1: 2010/03/05(金) 23:40:09.41
音楽室

梓「は……?」

律「どしたー唯? 藪からスティックに」

澪「さすがに意味がわからないぞ」

紬「そういう設定もありかも♪」

梓「設定て何ですか……」

6: 2010/03/05(金) 23:45:23.77
唯「ほら、あずにゃんの両親て仕事で家を空けることが多いじゃない?」

梓「そうですね」

唯「だからだよ」

梓「ざっくりな説明ですね。おかげで全く意味がわかりませんでした」

唯「だーかーらー、あずにゃんは一人で過ごすことが多いでしょ? それだったら私達と一緒にいた方が楽しいんじゃないかって。私の両親もあまり家にいないしさ!」

梓「そういうことですか。でも一人で一夜を過ごすことにも慣れたし、そんな気を使わなくても……。気持ちだけありがたく受け取t」

澪「ダメだ!」

梓「!?」

9: 2010/03/05(金) 23:50:21.80
律「どうした澪!? 急にシャウトして!」

唯「澪ちゃん、ダメって何が?」

澪「……梓を妹にすることは許さん……」

唯「どうしてそんなこと言うの! 寂しい毎日を送ってるあずにゃんが可哀想じゃないの!?」

梓「いやだから、私は別にd」

澪「可哀想だよ! 可哀想だからこそ……。梓、私の妹にならないか……///」

「……」

梓「は……?」

11: 2010/03/05(金) 23:55:08.36
紬「まぁ♪ 唯ちゃんVS澪ちゃんで梓ちゃんの取り合いね」

律「意味がわからん! ダイ! 頼むからそろそろ誰かツッコんで!」

梓「澪先輩、一体どういうことですか?」

澪「実は私、ずっと妹が欲しいと思ってたんだ……///」

唯「なぁ~んだ、そういうことか。じゃあ交代であずにゃんを妹にするってのはどう?」

梓「何勝手に決めてるんですか! 私はだいj」

澪「おお、それはいいな」

14: 2010/03/06(土) 00:00:22.16
律「そういうことなら私も立候補しようかな。面白そうだし」

紬「はいはいはい! 私も妹と生活するのが夢だったの~♪」

唯「みんな妹派だったのか~」

澪「じゃあまずは順番を決めるか」

梓「なんで私抜きで勝手に話を進m」

「じゃんけ~ん、ポン!」

梓(なんなんだこの人達。なんなんだ)

16: 2010/03/06(土) 00:05:05.40
唯「わぁい、私の勝ち~」

澪「ちくしょう! ガッデム!」

梓(そこまで悔しがることなの?)

唯「よろしくね、あずにゃん」

梓「よろしくじゃないですよ! いきなり妹って言われても!」

唯「まぁまぁ、結局は一緒に過ごすだけだから。あずにゃんも家で一人で過ごすよりいいでしょ?」

梓「まぁ……確かに」

18: 2010/03/06(土) 00:10:17.53
唯「家には憂もいるし、ちょっとしたお泊り会だと思ってさ!」

梓「うぅ……」

律「ま、そんな深く考えることでもないだろ。とにかく唯の妹になったんだから、思いっきり甘えていいんだぞ」

唯「えっへん! 私はりっちゃんよりも姉歴が長いからね! 妹の面倒を見るくらいお茶の子さいさいだよ!」ふんす

梓「唯先輩は憂に面倒見てもらってるんじゃ……」

唯「そ、そんなことないよ!」

澪「どう見てもそうだろ……」

唯「あ、あはは……。たまにね、たまーに」アセアセ

20: 2010/03/06(土) 00:15:14.28
梓「わかりました。これ以上何か言っても無駄だろうし、みなさんのお世話になることにします」

律「まかせとけ!」

紬「今日は唯ちゃん、明日は澪ちゃん、次がりっちゃんで最後は私ね」

律「全員回ったら誰が一番姉らしかったか、梓に審査してもらおうぜ! 負けた奴は罰ゲームな!」

唯「わぁ! 面白そう!」

律「だろ?」

紬「燃(萌)えてくるわね♪」

22: 2010/03/06(土) 00:20:33.61
澪「私はビリでもいいや。梓を妹にできるだけで満足だ///」

律「おいおい、やる気出せよー。ひどい罰ゲームを考えてやるからな!」

唯紬「こわ~い」

律「澪の罰ゲームは全校集会の時に、みんなの前でパンツを晒す、っと」

澪「や、やめろ!」

梓(本当にこの人たちは私の意見を聞かないで勝手に話を進めるなぁ。練習もこれくらやる気を出してくれれば……うっ……)

24: 2010/03/06(土) 00:25:15.34
かえりみち!

