1: ◆yfWmR9mD4k 2014/04/02(水) 01:02:39.71

むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがすんでいました



P「じゃあ、僕は芝刈りにいってきますね」

礼子「いってらっしゃい♪ おじいさん」


高橋礼子(31)

P「ありがとう。いってくるよ、おば」


じゃきっ


礼子「ば?」

P「ひいいっ、包丁を向けないで!!」

礼子「ば? 何かしら?」

P「ば、ば……バレンティンは打てそうですか?」


ウラディミール・バレンティン

礼子「問題ないわ。今年も自身の本塁打記録を更新してくれるはずよ」

P「そ、そうですか……」


P(あぶなかった……)



2: 2014/04/02(水) 01:03:57.24

おじいさんは山へ芝刈りに、おば……美しい女性は川へ洗濯にいきました



礼子「ふううぅ……川で洗濯なんて面倒よね。ドラム式洗濯機はないのかしら?」

礼子「あら? 上流から何か流れてくるわ?」

礼子「何かしら?……桃?」

礼子「まあ、普通は川から流れてきた桃なんか拾わないわよね」

礼子「スルーしましょ」


どんどん


礼子「桃から音がするわ。わかったわよ…うるさいわね」

礼子「今日のPくんの晩ご飯はこれでいいかしら」

礼子「よいしょっと」


女性はその桃を家に持ち帰りました

3: 2014/04/02(水) 01:04:43.43

やがておじいさんが山からかえってきました


P「ただいま帰りました」

礼子「お帰りなさい♪ あ・な・た♪」

P「……」

礼子「ご飯にする? お風呂にする? それとも…わ・た」

P「一人で寝ます」


がしっ


礼子「待ちなさい。それじゃ話が進まないでしょ」

P「えー」

礼子「今日の成果はどうでした?」

P「今日はあまりよくなかったですね。とりあえず、何人かに名刺を渡してきました」

礼子「スカウトしてくるんじゃないわよ! こんなに美しい嫁がいてまだ不満なわけ?」

P「そ、そうじゃないですよ、おば」


どすっ


P「ひいいっ! あと3センチずれてたら包丁刺さってますよ!!」

礼子「ば? 何?」

P「ば、ば……バーネットは今年大丈夫ですかね?」


トニー・バーネット

礼子「問題ないわ。2012年の33セーブを超える活躍をしてくれるはずよ」

P「そ、そうですか……」


P(ヤクルト好きなのかな?)

4: 2014/04/02(水) 01:05:37.18

礼子「とりあえず桃をきっちゃいましょ」


ざくっ

ぱかっ


礼子「あら?」

P「おお」


??「おはよーでごぜーます」


中からはキグルミを着た元気な女の子がとびだしてきました

女の子は仁奈と名付けられ、すくすくと成長しました


市原仁奈(9)

