1: 2013/02/08(金) 02:30:49.47
響「……」サッ サッサッ

P「……」サッ ダダダッ

響「あー、やられたぞ」

P「まだまだだな、響」

春香「え、えっとー、二人とも何をしてるんですか?」

響「お、春香じゃないか」

P「よう春香。今響とやってたのはエアバスケだ」

春香「エ、エアバスケ……?」

P「エアギターってあるだろ?あれのバスケ版だと思ってくれ」

響「プロデューサーはなかなか強いんだぞ」

春香「……」

5: 2013/02/08(金) 02:34:30.49
春香「その、強いとかっていうのはどうやって決まるんですか……?」

P「そりゃエアバスがうまい=強いってことだよ」

春香「あ、パントマイムみたいな感じですか?」

響「え?」

P「いや、エアバスだって立派なスポーツなんだぞ……?よく見てろよ?俺のドリブルテクを」サッサッサッサッ

響「おー!やっぱりすごいな」

春香「(ただ適当にドリブルっぽく手を動かしてるようにしか見えないよ……)」

P「とまあ、こんな感じだ。わかったか?」

春香「いえ、あんまり……」

P「えー」

6: 2013/02/08(金) 02:38:49.70
響「ひょっとしたら春香はあんまりエアバス向きじゃないのかもしれないな」

P「うーん、それじゃあ別のにするか……エア卓球なんかどうだ?」

響「賛成だぞ!」

春香「エ、エア卓球……?」

P「説明しなくてもわかるだろうが、エアバスケの卓球版だよ。サーブは響からで良いぞー」

響「ありがと!それじゃあ……サッ!」ヒュンッ

P「うおっ」サッ

響「もらった!」ヒヒュンッ

P「うわーめっちゃ速い!やっぱり経験者には勝てないな」

響「サァー!」

春香「……」

8: 2013/02/08(金) 02:43:23.68
P「どうだ、これもわからないか?」

春香「難しいですね……。ちなみに、他にはどんなのがあるんですか?」

P「えーっと、エアゴルフとエアテニス、エア野球、エアリフティング、エアシャドーボクシング……まあ色々と」

春香「そう、ですか……」

響「プロデューサー、あれやろうよあれ!」

P「お、エアマラソンだな?せっかくだから春香も一緒にやろう」

春香「私もですかあ?」

P「やってみたほうがわかりやすいかもしれないしな」

響「それじゃあエアマラソンは外でしかできないから表に行くぞー」

10: 2013/02/08(金) 02:47:56.42
P「じゃあ行くぞー。よーい、スタート」

響「ほっほっほっ」タッタッタッ

春香「え、え、あれ?普通に走るの?」

響「そりゃマラソンだから走るに決まってるだろー?」タッタッタッ

P「おいてくぞー」タッタッタッ

春香「ま、待ってくださいー!」

春香「(私走るの苦手なのになあ……)」タッタッタッ


一時間後


響「ふっ、ふっ、ふっ」

P「はあ、はあ、はあ」

春香「ぜぇ……ぜぇ……(いつまで走るの!?)」

12: 2013/02/08(金) 02:53:58.69
響「っ!」ダダダダダダ!!

