1: 2011/07/31(日) 09:19:20.78
唯(幼少)「ど、どうしてのどかちゃんとあそんじゃダメなの・・・?」

唯母「どうしてもよ。団地の子とは遊んではいけません」

唯(幼少)「なんでぇ?のどかちゃんはおともだちだよ?」ぐすっ

唯母「ダメなものはダメ!言う事を聞いて唯ちゃん」

唯(幼少)「うっ・・・うぇっ・・・ママのバカぁ・・・!」うぇぇぇん

唯母「聞き分けてね唯ちゃん。あなたのためなのよ」

5: 2011/07/31(日) 09:25:30.56
唯(幼少)「うぇっ、うぐっ・・・ママのバカぁ・・・ヒック」

憂(幼少)「おねえちゃん・・・」

唯(幼少)「ういー、ママがね、もうのどかちゃんとは遊んじゃダメだってー」ぐす

憂(幼少)「おねえちゃん、どうしよ?」

唯(幼少)「うっく・・・ママがでかけたときには、のどかちゃんとあそぶっ」

憂(幼少)「うん、それがいいよね・・・」


唯母「貧乏人の子がうちの子に悪影響与えたら大変!しっかり監視しとかないと!」

6: 2011/07/31(日) 09:31:01.72
唯(幼少)「今日はママがお出かけ、今のうちに・・・」

和(幼少)「ゆーいーちゃん♪あーそびーましょ♪」

唯(幼少)「和ちゃんきた!いらっしゃーーい!」

憂(幼少)「いらっしゃーい」

和(幼少)「おじゃましまーす」

唯「和ちゃ~ん♪」ぎゅっ

和「あれ?今日おばさんは留守?」

唯「う、うん・・・」

9: 2011/07/31(日) 09:38:55.41
和「・・・もしかして、唯ちゃんも私と遊んじゃダメだって言われたの?」

唯「え?私も、って?」

和「やっぱり言われたんだ・・・」

唯「あっ・・・」

和「ごめんね唯ちゃん・・・私と遊ぶと怒られるんだよね?」

唯「の、和ちゃん・・・」

和「う、うちは貧乏だから・・・遊ぶと怒られるんだよね?」

唯「え?え!?」オロオロ

和「ごめんね、もうここには来ないようにするから・・・」

唯「ま、待って和ちゃん!」

和「今まで遊んでくれてありがとね、唯ちゃん・・・」ダッ

唯「待って!待って和ちゃん!」

16: 2011/07/31(日) 09:50:47.82
和「ヒック、ヒック・・・うぅっ、お友達・・・居なくなっちゃったよぅ」

唯「のーどかちゃーん!」
憂「のーどーかーちゃーん!」

和「!」

唯「あー!和ちゃんいたー!」
憂「和ちゃん!」

和「探しにきてくれたの?怒られちゃうよ?」

19: 2011/07/31(日) 09:56:59.32
唯「和ちゃんの方が大事だもん・・・!」

和「唯・・・」

憂「お願い和ちゃん、もうウチに来ないなんて言わないで・・・」ぐすっ

和「憂・・・」

唯「ママは・・・私たちがなんとかするから・・・ね?」ぽろぽろ・・・

和「うん・・・うん・・・」じわっ・・・

唯「これからも遊びに来てくれる?」

和「あ、遊びにっ、行くから、」ぽろぽろ・・・

唯憂「和ちゃーん!」ぎゅっ

和「ゆいー!ういー!」ぎゅっ

21: 2011/07/31(日) 10:04:03.88
10年後

憂「和ちゃんいらっしゃい♪」だきっ

和「お邪魔します・・・って、憂?抱きつかれると動きづらいのだけれど?」

憂「和ちゃ~ん♪」ぎゅっ

唯「あー!和ちゃんいらっしゃーい!」だきっ

和「唯?私のはなしを聞いてた?」

唯「のーどかちゃーん♪」ぎゅっ

和「・・・まったくもう」なでなで

22: 2011/07/31(日) 10:05:22.52
おしまいです

和ちゃんをいじめるSSって見たことないなー、と思って書き始めたのに
あれー?まあいいか??

