1: 2013/03/02(土) 12:41:08.15 ID:Mfuxwhdc0
シンジ「集合場所はここであってるよね…」

シンジ(一応この間下見に来たし、今日も30分前には着いたから悪い印象は与えないはずだ)

シンジ「でも、父さんもどういう意図で急に僕を…」

シンジ(もしかしたら僕のような存在でも役に立てることを見つけてくれたのかな…。それなら期待に応えられるように頑張らなくちゃ…)

シンジ「それにしても遅いなぁ…」ピラッ

シンジ(父さんの部下らしいけど、どうせなら私服じゃなくて制服姿を送ってくれれば社内環境が見えてきたかもしれないのに…)


 ―――キキィィィィィ!!


シンジ「!?」

ミサト「ごっめぇぇん♪ シンジ君待ったぁ?」



シンジ「いえっ、僕なんかのためにわざわざ時間を割いていただきありがとうございます!!」

ミサト「」



※オリジナル展開になるかと



5: 2013/03/02(土) 13:19:42.15
ドライブ中――使徒襲来。

シンジ「あれは何という名前ですか!?」

ミサト「シンジ君、あれが――使徒よ」

シンジ「あ、いえ、それは予習しているんでわかっています。正式名称のメモを取りたいんで教えてもらっていいですか?」メモチョウ

ミサト(この子……即戦力ッ)ゾクリ

シンジ「あ、すみませんっ! 今は運転に集中してますよね! 後で確認を取りますので、もし僕が忘れていたらお声かけしていただいてもよろしいですか?」

ミサト「え、ええ…」

シンジ(僕みたいなのにできることといったら確認と復習……そして、遅刻しないこと)キリッ

ミサト(め、めんどくさい子ね…)

9: 2013/03/02(土) 15:10:27.70
格納庫。

シンジ「こ、これが御社の開発された兵器!!」

シンジ(なんかプラモみたいな表面だな…)

ミサト「いいえ、違うわシンジ君」

シンジ「?」

ミサト「これは―――あなたのエバよ」

シンジ「………分かりました!!」

ミサト(最初の空白はなんだったのかしら…)

シンジ(しまった。せっかく僕みたいな人材を拾って貰えるというのに、間を空けたら不満があるみたいじゃないかっ)バシッ

ミサト「シンジ君!?」

シンジ「ぜひっ、僕にこのエバという兵器に搭乗させてください!!」フカブカ

リツコ(………聞き分けの良い子は嫌いだわ)

レイ「………」

ゲンドウ(………ん?)

ミサト「それじゃあ急いで準備するわよ!!」

シンジ「はいっ!!」

10: 2013/03/02(土) 15:17:18.97
エントリープラグ内

シンジ「失礼します!!」

ミサト「うひゃー元気いっぱいねー」

リツコ「空元気じゃなければいいけど」ツン

ミサト(なんだかリツコはシンジ君が嫌いみたいね…)

シンジ「………」

シンジ(やっぱ仕事中に私語は厳禁だよね)

マヤ「LCL注入します」

シンジ「………!?」ゴボゴボ

シンジ(な、なんだこの水!? せ、説明が欲しい!!)

リツコ(声の一つも出さないなんて…、強がりな子…誰に似たのかしら)

ミサト「シンジ君! その水を飲んでも呼吸はできるわよ!」

シンジ「………はいっ! ありがとうございます!」ゴクゴクゴク

シンジ(………うんっ、不味い!!)ニコッ




13: 2013/03/02(土) 18:33:27.58
シンジ(これがエヴァの中……すごい、こんな素晴らしい仕事に僕なんかが就かせていただいても構わないのだろうか…)

ミサト「シンジ君、突然のことで戸惑っているのはわかってるわ」

シンジ「はい!」

シンジ(上司の理念は元気の良い返事をしないと!!)

ミサト「でもね、これはあなたにしかできないことなの」

シンジ「はいっ!」

ミサト「あなたが世界を……守るのよ」キリッ

シンジ「了解しました!!」

ミサト(本当に戸惑ってるのかしら)

マヤ「射出準備完了です!!」


ミサト「エヴァ初号機、発進!!」


シンジ「失礼しましたぁああああ!!」バシュゥゥン!!


一同(何の失礼しましたなんだろう…?)キョトン


冬月「退出時も挨拶を忘れなかったな」

ゲンドウ「ああ…社会人として当たり前だ」

14: 2013/03/02(土) 18:39:11.56
地表。

初号機「」ボヒュン

シンジ「………」

サキエル「」ビュンビュンビュン

シンジ(どうしよう……挨拶したほうがいいのかな…)

ミサト「シンジ君、今から支えを外すから、あなたが操縦するのよ」

シンジ「は、はいっ!」ガシッガシッ

リツコ「初号機とあなたは隅から隅までリンクしてるわ。あなたが歩きたいと思えばそれに応えてくれるはずよ」

シンジ「わかりましたっ!」

シンジ(よし……初号機…たのむぞっ!)




初号機「………」ペコリンッ



シンジ「おはようございます!!」



ネルフ一同「」ポカーン

冬月「直角だな」

ゲンドウ「ああ、最敬礼だ」


17: 2013/03/02(土) 18:50:41.93
サキエル「」ビュンッ

シンジ「うわっ!」

ミサト「何してるのシンジ君!! 戦いなさい!」

シンジ「そ、そんなこと言われましても! 研修を受けさせてはもらえないんですか!!?」

ミサト「使徒はあなたの研修なんて待ってくれないわよ! 現場で即座に対応するのが一流よ!!」

シンジ「!!?」

シンジ(……そうだ。僕が間違っていた。十数年間の甘えが社会人になっても通用すると思ってたんだ!)


サキエル「」ビュンガシッ


シンジ「うわぁ!!」バッ

サキエル「」キュィィィィンッ

シンジ「ど、どうすればっ!?」ガシャガシャ

サキエル「」ズバァアアッ

初号機「」ダランッ

シンジ「うわぁあああぁあぁぁああ!!」

シンジ(目が、目がぁあ!!)

ミサト「シンジ君!?」

マヤ「初号機活動を停止しました!!」


ゲンドウ「……勝ったな」

冬月「ああ」





初号機「グォオオオオオオオオ!!」

初号機「」ペコリン


ミサト「分離礼ですって!?」ガタッ

リツコ「あれが……エヴァ…」

19: 2013/03/02(土) 18:56:04.85
病室。

シンジ「………ここは…」

シンジ(そうか……僕、眼を怪我して……)

シンジ「労災は降りるかな……」

シンジ(……いや、なんの結果も残せていない僕が労災を貰おうなんて厚かましいよ!)

ミサト「シンジくぅん、起きた?」

シンジ「はいっ!」

ミサト(あれだけのことがあったのにテンション高いわね…)

シンジ(上司に心配をかけちゃいけない…)グッ

ミサト「それじゃあ、行きましょうか」ニコッ

シンジ「えっと……どこにですか?」メモチョウ

ミサト「メモは取らなくていいわよ…」ハァ

シンジ「はい!」

ミサト(この子と住む意味あるのかしら…)

21: 2013/03/02(土) 19:05:05.00
ドライブ中。

ミサト「シンジ君、ちょっと寄り道していい?」

シンジ「はい! ついていきます!!」

シンジ(勤務時間外でも上司の要望に応えるんだ!)





ミサト「着いたわよー」バタンッ

シンジ「ここは…?」

ミサト「良いから見てなさい」

シンジ「はいっ!」


ビル群「」ニョキニョキ


シンジ「!?」

ミサト「どうシンジ君?」

シンジ(まさか、このビルの管理も僕が!?)

ミサト「これがあなたの守った街よ」

シンジ「………」

ミサト「あなたにとっては辛い日々が始まるかもしれない。だけど、その成果はこれだけ大きいのよ」


22: 2013/03/02(土) 19:07:38.85
シンジ「何時入りでしょうか?」

ミサト「え?」

シンジ「集中管理なんですよね? 管理室はどこでしょうか」

ミサト「え、え?」オロオロ

シンジ(挽回のチャンスが巡ってきたと考えれば、これはラッキーだ!)

ミサト「し、シンジ君?」

シンジ「よく考えれば、僕の都合で下げていたビルを上げる仕事を他人に任せるなんて無責任でしたね! 僕頑張ります!」ニコッ

ミサト(め、めんどくせぇええええ)


23: 2013/03/02(土) 19:11:07.75
ミサト宅。

ミサト「今日からここがあなたの家よシンジ君」ニコッ

シンジ「失礼します!」ペコリンッ

ミサト「ち・が・う・で・しょ♪」

シンジ「あっ、すみません! お世話になるのに菓子折りの一つも持参しないなんて!!」オロオロ

ミサト(こいつ本当に子供か?)

ミサト「それも違うわよ、今日からあなたの家なんだから、“ただいま”でしょ♪」

シンジ「!!」

ミサト「ほらほらぁ~♪ 早く言わないと入れないわよ~♪」ダンシング♪

シンジ「た…」

ミサト「た?」

シンジ「ただいま帰宅しました! 碇シンジです!!」ビシッ

ミサト「……お、かえり」ゲンナリ

シンジ「失礼します!」

ミサト「…もぅいいわよぅ」グスッ

25: 2013/03/02(土) 19:19:51.13
ミサト「へぇ、シンちゃんって料理できるんだぁ~」

シンジ「はい、立派な社会人になるために勉強しました」

ミサト「立派な社会人ってシンちゃんまだ中学生じゃな~い」グビグビ

シンジ「このご時世に子供も大人も関係ありませんよ」アハハ

ミサト(なんて渇いた笑いなの…やっぱりこの子は何とかしなくちゃ…)

シンジ「すみません。今日からここでお世話になる身として恐縮なのですが…」

ミサト「うん?」

シンジ「自室はプライベートエリアとして、夜の0時から朝の6時までは僕だけの時間を頂きたいのですが…」

ミサト「つまり入ってくんな、と?」

シンジ「い、いえ、もちろん用事があればすぐに対応しますので、ノックしてください!」オロオロ

ミサト「ふーん、ま、いいけど」

ミサト(ずっと気を張りっぱなしにしてたら、いつか切れちゃうわよね)

シンジ「ありがとうございます!!」ペコリ

ミサト「あぁ、もう、いいわよ」


27: 2013/03/02(土) 19:26:34.25
お風呂。

シンジ「風呂は心の洗濯なんて思ってた時期もあったけど、長風呂する暇があったら睡眠に回すのが社会人だよな」ヌギヌギ

シンジ「失礼します」ガラッ

ペンペン「クェっ!!」

シンジ「! ……失礼しました!」ガラッ

シンジ(他に同居人がおられたとは!!)イソイソ


ミサト「~♪」グビグビ

シンジ「か、葛城大尉!」

ミサト「家の中ではミサトって呼んでくれなきゃいや~」

シンジ「み、ミサト大尉!」

ミサト「余計いやよ」

シンジ「ミサトさん!」

ミサト「はい」

シンジ「せ、先輩に挨拶をしたいのですが! 言葉が話せそうにないんです!!」

ミサト「」

シンジ「ここはネルフの寮なんですよね!? ペンギンも働いてるなんて前衛的な会社ですね! ネルフって!」

ミサト「………」ハァ

28: 2013/03/02(土) 19:33:31.41
シンジ「ミサトさんのマンションでしたか…」

ミサト「あの子は温泉ペンギンのペンペンよ。仲良くやってねん」

シンジ「はいっ!」ダッ


ミサト「……たく、リツコの気持ちが少しわかってきたわ」

ミサト(可愛らしい顔してるのにさ…)ハフー…


――風呂場。


シンジ「ペンペンさんっ! お体洗います!!」ゴシゴシゴシ

ペンペン「クエ~~~」

29: 2013/03/02(土) 19:37:30.86
自室。

シンジ(今日はいろいろなことがあったな……)

シンジ「仕事のことは忘れなきゃ。オンオフの切り替えができる。それが社会人だ…」

シンジ「………よし、切り替えた。切り替えたぞ~」



ムラムラムラムラ!!



