独りぼっちだって…」
<……でもやっぱダメだぁ…オイラこっから離れらんねぇんだ…>
響「え?なんでだ?」
<だって…『おんつぁん』に見張られてっから…>
響「オンツァン?…あれ?さっき独りぼっちだって…」
518: 2015/10/25(日) 05:16:11.07
ガシッ!
響「!?」
≪…なんてことだ…こんなところまで…!!≫
響「うぎゃあぁー!!だ!誰!?」
<ねぇちゃん、それがおんつぁんだ…>
響(社長…!?…じゃない…でも黒い人だ…!)
響「!?」
≪…なんてことだ…こんなところまで…!!≫
響「うぎゃあぁー!!だ!誰!?」
<ねぇちゃん、それがおんつぁんだ…>
響(社長…!?…じゃない…でも黒い人だ…!)
520: 2015/10/25(日) 05:19:11.12
≪合一しただけでこんなところまで…とても信じられん…!≫
≪ケモノ言葉を操り…こんな深く潜ってくるとは…やはり貴様も普通ではないのか…!≫
響「な、何のこと!?自分、気付いたらここにいただけで…」
≪765のアイドル…お前達は一体…≫
スゥ…
≪ケモノ言葉を操り…こんな深く潜ってくるとは…やはり貴様も普通ではないのか…!≫
響「な、何のこと!?自分、気付いたらここにいただけで…」
≪765のアイドル…お前達は一体…≫
スゥ…
521: 2015/10/25(日) 05:24:30.60
響「え!?消えちゃった…!?」
<ねぇちゃん、大丈夫か?>
響「あ!ゴローエモン!この場所なんか変だぞ…!段々暗くなってきたし…」
響「…どっちに行けばいいかわかんないけど…と、とにかく一緒に逃げるぞ…!」
響「ホラ!自分が抱っこしてやるから…!」ギュ…
<ダメだぁ…オイラおんつぁんのとこに戻んなきゃなんねぇみてぇだ…>
<ねぇちゃん、大丈夫か?>
響「あ!ゴローエモン!この場所なんか変だぞ…!段々暗くなってきたし…」
響「…どっちに行けばいいかわかんないけど…と、とにかく一緒に逃げるぞ…!」
響「ホラ!自分が抱っこしてやるから…!」ギュ…
<ダメだぁ…オイラおんつぁんのとこに戻んなきゃなんねぇみてぇだ…>
522: 2015/10/25(日) 05:25:17.04
<友達になるって言ってくれたの…嬉しかったぁ…>ス…
響「え!?ゴローエモンまで…!?き、消えちゃダメだぞ!!」
スカッ…
響「あ…!」
<じゃあね…ねぇちゃん…>
スゥ…
響「え!?ゴローエモンまで…!?き、消えちゃダメだぞ!!」
スカッ…
響「あ…!」
<じゃあね…ねぇちゃん…>
スゥ…
523: 2015/10/25(日) 05:25:56.66
響「うあぁ!!ゴローエモン!!」ガバッ!
ゴチンッ!!
響「☆!?」
亜美「☆!!??」
響&亜美「っ~~~!!!」ジタバタ
ゴチンッ!!