25: 2011/07/31(日) 10:46:26.60
おまけ

生活保護家庭ながら、必氏に勉強した和は名門お嬢様学校へ特待生としての入学が決まる
そう、唯と同じ学校へ・・・

ある日の軽音部

唯「ムギちゃんの家はお金持ちなんだね!」

律「琴吹財閥のご令嬢なんてスゲーよな」

紬「そんなことないわよ~」

澪「そう言えば、みんなの家は両親がどんな仕事してるんだ?」

和(ドキッ!)

26: 2011/07/31(日) 10:49:57.85
唯「澪ちゃんのご両親は公務員だっけ?」

澪「ああ、お役所勤めだよ」

律「けーざいさんぎょーしょー?だっけ?」

紬「まあ!官僚さんなのね?」

和「・・・。」

澪「うん。律の両親はスーパーマーケットで働いてるんだよな?」

律「おう!今は・・・14店舗くらいだったかな?」

27: 2011/07/31(日) 10:52:57.55
唯「お~、経営のお仕事ですかー」

紬「も~!律っちゃんこそ社長令嬢じゃない!」

律「別にそんなに大げさなモンじゃねーよ~」

和「・・・。」

律「唯の両親は?普段家には居ないみたいだけど・・・」

唯「私?普通のサラリーマンだよ~?」

28: 2011/07/31(日) 10:59:42.86
澪「普通のサラリーマンは海外に行ってて家空けたりしないだろ」

唯「えー?普通の営業マンだって言ってたよー?」

紬「何を売るお仕事なの?」

唯「うーんとね、自家用のクルーザーとかヘリコプターを売ってた・・・はず?」

律「あいまいなのかよ!」

唯「だって普段居ないからあんまり仕事の話なんてしないんだもん!」

澪「まあ、親の仕事なんてそんなものかもな」

紬「私もお父様がどんなお仕事してるか把握してないわー♪」

和「・・・。」

29: 2011/07/31(日) 11:03:01.82
律「それで・・・和んちは?」

唯「ハッ・・・!(今気がついた)」

澪「和の両親は凄いエリートっぽいよなぁ」

紬「うんうん!学者さんとかだったり?」

和「・・・。」

唯「あ、あの・・・和ちゃんのおうちは・・・」オロオロ

和「わ、私の両親は・・・」

30: 2011/07/31(日) 11:04:36.53
おいまい

だれか貧乏をネタにイジメられる和ちゃんを書いてください
私には出来ません
でも見たいんです

31: 2011/07/31(日) 11:09:36.95
イジメ、カッコワルイ

34: 2011/07/31(日) 11:27:39.07
和「その……な、なんていうか……」

律「なんだよー、もったいぶるなってー!」ワクワク

和「あの……え、っと」

唯「あ、そ、そうだ! あずにゃんは!?」

梓「へ?」

澪(居たのか……)

紬(気づかなかったわ~)

唯「だから! あずにゃんのおうちはどんな仕事してるの!?」

梓「そうですね~……。音楽関係の業者、って感じでしょうか?」

37: 2011/07/31(日) 11:40:57.93
澪「へえ、なんだか凄いな」

紬「梓ちゃんはサラブレッドなのねー」

梓「そんなに大したものじゃないですよ」テレッ

律「おーおー照れちゃってー」

唯「まああれだね流石あずにゃんだよねかっこかわいいねさあみんな練習しよう!」ギータ!

梓「き、急になんですか唯先輩……?」ビクッ

澪「やけに張り切ってるな……」

和(唯……!)

唯「何言ってるの私はいつも張り切ってるよさあ練習だー!」セット!

梓「まあ、やる気があるのは良いことですけど……」

律「待てよー、まだ和の両親のことを聞いてないだろー」

和(!!)

