1: 2013/01/31(木) 00:31:40.40
ちひろ「何をですか?」

P「アイドル候補生ですよ!」

ちひろ「え、人間拾ったんですか?」

P「はいっ!」

ちひろ「そして、その方はどちらに?」

P「すぐそこにいますよ! ほら入れ!」

「嫌だっつってんだろうが!」

P「あーもう、仕方ないな……ちょっと待っててください」

ちひろ「は、はい……?」

3: 2013/01/31(木) 00:37:00.50
P「ほらほら、入る入る」

「うおッ!? 引っ張るなよ!」

P「じゃあ自分で来いな」

「嫌だっつーの」

P「仕方ない、引っ張ってくか」

「やめ、やめろって」

P「いやー、申し訳ありません」

ちひろ「……その子ですか?」

P「はい。 ほら自己紹介して」

「フン、誰が」

6: 2013/01/31(木) 00:41:37.29
P「ちゃんとしないとだめだっての」

「ぐ……向井、向井拓海だ」

P「よしよし、よく出来ました」

拓海「撫でるんじゃねェ!」

ちひろ「あのー」

P「はい?」

ちひろ「一体どういう経緯で……?」

拓海「あァん?」

ちひろ「ひぃっ!?」

9: 2013/01/31(木) 00:47:03.78
P「やめれ」

拓海「チッ……」

ちひろ「ぷ、プロデューサーさーん……」

P「大丈夫ですよ、危害を加えるような人間でもないんで」

ちひろ「そ、そうですか……?」

P「だろ?」

拓海「ふん……」

ちひろ「ほっ……それで、どういう経緯で?」

P「弁償ですよ」

ちひろ「へ? あ、お茶です」

拓海「……おう」

ずずー

14: 2013/01/31(木) 00:54:23.92
ちひろ「宜しければ、聞かせてもらえますか?」

P「いいか?」

拓海「ふん」

P「人の車にオカマ掘ったんですよ」

ちひろ「はあ……」

P「こいつ保険に入ってなかったらしくて、丁度その時に通りかかって、うちのアイドル候補生だと嘘をつきまして」

ちひろ「それで肩代わり、ですか?」

P「はい」

拓海「だからってアイドルなんてアタシには無理だろ」

P「さあな? アイドルとして活かすも頃すも俺とお前の頑張り次第だ」

拓海「約束しちまったもんは仕方ねェ、やるけどよ」

ちひろ「そうだったんですか、自己紹介がまだでしたね……千川ちひろです。 事務員をしていますよ」

17: 2013/01/31(木) 01:00:24.20
拓海「おう……」

P「挨拶もきちんとしような、あとコイツ未成年ですけど親御さんには了解を取ってあります」

拓海「いつの間に取ったんだか知らんがそうなってたんだよ……ハァ……」

P「とりあえず、明日までに履歴書頼むな」

拓海「チッ……わかったよ」

P「うん、じゃあ明日の10時くらいに来てくれな。 他の子に紹介するから」

拓海「……じゃあな」

ちひろ「お疲れ様でした」

拓海「……おう」

ばたん

ちひろ「……ふぅ……」

P「急ですいませんでした」

19: 2013/01/31(木) 01:05:23.03
ちひろ「いえ、ちょっとびっくりしちゃっただけです」

P「見た目怖いですからねー」

ちひろ「プロデューサーさんは平気なんですか?」

P「はい、ぶつけた時も素直に謝っていたので、根は素直なのかと」

ちひろ「そうなんですか……すごい子拾ってきましたね」

P「そうでしょう? あははは」

ちひろ「他の子達とうまくいけばいいですけど」

P「大丈夫です、うちに見た目で判断するような輩はいませんから」

ちひろ「そうですね」

P「ええ」

―――――

―――


20: 2013/01/31(木) 01:10:29.19
P「さてそろそろみんなが来る時間か」

五十嵐響子「おはようございます!」


P「おう、おはよう」

片桐早苗「おっはよー☆」



P「早苗さん、おはようございます」

原田美世「おはよう、Pさん」



P「ブロロロン(おはよう)」

美世「もう、やめてよー」

P「あはは」

22: 2013/01/31(木) 01:15:36.83
森久保乃々「……来たんで帰ります……」


P「だめに決まってんだろ、あとおはよう」

乃々「えー……おはようございます……」

P「来て早々だけど、今日から仲間が一人増えるからな」

早苗「また篭絡してきたの?」

響子「篭絡って、なんですか?」

P「余計なこと言わないでください、10時には来るのでその時に顔を合わせてもらうから」

乃々「初対面の人とか……むーりぃー……」

美世「まぁまぁそう言わないで、お友達が増えるよ?」

乃々「……こわーぃー……」

26: 2013/01/31(木) 01:20:35.52
P「お前は見た目で判断するような人間だったのか?」

乃々「違いますけど……人見知りなだけですけど……」

P「なら大丈夫だな、うん」

乃々「えー……」

がちゃ

拓海「……来たぞ」

P「おお、おはよう」

拓海「ああ、これ書いて来た……!?」

美世「た、拓海ちゃーん!」

拓海「み、美世ォ!?」

27: 2013/01/31(木) 01:25:29.32
美世「言ってなかったっけ? あたしもアイドル目指して頑張ってるんだよ」

拓海「言ってたような言ってないような……」

P「知り合いか?」

拓海「ああ、あともう一人……はぁぁぁぁ……」

早苗「うっひっひっひ……」

拓海「何でお前がここにいるんだよ!!!」

早苗「スカウトされちゃったん☆」

拓海「はぁ!?」

P「スカウトしちゃったん☆」