春香「ひぃ……ひぃ……(なんで響ちゃん急に両手上げてダッシュを……?)」

響「いぃやったーゴール!一番だぞー!!」

春香「はあ!?」ドンガラガッシャン

P「ハアハア、くそー、俺は二位かー。ん、大丈夫か春香?」

春香「ハア、ハア、いや、どういうことですかっどこがゴールだったんですかっ?」

P「どこがゴールって……」

響「エアマラソンでそんなこと言われてもなあ……」

春香「これ、ただの、マラソンじゃないですかっ」ゼェゼェ

P「はは、距離も決まってないしタイムも計らないマラソンがどこにあるんだよ」

響「面白いこと言うなあ春香は」

春香「……」

13: 2013/02/08(金) 02:58:22.47
P「それじゃ、一通り遊んだし事務所に戻るか」

響「そうだな」

春香「え、どうやって帰るんですか?」

P「タクシーで」

春香「……」


in事務所


P「今日は春香もいたし楽しかったな」

響「本当だぞ。最近プロデューサーと二人でしか遊んでなかったからマンネリ気味だったしな」

春香「そうですか……。それはよかったです……」

P「じゃあどうせ明日も仕事ないし遊ぼうな!」

響「うん!」

春香「……」

14: 2013/02/08(金) 03:04:17.06
翌日

P「……」ジー

響「……」ジー

春香「おはようございます。今日はどんなくっだらない遊びをしてるんですか?」

P「ああ、これはエアTSUNAMIだよ」

春香「一応どんな遊びか教えてください」

P「見つめ合うと素直におしゃべりできないのを利用してTSUNAMIを聴いてる気分になろうっていう遊び」ジー

響「うーん、やっぱりプロデューサーと見つめ合うとつい照れ隠しでキツくあたっちゃうぞ」ジー

P「ははは、サザンオールスターズが隣にいるようだ」ジー

春香「私レッスン行ってきまーす」

15: 2013/02/08(金) 03:10:55.67
春香「(そんな奇妙な遊びを続けている二人を私はだんだん無視するようになっていたのですが、ある日、転機が訪れました)」

