1: ◆zGcmO2lPfc 2015/11/03(火) 17:42:46.70

八幡「今日も俺だけか」

隼人「なに言ってるんだ、俺もいるじゃないか」


八幡「部員の話してんの」

隼人「そういうことか」

隼人「確かに俺は部員じゃないが…」

隼人「こうして、君の話を聞いてあげてるじゃないか」


八幡「誰も頼んでないっての」

隼人「俺たちが3年に上がってもう半年か」

隼人「雪ノ下さんも結衣も、あまり来てないようだけど」

八幡「俺だけ、平塚先生の命令で強制出席ですよ?」

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2: 2015/11/03(火) 17:48:05.64
隼人「それも醍醐味じゃないか。静かに受験に備えられる」

八幡「それはあるけど」

隼人「君は地元から出ないのか?」


八幡「…一応、関西の方の大学も受けるかも」

隼人「国公立かい?なんでまた関西なんだ?」

八幡「大阪市内の車いらずの生活をしたい」

隼人「全く意味がわからない」


八幡「就職したときの話だ」

隼人「大阪市内の就職なら車持たなくて済むかもっていうことかい?」

3: 2015/11/03(火) 17:50:44.84
八幡「そういうことだ」

隼人「東京でいいじゃないか」

八幡「家賃高いし、遠く離れるのもいい気がしてきたんだよ」


隼人「ああ、なるほどね。そこに行きつくか」

八幡「…」


隼人「雪ノ下さんも結衣も恋人ができてしまったからね」

八幡「ああ」

隼人「比企谷にはいないと」

八幡「うるせぇ」

6: 2015/11/03(火) 17:52:40.07
八幡「葉山も余裕だな」

隼人「ん?何がだい?」

八幡「雪ノ下のこと…諦めたのか?」


隼人「恋愛の意味での好きではなかったと思うからね」

八幡「お前、姉のほうだったっけ」

隼人「さあね」

八幡「というか、今は…」

隼人「ああ、優美子から告白された」

10: 2015/11/03(火) 18:16:04.30
八幡「付き合ったのか?」

隼人「まあね、彼女の気持ちは以前から知っていたから」

八幡「そうかよ…」


隼人「拗ねているのか?」

八幡「…は?」


隼人「俺が好きなのは、お前だけだよとでも言ってほしいのか?」

八幡「気持ち悪すぎる…やめろ…俺にそっちの趣味ねぇよ」

隼人「それは悪かった」

11: 2015/11/03(火) 18:20:21.79
隼人「でも…以外だったね」

八幡「そうでもない」


隼人「そうなのか?」

八幡「今年の3月ごろ…俺たち3人は…今の状態が続くというのがいいんじゃないかってなった」

隼人「なるほど」

八幡「誰も傷つかないならそれが一番だしな」

隼人「なんだか、俺みたいな考えだね」

八幡「それから、あの二人が別々に恋愛して…奉仕部去って行っただけだよ」

隼人「奉仕部はいいのか?」

八幡「いや、奉仕部は引退…この部活はもうないっての」

八幡「だから、あいつらが来ないのは普通なんだよ」

14: 2015/11/03(火) 18:25:04.52
隼人「しかし、君はここにいるじゃないか」

八幡「平塚先生に頼んで、特別に居させてもらってるだけだ」

隼人「寂しいな、君も」


八幡「うっせ、俺はこういう人間だしな」

隼人「昔の君はもっと格好よかったぞ」

八幡「だから、気持ち悪い事言うな…」

隼人「俺が敵わないと思った君はどこへ行ったんだ?」

隼人「彼女たちが、彼氏を見つけたくらいで君は不貞腐れるのかい?」


八幡「なんでお前の説教なんか聞かないと駄目なの?」

隼人「説教じゃないが…」

八幡「用がないならさっさと帰れよ、恋人いるんだろ?あーしさんっていう美人の」

隼人「今の君に何を言っても駄目そうだね」

15: 2015/11/03(火) 18:31:44.54
八幡「不貞腐れてるとか、葉山の奴に言われたか…」


ガラガラ


優美子「で、どうだったん、あいつ?」

隼人「ダメだな、いつもの自信というのか、そういうものがないね」

隼人「余裕を繕ってはいるが…あんなのハリボテだ」


優美子「ふ~ん、ま、気持ちはわかっけど」

隼人「確かに」

優美子「今まで3人で一年くらいだっけ?やってきて…結局、どっちとも付き合えなかったわけでしょ」


隼人「そうなるかな、もちろん比企谷の行動次第では変わってただろうけど」

優美子「いつまでも過去に引きずられる奴とか、あーしはゴメンだし」

隼人「そうか、なら俺も気を付けないといけないな…」

優美子「そうだよ、隼人。気を付けてよね」

20: 2015/11/03(火) 18:37:21.05
ガラガラ ガチャ

八幡「鍵閉めたな」


八幡「帰るか、勉強の続きは帰ってからでいいだろ」


八幡「あの二人…今頃どうしてるんだろうな」


八幡「…楽しく買い物とかか?あり得るな」

