1: 2010/01/30(土) 01:23:47.34
唯「もうすぐバレンタインだねー」

澪「まぁ女子高だからあんまり関係ないとも言えるけどな」

紬「そんなことないわ!女子高だからこそバレンタインよ!」

澪「そ、そうか」

律「そんなロマンチックなイベントは私らには無縁だ」ホジホジ

梓「先輩達は家族以外にあげるんですか?」

唯「え、うん、もちろん」

紬「クラスメートにはあげるわよね」

唯「違うよー、近所の田中君とか……」

紬「男……だと?」

5: 2010/01/30(土) 01:31:30.01
紬(まぁ唯ちゃんも年頃なんだし、男の子の友達の一人や二人……)

唯「あと小学校で一緒だった斎藤君、佐藤君、鈴木君、山田君……」

律「多いな!」

唯「えー、だって友達なんだもん……それに皆、ちゃんとお返しくれるし」

律「後半が本音か」

澪「でもバレンタインにチョコなんかあげたら、余計な誤解を生まないか?」

唯「ほえ?」

梓「『平沢って俺の事好きなんだ』と思われますよ」

紬「そうよ、そんなの良くないわ。あげるなら女の子に限定しないと」

唯「そ、それは無いと思うよ、皆彼女いるし」

澪「さらに質悪いな」

7: 2010/01/30(土) 01:39:22.97
梓「大体唯先輩は隙が多すぎです!悪い男に騙されますよ!」

澪「ぶりっ子のレッテル貼られて女からも恨まれるぞ」

唯「ふえぇ!?」

律「そして体を売るしか生きる道が無く……」

唯「…………グス」

紬「ゆ、唯ちゃん!もう、皆いじめすぎよ」ムギュ

律「いやー好きな奴ほどいじめたくなるじゃん?」

梓「小学生ですか……わからなくもないですけど」

澪「まぁ真面目な話、家族とかは別にしてあげるのは本命だけにしといた方が良くないか?」

8: 2010/01/30(土) 01:49:46.06
唯「……」プイ

梓(拗ねてしまわれた…………可愛い)

律「チョコなー、親父と弟にしかあげた事無いな」

澪「しかも毎年コアラのマーチ」

律「コアラのマーチのポテンシャル舐めんなよ」

紬「澪ちゃんにあげたりしないの?」

律「あー……んー……実は……」

澪「おい止めろ」

律「澪からはもらった事が」

澪「!」ガン

律「いてぇ!」

澪「わ、若さ故の過ちだ!」

紬「……」ニヤニヤ

9: 2010/01/30(土) 02:00:39.99
帰り道

唯「人の好意をバカにするなんて酷いよ!」フンス

紬「まぁりっちゃん達も悪気は無かったのよ」

唯「今度りっちゃんのおデコにチョコソースつけてペロペロしてやる」

唯「澪ちゃんにはチョコの呪いをかけておくし」

唯「あずにゃんのピックも板チョコに変えちゃうもん」

紬(凄く見たい)

唯「ねぇムギちゃん」

紬「何?」

唯「ムギちゃんはいつも美味しいチョコ食べてそうだね」

紬「うーん……確かによくいただいたりはするけど」

唯「良いなぁ」

紬「ふふっ、よかったら今度持ってくるわね」

唯「やったー!」

11: 2010/01/30(土) 02:07:41.30
唯「あ、でもどうせならバレンタインデーに持ってきてね!」

紬「えぇ、分かってるわ」

唯「えへへ、楽しみだなぁ」

紬(この笑顔の為ならチョコなど安い物……和ちゃんの気持ちが分かるわ)

