1:◆TDuorh6/aM 2018/01/21(日) 22:46:22.20

これはモバマスssです


2: 2018/01/21(日) 22:47:35.57

P「カップ麺食べたい」

響子「ダメです」

P「はい……」

響子「それでは、レッスン行ってきますね!」

P「行ってらっしゃい……」

バタン

P「……」

ちひろ「……」

P「……ちひろさん」

ちひろ「ダメです」

P「はい……」


3: 2018/01/21(日) 22:48:02.33


P「なんでこうなるんだよ……俺はただ、カップ麺が食べたかっただけなのに……」

ちひろ「それはそうですよ、誰だって止めます。以前貴方がどれだけカップ麺を食べてたと思ってるんですか!」

P「一日に三つだけです!」

ちひろ「一日一食しか食べてなかったのに、ですから!」

P「いやほら、朝ってお腹空かないじゃないですか」

ちひろ「分かりますけど。健康的には最悪ですよ」

P「お昼、正直飯食べる暇あったら働きたいじゃないですか」

ちひろ「いや、意味がわからないです」

P「働かせてる奴が何を言っているのか」

ちひろ「は?」

P「すみません……」


4: 2018/01/21(日) 22:48:28.29


ちひろ「つべこべ言わず働いて下さい」

P「はい……」カタカタカタ

ちひろ「……」カタカタカタ

P「…………」カタカタカッ

ちひろ「…………」カタカタカタ

P「…………」カタカタカップ

ちひろ「…………」

P「…………」カップメン

ちひろ「タイピングでカップ麺食べたいアピールやめません?」

P「っ?!俺、無意識のうちに……」

5: 2018/01/21(日) 22:48:56.81



P「……1つだけなら……もう3日も何も食べてないんです……」

ちひろ「プロデューサーさんの食事の選択肢、カップ麺以外ないんですか?」

P「帰ってちゃんと料理する程体力残ってないんで……」

ガチャッ!

響子「呼びましたかっ?!」

P「……響子、頼むから……カップ麺……」

響子「ダメです」

P「……はい」

響子「……か、代わりに今日の晩御飯……私が振る舞っちゃいます!」

P「響子が……カップ麺を振る舞ってくれる……」

響子「いや、カップ麺は振る舞いませんけど……」

P「じゃあ、何を……」

響子「今日の晩御飯ですっ!」

P「晩御飯……カップ麺……」

響子「カップ麺じゃありませんけど……」

P「え、晩御飯ってカップ麺以外あるの?!」

ちひろ「カップ麺以外の食事を取った場合、早過ぎる朝ご飯に認識すり替えるのやめませんか?」

6: 2018/01/21(日) 22:49:22.46


ちひろ「それと、アイドルが担当プロデューサーの家に晩御飯を作りに行くなんて立場上認められません!」

P「朝食なら?」

ちひろ「なんで許されると思ったんですか?」

P「でももう割と結構作りに来て貰っちゃってますし……」

響子「だからこそ、不安になっちゃうんですっ!私が作らないと、本当にいつもカップ麺じゃないですか」

P「だって美味しくて楽だし……」

響子「プロデューサーさん。鍵、開けておいて下さいねっ!」

P「なら大丈夫だ、いつも掛けてないから」

ちひろ「響子ちゃん、ダメですよ?」

響子「ちひろさんっ!私っ!お料理っ!得意なんですっ!!」

ちひろ「圧力凄いですね……」

P「ダメですか?」

ちひろ「ダメです」


7: 2018/01/21(日) 22:49:49.66



~夕方、P宅~

響子(プロデューサーさんが帰ってくる前に、色々と仕込みを終えておこうと思いますっ!)

ガサゴソ、ガサゴソ

響子「……え……もうっ!またカップ麺買ってる!前回来た時にもう買わないって約束したのに……」

響子「こーんな手抜き愛抜き不健康な塊の何処が良いんだろ……」

響子「……敵を倒すにはまず情報から。一回食べて解析する必要があるかも知れませんね」

1分後

ティファアル「ぷぉー!」

響子「……お湯、沸くの早いなぁ……」

響子「作り方も蓋を開けてお湯を注いで待つだけ……確かに手軽ですね」

響子「これは……侮れませんっ!」

3分後

響子「…………」グゥゥ

響子(……良い匂いが……そろそろですかね)

響子「……」ぺリッ

緑色のたぬき「ぶぁぁぁぁぁっ……」

響子「……美味しそう……」ゴクリ

響子「だ、ダメですっ!カップ麺なんかに、私は負けたりーー」


8: 2018/01/21(日) 22:50:16.00



P「ただいまー……ん?」

響子「……おかえりなさい、プロデューサーさん……うぅ……」ズルズルッ

P「ど、どうしたんだ響子!」

響子「思ったより、カップ麺が美味しかったんです……うぁぅ……」

P「な、なら良かった。俺としても、響子にこの手軽さと美味しさを理解してもらえて嬉しいよ」

響子「夕ご飯、準備出来てないんです……」

P「なら、さ。一緒に……カップ麺、食べよう」

響子「……はいっ!」


9: 2018/01/21(日) 22:50:42.85


ちひろ「プロデューサーさん、今日は随分と調子が良いみたいですね」

P「カップ麺の規制が解除されたんですよ」

ちひろ「え……?あの響子ちゃんが、ですか?」

P「響子もカップ麺の良さを分かってくれたんです。とは言え、以前程カップ麺だけで暮らしてる訳じゃないですけどね」

ちひろ「自炊もしてるんですか?」

P「響子が作りに来てくれてるんです」

ちひろ「断りましょう」

P「……後ろ向きに検討しておきます」

がちゃっ!

響子「プロデューサーさん!今日新発売のカップ麺、一緒に食べませんかっ?!」

P「おうっ!」

10: 2018/01/21(日) 22:51:09.87


P(響子がカップ麺の良さを理解してくれて、本当に良かった)

P(勿論それでも響子は、夜は手料理を振舞ってくれて)

P(お昼は新しいカップ麺を食べて、こんな味も悪くないな、なんて話し合って)

P(幸せな日々を、送れていた)

P(なのに……その、筈だったのに)

11: 2018/01/21(日) 22:51:39.05



P「ゔぁー……付き合いで飲まされて頭痛い……」

ガチャ

P(……ん?こんな時間なのに、俺の家に誰かいる……?)

響子「……お帰りなさい、プロデューサーさん」

P「きょ、響子っ?!」

響子「……何時に帰って来れますか?って、連絡しましたよね?」

P「す、すまん……スマホ開くタイミングが無くて……」

響子「……だから、帰ってくる時間が分からなくて晩御飯用意出来て無いんです」

P「ほんっとうにすまん……以後気をつける」

響子「……なんて、えへへっ!こんな時こそカップ麺ですよねっ!直ぐに出来上がりますからっ!!」

P「……響子?」

響子「お湯は沸かしてありますから、プロデューサーさんは座って待ってて下さい!」

P「……お、おう……ありがとう……」

12: 2018/01/21(日) 22:52:07.19



P(そんな出来事があってから)

P(夕ご飯に、カップ麺が出される機会がどんどん増えた)

P(勿論美味しいっちゃ美味しい、が……)

P(それはつまり、響子にとって……)

P(今日もまた響子はカップ麺を食べていた)

P(最近響子は、ずっとカップ麺を食べている気がする)

P(その笑顔に、以前の太陽のような輝きは無くて)

P(そして……)


13: 2018/01/21(日) 22:52:33.85



ちひろ「ふー……今年一年、お疲れ様でした。それでは、良いお年を」

P「はい、良いお年を」

P(12/31、大晦日。俺は仕事を終えて会社を出た)

