1: 2013/03/17(日) 00:41:29.80
クラリス「皆様こんにちは。シスター・クラリスでございます」
クラリス「教会へようこそ。の時間ですわ」
クラリス「私の使命は、一人でも多くの人に、幸せをお届けすること」
クラリス「この番組が、その手助けとならんことを……」
2: 2013/03/17(日) 00:43:14.92
クラリス「まずは、クラリスの救済キッチン。のコーナーでございます」
クラリス「私はシスターとして、清く慎ましい生活を徹底して参りました」
クラリス「その結果……日々の食卓は、ごはんこそ全てだと悟ったのです!」
クラリス「そして、ごはんをもとに、あらゆる食卓に一層の彩りを。そのためには……」
クラリス「丼こそが、願いを叶えてくれる、最高の料理だと気付きました……!」
クラリス「私が清貧の末に発明した、丼を紹介しましょう!」
4: 2013/03/17(日) 00:46:03.58
クラリス「最初に紹介するのは、丼の中の丼でございます」
クラリス「丼とは、なぜ美味しいのでしょうか。それは、ごはんが美味しいから」
クラリス「では、その美味しいごはんに、ごはんを盛り付けるとどうなるのか……?」
クラリス「私はとても恐ろしい発明をしてしまいました……」
クラリス「ご覧下さい。これが、ごはん丼でございます!」
5: 2013/03/17(日) 00:48:56.62
クラリス「ああ、神々しいですわ……」
クラリス「白く清く美しい……ごはん。なんと素晴らしいのでしょうか」
クラリス「さっそく、頂いてみましょう」
クラリス「いただきます。はむはむ、はふはふ!」
クラリス「ああ、おいしいですわ……!」
6: 2013/03/17(日) 00:51:54.63
クラリス「……ごちそうさまです」
クラリス「やはり、お米は人類の宝でございますね」
クラリス「美味しいものに美味しいものを掛け合わせれば、より美味しくなる……」
クラリス「我らが主よ、あなたの与えたもうた恵みに感謝します……」
クラリス「アー米ン……」
7: 2013/03/17(日) 00:54:02.47
クラリス「さあ。続けてご紹介したいところですが、なにぶん、丼とは大盛りですので……」
クラリス「お腹が空くまで次のコーナーへ参りましょう」
クラリス「丼は、おやつにも食せる、素晴らしい料理ですもの」
クラリス「慌てる必要は、ございません」
8: 2013/03/17(日) 00:57:04.48
クラリス「続いては、クラリスの救済相談室のコーナー。でございます」
クラリス「シスターとは、迷える子羊を導いてこそ聖職者たりえます」
クラリス「恋に仕事に、あらゆる悩みのご相談に乗りましょう」
クラリス「どうぞ、方舟に乗ったおつもりでいてくださいまし」
9: 2013/03/17(日) 00:59:39.16
クラリス「記念すべき一人目の相談者は、Kさんでございます」
「よろしくおにゃーしゃー☆」
クラリス「ようこそいらっしゃいました、Kさん」
「おっすおっすクラリスちゃん! お服、カワイイカワイイね☆」
クラリス「そうですか? ふふっ、ありがとうございます」
10: 2013/03/17(日) 01:03:15.00
クラリス「それで、本日のご相談とは?」
「そうなのー……あのね、あの人のことを思うとね、お胸がきゅんきゅんするの……」
クラリス「ふむふむ」
「いっつもいっつも、心がイタイイタイなの。これって、ビョーキ?」
クラリス「なるほど。Kさんは、その人のことを考えるだけで、心がときめいてしまうと言うのですね」
「うん……ときめきときめきー……」
11: 2013/03/17(日) 01:07:08.90
クラリス「Kさんは、その人とどういうご関係でしょうか?」
「えっとね、大切な人……なんだにぃ」
クラリス「お互いに、なくてはならない関係……ということですね」
「そーそー! もう四六時ちゅー、一緒なんだにぃ☆」
クラリス「とても貴い存在……素晴らしいではありませんか」
「えへへ、すばらしー☆」
12: 2013/03/17(日) 01:11:00.52
クラリス「よくわかりましたわ。Kさんとえっと、その方……」
「Pちゃんだにぃ」
クラリス「Pさん。そのPさんとKさんは、切っても切れない絆で結ばれているに違いありませんわ」
「きずな……?」
クラリス「そう……つまり、KさんはPさんに恋をしているのです!」
「こ、恋にょわー!?」
14: 2013/03/17(日) 01:18:55.79
クラリス「あなたにとってかけがえのない人……それこそが、あなたの愛する人に他なりません」
「あ、愛かにぃ……!?」
クラリス「愛、愛。らぶでございます」
「ら、らぶ!」
クラリス「Kさんは知らず知らずのうちに、Pさんを愛していたのでございます」
「つまり、Pちゃんにメロメロってコトかにぃ!?」
クラリス「めろめろもめろめろ、ぞっこんですわ」
「ぞっこん……!」
15: 2013/03/17(日) 01:29:58.08
「で、でもでも、どうすればいいんだにぃ……?」