八幡「まあ、この季節だし、まだ受験まで時間あるしな」


戸塚「八幡」

八幡「戸塚…」

戸塚「よかったら、一緒に帰らない?」

八幡「待ってたのか?」

戸塚「まあ、少しだけ」

33: 2015/11/03(火) 18:42:52.63
八幡「ありがと」

戸塚「元気ないね、どこか寄って行かない?サイゼとか」

八幡「ああ、そこで晩飯にするか」


戸塚「うん」


八幡「…」

戸塚「でもさ…驚いたよ」

八幡「なにが?なにが驚いたんだ?」

戸塚「八幡の前で言うのはどうかと思うけど」

戸塚「あの二人、本当に付き合い始めたんだね、別の人と」


八幡「そうだな…確か…」

八幡「由比ヶ浜が元バスケ部の奴と、雪ノ下は野球部の奴だったかな」

戸塚「そうだったね」

八幡「俺としては葉山の取り巻きと付き合ってくれた方がまだ良かった」

戸塚「名前で呼んであげようよ」

八幡「もう忘れた。戸部くらいだ覚えてるの」

44: 2015/11/03(火) 18:48:14.72
戸塚「全然話してないでしょ」

八幡「どういう因果か、葉山だけは以前より話してるけどな」

戸塚「それもなんだか面白いね」


八幡「あのグループは…由比ヶ浜がいるから、話しずらい」

戸塚「そういうのダメだと思うよ」

八幡「戸塚もそう思うか?」


戸塚「彼氏ができただけで仲違いしてたら…この先やっていけないよ」

八幡「…それは」

戸塚「お互い何も悪いことなんかしてないしさ」

八幡「…それは、そうかもな」

戸塚「むしろ」

八幡「むしろ?」

54: 2015/11/03(火) 18:52:32.87
戸塚「自分が奪ってやるくらいの気持ちじゃないと」

八幡「…そんなことできないだろ」

戸塚「そんなことないよ、見た目とか変えるだけでもさ」

戸塚「なにかが変わるんじゃないかな?」

八幡「そうじゃなくてな」

戸塚「え?なに?」


八幡「俺たち、付き合わないって決めたんだからさ」

八幡「そういうのは無理だろ」

戸塚「じゃあ、なんで八幡は不貞腐れてるの?」

八幡「…」

戸塚「付き合えなかったこと後悔してるんでしょ?」

222: 2015/11/04(水) 09:46:12.89
八幡「それは、今になって気づいただけだ、遅いだろ」

戸塚「恋愛に遅いなんてあるかな?」

八幡「もうあいつら彼氏いるんだぞ」

戸塚「まだ付き合って間もないし…想いを伝えるくらいさ」


八幡「でもな」

戸塚「八幡、今行動しなくちゃ」

八幡「…」

戸塚「とにかく、よく考えてみてよ」

八幡「戸塚…」

223: 2015/11/04(水) 10:00:53.90
次の日 奉仕部


八幡「なんで今日もいるんだ?」

隼人「なにがだい?」

八幡「部外者だろ、お前」

隼人「いろはも来ていた次期があったじゃないか」

八幡「勉学の邪魔だ」

隼人「なら、俺も一緒にやろう」

八幡「邪魔過ぎ…」


224: 2015/11/04(水) 10:07:02.42
隼人「それで?君はどうするんだ?」

八幡「なんのことだ?」

隼人「意地が悪いな、わかってるだろ?」

八幡「雪ノ下達のことは…諦める」

隼人「本当に?」

八幡「て言いたいけどな…もう少し考える」

隼人「それがいいよ、結論は急ぐな」

八幡「葉山に言われても嬉しくねぇ」

225: 2015/11/04(水) 10:12:30.07
キーンコーンカーンコーン

八幡「帰るか」


結衣「あ、ヒッキー」

八幡「由比ヶ浜」

結衣「やっはろー」

八幡「やっはろー」

結衣「言い返してくれた…あはは」

八幡「まあ」

結衣「えっとさ…最近、どうかな…?なんて」

八幡「俺は部室に行ってるな」

結衣「やっぱりそうなんだ?先生が言ってたけど」

226: 2015/11/04(水) 12:28:37.83
キーンコーンカーンコーン

八幡「帰るか」


結衣「あ、ヒッキー」

八幡「由比ヶ浜」

結衣「やっはろー」

八幡「やっはろー」

結衣「言い返してくれた…あはは」

八幡「まあ」

結衣「えっとさ…最近、どうかな…?なんて」

八幡「俺は部室に行ってるな」

結衣「やっぱりそうなんだ?先生が言ってたけど」

227: 2015/11/04(水) 12:29:27.96
八幡「今日も俺だけか」

隼人「なに言ってるんだ、俺もいるじゃないか」


八幡「部員の話してんの」

隼人「そういうことか」

隼人「確かに俺は部員じゃないが…」

隼人「こうして、君の話を聞いてあげてるじゃないか」


八幡「誰も頼んでないっての」

隼人「俺たちが3年に上がってもう半年か」

隼人「雪ノ下さんも結衣も、あまり来てないようだけど」

八幡「俺だけ、平塚先生の命令で強制出席ですよ?」

228: 2015/11/04(水) 12:29:54.31
八幡「そういうことだ」

