1: 2013/02/01(金) 10:04:02.71
……………………
………………
…………
……

魔王「……ふっ……走馬灯を見たよ……」

女勇者「……え?」

魔王「……おめでとう。どうやら、お前の勝ちらしいぞ……」

女勇者「……魔王ちゃん……」

魔王「……ははっ……はははっ……」

女勇者「……ごめんね。魔王ちゃん……。でも……」

魔王「……むっ?」

女勇者「……私も見たよ。走馬灯……」

魔王「……女……勇者?」


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2: 2013/02/01(金) 10:07:50.44
女勇者「……ふふっ。今日は引き分けだね。魔王ちゃん……」

魔王「……こら。魔王ちゃんは、やめろと……」

女勇者「……やだよ。魔王……ちゃん……」

魔王「……女……ゆう……しゃ……」

女勇者「……まお……う……ちゃ……」

魔王「…………」

女勇者「…………」

魔王「……」

女勇者「……」

魔王「」

女勇者「」

………………
…………
……

3: 2013/02/01(金) 10:10:01.73
女勇者(5)「ゆうしゃぱーんち!」

ぶーん すかっ

魔王(6)「まおうびーむ!」

ちゅどーん

女勇者「きゃー!」

魔王「ふはははは。わたしのかちだな」

女勇者「おっ、おのれ。まおうめ」

魔王「ふはははは。これで、このプリンはわたしのものだ」

女勇者「うわーん。まおうのばかー」

魔王「ふはははは。ふはははは」

女勇者「うわーん。うわーん」

魔王「ふはははは?」

女勇者「うわーん。うわーん。うわーん」

魔王「…………」

4: 2013/02/01(金) 10:12:47.48
女勇者「うわーん。うわーん。うわーん。うわーん」

魔王「おい、なくな。おんなゆうしゃ」

女勇者「うわーん。うわーん。うわーん。うわーん。うわーん」

魔王「……プリンは、はんぶんこにしてやる」

女勇者「……ほんと?」

魔王「うむ。まおうは、うそをつかない」

女勇者「わーい。まおうちゃんだいすきー」

魔王「ふはははは」

………………
…………
……

5: 2013/02/01(金) 10:14:48.62
女勇者(6)「おえかきするー」

魔王(7)「かきかき。かきかき」

女勇者「できたできたー」

魔王「みせてみろ」

女勇者「うん。いいよ」

魔王「ほう。うまそうなキャベツのえだな」

女勇者「うわーん。うわーん」

魔王「む? どうしたのだ?」

女勇者「キャベツじゃないよ。バラなんだもん。うわーん」

魔王「すっ、すまん。まちがえた……」

6: 2013/02/01(金) 10:16:16.96
女勇者「うわーん。うわーん。うわーん」

魔王「おい、なくな。おんなゆうしゃ。ほら」

女勇者「……え?」

魔王「あかいクレヨンでぬってみろ。きれいなバラのえになるぞ」

女勇者「そうなの?」

魔王「そうだ。やってみろ」

女勇者「うん。やってみる。ぬりぬり。ぬりぬり」

魔王「うむ。じょうずだぞ。きれいなバラだ」

女勇者「わーい。できたできたー」

魔王「ふはははは。うまいではないか」

女勇者「わーい。わーい」

7: 2013/02/01(金) 10:18:57.11
女勇者(7)「うーん。うーん……」

魔王(8)「どうした? 女ゆうしゃ」

女勇者「ペットボトルのフタがあけられないの」