クラリス「悩む必要はありません。想いのままに行動すれば良いのです」
「想いのまま?」
クラリス「愛するがままに、Pさんに想いをぶつければ、全ては上手くいきましょう」
「ぶつける……ぶつければいいのかにぃ?」
クラリス「ええ。己を信ずればきっと救われますわ」
「なるほどなるほど☆」
16: 2013/03/17(日) 01:34:00.60
クラリス「悩みは解決されましたか?」
「もっちろん! もーカンペキだにぃ☆」
クラリス「それはそれは、良かったですわ♪」
「ありがとー、クラリスちゃん! おっつおっつばっちし☆」
クラリス「ふふっ。私でよければ、いつでもご相談に来て下さい」
「んじゃんじゃ、Pちゃんとはぴはぴしてくゆー☆」
クラリス「神の祝福があらんことを……」
17: 2013/03/17(日) 01:40:10.38
クラリス「おや、またお腹が空いてきましたね……」
クラリス「では次の丼をご紹介いたしますわ」
クラリス「せっかくのおやつ時ですもの、おやつが食べたいでしょう」
クラリス「ご心配なく、おやつの丼をご紹介いたします! その名も、ドーナツ丼でございます!」
18: 2013/03/17(日) 01:44:04.40
クラリス「ほくほくと炊き上がった白米に、こんがり焼けた香ばしいドーナツ……」
クラリス「まさにアダムとイブの如く、出会うべくして出会った二人でございます!」
クラリス「ああ……色のコントラストが鮮やかで眩しすぎますわ……」
クラリス「我慢も限界です、いただきますっ」
クラリス「はむはむ、はふはふ!」
クラリス「ふわ……なんと美味しいのでしょう!」
19: 2013/03/17(日) 01:46:38.99
クラリス「……ごちそうさまでした」
クラリス「聖書にも書かれていない、素晴らしき体験をした思いですわ……」
クラリス「この丼の創造に尽力されたドーナツの女神、Nさんへ感謝を」
クラリス「アー米ン……」
20: 2013/03/17(日) 01:52:26.60
クラリス「さて。二人目の相談者は、Rさんでございます」
「よろしく、クラリスさん」
クラリス「なんなりと、ご相談くださいまし」
「ありがたいな。周りの人には、中々話しにくいことだからさ……」
クラリス「さようでございますか。でしたら、このシスター・クラリスにお任せ下さい♪」
「うん。じゃあ、聞いてくれる?」
21: 2013/03/17(日) 01:58:54.67
「私さ、気になる人がいるんだ。気になる人」
クラリス「気になる人……ですか」
「ずっと長いこと一緒にいる人。たぶん、私が出会った中で、一番仲が深いかな」
クラリス「まあ。羨ましいですわ……」
「ありがとう。それでね、それ以上、仲が深まらなくなっちゃったんだよ」
クラリス「と、いいますと」
「友達以上、恋人未満……って感じかな」
クラリス「ふむふむ」
22: 2013/03/17(日) 02:08:26.14
クラリス「Rさんは、それ以上の領域へ進むことを、望んでいらっしゃるのですか?」
「……そりゃ、まあ。運命の相手だし」
クラリス「あらあら。運命の相手! なおさら、結ばれたいですわね」
「ん、そうなんだよね。それで、どうすればいいんだろう?」
クラリス「お相手に、えっと……」
「あー……Pさん」
クラリス「Pさん。Pさんは、どう思ってらっしゃるでしょうか?」
「あの人が……?」
23: 2013/03/17(日) 02:13:36.35
クラリス「私がRさんに言葉を授けることは容易ですわ」
クラリス「でも。そうだとして、相手の気持ちはどうなってしまうのでしょう?」
「相手の気持ち……」
クラリス「悩みを持つのは良いことですわ。でも、それは決して、自分だけの物ではないのです」
「そっか。相手のことでも、あるからね」
24: 2013/03/17(日) 02:17:21.28
クラリス「一人の悩みから、二人の悩みへ。素直に分かち合うことで、より仲が深まるでしょう」
「なるほど……」
クラリス「ですから、Rさんはただ、素直に打ち明ければよいのですよ」
「そうすれば……そうすれば、ちょっとは進めるかな?」
クラリス「私はシスター・クラリス。嘘はつきませんとも」
「ふふ、そうだね。ありがと、クラリスさん」
クラリス「ええ。お役に立てて、嬉しいですわ」
25: 2013/03/17(日) 02:20:11.90
「じゃあ、まずはメールでも送ってみようかな」
クラリス「積極的な姿勢は素晴らしいことですわ」
「ん……あれ、メールがきてる。『やっほー☆皆見て見て! Pくんと夜景でーと記念写メ☆』」
クラリス「まあ……」
「……」
クラリス「……」
「積極的な姿勢は素晴らしいことだよね」
クラリス「積極的な姿勢は素晴らしいことですわ」
27: 2013/03/18(月) 10:45:46.93
クラリス「小腹の空く時間となりましたね……」
クラリス「ここはやはり、おやつに丼を一杯、食しましょう」
クラリス「おやつといえば、そう……」
クラリス「丼とパフェでございます」