隼人「東京でいいじゃないか」

八幡「家賃高いし、遠く離れるのもいい気がしてきたんだよ」


隼人「ああ、なるほどね。そこに行きつくか」

八幡「…」


隼人「雪ノ下さんも結衣も恋人ができてしまったからね」

八幡「ああ」

隼人「比企谷にはいないと」

八幡「うるせぇ」

229: 2015/11/04(水) 12:30:29.37
八幡「葉山も余裕だな」

隼人「ん?何がだい?」

八幡「雪ノ下のこと…諦めたのか?」


隼人「恋愛の意味での好きではなかったと思うからね」

八幡「お前、姉のほうだったっけ」

隼人「さあね」

八幡「というか、今は…」

隼人「ああ、優美子から告白された」

231: 2015/11/04(水) 12:31:15.08
八幡「付き合ったのか?」

隼人「まあね、彼女の気持ちは以前から知っていたから」

八幡「そうかよ…」


隼人「拗ねているのか?」

八幡「…は?」


隼人「俺が好きなのは、お前だけだよとでも言ってほしいのか?」

八幡「気持ち悪すぎる…やめろ…俺にそっちの趣味ねぇよ」

隼人「それは悪かった」

232: 2015/11/04(水) 12:31:41.78
八幡「不貞腐れてるとか、葉山の奴に言われたか…」


ガラガラ


優美子「で、どうだったん、あいつ?」

隼人「ダメだな、いつもの自信というのか、そういうものがないね」

隼人「余裕を繕ってはいるが…あんなのハリボテだ」


優美子「ふ~ん、ま、気持ちはわかっけど」

隼人「確かに」

優美子「今まで3人で一年くらいだっけ?やってきて…結局、どっちとも付き合えなかったわけでしょ」


隼人「そうなるかな、もちろん比企谷の行動次第では変わってただろうけど」

優美子「いつまでも過去に引きずられる奴とか、あーしはゴメンだし」

隼人「そうか、なら俺も気を付けないといけないな…」

優美子「そうだよ、隼人。気を付けてよね」

246: 2015/11/08(日) 20:21:45.43

八幡「そっちはどうだ?」

結衣「うーん、どうかな?新しい生活って感じだしさ…」


八幡「新しい生活ね」

結衣「………」

八幡「彼氏は良い奴か?」

結衣「うん、好い人だよ~」

八幡「そりゃよかったな」

結衣「ありがとう、ヒッキー」

247: 2015/11/08(日) 20:29:11.50
結衣「ヒッキーには、色々助けてもらったよね…」

八幡「助けたかな、どうだったか」


結衣「助けてもらったの」

八幡「お、おう…どういたしまして…」

結衣「はい」

八幡「……」

結衣「あたし達は傷つかないのがいいと思ったもんね」

八幡「そうだっけ」

結衣「なら…こういう道もあるんだよね」

248: 2015/11/08(日) 20:34:21.03
八幡「傷つけない道選ぶんなら…こういう道しかないだろ」

結衣「あれ?ヒッキーってそんなに自信過剰だったっけ?」

八幡「今のは忘れてくれ…」


結衣「あはは、わかった」


八幡「行動しないとか…戸塚の言葉だな」

八幡「葉山の奴に言われたこともあるし」


八幡「なあ、由比ヶ浜」

結衣「なに?ヒッキー」


八幡「雪ノ下も呼んで、ご飯とかどうだ?」

253: 2015/11/08(日) 23:18:15.21
サイゼ

結衣「なに頼もうかなー」

雪乃「私はスパゲッティかしらね」

八幡「俺はなんでもいいか」


結衣「それで、なにか話があるの?」

雪乃「そうね、急に呼び出されて驚いたわ」

八幡「悪いな、彼氏いるのに急にこんなことして」

雪乃「いえ、それは大丈夫だけれど」

結衣「うん…」

254: 2015/11/09(月) 00:27:28.13
八幡「…彼氏ってどんな感じだ?」

雪乃「なぜそんなことを?」

八幡「それは…」

雪乃「…」

結衣「あ、あたしの彼氏はその…元気な人かな~」

結衣「一緒にいると元気になるよっ」

八幡「へえ、マジか。分けてほしいな元気」

結衣「オラに元気を❗って感じ?」


八幡「いや、それは違う」

261: 2015/11/09(月) 04:46:50.31
雪乃「私はの彼は」

八幡「ああ」

雪乃「正直まだわからないわね、実直なのだろうけど」

八幡「野球部の奴だっけ」

雪乃「ええ、といっても肩を壊して退部という形だけど」

八幡「そうか、大変なんだな」

雪乃「日常生活は大丈夫みたいだけど」

雪乃「今度、二人で出掛けることにしたわ」

八幡「まだ出かけてなかったのか?」

雪乃「そうね、お互いに奥手だし…」

262: 2015/11/09(月) 04:52:26.34
結衣「そっか、でも付き合ってまだ間もないしね」

雪乃「ええ、そうね。ゆっくりやって行くわ」


八幡「ゆっくりか」

雪乃「どうしたの?」

八幡「なんでもない」

雪乃「そう…?なら、いいけれど」


八幡(とりあえず、彼氏との仲は聞けたか)