シンジ「ミサトさん美人で工口過ぎるだろぉおおおお!!」ゴロンゴロンゴロン

シンジ「やりてぇえええええええ!!」ゴロンゴロンゴロン





シンジ「………世界を守る。それが僕の仕事か」フゥ…


シンジ(明日も頑張ろ、う……)zzz



――リビング。

ミサト「………」zzz

31: 2013/03/02(土) 19:42:53.07
―――学校。

トウジ「ワシはお前を殴らなアカン」ポキポキ

シンジ「!?」

シンジ(この人は急になんなんだ!? 社会人にとって身体は資本。傷つけるわけにはいかないのに!)

トウジ「歯ぁくいしばらんかい!!」ブンッ

シンジ「!!」サッ

トウジ「」エ

ケンスケ「」エ

シンジ「無意味なことはやめようよ。言葉できっと伝わるよ」

トウジ「うっさいわボケ! 黙っておとなしゅう殴られんかい!」ブンッ

シンジ「!」サッ

トウジ「」

ケンスケ「転校生、トウジの妹はエヴァと使徒の戦いで入院するくらいの大怪我を負ったんだ。言いたいことはわかるけど一発殴られとけって」

シンジ「! ……なおさら殴られる訳にはいかないじゃないか!」

二人「!?」

32: 2013/03/02(土) 19:50:20.67
シンジ「僕はもうネルフの社員なんだ! その僕が君の妹さんの怪我の誠意として殴られたら、それはすなわちネルフが謝罪したということ。そんな重大な事を末端の人間であるぼくが勝手にできるわけないじゃないかっ!!」

二人「」

シンジ「いいかい! 君らはまだ子供だから分からないかもしれないけど、社会人っていうのは個々の思想や趣味嗜好で行動をとってはいけないんだ! たとえ、僕がどれだけ君に、君の妹さんに罪悪感を持ったとしても――


ネルフを通さない限り謝ることはできないんだ!!」


トウジ「……そ、そないなこと言われてもな! ……ネルフが認める訳あらへんやんか…」ガクッ

ケンスケ「トウジ……」

シンジ「………じゃあ、僕は行くね」クルッ

トウジ「……お前…許さへんからな…」ギロッ

シンジ「………」タタタッ

33: 2013/03/02(土) 19:54:11.40
対シャムシェル。

シンジ「………」

シンジ(ロックオンしてスイッチ。ロックオンしてスイッチ…)

シャムシェル「」ウジャウジャウジャ

シンジ「いきます!」ダダダダダッ

シャムシェル「」ボボボボボッ


ミサト「ダメよシンジ君! 土煙で目標を見失うわ!」

リツコ「要領はよくないわね…」ハァ

シャムシェル「」ガッ

シンジ「くっ」

シャムシェル「」ブンッ

初号機「」ドォォォンッ

シンジ「くっ…そ…」チラッ


トウジ「」ガタガタ

ケンスケ「」ガタガタ


シンジ「!?」


34: 2013/03/02(土) 19:58:08.24
シンジ(な、なんでこんなところに二人が!?)

トウジ「」ブルブル

シンジ(くっ、今動けば二人が危ない…でも、会社の機体へ勝手に乗せるわけには…)

シンジ「乗せちゃだめだ乗せちゃだめだ乗せちゃだめだ乗せちゃだめだ……」ブツブツ


ミサト「し、シンジ君?」

マヤ「エヴァの左手付近に民間人を補足!」

ミサト「中学生? 彼らは!?」

リツコ「彼の同級生ね」

マヤ「どうします!?」

ミサト「………仕方ないわ」


ミサト『シンジ君! 彼らを乗せなさい!』

シンジ「い、いいんですか!?」

ミサト『ええ、業務命令よ!』

シンジ「は、はい!!」ニコォッ


エントリープラグブシュゥ!


トウジケンスケ「!?」

シンジ「二人とも乗って! あ、靴は脱いでね!」

二人「お、おう」ヌギヌギ

37: 2013/03/02(土) 20:03:31.92
トウジ「こ、これが…」

ケンスケ「エヴァの中……」ゴクリ

シンジ(彼らを機体に乗せた以上、彼らが怪我すればそれはネルフの責任問題だ。僕は今多くの責任を負っているんだ!)ウォォォォ



シャムシェルブシュゥゥゥッ



マヤ「使徒、殲滅しました!」

ミサト「まったく…」ヤレヤレ



シンジ「ハァハァハァハァッ」

トウジ「………」

ケンスケ「………」

39: 2013/03/02(土) 20:16:36.35
後日。

シンジ「何かな」

トウジ「………」

ケンスケ「ほらトウジ」ドンッ

トウジ「わ、わかっとるわ!」

シンジ「?」

トウジ「………すまんかったな」スッ

シンジ「………」

ケンスケ「……碇?」

シンジ「………」クルッ

トウジ「………」ハァ


シンジ「社会人なら簡単に謝っちゃだめだ。一回の奇跡より百回の信用の方が重い。それを分かってほしい」


二人「」ズーン…

シンジ「だけど―――」クルッ

シンジ「君たちはまだ子供だ。想ったことを口にするし、想ったままに行動する。僕はそんな君たちを嫌いじゃないし、羨ましいとさえ思うよ」ニコッ


二人「い、いがりざぁぁん」ボロボロ

シンジ「さっ、もうすぐ授業だ。戻ろう!」

二人「はい!!」

41: 2013/03/02(土) 20:21:28.84
綾波のマンションの玄関。

シンジ「綾波先輩! いますか!!」ピンポーン

シンジ「いないのかな?」ガチャ

シンジ「!?」

シンジ(や、やばいっ! これ以上は犯罪だ!)ガチャ

シンジ「………仕方ない。ゲートの前で待とう…」トボトボ



部屋の中。

綾波「………」フキフキ


43: 2013/03/02(土) 20:29:21.96
ネルフ入口。

綾波「………」スッ

ゲート「」ブーーーッ!

綾波「………?」スッ

ゲート「」ブーーーッ!


――五分後。


綾波「………」スッ

ゲート「」ブーーーッ

シンジ「あ、綾波先輩! 何してるんですかっ!」

綾波「………?」

シンジ「そのカードがオカシイことぐらい二、三回通せばわかるでしょ!?」

綾波「………?」キョトン

シンジ(…はっ、綾波先輩は立場もわきまえず生意気な口をきいた僕を睨んでいらっしゃる! 謝らなくちゃ!)

シンジ「綾波先輩! すみませんでした!」

綾波「………?」キョトンッ

シンジ「僕がここで待っていればよかっただけなのに先輩の責任にしてしまいましたぁああ!」スッ

綾波「………これは?」

シンジ「先輩の新しい社員証ですぅううう!!」ドゲザ

綾波「………そう」スッ

ゲート「」ピンポン

シンジ「………」ドゲザ


青葉「!? シンジ君何してるんだい!?」ビクッ

シンジ「反省です…」

青葉「ちょ、ちょっと周りに迷惑をかけるから行こう」

シンジ「」ピクッ

青葉「反省なんて誰にも見られていないところでするもんだろ」

シンジ「先輩、その通りです!! 申し訳ありませんでした!!」スッ

青葉(………ミサトさん助けてくださぃいいい)


モニター室。

ミサト「無理に決まってんでしょ」


54: 2013/03/03(日) 02:29:33.17
ヤシマ作戦。


シンジ「今度ばかりは氏ぬかもしれませんね」アハハ…

レイ「……あなたは氏なないわ」

シンジ「は、はい! もちろんただで氏ぬ気はありません! 最善の結果を残して見せます!」

レイ「………」プィ

レイ(………私が守るもの)

シンジ「よし、やるぞぉおおお!!」



55: 2013/03/03(日) 02:34:14.65
ラミエル「」ファァァァァ

シンジ「………目標を合わせて」ピピピピピ


ミサト「……シンジ君」


ラミエル「」ガションッ

レイ「………っ」

ラミエル「」ビガッ

ビィィィィィム!!!

零号機「」ドドドドドッ

レイ「……ぐっ、い、かりくん…」


シンジ「…………今だっ!」カチッ

初号機「」ドヒュンッ

ラミエル「」ファァァァ


マヤ「外れました!」

ミサト「急いで再充電よ!!」

リツコ「………使えない子」フゥ…


シンジ「し、しまった…」プルプルプル

シンジ(こ、こんな大事な場面で失敗するなんて)ワナワナ


56: 2013/03/03(日) 02:34:59.90






シンジ「僕は………社員失格だ」ギンッ







初号機「グォオオオオオオオオ!!!」






ゲンドウ「え?」




57: 2013/03/03(日) 02:39:54.77
初号機「グォオオオオオオ!」ダダダッ

ラミエル「」ビガッ

初号機「グォオオオオ」バシンッ


マヤ「初号機、使徒の攻撃を弾きました!」

リツコ「失敗して相当焦ってるのね」

ミサト「何てメンタルが弱いの……」

日向「だけど……挽回しようとする心」

青葉「くじけない気持ち……」



冬月「碇、彼はどうしてそこまで?」

ゲンドウ「………ゆとりのイージー人生で初の失敗。生きるか氏ぬかの選択肢しかないのだろう」

冬月「………すべては計画通りか」

ゲンドウ「ああ………人類社畜化計画に間違いはない」


58: 2013/03/03(日) 02:43:05.51
ラミエル「」ビガッ

初号機「」サッ

レイ「え」

零号機「」ズドォォォンッ


シンジ「先輩!? ……よくも先輩をぉおおおおお!」

初号機「グォオオオオオっ!」ブンッ


ラミエル「」ズッ


――――――ドォォォォオオオン!


マヤ「使徒活動停止を確認! 初号機の勝利です!!」

一同「よっしゃぁああああ!!」



初号機「」ポチッ

零号機エントリープラグ「」ブシュッ

シンジ「先輩!!」ダッ

60: 2013/03/03(日) 02:48:32.62
シンジ「ぐっ………」ジュッ

シンジ(熱い……けど、彼女も社員だ。絶対に助けなきゃ……)グググッ

プラグ「」ブシュゥゥゥ

シンジ「綾波先輩!?」バッ

レイ「………シンジ…君?」

シンジ「……良かったです…」ポロポロ

レイ「……ごめんなさい。こんな時どんな顔をしていいか分からないの」

シンジ「あ、仕事で失敗した時は反省の意を表すため、少し神妙な面持ちで帰った方がいいですよ。内面でいくら反省してても、顔が笑ってたら説得力ないですからね」

レイ「………分かったわ」

シンジ「帰りましょう」スッ

レイ「ええ……」

レイ(碇君………)ニコッ


シンジ「だから笑っちゃダメですって」

レイ「………はい」シュン






62: 2013/03/03(日) 02:55:14.91
学校。

トウジ「なんやシンジさん、最近疲れた顔しとるやないか」

シンジ「……そうかな?」

ケンスケ「目の下に隈もできてるし、やっぱネルフの仕事って多忙なん?」

シンジ「いや、まぁそれなりにね。でも、必要な仕事だし」

トウジ「一日何時間働いとんのや?」

ケンスケ「学校に8時間はいるから、やっぱ4、5時間くらい?」

シンジ「うーん、学校ある日は夜の0時くらいまでで、ない日は朝の9時から夜の10時までだから…」

トウジ「」

ケンスケ「」

シンジ「まぁ、こんな仕事なだけあって、人材不足だから仕方ないよ。それに―――」

トウジ「それに?」



シンジ「エヴァに乗らせてもらってるからね」ニコッ




エヴァンゲリオン 社

~社会人デビュー編~ 完




63: 2013/03/03(日) 03:03:07.00
【次回予告】

 社畜への道を歩み始めたシンジは初めての後輩であるエヴァ二号機パイロットを迎えに来ていた。

 そこへ颯爽と現れるセカンドチルドレンのアスカ。

 日本人の社会人としての常識を全く知らない彼女がシンジに大きなストレスを与える。

「私語は謹んでよ!」

 シンジの声が響き渡る。

 初めての説教にアスカは何を思うか。


 次回 企業戦士エヴァンゲリオン 畜

 ~社畜デビュー編~


ミサト「それじゃあ、次回もサービス(残業)サービス(出勤)~♪」



64: 2013/03/03(日) 03:03:34.19
社畜は9時出勤なので寝ます。おやすみなさい。

73: 2013/03/03(日) 10:14:21.77
おはようございます。

二章入りますよ~。
こっからはオリジナル(社畜)ルートにいってしまいます。

>>68
社畜を束ねる者にとって、正しい日本語より、“いかに使いやすい道具であるか”が大事なのです。
この世界に正しさなんてない!