唯「あずにゃんよろしくね!」

梓「はあ……まぁ、はい……」

唯「あまり乗り気じゃないねぇ」

梓「だって本当に一人でも大丈夫ですし……。それに唯先輩と憂に迷惑がかかるような気がして……」

唯「私達のことなら気にしなくていいよ! 憂にメールしたら、楽しみって返信があったし!」

梓「そうですか……」

25: 2010/03/06(土) 00:30:05.44
唯「あずにゃんがやる気を出すいい方法があるよ」

梓「なんですか?」

唯「むふふ、今から私のことをお姉ちゃん、って呼んでいいよっ」

梓「やです」

唯「アレ!?」

梓「それはさすがに恥ずかしいですよ……」

唯「気にしなくていいじゃーん。どうせ家には私と憂しかいないんだし」

梓「だから嫌なんですっ!」

27: 2010/03/06(土) 00:35:14.42
唯「ねえ、お姉ちゃんって言ってみてよ」

梓「嫌です。無理」

唯「あ~ん、お願い! 一回だけでいいから! このとーり!」

梓「むぅ~……じゃあ、一回だけですよ?」

唯「うんうん!」ワクワク

梓「お、おね、お姉ちゃん……///」

唯「あはぁ~ん!」

28: 2010/03/06(土) 00:40:06.91
唯「中々新鮮なものがあるねっ! 私興奮してきたよ! あずにゃん、もう一回!」

梓「嫌です! どれだけ恥ずかしいと思ってるんですか!」

唯「え~、そんなの気にしないよぉ~」

梓「私が気にするんです! 先生をお母さんって呼んだ時の恥ずかしさに通ずるものがありましたよ」

唯「ぶ~、まあ、そこまで恥ずかしいって言うなら強要はしないけどさ……」

梓「ほっ……」

唯梓(でも澪(先輩)ちゃんの口ぶりからすると、お姉ちゃんって呼び方を強要してきそうだな……)

30: 2010/03/06(土) 00:45:04.43
ひらさわけ!

唯「ただいまうい~、あずにゃん連れてきたよ~」

憂「お帰りお姉ちゃん! 梓ちゃんもいらっしゃい!」

梓「ごめんね憂。なんか変なことになっちゃって……」

憂「謝ることないよ! なんだか楽しそうだもん! 梓ちゃんが泊まるのも初めてだしね」

梓「ほっ……。そう言ってくれると安心するよ」

唯「あずにゃん? やけに安心してるね?」

梓「な、なんとなく……」

31: 2010/03/06(土) 00:50:17.39
憂「ところで梓ちゃんと私はどっちがお姉ちゃんなの?」

唯梓「へ?」

憂「今日の梓ちゃんはお姉ちゃんの妹になる日なんでしょ? 私とも姉妹ってことだよ!」

梓(うわぁ~……唯先輩よりもノリノリだぁ)

唯「ごめんあずにゃん、諦めて。こうなった憂は誰にも止められないよ」

憂「?」ワクワク

34: 2010/03/06(土) 00:55:43.71
梓「えっと、私の誕生日は11月11日だけど」

憂「私は2月22日だよっ。ってことは梓ちゃんもお姉ちゃんかぁ。梓お姉ちゃんって呼んだ方がいい?」

梓「やめて!」

憂「ええ!? どうして!?」

梓「同級生同士でそれは恥ずかしすぎるよ……」

憂「そう? 私は気にしないけど。それに面白いじゃない?」

唯「あずにゃんはさっきから恥ずかしがってるんだよ~。私のことをお姉ちゃんって呼ぶのもためらってるし」

憂「そっかぁ。全然恥ずかしくないのにね?」

唯「ね~」

梓(なんだかんだ言って、やっぱり姉妹って似てるなぁ)