5: 2014/04/02(水) 01:06:59.36

そして、ある時


P「はぁ……」

仁奈「どうしたでごぜーますか?」

P「ん? ああ、最近なこの辺りに悪い鬼が来て、みんなに迷惑かけてるんだ」

仁奈「鬼でごぜーますか?」

P「おかげでスカウトも……」

礼子「……」ギロリ

P「と、とにかくみんな困ってるんだ」

仁奈「わかったでごぜーます。仁奈がこらしめてやるですよ!」

P「本当か?」

仁奈「任せてくれです。約束しやがりますよ」

P「でも鬼はすごく怖いらしいぞ」

仁奈「どんな風に怖えーですか?」

P「怒ったら暴力的になる。礼子さんみたいにな」

仁奈「じゃあ、いつも見てるからだいじょーぶでごぜーます」

P「それもそうか。あはははは」


じゃきっ


礼子「あなた、ちょっとこちらへ」

P「ひいいいいい!」

6: 2014/04/02(水) 01:07:43.96

礼子「仁奈ちゃん、これを持って行って」

仁奈「これはなんでごぜーますか?」

礼子「きびだんごよ。お腹が空いたら食べなさい」

仁奈「ありがとうごぜーます」

礼子「鬼たちは鬼ヶ島にいるらしいわ。一人じゃ危ないから誰か連れていきなさい」

仁奈「だったら礼子おねーさまがいいですよ」

礼子「私は無理よ。か弱い乙女なんだし」

P「年齢的にもですね」

礼子「……先にこの人を懲らしめなきゃいけないからね」

P「ひいいっ…」

仁奈「わかりましたですよ! 仁奈におまかせしやがれです」

礼子「気をつけていってらっしゃいね~」


仁奈は荷物を整えて旅立ちました

家からおじいさんの悲鳴が聞こえたような気がしました

7: 2014/04/02(水) 01:08:35.91

やがて道を歩いていると、動物たちが道をふさぐように言い争っていました。


仁奈「おお。どうぶつさんがいやがりましたよ」

仁奈「こっそりみてみるです」


仁奈はこっそり草むらからのぞいてみました。

8: 2014/04/02(水) 01:09:34.86

拓海「だから、バイクでかっ飛ばすほうがいいに決まってんだろ! このクソワン公が」


向井拓海(18)

涼「は? ロックガンガンかけながらシャウトがサイコーなんだよ! エテ公にはわかんねーか」


松永涼(18)

拓海「んだと!?」

夏樹「まあ、バイクに乗りながらロック聞くのが最高なんだけどな」


木村夏樹(18)