続きー。

74: 2013/03/03(日) 10:27:02.53

シンジ(おはようございます。僕の名前は碇シンジです)

ミサト「あらシンジ君? 今日もこっち(ネルフ)で寝たの? “毎日”偉いわね~」ナデナデ

シンジ「ありがとうございます!」

シンジ(どんなに忙しかったって褒めてもらえるだけマシだ。青葉先輩や日向先輩なんていくら頑張ったってリツコさんに罵られるんだ…)ウンウン

レイ「碇君…」クイクイ

シンジ「あ、はい! 葛城大尉、休憩もらいます!」ダッ

ミサト「え、ええ」





シンジ「先輩、いかがでしょうか?」モミモミ

レイ「………普通」ワムゥ…

シンジ(先輩は僕より沢山働いてきたんだ。少しでも疲れを軽減しないと倒れちゃう)モミモミ

レイ「………足も」

シンジ「はい!」



青葉「マコト…羨ましいか?」ゲッソリ

日向「………いや、それより休みが欲しい」グッタリ





75: 2013/03/03(日) 10:30:50.88
学校。

シンジ「」グッタリ

トウジ「け、けんすけぇ…人間ってあんなに疲れるもんなんかぁ?」

ケンスケ「中学生であそこまで生気を失ってるのは彼くらいだろうね」

ヒカリ「………い、碇君…」

シンジ「………」

ヒカリ「お、お弁当、よかったら食べて」コト

ケンスケ「トウジ……いいの?」

トウジ「……自分やったら奪うんか?」

ケンスケ「ううん、無理」





シンジ「………これは…」

弁当[良かったら食べてねBY委員長]

シンジ(……委員長、ごめんなさい。胃が受け付けないです)キリキリ




76: 2013/03/03(日) 10:37:53.52
シンジ「………はぁはぁ」

初号機「」ヨッコイセ


ミサト「いやぁ、シンジ君は本当に働き者ねー」

リツコ「起動実験と言う名の瓦礫除去の雑用。あんたやることえげつないわね」

ミサト「あら、反対しなかったのは誰かしら?」

リツコ「………あの子が嫌がればすぐに止めるわよ」スパーッ

マヤ「………」

青葉「」ボーッ

日向「………」ブツブツブツ

ミサト(それにしても…これだけの激務の中オペレーターの交代要員すらいないなんて…)

ミサト「………少しでも楽しなきゃ」ボソッ

リツコ(その考えが部下をさらに苦しめるのよミサト…)スパーッ


シンジ「ふぅ…コスト削減のためとはいえ、LCLの温度調整機能を解いたら生温くて気持ち悪いや」

初号機「」ピクッ

シンジ「それになんかゴミも漂ってるし、ろ過作業ちゃんとしてるのかな…」ハァ

初号機「」プルプル

77: 2013/03/03(日) 10:41:51.10
シンジ「本日の瓦礫作業終了しました!」

ミサト「シンジ君お疲れ様!」

シンジ「いえ、仕事ですからっ」ニコッ

ミサト「///」キュン

シンジ「葛城…大尉?」

ミサト「あーもぅ、今日は飲みに行くわよっ!」

シンジ「えっ、え!?」

シンジ(ひ、久しぶりの早番で夜が自由なのに! これ逃したら次の休みまでずっと通しなのに!?)

ミサト「あーなによー。私とお酒飲むのが嫌なわけー?」ギュッ

シンジ「い、いえっ/// 行きます!!」ムラムラッ

ミサト「それじゃ、着替えたらすぐに出発ねーん」

シンジ「…………はぁ」トボトボ

マヤ「………」




78: 2013/03/03(日) 10:45:35.14
翌日。

シンジ「………気持ち悪い」

シンジ(僕が未成年でお酒飲めないからって、無理やり食べさせるんだもんな…)ハァ…

レイ「おはよう碇君」

シンジ「………」ボーッ

レイ「………」タタタッ

シンジ「………」ボーッ

レイ「………」ドンッ

シンジ「ひょぇっ!? あ、せ、先輩!?」

レイ「………」

シンジ「ど、どうされましたか!?」オロオロ

レイ「………おはよう、碇君」

シンジ「…あっ、す、すみません! おはようございます!!」

レイ「………」クルッ

シンジ(うわぁー…やっちまったぁ…)ハァ~~~

79: 2013/03/03(日) 10:52:21.37
マヤ「シンクロ率20%。駄目です」

リツコ「………」スパーッ

ミサト「どうしちゃったのかしらシンジ君」

マヤ「………先輩」

リツコ「………何?」

マヤ「あの……シンジ君を一日お借りしてもよろしいですか?」

リツコ「…内容次第ね」スパーッ

マヤ「その……実は、引っ越し作業が控えてまして…」

リツコ「………それで?」

マヤ「……男の人の手を借りたいんですけど、私大人の男性が……」

リツコ「………」スパーッ

マヤ「……だめ、ですか?」

リツコ「………ミサトに言ってみるわ」

マヤ「っ! ありがとうございます!」

80: 2013/03/03(日) 10:56:53.43
翌日。

シンジ「………ここか」ピンポーン

マヤ『………あ、はーい』

シンジ「おはようございます! 碇シンジです!」

マヤ『開いてるから入って』

シンジ「お邪魔します!」ガチャ

マヤ「おはよう碇君」ニコッ

シンジ「おはようございます! これ、引っ越し祝いです!」スッ

マヤ「えっ、指示が出たの昨日よね!?」

シンジ「はい! ドンキの品で恐縮なんですが!」

マヤ「あちゃー……ごめん碇君」

シンジ「え??」

マヤ「引っ越しって言うの、嘘なの」

シンジ「………え??」




マヤ「君に少しでも休んで欲しくて、嘘ついたの」





81: 2013/03/03(日) 11:00:51.21
シンジ「う…そ?」

マヤ「ええ、ごめんなさい。最近のあなたとてもじゃないけどまともに働けるようには見えなくて」

シンジ「だ、大丈夫です! 僕はまだまだ働けます!!」

マヤ「それは分かってるわ。だけど、明らかにパフォーマンスが低下してるのも事実よね」

シンジ「うぐっ…そ、そうですけど」

マヤ「初号機だって、度重なる起動実験に支障が出てきてるわ。少し時間をおかなきゃ故障してしまう」

シンジ「で、でも! 虚偽の休みだなんて!!」

マヤ「ううん、引っ越しはするわよ」

シンジ「え?」

マヤ「ちょうどこの階の角部屋が空いたの。後はこの観葉植物を運ぶだけだから、お願いできるかな?」

シンジ「あ……はい!」

87: 2013/03/03(日) 12:25:59.30
シンジ「この辺りでいいですか?」

マヤ「うん、お願い」

シンジ「よっと……」

マヤ「ありがと。紅茶入れたからおやつにしましょ?」

シンジ「あ、は、はい…」

マヤ(ふふっ、緊張してるのかな?)

マヤ「アップルパイとチーズケーキどっちがいい?」

シンジ「あ、僕はどちらでもいいんで、マヤさんが先にとってください!」

マヤ「あー、女の子の手作りケーキをどっちでもいいなんて言い方ひどいなぁ」

シンジ「あ、す、すみません!」

マヤ「なんてね。選びにくいよね。じゃあ私はチーズケーキ食べるから、シンジ君はアップルパイをどうぞ」

シンジ「ありがとうございます。……名前…」

マヤ「……あ、い、嫌だったかな」カァ///

シンジ「!! そ、そんなことないです!」

マヤ「………し、シンジ君///」

シンジ「は、はい…」


89: 2013/03/03(日) 12:37:37.00
マヤ「………」///

シンジ「………」

マヤ「………」ジーッ///

シンジ「………」モグモグ

マヤ「………」テレテレ///

シンジ「………」ゴクゴク

マヤ「………」ニコニコ

シンジ「……御馳走様でした。それでは」スクッ

マヤ「えっ」

90: 2013/03/03(日) 12:43:05.84
マンション下。

シンジ「くそっ、くそっくそっ」イライライラ

シンジ(伊吹マヤが嘘をついて休みをとるような人間だったなんて)ムカムカ

シンジ「今までだって手を抜いてたのかよ」クソッ

シンジ(社会人の風上にもおけない!)

シンジ「あんな奴、先輩として認めてやるかっ」タタタッ

シンジ(今から出勤したら迷惑かな…)



マヤ「………」ポーッ///

マヤ(シンジ君、照れちゃったのかな…)

マヤ「……シンジ君の匂い…残ってる…」スンスン

マヤ(男の人は苦手だけど……シンジ君なら…)フフッ




シンジ「拾ってもらった恩情を裏切る奴は嫌いだ!」

マヤ「好き……なのかな」




91: 2013/03/03(日) 12:44:35.85
体裁を考えて断る流れかと思ってたけど予想以上に社畜だったwwww

92: 2013/03/03(日) 12:46:58.86
このシンジは社会人を人間じゃなくて道具としか見てないのか?
どんな生活してればそういう考え身に付いちゃうんだよ…

95: 2013/03/03(日) 13:06:25.85
ドライブ。

ミサト「それにしても、マヤちゃんがねー」

シンジ「本当なら伊吹マヤさんのことを葛城大尉に報告するのは部署違いなのかもしれないですけど…」

シンジ(一番許せないのは僕を巻き込んだことだけど、それをミサトさんに愚痴るのは子供すぎる…)

ミサト「まぁね~。でも、まぁ、マヤちゃんの気持ちを理解してあげるのも、社会人として必要なスキルかもねぇ」

シンジ「えっ?」

ミサト「彼女、シンジ君を休ませてあげたかったんじゃないかな?」

シンジ「僕を……ですか?」

ミサト「ええ、シンジ君、ここ最近働き過ぎじゃない? 学校も行ってるし、見てて悲惨だったわよ」

シンジ「す、すみません」

ミサト(何に対して謝ってんだか…)ハァ

ミサト「そんな君をゆっくりさせてあげたいってのは、そんなに社会人としてダメなことかな?」

シンジ「はい、自分を拾って面倒を見てくれている会社に対しての裏切り行為です」

ミサト「あ、そ、そう?」

ミサト(今のシンジ君に何を言っても駄目ね…)

シンジ(ミサトさん、こんなダメな考えなのに出世できてるってことは相当実力があるんだろうなぁ。もしくは……)

ミサト「着いたわよーん」

99: 2013/03/03(日) 13:13:05.50
シンジ「ここはどこですか?」

ミサト「ふふーん。君にもとうとう後輩ができるんのよーん」

シンジ「後輩ですかっ!?」

ミサト「まぁ、そうは言っても、向こうでずっとエヴァに乗ってたし、先輩でもあるけどねん」

シンジ「はぁ…それは良かったです」ホッ

ミサト「………?」

シンジ(後輩の指導まで任されたらさすがに倒れる…)

ミサト「超可愛い女の子だから、期待しててねーん」

シンジ「女の子…」ピクッ

ミサト(あ、少しめんどくさそうな顔した…)



??「あんたがナナヒカリ? 辛気臭そうな顔してるわね」


シンジ「?」

ミサト「アスカ!」

アスカ「ミサト! 久しぶりね!」

シンジ「………」ゲ

アスカ「ナナヒカリ、このアスカ様が来たからにはもうあんたの出番はないわよ」ビシッ

シンジ「………」

アスカ「何よ、なんか言いなさいよ」

シンジ「………ろよ」

アスカ「え?」

シンジ「仮にも社会人ならフェンスの上じゃなくて、下に降りろよ!!」

アスカ「っ!?」ビクッ

ミサト「し、シンちゃん?」アワワ

シンジ「くそっ、やっぱり僕が面倒見なくちゃダメじゃないかっ! いいよ、やってやるよ! こいつを一人前にするのが会社への恩返しだというなら、超一流の社会人に仕立て上げてみせる!!」

アスカ「」

ミサト「」


103: 2013/03/03(日) 13:21:36.10
つまり

シンジ「僕はこのネルフに拾われた様なモノです、だから休まず一生懸命働くんです」

ミサト「でもしっかり休まないと駄目よ?」

シンジ「(何言ってんだこの人、休むなんてネルフに対する裏切り行為じゃないか…休む位余裕があるんなら、その時間をネルフに為に働く事に割くのは当たり前だろ…)」

って事でおk?