36: 2010/03/06(土) 01:00:04.37
唯「まあまあ、こんなところで立ち話もあれだし、家に上がろうよ。うい、もうご飯はできた?」

憂「ごめん、まだなんだ~。急いで作るね」

唯「おっけー! じゃあ私達はリビングでゴロゴロしてるね!」

梓「えっ」

憂「うん、お姉ちゃん頑張って!」

唯「おぉ~! さ、あずにゃん一緒にゴロゴロしよ」

梓「ちょ、ちょっと待ってください!」

37: 2010/03/06(土) 01:05:18.88
憂「梓ちゃん?」

唯「どうしたの?」

梓「どうしたの、じゃないですよ! 唯先輩は夕飯作り手伝わないんですか?」

唯「うん、手伝わないよ」

梓「あっさり言わないでっ!」ガーン

憂「お姉ちゃんは料理できないから……」

39: 2010/03/06(土) 01:10:11.65
唯「そうそう。料理担当は憂だから」

梓「掃除は?」

唯「憂」

梓「洗濯は?」

唯「それも憂」

梓「宿題は?」

唯「それも、う……いやいや! さすがに宿題は自力でやるよ!」

唯(憂に教えてもらいつつ……)

41: 2010/03/06(土) 01:15:28.55
梓「ダメですよ憂に任せっきりじゃ! お姉ちゃんでしょ!」

唯「あずにゃん落ち着いて……」

梓「これが落ち着いていられますか! 憂が料理してる間にゴロゴロなんて……。お姉ちゃんの風上にも置けません!」

唯「お、おぉ……」

憂「梓ちゃん、私は別に……」

梓「憂も唯先輩を甘やかしすぎだよ! これじゃあニートだよ!」

唯「ゴロゴロしてるだけでニート!?」

梓「はい。そりゃあそうでしょ」

唯「だよね」

43: 2010/03/06(土) 01:20:26.15
梓「とにかく唯先輩はできる範囲でいいから、お手伝いをするべきですっ」ビシッ

唯「うぅ~、わかったよぉ」

憂「ふふ、梓ちゃんは姉ポジションの方が合ってるかもね」

梓「そ、そんなこと///」

唯「これじゃあ私の立場がない……」

唯(しかし、ツンデール(ツンデレツインテール)と才色兼備の妹か。もし私が男だったら……。たまりませんな)

46: 2010/03/06(土) 01:25:15.51
だいどころ!

梓「今日の夕飯は?」

憂「今日はカレーライスだよ~。お姉ちゃんのためにとびきり甘くしたの!」

梓(まさか砂糖とか入れてないよね……)

唯「ふぁふがうい~。バリボリ」

梓「何一人で煎餅食ってるんですか! 唯先輩も夕飯作り手伝ってくださいっ」

唯「ふぁ~い」

48: 2010/03/06(土) 01:30:55.77
憂「とは言っても、お姉ちゃんにできることはないし……」

唯「じゃあ銀魂見てきていい?」

梓「ダメです! 料理は私と憂がやるから、唯先輩は食器並べたりしてください」

唯「はぁ~い……重労働だなぁ……」

梓「……」

梓「唯先輩を甘やかしてたら、本当にニートになっちゃうよ」

憂「でもゴロゴロしてるお姉ちゃん可愛いよ~///」

梓(……10年後も同じことを言えるのかな)

51: 2010/03/06(土) 01:35:20.18
梓「ともあれ、カレーはほとんどできてるね」

憂「うん、後はルーを入れるだけ。あ、大柴の方じゃないからね」

梓「あーうん。そうだね」

憂(……言わなきゃ良かった)

憂「そうそう、カレーにコーヒーを入れるとコクが出ておいしくなるんだよ。これ、豆知識ね」

梓「へ~、コーヒー豆だけに?」

憂「えっ? そ、そだね……」

梓(ちょっとうまいこと言っちゃった)

憂(梓ちゃん、ボケは向かないかも)

 どっちもどっちでした。

53: 2010/03/06(土) 01:40:10.75
すうじゅっぷんご!