唯(このデ……りっちゃんめ!)

38: 2011/07/31(日) 11:49:43.21
律「それでそれで!? 和ん家はどんな仕事してるんだ!?」ワクワク

梓「きっと私の両親よりはエリートだと思いますけど」

和(これ以上ハードルを上げないでちょうだい……)

唯「み、みんな! 別にそんなのどうだっていいじゃん! 練習しようよ!」

紬「ど、どうしたの? 唯ちゃん……」

澪「大丈夫か? 唯?」

唯「大丈夫! だから早く……!」

梓「落ち着いてください、唯先輩!」

律「まあ落ち着けよ唯。別に和ん家のことを聞いてからでも良いだろ」

和(…………)

39: 2011/07/31(日) 11:55:27.86
紬「そうよ唯ちゃん。別に時間はたくあんあるじゃない」

澪「まあ、和の家の仕事が気にならないといえば嘘になるしな」

梓「聞きたいですよね」

和「……」

唯「み、みんな……」

律「……どうした? 和?」

和「わ、私の両親は……」

41: 2011/07/31(日) 11:57:44.76
和「私の両親は……」

和「両親の……仕事は……」

和「仕事は……」

和「……」










憂「和さんの両親はドカタですよ」

和「!!!」

唯「!?」

44: 2011/07/31(日) 12:02:01.72
梓「え……」

律「和の両親が……」

澪「ドカタ……?」

紬「ほ、本当に……?」(ドカタって何かしら……)

唯「……う、憂?」

憂「本当ですよ。両親共働きの、立派なドカタです」

憂「いや、母の方はパートでしたね」

46: 2011/07/31(日) 12:06:50.41
和「……」ダッ

唯「和ちゃん!」

律「おい、和!?」

唯「……!」キッ

唯「憂!」

憂「なあに? お姉ちゃん」

唯「憂……何したか分かってるの!? 和ちゃんが『それ』をコンプレックスにしてるの、知ってたでしょ!?」

憂「知ってたよ?」

唯「だったら……どうして!?」

48: 2011/07/31(日) 12:13:27.90
~廊下~

和「……」タッタッタ

和「……」

和「……はぁ」トボトボ

純「あれ、どうしたんですか生徒会長?」

和「……あなたは、モ……憂の友達ね、確か」

純「あ、覚えててくれてたんですか。そうですよ、ちなみにジャズ研です!」

和「そう、覚えておくわ」

純「……ところで、なんか凄い顔色悪いですけど……なんかありました?」

49: 2011/07/31(日) 12:20:34.63
和(……誰かに話した方が、スッキリするかもしれないわね……)

和(普段あんまり関わらないこの娘なら、他に漏れることもないでしょうし)

和(……いや、ただ私は誰かに同情してほしいだけ)

和(そんな自己満足のために、この娘を利用してはダメ)

和(ダメ、とは分かってるけれど……)

和「……純ちゃん、と言ったわね? ちょっと、話を聞いてくれるかしら?」

純「ドンと来いです!」ドン

純(名前も覚えててくれてた……!)