105: 2013/03/03(日) 13:30:17.11
>>103
休む時は休むのが社畜シンジの考えです。(サビ残は別として)
ただ、エヴァのパイロットという出勤時間が決まってない仕事の為、休みなく働いてます。
マヤさんの手伝いも仕事だと聞いていたので、会社に対する裏切り行為だと怒ってます。
有給でも怒ってたかもしれません。

104: 2013/03/03(日) 13:27:23.97
翌日。

シンジ「アスカ! 遅すぎるじゃないかっ!」

アスカ「何よ! ちゃんと時間には間に合ってるじゃない!!」

シンジ「転勤初日は時間前に挨拶を済ませるんだよ! それになんだよその格好! いくらエヴァの搭乗者は服装自由だからって、社会人としての意識が薄いんじゃないの!?」

アスカ「……っ、うっるさぁぁぁぁい! 私は社会人じゃなくてエヴァのパイロット! 選ばれし戦士なのよ!!」

シンジ「………ちっ、…まぁいいよ。それじゃあ、皆に謝ってよ」

アスカ「はぁ? なんで私が謝らないといけないのよ」

シンジ「今から荷物置いてきたって時間には間に合わないじゃないかっ! 立派な遅刻なんだよ!」

シンジ「立派じゃないよ!! 遅刻だよ!!」

アスカ「はぁはぁはぁ!? あんたがうるさいから時間が過ぎたんじゃない! 私は時間までにここに来たわよ!」

シンジ「もういい加減黙れよ! いつでも出撃できる状態で初めて出社状態なんだよ!!」

アスカ「だまれこのナナヒカリぃぃぃぃいいいい!」バッ

シンジ「えっ!?」ドサッ

アスカ「このエースパイロットのアスカ様に向かって!」ドガッ

アスカ「生意気な口!」バキッ

アスカ「聞いてんじゃないわよ!!」ゴスッ

シンジ「ぐぇっ…くっ、暴力は社会人として最もはずごえっ」グハッ

ミサト「アスカ! それくらいにしなさい!」

アスカ「だってミサト…」

ミサト「シンジ君も! あなたの言い分は間違ってはいないけど、行き過ぎよ! それにエヴァのパイロットの目的は何!?」

シンジ「使徒を倒すことです!」

ミサト「そう。それを達するために挨拶周りが必要? 正装で来る意味がある?」

シンジ「…それは……」

ミサト「………はぁ、今日は帰っていいわよ。少し頭を冷やしなさい」

シンジ「………はい」

マヤ「………」オロオロ

リツコ「………うざ」ボソッ




107: 2013/03/03(日) 13:34:03.60
スイカ畑。

シンジ「………ここ、どこだっけ?」

シンジ(こっちにきてからまともに休みがなかったから、こういう時どこに行けばいいのかわからないよ…)

??「あれ? 君は碇シンジ君?」

シンジ「あ、はい」

加持「俺の名前は加持リョウジ。君と同じネルフ所属の人間さ」

シンジ「は、初めまして! 僕は碇シンジ! エヴァンゲリオン初号機のパイロットをさせてもらっております!」

加持(ははっ、敬語とか勉強しすぎて逆にめちゃくちゃになったタイプだな)

加持「君はどうしてこんなところに?」

シンジ「……実は…」

108: 2013/03/03(日) 13:41:35.94
加持「そうか……君も災難だったな」

シンジ「分かってくれますか!?」

加持「いや、悪いが君のその問いに頷くことはできないよ」

シンジ「えっ」

加持「俺が災難だったなって言ったのは、自分の常識を押しつける相手が悪かったなって意味だ。アスカに強気な態度は無意味だからな」ハハッ

シンジ「……それじゃあ、加持さんもアスカと同意見なんですか?」

加持「……君の言っていることは正しい。正しすぎるといってもいいくらいだ。世の中の人がみんな君みたいな考えを持てば、きっと争いはなくなることだろう」

シンジ「それな「だけどだ」

加持「正しさってなんだ?」

シンジ「えっ?」

加持「例えばさ、このスイカ畑を見てくれ」

シンジ「……すごいですね」

加持「このスイカにとって正しい結末ってなんだろう?」

シンジ「!?」

加持「美味しく食べられることか? 人間は種を地面に落とすこともないのに? それともこのまま土に還ることか? わざわざ甘い果実になったのにか?」

シンジ「それは……」

110: 2013/03/03(日) 13:49:24.18
加持「俺はね、シンジ君」

シンジ「………」

加持「このスイカ達は生まれてきたこと時点で正しいんじゃないかって思ってる」

シンジ「生まれた時点で?」

加持「ああ、そうだ。結末なんて時と場合によるだろ?」

シンジ「時と、場合に、よる…」

加持「だから、このスイカ達がそれぞれどんな結末を迎えても構わない。だからね、収穫も気まぐれなんだよ」

シンジ「………」

加持「分かってもらおうなんて思っちゃいないさ。こういう考えの大人もいるってことだよ」

シンジ「……そんなの、ずるいです」

加持「ああ、大人はずるいんだ」

シンジ「せっかく育ててもらったんだから、加持さんに美味しく食べていただきたいはずです!」

加持「」

シンジ「僕も手伝うんで、収穫しましょう! 全部!!」

加持(駄目だこりゃ)

116: 2013/03/03(日) 18:26:50.92
ある日――ミサト家。

アスカ「はぁ!? この社畜クソヤロウと一緒に住めですって!?」

ミサト「ええ、そうよ」グビグビ

シンジ「……久しぶりの休みで家に帰ってみれば…」

アスカ「年頃の娘が男となんか住めるわけないじゃない!」

ミサト「あっそ、本部からの指令に背くんだ?」グビグビ

アスカ「ぐぬぬ……」

シンジ「……まぁ、僕は構わないですけど、自室にだけは入らないようにお願いしますね」バタンッ

ミサト「あらら、部屋にこもっちゃった」

アスカ「むかつく奴!! ムカつく奴! むかつく奴!!!」ムキー!


117: 2013/03/03(日) 18:31:02.32
シンジの部屋。

シンジ「………ふぅ…」ドサッ

シンジ(なんだか久しぶりに寝る以外で横になった気がする…)

シンジ「………眠れないな…」



ムラムラムラ!



シンジ「!?」



 碇シンジは戦慄した。緊張からの解放と少しばかりの休息の化学反応が起こす性なる奇跡を目の当たりにして!!



シンジ「う、うわ…うわぁ」ドクンドクン

シンジ(え、エOチしたい!!!)モンモンモン




 しかし、碇シンジは中学生! ましてや童Oに解決の道を思いつくわけがなく!




シンジ「ふぉ、ふぉぉおおおお!!」シコシコシコ





 シンジの初号機は暴走したのであった!!!

118: 2013/03/03(日) 18:33:16.81
―――数十秒後。


シンジ「………生きるってなんだろう…」

シンジ(あの時、もっとうまく指導できれば…)

シンジ「アスカ……あんなに可愛い子に対して僕は…」グスッ

シンジ「………先輩失格だな」ハァ

シンジ(マヤさんだって僕の事を考えてくれていたのに…)

シンジ「今度謝罪してご飯にでも誘おう…」


119: 2013/03/03(日) 18:40:59.76
その数分前、アスカ。

アスカ「絶対に入ったらダメって、なんで私があいつのいうことを聞かなきゃいけないのよっ」プリプリ

アスカ(いきなり入って驚かせてやろうか…)プププ

アスカ「………でも、もし弱みがつかめれば立場が逆転できるかも…」コソコソ

アスカ(そーっと…)カチャ…


シンジ「アスカ……あんなに可愛い子に対して僕は…」グスッ


アスカ「!?」


シンジ「………先輩失格だな」ハァ


アスカ(な、ななっ、何よあいつ! 何反省してんのよ)ドウヨウッ


シンジ「今度謝罪してご飯にでも誘おう…」


アスカ(で、デートの誘い!!?)カァ////

アスカ「な、なんで私があんな奴に誘われなきゃならないのよ!」タタタッ

ミサト「アスカ? 走ってきてどうしたの?」グビグビ

アスカ「な、なんでもないっ!!」///

125: 2013/03/03(日) 20:15:55.39
翌日。

イスラフェル「」シュババッ

シンジ「なっ、はや――っ」

アスカ「バカシンジ邪魔ぁあああああ!」バッ

シンジ「持ち場を勝手に!」イラッ

アスカ「喰らえぇええええ!」

シンジ「持ち場を――」ガシッ

アスカ「えっ!?」

シンジ「離れるなぁあああ!!」ブンッ

アスカ「きゃぁああああ!!」

弐号機「」ズズゥゥゥン


イスラフェル「」………


マヤ「弐号機活動を停止しました!」

ミサト「………はぁ」

127: 2013/03/03(日) 20:26:47.80
ミサトの家。

ミサト「………特訓よ」ハァ

シンジ「特訓ですか?」

アスカ「げぇ……」

ミサト「第七使徒は分裂した二つのコアユニットを破壊しない限り倒せないわ」

シンジ「分裂した二つの…」カキカキ

アスカ「………」イラッ

シンジ「たおせ…な―「飛んでけぇえええ!」ガシッブンッ

シンジ「ああ! 僕の...メモ帳がぁあ!?」

アスカ「あんたねぇ! 相手はじっと待ってくれるわけじゃないのよ! メモとったっていつ見るって言うのよ!」

シンジ「………っ」カチンッ

アスカ「何よその顔、黙ってないで反論してみなさいよ」

シンジ「………てない…」

アスカ「きこえませーん!」

シンジ「社会人の自覚ゼロかよ!! 誰がメモを見るためにメモをとれっていったよ!!」クワッ

アスカ「!!」ビクッ

シンジ「メモをとるのはな! 時間のある時に何度も復習するためだよ! 現場じゃメモを見る暇がない?


あ た り ま え じゃないか!!」


アスカ「………」プルプル

シンジ「現場に行くまでに頭に叩き込むんだよ! メモをとらなくて教わったことを忘れたらどうすんの? ねぇどうするの!?」バンバン

アスカ「ま、また聞けばいいじゃ「また聞くのかよ! 最悪だな!!」

シンジ「上司はわざわざ時間を割いて指導にあたってくれてるのに、ろくにメモもとらない上に自己都合でまた時間を割いてもらうのかよ!! お前は自分が物語の主人公にでもなったつもりか!!」

アスカ「わ、私は忘れないもん…」グスッ

シンジ「私が忘れないかどうか、上司に判断できるのかよ!! 上司は部下がメモをとらなかったら、また教えないと忘れるんじゃないかって不安になるじゃねーか!!」ドンドン

アスカ「ひっ……み、ミサトぉ…」ウルウル

ミサト「………」フルフル

アスカ「ふぇ、ふぇぇ…」グズッ


128: 2013/03/03(日) 20:32:18.13
正論すぎてワロタ

129: 2013/03/03(日) 20:33:24.65
たまに隙のない正論言うあたり社畜

130: 2013/03/03(日) 20:34:51.14
シンジ「さらに言えば、逆に上司が前回と違う指導を行ってしまった時! 葛城大尉に限ってそんなことはないけども、万が一起きた場合アスカはどうすんだよ!」

アスカ「そんなのっ! ミサトが悪いんだからはっきり言ってやるわよ!」

シンジ「お前ほんと 最 悪 だな!!」

アスカ「!?」グズッ

シンジ「お前、上司の指導が間違っていたかどうか、自分の記憶で指摘するつもりかよ!!」

アスカ「だって間違ってるんだから仕方ないじゃん!!」エグッ

シンジ「じゃあお前は僕に前と言ったこと違うよ、って言われたら認めんのかよ!」

アスカ「そんなの認める訳ないじゃない!! 私はバカシンジとは――」ハッ

シンジ「気付いたかよ! 気 付 い た か よ ! !」

アスカ「…………」プルプル

シンジ「誰だって間違いを指摘されたら認めたくないんだよ!! ましてやそれが部下に指摘されたら最悪だ!! 尊敬する上司の気分を害さないのが部下の務めじゃないのかよ!!」

アスカ「…………」ポロポロ

ミサト(……あ、逆にうまくまとまりそう…)

シンジ「僕がミサトさんの立場ならぶっ飛ばしてるねっ!」

ミサト「あ、無理だ…」

アスカ「ぅ、うぇぇぇぇん……」ボロボロボロ

シンジ「………」フゥ…

ミサト(何ドヤ顔してんのよバカ)ハァ…

131: 2013/03/03(日) 20:41:11.97
シンジ「…………っ」ハッ

シンジ(しまった。また熱くなっちゃった!!)オロオロ

アスカ「えぐっ、ぐすっ、うぇっ…」

ミサト「………」ハァ

シンジ(これじゃあ…僕がストレス発散しただけじゃないかっ!)