憂「できた! 梓ちゃん、味見してみて」

梓「どれどれ、ペロッ。うん、おいしいよ!」

憂「良かったぁ。味付けはいつもお姉ちゃん用にしてるから、梓ちゃんの口に合うか心配だったんだ」

梓「憂は本当に姉想いなんだね」

憂「えへへ/// お姉ちゃんを見てると、どうしても尽くしたくなっちゃうんだ」

梓「まあ、わかる気はするけど……。さてさて唯先輩はちゃんと食器並べたかな」

54: 2010/03/06(土) 01:45:40.62
テレビ『~~~~』

唯「バリボリ。けらけらけら」グター

梓「…」

梓(憂はあんなに唯先輩に尽くしてるっていうのに……)

梓「何やってんすか!」

唯「ごふっ! げほげほ! あああずにゃん、もうカレーはできたの!?」

梓「こっちはできましたよ! なんで食器すら並べてないんですか!」

唯「い、今からやるよー」

梓「もう……私も手伝いますから憂が来る前に並べちゃいましょう」

57: 2010/03/06(土) 01:50:20.74
唯「えへへ、さすがあずにゃん! ツンデールの名は伊達じゃない!」

梓「ツンデールって?」

唯「私が作った言葉」

梓「変なこと言ってないで早くやりますよ」

唯「わかったよぉ~。あーずにゃん!」ダキッ

梓「わわっ、全然わかってないじゃないですか! 抱きつかないでくださいっ!」

唯「だってあずにゃん可愛いんだもん。ああ、なんかテンション上がってきた!」スリスリ

梓「スリスリしないでくださーい!」

58: 2010/03/06(土) 01:55:28.56
唯「むふぅ、あずにゃん、チュー」ブチュー

梓「ちょちょちょ! や、やめてください!」ググ…

憂「カレー出来上がりだよー」

梓「憂助けて! 唯先輩にチューされる!」

唯「よいではないかよいではないか~」ブチュー

憂「ふふ、お姉ちゃんたら梓ちゃんが来てるからいつもの倍元気だね」

60: 2010/03/06(土) 02:00:07.14
梓「早く食べないとせっかくのカレーが冷めちゃいますよ! だから離れて!」

唯「はいはーい」パッ

梓「切り替え早っ」

唯「背に腹は代えられないもん。腹が減っては戦はできぬ、だよ」

憂「お姉ちゃんすごいね! そんな言葉知ってるなんて」

唯「てへへ/// 漫画に書いてあった」

憂「お姉ちゃんは勉強家なんだね~」

梓(わかんない。この姉妹よくわかんない)

63: 2010/03/06(土) 02:05:34.94
憂「はいお姉ちゃん、あーん」

唯「あーん、パク」モグモグ

梓「……」モグモグ

唯「ん~、うまい!」

憂「それじゃあ梓ちゃん、あーん」

梓「私も?」

憂「うん、だって今日の梓ちゃんは私のお姉ちゃんでしょ? だからお姉ちゃんと同じことしてあげなくちゃ」

唯梓(すっかり忘れてたその設定)

67: 2010/03/06(土) 02:11:01.34
憂「あーん」

唯「あずにゃん、食べてあげなよ」ポン

梓「わかりましたよ……あーん」

梓「パクッ、もぐもぐ」

憂「おいしい?」

梓「ゴク。うん、おいしい」

憂「ふふ、良かったぁ」ニコニコ

唯「あずにゃん! 私に食べさせて!」フモフモ

68: 2010/03/06(土) 02:15:52.83
梓「はいはい、そう言うと思いました。唯先輩、あーん」

唯「あーん、パク」

唯「モグモグ、ん~あずにゃんのあ・じ」

梓「気持ち悪いこと言わないでっ!?」ガーン

憂「梓ちゃん! 私も私も!」

梓「もぅ……あーん」

憂「あーん」

70: 2010/03/06(土) 02:20:25.56
憂「モグモグ、梓ちゃんの味///」

梓「憂まで!?」ガーン

唯「えへへ、あずにゃんがいるだけでご飯がこんなにおいしくなるんだね~」

憂「本当だね。毎日こんなだったら楽しいかも」

唯「あずにゃん、本当にウチの子になっちゃいなよ~。わっしょい!」

梓「それもいいかもしれないですね」

梓(誰かと一緒に夕飯を食べるだけで、こんなにおいしく感じるなんて……)

梓(いつも夕飯一人だったもんな……。唯先輩、もしかして私の気持ちに気付いてこんなことを……?)