50: 2011/07/31(日) 12:25:58.10
―――
――


純「はぇ~……。会長のご両親ってドカタとパートなんですか」

和「……ええ」

純「なんか意外ですね。てっきり両親ともバリバリのエリートかと思ってたのに」

和「……」

純「でも、それでよくこの学校に来れましたね?」

和「……特待生と奨学金で、なんとかね」

純「おおっ、流石会長!」

52: 2011/07/31(日) 12:31:12.16
和「……皆には、知られたくなかったな」

純「何をですか?」

和「お父さんと、お母さんの職業よ」

純「何でですか?」

和「何でって……恥ずかしいじゃない……」

純「恥ずかしい?」

和「……ええ」

純「……昔になんかありました?」

54: 2011/07/31(日) 12:37:51.18
和「私ね、小学校の頃、一時的に虐められてたの」

和「一部の男子たちがね、私の方を指さして『お前の父ちゃんドーカーター!』って」

和「『俺の父ちゃんはパイロットだぜ!』って」

純「……」

和「正直、辛かったわ。生活的にも、虐めのことも」

和「家が貧しいから、流行のゲームを買ってもらえない」

和「両親とも共働きだから、家事は自分でやらなきゃいけない。遊ぶ暇が無い」

和「……両親を恨んだことも何度かあったわ」

和「私も、普通に皆と遊びたかった」

56: 2011/07/31(日) 12:54:05.30
純「……」

和「まあ、当然クラスでは徐々に孤立しちゃってね」

和「なんで私だけ……。そんなことをずっと思ってた」

純「……」

和「……まあ、唯と憂だけは、私を庇ってくれたけどね」

和「それでも、辛かった」

和「それからかな……両親の職業を隠すようになったのは……」

純「……」

75: 2011/07/31(日) 13:53:19.78
和「でも、知られちゃった。ふふ……まさか憂にバラされるとはね」

和「皆、引いちゃったよね……」

純「……え?」

和「えっ」

純「いやいやいや……えっ?」

和「……なんでそこで疑問符が出てくるのかしら?」

純「いやいや、だって今の話のどこに、引く要素があったんです?」

77: 2011/07/31(日) 14:06:26.87
~軽音部~


唯「どうして……皆にバラしちゃったの、憂!?」

憂「あはは、やだなお姉ちゃん、『バラす』なんて」

憂「私は、真実しか言ってないよ?」

唯「憂……!」

憂「まったく、ちょっとお姉ちゃんの様子を見に来たら和ちゃんが居たし」

憂「何の話をしてるかと思えば、両親の職業?」

憂「そしたら和ちゃんが言いよどんでるから、私が代わりに答えただけだよ」

唯「憂は……憂は忘れたの……!? 小学校の時……和ちゃんが苦しんでたのを……!」

憂「忘れてないよ? それがどうしたの?」

唯「……憂っ!!!」バッ

78: 2011/07/31(日) 14:12:50.81

澪「やめろ!」ガシッ

律「唯!」ガシッ

紬「唯ちゃん!」

梓「唯先輩!? 憂!?」

唯「許せない……! いくら憂でも、今のは絶対に許せない!!」

澪「落ち着け唯! 暴力はダメだ!」

憂「……」

梓「ほ、ほら! 憂も謝って!」

憂「……」

梓「憂!」

憂「……許せないのは私の方だよ、お姉ちゃん」

85: 2011/07/31(日) 14:31:25.03

憂「お姉ちゃんはドカタの仕事をなんだと思ってるの?」

憂「誰でもできる仕事? 仕事に餓えた人たちが行き着く終点? 底辺の巣窟?」

憂「そう思ってるからこそ、和ちゃんの両親のことを聞かれた時、必氏に隠そうとしたんじゃない?」

唯「……っ!」

憂「お姉ちゃん、私はね、ドカタの人って凄いと思う」

憂「あんな大変な作業をして、夜中でも頑張って、でもお給料は少なくて」

憂「それでも生きるため、家族を養うために必氏で働いてる」

憂「そんな人たちを恥と思うのは、私は許せない」

89: 2011/07/31(日) 14:45:09.32
紬「憂ちゃん……」(ドカタ……ドカタ……?)

憂「……お姉ちゃんこそ、小学校の時のこと忘れちゃったの?」

唯「……?」

憂「『どんな和ちゃんでも、私達はずっと友達だもん』」

唯「あ……!」

憂「……あの時ね、私すっごい感動したんだよ?」

憂「だってよりによって、和ちゃんを虐めてた男の子の前で、大声で叫んじゃうんだから」

憂「お姉ちゃんと和ちゃんはすごいなあ、って、そう思った」

唯「憂……」

92: 2011/07/31(日) 14:54:24.60

憂「家が貧しくて中々遊べなくて」

憂「それでも必氏に勉強して特待生を勝ち取って」

憂「今も昔も絶えず変わらず努力してる和ちゃんを、私は心から尊敬してる」

唯「……」グスッ

憂「皆さんはどうですか?」

皆さん「えっ?」

憂「和さんの家が貧乏って聞いて、何を思いました?」

皆さん「……」

95: 2011/07/31(日) 15:03:16.78

紬「うーん……」(『ドカタ』と『トッカータとフーガ』って似てるわね……)