春香「はー、今日も転んじゃったしレッスンもキツかったよう」

?「ファンのみんなー!どうもありがとうー!」

春香「あれ?事務所の奥のほうから声が……なんだろう?」

響「今日は自分の新曲いっちゃうぞー!」

春香「!」

春香「(ひ、響ちゃんが……壁に向かって独り言を!)」

響「お気にー入ーりーのーリーボンー♪」

春香「(ど、どうしようっ……。見なかったことにできないかな……)」

16: 2013/02/08(金) 03:17:14.84
P「見てしまったのか、春香」

春香「ぷ、プロデューサーさん!」

P「あれを響が始めるようになって随分経つな……」

春香「プロデューサーさん……あれはいったい……?」

P「あれはな……エアライブだよ」

春香「エア、ライブ……?」

P「ああ。響がこの事務所に来てからまだ一度もライブが出来なくてな。練習のためにやり始めたんだそうだ」

春香「練習って……」

P「春香にも申し訳なく思ってるよ。俺のプロデュース能力が低いばかりにこんな……」

春香「……」

P「ある日偶然エアライブをしてる響を見つけたとき、俺の胸は張り裂けそうになったよ。こんな辛い思いをさせてたなんて」

P「だからせめて明るく過ごしてもらおうと思って生まれたのが今までのエアシリーズだ」

17: 2013/02/08(金) 03:23:03.62
春香「そうだったんですか……」

P「変に思ったかもしれないが、響のことを悪く思ったりしないでくれ。頼むよ」

春香「……大丈夫です。響ちゃんは、私たちの大切な仲間じゃないですか!」

P「春香……」

春香「それより、これからは私もエアシリーズに参加しますよ!」

P「本当か!?」

春香「もちろん!あ、今思いついたんですけど、エア縄跳びとか面白そうじゃないですか?ほらっ、こうやってっ」ピョンピョン

P「わあっ、縄の動きがいい感じだな!」

春香「後ろ跳びもできますよ!」ピョンピョン

P「面白そうだな!よーし、響を呼んでくるよ!」

19: 2013/02/08(金) 03:27:47.82
春香「(ふふふ、響ちゃん喜んでくれるかな?)」

P「おーい響ー」

春香「ほらほら、三重跳びですよ、三重跳び!」ピョーンピョーン

響「……」ニヤニヤ

春香「え?どうしたの響ちゃん。看板なんか持って……ってアレ?それって……」

響「ドッキリでしたー!」

P「引っかかったな!」

春香「えー!?やだー、もう信じられなーい!!」

響「エアなんとかとか、そんなので遊ぶわけないだろー!」

P「ははは、エア縄跳びだって!」

春香「ちょ、もうやーめーてーくーだーさーいー!」

21: 2013/02/08(金) 03:33:24.59
春香「もー、恥ずかしー!」

P「はいはいはい、それじゃ、カメラに向かってー」

春香響P「大成功!」


P「はい終了ーと」

響「結構楽しかったなー」

春香「うんうん、無駄に時間かけた甲斐があったというか」

P「本当、思ったより良い感じだったよな」

春香「この誰も観客が居ないところが良いですよね。誰かに見せてたらただのやらせドッキリですもんね」

響「春香が騙されたふりしてるのもまた良いよな。本当に騙されてたらただのドッキリだもんな」

P「うん、これは定番になりそうだな。エアドッキリ」

24: 2013/02/08(金) 03:37:40.88
春香「でもプロデューサーさんが仕事とってこれないのはエアであってほしいですよねー」

P「ははっ、手厳しいな」

響「自分たちの存在もアレだよね、知名度0ってエアアイドルみたいな感じだよなー」

春香「あはは、おっかしー!」

P「わはははははは」

ガチャ

小鳥「おはようございます……」

P「あ、音無さんおはようございます」

春香響「おはようございまーす」

P「それじゃ次は何して遊ぶ?」

響「うーん、どうするかなあ……」

春香「エアストーキング被害なんてどうですか?」

小鳥「……」

26: 2013/02/08(金) 03:42:58.54
小鳥「あの……」

P「はい」

小鳥「仕事、してくれませんか?」

P「ええー……」

小鳥「ええーじゃないですよ。この会社はもう律子さんと竜宮小町でもってるようなものなんですよ」

P「だってどこも春香と響を使ってくれないんですよ」

響「失礼な話だぞ」

春香「ねー」

P「この前も売り込みに行ったらイヤミなこと言われたんでエアグローブでぶん殴ってやりましたよ!」

響「エアグローブならしょうがないな!」

春香「それただの素手ですよ、素手!」

小鳥「……」

27: 2013/02/08(金) 03:48:32.74
小鳥「(社長は『ティンときちゃったから……』とか言ってクビにしてくれないし……)」

小鳥「はあ……」

P「溜め息なんかついて、どうしました?」

小鳥「いいえ、もうなんでもいいです……」

P「変な音無さんだなあ」

春香「暇だからお菓子でもつくって来ますから、それ食べて元気出してくださいね!」

響「自分も時間だけは有り余ってるから何でも申しつけてくれていいぞ!」

P「良い子だなあお前ら」

小鳥「……私は、ドッキリテレビの標的にされた気分ですよ」

P「え!?何故俺達の遊びの内容がバレたんですか!?」

28: 2013/02/08(金) 03:53:25.48
小鳥「はい?」

P「なんてことだ。音無さんという目撃者がいたなら、エアドッキリ失敗じゃないか!」

響「ええー!自分あんなに頑張ったのに!」

春香「見てたなら言ってくださいよ小鳥さん!」

小鳥「えっ、いったい何の話?」

P「クッソー、マンネリ打破の良い企画だと思ったのになー」

響「また新しいの考えなきゃいけないのかー……」

春香「私もあんまりネタないですよう……」

P「小鳥さん、何か案はないですか?」

30: 2013/02/08(金) 03:59:47.69
小鳥「案も何も……とにかく真面目に仕事してくれたら私から言うことはありません!」

P「真面目に仕事かあ……。そうだ、エア完璧人間なんてどうだ?全然完璧じゃない俺たちが完璧っぽく行動する、みたいな」

春香「斬新で良いかもしれませんね!」

響「まあ、もともと自分は完璧だけど仕事ないのはプロデューサーのせいだからな!」

P「一緒に遊んでる時点でお前も同罪だよ!それじゃ音無さん、挨拶まわり行ってきまーす!」

小鳥「はあ……なんか知らないけど、どうせまたろくなことやらなそうね……」



小鳥「(そう思ったのも束の間、この三人はエア完璧人間という遊びが思いの外面白かったらしく、テレビ出演を幾度も重ねていきました)」

32: 2013/02/08(金) 04:04:04.19
小鳥「(しかし……)」

P「エア完璧人間も飽きてきたなー。そろそろ別のことやるか」

小鳥「ええっ!?」

P「うわっ、どうしたんですか音無さん。びっくりしたなあ」

響「ピヨ子が大声出すなんて珍しいぞ」

小鳥「そ、そうね、ごめんなさい……ってそうじゃなくて!エア完璧人間はやめちゃだめです!」

P「えー」

春香「正直私も最近マンネリで……」

響「うんうん」

小鳥「そ、そんな!やめないでお願い!私が新しいエアシリーズ提供するから!」

P響春香「本当!?」

34: 2013/02/08(金) 04:10:44.34
こうして、小鳥さんは持ち前の妄想力で数々のエアシリーズを生み出し、プロデューサーたちを満足させたのであった。

アイドル活動も順調に進み、響と春香はトップアイドルの座に登りつめたとか。

小鳥「今日はエア弁当ですよ~」

P「ありがとうございます!わあ旨そうだなあ!」

春香「四つも作ってくるなんて大変でしたよね?さすが小鳥さんです!」

響「うん、おいしいぞピヨ子!とくにこの……えーと、卵焼き?とか!」スカッ

小鳥「うふふ、ありがとう。それじゃ、この後はエア瞑想をやって、その次はエア完璧人間だからがんばってね?」

P響春香「はーい」

小鳥「(意外と楽しい自分が嫌いじゃない!!)」





おわり

36: 2013/02/08(金) 04:12:30.59

47: 2013/02/08(金) 07:56:29.63
なんでまだ残ってるんですかねえ

引用元: P「響、遊ぼう!」