唯「じゃ、また明日ね!」

紬「うん」

紬「帰ったらさっそく美味しいチョコを調べなきゃ!」

12: 2010/01/30(土) 02:16:54.46
琴吹家

紬(こういう時はネットが頼りになるわね)カチカチ

紬「えーっと……あ!これなんか良さそう!チョコ世界大賞を取ったことがあるシェフの作品ね!」

紬「予約は一年前からか……残念」

紬「これはウイスキーボンボン?お菓子とはいえお酒は……」ホワンホワン


唯『酔っちゃったよー』

澪『運動すると汗と一緒に抜けるぞ』ヌギヌギ

唯『え……?み、澪ちゃん、そういう運動?』

澪『火照った唯も可愛いぞ……』


紬「とりあえず候補には入れておきましょう」

16: 2010/01/30(土) 02:22:22.26
紬「レビューばかりじゃ今一つ印象が掴めないわね……よし」

紬「斉藤、これ全部取り寄せてもらえる?」

斉藤「かしこまりました」

紬「唯ちゃんの口に入るんですもの、キチンと味見をしないと」

斉藤「バレンタインでございますか?」

紬「えぇそうよ」

斉藤「恐れながらお嬢様……」

紬「?」

斉藤「いえ、何でもありません。失礼しました」

紬「そう?とりあえずお願いね」

斉藤「はっ!」

18: 2010/01/30(土) 02:27:03.92
紬「後は唯ちゃん自身の好みのリサーチね」

紬「基本的に嫌いな物は無さそうだけど……」

紬「憂ちゃんと和ちゃんに聞けばわかるかしら」

紬「本人に聞くのは……野暮よね」

紬「あと一週間か……間に合えば良いな……」

紬「唯ちゃん、お休みなさい」

紬「……zzz」

紬「…………ムニャ……バルス……」

22: 2010/01/30(土) 02:42:04.56
平沢家

唯「抜き足差し足忍び足……」コソコソ

唯「台所に到着」

唯「これより極秘任務を開始するであります」

唯「さてまずはお湯を沸かして」

憂「お姉ちゃん?」

唯「ぎょえええ!?」

憂「妹の顔見て驚かないでよ……」シュン

唯「こ、子どもはもう寝なさい!」

憂「お姉ちゃんは何してるの?」

唯「な、内緒だよ!」

憂「ふーん…………手伝う?」

唯「だ、ダメだよ!いくら憂でも今回はダメ!」

憂「ふふふ、じゃあ頑張ってね」

唯(うー……我が妹ながら鋭い子)

24: 2010/01/30(土) 02:49:25.85
学校

紬「おはよう和ちゃん」

和「あらムギおはよう。随分早いのね」

紬「生徒会長こそ」

和「もう引き継いだわよ」

紬「訊きたい事があるんだけど」

和「何よ?唯のチョコの好みとか?」

紬「……」

和「普段の態度見てたら大体わかるのよこういうのは」

紬「恐れ入ります」

和「ま、あの子は甘いものなら何でも好きよ」

和「そうそう、一回カカオ99%チョコを食べさせたんだけど」

和「泣いたわ」

29: 2010/01/30(土) 02:56:44.87
紬「そ、それって嫌がらせじゃ……」

和「うん」

紬「断言した!」

和「だって泣いてる唯って可愛いんだもん」

和「おまけに慰めたら擦りよってくるのよ」

和「泣かしたのは私なのに」ケラケラ

和「あの子って飴と鞭に凄く弱いから、DV男とかに引っかからないか心配だわ」

紬「す、既に和ちゃんがそんな感じに思うわ」

和「あら、私は限界を弁えてるもの。アホな連中と一緒にされるのは心外ね」

和「唯って表情がコロコロ変わるから、ついつい色々ちょっかい出したくなるのよ」

紬「それはまぁ……そうかも。私もつい餌付けしちゃうの」

30: 2010/01/30(土) 03:07:27.85
和「でしょ?そもそも唯だって風呂をザリガニで埋めたりしてわけわかんない嫌がらせするんだから」

紬(ほんとにわけわかんないわ……)

和「あと最近熱いのは弟と妹をおとりにした下着チェックね」

和「さすがに子どもじゃスカートめくられても怒るに怒れない」

和「やり場のない恥ずかしさを抱えた顔でご飯三杯は軽いわね」

紬「和ちゃん……変態だったのね」

和「あらー、写真焼き増ししても良いのよ?」

紬「…………友達を売るなんて」

和「例えばこんな」チラ

紬「良いでしょう、おいくらかしら?」

35: 2010/01/30(土) 03:15:35.89
和「冗談よ。いくら私でもそこまで外道じゃないわ」

紬(でも写真は処分しないのね)

和「本題に戻るけど……そうね……生チョコとかマシュマロとか柔らかい食感が好きみたいよ」

紬「それは貴重な情報ね。ありがとう」

和「あと根本的にお子様だから、動物ビスケットとか喜ぶわよ」

紬「こないだも部室でビスケット戦わせて遊んでたわ」

和「はぁ……あの子ったら」

紬「可愛いかったわ」

和「ムギも大分重症ね」

39: 2010/01/30(土) 03:26:10.40
昼休み

律「飯だー!」

澪「唯はまた菓子パンか?」

唯「ぶー!今日はホットドッグだよ。甘いのはバレンタインまで我慢するの」

和「唯が珍しいわね」

澪「とうとう唯もダイエットか」ニヤニヤ

唯「いいえ違います。当方胸しか成長してません」キッパリ

澪「……」

唯「ムギちゃんが美味しいチョコくれるから、もっと美味しく食べれるようにね」フンス

律「なんだー私にもくれよムギ」

紬「もちろん、ちゃんと全員分持ってくるわ」

紬(うぅ……唯ちゃんの期待に応えられるチョコを早く見つけないと)

和(チョコと見せかけたコーヒー豆団子……いけるわね)

40: 2010/01/30(土) 03:34:53.32
唯「んぐんぐ」モグモグ

律「お前なー、もうちょっと上品に食べれないのか」ガツガツ

澪「お前が言うな」

和「でも律の言うとおりよ、棒状の物をくわえるのはどうかと思うわ」

澪「和も言葉を選べ」

唯「んぐっ!?」

紬「詰まった?」

唯「んぐぐ……」ゴクゴク

唯「ぷはっ!氏ぬかと思った……あ!!」

律「な、なんだよ急に」

唯「甘いの食べないって決めてたのに苺みるく飲んじゃった……」シュン

紬「真剣に誘拐を検討するくらい可愛い」

澪「心の中で言おうなムギ」

43: 2010/01/30(土) 03:48:31.05
律「ていうかさ、憂ちゃんに頼めば弁当くらい作ってくれるだろ」シーハー

澪「あぐらかいて爪楊枝は無いだろ」

唯「憂に頼むと食べきれないくらい作っちゃうから」

律「あー、なんか思い浮かぶ」

和「三段重ねの重箱だったからね」

紬「わ、私もそんな経験は無いわね……」

律「うちなんて夕飯の残りばっかりだぜー。まぁ作ってもらって文句は言えないけどさ」

和「自分で作れば良いのに」

律「おにぎりしか作れない」

澪「彼氏が出来た時困るぞ」

律「私のおにぎりを喜ばない奴なんていらん」

唯「なんという男らしさ」

47: 2010/01/30(土) 04:00:09.93
放課後

梓「禁欲ですか?」

唯「いえーす」

梓「明日までもてば良いですね」

唯「む!反抗的なのはこの口かー!」ギュウギュウ

梓「引っ張らないで下さい!」

律「いいぞもっとやれ」

紬「お茶淹れるわね」

澪「いつも悪いな」

紬「気にしないで」

梓「唇腫れたらどうしてくれるんですか!」

唯「リップクリーム貸したげるよ、ほら」

梓「自分のあるからいいです」

紬(間接チューを捨てた!?嘘でしょ!?)

48: 2010/01/30(土) 04:11:09.87
紬「はい皆どうぞ」

梓「ありがとうございます」

澪「ありがとう」

律「ご苦労ムギ君、下がりたまえ」

紬「はい旦那さま」

律「んー良い香りだ」

唯「……苦い」

梓「砂糖入れないんですか?」

唯「甘いのはダメだよ」

澪「そんな厳密にやらなくても、チョコだけ我慢すれば?」

梓「唯先輩はやる時は徹底的な人ですからね」

唯「甘い物食べれないって辛いね。私、絶対ダイエットなんか出来ないよ」

唯「あ、する必要も無かった」

澪「おいわざとか?わざとだろ、ん?」

51: 2010/01/30(土) 04:19:38.05
梓「さて、練習しますか?」

律「うーい」

唯「あ、待って。今飲み終わるから」

紬「無理せず残しても良いのに」

唯「せっかくムギちゃんが淹れてくれたのに、そんなの出来ないよ」

紬「唯ちゃん……」

律「キュンキュンする~」

澪「妙なアフレコするな」

梓「練習……」

52: 2010/01/30(土) 04:25:19.66
3日後

斉藤「例の物が届きました」

紬「ありがとう」

紬「どれどれ」パク

紬「少し苦いわね……これは澪ちゃんが喜びそう」

紬「次」ヒョイ

紬「あ、甘過ぎ……さすがアメリカ、大雑把だわ」

紬「こんなの唯ちゃんに渡したらすぐに虫歯になっちゃうわね」

紬「他には……」






紬「…………食べ過ぎた」

56: 2010/01/30(土) 04:34:58.55
紬「ちょっと腹ごなしにお散歩してくるわね」

斉藤「なら護衛を」

紬「いらないわよ大袈裟な」

斉藤「しかし外は今物騒です。横綱に襲われるやもしれません」

紬「非現実的過ぎるわよ」




紬「結局唯ちゃんに相応しいチョコは見つからなかった……」

紬「新しいチョコを発注しないと……」

紬「琴吹紬の名に賭けて、あの天使を満足させてみせるわ!」

横綱「頃すぞ!」

一般人「お、お助け!」

紬「まぁ喧嘩かしら……怖いわ」

58: 2010/01/30(土) 04:43:09.66
翌日

唯「おはよ……」

紬「だ、大丈夫!?」

唯「甘いの……甘いの欲しいよぉ……」

澪「いよいよ禁断症状か」

唯「おや、こんなところに大きなトッポが」ガブリ

律「ぎゃあぁぁぁぁぁっ!?」

和「落ち着きなさい、それは田井中律よ」

唯「ん~、りっちゃんの首筋甘い匂いがするよぉ」ペロペロ

律「や、止めろ!どこ舐めてんだバカ唯!ひゃあぁぁ!!」

澪「これは酷い」

紬「はぁはぁ」

澪「これも酷い」

59: 2010/01/30(土) 04:51:19.40
和「唯!これを見なさい!」

唯「そ、それは軽くてフワフワな食感と甘さが嬉しいエアロチョコ!」

和「これが欲しくば律を離しなさい!」

唯「あ……あ……」

澪(まるで夢遊病だな)

律「た、助かった」

和「ほーら、チョコはここよ」ヒョイヒョイ

唯「うあー!和ちゃんのが背高いくせにいじわる!」

律「唯の奴、超涙目じゃん」

和「もう仕方ないわね、はい」

唯「わーい!」

和「と、見せかけて」バリボリ

唯「エアロォォォォォッ!!」

61: 2010/01/30(土) 05:01:40.46
唯「エアロは氏んだもういない…………ヒック」

和「泣いちゃダメよ唯、あなたはエアロの犠牲を胸に、バレンタインまで強く生きなさい」ギュ

唯「和ちゃん……」

和「きっとエアロは生まれ変わってまた唯に会いに来るわよ」

唯「うん……」

和「ふふ、さぁエアロに約束して?もう誘惑には負けないって」

唯「うん!もう大丈夫だよ!」フンス

律「なんか和って唯の調教師みたいだよな」

澪「私は唯の洗脳耐性の無さが心配だ……宗教とかにハマらないと良いんだけど」

紬「……」カリカリ

律「メモ取るなよ」

63: 2010/01/30(土) 05:10:23.63
律「お前鬼だな」

和「あら、私は唯の成長の為にあえて悪役になってるのよ」

和「あのままその辺の市販チョコを食べちゃうくらいの決意なら、最初から無い方がマシよ」

澪「いや一理あると言えばあるけど」

和「まぁそれだけ唯も誰かさんのチョコを楽しみにしてるのよ」

紬(プレッシャーだわ……憂ちゃんにも話を聞かないと)

唯「…………」ジー

澪「どうした?」

唯「澪ちゃんが大きなポッキーに見える」

澪「おい寄るな」

64: 2010/01/30(土) 05:18:46.70
昼休み

唯「今日はツナサンド!」

律「弁当のおかずは唐揚げが最強。異論は認めない」

和「冷えた肉じゃがの味の浸透率は異常」

澪「日本人は黙って梅干し」

唯「あれ?ムギちゃんは?」

和「さっき出てったわよ」

二年生の教室

梓「うわ!寄り弁になってる!」

純「あるある」

憂「味が混ざるんだよね」

紬「うふふ」

梓「先輩!?」

65: 2010/01/30(土) 05:25:12.31
紬「皆さん仲良しね」

梓「どうも……ってムギ先輩なぜここに?」

紬「ちょっと憂ちゃんに用事があって」

憂「私ですか?」

紬「ええ、少し良いかしら?」

純「平沢憂レンタル、6時間パックで一万円になります」

憂「あれ?安くない?」

梓「……」

純「先輩の前でいじられるようなボロを出さないように黙ってる中野梓」

梓「純うるさい」

紬「うふふ、それはまたじっくりと聞かせて貰うわね。憂ちゃん借りていくわ」

純「ごゆっくりー」

66: 2010/01/30(土) 05:43:34.10
憂「お姉ちゃんの好みですか?」

紬「うん、妹である憂ちゃんなら知ってるでしょう?」

憂「…………」

紬「憂ちゃん?」

憂「あ、すいません。考え事を」

憂「そうですね……うーん……昨日はピザのチーズが切れなくて悪戦苦闘してました」

憂「あとコーラ飲んだ後で小さく『けぷ』って言ってました、可愛かったです」

紬「あの、出来ればお菓子の好みを……」

憂「お姉ちゃんは何でも好きですからね」

紬「そうなの、だからこれぞっていう決め手が欲しいのよ」

憂「…………バレンタインチョコですよね?」

紬「うん」

憂「でしたら……」

68: 2010/01/30(土) 05:53:56.96
琴吹家

紬「……」カタカタ

斉藤「お嬢様、新たなチョコが届きました」

紬「ご苦労様……斉藤、もう一つお願いできるかしら?」

斉藤「なんなりと」


平沢家

唯「うぐ……あがぁ……静まれ……私のお菓子欲……!」

平沢母「唯がおかしく……」

平沢父「心配はいらない、父さんも唯くらいの年頃はあんなだった」

憂「いや多分違うよ」

70: 2010/01/30(土) 06:00:17.92
田井中家

律「おい聡、今年はチョコもらえそうか?」

聡「別に。貰えなくても気にしねぇし」

律「おーおー、かっこつけちゃって」

聡「うっさいな!姉ちゃんこそあげる相手もいねぇくせに!」

律「田井中律ファンクラブの会員にあげますー」
聡「どこにあんだよそれ」

秋山家

澪「チョコかぁ……」

澪「パパくらいしかあげる相手いないなぁ」

澪「虚しい」

澪「冷静に考えて18歳で年齢=彼氏無しって不味くないか?」

澪「2ちゃんで相談しよ」

73: 2010/01/30(土) 06:11:29.10
2月14日

唯「おはよう!」

律「今日は元気良いな」

唯「辛い修行もここまでだからね!ムギちゃん、楽しみにしてるよ!」

紬「う、うん」ドキドキ

澪「……」ブツブツ

和「澪はどうしたのよ」

澪「3日間ずっと叩き祭りだった……」

和「?」

澪「誰だよVIP終わったとか言った奴……全然牙抜けてないじゃないか……そりゃ一時間で100レスした私も私だけど」

78: 2010/01/30(土) 06:20:59.21
先生「この様に、ゆでたまご理論によれば雷を素手で掴む事も可能です」

唯「♪」

紬(授業さえ楽しそう)

紬(憂ちゃんのアドバイスを参考にしたけど……)

紬(あれで良かったのかしら)

紬(もう後は野となれ山となれ、ね)

先生「田井中、この文を和訳しなさい」

律「えっと……『その時、イチローはほぼイキかけました』」

先生「はいよくできました」

和「この教科書セクハラよね」

79: 2010/01/30(土) 06:33:54.87
体育

澪「マラソンとか信じられない、正気の沙汰じゃない」ガタガタ

律「マジそれ」ブルブル

紬「まぁまぁ」

唯「これが終わったらティータイム!」フンス

和「あんたは何を目的に学校来てるのよ」

唯「お菓子!」

和「お仕置き」パチン

唯「うわぁ!ブラ外さないでよ!」

和「生乳で走る唯……擦れて乳首が浮いちゃう唯……時代が私に追い付いたようね」

紬「悪くないわね」

澪「世紀末もいいところだ」

律「ひゃっはー!下着は洗濯だー!」

唯「やーもー!」

先生「ねぇ、スタートしていい?」

80: 2010/01/30(土) 06:40:30.26
先生「自分のペースで良いからね。よーい、スタート!」

律「こうなりゃ走って暖まるしかねぇ!」ダダダ

唯「りっちゃん待って~!」タタタ

和「唯ったら体力無いくせに律のペースに合わせて……」

澪「はしゃぐなってのに」

紬「しゃらんら~」

生徒(お嬢様走りなのに速い!?)

律「いっけぇぇぇっ!!りっちゃんサイクロントルネード!!」ドドド

澪「ミニ四駆かあいつは」

唯「はぁ……はぁ……」

83: 2010/01/30(土) 06:59:06.21
律「リツモン進化ぁぁぁぁっ!!」

和「……澪、黙って走れないのあの子は?」

澪「なんかごめん」

唯「ぜぇ……ぜぇ……」フラフラ

紬「唯ちゃん大丈夫?」

唯「だ、大丈夫だよ」

紬「顔色悪いわ」

唯「平気平気。ちょっとボヤっとするけど」

紬「無理しないでね」

唯「えへへ、お腹を減らしてムギちゃんのお菓子を美味しく食べるんだ」

紬「うん」

律「キャストオフ!そしてクロックアップ!!」ダダダ

和「なんで律って陸上部入らなかったの?」

澪「まぁ得意と好きは別だから」

86: 2010/01/30(土) 07:07:52.13
律「いっちばーん!」

先生「さすが田井中さんね」

澪「あー寒かった……」

和「ふぅ」

紬「ぽかぽかね」

律「あれ?唯は?」

和「ずいぶん後ろの方だったけど」

紬「唯ちゃん……」

澪「おいあれ」

唯「うぷ……気持ち悪い」

唯「目が霞む……」

唯「ちょっと張り切り過ぎちゃったかな……」

唯「あと……少しだ」

唯「やったぁ……ごーる……」バタ

紬「お疲れ様、唯ちゃん」ムギュ

88: 2010/01/30(土) 07:16:50.53
放課後

唯「苦節一週間……ついにこの時が……」

唯「キターーーー!!」

律「うるせぇ!」

梓「どんだけ我慢してたんですか」

澪「微笑ましいじゃないか」

律「体育の後はへばりまくってたくせに」

唯「チョコが待ってると思うとすぐ回復しました」キリッ

梓「現金」

唯「さぁさぁムギちゃん!」

紬「…………」ゴソゴソ

ゴトン

澪「多いな!」

唯「チョコの宝石箱や!」

紬「唯ちゃんにはこれ」スッ

89: 2010/01/30(土) 07:25:53.34
唯「……え?」

律「小さな箱……」

梓「可愛いラッピングですね」

澪「手作り……だな」

唯「……」

紬「や、やっぱり要らないわよね」

紬「気にしないでこっちのチョコ食べて!」

紬「厳選した高級品だから、きっと唯ちゃんも満足出来るわ!」

紬「も、もちろんりっちゃん達もね!」

唯「ムギちゃん……」

紬「わ、私ったら変に構えちゃって、余計な事を……売ってる奴のが美味しいに決まってるのに」

唯「ありがとー!!」ムギュ

91: 2010/01/30(土) 07:34:34.86
紬「ゆ、唯ちゃん!?」

唯「ムギちゃんの手作りなんて最高だよ!これが一番嬉しいよ!」

紬「で、でも初めて作ったから味はあんまり……」

唯「ムギ分という最高の成分が入ってるよ」フンス

唯「早速食べていい?」

紬「う、うん」

唯「いただきます……」パク

唯「……」モグモグ

紬「…………どうかしら」ドキドキ

唯「うん……確かにイマイチだね」

紬「!」

唯「でも、ムギちゃんの味がいっぱいするよ!本当にありがとう!我慢したかいがあった!」ムギュー!

93: 2010/01/30(土) 07:41:32.01
律「見せつけやがるぜ」

澪「なぁ唯、私にも少し……」

唯「ダメ!これは私がムギちゃんに貰ったんだもん!その代わりそっちのチョコは我慢するよ」

澪「ま、仕方ないか」

律「……これ食えよ」スッ

澪「律……」

律「あの時のお返しな。味は期待するなよ」

澪「ははっ、拳骨みたいに固まってるぞ。ブサイクなチョコ」

律「な!文句あるなら返せ!」

澪「ありがとう、律」

律「あ……う……」

梓「あー高級チョコまじうめぇ!もう最高!これを食べないとか人生九割損してますね!」バリボリゴリ

さわ子「全くね」ガリゴリバリ

94: 2010/01/30(土) 07:48:43.31
律「あ、おい!誰も食べないとは言ってないだろ!」

さわ子「うるさいわね!あげる相手がいないってのは貰えないより悲しいのよ!」

梓「ばーかばーかです!」

澪「梓がぐれた……」

紬「あーん」

唯「あーん」パク

紬「うふふ」

唯「えへへ」

澪「あっちは自分達の世界だし」

律「私にも食わせろー!」

さわ子「そうはさせないわ!」

梓「へへーんだ!」

澪(拳骨チョコ固い)ゴリゴリ

96: 2010/01/30(土) 08:03:45.65
帰り道

唯「本当に嬉しかったよムギちゃん!」

紬「唯ちゃんの笑顔がみれて、こっちも嬉しいわ」

唯「私が笑えるのはムギちゃんがいるからだよ~」

紬「ありがと」

唯「…………」

紬「?」

唯「ムギちゃん、目を閉じて」

紬「え?」

唯「お願い」

紬「わ、わかったわ」

紬(こ、これってそういう事?そういう事なの唯ちゃん!?)

98: 2010/01/30(土) 08:14:00.46
トス

紬(何か渡された?)

唯「もう良いよ」

紬「あ……はい」

紬(キスじゃないのね……ちょっと残念)

唯「それ……私から」

唯「一応私も手作りなんだよ」

唯「憂もノータッチだから唯分100%」

唯「形は歪んじゃったけど、味はそこそこだと思うんだ」

唯「いつも良いのを食べてるムギちゃんからしたら物足りないかもしれないけど」

唯「日頃のお礼!いつもありがとう、ムギちゃん!」

紬「……」ポロポロ

101: 2010/01/30(土) 08:21:23.64
唯「あわわわ」オロオロ

紬「わ、私……お友達にこんな事してもらうの初めてで……ごめんね」グシグシ

紬「ううん……ありがとう、唯ちゃん」

紬「帰ったら大事にいただくわ」

唯「どういたしまして」

紬「結局、交換みたいになっちゃったわね」

唯「ムギちゃん皆の前でくれるからビックリしたよ~」

紬「ご、ごめんなさい。渡さなきゃって気持ちが先走って」

唯「嬉しかったから良いよ~。どさくさに紛れてりっちゃんも澪ちゃんにあげてたしね」

紬「白眼を使える私に氏角は無かった」

105: 2010/01/30(土) 08:32:47.05
琴吹家

斎藤「ご友人は喜ばれておりましたか?」

紬「えぇ」

斎藤「それはそれは、頑張ったかいがありましたな」

紬「ふふっ、材料の取り寄せありがとう」

斎藤「いえ大した事はありません。全ては紬お嬢様のお力です」

斎藤「ところで本日のスイーツはいかがいたしましょう?シェフが張り切っておりましたよ」

紬「うーん……今日は無しで良いわ」

斎藤「なぜで……なるほど、かしこまりました」

紬「察しが良いのね」

斎藤「伊達に長く仕えておりませんよ」

108: 2010/01/30(土) 08:47:39.81
平沢家

唯「ムギちゃん、すっごく喜こんでくれたよ!」

憂「ふふふ、おめでとう」

唯「うん!」

憂「さ、お風呂沸いたよ」

唯「はーい」

タタタ

憂「計画通り……と」カチカチ

プルルルル

110: 2010/01/30(土) 08:54:26.70
和『もしもし』

憂「憂です。全て上手く行きました」

和『そう。これでムギは唯にとって更に甘い飴になるわ』

憂「逆に私達は更なる鞭として機能出来る……」
和『うふふふ』

憂「あははは」

和『好きな子ほどいじめたくなるゆえに』

憂「お姉ちゃんの新たなる表情を探るために」

和憂「愛の鞭は続く!」



おわり

113: 2010/01/30(土) 08:59:55.79
バレンタインチョコなど高一以来貰ってない俺に隙はなかった

夜中に立てるもんじゃないな
書きためを吐き出したいから早く規制解除してよパソコン

あとムギメインってやっぱり難しいね
続きは和ちゃんがひたすら唯にいたずらするだけだ
じゃあの

114: 2010/01/30(土) 09:02:56.67
わあぃ

115: 2010/01/30(土) 09:12:12.38
乙!

118: 2010/01/30(土) 10:07:54.85
>>116
ありがとう
「~な和ちゃんでも愛せる」って言ってもらうのが密かな夢だったんだ

引用元: 紬「ばれんたいん!」