八幡(由比ヶ浜は仲良しの友達、雪ノ下はまだまだこれからだな)

八幡(これなら…まだ)

264: 2015/11/09(月) 09:54:05.47
休日

八幡「まさかお前と出かけることになるなんてね」

葉山「こっちの台詞というか…君が呼んだんだろ…」

優美子「つーか、せっかくの休みをなんでヒキオと…」


葉山「しょうがないだろ?彼がどうしてもって言うからね」

優美子「隼人とあーしよりそいつの方が大事なわけ?」

葉山「そうは言ってないよ、でも…」

葉山「彼がオシャレをしたいと言うからね」

優美子「ふーん、ヒキオがね」

八幡「悪いな」

267: 2015/11/09(月) 10:28:06.58
葉山「しかし…見た目から入るとは驚いたな」

八幡「何がだ?」

葉山「アタックしてみるって言ってたじゃないか」

八幡「そうだな…」

優美子「見た目、重要だけどさ…それって変じゃない?」

優美子「知り合いにやっても意味ないし」

八幡「わかってるそんなことは…」


葉山「なにか狙いがあるのか?」

八幡「別に、ただの原動力にしたいだけだ」

優美子「原動力ね…ま、動いたのはいいんじゃない?」

優美子「なんか達観してるヒキオとか、マジでキモいし」

八幡「あーしさん、ひどいっす…」

268: 2015/11/09(月) 10:35:26.01
服屋

葉山「比企谷はこういうジャケットが似合うかもね」

八幡「なるほど」

優美子「あとはダメージジーンズでいいんじゃない?」

八幡「まあ、そんな感じか」


葉山「あとはワックスで髪型を整えればokかな?」

八幡「そうか、ワックスね。わかった」

優美子「こんなとこじゃない?あとは自分で学びな」

葉山「そうだな、やはり最後はそれだからね」


八幡「了解」

275: 2015/11/10(火) 10:16:14.58
優美子「ところでヒキオ、あんたさ」

八幡「な、なんだ?」(あーしさんの眼は慣れません、はい)

優美子「どっちにアタックするつもりよ?」

八幡「どっち…か」


葉山「まさか、二人ともなんてことする気じゃないだろ?」

八幡「それは…」

優美子「呆れた、考えてなかったとか?」

八幡「そんなことねぇよ…」

八幡(俺がどっちを好きか…)

優美子「なら、しっかり考えてから行動しなよ」

葉山「そうだね、なんせ彼氏持ちの子達なんだし」

八幡「わかってる」

276: 2015/11/10(火) 10:23:33.39
近くのボウリング場

彼氏1「やった!ストライクだっ!」

結衣「わあ、すごいっ!」


彼氏1「いぇ~~いっ」

結衣「いえ~~い」

ハイタッチ

結衣「すごいじゃんっ、もうすぐ200越えそうだよっ」

彼氏1「やっぱ、由比ヶ浜さんに応援されてるからかな~?」

結衣「なにそれ?口説き文句?」

彼氏1「さあ、どうかな?あはははっ」

結衣「あ、ごまかしたしっ」

277: 2015/11/10(火) 10:29:14.13
彼氏1「由比ヶ浜さんの番だよ」

結衣「うん、わかった~」

ガコ~ン

彼氏1「あ~スペアか、惜しい~!」

結衣「やっぱり、ストライクは難しいよ~」

彼氏1「いやいや、由比ヶ浜さんならいけるって~」

結衣「そうかな?よ~し、がんばっちゃうよっ」

彼氏1「よし、いけいけ~」

278: 2015/11/10(火) 10:34:21.02
どこかのバッティングセンター

スパコーン

彼氏2「…」


雪乃「凄いわね、110㌔のボールをあんなに飛ばすなんて」

彼氏2「野球部だったからな…これくらいは」

雪乃「…」

彼氏2「すまない、雪乃さん」

雪乃「なにが?」

彼氏2「俺は野球ばかりしてきたから…こういうデートの時どうすればいいのかわからない」

彼氏2「こんなところでデートというのも…」

雪乃「いえ、こういう落ち着いたところは嫌いじゃないわ」

彼氏2「そ、そうか、ならいいんだが」

279: 2015/11/10(火) 10:38:45.11
雪乃「ところで、肩は大丈夫なの?」

彼氏2「バッティングセンターくらいなら、問題はない」

雪乃「そう、ならいいけれど」


雪乃「落ち着いた場所…」

雪乃「私は奉仕部を懐かしく思ってるのかしら…」

雪乃「……」


ボウリング場

結衣「すごいよ、最終成績212なんて!」

彼氏1「今までの最高数値だよ、やった!」

ワイワイ

結衣「……」

結衣(こんなにはしゃいだのも久しぶり…かな?)

結衣(あたしはどうなんだろ…?以前のような、静かな雰囲気を望んでる…?)