魔王「はははっ。なさけないな」

女勇者「だって、かたいんだもん」

魔王「かしてみろ。あけてやる」

女勇者「うん。おねがい」

魔王「えいっ」

きゅっ

9: 2013/02/01(金) 10:20:46.24
女勇者「あっ、すごい」

魔王「はははっ。かんたんなことだ」

女勇者「ありがとう。まおうちゃん」

魔王「うむ」

女勇者「えへへっ。おれいに、ジュースはんぶんあげるね」

魔王「ほぅ。それはすまんな」

女勇者「えへへっ。まおうちゃんだいすき」

魔王「はははっ。かわいいやつだ」

………………
…………
……

10: 2013/02/01(金) 10:22:22.80
女勇者(8)「うわーん。うわーん。こわいよー」

(悪い)スライム「ぷるぷる。ぼくは悪いスライムだよ。君を虐めちゃうよ。ぷるぷる」

女勇者「うわーん。うわーん。たすけてー」

スライム「ぷるぷる。ぷるぷる。これでもくらえ。ぷるぷる。ぷるぷる」

ぺしぺし ぺしぺし

女勇者「うわーん。いたいよー。しんじゃうよー」

魔王(9)「こら! おまえ何をしている!」

スライム「ぷるぷる。むむっ?」

女勇者「あっ!? まおうちゃん」

スライム「まっ、魔王さま?」

11: 2013/02/01(金) 10:24:23.11
魔王「スライム! おまえは今、何をしていた!」

スライム「ぼっ、僕はただ、この勇者を退治していただけで……」

魔王「バカ者! この女勇者は、俺の友達だぞ!」

女勇者「魔王ちゃん……」

スライム「ぷるぷる。そんなの変です。魔王さま。ぷるぷる」

魔王「うるさい!」

スライム「魔王さまと勇者が仲良しだなんて、おかしいです! ぷるぷる」

魔王「だまれ! とっとと消えろ! お前は俺を怒らせたいのか!」

スライム「……はっ、はい。すいませんでした。ぷるぷる……」

魔王「ふんっ……」

女勇者「……まおうちゃん……」

魔王「……ケガはしてないよな?」

女勇者「うん。ありがとう。まおうちゃん……」

………………
…………
……

12: 2013/02/01(金) 10:26:19.54
女勇者(9)「おーい。魔王ちゃーん」

魔王(10)「ん? 女勇者か」

女勇者「魔王ちゃん。何してるの?」

魔王「ダークエルフ(家庭教師)から逃げてきた」

女勇者「え?」

魔王「あいつの授業はつまらんのだ」

女勇者「でも、魔王ちゃん」

魔王「なんだ?」

女勇者「勉強しないと、りっぱな王様になれないよ?」

魔王「なりたくない。そんなもん」

13: 2013/02/01(金) 10:27:44.75
女勇者「魔王ちゃん……」

魔王「うるさいなぁ。文句を言うなら、もう遊んでやらんぞ」

女勇者「あっ、魔王ちゃん。ごめんなさい」

魔王「分かればいい」

女勇者「うん」

魔王「おい。今日は何をする?」

女勇者「えーと。フラフープとか」

魔王「わかった。よし、勝負だ」

女勇者「うん。まけないよ」

………………
…………
……

14: 2013/02/01(金) 10:29:30.42
女勇者(10)「おーい。魔王ちゃーん」

魔王(11)「こら。女勇者」

女勇者「なぁに? 魔王ちゃん」

魔王「だからもう、魔王ちゃんはやめてくれと……」

女勇者「でも、魔王ちゃんは……」

魔王「ちゃんはやめろ!」

女勇者「…………」

魔王「…………」

女勇者「……魔王……くん」

魔王「…………」

女勇者「魔王くん。これでいい?」

