10: 2013/02/07(木) 11:42:37.14
やよい「そんなんじゃだめですっ、プロデューサー!」

P「えっ な、なにが?」

やよい「だらしない生活をしてたら心までばっちくなっちゃうかなーって!」

P「今日のやよいは厳しいなぁ……いいじゃないか、見た目はちゃんと清潔にしてるんだし」

P「ただ、去年布団を出したっきりまだ洗っても干してもないってだけだろ。あっはっは!」

やよい「うわああああ!!」

P「」ビクッ

やよい「そ、その部屋を想像するだけで、私……もうだめです……ぞわぞわーって……」ゾワゾワ

P「ひどい言い草だな……俺は一応その部屋で生活してるんだぞ」

やよい「……プロデューサーっ! もうわたし、決めました!」

P「え?」

やよい「プロデューサーのおうちに、お掃除しに行きますっ!」

12: 2013/02/07(木) 11:54:00.01
(次の日のお仕事が終わって……)


ガチャ

P「さ、入ってくれ」

やよい「はーい! おっじゃましまーっす!」

P「いやー、助かるよ、掃除しにきてくれるなんてさ」

やよい「だって私、プロデューサーの心がこれ以上ばっちくなったら、かなしいですから……」

P「な、なんだかやよい、昨日からちょくちょく発言にトゲがあるな……」

やよい「えっへへー、だから今日は気合を入れて、ババーンって綺麗にしちゃいますよっ!」

P「ああ、よろしく頼むな。お礼に今度、おいしいものでも食べに行こう」

やよい「うっうー! それ、すーっごく楽しみかもで……」

ゴチャァ……

やよい「え……」

P「どうした?」

やよい「……あの、プロデューサー……本当に、ここに住んでるんですか?」

P(いけない。あまりの部屋の汚さにやよいがびっくりしちゃったみたいだ)

15: 2013/02/07(木) 12:01:39.04
P「やよいが来るってことになって、一応、軽く部屋を掃除したんだけどな……」

P(見られてはイケない本やビデオも隠したし)

やよい「でっ、でもでも! た、食べかけのおにぎりとか、飲みかけのペットボトルとかがっ」

P「あー、あとで食べようと思って」

やよい「食べるんですかっ!?」

P「う、うん……あれ、おかしいかな?」

やよい「……あの、私、食べ物をソマツにするのは、たしかにゼッタイだめだって思います」

やよい「でも、床に落ちてる食べ物を食べるのは、もっとだめかなーって……」

P「床じゃないよ、ほら、よく見るんだ」

やよい「え……?」

P「これ、テーブルだから」

やよい「……」

P(かわいそうに、いつも元気なやよいが言葉を失ってしまった)

16: 2013/02/07(木) 12:07:40.10
やよい「……プロデューサー!」

P「は、はい」

やよい「プロデューサーも手を上げてください」スッ

P「お、なんだなんだ? いつものあれか」スッ

やよい「ハイ、ターッチ!」

P「ターッチ!」

パチンッ

P「いぇー……」

やよい「イェイ!!!!」

P「」ビクッ

やよい「メラメラーって気合が入りました……もう私、とことんガンバっちゃいますっ! うっうー!」

P「そ、そっか! あは、あはは、頑張ろうな!」

やよい「はいっ!」

P(こうしてようやく、お掃除が始まったのであった)

18: 2013/02/07(木) 12:17:32.19
やよい「それで、その……お布団は、どこにあるんですか?」

P「ああ、今出すからな」ガラッ

P「よいしょ……っと」ドサッ

ぶわっ

やよい「けほっこほっ」

P「あぁっ、ごめん! 埃が舞っちゃったな」

やよい「いえ……だいじょぶですっ! 埃なんかに負けませんっ!」

P「マスク、買ってくれば良かったかな」

やよい「私も、まさかここまでだとは思っていませんでしたから……」

P(ちなみに……)

P(今は押入れから布団を出したけど、本当は万年床なのはやよいには秘密である)