アスカ「………うぅ……かったわよ……ぇモずる…」トコトコ

ミサト・シンジ「えっ」

アスカ「……いぢまいちょうだい」ビリッ

シンジ「………」イラッ

ミサト「シンちゃん、先輩でしょ」

アスカ「みざと…ぐすっ……もっか…ひぐ…もいっかいおねがいじます…」

ミサト「……アスカ…」

シンジ「………」

シンジ(こんな時どんな顔したらいいか分からないよ…)

132: 2013/03/03(日) 20:47:15.14
講義終了。

アスカ「………顔洗ってくる」タタタッ

ミサト「………」ヤレヤレ

シンジ「…あ、あの…」

ミサト「こんな時だけ子供の顔しないで」

シンジ「あ…あう…」シュン

ミサト「はぁ……シンちゃん。あなたが言ってることは大体いつも正しいわ。私達ダメな大人が言い訳できないくらいにね」

シンジ「………」

ミサト「だけどね。それで部下はついてくると思ってるの?」

シンジ「え?」

ミサト「…まぁ、あなたは使徒を倒すことが仕事なのだから、部下のケアなんて考えなくてもいいけど……でもね」



ミサト「あなたがやってることは、川魚を海水で育ててるのと一緒よ。栄養価が高いからって」



シンジ「!?」

ミサト(ちょっと例えが悪かったかしら……)

シンジ「僕が……アスカを……海水に…?」

ミサト「あ、やっぱり」

133: 2013/03/03(日) 20:52:44.45
アスカ「………ただいま」ガチャ

シンジ「………………アスカ」

アスカ「……なに?」オドオド

ミサト(また怒られるんじゃないかって怯えてる…)

シンジ「ごめんアスカ!」

アスカ「えっ……」

シンジ「僕は君が海水魚だと思ってたんだ! 大海原を自由に泳ぎ回るマグロかハマチだと思ってたんだ…」

アスカ「えっ、えっ?」

ミサト(あの天才が動揺しておる……)

シンジ「僕は栄養価の高い、住むところも広い海に旅立って欲しかったんだけど…間違ってたんだね」

アスカ「は、はぁ…」

シンジ「………アスカ」ガシッ

アスカ「な、なにっ!?」ビクッ



シンジ「君は悪くない。ただ、生きる場所が違っただけなんだ」キリッ



アスカ「う、うん…」

ミサト(それ解決してないじゃん。さじ投げただけじゃん)ハァ…

134: 2013/03/03(日) 20:59:37.76
一週間後。

シンジ「アスカ! 行くよ!」ダッ

アスカ「うんっ!!」ダッ


マヤ「……すごい…二人の息ぴったり…」

マヤ(なんだか少し悔しい……)

リツコ「どんな魔法使ったんだか…」

ミサト「ふ、ふふんっ」

ミサト(あれのどこが息ぴったりだっていうのよ…)ドキドキ



アスカ(あの時からバカシンジは私に優しい。あいつが正しかったのに、私に優しくしてくれた)バッ

弐号機「」バッ

アスカ(私、シンジと一緒に戦いたい!!)

初号機「」バッ

シンジ(アスカは社会不適合者なんだ)バッ

初・弐号機「」バックテン

シンジ(それでも会社が雇っている以上、僕は努力しなきゃいけない!)

イスラフェル「」ブンレツ

シンジ(アスカは聞きわけのいい家畜だと思えばいいんだっ!!)



アスカ・シンジ
「「難しくなんかない!!」」ザンッ



イスラフェル「」ドサッ



マヤ「使徒、消滅しました!」

一同「よっしゃぁああああ!!」

136: 2013/03/03(日) 21:04:55.07
更衣室。

シンジ「………」フゥ

アスカ「バカシンジ…いる?」

シンジ「あ、ああ、うん、いるよ」

シンジ(めんどくさいから仕事外で話しかけないでほしいなぁ…)

アスカ「ん」

シンジ「何これ?」

アスカ「んっ!」

シンジ「炭酸ジュース……飲めってこと?」

アスカ「……間違えちゃっただけよ」プィ

シンジ「ありがとう…」

アスカ「あ、あのさっ……」

シンジ「な、なに?」

シンジ(まためんどくさいこと言われたらどうしよう…)



アスカ「あ、あ、ああ、ありがちょ……」

シンジ「ありがちょ?」

アスカ「!!?!?!?!?!」カァ///

シンジ「ど、どうしたんだ急に!」アセッ

アスカ「な、なんでもない!!」ダッ

アスカ(バカシンジ!!!)ダダダッ



シンジ「………炭酸苦手なんだよな…」ハァ

137: 2013/03/03(日) 21:15:25.50
しばらくしたある日のネルフ。

レイ「………」フラッ

シンジ「先輩! どうしました!?」

レイ「……大丈夫」ヨロッ

シンジ「ダメですよ! 体調悪い時はちゃんと寝なきゃ!」

アスカ「………」

アスカ(私にはそんな心配しない癖に…)

レイ「本当に大丈夫……」

シンジ「先輩……」



ミサト「……………」ゲッソリ



シンジ「葛城大尉!? どうしたんですか!?」

ミサト「………すぐに分かるわよ…」ハァ…

139: 2013/03/03(日) 21:23:42.16
ゲンドウ「……今日からお前たちにマネージャーをつけることにした」

アスカ「はぁ!? 何それ!!」

冬月「彼は社員を働かせるという点では日本、いや世界一かもしれない」

シンジ「それは凄いですね!」キラキラ

ミサト(シンジ君……氏ぬわね…)

レイ「………」

冬月「渡辺君、頼む」

渡辺「はい! みなさんおはようございます!!」

アスカ「わた…」

シンジ「なべ?」

141: 2013/03/03(日) 21:29:17.85
渡辺「はい、紹介にあずかりましたように、今日から君たちのマネージャーをさせていただきます。渡辺美幸と申します」

ゲンドウ「彼はワチャミグループという大会社の社長だ。学ぶところは多いだろう」

シンジ「ワチャミグループと言えば熱心な社員教育と指導が評判の大企業じゃないですか!!」ランラン

渡辺「ほう! 君は経営理念を分かってくれるか!!」ガシッ

シンジ「はいっ! これから素晴らしい指導を僕に注いでくれるんですね!?」

渡辺「ああっ! 任せておいてくれ!! 私が君を最高の、そうだな…ワチャミの模範社員にも負けない最高の社員に育て上げて見せる!!」

ゲンドウ「………」ウンウン

冬月「………」ウンウン

アスカ「………」ワナワナ…

レイ「………」ボーッ

ミサト(こりゃぁ…大変だわ…)ハァ


144: 2013/03/03(日) 21:34:21.35
>>143
本人は完全に同僚(つまり自分が先輩)だと思ってます。
流れから分かるように、社畜シンジの知能スペックも技能スペックも決して高くないです。
た だ の 社 畜 で す。

145: 2013/03/03(日) 21:37:02.38
個人面談。

レイ「………」

渡辺「……君は、エヴァに乗る意欲はあるのかい?」

レイ「………」コクリ

渡辺「そのためなら、プライベートな時間が減ってもいいかい?」

レイ「………」コクリ

渡辺「そうかそうか! 君は素晴らしい社員だっ!」ガシッ

レイ「………」

渡辺(綾波レイ…駒の素養ありと…)


147: 2013/03/03(日) 21:41:47.04
個人面談2。

アスカ「はぁ!? 当たりでしょ!?」

渡辺「そうだよね。じゃあ、そのためならなんだってするかい?」

アスカ「だから当たり前じゃない! 私にとってエヴァがすべてなんだから!」

渡辺「それじゃあエヴァ以外はどうだ? ネルフの雑務を頼まれたら?」

アスカ「嫌よ、なんで私が雑用しなきゃならないのよ」

渡辺「………」カチン

アスカ「私は選ばれたエヴァのパイロットなのよ! その私がなんで!!」

渡辺「………そ、うだね。うん、じゃあ、最後に…」

アスカ「何よ…」

渡辺「君は恋をしているかい?」

アスカ「………!」ピクッ

渡辺(ふむふむ…やはり女は気持ちで働けるな…)

149: 2013/03/03(日) 21:45:57.32
個人面談3。

シンジ「渡辺さん! 僕に社会人としてのいろはを教えてください!!」

渡辺「ああ、もちろんだとも。だけど、今は質問に答えてほしい」

シンジ「はい!」

渡辺「君は働くことをなんだと思ってるのかい?」

シンジ「はい! 拾ってくれた会社の手足となって成果を残すことです!!」

渡辺「それじゃあ、エヴァに乗ることは?」

シンジ「はい! エヴァに乗ることは、僕にしかできない僕だけの仕事で誇りと情熱、そして何より命をかけております!!」

渡辺「………」ウンウン

シンジ「僕からも質問していいですか?」

渡辺「なんだい?」

シンジ「渡辺さんは、社会人が無理って言うことについてどう思います?」

渡辺「!」ピクッ

153: 2013/03/03(日) 21:49:31.03
渡辺「無理……か。僕はそんな言葉しらないな」

シンジ「知らない、ですか?」

渡辺「ああ、例えば、僕のグループの社員を一か月、休みなしで20時間働かせる」

シンジ「それはきついですね!」

渡辺「社員は無理だと言いながら働くだろう。それでも働かせる。ずっと働かせる。気付くと一カ月立ってるはずだ」

シンジ「あっという間でしょうね!」

渡辺「その時、社員にもう一度聞くんだ。一か月20時間働き続けることは無理か、と」

シンジ「!!」

二人「「無理じゃない!!」」ガシッ

二人「「あはははははっ!!」」

161: 2013/03/04(月) 01:25:03.58
【前回までのあらすじ】

喜んでエヴァに搭乗し続ける社畜シンジ。

時折触れる仲間たちの優しさを拒絶し、組織のために身を削る。

彼を試すように次々と現れる使徒。

際限なく働き続ける彼の前に初めてできた後輩“アスカ”。

体調を崩すレイ。

ドーピングで働き続ける青葉、日向。

ストーカーになりつつあるマヤ。

空気のようなBBAミサト、リツコ。


そんな彼らの前に満面の笑みで現れる―――渡辺社長。


激変するネルフ。

いつ過労氏してもおかしくないこの組織に、再び危機は訪れる。



――社畜兵器エヴァンゲリオン

第○○話 【奇跡の価値は】



162: 2013/03/04(月) 01:30:24.95
ミサト「………この作戦しかないわ」

リツコ「無茶よ。MAGIの算出では成功率0.00001%よ」

シンジ「博士、無茶と―――「ちょっといいですか?」バッ

渡辺「少し、言いたいことが」

ミサト「あなたはパイロットのマネージャーであって、作戦を考える人では――」

渡辺「一応、権限は貰ってるんだ」ニコッ

リツコ「………嘘は言ってないみたいね」

ミサト「……聞きましょう」

渡辺「無謀だと嘆くこと。無茶だと叫ぶこと。無理だと絶望すること。


―――それなら、なぜ僕達の頭にその可能性が浮かんだんでしょう?」


アスカ「は?」

ミサト「………」ハァ

リツコ「………」ヤレヤレ

シンジ「な、なぜですかっ!」キラキラ

渡辺「それはもちろん



で き る か ら さっ!」




一同「」

シンジ「はいっ!」

レイ「………」ボーッ

163: 2013/03/04(月) 01:31:01.75
別ショット。







渡辺「できるからさっ!!!」








164: 2013/03/04(月) 01:31:30.91
別ショット。



    渡辺

「できるからさっ!」





165: 2013/03/04(月) 01:32:00.74
別ショット。




「できるからさっ!」渡辺







167: 2013/03/04(月) 01:36:38.98
リツコ「………もし失敗したら?」

渡辺「もし? 失敗したら?」ピクピク

ミサト「げっ……」

渡辺「じゃあ、あなた達はもし世界が滅びたら危険だからここから去りたまえ!!」バンッ

リツコ「!!」

ミサト「!!」

渡辺「できないやら難しいやらぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ。あなた達はずっとやってきたでしょう!?」