響「☆!?」
亜美「☆!!??」
響&亜美「っ~~~!!!」ジタバタ
524: 2015/10/25(日) 05:27:19.91
やよい「あ!響さん気がつきました!!」
春香「い、今すんごい音したけど、二人とも大丈夫…!?」
亜美「お~イチチ…亜美のアツいチッスで目覚めさせる作戦が…!」
真美「ひびきんフライングだYO!」
響「うが…みんな…?」
響「も、戻ってきたのか…?」
春香「い、今すんごい音したけど、二人とも大丈夫…!?」
亜美「お~イチチ…亜美のアツいチッスで目覚めさせる作戦が…!」
真美「ひびきんフライングだYO!」
響「うが…みんな…?」
響「も、戻ってきたのか…?」
525: 2015/10/25(日) 05:31:24.95
響「…そうだ、ゴローエモン…!ドコだーっ!?ゴローエモーン!!」
亜美&真美「ゴローエモン?」
響「小さな子供だぞ!さっきまで近くにいたんだ…!亜美と真美も探してよ!」
伊織「…ちょっと貴音…!本当に大丈夫なんでしょうね?起きてすぐあんな様子じゃ…」
貴音「少なくとも、今の響からは気を失う直前の禍々しい気配は感じられません…」
亜美&真美「ゴローエモン?」
響「小さな子供だぞ!さっきまで近くにいたんだ…!亜美と真美も探してよ!」
伊織「…ちょっと貴音…!本当に大丈夫なんでしょうね?起きてすぐあんな様子じゃ…」
貴音「少なくとも、今の響からは気を失う直前の禍々しい気配は感じられません…」
526: 2015/10/25(日) 05:33:47.94
貴音「…とは言え、また気配を潜めて響を演じている可能性も否めません」
貴音「伊織達の話が確かならば、憑依によって肉体を支配できても、記憶の共有まではできない…ですから…」
伊織「私達も知らない響のプライベートを知るハム蔵に確かめさせる…そんなんで上手くいくかしら…?」
ハム蔵「ヂュ!」シュタタタタ…
貴音「伊織達の話が確かならば、憑依によって肉体を支配できても、記憶の共有まではできない…ですから…」
伊織「私達も知らない響のプライベートを知るハム蔵に確かめさせる…そんなんで上手くいくかしら…?」
ハム蔵「ヂュ!」シュタタタタ…
527: 2015/10/25(日) 05:34:44.18
シュタッ!
ハム蔵「ヂュヂュ!ジュ!」
響「んあ?なんだハム蔵?悪いけど今それどころじゃ…」
ハム蔵「ジュジュヂュッヂュ!ヂュッヂュ!…ヂュ!!」
響「な、なんだ!?またこの前の話を蒸し返すのか!?」
響「だーかーらっ!『極旨国産ひまわりの種』を食べちゃった事は散々謝ったじゃないか-!!」
ハム蔵「ヂュヂュ!ジュ!」
響「んあ?なんだハム蔵?悪いけど今それどころじゃ…」
ハム蔵「ジュジュヂュッヂュ!ヂュッヂュ!…ヂュ!!」
響「な、なんだ!?またこの前の話を蒸し返すのか!?」
響「だーかーらっ!『極旨国産ひまわりの種』を食べちゃった事は散々謝ったじゃないか-!!」
529: 2015/10/25(日) 05:40:04.03
ハム蔵「ヂュ~?ジュジュジュ~♪」
響「うわぁ!?その話は秘密にしてって…!!誰かに聞こえたらどうするのさー!!」
ハム蔵「ジュジュジュ!ヂュッヂュヂュ~!」
響「うぅ…なんで大声でそんなこと言うのさ…自分、恥ずかしくて顔から火が出そうだぞ…!///」
あずさ「あらあら…響ちゃん、あんなに顔を真っ赤にして…よっぽど秘密にしたいことなのね~」
美希「ミキにも聞こえてるけど、響以外には意味分かんないからつまんないの…」
響「うわぁ!?その話は秘密にしてって…!!誰かに聞こえたらどうするのさー!!」
ハム蔵「ジュジュジュ!ヂュッヂュヂュ~!」
響「うぅ…なんで大声でそんなこと言うのさ…自分、恥ずかしくて顔から火が出そうだぞ…!///」
あずさ「あらあら…響ちゃん、あんなに顔を真っ赤にして…よっぽど秘密にしたいことなのね~」
美希「ミキにも聞こえてるけど、響以外には意味分かんないからつまんないの…」
530: 2015/10/25(日) 05:41:09.88
貴音「如何ですか?」
ハム蔵「ヂュ!」Σd
貴音「…どうやら、取り憑いていた者はいなくなったようですね…」
やよい「うっうー!響さん!無事で良かったですー!!」ガバッ
ハム蔵「ヂュ!」Σd
貴音「…どうやら、取り憑いていた者はいなくなったようですね…」
やよい「うっうー!響さん!無事で良かったですー!!」ガバッ
532: 2015/10/25(日) 05:43:04.97
響「うぇっ?や、やよい…?な、なんだか状況がいまいち飲み込めないぞ…」
真「良かったけど…そうだなぁ、ボクとしてはもうちょっと楽しみたかった気も…」
ヴィィィィ…ヴィィィィ…
真「いっ!?」ビクッ
真「良かったけど…そうだなぁ、ボクとしてはもうちょっと楽しみたかった気も…」
ヴィィィィ…ヴィィィィ…
真「いっ!?」ビクッ
533: 2015/10/25(日) 05:43:38.37
雪歩「ま、また変な音が…!」
千早「…ねぇ春香、これって…」
春香「あ!私のケータイだ!確かバッグの内ポケットに…」ゴソゴソ
春香「…!プロデューサーさんからだ!」ピッ!