やよい「それじゃあ私、まずはお布団を洗濯しちゃいますから、プロデューサーはゴミ捨て、お願いしまーす!」

P「ゴミ? ゴミなんてそれほど……」

やよい「食べかけの食べ物、ゼンブですっ! あとあと、あれもこれも……」

P「は、はいっ!」

19: 2013/02/07(木) 12:23:54.24
P「しっかし、布団を家で洗濯なんて出来るもんなんだなー」

やよい「えっ」

P「布団ってさ、普通、クリーニングに出して洗うもんだろ?」

やよい「すごいですっ! プロデューサー、やっぱりお金持ちなんですねっ!」

P「えっ」

やよい「だって、二週間に一回くらい、クリーニング屋さんを使ってるんですよね?」

P「いや……季節ごとだけど……」

やよい「……」

P「あの……」

やよい「えっへへー、ゴミ捨て、お願いしまーす!」

P「はい」

24: 2013/02/07(木) 12:33:28.17
P「さーってと……じゃあいい加減、はじめるかー」

やよい「はいっ!」

P「ゴミ袋ゴミ袋……あー、どこにやったっけかな……」

ガサゴソ

やよい「……よーっし!」

やよい(私はまず、このお布団を洗濯しちゃおーっと!)

やよい(プロデューサーの汗がしみこんじゃってるから、きっとすごいことになってるはず……)

やよい(でも私、どんな汚れがあったって、負けません! ゼッタイにこのお部屋を綺麗にしてみせます!)

やよい「えーっと、まずはシーツをとって……」

ジー……

やよい「あれ?」クンクン

やよい(……床に広げたお布団に近づいたら、なんか、ふわーって匂いが)

やよい「……」スンスン

やよい「なんだろー、これ……」

25: 2013/02/07(木) 12:39:51.73
やよい「お布団にしみついた、汗の匂いかな?」

やよい「でもでも、汗のツーンとした匂いとは、ちょっと違うような……」

やよい「……」クンクン

やよい(きっと、あんまり嗅いじゃだめだよね……お部屋のにおいを嗅ぐなんて、失礼だもん)

やよい(で、でも……)

やよい「……」チラッ


P「お、懐かしいなーこの漫画……こんなところにあったのか」


やよい「……」

やよい(……でも、もうちょっとだけ)

28: 2013/02/07(木) 12:49:38.12
やよい「……すんすん」

やよい(やっぱり、このお布団の匂いだ……)

やよい(……なんか、フシギな匂い……)

やよい(甘いお菓子の匂いとか、そいういう良い匂いじゃないのに──)

P「あっはっは!」

やよい「!」ビクンッ

やよい「ぷ、プロデューサー! ごめんなさ……」

P「いやー、読み返してみると面白いなーこれ! ひー苦しい!」

やよい「……」

やよい(ホントは、だめですよっ! って言わなきゃいけないんだけど……)

やよい(……も、もう……もうちょっとだけっ!)

やよい「……くんくん……」

32: 2013/02/07(木) 12:57:10.98
やよい「すー……はー……」

やよい「うぅ……とまんない……!」カァァ

やよい(なんだか、悪いことしてる気がして、体もぽかぽかしてきました……)

やよい(どこかで嗅いだことがあるにおいな気がするんだけど……)


やよい「……敷き布団で、これなら……」

やよい「ま、枕は……どーなってるのかな?」

やよい「……」


やよい(も、もしこの匂いが、悪い匂いだったらタイヘンだから……ちぇ、チェックしないと)

やよい(うん……そうですっ、これは、確かめるだけで──)


くんくん……


やよい「……!」

34: 2013/02/07(木) 13:04:55.97
やよい「ふわぁー……」

やよい(さっきより、すごい……!)

やよい(なんか、もっともっと、嗅いでみたくなっちゃう……)


ぎゅぅ……


やよい「……」

やよい「……だっ、だめ!」ガバッ

やよい「わたし、今日はお掃除しにきたんだからっ!」

やよい「も、もうっ、こんなの終わりにしなきゃ──」


P「ん? なんか声が聞こえたけど、どーした、やよ……」


やよい「……zzz……」

P「……ふふ。今日も仕事だったし、疲れてたのかな」

P「掃除もしなくちゃいけないが、少しだけ寝かせといてあげようか……」


やよい(私いますっごく悪い子な気がします!!!!!)

37: 2013/02/07(木) 13:12:36.34
やよい「うぅ……」モゾモゾ

やよい(なんで寝たふりなんてしちゃったんだろー……)

やよい(でも……)


くんくん……


やよい「……」

やよい(……この匂いを嗅いでると、体がふわーってなって、心がぽわーってなって)

やよい(ちょっと、幸せかもです……)


やよい「……えへへ……」

やよい(なんだか、ほんとに……ねむくなって……)