結衣(ヒッキー……)

280: 2015/11/10(火) 10:42:13.19
彼氏1「よかったらさ、このあと…ご飯とか行かない?」

結衣「ご飯か…うん、行こっ」

彼氏1「よし、じゃあ行こうっ」




彼氏2「今日は…どうだった?」

雪乃「そうね、静かな感じだったと言えばいいのかしら?」

彼氏2「すまない」

雪乃「いえ、そういうのもいいと思うわ」

彼氏2「そ、そうか…じゃあ、また誘う…」

雪乃「ええ…よろしくお願いするわね」


293: 2015/11/11(水) 12:45:21.39
翌日 奉仕部

八幡「なんで、活動終わった奉仕部に来てんの、俺は…」

八幡「どっちを好きか…か」


八幡「だいたい、わかってるんだけどな…」


八幡「俺のこと、想ってくれてたのは…由比ヶ浜か」

八幡「まあ、今から考えればいっぱいそれっぽいことあったしね」

八幡「夏祭りの最後とか、文化祭でも意味ありげなこと言ってたし」

八幡「雪ノ下は…」

八幡「たくさん罵詈雑言言われましたね」

八幡「クリスマスとかでは、いい雰囲気になったりもしたか」

295: 2015/11/11(水) 12:56:07.39
八幡「しかし、陽乃さんはあれは恋じゃないとか」

八幡「…依存なのは間違いなかったよな」

八幡「雪ノ下……」


校門

彼氏2「雪乃さん」

雪乃「待たせたかしら?」

彼氏2「そんなことはない、と言うのが定石らしい」

雪乃「話してしまったら意味ないと思うのだけれど」

彼氏2「あ…すまない…」

雪乃「くす、別に構わないわ。帰りましょうか」

彼氏2「ああ」


街中

彼氏1「由比ヶ浜さん、どっか寄ってく?それとももう帰ろうか?」

結衣「う~ん、どうしよっか…」

297: 2015/11/11(水) 13:04:02.76
彼氏1「よかったら、ご飯だけでも奢るけど」

結衣「ええ、いいよそんな…割り勘で」

彼氏1「こういうのは奢らせてよ、彼氏の特権みたいなものだしさ」

結衣「え、そ、そう?」

彼氏1「じゃあ、そこの店でもいいかな?スパゲティ専門店だけど」

結衣「うん、大丈夫だよ」


スパゲティ屋


彼氏1「どう?味は?」

結衣「おいしいっ!ここ、入ったことなかったけど、こんなに良いお店だったんだ」

彼氏1「今度友達と来たら?三浦さんとか、葉山とか」

結衣「うんっ、優美子喜ぶよっ」


298: 2015/11/11(水) 13:10:55.92
彼氏1「あとは…比企谷か」

結衣「あ、ヒッキーのこと知ってるんだ?」

彼氏1「結構有名だろ」


結衣「あはは、かもねぇ~…」

彼氏1「しかし…最近、離れてるように見えるんだけど」

結衣「そうかな?別に離れてるなんてことは…」

結衣「奉仕部はもうないし…自然に会う機会減ったかな…この前、ゆきのんとヒッキーとでご飯に行ったけど」

彼氏1「奉仕部か、凄い部活だよねあれ…他人のお願い聞くっていうのは」

結衣「良く考えるとそうかも」

彼氏1「葉山が凄いって言ってたし、比企谷は凄いんだろうな」

結衣「うん、凄いかな。普段は挙動不審だったりするけど」

299: 2015/11/11(水) 13:16:35.09
彼氏1「おいおい、それはひどいだろ」

結衣「でも、いざという時はすっごい頼りになるよっ!」

彼氏1「む…比企谷は頼りになる…か」

結衣「うんっ」


彼氏1「お、俺だって負けてないからね?ちゃんと由比ヶ浜さんのこと守るしっ」

結衣「あ、ごめん…そういうつもりじゃ」

彼氏1「いや、俺は負けないよっ!」

結衣「なにこのノリ?」




雪乃「ここまでで大丈夫よ、ありがとう」

彼氏2「そうか…じゃあ…」

スッ

雪乃「その手は…なに?」

彼氏2「なんというか…握手?」

雪乃「握手ね…はいっ」ガシっ

300: 2015/11/11(水) 13:23:26.58
彼氏2「…」

雪乃「なんだか、お互い恋愛には慣れてないわね」


彼氏2「確かに…まだまだ」

雪乃「あなたが告白してきた時は、驚いたわ」


彼氏2「恥ずかしいな」

雪乃「私のどこを好きになったと言ってたかしら」

彼氏2「蒸し返すのか…」

雪乃「いいじゃない」


彼氏2「俺は…1年前から、君に憧れていた」

彼氏2「儚げな表情に心を奪われた…それだけだ…」

雪乃「一目ぼれということね」

彼氏2「すまない、きっかけはそうだ…少し話す機会がほしくて奉仕部に行こうとも思っていたが…行けなかった」

301: 2015/11/11(水) 13:27:28.28
彼氏2「彼がいたからな…」

雪乃「誰かしら?比企谷くん?」

彼氏2「ああ、とても楽しそうに見えたよ」

雪乃「な、なにを言ってるのかしら…」


彼氏2「しかし…噂で、付き合っていないことがわかって…奉仕部も引退ということがわかり…」