72: 2010/03/06(土) 02:25:20.60
すうじゅっぷんご!

唯「ごちそうさまー」

梓「おいしかったよ憂」

憂「ありがと。じゃあ私はお皿洗ってくるね」

唯「よーし!」

梓(唯先輩、ついに自分からお手伝いを?)

唯「ごろごろするぞー」グタ…

梓「あらら……」ズルル

73: 2010/03/06(土) 02:30:59.66
梓「はいはい、お手伝いしましょーねー」グイ

唯「あーうー」ズルル

憂「でも皿洗いは一人のほうが効率いいし……」

唯「ほらぁ、憂もそう言ってる事だし一緒にごろごろしようよぉ。アイスでも食べながらさ」

梓「ダメです。お姉ちゃんでしょ?」

唯「お、おぉ! よーし! やるぞぉ!」

憂(梓ちゃんはお姉ちゃんの扱いうまいな~)

75: 2010/03/06(土) 02:35:03.44
憂「それじゃあお姉ちゃんはお風呂掃除をお願いしよっかな」

唯「おっけー! 任された!」

梓「食器下げたら私も手伝いに行きますから。サボっちゃダメですよ」

唯「わーかってるよぉ」

――――――――――――
――――――――
――――

おふろば!

梓(さーて、唯先輩はっと)

78: 2010/03/06(土) 02:41:13.60
唯『ふんふんふーん♪ ちゃらっちゃー♪』

梓(ぷぷ、鼻唄なんて歌ってかわいいな。ちゃんとやってるみたいだね)

ガチャ

梓「やってますねー」

唯「あずにゃーん。そりゃあ私だってやるときゃやる女なんだよ!」

梓「えへへ、そうですよね。ん?」

唯「どしたの?」

梓「何かやけにいい匂いがしますね」

79: 2010/03/06(土) 02:46:20.98
唯「いい匂いの洗剤使ってるからね! でもいくら擦っても泡立たないんだ~」

梓「そんな馬鹿な。どんな洗剤使ってるんです?」

唯「これ」ヒョイ

梓「これリンスじゃないですか!」

唯「へ? ダメなの?」

梓「そりゃダメですよ! せめてシャンプー、いやそれもおかしいけど……」

80: 2010/03/06(土) 02:51:55.93
唯「あはは、失敗失敗。まあこれでも汚れは落ちるし」ゴシゴシ

梓「あの、それって体洗い専用のタオルじゃ……」

唯「うん、そうだよ。どれで擦ればいいかわかんなかったから、とりあえず使ってたんだ。ザラザラしてて結構汚れ落ちるよ~」

梓「浴槽ブラシを使うんですよ! 常識じゃないですか!」

唯「そうなの?」

梓「もぅ! 今までごろごろして憂に家事を任せっきりだったから、そんなこともわからない子に育ったんですよ!!」

唯「あう……」

梓「大人になってもこんなだったらどうするつもりですか! お姉ちゃん失格ですよ!」

唯「……!?」ガーン!

81: 2010/03/06(土) 02:57:32.13
唯「……」どよんど

梓(あ……言い過ぎた……でもきっと唯先輩のことだから……)

ポワワワーン

唯『あずにゃ~~~ん、許ちて!』ダキッ

梓『んもぅ! 全然反省しないんだから……』

シュワワワーン

梓(なんてことに……)ササッ

唯「……」

唯「……ぅうあぁ~ん!!」ポロポロ

梓「……」

梓「へ?」

82: 2010/03/06(土) 03:05:06.49
梓「ゆ、唯先輩……?」

唯「うわぁーん! あぁ~ん!」トボトボ

梓「あ、あの」

ガチャ

唯『うあぁ~ん!』ビエー

梓「」

梓「なにこれ」

84: 2010/03/06(土) 03:10:27.89
梓「い、行ってしまわれた……。一体どこに号泣する要素が……。と、とにかく今はお風呂掃除の続きを……」アタフタ

梓「……」ゴシゴシ

梓「あ、しまった……。これ浴槽ブラシじゃなくて自分の髪だった……」

 唯の意外な反応に、動揺する梓であった。

梓「反省してまーす」

86: 2010/03/06(土) 03:15:53.52
だいどころ!