律「まあ、面食らいはしたけど、和ってエリートそうなイメージだし」

梓「そうですよね。まあ、家が貧乏なのと和先輩の人柄は関係ないですし」

澪「ああ。むしろ努力を怠らない和を、私も尊敬するよ」

律「あ、ずるい! 私も尊敬するー!」

澪「勝手にしてればいいだろ」

紬「ドカタって素敵な響きねえ~」ポワポワ

唯「み……みんな……」グスッ

98: 2011/07/31(日) 15:12:34.36
~廊下~


和「どこにって……あなたねえ……」

純「いや、格好良いじゃないですかドカタ。夜中もずっと働いてますし」

純「あんな重い荷物とか運んだり、あっつい日でも厚着して、私には到底できませんよ」

和「……」

純「……ああ、そうか。憂の言いたかったことって、こういうことか……」

和「……?」

102: 2011/07/31(日) 15:27:21.26

純「会長、さっきの話ですけど。憂と唯先輩は、会長を守ってくれてたんですよね?」

和「ええ、そうね」

純「その二人が、今になって会長の敵になることってあると思いますか?」

和「……無い、と思うわ」

和(……憂は、どうかしら)

純「だったら、その二人の友達である軽音部の皆は、貧乏人をバカにするような人たちに見えますか?」

和「……見えないわね」

純「そういうことですよ」

104: 2011/07/31(日) 15:41:33.08

和「え?」

純「そういうことなんですよ、憂が言いたかった事は。多分」

純「憂は信じてたんですよ。軽音部を」

純「あそこの人たちは、絶対に会長をバカにしたりはしないって」

純「きっと会長のことを受け入れてくれるって」

和「……!」

111: 2011/07/31(日) 16:02:18.62

純「過去に虐められてたからって関係ないですよ」

純「だって会長には今、仲間が居るじゃないですか」

純「羨ましいほどの、強い絆を持った仲間が」

和「……」

和(でも……私は……)