彼氏2「勇気を出して告白したというとだ…」


雪乃「そう…」

彼氏2「歪な動機で申し訳ないが」

雪乃「いえ、そんなことはないわ…告白してこない人よりはよっぽどね」

彼氏2「…?そうか…?」

雪乃「ええ、それではまた明日ね」

302: 2015/11/11(水) 13:33:28.52
次の日

戸塚「おはよう、八幡っ」

八幡「おう、戸塚」


戸塚「ねえ、八幡さ…ちょっと見た目変わった?」

八幡「髪の毛切って、ワックスつけただけだぞ」

戸塚「ちょっとおしゃれになってる気がする、八幡って二枚目だから余計に映えるっていうか」

八幡「戸塚に褒められた…」


戸塚「え?」

八幡「あ、いや…これ、葉山の受け売りだけどな」

戸塚「行動してみたんだ?」

八幡「まだどうするか、わからないけどな」

312: 2015/11/11(水) 22:11:05.72
戸塚「告白はするの?」

八幡「それする

314: 2015/11/11(水) 22:16:44.80
八幡「それする為に、見た目とか変えたわけだしな」

八幡「正直、全く無意味だけど…あれだ」

戸塚「自信にするため…だよね」


八幡「そんなところだな…」

戸塚「でもさ、誰に告白するつもりなの?」

八幡「それは」

戸塚「両方とも奪うとか考えてるの?」

八幡「まさか…そんなわけないだろ」

戸塚「そっか…でも、もう決めてるんだね?」

八幡「どっちっていうか…」

戸塚「?」

315: 2015/11/11(水) 22:26:26.79
奉仕部

八幡「なあ…」

優美子「なに?」


葉山「なんだい?」

八幡「なんでここにいんの?」

優美子「あんたの行く末、見届けようと思って」

葉山「決行日は近いと踏んでるんだが」

八幡「…」


葉山「いろはも心配していたぞ」

八幡「お前、話してんの?この話…」

葉山「ははは」

八幡「ははは、じゃねぇよ…」

317: 2015/11/11(水) 22:32:41.03
優美子「で?どっちに告白すんの?」

八幡「…由比ヶ浜」

葉山「へえ、いいじゃないか」

優美子「雪ノ下さんじゃなくて、ほっとしたとか?」

葉山「いや…優美子。それは飛躍しすぎだよ…」


八幡「…」


ガラ

雪乃「あら、意外なメンバーが集まってるのね」

八幡「雪ノ下…」

雪乃「?どうしたの?」

八幡「なんでここに?」

318: 2015/11/11(水) 22:35:48.20
雪乃「あなたが、部活が終わった今でもここに来ていると聞いてたから」

雪乃「少し寄ってみたのよ」


八幡「マジか…」

葉山「やあ、こんにちは」

優美子「彼氏はいいの?」


雪乃「そんなに四六時中いるのが彼氏というわけでもないでしょ」

雪乃「今日は帰ってもらったわ」

八幡「…じゃあ、ちょっと、話できないか?」


雪乃「いいけれど…」

319: 2015/11/11(水) 22:41:15.29
葉山「俺たちは先に帰るよ、じゃあね」

優美子「んじゃ」

ガラガラ


雪乃「それで…話というのはなにかしら?」

雪乃「わざわざ二人を帰したのだから、重要な話なんでしょう?」

八幡「重要、そうかも」

雪乃「…ちょっと、身の危険を感じたのだけれど…」

八幡「おい…」


雪乃「冗談よ」

八幡「久しぶりのやり取りだな」

雪乃「そうかもしれないわね」

320: 2015/11/11(水) 22:45:19.19
八幡「それで、本題だけどな」

雪乃「ええ」

八幡「今は、楽しいか?色々」

雪乃「…?彼氏との仲がということ?」

八幡「そうとってくれてもいい」


雪乃「回りくどいわね」

八幡「慣れてないの」

雪乃「女の子みたいな言い方はやめて、気持ち悪いわ」

八幡「…とにかく」


雪乃「…そうね、楽しいわね」

321: 2015/11/11(水) 22:47:26.02
八幡「……」

雪乃「彼、とても不器用なのよ恋愛の面では特に」

雪乃「そういうところは私と似てるかもしれないわね」

八幡「野球ばかりしてきたからってやつか」

雪乃「そうよ…そういうところが愛おしく思えてしまうわね」


八幡「そうか…」

雪乃「…あなたとの関係は…

322: 2015/11/11(水) 22:52:58.11
雪乃「恋人関係と誤解されてたみたいだけど」


八幡「おいおい、なんだよそれ…違うだろ」


雪乃「ええ、まさに迷惑極まりないことだわ。腹立たしい」

八幡「そこまで言いますかね」

雪乃「ふふ、冗談よ」

八幡「……冗談かよ」

雪乃「安心したの?」

八幡「別に」

雪乃「まあ、いいわ。あなたとの仲は…そうね、依存だったわね、私の一方的な」

八幡「そうだったな」

雪乃「あなたはとても頼りになったわ…だから、寄りかかってしまった…」

雪乃「それに代えて、今の彼はそんな頼りがいなんてないけれど…」

雪乃「同じ地平を歩けるような気がするわ」


324: 2015/11/11(水) 22:56:24.73
八幡「そうか、わかった…大切にな今の関係」

雪乃「ええ、ありがとう」

八幡「陽乃さんに突っこまれるかもしれないからな」


雪乃「姉さんには内緒にしてるのだけど、もう知られてるのかしら…」

八幡「どうかな…時間とらせて悪かったな」

雪乃「いえ、大丈夫よ。あなたは…由比ヶ浜さんと話しに行くの?」


八幡「ま、まあ…」

雪乃「そう、がんばってね」

八幡「おう…ありがとな」

325: 2015/11/11(水) 23:04:56.71
校門


結衣「ふんふんふふ~~んっ」

八幡「…おう」

結衣「あれ、ヒッキー?まだ帰ってなかったんだ?」

八幡「まあな…お前は?」


結衣「あたしも教室で姫菜と話してたら遅くなって…」

八幡「帰り、一人か?」

結衣「うん、途中まで一緒に行こうか?」


八幡「彼氏は大丈夫なのか?」

結衣「先に帰ってるよ」

八幡「そうか…」

349: 2015/11/15(日) 11:59:14.60
スタスタ カラカラ

八幡「なんだか…」

結衣「なんだか久し振りだよね、こうしてヒッキーと歩くの」

八幡「そうかもな、いつ以来だっけ」

結衣「うーん、もう覚えてないけど…」

八幡「生徒会長選挙の時とかはあったか」

結衣「あはは、あったね~」

八幡「…」

結衣「あんまり思い出したくはないけどさ…」

八幡「いい思ひ出じゃなかったか?」

結衣「えっ?」

351: 2015/11/15(日) 12:03:52.74
八幡「ああいう喧嘩?じゃないけど、微妙な空気も」

八幡「今はいい思い出かもな」

結衣「ヒッキー…まさか、ヒッキーがそんなこと言うなんてね」

結衣「変えたのって見た目だけじゃないんだ?」

八幡「これはまあ……色々と」

結衣「色々?なに?」

八幡「……」

結衣「ヒッキー?」

八幡「由比ヶ浜に告白しようかと…」

結衣「……」

結衣「…え」

352: 2015/11/15(日) 12:09:45.72
結衣「こ、告白…」

八幡「ああ…いまさら過ぎるけど…」

結衣「そ、そうだよ…」

結衣「あたし達は傷つかない為に、そういうのはなしにしようって…」

結衣「そうなったじゃん…」

八幡「悪いな、わかってたつもりだったけど…」

結衣「あ、あたし…彼氏もいるのに…」

八幡「最低なことしてるのはわかってるけど…」

八幡「理屈じゃなくてな…」

結衣「ヒッキー……」

354: 2015/11/15(日) 13:40:00.15
八幡「由比ヶ浜…」

結衣「は、はい…」

八幡「あ…その…」


結衣「ずるいよ、ヒッキーは…」

八幡「…」

結衣「本当はずっと前から気づいてたよね?あたしの気持ち」

八幡「去年の夏祭りとかな…」

結衣「うん、あの頃からずっとだよ…」

八幡「由比ヶ浜、お前…」

結衣「もしのさ、あの頃にお互いに気持ちぶつけて…」

結衣「付き合っていたら、一番よかったかもね…」

355: 2015/11/15(日) 13:44:09.87
結衣「ゆきのんだって…諦めがついたと思う…あの頃なら」

八幡「あのあと色々あったしな」

結衣「うん…それで今でしょ?」

八幡「…すまん」


結衣「本気なんだ?ヒッキーは」

八幡「そうだな…遅すぎるけど…由比ヶ浜の気持ちに答えたい…」

結衣「あたしがまだヒッキーのこと好きだと思ってるんだ?」

356: 2015/11/15(日) 13:48:40.42
結衣「自信家になったね、ヒッキー」

八幡「……」

結衣「それくらい強引に、去年来てくれればさ…」

結衣「今だったら、大切な人傷つけちゃうよ」

八幡「俺は…殴られてもいい」

結衣「…あたしが決着つけるし…ヒッキーは何もしないでよ」

八幡「由比ヶ浜…でも」

結衣「ヒッキー、こういう時は自分のこと必要以上に悪く言いそうだし」

八幡「…」

結衣「…帰ろ」

八幡「おう…」


スタスタ カラカラ

357: 2015/11/15(日) 13:52:24.68
次の日

彼氏1「…」

結衣「……」

彼氏1「な、なんで…?別れてくれなんて…」

彼氏1「俺…不快なことしちゃってた?」

結衣「ううん、そんなことないよ❗」

結衣「ただ…」

彼氏1「ただ?」

結衣「ヒッキー…比企谷くんに告白されて」

彼氏1「比企谷に…?そんな…」

359: 2015/11/15(日) 14:18:35.09
彼氏1「比企谷と由比ヶ浜さんは長く部活を共にしたんだろうけど…」

結衣「うん…」

彼氏1「でも…なんで今頃…」

結衣「本当に…ごめんなさい、本当に…」

彼氏1「俺じゃ駄目か?由比ヶ浜さんのこと絶対泣かせたりしないし❗」

結衣「…」

彼氏1「……」

結衣「ヒッキーが告白してくれた時…」