春香「もしもし?」
千早「…ねぇ春香、これって…」
春香「あ!私のケータイだ!確かバッグの内ポケットに…」ゴソゴソ
春香「…!プロデューサーさんからだ!」ピッ!
春香「もしもし?」
534: 2015/10/25(日) 05:44:34.08
P『おお!やっと出たか!さっきから誰にかけても出ないから心配したぞ…!』
春香「それどころじゃなかったんですよプロデューサーさん!実はこっちで大変なことが…」
P『な、なんだ!?何があった!?』
春香「え?いやー…何がと言われると…こうなんて言うか話せば長いことに…」
P『…?』
春香「それどころじゃなかったんですよプロデューサーさん!実はこっちで大変なことが…」
P『な、なんだ!?何があった!?』
春香「え?いやー…何がと言われると…こうなんて言うか話せば長いことに…」
P『…?』
535: 2015/10/25(日) 05:50:38.12
春香「と、とりあえず全員無事です!はい!」
P『それならまぁいい…俺はなんとか事務所から脱出して、今そっちに向かっているから、着き次第詳しい話を聞かせてくれ』
P『それと…やよいはいるか?』
春香「え?やよいならここにいますけど…はい、じゃあ代わりますね!」
春香「やよい、プロデューサーさんが代わってくれって」
やよい「私にですか?……もしもし?」
P『それならまぁいい…俺はなんとか事務所から脱出して、今そっちに向かっているから、着き次第詳しい話を聞かせてくれ』
P『それと…やよいはいるか?』
春香「え?やよいならここにいますけど…はい、じゃあ代わりますね!」
春香「やよい、プロデューサーさんが代わってくれって」
やよい「私にですか?……もしもし?」
536: 2015/10/25(日) 05:52:58.50
P『やよい、何かあったらしいが大丈夫か?』
やよい「はい!ちょっと大変なことがあったんですけど、おじいさんや貴音さん、それに真さんのおかげで…」
P『…ん?ちょ、ちょっと待てやよい!おじいさんて…あの爺さんがまた現れたのか?』
『例の老人ですか?ちょっと詳しい話を…』
P『ちょ、近い!顔が近い!!後にしてください!ていうか前見て運転してくださいよ!』
やよい「はい!ちょっと大変なことがあったんですけど、おじいさんや貴音さん、それに真さんのおかげで…」
P『…ん?ちょ、ちょっと待てやよい!おじいさんて…あの爺さんがまた現れたのか?』
『例の老人ですか?ちょっと詳しい話を…』
P『ちょ、近い!顔が近い!!後にしてください!ていうか前見て運転してくださいよ!』
537: 2015/10/25(日) 05:54:10.23
やよい「う?今なんだかすごく低い声が…誰かいるんですか?」
P『な、何でもない!気にするな!』
P『それよりも…実は今俺がそっちに向かっているのは、ある目的があるからで…それはやよいに関係あることなんだ』
やよい「私に…?」
P『な、何でもない!気にするな!』
P『それよりも…実は今俺がそっちに向かっているのは、ある目的があるからで…それはやよいに関係あることなんだ』
やよい「私に…?」
538: 2015/10/25(日) 05:55:11.17
P『ここ数日、伊織の家にやよいとご家族を匿ってもらって、教団やマスコミから遠ざけるのにみんなで協力してきた…』
P『にも関わらず、こんな突拍子もないことを言うのはおかしいと思われても仕方が無いが…』
やよい「…!」
P『…やよい、俺と一緒に…教団本部へ乗り込んで欲しい…!』
やよい「…はい!まかせてくださいプロデューサー!」
P『にも関わらず、こんな突拍子もないことを言うのはおかしいと思われても仕方が無いが…』
やよい「…!」
P『…やよい、俺と一緒に…教団本部へ乗り込んで欲しい…!』
やよい「…はい!まかせてくださいプロデューサー!」
539: 2015/10/25(日) 05:56:47.61
P『…本当にすまない…やよいが傷つくとわかっていながらこんなこと頼む俺はどうかして…』
P『…んんっ!?や、やよいさん?今なんて…』
やよい「あれ?教団本部に乗り込むんですよね?私、プロデューサーのこと信じてますから!」