112: 2011/07/31(日) 16:07:56.29

純「……虐められてたから、皆を信用できないと思うのは無理もないかもしれません」

純「だから、ここで分かれ道を作りましょう」

純「会長が過去と決別できるかの、分かれ道です」

和「……」

純「……片方は、秘密が漏れることを恐れて、臆病な会長のままでいる道」

純「もう片方は、皆を信じてありのままの自分を曝け出す道」

純「……会長は、どっちの道を行きたいですか?」

和「……」

113: 2011/07/31(日) 16:17:35.15

純「どっちの道が楽、とかじゃないですよ」

純「会長がどっちに進みたいか、だけです」

和「……」

純「選ぶまでも、ないですよね?」

和「……!」

和「……ええ、そうね」

和「……ありがとね! 純ちゃん!」タッ

純「いえいえ、どういたしまして」



純「……はぁ」

純「いいなぁ、軽音部……」

114: 2011/07/31(日) 16:24:55.82
~軽音部~


律「安心しろ、唯。ここにはそんなくだらないことで友達をバカにする奴なんかいねーよ」

紬「そうよ唯ちゃん。和ちゃんを中傷するなんてできるわけないじゃない」

澪「だな。普段から和に迷惑かけっぱなしの私たちが、和にどうこう言える立場でもないしな」

律「おいおい、あんまり和に迷惑かけんなよ~、澪~?」

澪「主にかけてるのはお前と唯だっ!」ゴン

律「いたーっ!?」ヒリヒリ

梓「でも憂もちょっと熱くなり過ぎだったよー……」

憂「ごめんね。皆に和さんのことをちゃんと分かってほしかったから……」

115: 2011/07/31(日) 16:28:08.59

唯「……」

唯「私……心のどこかで和ちゃんを見下してたのかな……」

唯「貧乏人……って」

憂「……ううん、違うよお姉ちゃん」

憂「お姉ちゃんは、心の底から和ちゃんを守りたいって思ってただけ」

憂「私がちょっと言い過ぎちゃった。ごめんね」

唯「……でも、そのおかげで大切なことを思い出せたよ」

唯「ありがとね、憂」

憂「……どういたしましてっ」クスッ

116: 2011/07/31(日) 16:42:31.70
―――
――


和「はっ……はっ……はっ……」タッタッタ

和(ごめんね、唯、憂)タッタッタ

和(私は、あなたたちを完全に信頼できていなかったみたい)タッタッタ

和(ごめんなさい……本当にごめんなさい)タッタッタ

和(そして……本当にありがとう)タッタッタ

和(最高の友達が居る私は、例え貧乏でも、世界で一番の幸せ者ね!)タッタッタ

和「……唯!」バタン!

唯「!」

唯「和ちゃん!」タッ

117: 2011/07/31(日) 16:50:07.90



男子A『やーいやーい、真鍋のびんぼうにーん!』

男子B『貧乏人は学校くんじゃねーよバーカ!』

和『ひぐっ……ぐすっ……』ポロポロ

男子C『俺一昨日二丁目の工事現場のとこでコイツの親父見たぜー!』

男子A『マジかよー? 俺一週間くらい前にあの幽霊ビルの撤去してるとこで見たぜ?』

男子B『俺なんか昨日家の前の道路工事してるとこ目撃したぜ!』

男子A『もしかしてコイツの親父って“ていしょく”に就いてねーんじゃねーの?』

男子C『うわー、本当に底辺だな真鍋ん家!』

男子達『ははははははははははは!!!』

和『ふぇ……ふぇぇぇん……』ポロポロ

118: 2011/07/31(日) 17:02:14.61

唯『和ちゃんをバカにしないで!』

和『! ゆ、唯ちゃん……』

憂(お姉ちゃん!?)