結衣「やっぱり、嬉しかったんだ…」

彼氏1「…!」

結衣「その時わかったんだ…あたし、まだヒッキーが好きなんだって」

彼氏1「由比ヶ浜さん…くそう…」

360: 2015/11/15(日) 14:23:35.42
彼氏1「わかった…由比ヶ浜さんがそう望むなら…」

結衣「ありがとう…」

彼氏1「ただし、比企谷にちゃんと言っといてよ」

結衣「え?」

彼氏1「由比ヶ浜さんを泣かせたら、俺が殴りに行くって」

結衣「うん、伝えておくねっ」

彼氏1「じゃあ、俺はもう行くから、さよなら」

結衣「はい…本当に…ありがとう」

スタスタ


367: 2015/11/15(日) 17:52:45.68

八幡「今日も俺だけか」

隼人「なに言ってるんだ、俺もいるじゃないか」


八幡「部員の話してんの」

隼人「そういうことか」

隼人「確かに俺は部員じゃないが…」

隼人「こうして、君の話を聞いてあげてるじゃないか」


八幡「誰も頼んでないっての」

隼人「俺たちが3年に上がってもう半年か」

隼人「雪ノ下さんも結衣も、あまり来てないようだけど」

八幡「俺だけ、平塚先生の命令で強制出席ですよ?」

368: 2015/11/15(日) 17:53:29.07
隼人「それも醍醐味じゃないか。静かに受験に備えられる」

八幡「それはあるけど」

隼人「君は地元から出ないのか?」


八幡「…一応、関西の方の大学も受けるかも」

隼人「国公立かい?なんでまた関西なんだ?」

八幡「大阪市内の車いらずの生活をしたい」

隼人「全く意味がわからない」


八幡「就職したときの話だ」

隼人「大阪市内の就職なら車持たなくて済むかもっていうことかい?」

374: 2015/11/16(月) 15:55:04.83


結衣「ヒッキーっ」

八幡「由比ヶ浜、おう」

結衣「んも~、もうちょっと嬉しそうにしてよ」

八幡「いや…よく考えたら、すげぇ似合わないことしたなって…」


八幡「なんかもう、悶え苦しんだからね…」

結衣「そうなんだ…でも、嬉しかったよ」

八幡「お、おう…」

結衣「すっごい迷惑かけちゃったけど…」

八幡「彼氏にな」

結衣「うん…」

375: 2015/11/16(月) 16:03:04.13
結衣「でもさ、ヒッキーがこれから帳消しにしてくれるよね?」

八幡「何をもって帳消しになるかわからんけどな」

八幡「まあ頑張る…」


結衣「うん、期待してるよヒッキーっ」

結衣「じゃあ、帰ろ」

八幡「おう…」

八幡「…あの、手を…」

結衣「………うん」ギュウ



雪乃「なんだか、微笑ましいわね」

彼氏2「雪乃さん、本当に俺でいいのか?」

雪乃「あら、なんのことかしら?」

彼氏2「…いや、なんでもない」

雪乃「ええ、帰りましょう」

彼氏2「ああ」

彼氏2「雪乃さん」

雪乃「何かしら?」

彼氏2「今は奉仕部を優先してくれても問題ないが」

雪乃「……ありがとう」


377: 2015/11/16(月) 16:06:25.38
結衣「そういえば、ゆきのんだけど」

八幡「ん?どうかしたか?」

結衣「今、野球部の人と付き合ってるよね」

八幡「そうだな」

結衣「どうなんだろう…」


雪乃「あら、由比ヶ浜さんに心配されることではないわ」

結衣「ゆきのんっ」

八幡「急に現れるなよ…」

378: 2015/11/16(月) 16:12:47.69
雪乃「仲良く手を繋いでるわね」

結衣「あう…」

八幡「…離すか」

雪乃「別に離すことないでしょう、恋人同士なんだし」


結衣「う、うん…そうだよねっ」

八幡「なんか勇気付けられてるし」

雪乃「私の方は問題ないけれど、あなた達はどうなの?」

八幡「まだこれからだよ」

結衣「うん、でも幸せになるし」

雪乃「まるで結婚するみたいね」

結衣「ええ…あ、い、いや…」

八幡「とにかく、これからだっての」


380: 2015/11/16(月) 16:20:53.97
雪乃「そう、応援するわ」

結衣「ありがとう、ゆきのん」

八幡「…3人揃ってるな」


雪乃「そうね、またどこかで夕食でもどうかしら?」

八幡「彼氏は?」

雪乃「ちゃんと了解はとってあるわ」

八幡「なら、行くか」


結衣「うん、しゅっぱ~~~つ」

雪乃「なんだか、以前の雰囲気に戻ったわね…」

八幡「そうだな…戻るのも悪くない気がする」

雪乃「ふふ、そうかもしれないわね」

八幡(戻って由比ヶ浜と付き合えた…)

八幡(進む為の後退なら、それも正解だよな)


八幡「これが、俺が行動して得た結果か、悪くないな」

結衣「ヒッキー?どうしたの?」

八幡「いや、なんでもない、行くか」

結衣「うんっ」


おわり

381: 2015/11/16(月) 16:23:09.90
ありがとうございました

引用元: 八幡「奉仕部形骸化」