伊織「ハァッ!?やよいちょっとかして…!アンタ、それ一体どういう事なの!?」
P『うおっ!?…その声は伊織か?』
P『…んんっ!?や、やよいさん?今なんて…』
やよい「あれ?教団本部に乗り込むんですよね?私、プロデューサーのこと信じてますから!」
伊織「ハァッ!?やよいちょっとかして…!アンタ、それ一体どういう事なの!?」
P『うおっ!?…その声は伊織か?』
540: 2015/10/25(日) 05:58:48.04
伊織「教団本部に乗り込むなんて、正気じゃないわ!何バカなこと言ってんの!?」
亜美「…あれれ~?真美ぃ、いおりんも同じこと言ってなかったっけ…?」
真美「デジャブーってやつですな~」
伊織「な…!わ、私は自分で乗り込むなんて言ってないわよ!それを言ったのは真よ!」
真「だ、だからあれは冗談だって言ってるじゃないか~!」
亜美「…あれれ~?真美ぃ、いおりんも同じこと言ってなかったっけ…?」
真美「デジャブーってやつですな~」
伊織「な…!わ、私は自分で乗り込むなんて言ってないわよ!それを言ったのは真よ!」
真「だ、だからあれは冗談だって言ってるじゃないか~!」
541: 2015/10/25(日) 05:59:49.45
P『いやいや…これには深いわけがあってだな…伊織にも関わることで…』
『Pさん、その話はちょっと…』
P『あ、つい…』
伊織「え?私にも関わるって何?って言うか今の低い声は誰なの?」
『Pさん、その話はちょっと…』
P『あ、つい…』
伊織「え?私にも関わるって何?って言うか今の低い声は誰なの?」
542: 2015/10/25(日) 06:00:44.46
P『と、とにかく着いてから細かい事情は説明するから…』
伊織「やよいが教団本部にいかなくちゃいけないなんてどんな事情よ!?今すぐ説明してちょうだい!」
P『あー、トンネルに入って電波が悪くなったみたいだー(棒)』
P『取りあえず切るぞー』ピッ
伊織「あ!ちょ!…もうっあのバカプロデューサー!!」
伊織「やよいが教団本部にいかなくちゃいけないなんてどんな事情よ!?今すぐ説明してちょうだい!」
P『あー、トンネルに入って電波が悪くなったみたいだー(棒)』
P『取りあえず切るぞー』ピッ
伊織「あ!ちょ!…もうっあのバカプロデューサー!!」
543: 2015/10/25(日) 06:02:19.01
P「…ふぃー…すいませんつい口が滑って…」
権藤「なぁに、それについては何とでもごまかせますので問題ありません」
権藤「しかし意外でしたなぁ…やよいさんがこうもあっさりと承諾するとは…」
P「やよいは相当ショックを受けるだろうとばかり…正直俺も訳が分かりません…」
権藤「私は事がスムーズに運ぶのなら、こういう意外性は大歓迎ですよ」
権藤「なぁに、それについては何とでもごまかせますので問題ありません」
権藤「しかし意外でしたなぁ…やよいさんがこうもあっさりと承諾するとは…」
P「やよいは相当ショックを受けるだろうとばかり…正直俺も訳が分かりません…」
権藤「私は事がスムーズに運ぶのなら、こういう意外性は大歓迎ですよ」
544: 2015/10/25(日) 06:03:19.95
権藤「…ま、それはそれとして…水瀬家にも現れたという例の老人のことですが…」
P「またですか?もう勘弁してくださいよ…」
権藤「後にしてくださいと言ったのはPさんですよ?どうせこの渋滞です。暇つぶしだと思って…」
P「…だから、一通りは話したでしょ、俺達にもよく分からないんですよ…」
P「またですか?もう勘弁してくださいよ…」
権藤「後にしてくださいと言ったのはPさんですよ?どうせこの渋滞です。暇つぶしだと思って…」
P「…だから、一通りは話したでしょ、俺達にもよく分からないんですよ…」
545: 2015/10/25(日) 06:06:36.66
権藤「部下に記録の再チェックをさせてみたんですが、やはり我々の撮影した写真や映像にその様な人物はいませんでした…」
権藤「ただ、その老人の話を踏まえると、やよいさんが教団本部に出向いたあの日の事で、気になる点が…」