シンジ「はいっ!」

渡辺「できると信じるんです! 信じられなかったら10回叫ぶんです!」

レイ「できるできるできるできる…」ブツブツ

渡辺「10回でダメなら100回、100回でダメなら1000回!!」

アスカ「………」

渡辺「そうやって全員が同じ想いを宿した時―――



 奇跡の価値が見いだせるはずです」



ミサト(自分で奇跡って言ってんじゃん…)

169: 2013/03/04(月) 01:42:42.89
作戦開始数分前。

シンジ『初号機スタンバイできました』

アスカ『こっちもオッケーよ』

レイ『………いつでもいいわ』


ミサト「作戦の確認よ。目標の使徒は大気圏外から一直線に落ちてくるわ。その予測落下地点は常に変動していて分からない」

アスカ『やっかいね』

レイ『………』

ミサト「だから、あなた達はまず……走るのよ」

シンジ『走る。走る。走る…』ブツブツ

ミサト「そして、誰でもいいわ。使徒の落下地点にたどり着いた者が




 “気合”で受け止めるのよ」




三人「「はいっ!!」」



リツコ(バカじゃないの……)スパーッ

渡辺「君らならきっとできる!! 僕は今からワチャミの会議でここを離れるけど、信じてるからね!!」

ミサト(逃げんなよ……)ジトーッ



170: 2013/03/04(月) 01:43:47.41
     初



零          弐





174: 2013/03/04(月) 01:48:22.20
    ∑初



∑零        ∑弐
    
 
     使徒

175: 2013/03/04(月) 01:49:17.70

   初


  零  弐


   使徒

176: 2013/03/04(月) 01:50:07.66






シンジ「うぉおおおおお!! 無理なんて言葉はないんだぁあああ!!」

初号機「ぐぉおおおおおお!!」ダダダッ






177: 2013/03/04(月) 01:51:18.71




零三   三弐アウッ


   川ダッ
   初ガシッ
   使徒

179: 2013/03/04(月) 01:55:06.21
シンジ「ぐぅぅぅぅ………だぁああ!!」ガションッ

初号機「グォオオオオオッ!!」ブンッ

使徒「えっ」ヒューーーーーーーン


マヤ「使徒大気圏外から離脱! どこかへ消え去りました!!」


ミサト「えっ、いいの?」

リツコ「………バカばっか」ハァ



シンジ「うぉおおおお! やったぁああああ!!!!」


アスカ「………」グスン

レイ「………」キュン

180: 2013/03/04(月) 01:59:56.51
シンジ「やったぁあああああぁああああっ」ガクッ

初号機「」ドサッ



マヤ「初号機シンクロ率急速に低下! パイロットの意識が急になくなりました!!」

リツコ「なんですって!?」

ミサト「救護班急いで初号機の所へ!!」



冬月「………保険は?」

ゲンドウ「何重にもかけてある」

冬月「……安泰だな」

ゲンドウ「…ああ」

181: 2013/03/04(月) 02:01:52.12
病室。


シンジ「……ここ、は?」

アスカ「………」zzz

シンジ「僕は……使徒を投げて…それで……」


ミサト「倒れたのよ」


シンジ「倒れた!? 僕がですか!? 何で!?」

ミサト「簡単よ。





 単 な る 過 労 」





シンジ「」




 

182: 2013/03/04(月) 02:05:39.53
シンジ「ぼく…が、過労…?」

ミサト「ええ、ほぼ休みなしで働き、極度の緊張、急激な運動。そしてそれからの解放。溜まってたものが一気に噴き出したのね」

シンジ「……なんか頭が…」サワサワ


ミサト「500円ハゲよ。極度のストレスで抜けたみたいね」


シンジ「なんだか胃が……」


ミサト「胃潰瘍ね。しばらくは点滴生活よ」


シンジ「おしりとあそこが痛い…」


ミサト「痔と血尿ね。それもストレスが原因だと思うわ」


シンジ「僕の体は……いったい…」


ミサト「だから酷使しすぎだっつのハゲ」


シンジ「」

183: 2013/03/04(月) 02:08:30.51
ミサト「命があるだけでも幸いだったのよ。脳の血管が切れていればそのまま天国逝きだったかもしれないわ」

シンジ「………」

ミサト「分かった? あなたがやってきたことはあまりに正しすぎて、正しすぎて正しすぎて、身体が拒否反応を起こしたのよ」

シンジ「そ……んな…」

ミサト「アスカを見なさいシンジ君」

シンジ「アスカ…どうしてここに…」


ミサト「あなたの看病に決まってるじゃない」


シンジ「僕の? アスカが?」


184: 2013/03/04(月) 02:14:50.56
ミサト「ええ、アスカはあなたが生氏をさまよっていると知って、泣き喚いたわ。それだけあなたが大切だったのでしょうね」

シンジ「僕を? あれだけ酷いことを言ったのに?」

ミサト「あなたの言葉は全部社会人としてのハリボテじゃない。アスカはあなた自身に惹かれたのよ」

シンジ「僕…自身?」

ミサト「ええ。碇シンジというどこにでもいそうな中学生に、アスカは心を寄せていたのよ」

シンジ「………」

アスカ「……ンジ…氏なないで……」グスッ

ミサト「あなたが絶対に正しいと思って突き進んだ結果、何人もの人間をここまで悲しませたのよ」

シンジ「何人も…?」

ミサト「ええ。マヤもレイも、そして……私もね」

シンジ「葛城大尉……」

ミサト「いいえ、“シンちゃん”」ツカツカツカ

シンジ「えっ?」

ミサト「ミサト、でしょ?」チュッ

シンジ「んっ!?」ムガムガ

ミサト(こうなったらお姉さんの荒療治よ)ディーーーーップ

シンジ「あ、あふ……」トローン

ミサト「………どう、シンちゃん。上司と行う“正しくない行為は”」


シンジ「…………良かった……です」カァ////

ミサト「………っ」キュンキュンキュン///

186: 2013/03/04(月) 02:20:51.54
数週間後。

シンジ(入院している間、様々な考えが廻り廻った)

シンジ(正しいこと、正しくないこと、“正しくなくてもいいこと”)

シンジ(渡辺マネージャーは結局一度も見舞いに来てくれなかった)

シンジ(今となってはわかる。彼も、父さんも、“僕でなくて良かったのだ”)

シンジ「お世話になりました」

ナース「いつでも怪我してね―」ウフ

シンジ「い、いえ///」

ナース「今度もたくさんお世話してあ・げ・る」

シンジ「////」

シンジ(この数カ月はいったい何だったんだろう…)

シンジ(ただ……今願うことは一つ…)


青い車「」キキーッ

ミサト「シンジ君!!」


シンジ(みんなに会いたい!!!!)



第二部(社畜頃し編) 完



192: 2013/03/04(月) 13:04:13.83

「起きるのよシンジ」

シンジ「………?」

「起きるのよシンジ」

シンジ「……誰?」

「あなたを…信じている者…」

シンジ「信じている…?」

「もう一度あの日からやり直しなさい。あなたにならきっとできるわ」

シンジ「えっ……?」

「きっと…うまく……くわ…」






―――夏。


シンジ「……ここは?」

青い車「」キキーッ

ミサト「はぁい、あなたが碇シンジ君ね♪」タユンッ

シンジ「か、葛城大尉!?」

シンジ(これは、エヴァに初めて乗った日!?)

ミサト「さ、乗って行くわよん♪」

シンジ「………もう一度……?」



193: 2013/03/04(月) 13:05:36.77







第三部【いつやるの? いまでしょ! 編】








195: 2013/03/04(月) 13:10:42.22
ゲンドウ「お前が乗るんだ、シンジ」

シンジ「………」

ミサト「シンジ君。あなたが決めるのよ」

シンジ「………一つだけ……いいですか?」

ゲンドウ「………なんだ?」




シンジ「今回はこのまま出撃するんで、次からの出撃に関しての契約書類を発行していただきたいんですけど」




ゲンドウ「」

ミサト「」

シンジ「できれば、雇用形態もはっきりしていただければありがたいです」

リツコ(嫌な子……)スパーッ


197: 2013/03/04(月) 13:13:08.92
マヤ「使徒活動停止を確認しました!!」

ミサト「す、すごい…」

リツコ「………」ポカーン

冬月「あ、あれでいいのか?」

ゲンドウ「…………ゎからん」ボソリ


シンジ(エヴァの搭乗経験がそのまま活かせてよかった。休みなく働いたおかげでシンクロ率も100%に近いぞっ!!)



198: 2013/03/04(月) 13:19:04.80
戦闘後。

シンジ「―――ここはこうして、こうなったらこうするほうが…」

科学者「!! こんな方法が!」

整備員「すみません! ここはどうします!?」

シンジ「あ、具体的じゃなくてよかったら、膝は(省略)で、腕は―――」

リツコ「………」スパーッ


ミサト「なんかおかしくない?」

リツコ「ええ……エヴァを初めて見た感じではないわね」

ミサト「………もしかして、使徒が?」

リツコ「考えられないわね。あいつらの目的はここの地下なのよ。エヴァの整備をする前にエレベーターぶっ壊してるわよ」

ミサト「そうよねぇ…」



199: 2013/03/04(月) 13:24:08.22
帰り道。

ミサト「……ちょっち寄り道するわねん」

シンジ「わかりました」ニコッ

ミサト「っ!!」カァ///

ミサト(何よあの両手で優しく包み込んでギュッと抱きしめるような優しい笑顔は!!)ギュンッ

シンジ「ちょっ、アクセル踏みすぎです!!」



高台。

シンジ「ここは……」

シンジ(あの時…ビルがニョキニョキと生えてきた所だ)

ミサト「見てたらわかるわ」


ビル群「」ニョキニョキ


シンジ「お~(懐かしい)」

ミサト「シンジ君……あなたがこの景色を守ったのよ」

シンジ「………いえ、それは違いますよミサトさん」

ミサト「えっ?」


200: 2013/03/04(月) 13:25:12.62







シンジ「ネルフの職員、全員で守った景色…ですよ」ニコッ





ミサト「!!??!?!?!?!?!?」ズキュゥゥゥゥン////



203: 2013/03/04(月) 13:34:49.02
ミサト「今日からここがあなたの家よん♪」

シンジ「………」

シンジ(懐かしい……ほとんど帰らなかったけど)

ミサト「どうしたのシンジ君?」

シンジ「…………あ、あの…」

ミサト「ん?」


シンジ「ただいま…って言ってもいいですか?」カァ///

シンジ(自分から言うのは恥ずかしい…///)

ミサト「!”#%!%!##”$%!」キュンキュンキュンッ//////


シンジ「ミサトさん?」


ミサト「あ、え、えっと、も、もちろんよっ! さぁ、好きなだけ言いなさい!」ハァハァ///

シンジ「………ただいま」ニコッ

ミサト「」フラッ

シンジ「うわぁ! ミサトさぁん!!」

204: 2013/03/04(月) 13:38:54.91
ミサト「………?」ムクッ

ミサト(ここは…?)

シンジ「あ、起きられましたか? 急に倒れられたんで、布団まで運んだんですよ」ニコッ

ミサト「………あ、ありがと…」カァ///

ミサト(な、なんでシンジ君の顔をまともに見られないの!?)ドウヨウ

シンジ「制服のままで申し訳ないんですが、女性の服を勝手に脱がすわけにはいかなかったので…」カァ///

ミサト「…か、かわいすぎる…」ボソッ

シンジ「えっ?」

ミサト「う、ううん! なんでもない!! それより、ご飯って冷蔵庫には何も入ってなかったでしょう!?」

シンジ「あ、はい。スーパーの場所は近所の人に聞いて買い出ししてきました」

シンジ(本当は場所を覚えてたけど…)

ミサト「………そ、そう…」

205: 2013/03/04(月) 13:42:27.42
シンジ「なんだか寝汗かいてたみたいなので、先にお風呂に入ってきてください」ニコッ

ミサト「! ……ね、寝顔みたの…?」

シンジ「とても可愛い寝顔でしたっ」ニコニコ

ミサト「///////////」

シンジ(泥酔した時の顔に比べたら…)

ミサト「ちょ、ちょっち風呂行く!!」ダッ

シンジ「はい、分かりました!」

207: 2013/03/04(月) 13:49:38.77
シンジの部屋。

シンジ(……それにしても、急に過去に飛ばされるなんて使徒の仕業としか思えないよな…)

シンジ(だけど一体何のために?)