P(既にもう22時を回っていて、家に着く頃には23時くらいになるだろう)

P「……ん?」

P(家の電気が、点いていた)

P「響子、こんな日も来てくれて……っ!」

P(嫌な予感がした。急いで鍵を開けて、リビングに向かう)

P(そこには……)

響子「ずるずるっ……お帰りなさい……ずるずっ……プロデューサー……さん……」

P(無表情で、カップ蕎麦をすする響子が居た)


14: 2018/01/21(日) 22:53:02.69



響子「……美味しいですよね、カップ麺……とっても手軽ですし、プロデューサーさんの口にも合うみたいで……」

P「……違う……そうじゃない……っ!」

響子「いつ帰ってくるか、何時になるか分からない人には……ぴったりの時間に暖かい料理を振る舞うより、よっぽと簡単ですから……」

P「俺は、ただ……響子にカップ麺の良さを……」

響子「分かってます、理解しました。とっても素敵ですよね。こうして大晦日の夜に、プロデューサーさんを待ちながら一人で食べてましたから」

P(違う、そうじゃないんだ!俺は……)

P(ずっとカップ麺ばかり食べている人を見ると、こんなにも不安になるのか。体調が気になってしまうのか)

P(それを響子は、ずっと俺に対して思ってくれていて……)

P(でも、それ以上に。やっと、気付けた事があった)

P(失って、初めて気付いた。大切なモノ、嬉しかったモノ。それが当たり前になり掛けていたせいで、今まで気付かなかったんだ)

P「……俺は……響子の手料理が、食べたいんだ……っ!」

響子「……え……?」

P「俺はな……響子……っ!お前が茹でた蕎麦で、年を越したいんだ……!!」

響子「……あ……」

P「お前が俺の為に茹でてくれた蕎麦をっ!愛情がこもった健康な蕎麦を!お湯を注げば出来上がる温かさなんて、俺は……俺はっ!」

響子「わ、わた……し……」

P「俺が悪かった!遅かったかもしれない!響子を傷付けたのは間違いない!それでも!もう一度チャンスをくれないか?!」

響子「ぁ……うぁぁ……あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


15: 2018/01/21(日) 22:53:29.49



響子「私はっ!プロデューサーさんに、美味しい夕ご飯を作ってあげたかったのにっ!なのに……っ!いつ、間違えちゃったんだろう……うぅぁぁっ!!」

P「ごめん……!ごめん、響子っ!俺に……蕎麦を、茹でてくれっ!!」

響子「……っ!はい……っ!任せて下さいっ!お料理、得意なんですっ!」

P(二人で涙を流しながら、強く抱きしめあって)

P(やっと、心は通じ合えた。もう、こんな思いをさせはしない)

P(それからしばらくして、どちらからともなく蕎麦を打ち始める)

P(お湯の注がれたカップ蕎麦は、既に伸びきっていたーー)


16: 2018/01/21(日) 22:53:57.86



P「って訳で、色々と心配おかけしました。あと明けましておめでとうございます」

ちひろ「明けましておめでとうございます」

響子「プロデューサーさんっ!今夜も、その……一緒に蕎麦を打ちませんか?」

P「……おい、響子……そう言うのは二人っきりの時に」

響子「そ、そうですよねっ!」

P「……麺棒、手入れしとくから」

響子「……まな板、綺麗に洗って待ってます」

バタンッ

P「ふー……夜はカップじゃなくて手作りの蕎麦だなぁ!」

ちひろ「だめです」

P「……ちひろさん」

ちひろ「だめです」

P「俺、響子にそばつゆなんです」

ちひろ「一生独りでカップ麺食べてて下さい」



17: 2018/01/21(日) 22:56:09.72

以上です
あけまして、おめでとうございます
お付き合い、ありがとうございました

18: 2018/01/21(日) 23:02:16.52
どうして最後そうなった

引用元: モバP「カップ麺食べたい」響子「ダメです」