P「気になる点…?」
権藤「当日は午後からボイスレッスンで、夕方から新ダンスの予備練習が予定されていた…間違いありませんね?」
P「はぁ、確かにそうですけど…って、どうやってそんなことまで…!」
権藤「ただ、その老人の話を踏まえると、やよいさんが教団本部に出向いたあの日の事で、気になる点が…」
P「気になる点…?」
権藤「当日は午後からボイスレッスンで、夕方から新ダンスの予備練習が予定されていた…間違いありませんね?」
P「はぁ、確かにそうですけど…って、どうやってそんなことまで…!」
546: 2015/10/25(日) 06:08:16.13
権藤「なぁに、ちょっとおたくの会社の通話記録を調べただけですよ」
権藤「…で、そこから可能性のありそうな連絡先を洗ってみたわけです」
権藤「特にあの日の動きは興味深い…ボイスレッスンは中止になったそうですね?」
P「はぁ…それが実は…」
権藤「報告にはこうあります…『ボイトレ講師が購入した宝くじが大当たり。驚きのあまりその場に卒倒』…」
権藤「…で、そこから可能性のありそうな連絡先を洗ってみたわけです」
権藤「特にあの日の動きは興味深い…ボイスレッスンは中止になったそうですね?」
P「はぁ…それが実は…」
権藤「報告にはこうあります…『ボイトレ講師が購入した宝くじが大当たり。驚きのあまりその場に卒倒』…」
547: 2015/10/25(日) 06:09:18.70
P「それも知ってるんですか…!」
権藤「その後のこともね。『ダンスコーチが恋人に結婚を申し込まれ、二人で即日コーチの実家へ』」
権藤「…こんな三文小説のような理由で、あなた方の午後のスケジュールにはポッカリと穴が空いた…」
権藤「しかしそのおかげで、やよいさんが連れてきたという『謎の老人X』への応対が可能になったわけです」
権藤「Pさん…この話、些か出来過ぎだとは思いませんか…?」
権藤「その後のこともね。『ダンスコーチが恋人に結婚を申し込まれ、二人で即日コーチの実家へ』」
権藤「…こんな三文小説のような理由で、あなた方の午後のスケジュールにはポッカリと穴が空いた…」
権藤「しかしそのおかげで、やよいさんが連れてきたという『謎の老人X』への応対が可能になったわけです」
権藤「Pさん…この話、些か出来過ぎだとは思いませんか…?」
548: 2015/10/25(日) 06:11:17.77
P「…つまりその、嘘じゃないかと疑っているんですか…?」
権藤「今の話は我々が調べたものですから、嘘でないことは分かっていますよ。つまり私が言いたいのは…」
権藤「この二つの出来事が、まるで老人Xの訪問をお膳立てしているかのように見える、ということです」
P「それじゃあ…まさかその二つもあの爺さんが…?」
権藤「今の話は我々が調べたものですから、嘘でないことは分かっていますよ。つまり私が言いたいのは…」
権藤「この二つの出来事が、まるで老人Xの訪問をお膳立てしているかのように見える、ということです」
P「それじゃあ…まさかその二つもあの爺さんが…?」
549: 2015/10/25(日) 06:12:10.43
権藤「さぁ…私はあくまで周辺の不自然な出来事に、老人Xという仮定を加え入れて考えたに過ぎません…」
権藤「いずれにしろ、『写真や映像に残らない謎の老人』なんてものを捜査対象にするわけにはいきませんからなぁ…」
権藤「これはあくまで、私人としての興味の範疇と思ってください」
P「はぁ…でも私人が部下の公務員に色々調べさせるのはどうなんですかね…?」
権藤「ハッハッハ…いやはや…これは痛いところを突かれましたな」
権藤「いずれにしろ、『写真や映像に残らない謎の老人』なんてものを捜査対象にするわけにはいきませんからなぁ…」
権藤「これはあくまで、私人としての興味の範疇と思ってください」
P「はぁ…でも私人が部下の公務員に色々調べさせるのはどうなんですかね…?」
権藤「ハッハッハ…いやはや…これは痛いところを突かれましたな」
550: 2015/10/25(日) 06:14:00.10