魔王「まぁ、ちゃんよりはマシか……」

15: 2013/02/01(金) 10:31:00.09
女勇者「じゃあ、今日から魔王くん」

魔王「うむ」

女勇者「えへへ。魔王くん。魔王くん。魔王くん」

魔王「……やっぱりダメだ。何か安っぽい」

女勇者「えー。いいと思うよ。魔王くん」

魔王「良くない」

女勇者「大丈夫大丈夫。これで決まりね。魔王くん」

魔王「勝手に決めるな」

女勇者「もう手遅れでーす。魔王ちゃんは、今日から魔王くんだよ。魔王ちゃん」

魔王「このバカは……」

………………
…………
……

16: 2013/02/01(金) 10:32:44.13
女勇者(11)「魔王くーん」

魔王(12)「どうした? 女勇者」

女勇者「魔王くん。一緒にお祭りに行こうよ」

魔王「ふむ。祭りか」

女勇者「リンゴあめ食べようよ」

魔王「いか焼きの方がうまい」

女勇者「わたあめ」

魔王「焼そばの方がうまい」

女勇者「じゃあ金魚すくい」

魔王「ん? お前は金魚も食べるのか?」

女勇者「あははっ。食べない食べない」

17: 2013/02/01(金) 10:34:04.30
魔王「だろうな。人間はあまり……」

女勇者「え?」

魔王「何でもない」

女勇者「うん」

魔王「…………」

女勇者「かき氷もいいなぁ。イチゴとか」

魔王「焼きトウモロコシの方が美味いだろ」

女勇者「輪投げとダーツも楽しそう」

魔王「よし。勝負するか?」

女勇者「うん。負けないよ」

魔王「はははっ」

………………
…………
……

18: 2013/02/01(金) 10:35:40.20
女勇者(12)「こんにちは。魔王くん」

魔王(13)「おぅ。女勇者か」

女勇者「ねぇ。今日は、何をして遊ぶ?」

魔王「すまんな。今日は少し用事があってな」

女勇者「えーっ。今日も?」

魔王「おいおい。お前とは昨日も遊んだだろ」

女勇者「違うよ。遊んだのは一昨日だよ」

魔王「ふむ。そうだったか?」

女勇者「そうだよ魔王くん。ボケるには、まだ早いよ」

魔王「すまんすまん。とにかく、今日は用事があってな」

女勇者「うん。わかった。じゃあ、また明日ね」

魔王「おぅ。またな……」

19: 2013/02/01(金) 10:37:06.70
(美人)ダークエルフ「失礼いたします。魔王様」

魔王「おぅ。来たか。ダークエルフ」

ダークエルフ「はい。お待たせして、申し訳ありません」

魔王「いや、時間通りではないか」

女勇者「…………」

魔王「ん? どうした? 女勇者」

女勇者「……何でもないよ。またね。魔王くん」

魔王「おぅ。またな」

ダークエルフ「…………」

………………
…………
……

20: 2013/02/01(金) 10:38:23.68
女勇者(13)「攻撃魔法!」

ゴゴゴーッ ドカーン

女勇者「ふぅっ。もう一回」

スーハー スーッ ハーッ……

女勇者「攻撃魔法っ!」

ゴゴゴゴッ ドッカーン!

魔王(14)「ほほぅ。大したものだな」

女勇者「えっ? 魔王くん?」

魔王「うむ」

女勇者「やだ。見てたの?」

魔王「あぁ。面白かったぞ。さすがは勇者の血筋だな」

女勇者「もう……」

21: 2013/02/01(金) 10:39:40.64
魔王「はははっ。だが、まだまだだ……」

女勇者「へっ?」

魔王「……攻撃魔法……」

ゴゴゴゴゴゴゴ ゴゴゴゴゴゴゴ ドドドドドドーン!!