拓海「うるせェ!」

29: 2013/01/31(木) 01:30:05.34
乃々「ひぃ……」

響子「わっ……」

拓海「っと……悪ィな」

P「早苗さんとも知り合いか」

拓海「なァ……なんであいつがアイドルやってるんだ? 警官だろ?」

P「ついスカウトしちまってな、おまけにOKときたもんだ」

拓海「何というか……型破りだな……」

早苗「今に始まったことじゃないでしょ拓海ちゃーん」

拓海「ま、そうだけどよ」

P「とりあえず履歴書見せてくれ」

拓海「ホラよ」

31: 2013/01/31(木) 01:37:09.00
P「そこのソファ座ってくれ、お前らはレッスンの準備な」

乃々「……お疲れ様で」

P「美世、頼むわー」

美世「はーい、じゃあ拓海ちゃんまた後でねー」

乃々「やーだぁー」

早苗「んふふ~」

P「響子、早苗さん頼むわ」

響子「ええっ!? 荷が重いですよ!」

P「響子なら大丈夫だって」

響子「そんなー……行きますよ早苗さんっ!」

早苗「うひひひひ」

響子「うーん、うーん!」

ずるずる

32: 2013/01/31(木) 01:43:46.96
P「……」

拓海「……」

P「えーっと、お前まだ高校生なのか」

拓海「あぁ、一応3年だ」

P「ふむ……バイクね、だから美世と知り合いだったのか」

拓海「全く……美世がいるなんて思わねェよ」

P「そらそうだ、と……あー」

拓海「だからあの不良警官とも知り合いだったっんだよ」

P「よし、合格」

33: 2013/01/31(木) 01:48:40.07
拓海「はぁ?」

P「一応審査的なものはいるんだよ、便宜上だけどな」

拓海「融通が利かねぇのか」

P「そんなところだ」

拓海「それで、アタシは何をすればいいんだよ」

P「それは追々決める、とりあえず健康診断受けてきてくれる? これ病院の住所な」

拓海「面倒くせェな……行ってくる」

P「おう」

36: 2013/01/31(木) 01:54:00.82
ばたん

P「……レッスン行けって言ったと思うんですよ、早苗さん」

早苗「あららー、気配ってそう簡単に消せるもんじゃないのかなー」

P「そういうことです、アイツのことどう思います?」

早苗「んー、筋も通すし礼儀もわきまえてるよ? ちょーっと言葉遣いが悪いだけでね」

P「あれでレディースの特攻隊長ですからね……」

早苗「あれ? 何で知ってるの?」

P「正直に履歴書に書いてあるんですよ」

早苗「あら、バカ正直というか何というか」

38: 2013/01/31(木) 02:00:00.86
P「先輩として、あいつの事気に掛けてやってください」

早苗「うん! P君にお願いされたらお姉さん頑張っちゃうよ!」

P「拓海が帰ってくるまでにスタジオ行ってくださいね、後から見学させますから」

早苗「はーい☆」

P「さて、拓海の帰りを待つか」

―――――

―――


40: 2013/01/31(木) 02:06:27.40
拓海「……おい」

P「あ、おかえり」

拓海「てめェ!」

P「ちょっと待ってなんで待って怒ってるの待って!」

拓海「どどどどうして……3サイズなんて測るんだよォ!」

P「まず離せ、話はそれからだ」

拓海「チッ……」

P「ふぅ……先ず考えてみろ、アイドルって衣装着るだろ」

拓海「あのチャラチャラしたやつだな」

P「あれは響子用のだけど……まあいいや」

拓海「それが何の関係があんだよ」

42: 2013/01/31(木) 02:11:21.94
P「営業先に持っていく宣材に書き込む欄があるから、イメージにも繋がるしな」

拓海「そういうもんなのか?」

P「そういうもんだ」

拓海「ぐ……でもな……」

P「なんだ?」

拓海「いくらアタシでも数字を見せるのが恥ずかしいんだよ! それくらい分かれ!」

P「いいから、ほれ」

拓海「……ほらよ」

P「ん、概ね健康……だな」

拓海「病気なんて滅多にしないからな」

P「95-60-87か」

拓海「読み上げるなァ!」

44: 2013/01/31(木) 02:16:40.30
P「すごいな」

拓海「……ぐ」

P「これならダンスもいけるか? グラビアも……うーむ」

拓海「おい」

P「ああ、そうだった」

拓海「何だよ?」

P「今からお前の先輩がどんなことをしてるか見学に行くからな」

拓海「見学ゥ?」

P「ああ、スタジオ行くぞ」

拓海「スタジオなんか持ってるのか」

P「あるんだよ、行くぞ」

拓海「……はいよ」

45: 2013/01/31(木) 02:22:25.87
P「お邪魔しますー」

響子「プロデューサー!」

P「おっと、どうした?」

響子「乃々ちゃんが……」

P「うおっ!?」

乃々「床しか見えないー……」

P「起きろー! 乃々ー!」

乃々「ああ、天使が……」

P「起きないとバッグ漁るぞ」

乃々「……おはようございます」

48: 2013/01/31(木) 02:28:11.91
P「どうしたんだ、倒れたりして」

乃々「足くじいて……」

P「仕方ないな……よっと」

乃々「え、わ、わ」

P「大人しくしててくれな」

乃々「え、はい……」

P「んで湿布貼ってテーピングして……」

乃々「冷たい……」

P「今日は乃々は見学な」

乃々「じゃあこのまま帰っても……ごめんなさい……」

51: 2013/01/31(木) 02:33:33.00
美世「そうだ拓海ちゃん、ちょっとステップ教えるからやってみない?」

拓海「ハァ? 見学だけじゃなかったのかよ」

美世「いいからいいから」

拓海「ったく……」

美世「これね」

とんととんとんとん

拓海「おう……」

とととんとととと

P「うわぁ……」

早苗「うわぁ……」

美世「うわぁ……」

響子「あー……」

乃々「……」

52: 2013/01/31(木) 02:40:52.17
拓海「ンだよ……」

P「拓海、お前もしかしなくても……リズム感無いだろ」

拓海「……悪かったな」

P「ダンスレッスン切り上げ、ちょっと音感のテストもしてみるか」

拓海「な゛ッ!?」

P「キーボードと……まずこれな」

拓海「……あー」

P「どれみれどー」

拓海「どれみれどー」

P「うわぁ……」

拓海「音痴で悪かったな!!」

乃々「ひっ」

55: 2013/01/31(木) 02:46:47.62
P「これは……丁度いいな」

拓海「はァ?」

P「こっちの話」

拓海「ッチ……」

P「今日は解散でもいいかな……美世」

美世「乃々ちゃんを送って行けばいいのかな?」

P「頼むわ、女子寮だから響子とかもすぐに見に行けるだろうし」

乃々「……ごめんなさい……」

P「頑張ろうとしてくれたんだろ? なら攻めないさ」

なでなで

乃々「……うぅ……」

56: 2013/01/31(木) 02:51:25.97
P「じゃあ、頼むな」

美世「了解、響子ちゃんも手伝ってくれない?」

響子「わかりました……乃々ちゃん、大丈夫?」

乃々「一人で歩くのは……むーりぃー……です……」

響子「ほら、肩につかまって、ね?」

美世「それじゃあ、お先ー」

P「はいよ」

ばたん

早苗「うひひひひ……」

P「今日ずっとこんな調子だったんですか早苗さん……」

早苗「いやー、拓海ちゃんにこんな弱点があったなんてねー」

58: 2013/01/31(木) 03:01:27.96
拓海「てめぇ……」

早苗「今度カラオケいこっか☆」

拓海「断る!」

早苗「あははは! さて、お姉さんも帰るかなー」

P「あ、お疲れ様です」

早苗「拓海ちゃん、仲良くしてね?」

拓海「……ふん!」

早苗「あたしも女子寮に住んでるから、いつでもおいでー」

拓海「そうかよ」

早苗「それじゃ、お疲れ様でしたー☆」

ばたん

60: 2013/01/31(木) 03:07:44.66
P「プロダクション内に知り合いが居るってのは心強いな」

拓海「……ああ」

P「飯でも食いに行くか? 奢るよ」

拓海「うまいもんがいいな」

P「じゃあ牛丼な」

拓海「なんでそうなるんだよ!」

P「いいじゃないか」

拓海「別にいいけどよ……」

P「んじゃ、行くか」






61: 2013/01/31(木) 03:12:14.94
むぐむぐ

P「明日、ミーティングするからな」

拓海「ミーティングだァ?」

P「ああ、そこで方向性とかを大筋決める」

拓海「はァ、面倒だな」

P「明日学校か?」

拓海「学校はどうでもいい」

P「よくないな」

拓海「何でだよ」

P「アイドル業がやりたいので学校行きませんとか筋が通ってない」

拓海「面倒くせぇな」

62: 2013/01/31(木) 03:18:05.21
P「レッスンはなるべく夕方に入れておく、だから学校行け」

拓海「わかった……Pの言うことは聞いておく」

P「それでいい」

拓海「それで、弁償の話だけどよ」

P「おう」

拓海「いくらなんだ?」

P「40万」

拓海「ゲッ……」

P「払うのは無理だろ? だから返せるまでの間頑張ればいい」

拓海「立て替えてもらった義理はきちんと果たすさ」

64: 2013/01/31(木) 03:25:23.86
P「それでいい、売れるまでが一番辛いかもしれないけど頑張るぞ」

拓海「あー……世話になる、P」

P「ああ、宜しく頼むよ。 拓海ちゃん」

拓海「うわ……気持ち悪ぃ」

P「どういう意味だよ」

拓海「アンタにちゃん付けされるのは嫌だ」

P「ひでぇな」

拓海「……呼び捨てでいい」

P「はいよ」

拓海「あー、特盛りにすりゃよかった」

P「はしごするか」

66: 2013/01/31(木) 03:30:17.63
拓海「行くか」

P「奢れってか!?」

拓海「当たり前だろォ?」

P「わかったよ」

拓海「さっさと行くぞ」

P「はいはい、で何食べたいの」

拓海「……カレー」

―――――

―――


69: 2013/01/31(木) 03:36:57.78
P「……よく食うな」

拓海「うっせぇな……いいだろ」

P「そんな腹減ってたか」

拓海「普段から食う量多いんだよ」

P「へー、また一つお前のこと知ったわ」

拓海「……そうかよ」

P「ん、今日はもう遅いしじゃあな」

拓海「……おう……あー、今日は助かった」

P「いいって」

拓海「そうか、じゃあな」

P「おう」

71: 2013/01/31(木) 03:41:00.65
つぎの ひ

拓海「おっす」

美世「おはよー」

響子「おはようございますっ!」

乃々「お……おはようございました……帰り……だめですか……」

P「だめだ、おはよう」

早苗「おっはよー☆」

P「全員揃ったのはいいんだが、生憎まだ仕事が取れてない」

美世「えー」

P「すまんな、今日はレッスンも無いし自主トレで」

乃々「それなら帰っても……だめですかそうですか……」

72: 2013/01/31(木) 03:46:35.24
響子「それなら、ちょっと給湯室借りますね」

P「ちひろさんに許可とってくれなー」

響子「はーい!」

P「拓海」

拓海「ンだよ?」

P「ミーティングだ」

拓海「……わかった」

P「じゃあ、会議室借りるから」

ちひろ「はーい」

ばたん

73: 2013/01/31(木) 03:48:37.37
響子「お茶ですー……あれ?」

美世「プロデューサーなら会議室よ?」

響子「そうですか、皆さんお茶いかがですか?」

美世「ありがと!」

早苗「はぁー……温まるわねぇ……」

乃々「あ、ありがとうございます……」

響子「あの、新しく入ってきた人ですけど……」

美世「拓海ちゃん? 悪い子じゃないよ」

乃々「ちょっと怖いですけど……」

早苗「ぶっきらぼうなだけだから、気にしなくていいよ」

響子「そうですか? お友達になれたらいいなぁ」

美世「大丈夫だよ、根は優しいし……」

『ふっっっっっざけんなああああああああああ!!!!』

74: 2013/01/31(木) 03:56:47.21
響子「……」

乃々「……」

美世「……」

早苗「ちょっと見に行ってみようか」

美世「そうですね」

がちゃり

拓海「てめェ、本気で言ってんのか!?」

P「本気も本気、大マジだっての」

拓海「ふざけんな出来るわけねぇだろ!」

早苗「どーどー」

響子「Pさんっ、大丈夫ですか!?」

P「平気平気」

75: 2013/01/31(木) 04:01:16.47
乃々「……ふりふり……南国……わー……」

拓海「アタシにこんなの着せてどうしたいんだアンタは」

P「だからさっき言ったろ、グラビアアイドルとして売る!」

響子「グラビアですか?」

P「ああ、このプロポーションと顔つきを活かすにはグラビアが一番だと思ってな」

拓海「だからって、そんなヒラヒラしたのは御免だ!」

P「音痴でリズム感も無いじゃん?」

拓海「ぐ……」

美世「そんなばっさり言わなくても」

P「正直天性のものだと思う、矯正してもある程度レベルだと思うんだ」

早苗「ひどかったもんねー」

拓海「うるせぇ……」

76: 2013/01/31(木) 04:05:56.46
P「となると、グラビアが一番適正かなっと」

乃々「フリフリ……見てみたい……」

拓海「あァ?」

乃々「……見たいわけじゃないですけど……」

P「とりあえず宣材撮るから倉庫から衣装を……」

拓海「あ、アタシを撮るってのか!?」

P「だれ撮るってんだよ」

早苗「うひひひ……さあ着替えるのよ……」

響子「うわぁ……」

早苗「ひひひひ…………手伝ってあげるわ」

拓海「お、おい!」

美世「さあ、行くよー」

77: 2013/01/31(木) 04:11:23.90
拓海「P! どうにかしろ!」

P「俺が手伝えるわけないだろ……」

乃々「い、いってらっしゃい……」

ばたむ

P「やれやれだな」

響子「お疲れ様です、なんて♪」

P「いやいや、済まないねぇ響子さんや……」

響子「おじいちゃんくさいですよ? もうっ」

乃々「お疲れ様でした……」

P「乃々」

乃々「帰れないのはわかってるんですけど……帰りたいんですけど……」

80: 2013/01/31(木) 04:16:54.08
P「帰って何したいの?」

乃々「静かに暮らしたいんですけど……」

P「だったらそこのソファでいいじゃないか」

乃々「……はい」

すとん

乃々「……」

P「……」

響子「……」

P「……座って何をするでもないの?」

乃々「何をするかとかは考えてないんですけど……」

響子「それじゃあ一緒に事務所のお掃除しない?」

乃々「えー……」

響子「ほらほら!」

乃々「むーりぃー……」

81: 2013/01/31(木) 04:21:06.28
がちゃ

美世「つれてきたよー」

早苗「いいからほら、入りなさいっ」

拓海「嫌だ! こんなカッコなんて……」

響子「何をゴネてるんでしょうね」

P「さあ?」

美世「ほら!」

早苗「いいから……入りなさーい☆」

拓海「うおおお!?」

P「おお!?」

乃々「……!?」

響子「か、かーわいいー!!!!!」

83: 2013/01/31(木) 04:27:04.91
拓海「んだと!?」

響子「か、かわいいですよ!」

乃々「か……かわいいと、お、思います……」

美世「でしょー! あたしもびっくりしちゃったよ」

早苗「それで、P君はどう思うかな?」

P「似合ってるじゃないか」

拓海「撫でるな!」

P「いいな、メイクはうち得意な人いないから……メイクさんに頼むとして、行くぞ!」

拓海「オイふざけんなこの格好で行くとか言わないよな!?」

P「コートくらい貸してやる! さあ行くぞ!」

85: 2013/01/31(木) 04:32:08.03
拓海「やめろこれじゃあ変質者じゃないか!」

P「今すごくかわいいから大丈夫だって、行くぞ!」

拓海「バっ……かわいいとかいうな! あと引っ張るなあぁぁぁぁ……」

響子「い……行ってらっしゃい~……」

乃々「はふ……」

早苗「いやー、完璧に拓海ちゃんを操縦してるねー」

美世「拓海ちゃんが反抗できないようにしてますね」

早苗「いいパートナーになるかもねー」

響子「仲良くなれそうですっ」

86: 2013/01/31(木) 04:36:56.53
乃々「……どうだろ……」

美世「大丈夫だよっ、拓海ちゃんはかわいいから」

乃々「……えー……」

早苗「色々含まれてるえーだねぇ……」

―――――

―――



「さあ拓海ちゃん、もうちょっと正面向いてみて」

拓海「こ、こうか?」

「いいよいいよ! スタイルも抜群だし今までよくこんな子が埋まってたね」

拓海「ぐ、恥ずかしィィィィ!」

「いいね! もうちょっと恥らってみようか!」

拓海「恥らうってなんだァ!?」

87: 2013/01/31(木) 04:43:44.54
P「あははは! 頑張れ頑張れ!」

拓海「P~!」

P「大丈夫! かわいいかわいい!」

拓海「ふ、ふんっ!」

「おお! いい表情! いただき!」


拓海「ぐううううう……」

「OK! これで撮影終了だよ!」

拓海「やっと終わりか……」

P「お疲れー、どうよ最初の芸能活動は」

88: 2013/01/31(木) 04:49:11.48
拓海「……とにかく帰るぞ」

P「……大丈夫か?」

拓海「ちーと大丈夫じゃねェ……」

P「わかった、とりあえず控え室で休むか」

拓海「おう……」

―――――

―――



拓海「撮られるってのは慣れないと大変だな……」

P「お疲れ様」

拓海「ふぅ……オイ」

P「なんだ」

拓海「腹減った、飯連れてけ」

89: 2013/01/31(木) 04:55:58.96
P「一回事務所寄るぞ」

拓海「何でだよ」

P「お前その格好にコートで飯食いに行くの?」

拓海「……あ」

P「お前がいいならいいんだけどな?」

拓海「良いわけないだろォ!?」

P「だろ? じゃあコート着ろよな」

拓海「わかった」

P「さ、帰るぞ」






90: 2013/01/31(木) 05:01:34.75
P「乃々! 逃げるな!」

乃々「やーですー……インタビューとかむーりぃー……」

拓海「ったく……こっち来い」

乃々「拓海さん……」

響子「プロデューサー! ちょっと手伝ってくださいー!」

P「わかったー! 乃々、後で迎えに来るからな!」

乃々「えー……」

拓海「どうしたんだよ、逃げたりなんかして」

乃々「えーと……人が苦手といいますか……ちょっと……」

拓海「はァ? 人見知りか」

乃々「……はい……」

91: 2013/01/31(木) 05:07:06.10
拓海「そこらへんのジャガイモとでも思えばいいだろ」

乃々「でも……」

拓海「でもも何もねぇよ、あの不良警官見てみろ」

乃々「?」

早苗「うふ~ん☆ こんな感じぃ?」

「え、ええ……まぁ」

早苗「ノリ悪いなー」

「普通の写真でいいんですけど……なんで着替えてるんですか?」

早苗「なんとなくかなー」

「あはは……」

乃々「……えー……」

94: 2013/01/31(木) 05:12:20.89
拓海「あれはあれで特殊だけどな、参考にしろとは言えねェけど」

乃々「プロデューサーさんへと同じ接し方……?」

拓海「アイツにあんな態度で接してるのかあの警官……」

乃々「……そんな感じですよー……」

拓海「えーと、つまりだな」

乃々「……はい」

拓海「アイツがお前の為に獲ってきた仕事だろ?」

乃々「お仕事したくないですけど……私の為です……」

拓海「だったらアイツに恥をかかせるわけにはいかねェだろ?」

乃々「あ……」

拓海「アイツに世話んなってるならきちんと筋を通せ!」

95: 2013/01/31(木) 05:17:11.15
乃々「……はーい……」

拓海「そら、響子の時間稼ぎも限界だろ? 行ってこい」

乃々「……行ってきます」

たたたた

拓海「……すまねェな」

響子「いえいえ♪」

拓海「自信持つってのも簡単じゃねェよな……」

響子「そうですねー、どうしてもだめな物ってのもありますし」

拓海「そうだよなー」

96: 2013/01/31(木) 05:22:53.23
ちらっ

響子「どうしました?」

拓海「いや、何でもねェ……」

響子「変な拓海さん……」

早苗「さあ! もっと撮っちゃいなさい!」

「いえ、もう大丈夫ですって!」






97: 2013/01/31(木) 05:27:24.93
拓海「よう、呼んだか?」

P「ああ、新しい仕事だ」

拓海「何だ仕事かよ……」

P「都合悪かったか?」

拓海「いや、そんな事ァ無いけどな」

P「ノリ気じゃなさそうだな、断るか?」

拓海「アタシに出来ない事があるってか? 」

P「じゃあ行くか」

拓海「その前に飯食わせろ」

P「ダメ」

拓海「何でだよ」

99: 2013/01/31(木) 05:33:10.18
P「グラビアだからなー」

拓海「仕方ねェな……終わったら飯奢れよ」

P「じゃあこれに着替えてくれ」

拓海「な……!?」

―――――

―――




拓海「ぐ……こ、こんなドレスをアタシに着せてどうすんだ……」

P「似合うじゃん」

拓海「アタシのファンとか本当にいるのか……?」

101: 2013/01/31(木) 05:39:15.82
P「呼んでこようか?」

拓海「いや、呼ばなくていいからな!」

P「写真集や巻頭巻末グラビアもそこそこ増えてきたってのに」

拓海「少し売れてきてるらしいな……なぁ、アタシが売れたら嬉しいか?」

P「そりゃ嬉しいよ、プロデューサー冥利に尽きるってもんだ」

拓海「そうか……ならもっと仕事持って来い!」

P「おお、頼もしいな」

拓海「それはいいとしてよォ……こんなカッコして誰が喜ぶんだ?」

P「デビュー時はかわいい系で攻めたから今回は大人の魅力だ!」

拓海「ハァ!?」

P「いいじゃないか、社交界に行けるレベルだぞ」

102: 2013/01/31(木) 05:44:20.85
P「すごくいいと思うけど」

拓海「アンタがいうなら、女の色気も悪くない……かもな」

P「そのドレスは拓海用に用意した特注品だ、お前にしか着こなせない、お前の為の衣装だ」

拓海「アタシにしか着こなせない、か……Pは口が上手いな」

P「悪いけど、俺撮影の間ちょっと抜けるな。 打ち合わせあるんだわ」

拓海「アンタに見られてると調子狂うから丁度いい、わかったよ……撮られてくる」

―――――

―――


104: 2013/01/31(木) 05:57:38.89
P「お疲れ」

拓海「おう」

P「じゃあ飯食いに行こうか」

拓海「まだ着替えてないぞ、待ってろ」

P「いや、そのままでいいんだ」

拓海「ハァ!?」

P「ドレスコードがあるからなー」

拓海「おい、どこに連れて行くつもりだ」

P「ココ」

拓海「ブッ!? ここここんな高そうな所だぁ!?」

106: 2013/01/31(木) 06:04:40.46
P「おうよ、まぁ報告も色々あるんだ」

拓海「わかったよ、ふぅ……」

P「それじゃあ……俺も初めてだから緊張してんだよ」

拓海「あはは、何だよそれ」

P「いい笑顔だ、行くぞ」

拓海「お、おう」

―――――

―――


107: 2013/01/31(木) 06:10:11.70
拓海「箸にしてくれたぞ」

P「マナーわからんから仕方ないだろ」

拓海「おい、話って何だよ」

P「ああ、お前めっちゃ売れてるよ」

拓海「はぁ? なんだそんな事か」

P「そんな事ってお前なぁ……」

拓海「アンタがしっかりしてるからアタシなんかでも売れたんだよ」

P「そうか」

拓海「話ってのはそんだけか?」

P「あと、もう一つ」

拓海「むぐむぐ……なんだ?」

108: 2013/01/31(木) 06:17:30.72
P「弁償終了だ」

拓海「あー、あの事故のか」

P「そう、40万、耳揃えて返してもらったよ」

拓海「へー、それで?」

P「いや、お前芸能活動から手を引いてもいいんだけど……」

拓海「……オイ」

P「何だ?」

拓海「アタシが嫌々やってるように見えたか?」

P「そうは見えなかったな」

拓海「そういうことだ、アタシはアンタに拾われたんだ、義理は果たす」

P「へ? じゃあいつまでだ?」

拓海「アンタが1番になるまで頑張ってやるよ」

109: 2013/01/31(木) 06:22:24.35
P「……くくっ、それは頼もしいな」

拓海「いいから食っちまおうぜ、ここ1階だから通りすがりの美世たちにでも見られたら……」

P「どうしたいきなり無言になって……」

美世『はぁい♪』

早苗『うひひひ……』

響子『わぁ……拓海さん綺麗……』

乃々『……ずるーぃー』

拓海「うおおお!?」

P「拓海、しー! しー!」

拓海「す、すまねェ……」

110: 2013/01/31(木) 06:28:21.32
P「とりあえず急いで食べちゃおう」

拓海「そ、そうだな……」

P(窓際がお洒落だと思って取ったのに……)

拓海(何かデートみてェだなこれ)

―――――

―――



早苗「いやいや、若いですなぁ……」

拓海「あああ面倒くせェ……」

美世「こーんなお洒落して……デートいいなー」

111: 2013/01/31(木) 06:34:36.86
拓海「デートじゃねぇっての!」

響子「拓海さん……すごく綺麗ですね」

乃々「う、うん……」

P「だろ? あいつはあんなコトも出来るんだよ」

拓海「うるせェ! おいPこいつら何とかしてくれ!」

P「あははは」

拓海「笑ってんじゃねェ!」






113: 2013/01/31(木) 06:39:41.97
乃々「……」

ぺら ぺらり

乃々「……」

拓海「よォ、何読んでるんだ?」

乃々「……あ、拓海……さん……」

拓海「あとは帰るだけで暇なんだ、1冊貸してくんねェか?」

乃々「……いいですけど……どうぞ……」

拓海「ありがとよ」

ぺら ぺら

乃々「……」

拓海「……」

114: 2013/01/31(木) 06:46:53.48
ぺら ぺら

乃々「……」

拓海「……!?」

ぺら ……

乃々「……」

拓海「な、な、な……」

乃々「?」

拓海「何なんだこれはよおおお!?」

乃々「ひぃっ!?」

拓海「最近の少女マンガってのはこんなに刺激が強いのかァ!?」

115: 2013/01/31(木) 06:52:00.19
乃々「そ……そうですけど……」

拓海「あー……これはだめだ、返す」

乃々「そ、そうですか……」

拓海「あとな、男が居るところであまり読まないほうがいいぞ」

乃々「……?」






116: 2013/01/31(木) 06:58:26.63
P「今日は少し時間に余裕がありますね」

ちひろ「そうですね……あら、雨が……」

P「あー、ちょっと拓海を迎えに行ってきます」

ちひろ「わかりました」

ばたん

ちひろ「入れ込んじゃって、まあ……ふふっ」

―――――

―――



拓海「ったく……雨たァついてねェな……傘あってよかった」

117: 2013/01/31(木) 07:04:00.01
にー

拓海「……ん?」

にー にー

拓海「……猫、か」

にー

拓海「お母さんはどうした? はは、ずぶ濡れじゃないかお前……」

ひょいっ


にー?

拓海「寒そうだな……胸元つっこんどくか……」

にー にー

拓海「コラ、暴れんなって……」

にー!

118: 2013/01/31(木) 07:10:23.04
拓海「お前はかわいいな、それに比べて……オイ、いつから見てた」

P「ん? 猫に話しかけたあたりから」

拓海「はぁぁぁぁ……」

P「まぁいいさ、乗れ」

拓海「……迎えにきたのか? アタシを?」

P「じゃあ猫だけ乗せてくわ」

拓海「減らず口だな……わかった、行くよ」

P「それでいいんだよ」

拓海「ふん……」

―――――

―――


119: 2013/01/31(木) 07:15:01.41
拓海「なァP、お前飼ってみねーか?」

P「お前をか?」

拓海「アタシじゃねーよバカか!」

P「あはははは! 生憎猫アレルギーでな」

拓海「そうか……どうすっかな」

P「知り合いの猫カフェに持っていってみるか?」

拓海「顔広いな」

P「ダテに業界人じゃないってことよ」

拓海「ふぅん……」

P「……」

拓海「なァ……」

P「どうした」

121: 2013/01/31(木) 07:21:14.40
拓海「アンタは、アタシらしくないって言わないのか?」

P「んー?」

拓海「そんなキャラじゃないとか、言わないのかって」

P「別に、拓海は優しいからキャラじゃないとかじゃないだろ」

拓海「バカっ……」

P「乃々とかの面倒も良く見てる姉御肌、猫を助けたって何の不思議も無い」

拓海「流石だよ、アンタは」

P「何がだ?」

拓海「いや、こっちの話だ……ふふ」

P「あー、制服姿はお前らしくないや」

拓海「言うなァ!」






123: 2013/01/31(木) 07:26:01.82
拓海(皆帰ったな?)

カチッ ~~♪

拓海「右足出して、前向いてターンして……」

拓海(いい調子だな、これならもうちょっと難易度上げて)

拓海「ボックス踏んでからクロスさせてうぎっ!?」

ばたん

拓海「痛てててて……」

がちゃ

P「拓海!?」

拓海「んな……なんでいるんだよォ!?」

P「事務所の明かりが点いてたから泥棒でもいたかと思ったんだよ!」

拓海「ったく……」

125: 2013/01/31(木) 07:31:34.41
P「それで、足は?」

拓海「こんなのちょろ痛っ!?」

P「動くなよ」

拓海「お、おいィ!」

P「動くなっての!」

拓海(これって乃々がされてたお姫様抱っこじゃねーか……)

P「まだ痛むか?」

拓海(アイツの漫画には確かこの後……いやいや忘れろ忘れろ!)

P(なんで暴れないのこいつ、気まずい……)

拓海(あ……あれ? コイツってこんなに格好良かったっけか?)

P(あれ? こいつこんなしおらしかったっけ?)

128: 2013/01/31(木) 07:36:05.24
拓海(やば……ちょっと待てよ何でドキドキしてんだアタシはよォ!?)

P「大丈夫か?」

拓海「も、もう下ろしてくれ……」

P「お、おう」

拓海「着替えるから……終わったら呼ぶから……外で待っててくれ」

P「わかった」

ばたん

拓海「っはー! 何なんだよ一体!」

拓海「アタシが、アイツに……?」

がちゃ

P「お、大丈夫そうだな」

拓海「あ、ああ……悪いけど送ってくれ……あまり歩けねェ」

130: 2013/01/31(木) 07:43:34.17
P「わかった、肩貸してやる」

拓海「世話になりっぱなしですまねェ……」

P「何言ってんだ娘っ子が、まだ未成年だろ」

拓海「そう言われたらそうだけどよ……」

P「頼れるだけ頼れよ、特攻隊長」

拓海「へへっ、懐かしいな」

P「さあ、乗れな」

拓海「ああ、そうだP……今度ツーリング行こうぜ」

P「いいな」

拓海「へへ、約束な」

P「おうよ」






131: 2013/01/31(木) 07:48:02.07
早苗「どうしたの?」

美世「相談なんて珍しいじゃないの」

拓海「あー、すまねェ」

早苗「まぁまぁ聞いてあげようじゃないか」

拓海「聞けるのがアンタらくらいしかいなくてな」

美世「ふーん?」

拓海「口外すんなよ? そのな、惚れたかもしれねぇんだ……」

早苗「はぁああああ!?」

美世「ええ、えええ!?」

拓海「静かにしてくれ!」

137: 2013/01/31(木) 08:48:53.16
早苗「えー、あの特攻隊長の拓海ちゃんが恋ねぇ……?」

美世「なんだかんだ言っても女の子だねぇ?」

拓海「うっせェな!」

美世「ごめんごめん、それで、どうしたいの?」

拓海「今度ツーリング行く約束したんだけど、どうしたらいいよ?」

乃々「それなら……」

響子「お弁当ですよ! お弁当!」

拓海「テメーらどっから沸いた!」

響子「細かいことは気にしちゃダメです、まずは胃袋からですよ!」

乃々「……ロマンス……いいなぁー……」

響子「お弁当作るの教えますっ! ささ、寮の私の部屋へ!」

拓海「お、おいィ!?」

乃々「わ、私も行きます……」

ばたん

141: 2013/01/31(木) 08:53:19.99
早苗「あーあ、拓海ちゃんが女になっちゃうかー」

美世「アイドルとしてその発言はどうなんですか?」

早苗「気にしない気にしない」

美世「拓海ちゃん、かわいくなりましたもんね」

早苗「そうねー、角が取れて丸々っとしちゃってまー」

美世「さて、あの鈍感さんは気付くかな?」

早苗「気付くってか脈アリだと思うよ?」

美世「ですよね……んん、楽しみだなぁ」

早苗「どっちが?」

美世「……どういう意味ですか?」

早苗「美世ちゃんが一番わかってるんじゃない?」

美世「……どっちでも、嬉しいかもしれません」

早苗「正直でよろしい☆」

142: 2013/01/31(木) 08:59:10.95
ぶろろろろろ

拓海「よォ、待ったか?」

P「時間通りだな、待ってないよ」

拓海「じゃあ、行こうぜ」

P「おう」

拓海「しっかり掴まってろよ?」

P「ああ、わかった」

ぎゅう

拓海「……へっ」

P「何だ?」

拓海「さぁ……行くぜェ……!」

P「おううう!? 早い早い!」

拓海「言ったろ!? しっかり掴まってろって!」

144: 2013/01/31(木) 09:06:20.75
―――――

―――



P「いい景色じゃないか」

拓海「ああ、アイドルになる前はよく来てたからな」

P「穴場ってやつだな」

拓海「知ってるのは美世とかくらい……のはず」

P「美世も知ってるのか、どうして俺を連れてこようと思ったんだ?」

拓海「アンタはアタシの恩人だからな、取って置きを見せたってワケだ」

P「それはありがたいな、でも恩人ってのは言いすぎじゃないか?」

拓海「拾われた恩ってのはデカいんだよ、それとな」

P「?」

147: 2013/01/31(木) 09:11:12.43
拓海「べ、弁当作ってきたんだ……食べて……みるか?」

P「何ィ!? おまえ料理できたのか!」

拓海「うるせェ! 練習したんだよ!」

P「え」

拓海「……! と、とにかく食ってみろよ!」

P「ありがとな」

拓海「撫でるなっての」

P「ん……」

拓海「ど、どう……だ……?」

P「大丈夫、美味いよ」

拓海「へへへ……そりゃ良かった」

148: 2013/01/31(木) 09:16:41.71
P「で、お前の飯は?」

拓海「ちゃんと二つ用意したっての」

P「ほう、お約束は無視か」

拓海「何だよお約束って」

P「弁当に必氏で自分のを忘れるってやつ」

拓海「アホか、んなことする訳ねーだろ」

P「しかし料理の練習といい、弁当といい、女らしくなったな」

拓海「はァ?」

P「よし、次の撮影のテーマ決めた」

拓海「こんな所まで来て仕事の話かよ」

P「悪い悪い……卵焼きもきちんと味ついてるな」

149: 2013/01/31(木) 09:24:15.47
拓海「自信作だからな」

P「将来、いい奥さんになるかもな」

拓海「な!?」

P「まぁ、その前にグラビアクイーンになって貰わんとな」

拓海「ぐ……頑張るけどよ」

P「不安か?」

拓海「アタシが不安がってたら気持ち悪いだろ?」

P「また馬鹿言って、不安なときは言えっての」

拓海「そのときが来たら言うから心配すんな」

P「うん、それでいい……ごちそうさま」

151: 2013/01/31(木) 09:29:49.67
拓海「お粗末様、だっけか?」

P「うろ覚えだなー」

拓海「仕方ねェだろ……さ、帰るか」

P「もう帰るか?」

拓海「ここらの道は夕方一気に暗くなって危ねェからな」

P「わかった」

拓海「じゃあ、しっかり掴まってろよ?」

―――――

―――


152: 2013/01/31(木) 09:35:05.95
P「今日は楽しかったし、いいリフレッシュになったよ。 ありがとう」

拓海「アタシも……アレだ、楽しかった、うん」

P「弁当ありがとうな、また機会有ったら頼むわ」

拓海「あ、ああ……わかった」

P「じゃあな」

拓海「おう」






153: 2013/01/31(木) 09:41:03.30
拓海「……なァ」

P「ん?」

拓海「本当にこのカッコでいいのか……?」

P「それで合ってるはずだけど」

拓海「流石にヒラヒラにも慣れてきたけどよ……誰が得すんだこれ」

P「そら雑誌をみる皆々様よ」

拓海「これ、オマエの趣味なのか?」

P「半分半分かな」

拓海「何と半分だよ……ハラァ決まってるからいいけどよ……」

P「じゃあ行ってらっしゃい」

159: 2013/01/31(木) 10:18:27.42
拓海「気まぐれだ、たまにはPが指示出してみろよ」

P「いいぞ、やってろうじゃないか」

拓海「……近くで見られるのもなんかな……」

P「拓海ー、顔笑ってないぞー」

拓海「あァ? ほら作ったぞ」

P「そしてポーズ、こうだ!」

拓海「こ、こうか? は、はいポーズッ!」

P「そして決め台詞!」

拓海「は!? んなもんねぇよ!」

P「たくみんスマイル☆ はいこれ!」

拓海「アタシもPに拾われたのが運の尽きか……た、たくみんスマイル☆」

「……」

拓海「オイせめて笑えよ、どうすんだこの空気!」

162: 2013/01/31(木) 10:37:40.60
P「イエス!」

拓海「イエスじゃねぇよ!」

「あははははは!」

拓海「うがああ! もう何でも来いだ!」

P「じゃあ次はこうな」

拓海「そんなことやらせんのかよォ!?」

―――――

―――


163: 2013/01/31(木) 10:44:18.44
P「はー面白かった」

拓海「てめぇな……」

P「なんだかんだ楽しんでたじゃん」

拓海「そうだけどよ……あのよ」

P「なんだ?」

拓海「今日のあの衣装、オマエの好みなんだろ?」

P「半分はな」

拓海「だったらよ……二人きりの時によ……言わせんな!」

P「何がだよ」

拓海「オイ、顔がニヤけてるぞ」

P「あんなに楽しそうに仕事する拓海は初めて見たからな」

拓海「……ふん」

165: 2013/01/31(木) 10:53:26.67
P「ま、拓海が楽しいならいいか」

拓海「……オイ、P」

P「なんだ?」

拓海「あー……二つだけ、答えてくれ」

P「いいぞ、俺に答えられることならな」

拓海「じゃあ……アタシは、アンタの期待に答えられているか?」

P「ああ、申し分ないほどに」

拓海「そうか、なら良い」

P「で、もう一つは?」

拓海「アタシが、アンタに惚れてるっていったら……迷惑か?」


おわり

173: 2013/01/31(木) 11:06:13.81
さるさん面倒だね

長時間支援ありがとうね

たくみんかわいいよたくみん

ブロロン!(寝る!)

174: 2013/01/31(木) 11:06:31.58
良かったよおつ

引用元: モバP「拾った」