P「ところで権藤さん…やよいを首尾良く教団本部に連れて行けたとして、その後はどうするんですか…?」
権藤「…本来なら、捜査情報を喋るわけにはいかないんですが…今回はあなたの協力が不可欠ですので特別にお教えしましょう」
権藤「LHSは寄進額や教団諸活動への貢献度に応じて、『位階』と呼ばれる称号を信徒に与えているんですが…」
権藤「この『位階』は、信徒のランクであると同時に、教団本部施設のセキュリティレベルの区分でもあることが分かっています」
権藤「…本来なら、捜査情報を喋るわけにはいかないんですが…今回はあなたの協力が不可欠ですので特別にお教えしましょう」
権藤「LHSは寄進額や教団諸活動への貢献度に応じて、『位階』と呼ばれる称号を信徒に与えているんですが…」
権藤「この『位階』は、信徒のランクであると同時に、教団本部施設のセキュリティレベルの区分でもあることが分かっています」
551: 2015/10/25(日) 06:15:49.99
権藤「一般信徒は精々第二講堂までしか入れませんが、幹部クラスともなれば比較的自由に施設内を移動できるそうです…」
権藤「何人か公安部員を信徒として潜入させていますが…どうも幹部ですら入れない『聖域』が存在しているようで…」
権藤「そこで、やよいさんの出番というわけです」
P「聖域?それとやよいに何の関係が…」
権藤「何人か公安部員を信徒として潜入させていますが…どうも幹部ですら入れない『聖域』が存在しているようで…」
権藤「そこで、やよいさんの出番というわけです」
P「聖域?それとやよいに何の関係が…」
552: 2015/10/25(日) 06:17:07.74
権藤「動画をご覧になったでしょう?やよいさんは、教団の最高位『シュープリーム・ハピネス』の称号を与えられていた…」
権藤「その影響で、すでに教団内では『やよい様信仰』が定着しつつあるんですよ。わずか数日の間にね…」
権藤「実際、動画流出騒動の後、インターネット上の誹謗中傷にも関わらず、LHSの新規入信者数は劇的に増加しているんです」
P「なんでそんなことに…!?」
権藤「その影響で、すでに教団内では『やよい様信仰』が定着しつつあるんですよ。わずか数日の間にね…」
権藤「実際、動画流出騒動の後、インターネット上の誹謗中傷にも関わらず、LHSの新規入信者数は劇的に増加しているんです」
P「なんでそんなことに…!?」
553: 2015/10/25(日) 06:21:41.98
権藤「本来のアイドルとしての魅力が、皮肉にも宗教的カリスマとして発揮され、人々を惹きつけているからでしょう」
権藤「カルプレッタが方針を変えたのも、その辺りが理由だと私は見ています。金の匂いはすぐに嗅ぎつける女ですから…」
権藤「やよいさんの称号が単なるお飾りでないのなら、施設の奥深くまで入り込める…」
権藤「そこであるものを見つけられれば、教団本部に踏み込む理由として使えると…まぁこういうわけです」
P「あるもの…ですか?」
権藤「カルプレッタが方針を変えたのも、その辺りが理由だと私は見ています。金の匂いはすぐに嗅ぎつける女ですから…」
権藤「やよいさんの称号が単なるお飾りでないのなら、施設の奥深くまで入り込める…」
権藤「そこであるものを見つけられれば、教団本部に踏み込む理由として使えると…まぁこういうわけです」
P「あるもの…ですか?」
554: 2015/10/25(日) 06:23:53.60
権藤「…実は、信者の違法銃器所持の他にも、LHSは米国でもう一つ問題を起こしていましてね…」
権藤「彼らは米国支部を立ち上げるにあたり、コロラドの荒れ地にあった廃ミサイルサイロを購入しまして…」
権藤「何を考えたのか、そこへ大量の資材や武器弾薬を集め始め…」
権藤「事もあろうに、輸送記録を改ざんして米軍の兵器までそこに運び込んでいたんですよ…」
P「米軍の…!?そんな無茶苦茶な…!!」
権藤「彼らは米国支部を立ち上げるにあたり、コロラドの荒れ地にあった廃ミサイルサイロを購入しまして…」
権藤「何を考えたのか、そこへ大量の資材や武器弾薬を集め始め…」
権藤「事もあろうに、輸送記録を改ざんして米軍の兵器までそこに運び込んでいたんですよ…」