やよい「すぅ……すぅ……」

P「やよいは寝顔もかわいいなぁ。写メ撮っとこっと」ピロリン

43: 2013/02/07(木) 13:45:18.10
『──偉いぞやよい、よくやったな!』

『ああ、この調子でいけば、トップアイドルだってすぐなれるさ!』

『これからも頑張ろうな!』


  *  *  *


やよい「ん……」パチッ

やよい「……」


もぞもぞ……


やよい「……ここって……」ポー

やよい「あ、そっか……私、今日……」

やよい「えへへ……」


やよい「プロデューサーのお布団……」クンクン

45: 2013/02/07(木) 13:50:03.21
 

やよい「──わぁぁっ!」ガバッ


やよい「わ、私……うぅ、なんでこんなこと……」カァァ

やよい「ぷ、プロデューサー、あの──あれ?」


P「ぐがー……ぐがー……」


やよい「……プロデューサーも、寝ちゃってる」

やよい(どれくらい寝ちゃってたのかな)チラッ

やよい(……三十分くらい)


やよい「……みんなの夜ご飯も作らなきゃだし」

やよい「もう、ほんとにお掃除しなきゃ……」

47: 2013/02/07(木) 13:55:53.87
やよい「プロデューサー、プロデューサー!」ユサユサ

P「んー……なんだ、もう朝かー……?」

やよい「起きてくださいっ! お掃除しちゃいますよっ!」

P「あー、そっか……ふわ~ぁ……」

やよい「……!」

P「……よっし、もう起きたぞ! ごめんなー、やよい。ついつい、俺まで眠くなっちゃってさ」

やよい「い、いえ……最初に寝ちゃったのは、私ですから……」

P「ん? どうした、なんか顔が赤くなってる気がするけど」

やよい「なな、なんでもないでーっす! も、もうあんまり時間もないし、ババーっと掃除しちゃいましょう!」

P「ああ、そうだな!」

やよい「……」



やよい(今プロデューサーがあくびをして、ぐぐーって伸びたとき)

やよい(さっき嗅いだ、あの匂いが、また……)

48: 2013/02/07(木) 14:03:54.33
やよい「あぅ……」ドキドキ

やよい(なんか、へんな感じ……)

やよい(プロデューサーとはいつも近くにいるのに、こんなに匂いを感じたこと、今までなかったかも)

P「さーて、どこまで進んだっけかな……って、あはは、なんもやってないや」

やよい「お布団……」チラッ

P「やよい、さっきからどうしたんだ? チラチラしちゃって」

やよい「はわっ! だ、だいじょうぶですっ!」

P「そ、そっか。何が大丈夫なのかわかんないけど、大丈夫なら良かったよ」

やよい「はいっ! だからもう、お掃除しちゃいましょーうっ!」

P「おー!」



やよい(……私)

やよい(へんになっちゃったのかな)

50: 2013/02/07(木) 14:09:23.73
 
  *  *  *

P「……よーし! こんなもんかな」

やよい「んー……、そうですねっ!」

P「いやぁ、見違えるほど綺麗に片付いたよ。さすがやよいだな、主婦の鑑だ!」

やよい「えっへへー、ありがとうございまーっす!」

P「もうそろそろ、家に帰るんだろ? 送っていくよ」

やよい「えぇっ!? いーんですか?」

P「ああ。世話になっちゃったからな、これくらいお安い御用さ」

やよい「えへへ……それじゃあ、よろしくお願いしますっ!」

55: 2013/02/07(木) 14:17:18.02
(やよいの家の前……)


やよい「ええっ!? は、春香さんがついに……!?」

P「ああ……ついに、春香のおし──っと、やよいの家、ここか」

やよい「あ……」

P「やよい、今日はほんとにありがとうな」

やよい「いいんですっ。プロデューサーにはいつもお世話になってるから、これくらい……」

P「やよいは優しい子だなぁ。お礼のご飯、期待しててくれよ。とびっきりのとこに連れてってやるからさ!」

やよい「えっへへー、楽しみにしてますねっ!」

P「ああ。それじゃあ……、また明日な」

やよい「……」

P「ん、どうした?」

やよい「い、いえっ、その……お布団、ちゃんとこまめに洗ってくださいねっ!」

P「あはは……気をつけるよ。ちゃんと洗い方も教えてもらったし」

やよい「そ、それだけですっ! それじゃあ……」

P「うん。またなー!」

60: 2013/02/07(木) 14:27:28.45
 
──────
────
──

長介「モノマネ行くぞー。王貞治」スッ

浩太郎「うわーすごーい! そっくりー!」

長介「ランディ・バース」スッ

浩司「ばーす! ばーす!」

こうぞう「キャッキャッ」

やよい「ほーらみんな! いつまでも遊んでないで、お風呂入っちゃって!」

みんな「はーい」


  *  *  *


キュ、キュ

やよい「ふー……」

やよい「後片付け、やっとゼンブ終わりましたー……」

やよい(次は、えっと……みんなのお布団の用意しなきゃ)

62: 2013/02/07(木) 14:35:33.30
やよい「よい、しょ……っと」

ポフン

やよい「……お布団」

やよい(そういえば、あの匂いって……結局、なんだったのかな)

やよい(プロデューサーのにおい? それとも、男の人ってみんなそうなのかな……)

やよい(えっと……チョウスケのお布団は……)


くんくん……


やよい(んー……、なんにも匂い、しないかもー)

やよい(……それじゃあ、お父さんのお布団だと、どうだろう?)



やよい「……くんくん」

やよい「……」

やよい「あまりまやの好みじゃない」

64: 2013/02/07(木) 14:44:25.03
やよい「やっぱり、あれって……プロデューサーの……」

やよい「……もう一回、嗅いでみたいかも……」

やよい「……!」フルフル

やよい(だっ、だめだめ!)

やよい(そ、そんな、貴音さんといるときの雪歩さんみたいなことしたら、びっくりされちゃう……)

かすみ「やよいお姉ちゃん?」

やよい「!?」

かすみ「なにしてるの?」

やよい「う、ううん! なんでもないよっ!」

かすみ「そっか……ふわぁぁ……」

やよい「……ほら、お布団敷いたから……、カスミはもう寝ていいよ」ポンポン

かすみ「はーい……」

やよい「おやすみ……」


やよい(……わ、私は)

やよい(へんじゃない、もん)

69: 2013/02/07(木) 14:52:52.06
(次の日……765プロ事務所)


ガチャッ

やよい「おっはようございまーす……」

P「おーっ、やよいか。おはよう!」

やよい「どきっ!」

P「ど、どうした? 随分わかりやすくドキッとしたみたいだけど」

やよい「あう……なな、なんでもないでーっす! えへへ……」


やよい(うぅ……あれから、あんまり眠れませんでした)

やよい(寝ようとしてお布団の中に入ると、あの匂いがどっかにないかなって、探しちゃって)

やよい(でも結局、見つからなくて……)

71: 2013/02/07(木) 15:00:00.58
P「いやぁ、昨日は久しぶりに綺麗な部屋でぐっすり寝れたよ。改めて、ありがとな」

やよい「いえ……」

P「それで、えーっと……今日のやよいの予定は……」ペラッ

やよい「……」

やよい(プロデューサーの匂い)


P「……で、だな……──から、いつものように……」


やよい(今まであんまり、感じたことなかったのに……)


P「……よい? ──い、やよ……」


やよい(なんでだろー……今日は、すーっごく……)

やよい(……やっぱり、わたし──)


P「──おい、やよい!?」ユサユサ

やよい「はわっ! えっ、え!?」

P「だ、大丈夫か? 顔真っ赤だけど……」

72: 2013/02/07(木) 15:04:32.14
やよい「あっ、あのっ! 私、その……」

P「もしかして、熱でもあるんじゃないか?」

やよい「だ、大丈夫ですっ! でもごめんなさい、いま、あんまり話聞いてなくて……」

P「……今日はレッスンだけだし、キャンセルして病院行くか?」

やよい「平気ですっ!」

P「そうは言っても……」


ぴとっ


やよい「!!!」

P「ほら、おでこがこんなに熱くなって──」

やよい「……!!」


ぎゅっ

77: 2013/02/07(木) 15:11:42.05
P「え……」


ぎゅぅっ……


P「や、やよい? どうしたんだよ」

やよい「……ごめんなさい」

P「あー、いや、いいけど……むしろウェルカムだけど……」

やよい「……くんくん」

P「……俺、そんなに匂うか? ちゃんと風呂入ったんだけどな」

やよい「……」フルフル

やよい「私の好きなにおいです……」

P「そ、そっか! あはは……」

やよい「あの、プロデューサー」

P「な、なんだ?」

やよい「……ちょっとだけでいいから、私のことも」

やよい「ぎゅってして……もらえませんか?」

82: 2013/02/07(木) 15:18:31.19
P「で、でも……そうしたいのはやまやまなんだけど……」

P「ここは事務所だし、公共の場でそんなことしたら、最悪通報され……」

ガタッ

P「……がたっ?」チラッ

小鳥(ゴー! プロデューサーさんゴー!)●REC

P「……」

やよい「……あ、あの、やっぱり──」

P「……いや、いいんだ。もう色々と、後戻りできない段階になってたみたいだし」

やよい「え……」

P「やよいもさ、たまにはお姉さんって立場を忘れて、甘えたいんだよな」


ぎゅーっ


やよい「!」

P「こんな感じでいいかな……」

やよい「……も、もうちょっと強くお願いします」

86: 2013/02/07(木) 15:26:18.97
ぎゅぅぅぅ

やよい「! ……えへへ……」

P「こ、こんなもんでどうでしょうか」

やよい「はいっ! ……くんくん」

P「さっきから匂い嗅いでるみたいだけど……なんか、へんな匂いでもするかな?」

やよい「へんなのは、わたしです……」

P「お、おう……あ、いや、そんなことないぞ」

やよい「……良い匂い」

P「やよいの頭皮からも、甘くて良い香りがするよ……この匂いを香水にして身にまといたいって思う」

やよい「えっ」

P「いや……なんでもない」

やよい「そ、そーですか……」

96: 2013/02/07(木) 15:35:26.36
やよい「あの、プロデューサー……」

やよい「……私のこと、キライになっちゃいましたか……?」

P「え!? そんなわけないだろっ、何言ってるんだ!」

やよい「で、でも! こんなの、匂いを嗅いだりなんて、普通……しないから」

P「……そうかもしれないけどさ、でもそれくらい、なんだってんだ」

P「やよいが望むなら、俺は、裸になって匂いを嗅がせてやってもいいんだぞ……」

やよい「さすがにそれはいいかなーって……」

P「うん」

やよい「……えへへ」


ぎゅぅぅ……


やよい「すきです……」

P「!」

やよい「この匂い……だいすきかもです」

P「あ、そ、そう……匂いのことな、うん……」

99: 2013/02/07(木) 15:42:15.38
 
  *  *  *

やよい「えっへへー……ありがとうございましたっ!」

P「いや、いいんだよ……調子も戻ったみたいだし、みんなが来るまでもうちょっと待っててくれな」

やよい「はーいっ!」トテテ

P「さて……」チラッ



小鳥「はー……良いもの撮れたわ。PCにもデータ写しとこっと♪」

P「音無さん」

小鳥「はっ! ぷ、ぷぷ、プロデューサーさん」

P「……」

小鳥「ご、ごめんなさいっ! でも、データを消すのだけはご勘弁を~……!」

P「……ちがうんです」

小鳥「え?」

P「……俺にも、今の動画ください」

小鳥「……」グッ

102: 2013/02/07(木) 15:51:02.57
P「おー、よく撮れてるじゃないですか!」

小鳥「でしょう? こんな時のために、ビデオカメラ新調したんですよ」

P「実に良い仕事をする、事務員の鏡ですね!」

小鳥「ふふふ……それほどでも♪」

P「代わりと言ってはなんですけど……この、やよいの寝顔の写メをプレゼントしましょう」

小鳥「あらやだかわいい! ……って、こんなの、どこで撮ったんですか?」

P「あ」

小鳥「プロデューサーさ~ん……?」

P「し、仕事しましょう! ね!」

小鳥「ちょっと! 詳しく聞かせてくださいよぉ~!」




やよい「えへへー……」

やよい(……私、やっぱりちょっと、へんになっちゃったのかもしれません)

やよい(匂いを嗅いで、どきどきしたり……ぎゅってしてもらって、なんだか嬉しくなっちゃったり)

やよい(でも、なんだか……いま私、とっても幸せかもです)

105: 2013/02/07(木) 16:00:17.51
やよい(……でも……やっぱり、こうやって離れちゃうと……、すぐ匂いは忘れちゃいますね)

やよい(だから……)


小鳥「も、もしかして……プロデューサーという立場を利用して……」

小鳥「やよいちゃんを家に連れこんで、あんなことやこんなことを……!?」

P「ちっ、ちがいますっ! 音無さんが想像するようなことは……」

やよい「プロデューサー!」

P「おお、やよい! やよいからも説明してやってく──」

やよい「あの、お願いがあるんですけど……」

P「え、お願い? なんだ?」

やよい「今日も、おうちに行って……プロデューサーのお布団を借りても、いいですか?」

P「え……」

小鳥「……や」

P「え?」

小鳥「……やっぱりぃぃぃぃぃぃ!!!」

P「だからちがいますってば!!!」     おわり

110: 2013/02/07(木) 16:09:08.59
乙やよいかわいい

引用元: やよい「プロデューサーのお布団……」クンクン