女勇者「きゃっ! きゃーっ!?」

魔王「見たか? これが本当の魔法と言う物だ」

女勇者「……うぅっ……ぐすっ……」

魔王「むっ? なぜ泣くのだ?」

女勇者「……なっ、泣いてないもん……」

魔王「ふむ。そうか……」

女勇者「……(恐かったよ)グスッ」

………………
…………
……

22: 2013/02/01(金) 10:40:56.40
女勇者(14)「…………」

魔王(15)「どうした? 女勇者」

女勇者「あっ、魔王くん」

魔王「何を呆けてたんだ?」

女勇者「うん。ちょっと考え事」

魔王「ほぅ」

女勇者「…………」

魔王「…………」

女勇者「どうして、私は勇者なのかなって……」

魔王「ほぅ……」

女勇者「どうして、魔王くんは魔王なのかなって……」

魔王「ほぅ……」

女勇者「ねぇ。魔王くんは、どうしてだと思う?」

魔王「むっ?」

23: 2013/02/01(金) 10:42:21.33
女勇者「……どうして私は勇者で、魔王くんは魔王なのかな?」

魔王「…………」

女勇者「…………」

魔王「……そうだな……」

女勇者「うん」

魔王「とりあえず……」

女勇者「うん」

魔王「考えるのも時間の無駄だな」

女勇者「……魔王くん……」

魔王「……偶然だろうが運命だろうが、俺が魔王でお前が勇者。ただそれだけの事だ……」

女勇者「…………」

………………
…………
……

24: 2013/02/01(金) 10:44:16.47
女勇者(15)「……魔王くん」

魔王(16)「うむ」

女勇者「私やっぱり、武者修行の旅に出る」

魔王「そうか。決めたのか」

女勇者「うん。私、これでも勇者だし」

魔王「…………」

女勇者「えへへっ。私に会えなくなるのは寂しい?」

魔王「別に」

女勇者「酷い……」

魔王「……だが一応。少し心配ではあるな」

女勇者「魔王くん」

魔王「そこでまぁ、餞別みたいな物としてだ……」

女勇者「え?」

25: 2013/02/01(金) 10:45:58.39
魔王「お前にコイツをプレゼントしてやろう」

女勇者「へ? プレゼント?」

スライム「ぷるぷる。僕がプレゼントだよ。ぷるぷる」

女勇者「…………」

スライム「よろしくね。勇者の姉さん。ぷるぷる」

魔王「腕は確かで維持費も安い。存分に酷使してかまわんぞ」

スライム「……酷いです魔王様。ぷるぷる」

女勇者「あははっ。ありがとう魔王くん。よろしくね。スライムくん」

スライム「はい。僕がんばります。ぷるぷる」

魔王「……達者でな。女勇者」

女勇者「……うん」

…………
……

26: 2013/02/01(金) 10:47:45.40
魔王「行ったか。女勇者……」

ダークエルフ「……魔王様」

魔王「いたのか。ダークエルフ」

ダークエルフ「はい」

魔王「覗きは感心せんぞ」

ダークエルフ「申し訳ありません。しかし……」

魔王「うむ」

ダークエルフ「どうして、勇者に護衛などをつけたのですか」

魔王「…………」

ダークエルフ「人間界と休戦中とは言え、あれは少しやり過ぎでは?」

魔王「…………」

27: 2013/02/01(金) 10:49:13.85
ダークエルフ「魔王様。貴方は魔王なのですよ」

魔王「分かっておる」

ダークエルフ「そして、貴方の幼馴染みとは言え、あの女は勇者です」

魔王「分かっておる」

ダークエルフ「…………」

魔王「全て分かっておる。全て私の我が儘だ」

ダークエルフ「…………」

魔王「今は一人にしてくれ」

ダークエルフ「……はい。わかりました……」

………………
…………
……

28: 2013/02/01(金) 10:51:18.26
女勇者「さて。修行の旅の始まりと」

スライム「はい。始まり始まりです。ぷるぷる」

女勇者「では、あらためまして。よろしくね。スライムくん」

スライム「はい。姉さん。ぷるぷる」

女勇者「うふふっ。ところで、スライムくん」

スライム「はい。なんですか? ぷるぷる」