シンジ(僕は……どうすればいいんだ)


コンコン。


シンジ「はい」

ミサト「ちょっちいいかな」

シンジ「あ、はい。大丈夫ですよ」

ミサト「ごめんね。調子はどうかなって思って。いきなりの戦いだったし…」

ミサト(ホントは風呂上がりの大人の色気で気を引きたいだけだけど……嫌な大人ね私)

シンジ「はい。もちろん緊張もしましたし、疲労もすごいです。だけど、ミサトさんがいてくれたおかげでこの通り元気でいられました」ニコッ

ミサト(はい、私の心が奪われましたー。確定ですー)

シンジ「明日からもご迷惑おかけすると思いますが、どうぞよろしくお願いします」

ミサト「こ、こちらこそ、シ、シンちゃんにはいっぱい迷惑かけると思うけど、よろしくねん」

シンジ「――っ」

旧ミサト『シンちゃん』

シンジ(…この人と、葛城大尉は同じ……じゃな、い)ツーッ

ミサト「!? ど、どうしたの急に!!」オロオロ

シンジ「あ、い、いえっ、なんでもないです!」ゴシゴシゴシ

ミサト「なんでもないって…」

シンジ「………誰かに優しくされるって…こんなにも温かいんですね…」グスッ

ミサト(あーもうしてもいいかな)

シンジ(僕はみんなに……正しいからって酷いことばかり……)


208: 2013/03/04(月) 13:57:43.93
数日後。

シンジ「くっ…」ドサッ

トウジ「ワシはお前を殴らなあかん」ポキポキ

ケンスケ「もう殴ってるじゃんトウジ」

シンジ(このまま殴られるだけじゃ、トウジとは真に分かり合えない!!)バッ

シンジ「うぉおおおおお!!」

二人「「なっ!?」」





トウジ「………ワシの負けや」ハァハァハァ

シンジ「……そんなことないよ」ハァハァ

トウジ「いや、そこはワシの負けにしといてくれや」ムクッ

シンジ「……それじゃあ、敗者は一つ言うことを聞いてもらわないとね」ムクッ

トウジ「な、なんや。妹のことなら謝ら―――」





シンジ「僕と、友達になってよ」ニコッ





トウジ・ケンスケ「」キュンッ///




209: 2013/03/04(月) 14:01:36.85
数時間後――避難所。

ケンスケ「ねぇ、行こうよトウジー」

トウジ「あかん。男の約束や」

ケンスケ「……そだね」ハァ

シンジ『この一か月間、近くで使徒との戦いがあっても、抜け出そうとしないでほしいんだ』

トウジ「しかし…予言のごとく的中したな」

ケンスケ「一か月とか曖昧な言い方してた割に、当日起きるってのも怪しいよね」

トウジ「まぁ、ネルフのお偉方は何か隠しとんのやろな」

ヒカリ(………あいつらがおとなしいっ!)オドロキ


使徒「」ブシャァアァァァァ

シンジ(二人に気を回さないでよかったので余裕で勝った)

マヤ(碇君…かっこいい)キュンッ///

210: 2013/03/04(月) 14:05:58.89
数日後。

シンジ「綾波の社員証…」

シンジ(前は出てくれなかったけど…)ピンポーン

シンジ「出てきてくれるわけないよな…」ハァ…

シンジ(………そうだ)ピコーン

シンジ「あー、もーだめだー、ぜつぼーだー。とびおりよー」スッ

黒服「!?」ダッ

黒服「!!」ダダッ

シンジ「はい、これ、綾波に渡しといて」スッ

黒服「???」ウケトリ

シンジ「それじゃ」タタタッ

黒服「」ピポパ

黒服「我々の手には負えません」


レイ「………?」




224: 2013/03/05(火) 04:11:14.42
エスカレーター。

シンジ「………」ウィーーン

シンジ(僕が前と違う行動をとれば、それだけ未来は歪んでいく…)

レイ「………」ウィーーン

シンジ「うーん、どうしたものか…」ウィーーン

レイ「………」ウィーーン

シンジ「………」ウィーン
レイ「………」ウィーン

シンジ「………」ウィーンレイ「………」ウィーン



225: 2013/03/05(火) 04:13:59.59






シンジ「近いよ綾波!!」ビクッ

レイ「………」

シンジ「もう近すぎて、ウィーンレイ…ウイイレみたいになってたよ!!?」

レイ「ウイイレって…何?」

シンジ「恥ずかしいから聞き直さないでよ!」

レイ「ごめんなさい」

シンジ「余計恥ずかしいよ!!」

レイ「………これ、あなたが届けてくれたの?」

シンジ「……ん? いや、近くにいたここの社員に渡したけど?」

レイ「………そう」ウィーン

シンジ(家を知られてるとか女の子からしたら気持ち悪いだろうしな…)

シンジ「……でも、少し寂しそうだった?」



レイ「………」ハァ…

226: 2013/03/05(火) 04:22:40.76
待機室。

ゲンドウ「……シンジ。少し話がある」

シンジ「えっと、それは他人に聞かれて良い話?」チラッ

青葉「!」サッ

日向「………」ピューピュー

ゲンドウ「かまわん」

シンジ「じゃあ、ここでお願いします」

シンジ(父さんに従順だと、勘違いしてより高圧的になるからなぁ。片親ってめんどくさいなぁ)

ゲンドウ「…これ以上ネルフをかき乱すな」

シンジ「ああ、そういうこと? じゃあどうすればいいの?」

ゲンドウ「お前は黙ってエヴァに乗れ。それだけでいい」

シンジ「エヴァの体内電池になれってことか。まぁ、トップの希望ならそれでいいけど」

シンジ(僕もまだまだ子供だなぁ…つい言い返しちゃう)

ゲンドウ「……話はそれだけだ」クルッ

シンジ「ねぇ父さん!!」

ゲンドウ「………なんだ?」セナカ

シンジ「ちょっとこっち向いてよ」

ゲンドウ「………」チラッ


シンジ「豊満熟女おばんゲリオン」クイクイッ


青葉「ぶほぉっwww」

日向「ちょっwww」

ゲンドウ「ぷっw ………っ」カァッ///

シンジ「……何が目的か知らないけどさ。あんたが正しいならもっと堂々としてなよ」

ゲンドウ「!!」

シンジ「例えあんたがネルフを解雇されてホームレスになったって、




僕はあんたの息子なんだ」




日向「おばんゲリオンwww」クイクイッ

青葉「やめwwwwろwwww」




ゲンドウ「………」クルッ


227: 2013/03/05(火) 04:25:53.95
ヤシマ作戦前。

シンジ「……綾波…一つ約束があるんだ」

レイ「………」

シンジ「……僕より自分の命を大切にしてほしい」

レイ「……それは無理よ」

シンジ「なんでだよ!!」

レイ「私が氏んでも代わりはいるもの」

シンジ「かわり? 代わりなんているかよ!」

レイ「………?」

シンジ「俺の知ってる綾波レイはお前だけなんだよ!!」

レイ「それは違うわ」

シンジ「えっ?」

レイ「私は三体目だから」

シンジ「???」

レイ「……あなたは氏なないわ。





私が守るもの」





228: 2013/03/05(火) 04:29:34.85
初号機「」ドヒュンッ

ラミエル「」ファァアアアッ


ドガーーーーーンッ


レイ「!!!」


マヤ「使徒せん滅を確認! しかし、零号機が爆発に巻き込まれました!!」

ミサト「救護班を急いで行かせるのよ!」

日向「あいよ!!」



シンジ「綾波!!」ジュゥゥゥ…

シンジ(つっ………)

シンジ「こぉのっ…ひら……けっ」ジュゥゥゥゥ

シンジ(三体目だろうと関係あるか! 何万体いたって全部守ってやる!!)ガコッ

シンジ「綾波!!」バッ

綾波「………」グッタリ

シンジ「良かった!!」グスッ

綾波「……ごめんなさい」

シンジ「?」

綾波「こういう時、どんな顔していいか分からないの…」

シンジ「………」

229: 2013/03/05(火) 04:31:28.55








シンジ「どんな顔をしてても、綾波は綺麗だよ」ニコッ


レイ「/////////」ボンッ

レイ(な、何!? 心臓が張り裂けそう)ドクンドクンドクン///


シンジ「帰ろう綾波」スッ

レイ「う……うん」カァ///



冬月「ゲンドウ…机が壊れるから貧乏ゆすりを止めろ」

ゲンドウ「………」ユサユサユサ

230: 2013/03/05(火) 04:38:20.20
マヤの家。

マヤ「ごめんね。引越しの手伝いしてもらって」

シンジ「いえ、全然かまいませんよ」ニコッ

マヤ「ほんと碇君は良い子ね。私の知り合いで唯一のキレイ好きだし、助かったわ」

シンジ「マヤさんのおかげで、僕はエヴァをスムーズに動かせるわけですからね。その恩返しです」ニコッ

マヤ「もぅ/// 好きになっちゃうぞ!」

マヤ(やだ/// 男の人にこんなこと言えちゃうなんて…)カァ///

シンジ「それは嬉しいですね。でも、僕はまだお子様なんで」アハハ

マヤ(………体よく振られちゃった…)シュン…

シンジ「でも、マヤさんはお姉さんみたいで安心しますよ」ナデナデ

マヤ「そ、そう?」カァ///////

シンジ(仲間の心のケアもしておかないとな)

マヤ「あ、あのさっ! 一つ聞いてもいいかな」モジモジ

シンジ「…? どうぞ」

マヤ「え、えっとね…




この年で、男の人とキスもしたことないってどう思う?」

シンジ「貞操観念が強くて、素敵な人だと思いますよ」ソクトウ

マヤ(あ、ダメだ好きだわ)キュンッ///

シンジ「でも、マヤさんはとても可愛いんだから、早く彼氏見つけてくださいね」ニコッ

マヤ(お前のせいで一生独身だよっ)///



231: 2013/03/05(火) 04:41:19.23
ドライブ中。

ミサト「し、シンちゃんとドライブなんて久しぶりねー」ドキドキ///

ミサト(もう、いつも忙しそうにして寂しかったんだからね!)

シンジ「ごめんなさい。本当は毎日でも一緒に帰りたいんですけど、ミサトさんは皆に必要とされてるので…」

ミサト(あー好きだわ。これもう完全に100点満点だわ)ミサワ風

シンジ「これから迎えに行く人は?」

ミサト「ああ、それは着いてのお楽しみよ」

シンジ(アスカ…僕が一番ひどいことをしてしまった人…)

ミサト(本当は会わせたくないんだけどねー)


232: 2013/03/05(火) 04:45:08.28
アスカ「あんたがナナヒカリ?」

シンジ「うん、碇シンジって言うんだ。よろしく」

アスカ「あんたバカァ? 嫌味だって分からないの?」

シンジ「分かってるよ。でも、僕はアスカさんと仲良くしたいから」ニコッ

アスカ(……ちっ、日本人はみんな加持さんみたいなのかしら)

シンジ「アスカさん?」

アスカ「あー、気持ち悪いからさんづけ止めてくれる?」

シンジ「アスカ、アスカって頭良いんだよね?」

アスカ「そりゃぁ、大学卒業してるからそれなりに良いんじゃないの?」フンッ

シンジ「すごいや。尊敬するよ」ニコッ

アスカ「………なかなか殊勝なやつね」ニコニコ

ミサト(あ、これ好きになるパターンだ)

シンジ「それじゃ、ミサトさん行きましょうか」


233: 2013/03/05(火) 04:47:08.91
ミサト宅。

アスカ「はぁ!? ナナヒカリと一緒の家ですって!?」

ミサト「そうよん。私が親代わりだからねー」

アスカ「冗談じゃないわよ! こんな野獣と一緒に暮らせる訳ないじゃない!!」

シンジ「アスカ、一ついいかな」

アスカ「何よ! 本当のこと言っただけよ私!」

シンジ「そうなんだ。アスカの言ってることは本当なんだ。



僕はアスカみたいな美人と一緒にいたら理性が保てそうにないよ」



アスカ「」

ミサト(わ、私は!?)