男子A『な、なんだよ平沢。真鍋の肩を持つのかよ?』

男子C『それにこんな奴と一緒に居ると貧乏がうつっちまうぜ?』

男子B『貧乏神エキスだー!』

唯『うつらないもん! それに和ちゃんは貧乏神なんかじゃないもん!』

和『唯ちゃん……』グスッ

男子B『なんだよー、真鍋が貧乏なのは事実じゃねーか!』

男子A『どうせお前だって、真鍋のこと貧乏人って思ってんだろ!』

唯『思ってないもん!!』

唯『それに……どんな和ちゃんでも、私達はずっと友達だもん!!』

119: 2011/07/31(日) 17:11:06.66

男子A『な、なんだよ平沢、デカイ声出しやがって』

先生『コラー! なんだ今の騒ぎはー!?』

男子B『やべっ、逃げるぞ!』タタタッ

男子C『うわわわわわわ』タタタッ

男子A『くそっ、覚えてろよ!』タタタッ



唯『はぁ……はぁ……』

和『ゆ、唯ちゃん……』グスッ

憂(お姉ちゃんかっこいい……)ポー


120: 2011/07/31(日) 17:11:57.15

唯『大丈夫? 和ちゃん』

和『う……うん。唯ちゃんこそ、大丈夫?』

唯『うん! だいじょうブイ、だよ!』

和『……』

和『……ふふっ』

唯『うん、やっぱり和ちゃんは笑った顔の方が可愛いよー』

和『……ありがと、唯ちゃん』

唯『どういたしまして!』

122: 2011/07/31(日) 17:21:06.67


唯『……和ちゃん、あんなこと言われても、絶対に負けちゃダメだよ?』

唯『和ちゃんは勉強も料理も何だってできるし、すごいんだから』

和『……でも、私の家が貧乏なのは本当だし……』グスッ

唯『関係ないよ!』

和『!』

唯『和ちゃんは、和ちゃんだよ! 貧乏だとかお金持ちとか、関係ないよ!』

唯『だから……気にしなくていいんだよ』

124: 2011/07/31(日) 17:22:34.25


和『唯……ちゃん』

唯『私は和ちゃんのすごさを知ってる』

唯『また嫌な事言われそうになったら、私が和ちゃんを助けるから!』

和『……うん』

唯『だから……勉強とか、これからも教えてね?』テヘッ

和『……うん!』

唯『えへへっ』




唯「私たち、ずっと友達だからね!」ギュッ

126: 2011/07/31(日) 17:29:06.52

130: 2011/07/31(日) 17:40:18.11
俺は俺なりに頑張ったんだよぉ
それなりに終わらせたつもりだったんだよぉ

まあ、わざわざSS書いてくれてどうもでした

132: 2011/07/31(日) 17:50:32.10

純「私も軽音部入っとけばよかったかなー……」

いちご「……」

純「っとと、あれ、もしかしてさっきの見られてました?」

いちご「……うん」コクン

純「……誰かに言います?」

いちご「言わないよ、別に」

いちご「どうでも良いし」

133: 2011/07/31(日) 17:53:48.26

純「……その割には『心配だー』って顔してるように見えますけどねー」

いちご「いや、してないし」

いちご「……真鍋さん、貧乏だったんだね」

純「やっぱり心配なんじゃないですかー」

いちご「うるさい」

134: 2011/07/31(日) 18:05:42.35

純「……大丈夫ですよね、会長」

いちご「……さあ」

純「あ~……あれだけ大見得切っといて、実は当てが外れたーなんてことになってたらどうしよ……」

いちご「……軽音部はみんな良い娘だから、大丈夫」

いちご「真鍋さんを蔑むようなことはしない」

136: 2011/07/31(日) 18:10:24.59

純「……ずいぶん軽音部を評価してるんですね」

いちご「してないし。本当のことを言っただけ」

純「あはは、素直じゃないですね」

いちご「……」プイッ

純「すみませんって、そうソッポ向かないでくださいよ」

139: 2011/07/31(日) 18:23:24.46

いちご「……あなたも」

純「?」

いちご「あなたも、ずいぶんと軽音部を信頼してるみたいだけれど」

いちご「それに、軽音部を羨んでる」

純「……」

純「まあ、否定はしませんよ。信頼もしてますし、羨ましいとも思ってます」

純「あの輪に入れたら、どんなに良いだろうか、って」

143: 2011/07/31(日) 18:37:23.83

純「でも、あの輪の中にはもう入れないんです。途中乗車なんて無理」

純「軽音部はあのメンバーで構成されてるべきなんですよ」

純「だから、あの輪に入れている会長がほっとけなかったんです」

いちご「……そう」

いちご「優しいのね、あなた」

145: 2011/07/31(日) 18:43:03.64
純「えーっ、それは私を過大評価しすぎですよ。ただのおせっかい焼きなだけですって」

いちご「……まあ、あなたの好きなように思うといい」

純「いやそこは否定してくださいよ……」

いちご「……もうこんな時間」

純「へっ、あ、ほんとだ。そろそろ帰らないと!」

148: 2011/07/31(日) 18:48:00.54
いちご「それじゃあ、私は帰るね」

純「はい、なんか色々ありがとうございました!」

いちご「いや別にお礼を言われるようなことはしてないけど」

純「てへへ」

純「ではっ、さようならです!」

いちご「さようなら」

いちご「……いつか、あなたにも、軽音部みたいな仲間ができるといいね」スタスタ

純「え、あ、え?」

純「……行っちゃった」

純「……あ、名前聞きそびれたな」


おわり

149: 2011/07/31(日) 18:48:48.68

引用元: 和「私が貧乏っていう勝手な設定ひろめたのどこの誰よ!?」