涼「うるせートサカ頭」

拓海「ニワトリのくせに空飛んでんじゃねえよ」

夏樹「誰がニワトリだ! キジだよ! キジ!!」

9: 2014/04/02(水) 01:11:45.10


ぐううううう


拓海「ちくしょー。ハラ減ったぜ」

涼「アンタのせいでファミレス追い出されたんだからな」

拓海「ドリンクバーでケツ触ったバカがいたから、しゃーねーだろ」

夏樹「だからって半頃しにすることねーじゃん」

拓海「うっせえ。終わったこといつまでも言うな」

涼「でも、どうすんだよ?……これから」


仁奈「話は聞かせてもらいやがりましたよ!」

10: 2014/04/02(水) 01:12:33.33

拓海「なんだ? おめーは?」

涼「あらま、カワイイ」

夏樹「どうした? 迷子にでもなったのか?」

仁奈「仁奈はここにきびだんご持ってやがりますよ。仁奈の家来になったらこれをあげるです」

拓海「なんで、あたしらが家来にならなきゃなんねーんだよ?」

涼「アタシは別にいいけどね」

拓海「お前は小さい子が好きなだけだろ」

涼「うっせ」

11: 2014/04/02(水) 01:13:33.61

夏樹「まあ、待てよお前ら……なあ、なんで家来がほしいんだ?」

仁奈「仁奈はこれから、鬼ヶ島に鬼をやっつけにいかなきゃなんねーですよ」

夏樹「なるほど。それで手助けできる家来がほしいってことか」

仁奈「そうでごぜーます。お姉さんたち強そうなんで、一緒に行ってくれると助かるですよ」

涼「アタシはいいよ。こんな小さな子ほっとけないじゃん」

夏樹「まあ、他にやることもねーしな。拓海はどうする?」

拓海「そこまで言われちゃしゃーねーだろ」

仁奈「ありがとうごぜーますだ。これ、食べてくだせー」

夏樹「忠誠の証代わりにか。腹も減ってるし、遠慮なくいただくよ」

涼「でも、これ3つしかないじゃん。仁奈のぶんは?」

仁奈「仁奈はいらねーですよ。みんなで食ってくだせー」

12: 2014/04/02(水) 01:14:23.00
拓海「そんじゃ、いただくぜ」


ぐうううぅ


仁奈「あううぅ……」

涼「腹減ってんじゃん」

夏樹「正直に言いなよ。ほら、全員で半分づつにしようぜ」

仁奈「でも……」

夏樹「大将が腹ぺこじゃ勝負になんないだろ。ほら」

涼「アタシも半分でいいや」

拓海「あ、あたしは腹減ってるし!」

涼「……」

夏樹「……」

拓海「わ、わーったよ! ほら、半分」

仁奈「あ、ありがとうごぜーます」

13: 2014/04/02(水) 01:15:12.60
夏樹「んじゃ、いただこうか」


ぱくっ


涼「ん?」

夏樹「おっ?」

拓海「うめーじゃん! 体に力が溢れてくる感じだぜ!!」

夏樹「これ、どうやって作ったんだ?」

仁奈「よく知らねーですが『すたどり』ってのを、混ぜてるって礼子さん言ってたですよ」

涼「なるほど。半分食ったからスタドリハーフってことか」

仁奈「そういう……こと……で……ごぜ…ZZz」

涼「寝ちまったぞ」

夏樹「まあ、1.5人分食ってるからな。力が余りすぎて寝ちまったんだろ」

涼「しょうがねえな。おぶっていくか」

拓海「よっしゃ! んじゃ鬼ヶ島に殴りこみに行くぜ!!」

夏樹「お前、イキイキしてんな」

14: 2014/04/02(水) 01:16:35.95

こうして仁奈一行は鬼が島を目指して歩き始めました。

やがて、海岸に辿り着きました。

海の向こうには鬼ヶ島が見えます。



夏樹「あれが鬼ヶ島か」

涼「でも、どうする? 夏樹は空飛べるからいいけど、あたしらは泳いでいくにも遠すぎるよ」

夏樹「船でもあればなあ」

拓海「お? おまえらちょっと待て」

涼「ん?」

15: 2014/04/02(水) 01:18:26.04

みく「おさんぽ おさんぽ たのしいにゃあ♪」


前川みく(15)

みく「おひさまぽかぽか。こんな日はお船を浮かべておひるねするにゃあ」

みく「あれ? え?」

みく「ない! みくのおふねがなくなってるにゃ!!」

みく「ん? この書き置きはなんだにゃ?」


『船をしばらくかりるぜ 夜露士苦』


みく「……え、ひどくない?」

16: 2014/04/02(水) 01:19:44.48

夏樹「勝手に船出してよかったのかよ?」

拓海「緊急事態だ。しゃーねーだろ」

涼「なんで、あたしが漕がなきゃなんないのさ?」ギーコギーコ

拓海「じゃんけんに負けたお前が悪い」

涼「きたねーぞ! 犬の手じゃグーとチョキだせねーじゃん!」

拓海「知るか。キャンキャン吠えてねーで早く漕げ」

涼「覚えてろよ」

拓海「んで、うちの大将はどうなんだ?」

夏樹「ぐっすり寝てるよ。お気楽なもんだ」

仁奈「すうぅ……すうぅ……」

拓海「んじゃ、起きる前にさっさと鬼どもぶっ倒すか」

17: 2014/04/02(水) 01:20:21.23

一行は鬼ヶ島にたどり着きました

鬼ヶ島には鬼たちが住む城があります

そして城の前には大きな城門がそびえ立っていました。

18: 2014/04/02(水) 01:21:36.74

涼「でっけえ城門だな、おい」

夏樹「10メートルくらいありそうだな」

拓海「デカかろうがどうだろうが関係ねーよ。正面突破あるのみ!」


??「待ちたまえ、君たち」


拓海「なんだ?」

真奈美「ここを通りたくば、私を倒してから行くんだな」


木場真奈美(25)