P「米軍の…!?そんな無茶苦茶な…!!」
555: 2015/10/25(日) 06:25:49.05
権藤「当時はイラクやアフガン情勢も絡んで、米国内外をひっきりなしに兵器や弾薬が移動していたことに加えて…」
権藤「連中はTRANSCOM(アメリカ輸送軍)の上層部の一部を取り込み、巧妙に輸送記録を改竄していたそうです」
権藤「その上、上下院議員や銀行家、軍の高官、複合企業経営一族等の子息まで取り込もうとしました」
権藤「ある機関が記録の改竄に気付き、息子を誘拐された名門一族が雇った民間軍事会社…」
権藤「…という体裁で特殊部隊を派遣し、事を起こす前に施設を制圧したまではよかったのですが…」
権藤「サイロにあったのは、推定量の1/10にも満たない小火器類ばかりで、残りの消息は今もって不明のままなのです」
権藤「連中はTRANSCOM(アメリカ輸送軍)の上層部の一部を取り込み、巧妙に輸送記録を改竄していたそうです」
権藤「その上、上下院議員や銀行家、軍の高官、複合企業経営一族等の子息まで取り込もうとしました」
権藤「ある機関が記録の改竄に気付き、息子を誘拐された名門一族が雇った民間軍事会社…」
権藤「…という体裁で特殊部隊を派遣し、事を起こす前に施設を制圧したまではよかったのですが…」
権藤「サイロにあったのは、推定量の1/10にも満たない小火器類ばかりで、残りの消息は今もって不明のままなのです」
556: 2015/10/25(日) 06:27:08.65
P「まさか、その消息不明の残りが…あの教団本部に運び込まれていると…?」
権藤「どの国の情報機関もこの話を耳にしているとは思いますが、日本にあると思っているのは私くらいなものでしょうね」
権藤「私が引っかかっているのは、当時確実にサイロに居たはずの二人の人間が姿を消したことです」
権藤「教団創設者の『代口』と、その腰巾着のカルプレッタ…地上の出入り口が一つしか無いサイロから忽然と居なくなった」
権藤「どの国の情報機関もこの話を耳にしているとは思いますが、日本にあると思っているのは私くらいなものでしょうね」
権藤「私が引っかかっているのは、当時確実にサイロに居たはずの二人の人間が姿を消したことです」
権藤「教団創設者の『代口』と、その腰巾着のカルプレッタ…地上の出入り口が一つしか無いサイロから忽然と居なくなった」
557: 2015/10/25(日) 06:28:55.00
P「実は最初から居なかったとか…」
権藤「あり得ませんな。何故なら私自身、彼らがサイロに入るところを見ましたから…」
P「なんで権藤さんがそんなところに…!?」
権藤「当時は別件で動いていまして…LHSの違法重火器売買の情報を得て監視していたんです」
権藤「それが偶然、突入作戦の当日で…遠目に見ていただけですが、米国の力を思い知らされましたよ」
権藤「…にも関わらず、二人は三日後に都内で確認されました。出入国記録に不備はなく、私の報告は一笑に付された…」
権藤「あり得ませんな。何故なら私自身、彼らがサイロに入るところを見ましたから…」
P「なんで権藤さんがそんなところに…!?」
権藤「当時は別件で動いていまして…LHSの違法重火器売買の情報を得て監視していたんです」
権藤「それが偶然、突入作戦の当日で…遠目に見ていただけですが、米国の力を思い知らされましたよ」
権藤「…にも関わらず、二人は三日後に都内で確認されました。出入国記録に不備はなく、私の報告は一笑に付された…」
558: 2015/10/25(日) 06:31:54.91
権藤「それから色々ありまして、現在の部署で他の案件をこなしつつも、連中をずっと追っていたんですよ」
P「…サイロにあったはずの大量の兵器が教団本部に隠されていると分かれば、警察が踏み込めるって事ですか…?」
権藤「…そう言いたいところですが、米国での前例がありますから、通常の手続きを経ている余裕はありません」
権藤「本件は関係機関との連携について既に事前の取り決めが出来ていまして、超法規的な措置が取られることになっています」