女勇者「私の記憶が確かなら、あなたは昔、私を虐めたスライムくんだったよね?」

スライム「ピキッ!? ちっ、違います! 違います! ぷるぷる」

女勇者「ふーん。そうなの?」

スライム「そうです。そうです。違います。他スライムの空似です。ぷるぷる」

女勇者「ふーん……」

スライム「ぷるぷる。ぷるぷる」

女勇者「ふーん……。ふーん……」

スライム「ぷるぷる。ぷるぷる。ぷるぷる。ぷるぷる」

29: 2013/02/01(金) 10:52:42.43
女勇者「うふふっ」

スライム「ぷるぷる。虐めないで。僕は悪いスライムじゃないよう。ぷるぷる」

女勇者「あははっ。大丈夫だよ。仕返しとかはしないよ」

スライム「えっ? ほんと? ぷるぷる」

女勇者「うん。でも、ちょっと酷使はしちゃうかも?」

スライム「ぷるぷる。酷いです。姉さん。ぷるぷる」

女勇者「あははっ。冗談だよ冗談。仲良くしようね、スライムくん」

スライム「はっ、はい。お願いします。ぷるぷる」

女勇者「うふふっ」

………………
…………
……

30: 2013/02/01(金) 10:54:38.99
女勇者(16)「……あら? あれは?」

スライム「うーん。山賊みたいだね。ぷるぷる」

女勇者「やれやれ。しかたがないなぁ」

スライム「僕は嬉しいな。ぷるぷる」

女勇者「はいはい。やり過ぎないでね」

スライム「はーい。ぷるぷる」

山賊A「おいおい、お嬢ちゃん。女の子の一人旅かい?」

山賊B「可哀想に。世間知らずだねぇ」

山賊C「へへっ。お兄さんが教えてやろうか? 世間ってやつをよぉ」

女勇者「あの。一人旅じゃないですよ」

山賊A「あぁ?」

31: 2013/02/01(金) 10:56:48.25
スライム「オラオラ! 氏にたくねぇなら金目の物を置いて消えな! ぷるぷる」

山賊B「なんだ? この口の悪いスライムは?」

山賊C「ウゼェなぁ。潰しちまうか」

女勇者「たぶん無理ですよ。その子は、下手なドラゴンとかよりも強いんですよ」

山賊A「へ ドラゴン?」

スライム「がはははっ。燃えろー燃えろー! ぷるぷる」

ぼわわわわーっ ぼわわわわーっ

山賊B「あっ? 熱ぃっ!? アチチチチィーッ!!」

山賊C「こっ、こいつ!? 火を吹きやがった!?」

スライム「がはははっ。虫けらめがーっ。がはははっ。ぷるぷる」

32: 2013/02/01(金) 10:58:07.63
女勇者「ついでにですけど、私もそこそこ強いんですよ。えいっ! やぁっ!」

どかっ バキッ

山賊A「ぐぁーっ!」

山賊C「うわーっ!」

スライム「がはははっ。ザコどもがーっ! ぷるぷる」

山賊ABC「「うぎゃーっ!?!」」

女勇者「はいはい。そのへんで赦してあげなさい」

スライム「えーっ。もっと遊びたいです。ぷるぷる」

女勇者「ご飯ぬきにするよ? 悪いスライムくん」

スライム「うぅっ。わかりました姉さん。ぷるぷる」

………………
…………
……

33: 2013/02/01(金) 10:59:33.20
魔王(17)「…………」

コンコン コンコン

魔王「入れ」

ダークエルフ「失礼いたします」

魔王「うむ」

ダークエルフ「魔王様。手紙が届いております」

魔王「そうか。読め」

ダークエルフ「…………」

魔王「どうした?」

ダークエルフ「読んでもよろしいのですか?」

魔王「むっ?」

ダークエルフ「あの女勇者からの手紙ですが」

魔王「……先に言え」

34: 2013/02/01(金) 11:01:11.98
ダークエルフ「どういたしますか。読み上げてもよろしいでしょうか?」

魔王「ダークエルフよ。あまり私をからかわない方がいい」

ダークエルフ「失礼いたしました」

魔王「うむ……」

ダークエルフ「少しだけ、嫉妬してしまいましたので……」

魔王「バカ者。からかうなと言ったであろう」

ダークエルフ「……失礼いたしました」

魔王「うむ。下がってよい」

ダークエルフ「はい。魔王様……」

………………
…………
……

35: 2013/02/01(金) 11:03:16.60
女勇者(17)「えっ? 戦争?」

スライム「うん。やっぱり、もうすぐ始まるみたいだよ。ぷるぷる」

女勇者「そんな……」

スライム「休戦条約が破棄されたんだってさ。詳しい事は知らないけどね。ぷるぷる」

女勇者「……戦争……」

スライム「……ねぇ。姉さんは、どっちにつくつもりなの? ぷるぷる」

女勇者「えっ?」

スライム「姉さんは人間の勇者だし。やっぱり人間の味方をするのかな? ぷるぷる」

女勇者「それは……」

スライム「ぶっちゃけると。僕は姉さんが魔物の側についてくれる方が嬉しいけど。ぷるぷる」

女勇者「…………」

36: 2013/02/01(金) 11:05:42.88
スライム「……微妙な立ち位置にいるよね。姉さんも僕も。ぷるぷる」

女勇者「……うん。そうだね」

スライム「でもね。僕は魔王様の部下だけど、今は姉さんの護衛だし。ぷるぷる」

女勇者「…………」

スライム「姉さんは人間だけど。僕は姉さんの事が嫌いじゃない。ぷるぷる」

女勇者「スライムくん……」

スライム「それに、僕が人間の味方になっても、魔王様は、たぶん僕を怒らないと思う。ぷるぷる」

女勇者「…………」

スライム「魔王様は僕に、何があっても姉さんを守れって言ってたからね……。ぷるぷる」

女勇者「魔王くん……」

………………
…………
……

37: 2013/02/01(金) 11:10:26.40
魔王(18)「戦か……」

ダークエルフ「怖いですか?」

魔王「うむ。私はまだ、戦と言う物を知らぬからな」

ダークエルフ「……そうでしたね」

魔王「あぁ。私に物心がついた頃には、既に休戦協定が結ばれていた」

ダークエルフ「えぇ。そうでした」

魔王「…………」

ダークエルフ「…………」

魔王「お前に戦のイロハを教えてもらうぞ。ダークエルフ」

ダークエルフ「はい」

魔王「…………」

38: 2013/02/01(金) 11:11:48.91
ダークエルフ「……ところで魔王様」

魔王「何だ?」

ダークエルフ「呼び戻さないのですか? あの護衛は」

魔王「…………」

ダークエルフ「…………」

魔王「……指示は出してある。問題は無い」

ダークエルフ「そうですか」

魔王「……うむ」

ダークエルフ「…………」

………………
…………
……

39: 2013/02/01(金) 11:13:57.72
女勇者(18)「魔王くん……」

魔王(19)「よく来たな。女勇者」

ダークエルフ「やはり寝返っていたんですね。スライム」

スライム「……魔王様。ごめんなさい。ぷるぷる」

魔王「かまわん。むしろ今まで、よく女勇者を守ってくれたな。礼を言おう」

スライム「……魔王様。ぷるぷる。ぷるぷる」

女勇者「魔王くん。やっぱり……」

魔王「ふふっ。何の事だか」

ダークエルフ「…………」

スライム「ぷるぷる。ぷるぷる」

40: 2013/02/01(金) 11:15:53.39
魔王「さぁ、女勇者よ。私は魔王で、お前は勇者だ」

女勇者「……うん」

魔王「はははっ。さぁ、私を楽しませろ!」

女勇者「無駄に盛り上げなくてもいいよ。魔王くん」

魔王「ほぅ。言うようになったな」

女勇者「ちゃんと武者修行したからね」

魔王「それは楽しみだな」

女勇者「期待していいよ」

魔王「うむ。勝負だ! 女勇者よ!」

女勇者「うん。いくよ! やぁーっ!」

魔王「はぁーっ!」

………………
…………
……

41: 2013/02/01(金) 11:17:01.43
ゆうしゃぱーんち!

まおうびーむ!

ふはははっ

えへへっ
……




42: 2013/02/01(金) 11:56:18.34
え?終わり?!やだー!

43: 2013/02/01(金) 12:13:52.23
終わり…だと…

45: 2013/02/01(金) 14:40:51.42
エピローグが残っているぞ?

引用元: 女勇者(5)「ゆうしゃぱーんち」魔王(6)「まおうびーむ」