拓海「早速、一匹出てきやがったか。いいぜ、あたしが相手してやんよ」

真奈美「ほう。なかなか腕に覚えがありそうだね? どうだい? ボクシングで勝負ってのは?」

拓海「好きにしな。あたしはブッ倒せんならなんでもいいぜ」

真奈美「君は試合用のグローブをつけたまえ。私はダメージの残りにくい練習用のグローブをつけよう」

拓海「ナメやがって……あとで後悔すんなよ」

夏樹「お、おい……拓海!」

拓海「これはタイマン勝負だ。邪魔すんじゃねえぞ」

夏樹「やれやれ…」

19: 2014/04/02(水) 01:22:39.47


かーん


拓海「先手必勝!! くたばりやがれっ!!!」


ひょい ひょい


真奈美「ふむ……言うだけあって、なかなかスジはいいな……だが」


どすっ


拓海「ぐはっ!!」

真奈美「ガードが甘い」

拓海「くっそぉ……」

真奈美「かつて、ヘビー級王者を何人も排出した伝説のコーチに仕込まれた本格派だ。あきらめて、タオルを投げたまえ」

拓海「ふっざけんなああ!!」

20: 2014/04/02(水) 01:23:44.02

涼「あのバカ、頭に血が上ってんな……ちょっと加勢してくるわ」

夏樹「仁奈はどうすんだよ?」

涼「見つかると面倒だ。そこの茂みに寝かせておくよ」

夏樹「一人で大丈夫か?」

涼「なんとかなるだろ。いってくる」

21: 2014/04/02(水) 01:24:36.86

涼(どうやらあの女には気づかれてないようだな)

涼(まともにぶつかったら厄介だ)

涼(よし! 背中を向けたな、今だ!!)ダッ


??「お待ちなさい」


涼「なに?」

クラリス「この試合は神の御名のもとに執り行われる神聖なもの。いかなる邪魔も許されません」


クラリス(20)

涼「悪いね。そんな呑気なこと、こっちは言ってらんないのさ。あんたもケガしたくなかったら下がってな」

22: 2014/04/02(水) 01:25:19.81

クラリス「そうですか……では、私の目を見てください」

涼「へ?」


ばちばちっ


涼「ぐはっ!!」

涼(な、なんだ? 体が動かねえ!?)

クラリス「しばらくはそのままでいてください。さもなくば神の雷があなたのもとに降り注ぐでしょう」

涼(なんだ、こいつ……目を見た瞬間、体がしびれてくる……)

23: 2014/04/02(水) 01:26:22.77

夏樹「こいつはまずいな……一時撤退して体勢を立て直すか」

夏樹「とりあえず、拓海だけでも助けねえとな」


ばさばさっ


夏樹「よし、この高さなら大丈夫だろ」

夏樹「急降下で一気に助けだすか」

24: 2014/04/02(水) 01:27:17.88


??「……侵入者……発見した」


夏樹「へ?」

のあ「……私達の土地を……騒がすもの……排除するわ」


高峯のあ(24)

夏樹「ウソだろ?! 15メートル以上あんだぜ!? あんたも飛べるのか?」

のあ「……普通に……跳躍した」

夏樹「ふざけんな! なんでメイド服でそんなにジャンプできんだよ!!」

のあ「……眠りなさい」


ばきっ


夏樹「ぐわっ!!」


ひゅーん

どかーん


夏樹「っててて……なんなんだよ……こいつら」

夏樹「門番クラスでこの強さかよ……シャレになんねえな」

25: 2014/04/02(水) 01:28:20.29


仁奈「待ちやがれですよっ」


真奈美「……」

クラリス「……」

のあ「……」


仁奈「仁奈の家来をいじめたら許さねーですよ」

真奈美「おやおや、ずいぶんとカワイイ大将さんだ」

仁奈「ここからは仁奈が相手になるです!!」

拓海「ば、バカ野郎っ!! すっこんでろ!!」

涼「アンタじゃ無理だって!」

夏樹「いいから、逃げろ!!」

26: 2014/04/02(水) 01:29:16.40


仁奈「とりゃああああ」


とてとてとてとて


どたっ


真奈美「コケたな」

クラリス「転びましたね」

のあ「……転倒」


仁奈「ふぐっ………うぐぐっ……ふぇ……」


真奈美「おいおい、大丈夫かね?」バッ

クラリス「あらあら」タタタタ

のあ「……大丈夫かしら」タタタタタ

27: 2014/04/02(水) 01:30:38.08


仁奈「ふぇぇ……ぐすっ……」

真奈美「だいじょうぶ、すりむいただけだよ」

クラリス「いたいのいたいの、とんでけ~♪」

のあ「……消毒しましょう」

仁奈「うぐぅ……ぐすっ…………えいっ!」


ぽか ぽか ぽか


真奈美「いたっ」

クラリス「いたい」

のあ「……いたい」

仁奈「ぐすっ……ぐすっ……どうだ! 参ったでやがりますか!」

28: 2014/04/02(水) 01:32:11.06

真奈美「……はははっ! こいつは一本取られた! 私達の負けだ」

仁奈「ほんとうでごぜーますか?」

クラリス「負けてしまいましたわ。お詫びにおやつでもいかが?」

仁奈「おやつ!!」

クラリス「のあさん、ティーセットを用意してもらえるかしら?」

のあ「……了解した……89秒で用意するわ」

仁奈「仁奈はカルピスしか飲めねーですよ」

のあ「……わかったわ……103秒待ってくれる?」

仁奈「ついでに門を開けてもらえねーですか?」

真奈美「いいとも。城の中でゆっくりと過ごすとしよう」

仁奈「わーい! みんな、やったですよ!!」



拓海「あたしら……」

涼「いったい……」

夏樹「なんだったんだよ……」

29: 2014/04/02(水) 01:34:16.91

こうして仁奈たちは、3人の門番の招き入れで城の中に入ることが出来ました

そして、温かい飲み物とおいしいおやつを振る舞ってもらいました


仁奈「ところでモグモグ……ふぁいひょうはほほへ」

真奈美「ははは。ゆっくり食べていいんだよ」

クラリス「お口についてますよ」

のあ「……拭いてあげる」

仁奈「んー……ありがとうですよ。鬼の大将はどこにいやがるですか?」

真奈美「この上の天守閣だ。そこにいる」

仁奈「わかったですよ。それじゃあ行ってくるです」

真奈美「気をつけたまえ。ウチの大将は我々よりはるかに強い」

拓海「マジかよ……まだそんなのが残ってんのか」

クラリス「まともに行ったところで返り討ちでしょうね」

涼「どうする? いったん出直す?」

のあ「……無理よ……この後はさらに……城壁を堅固にする予定」

夏樹「つまり、今がラストチャンスってわけか」

30: 2014/04/02(水) 01:36:14.96


仁奈「仁奈は今行きてーです。Pさんと礼子さんに約束したですよ。やっつけるって」


夏樹「でもな……あたしらはさっきの戦闘で体力的に厳しいぞ」

拓海「うだうだ考えてもしゃーねーだろ。鬼が出るか蛇が出るか、突進あるのみよ」

涼「出るのは鬼だろ」

夏樹「そうだな……いざとなったらあたしらが盾になる。仁奈は絶対守ってやるからな」

仁奈「みんな……ありがとうですよ!」

31: 2014/04/02(水) 01:37:38.69

仁奈たちは大将のいる天守閣を目指しました。

天守閣には大広間がありました


夏樹「ここが大広間か。さすがにデカイな」

拓海「んで? 大将はどこだよ?」

涼「奥に誰か座ってるぞ」


??「よくここまで来れましたね」


仁奈「お前が鬼の大将ですか!?」

ちひろ「いかにも。私が鬼を仕切る大将よ」


千川ちひろ(??)

仁奈「お前のせいでみんな迷惑してるですよ! やっつけてやるです!」

32: 2014/04/02(水) 01:39:17.75

ちひろ「やっつけてどうするの?」

仁奈「みんなから奪い取ったお宝を取り返しやがります!!」

ちひろ「私の……宝を……?」

ちひろ「そんなことが許されると思ってるの?」



ごーーーっ



拓海「うおっ! すげえ気迫だ! 台風みたいな風だぞ?!」

涼「まともに立ってらんないよ!」

夏樹「そこまで執着するってのは、とんでもないお宝みたいだな」

33: 2014/04/02(水) 01:40:09.84

仁奈「仁奈に任せるですっ」



とたたたたたた



拓海「バカっ! 一人で行くなっ!」

夏樹「ちっ! この風さえなけりゃ!」

涼「仁奈! もどってこい!」


ちひろ「ふうん……」

34: 2014/04/02(水) 01:41:29.42

ちひろ「ねえ」チョイチョイ

仁奈「なんでごぜーますか?」


とてててて


拓海「なんでノコノコ歩み寄ってんだよ!」


ちひろ「耳を貸して」

ちひろ「……」ボソボソ

仁奈「……」コクコク

35: 2014/04/02(水) 01:42:22.72

ちひろ「じゃあ、やってみて」

仁奈「えいっ」


ぽくっ


ちひろ「うわー。やられたー」

仁奈「勝ったですよ!」



拓海・涼・夏樹「ウソだろーーーっ!?」

36: 2014/04/02(水) 01:43:10.08

ちひろ「きー。おぼえてなさいー」

仁奈「お宝はどこです!?」

ちひろ「言わないわよー。この奥の部屋にお宝隠してるし、鍵もそこの棚にあるなんて言わないんだからー」

夏樹「なんつー棒読みの演技だよ」

涼「ウソくせー」

仁奈「あったですよ!」

拓海「マジかよ!!」

ちひろ「じゃあ、私は撤収しまーす。じゃあねん」ヒョイ

夏樹「本当に逃げやがった……」

拓海「とりあえず、お宝は……」


がちゃ


仁奈「これが……おたから……」

37: 2014/04/02(水) 01:44:20.07


仁奈たちは車いっぱいのお宝を積んで家に戻ってきました。


仁奈「ただいま帰ったでごぜーます!」

P「おお! 仁奈お帰り!!」

礼子「ケガはなかった?」

仁奈「大丈夫でごぜーます。鬼はやっつけたですよ」

P「本当か? それはすごい」

仁奈「おたからも持って帰ってきました。そこの車に積んでるです」

礼子「おたから!! カルティエの指輪!! バーキンのハンドバッグ!!」

38: 2014/04/02(水) 01:45:10.91


がらっ


礼子「え」

P「こ、これは……」

P「すごいぞ! 仁奈!! スタドリにエナドリ……プレチケに鍵クロまで。ものすごい数だ!!」

礼子「なーんだ」

P「これでフリトレからたくさんトレードできる!! よくやったぞ!! 仁奈」

仁奈「照れるでごぜーます……あ、あとこれも」

39: 2014/04/02(水) 01:46:13.27

P「ん? 何だ? 紙?」


『請求書 1,200,000MC  指定の期日までに下記の口座までお振り込みください』


P「」


ばたん


仁奈「Pさんがぶっ倒れやがりました!」



こうして仁奈はいつまでもしあわせにくらしました

40: 2014/04/02(水) 01:47:19.87

拓海「やれやれ、やっと終わったな」

涼「それよりあんた、船は返したんだろうね?」

拓海「あったりめーよ。もちろん、タダじゃねーからな」

夏樹「?? どういう意味だ?」

41: 2014/04/02(水) 01:47:53.39

みく「おふねがないとおひるねできないにゃあ……」

みく「波にゆられながら寝たかったのに……」

みく「あっ! みくのおふねが戻ってるにゃ!!」

みく「え? また書き置き?」


『船は返した レンタル料だ 釣りはいらねえ』


みく「???」

みく「にゃああああああああ!!!」


びちびちっ


みく「みくのおふねが、おさかなでいっぱいにゃー!」

みく「ひどいにゃあああああ」

みく「生臭っ!」




おわり

43: 2014/04/02(水) 01:50:32.70

引用元: モバP「仁奈のももたろう」