クラリス「つまり、このふたつが合わされば……」
クラリス「……じゅるり」
28: 2013/03/18(月) 10:54:41.19
クラリス「はじめにこの、てっぺんに乗っかったクリームをいただきます……はむ」
クラリス「ああ……幸せですわ……」
クラリス「まろやかでしつこくない、天使の羽のよう」
クラリス「パフェ丼。なんと味わい深い丼なのでしょう……」
クラリス「この創造に携わられたYさんに、感謝を」
クラリス「アー米ン……」
29: 2013/03/18(月) 11:01:36.94
クラリス「最期の相談者は、こちら。Tさんですわ」
「あの、お願いします」
クラリス「お願いいたします。ではさっそく、ご相談とは?」
「えっとですね。実は私、想い人がいまして……」
クラリス「想い人でございますか」
「はい……でも、簡単には結ばれない状況なんです」
クラリス「障害があるのですね」
30: 2013/03/18(月) 11:10:20.38
「私、たまに何かに憑かれたように、お金にがめつくなってしまうんです……」
クラリス「なんと」
「それで事あるごとに、スタドリエナドリを押し売りしてしまい……」
クラリス「相手、ええと……」
「Pさんです……」
クラリス「Pさん。Pさんに、呆れられてしまうのではないかと……」
「うう……そうなんです」
31: 2013/03/18(月) 11:14:31.26
クラリス「まことに由々しき問題ですわね。もしかすると、本当に何かに憑かれているのかもしれません」
「ひ、ひええ……」
クラリス「ご心配には及びませんわ。私が、しっかりと追い払って差し上げましょう」
「あ、ありがとうございます!」
クラリス「では少々お待ち下さい、道具を持って参りますわね」
「はいっ!」
32: 2013/03/18(月) 11:18:23.09
クラリス「お待たせいたしました、始めましょう」
「お願いしますね、クラリスさん」
クラリス「ええ。まずは深呼吸しましょうか。吸ってー」
「すうう……」
クラリス「吐いてー」
「はああ……」
クラリス「次に、この十字架をじっと見つめて下さい」
「じー……」
33: 2013/03/18(月) 11:20:20.25
クラリス「そう……じっくり」
「じーー……」
クラリス「揺らしますよ」
「じーーー……」
クラリス「……あなたはどんどん眠くなーる」
「じ、じー……」
クラリス「眠くなーる、眠くなーる……」
「……くかー」
クラリス「……成功しました」
34: 2013/03/18(月) 11:21:39.83
クラリス「続いて悪霊を呼び出しましょう」
「くー……くー……」
クラリス「悪しきモノよ、彼女から退きなさい……えいっ!」
「すー……すー……」
クラリス「効きませんか……ではこの100円玉を」
「ぐー……ぐー……」
クラリス「……ちゃりーん」
「スタドリの音ッ!」
クラリス「出ましたね悪霊!」
35: 2013/03/18(月) 11:25:29.84
「悪霊とは失礼な……この私こそ、マニーとモバコインを司る神……」
クラリス「神を騙る愚かモノ……善良な霊に、その場所を譲っていただきますわ!」
「3000モバコインで譲ってやる」
クラリス「くっ……どれほど汚いのでしょうか……!」
「どうするんだ、払うのか?」
クラリス「残念でしたわね……今月は限度額です!」
「な、なんだと……!」
クラリス「悪しきモノよ、去りなさい!」
「ぐ、ぐおお!!」
36: 2013/03/18(月) 11:26:55.05
クラリス「ふう……一件落着ですわ」
「すぴー……すぴー……」
クラリス「Tさん、終わりましたよ。起きて下さい」
「うーん……」
クラリス「悪霊の代わりに熱い霊を憑けておきました。きっと、前向きになれるでしょう」
「う、うう……!」
クラリス「Tさん?」
「ぶ……!」
クラリス「ぶ?」
「ブロロンブロロン」
37: 2013/03/18(月) 11:28:55.24
クラリス「あの、Tさん……?」
「ブロロンブロロン、ブロン!」
「ブロロ……ブオオオオン!」
「スカッ」
「バスンバスン……」
「ブロロロロ……ブゥロロロロ……」
「ピポパ……プルル」
「すみません、JAFですか」
クラリス「……」
38: 2013/03/18(月) 11:31:16.42
クラリス「……一件落着ですわ」
クラリス「悪い霊ではないはずです、きっと」
クラリス「…………」
クラリス「良い仕事をした後は、お腹が空きますね」
クラリス「……お別れの時間です」
クラリス「皆様にご加護がありますように……」
39: 2013/03/18(月) 11:34:35.12
おしまい
41: 2013/03/18(月) 12:01:01.45
乙
寺生まれってすごい、改めてそう思った
寺生まれってすごい、改めてそう思った
42: 2013/03/18(月) 12:44:25.78
乙乙乙
引用元: クラリス「教会へようこそ」
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