234: 2013/03/05(火) 04:49:56.05
アスカ「ば、ばかなこと言ってんじゃないわお!!」カァ///

シンジ「バカじゃない! 本心なんだ!! だけど、同じエヴァのパイロットとして、もっと分かり合いたいとも思ってる! アスカ!! 一緒に暮らしてください!!」キリッ

アスカ「イイワヨ」

ミサト(思考が停止してるわ…)

シンジ「ありがとう! アスカ!!」ギュッ

アスカ「ちょ、ちょっと!! 離れなさいよ! 変態!!」

シンジ「………本当に嬉しいよ。……ありがとう」ボソッ

アスカ「////」ボンッ

ミサト(今夜あたり既成事実捏造るしかないな…)ヨシッ

262: 2013/03/05(火) 19:16:34.56
~回想~

渡辺(アスカの恋の相手は…)

シンジ「マネージャー、何でしょう?」

渡辺「碇君。…君は現場と指揮とどっちが好きかい?」

シンジ「はい! 僕はずっと現場で戦ってきたので、指揮についての経験がありません! しかし、自分が会社から受けた恩恵と理念を部下に引き継ぎたいとも思っております!」

渡辺「………そのためには、部下の感情を操作することも躊躇しないかい?」

シンジ「はい! それは部下の幸せに繋がり、さらに会社の繁栄につながるので、一瞬の躊躇もありません!!」

渡辺「!! 君は本当に最高の社員だよ!!」

シンジ「ありがとうございます!!」

渡辺「……では、俺が培ってきた人心掌握術を君に伝授しよう」

シンジ「はいっ!!」





263: 2013/03/05(火) 19:33:14.19
マヤ「…………エヴァの動作効率をシステム面から180%に引き上げたよシンジ君!」ゲソッ

レイ「………」フラフラフラ

ミサト「……シンちゃんに言われた通り、社員の仕事量を1.7倍にしたわ」ヨロヨロ

アスカ「日課の見回り3時間終わったわよバカシンジ…」ボーッ







社畜シンジ「これが僕の理想の会社だっ!!!」キラキラキラ






265: 2013/03/05(火) 19:41:27.04
リツコ「不可能よそんなこと。確率的にいったら0.00001%くらいよ」

ミサト「リツコ……分からないの?」グッタリ

リツコ「何よ…」

ミサト「奇跡は起きたから奇跡なのよ。起こさなきゃ奇跡じゃない」

リツコ「………」

ミサト「奇跡=行動。つまり行動=奇跡なのよ」

リツコ(だ、だめだこいつ…)

マヤ「アスカ、学校で気絶しました! 行方不明中のレイは学校のトイレで発見!!」

青葉「は、ははっ、お花畑が見える~」

日向「おっOいが一匹、おっOいが二匹…」


冬月「………理想郷だな」

ゲンドウ「ああ…。シナリオ通りだ」

加持「失礼します」

ゲンドウ「……少し外してくれ」

冬月「……分かったよ」スッ

加持「…………これが例のものです」パサッ



【瓦礫除去ボランティアの募集※ただしネルフ職員は強制】



ゲンドウ「………」

加持「俺はこれが何か読んでません。…でもね、全てがうまくいくとは限りませんよ」スタスタ

ゲンドウ「……もう少しだ。ユイ…」

267: 2013/03/05(火) 19:45:45.38
広く暗い空間

シンジ「………ここは?」

ミサト「………」ニコッ

シンジ「ミサトさん!」

ミサト「」ドサッ

シンジ「えっ!?」

マヤ「………」ニコッ

シンジ「マヤさん!」

マヤ「」ブシュッ

シンジ「なんで手首を!?」

アスカ「………」ニコッ

シンジ「アスカ!!」

アスカ「」ビィィンッ

シンジ「くび……つ…」ガクガク

レイ「……碇君」

シンジ「綾波!!」タタタッ




269: 2013/03/05(火) 19:52:01.96
レイ「来ちゃだめ」

シンジ「待ってよ綾波!!」タタタッ

レイ「大丈夫。代わりはいるわ」

シンジ「そりゃそうだけど! 1から教えるのは大変なんだ!!」タタタッ

レイ「あなたならできるわ」

シンジ「できるけど! できるけどそんな時間があったら自分の仕事に時間を回したいよ!」タタタッ

レイ「そろそろ行くわ」クルッ

シンジ「考え直してよ! 慰安旅行だって三年に一回はするから! 有給だって認めるよ!」

レイ「そもそも休暇がないわ」

シンジ「そうだ! 飲み会をしよう!! 経費からだよ! すごいでしょ!!」

レイ「さよなら」スッ

シンジ「そっちには使徒がいるよ!!」

使徒「」ガパッ

レイ「さよなら………大切な人」タッ




使徒「」バグンッ




シンジ「」

270: 2013/03/05(火) 19:52:43.48








―――――綾波を………返せっ!!!!









273: 2013/03/05(火) 19:59:48.39
独房室。



シンジ「!!」ガバッ

シンジ「ここは…?」

ミサト「気がついたみたいね」

シンジ「ミサトさん?」

シンジ(働き過ぎで老けたのかな…。40代…いや50代に見える)

シンジ「そうだ……働かなきゃ…」ヨロッ

ミサト「ダメよ。あなたはここから出られないわ」

シンジ「なんで!?」

ミサト「あなたはね、シンジ君。疲労が限界に達して、エントリープラグ内で過労氏したのよ」

シンジ「………?」

ミサト「誰もが氏んだと思ったわ。……でも、その時、初号機が覚醒した」

シンジ「かく…せい?」

ミサト「結果、サードインパクトが起きたわ。世界中の社員が過労氏したの」

シンジ「うそ…だ」

ミサト「嘘じゃないわ。過労氏予備軍も、将来過労氏しそうな子供も、氏んだわ」

シンジ「あ……あ、ああ…」

ミサト「最終的に生き残ったのは、堕落した人間……ニート予備軍だけよ」

シンジ「み、ミサト…さんも?」

ミサト「分からない。アスカもリツコも生きてる。もしかしたらあなたの意思で助かったのかもしれない」

シンジ「………あ、綾波は!?」

ミサト「………」

275: 2013/03/05(火) 20:01:24.17







ミサト「レイは渡辺マネージャーに連れて行かれたわ。労働力として」





シンジ「えっ」

276: 2013/03/05(火) 20:04:45.47
ミサト「寡黙で優秀。逆らうことを知らず、自らが傷つくことを恐れない。彼にとって理想の社員だったのよ」

シンジ(そんなっ! 僕の方が貢献してきたのに!!)

ミサト「不満そうね。…他に理由があるのよ」

シンジ「他に?」

ミサト「ええ、彼女は“低コスト”なのよ」

シンジ「低コスト……?」

ミサト「レイはクローン人間だったのよ。過労氏しても代わりがいくらでも造れる」

シンジ「あ、ああ…」

レイ『私が氏んでも代わりはいるもの』

ミサト「いまやワチャミグループの80%が綾波レイになったわ」

シンジ「か…なわな…い」ガクッ

ミサト「………」

278: 2013/03/05(火) 20:08:54.94
ミサト「……シンジ君。そんなに働きたいの?」

シンジ「………だって…父さんは…父さんは息子なんて必要ないんだ。初号機に乗る従順なパイロットが欲しいだけなんだ」

ミサト(ここまできてやっと本音…か)

シンジ「母さんはどんな僕でも必要としてくれたはずなんだ。でも……いない」ポロポロ

ミサト「………あなたがエヴァに乗れば、残りの数少ない働き手が氏ぬかもしれないわ。あなたは一生ここで暮らすのよ」クルッ

シンジ「そんなっ! 何もしない時間なんて拷問だよ! 僕に生きる悦びを与えてよ!!」

ミサト「……あなたのお世話は別の者がするわ」ウィーン

シンジ「待ってよミサトさん!!」

ミサト「…………疲れたのよ。あなたのワンマン経営には…」

シンジ「そん……な」ガクッ

280: 2013/03/05(火) 20:13:40.10
シンジ「………」ボーッ

シンジ(何も……しない)

シンジ「僕は…生きてるのか?」

シンジ(社会人として義務も果たせない。労働も納税も…僕は…)




ドォォォォォンッ!!




シンジ「!?」

カヲル「やぁ、シンジ君。君を迎えにきたよ」

シンジ「だ、誰!?」

カヲル「僕の名前は渚カヲル。




 引きこもりさ」





281: 2013/03/05(火) 20:18:00.40
カヲルの家。

シンジ「それじゃあ、使徒って…」

カヲル「ああ、働くことが心底嫌な引きこもりが“何か”によって姿を変えられた存在だ」

シンジ「じゃあ君も姿が?」

カヲル「それは分からない。僕は他の引きこもりと違って、裕福な家に生まれたおかげで一生働かなくていいんだ」

シンジ「ダメだよ! お金があるから働かなくていいなんて間違ってる!!」

カヲル「なぜ?」

シンジ「働くことが生き物の歓びだからさ!」

カヲル「本当にそうだろうか」

シンジ「そうだよ! 僕は働いてる時が一番楽しい! 楽しいんだ!!」

カヲル「………」スッ

シンジ「な、何?」




カヲル「も知らない童Oにはお仕置きが必要だね」ボソッ




シンジ「!?!?!?」ビクッ

282: 2013/03/05(火) 20:19:34.62
マヤ「おめでとう」パンパンッ

シンジ「気持ちいいよマヤさん!」

ミサト「おめでとう」ズチュズチュ

シンジ「最高だよミサトさん!」

アスカ「おめでとう」レロレロ

シンジ「あ、アスカぁ……」

レイ「おめでとう」チュバチュバ

シンジ「あ、あやな…み」ドピュッ

283: 2013/03/05(火) 20:21:35.96






そして、すべての子供たちに、



284: 2013/03/05(火) 20:22:03.01








童O卒業――――おめでとう。








285: 2013/03/05(火) 20:22:26.82
どうしてこうなった

286: 2013/03/05(火) 20:22:51.43
つまり

287: 2013/03/05(火) 20:23:33.46
どういうことだってばよ

288: 2013/03/05(火) 20:23:54.30
エピローグ。




シンジ「ミサトー、酒ー」

ミサト「はいはい」

シンジ「マヤ、つまみー」

マヤ「今作ってますー」

シンジ「アスカ、金は?」

アスカ「ここよ」

シンジ「レイ、肩もめ」

レイ「はい」モミモミ








シンジ「無職ってさいこーーーーーーー!!!!」






289: 2013/03/05(火) 20:24:14.82
>>286
人類は滅亡する!

291: 2013/03/05(火) 20:27:56.40
社畜シンジ。ヒモになる、の巻でした。

では、登場人物から感謝の言葉を、



シンジ「働け豚共」ニコッ

ミサト「働きなさい」ニコッ

マヤ「汚らしい豚は働け」ニコッ

アスカ「あんた(引きこもりなんて)ばかぁ?」

レイ「………あなたの代わりはいくらでもいるわ。でも少しでも社会に貢献して」




シンジ、ミサト、マヤ、アスカ、レイ、俺
「少しは親を喜ばして見やがれ!!」

シンジ、ミサト、マヤ、アスカ、レイ
「って、学費でパチンコする俺君がこっち側に!!?」


本当の本当に終わり。

292: 2013/03/05(火) 20:28:53.23
新しいコピペが生まれたな

293: 2013/03/05(火) 20:32:06.73
おまけ、社畜スケジュール。

月四日休み。

7:00 起床

8:30 出勤(30分サービス残業で準備)

9:00 仕事

18:00 中休憩

21:00 休憩終了(以下サービス残業)

0:00 仕事終わり(以下ミーティング)

0:30 ミーティング終了

1:00 帰宅

3:00 就寝

294: 2013/03/05(火) 20:32:20.24
まさかのくぅ疲後書きエンドとは


296: 2013/03/05(火) 20:36:24.25
ハッピーなのかどうなのか分からないエンドでしたが、日本は本当に社員に優しくなるべきですね。

勤務時間とか給料とか以前に、一人の人間として扱うというか。

僕は自分の部下にあそこまで仕事を強いることはできませんが、人間として優しさに欠けた行為をしたときは怒ってしまいます。

社畜って自分が社畜であることに気付きながらも、その場から抜け出せない人のことですね。きっと。

295: 2013/03/05(火) 20:34:33.63

引用元: 社畜シンジ「エヴァに乗らさせていただいております碇シンジです!」