梓「うい~……」

憂「梓ちゃん、お風呂掃除は終わった?」

梓「うん……それよりここに唯先輩来なかった?」

憂「うん? 来てないけど。お姉ちゃんがどうかした?」

梓「実はかくかくしかじか」

憂「お、お姉ちゃんが……」

87: 2010/03/06(土) 03:21:08.45
梓「ちょっときつい事言ったとは思ったけど、泣くなんて思わなかったからビックリして……」

憂「お姉ちゃん、梓ちゃんに姉らしいところを見せるって意気込んでたから……」

梓「お姉ちゃん失格って言ったのがまずかったのかな……?」

憂「多分……」

梓「……」

梓(唯先輩なりに姉らしいところを見せたかったんだな……そんなことにも気付かず私は……)

梓「……謝ってくるね」

88: 2010/03/06(土) 03:25:17.90
ゆいのへや!

唯「どっ」ポロポロ

ガチャ

梓「失礼しま~す……」

唯「えぐっ……えぐっ……」ポロポロ

梓「唯先輩、顔を上げてください」

唯「ぐすっ……」ポロポロ

90: 2010/03/06(土) 03:29:41.04
梓「唯先輩、あの……さっきは」

唯「ふぇえぇ~ん」ポロポロ

梓「あのですね……唯先輩みたいなお姉ちゃんがいてもいいと思います!」

唯「……? 私みたいなお姉ちゃん?」

梓「ちょっと抜けてる所もあるけど、頑張ってる唯先輩は可愛いし、格好いいと思いますよ! だから憂は唯先輩に尽くすんじゃないかな」

唯「……本当ぉ?」

梓「本当です。さっきは……唯先輩の将来が心配になってちょっときつく言っちゃっただけです! そのだから……ご、ごめんなさい!」

唯「ぐすっ……えへへ/// 私の方こそごめんね。これからは憂に任せてばっかりじゃなくて、お手伝いするよ! 少しは姉らしくならないとね!」ふんす

92: 2010/03/06(土) 03:33:32.18
梓「なれますよ。唯先輩なりの、唯先輩らしいお姉ちゃんに」

唯「えへへ、妹に教えられるなんて私はまだまだだね。姉レベル1だよ」

梓「そんなこと……」

唯「そうだ! あずにゃん、せっかくだからギターの練習しようよ! こんな機会めったにないしさ!」

梓「はい!」



憂「……(チラッ」

憂(ふふ、仲直りできたみたい。良かったねお姉ちゃん、梓ちゃん)

94: 2010/03/06(土) 03:38:05.01
いちじかんご!

唯「そろそろお風呂入らなきゃー」

梓「そうですね。って、お湯出しっぱなしだった!」

唯「ええ!? もう一時間以上経ってるよ! タプタプじゃん!」

梓「は、早く止めに行かないと!」

ガチャ

憂「お姉ちゃん、そろそろお風呂入ってー」

96: 2010/03/06(土) 03:42:07.72
梓「憂! 私お風呂の栓閉めるの忘れてて、もう1時間以上も出っ放しで……!」アタフタ

憂「うん、私が止めておいたよ。ギターに熱中してたから忘れてるんだろうな、と思ってたんだ」

梓「なぁんだ、良かったぁ……。言ってくれれば良かったのに」

憂「練習の邪魔したら悪いと思って……」

唯梓「……」

唯梓(できた妹だぁ~)

唯「あずにゃんも憂を見習いなさい」ポン

梓「はい……返す言葉もな……いやいや、唯先輩に言われたくないです」バシッ

唯「のりつっこみ!」

憂(ふふ、なんだか前より仲良くなってるみたい)

98: 2010/03/06(土) 03:46:35.36
唯「それじゃあ入りますか~うい~」

憂「うん」

梓「最初は唯先輩ですか? それじゃあ私と憂はテレビでも見ながら」

憂「?」

唯「何言ってるのあずにゃん」

梓「え?」

唯「みんなで一緒に入るんだよー」ケラケラ

梓「」

99: 2010/03/06(土) 03:50:48.04
梓「いやいや! それはないですよ! ……いや姉妹いないからわからないけど……でも普通に考えたらないですっ!」

唯「なんで~? 普通じゃん。姉妹なんだし」

憂「ね~」

唯「あずにゃんも合宿の時、軽音部のみんなと一緒にお風呂入ったでしょ? それと同じだよ~」

憂「そうそう」

梓「ん~、まぁ確かにそうか……」

梓(いややっぱり何か違うような……)

101: 2010/03/06(土) 03:54:12.88
唯「おふろば!」

憂「それ、お姉ちゃんが言わなくてもいいんだよ~」

唯「あ、そっかぁ」

梓「……」

カポーン

唯「いい湯だな~っと。ビバノンノ。ふぁ~気持ちいいな~」

憂「お姉ちゃん、掃除頑張ってたから余計気持ちよく感じるんじゃない?」

103: 2010/03/06(土) 03:58:28.49
唯「おぉ、確かにそうかも!」

梓「いいものでしょう? 自分で汗をかいて働くって」

唯「そだね。てへへ、今まで憂にまかせっきりだった自分が恥ずかしいよ。これからはしっかりと自分の足で歩いていかないとね。そして自分の行動に責任を持つことが大切なのかな」

梓「それに気付いただけでも大きな一歩です。人は失敗を繰り返すけれど、反省することができる生き物なんです。失敗をどう次に生かすか、それが大事だと思うんですね」

唯「うんうん。その通りだね」

憂「……」

憂(なぜ急に重い話に?)

104: 2010/03/06(土) 04:02:18.40
唯「そうだ! あずにゃん、背中流してあげるよー」

梓「やです!」

唯「ガーン!」

梓「冗談ですよ。お願いします」

唯「お、おお。意外な反応」

梓「今日はお手伝いを頑張って(唯先輩なりに)ましたからね。そのご褒美ですよ」

唯「そっかぁ。ありがとあずにゃん!」

105: 2010/03/06(土) 04:06:47.19
梓「早くしてください。体冷えちゃいますよ」

唯「ちょ、ちょっと待って」

唯(体洗う用のタオル、私と憂の分しかないな。私達が使ったやつじゃ、あずにゃん嫌だろうし……。これでいいか、浴槽ブラシ)ジャジャーン

 梓の背中を浴槽ブラシで洗おうとしている唯をよそ目に、憂は……

憂「しゃらんらしゃらんら~」ブクブク

 タオルでブクブクしていた。

106: 2010/03/06(土) 04:10:43.85
梓「早くしてくださいよ」

唯「おっけー、ムフフ、あずにゃんの背中小さくてスベスベで可愛い///」

梓「い、いいから早くしてくださいっ! 寒い!」

唯「ほいほい、いきまーす! おりゃあああああ!」

ザラララ!

梓「ぬわーーーーーーーーっ!」ゴロゴロ

唯「あずにゃーーーん!」

憂「ぱぱす!?」

108: 2010/03/06(土) 04:16:38.65
ふろあがり!

梓「バカ! すんごいバカ!」ヒリヒリ

唯「うぅ……」

憂「梓ちゃん、もうその辺で……」

梓「やっぱり唯先輩にお姉ちゃんは無理っすわ! 唯先輩はこの先も憂に頼りっきりで日がな一日ごろごろしてるがいいですっ!」

唯「ふぇえ~……」ポロポロ

梓「その手はもう通用しませんから!」

唯「あそ」ケロッ

 さっきのも嘘泣きでした。

唯「テヘッ☆」

109: 2010/03/06(土) 04:21:39.32
しんしつ!

唯「そんじゃあ夜も更けてきたことだし、寝るとしますか」

憂「そだね! おやすみお姉ちゃん、梓ちゃん!」

梓「おやすみ憂。って、私はどこに寝れば……」

唯「せっかくだから一緒に寝ようよあずにゃん! むふぅ///」

梓「むふぅって……へ、変なことしたら許さないんだからねっ」

唯「しないよー/// ん?」

111: 2010/03/06(土) 04:26:31.99
憂「……」ジー

唯「憂も一緒に寝よーよ」

憂「え? 私もいいの?」

唯「いいよー。私達は3姉妹でしょ!」

憂「うん! ありがと、お姉ちゃん///」

梓(ふふ、憂の顔を見ただけで気持ちがわかっちゃうんですね。なんだかんだ言って、やっぱりお姉ちゃんなんだな)

112: 2010/03/06(土) 04:30:39.61
唯「ほいじゃあ、あずにゃんは一番ちっこいから真ん中ね」

梓「小さいとか関係あるんですか? まあいいですけど」

ごそごそ!

唯「ん~3人だと狭い!」ギュウギュウ

梓「あ、当たり前ですよ!」

憂「梓ちゃん、もっとくっついていい? これじゃあベッドから落ちちゃう……」

梓「ええ!?/// それはさすがにちょっと……」

113: 2010/03/06(土) 04:33:51.66
唯「いいよいいよ! くっついちゃえ!」

梓「あんたが言うなよ!?」ガーン

憂「じゃあ遠慮なく」ギュギュ

梓「ぐう……せ、狭いし暑い……」

モンモンモン

唯「ぐへへへ、あずにゃんの背中ツンツン」

梓「ひゃわっ!?」

116: 2010/03/06(土) 04:37:10.72
梓「背中はやめてください! まだひりひりしてるのに!」

唯「めんごめんご。それよりこれ、私の方も結構圧迫感がすごいんだけど、あずにゃんは眠れそう?」

梓「無理ですよ……憂と唯先輩の胸に挟まれてかなり息苦しいです」

憂「zzz」

唯梓「寝とる!?」ガーン

唯梓「……」

唯「おやすみー!」

梓「ちょ、ちょっと待って! マジで苦しくて……これ……無理……」

唯「zzz」

 こうして、梓の妹生活1日目の夜が更けていった。

梓「くる……し……誰かたす……」

117: 2010/03/06(土) 04:42:38.04
よくあさ!

梓「zzz……ん、ふぁあ~あ。アレ、ここは……そっか、昨日唯先輩の家に泊まって……」

唯「zzz……むにゃむにゃ」

梓「ふふ、可愛い寝顔しちゃって」

梓(私は結局、息苦しくてあんまり眠れなかったな……。今日は澪先輩の家だから、理由を説明すればゆっくり眠らせてくれるよね)

唯「んん…りっちゃんやめて! そんなとこ舐めちゃダメ! そこはおっしこするところだよ、きたないよ!……むにゃ」

梓「!?!?!?!?!?」

梓(い、一体何の夢を見てるんだろう……?)ドキドキ

 唯は泣きながら言ったが、律は便器を舐め続けた(夢の中で)。

梓「あれ、そういえば憂がいない?」

118: 2010/03/06(土) 04:45:48.77
だいどころ!

梓「おはよう憂」

憂「おはよー梓ちゃん」

梓「早いね。毎日朝食を?」

憂「うん。お姉ちゃんは朝が苦手だから、私が作らないとね」

梓「なるほど……」

梓(唯先輩と憂、なぜ差がついたか……慢心、環境の違い)

 環境は同じである。

憂「もうこっちはできるから、梓ちゃんはお姉ちゃんを起こしてきてくれるかな?」

梓「おっけー」

122: 2010/03/06(土) 04:50:02.41
ゆいのへや!

梓「唯先輩、朝ですよー。起きて下さい」

唯「ん、んん~……やらぁ……」ゴロン

梓「やだじゃないですよ。時計を見てください。遅刻しますよ」

唯「んん……」

唯「……」ジー

唯「え゛!?」

唯「は、8時!? 遅刻遅刻~!」ズダダダダ

梓「なんで急ぐの?」

123: 2010/03/06(土) 04:55:50.70
憂「お姉ちゃんおはよー。もうご飯でk」

唯「遅刻~! あわわわ……」ツルツルツル

唯「でっ!?」ズデーン

唯「ふぬ……遅刻~!」ダダダ

憂「?」

梓「憂~、唯先輩は?」

憂「もう行っちゃった。なんであんなに急いでたんだろ?」

梓憂「?」

124: 2010/03/06(土) 04:59:38.35
おしまい!


とりあえず書き溜めも唯ちゃん編もこれで終わりだし、寝たらスレ自体残ってなさそうなので終わりにします
なるべくキャラを崩さずを心がけて書いた
可愛く書けてたら嬉しいっす
とりあえず、残ってたら書くってことで
おやすみ~

125: 2010/03/06(土) 05:00:14.39
おつ~

引用元: 唯「あずにゃん、私の妹にならない?」