権藤「その絶対条件が兵器隠蔽の証拠を押さえることで、やよいさんはそのトリガーというわけです」
P「…サイロにあったはずの大量の兵器が教団本部に隠されていると分かれば、警察が踏み込めるって事ですか…?」
権藤「…そう言いたいところですが、米国での前例がありますから、通常の手続きを経ている余裕はありません」
権藤「本件は関係機関との連携について既に事前の取り決めが出来ていまして、超法規的な措置が取られることになっています」
権藤「その絶対条件が兵器隠蔽の証拠を押さえることで、やよいさんはそのトリガーというわけです」
559: 2015/10/25(日) 06:32:46.88
P「…そんな裏の事情まで俺に喋っちゃってよかったんですか…?」
権藤「Pさん、これは私にとって一世一代の大博打でもあるんですよ…」
権藤「ここ十数年はこのための準備に費やしてきたと言ってもいい…」
権藤「そしてやよいさんが待望の機会を与えてくれた…そのプロデューサーであり、捜査協力者であるあなたには全てをお話しておきたかった…」
権藤「まぁ…誰かにこの大仕事を知って欲しかっただけかも知れませんがね…」
権藤「Pさん、これは私にとって一世一代の大博打でもあるんですよ…」
権藤「ここ十数年はこのための準備に費やしてきたと言ってもいい…」
権藤「そしてやよいさんが待望の機会を与えてくれた…そのプロデューサーであり、捜査協力者であるあなたには全てをお話しておきたかった…」
権藤「まぁ…誰かにこの大仕事を知って欲しかっただけかも知れませんがね…」
560: 2015/10/25(日) 06:34:50.10
P「…どれだけ重大なことなのかは分かりました…そしてその分危険が伴うことも…」
P「捜査協力者である以前に、俺はやよいのプロデューサーです。最初に言った通り、俺はやよいの身の安全を第一に行動します」
権藤「それで構いません…先程は『邪魔だと感じれば我々も全力で止めにいく』と言いましたが、どうもその必要もなさそうだ…」
P「え?それはどういう…」
権藤「ここだけの話ですがね、Pさん…あなたが会ったという老人が、長年の疑問を解決する糸口になるような気がするんです」
P「捜査協力者である以前に、俺はやよいのプロデューサーです。最初に言った通り、俺はやよいの身の安全を第一に行動します」
権藤「それで構いません…先程は『邪魔だと感じれば我々も全力で止めにいく』と言いましたが、どうもその必要もなさそうだ…」
P「え?それはどういう…」
権藤「ここだけの話ですがね、Pさん…あなたが会ったという老人が、長年の疑問を解決する糸口になるような気がするんです」
561: 2015/10/25(日) 06:36:24.64
権藤「…サイロから姿を消したことに限らずとも、あの二人の行動には腑に落ちない点が余りに多すぎる…」
権藤「それこそ、魔法でも使ってるんじゃないかと疑いたくなるようなことが山ほどあるんですよ…」
P「権藤さん…それって…」
権藤「おっと、勘違いしないでください…公務においてはあくまで現実的な問題のみを扱うということです」
権藤「…存在すら定かでは無い老人の助言を得て、あなたがどう行動しようと私には無関係ですからね…」ニヤリ
権藤「それこそ、魔法でも使ってるんじゃないかと疑いたくなるようなことが山ほどあるんですよ…」
P「権藤さん…それって…」
権藤「おっと、勘違いしないでください…公務においてはあくまで現実的な問題のみを扱うということです」
権藤「…存在すら定かでは無い老人の助言を得て、あなたがどう行動しようと私には無関係ですからね…」ニヤリ
562: 2015/10/25(日) 06:37:15.91
今回はここまで
563: 2015/10/25(日) 06:45:34.98
乙!続き気になるから早めの投下を頼みたいところ
564: 2015/10/25(日) 06:47:30.68
乙
566: 2015/11/17(火) 01:14:33.03
引用元: やよい「幸せを運ぶ壺…?」
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります