1: 2014/12/05(金) 21:39:23.38
龍門渕邸

咲「ツモ、嶺上開花。1600・3200です」

純「またかよ…」

一「やっぱ宮永さんは凄いなぁ」

衣「当然だ!何たって咲だからな!」

純「何でお前が威張ってんだよ」

咲「あ、あはは…」

智紀「次は私も入りたい」

咲「あ、じゃあ私抜けますね。ちょうどお手洗いに行きたかったですし」



2: 2014/12/05(金) 21:48:16.24

・・・

智紀「宮永さん、随分と遅い…」

純「きっと大きい方なんだろうよ」

一「純くんはそういうデリカシーのない事言わないの!」

衣「まさか迷っているのではなかろうな」

透華「その可能性もありますわね。…ハギヨシ」パチン

ハギヨシ「はっ」シュン!

透華「宮永さんを探してきてちょうだい」

ハギヨシ「かしこまりました、お嬢様」スッ

一「…いつもながら神出鬼没な人だなぁ」

3: 2014/12/05(金) 21:55:15.10

・・・

咲「ここ、どこぉ…」キョロキョロ

咲「おトイレに辿りついたのは良かったけど、帰り道が分からなくなっちゃったよ」

咲「ど、どうしよう…」ウルッ

ハギヨシ「こんな所にいらっしゃいましたか」シュン!

咲「はわわっ!?」ビクッ

咲(い、今突然執事さんが目の前に現れたよ!!)

ハギヨシ「これは失礼しました。驚かせてしまいましたね」

咲「あ、い、いえっ」

咲「あの…もしかして私を探しにきてくれたんですか?」

ハギヨシ「はい。いかにも」

咲「助かりました。ちょうど迷ってたところだったので…」ホッ

ハギヨシ「このお屋敷は広いですからね。無理もありません」

5: 2014/12/05(金) 22:06:21.67
ハギヨシ「では皆様心配されてますので戻りましょう」

咲「はっ、私かなり皆さんをお待たせしちゃってますよね。早く戻らないと!」アセアセ

ハギヨシ「あ、そんなに急ぐと危な…」

咲「きゃあっ!」ズデン!

ハギヨシ「宮永様!」

咲「い、いたぁ…」

ハギヨシ「大丈夫ですか?どうぞお手を」スッ

咲「あ、ありがとうございま…つぅっ!」

ハギヨシ「どうされましたか?」

咲「足をひねってしまったみたいで…」

ハギヨシ「それはいけませんね。失礼」ダキッ

咲「ひゃっ!?」

6: 2014/12/05(金) 22:15:50.28
ハギヨシ「無理に歩くとさらに足を痛めますから」

咲(うう、姫抱っこされちゃったよぅ///)

ハギヨシ「それでは戻りましょうか」

咲「はい…、ご迷惑おかけします…」

ハギヨシ「お気になさらず」

咲「あ、あの…重くないですか?私」

ハギヨシ「いえ。むしろ軽くて驚いてますよ」ニッコリ

咲「あ、そ、そうですか///」カアッ

咲(至近距離に執事さんの麗しいお顔が…///)ドキドキ



衣「咲。やっと戻ったか」

純「ん?何で萩原さんに抱っこされてんだ?」

ハギヨシ「宮永様は足を負傷されてしまわれましたので」

一「ああ、成るほどね。大丈夫?随分と遅かったから心配したよ」

咲「はい。あの、ご心配おかけしました」

7: 2014/12/05(金) 22:28:36.62
透華「じゃあ今日はこの辺でお開きにしましょうか」

一「そうだね。宮永さんの怪我も心配だし」

咲「すみません皆さん。今日はどうもお邪魔しました」ペッコリン

衣「またなー咲」

透華「ハギヨシ、宮永さんを家まで送ってさしあげて」

ハギヨシ「かしこまりました」

咲「ええっ!?わ、私一人で大丈夫ですから!」アセッ

純「マジで大丈夫か?よろよろしてんぞ」

咲「ほらっ、もう一人で歩けま……きゃあっ!」ズデン!

一「……とりあえず全然大丈夫でないことは分かったよ」

9: 2014/12/05(金) 22:44:25.82
ハギヨシ「宮永様、再び失礼いたします」ダキッ

咲「はわわっ!?」

ハギヨシ「それでは参りましょうか」

咲「うう、何度もご迷惑おかけしちゃってすみません///」カアアッ


咲さん家

ピンポーン

界「はいはい誰ですか~っと…」ガチャ

咲「た、ただいまお父さん///」←ハギヨシに抱っこされ中

界「」

10: 2014/12/05(金) 22:52:28.77
ハギヨシ「ではゆっくり下ろしますね、宮永様」

咲「は、はい…」ストン

咲「あの、送って頂いてどうもありがとうございました!」

ハギヨシ「いえいえ。それでは私はこれで」シュン!

咲「消えたっ!?……やっぱり執事さんって謎だなぁ」



界「うう、手塩にかけて育てた娘に謎の男の影が……」シクシク

11: 2014/12/05(金) 22:57:46.54
二週間後

衣「咲がトイレから戻ってこない」

純「またかよ…どんだけ方向音痴なんだ」

透華「ハギヨシ」パチン!

ハギヨシ「はっ。探して参ります」シュン!



咲「ここ、どこぉ…」

ハギヨシ「宮永様」シュン!

咲「あ、萩原さん!」パアアッ

ハギヨシ「っ!」ドキッ

咲「良かったぁ、私また迷子になっちゃって…」ウルウル

ハギヨシ(そんなに無防備に見つめられると…何故だか妙な気分になってきますね)

ハギヨシ「……それでは皆のところへ戻りましょうか」

咲「はいっ」

12: 2014/12/05(金) 23:04:38.21
咲「急いで戻りま……きゃあっ!」ツルッ

ハギヨシ「おっと!」ガシッ

咲「あ、ありがとうございます…」

ハギヨシ「ふふ。本当にあなたは目が離せませんね」ダキッ

咲「えっ…わわっ!?」

咲「あのっ、私一人で歩けますから!だから降ろしてくださ…」アセアセ

ハギヨシ「私がこうしたいのです。それとも宮永様はお嫌でしょうか?」

咲「えっ…い、いえ、嫌ってわけじゃ…ないです、けど///」

ハギヨシ「そうですか。それは良かった」ニッコリ

咲「っ///」カアアッ

13: 2014/12/05(金) 23:12:16.46
衣「あー、また咲がハギヨシに抱っこされてる!」

純「なんだ?また足をくじいたのか?」

咲「い、いえ。今日はそういうわけでは…///」

一「じゃあ何で抱っこされてるの?」

咲「えっと…そ、それはその…///」

ハギヨシ「それは秘密です」ニコッ

純「何でだよ!?」

ハギヨシ「それでは宮永様。(名残惜しいですが)下ろしますね」

咲「えっ、あ、はい」ストン

咲(ほっ…これ以上萩原さんと密着してたら心臓が持たないよ///)ドキドキ

14: 2014/12/05(金) 23:16:24.62
咲「あのっ!私そろそろ家に帰りますね」

衣「なんだ、もう帰ってしまうのか咲」

智紀「結局今日も宮永さんにリベンジならず…」

純「こいつに勝つなんて一生無理そうだけどな」

透華「ハギヨシ。宮永さんを送ってさしあげ…」

咲「い、いえっ。たびたびそんなご迷惑はかけられないです!」アセッ

咲「今日は一人で帰れますからっ!じ、じゃあっ!」ガチャ、バタン!


一「なんか慌てて帰っちゃったね」

純「でもあいつ一人で大丈夫か?また迷子になりそうな気がプンプンするぜ」

ハギヨシ「…」ソワソワ

衣「どうしたのだハギヨシ?随分と落ち着かない様子だが」

ハギヨシ「…いえ。そのようなことは…」

15: 2014/12/05(金) 23:20:07.69
一「(ははーん)ねえ萩原さん、もしかして宮永さんが気になるんじゃ…」

ハギヨシ「!!」

衣「そうなのか?ハギヨシ」

ハギヨシ「……」

透華「なら執事としてではなく、あなたの意思で行動してもよろしいのですわよ。ハギヨシ」

ハギヨシ「……お嬢様、感謝いたします」

ハギヨシ「それでは御前を失礼します」シュン!

一「わっ!…何度見ても萩原さんの瞬間移動は慣れないなぁ」

智紀「あれはきっと忍者の末裔…」

純「ホントかよ…」

・・・

16: 2014/12/05(金) 23:24:10.66
咲「うう、ここどこ…」ウルウル

ハギヨシ「宮永様!追いついて良かった」シュン!

咲「萩原さん!?どうしてここに!?」

ハギヨシ「またあなたが道に迷っていないか心配でしたので」

咲「はぅ…す、すみません…何度もご迷惑を…」

ハギヨシ「…いえ。正直に言いますと、もっとあなたと一緒にいたかったからなんです」

咲「えっ…」

ハギヨシ「宮永様。よろしければ帰宅までの間、私とご一緒していただけますか?」

咲「っ///」カアッ

咲「あ…萩原さんさえ良ければ、その…こちらからお願いしたい、です///」

ハギヨシ「…ありがとうございます。宮永様」

17: 2014/12/05(金) 23:28:51.01
ハギヨシ「それでは失礼」ダキッ

咲「ひゃあっ!?」

ハギヨシ「では参りましょうか」スタスタ

咲「は、萩原さんっ!?どうして抱っこするんですかっ!?」

ハギヨシ「どうしてでしょう…何というか、すっかりクセになってしまいまして」

咲「ええっ!?」

ハギヨシ「宮永様が嫌だと言われるのでしたら下ろしてさしあげますが」

咲「…ずるいです萩原さん。私、嫌じゃないって前にも言いました///」

ハギヨシ「すみません。あなたにそう言ってほしかっただけなんです」

咲「…っ///」カアアッ

ハギヨシ「ふふ。お顔が真っ赤ですよ」

咲「あ、あまりからかわないでください///」

ハギヨシ「すみません。嬉しくてつい」

咲「…私も、萩原さんにこうされるの…嬉しいです///」

ハギヨシ「ふふ。それは光栄です」

・・・

18: 2014/12/05(金) 23:33:08.95

・・・

全国大会 清澄高校控え室

和「ただいま戻りました」ガチャ

まこ「おう。ご苦労さん和」

優希「いよいよ決勝戦最後の大将戦だじぇー!!」

久「さあ、思う存分暴れてらっしゃい咲!!」

咲「はいっ!行って来ます!!」



咲「……って意気込んで出てきたのはいけど、ここどこぉ」プルプル

咲「い、急がないと試合始まっちゃう……きゃあっ!?」ズデン!

咲「うう、また足くじいちゃったよ…」

ハギヨシ「宮永様!」シュン!

咲「えっ、萩原さん!?どうしてここに…」

19: 2014/12/05(金) 23:38:03.04
ハギヨシ「愛の力です」ボソッ

咲「えっ、今何か…?」

ハギヨシ「いえ。何でもありません」

咲「あの、いつもご迷惑おかけしちゃってすみません…」

ハギヨシ「いえ。役得ですから」ニッコリ

咲「えっ…そ、そうですか///」カアア

ハギヨシ「それでは急ぎましょう」ダキッ

咲「あ……はいっ!」



淡「むー、清澄遅いー」

穏乃「ほんと、どうしたんでしょうね?」

恭子「まさかこの私に恐れをなして敵前逃亡やなかろうな?」イーッヒッヒッヒ

20: 2014/12/05(金) 23:41:33.11
咲「お、遅れてすみませんっ!!」バターン!


穏乃「あっ、来ましたね。宮永さん」

淡「おっそーい!!……って」

恭子「な、何やねんあれ…」


咲「皆さんごめんなさい。迷子になっちゃいまして…」←ハギヨシに姫抱っこされ中


恒子「おおーっと!!清澄の宮永選手、謎のイケメンに抱っこされながらの入場だあー!!」

健夜「ナニアレウラヤマシイ」

21: 2014/12/05(金) 23:44:25.22
ハギヨシ「では下ろしますね」ストン

咲「ありがとうございます萩原さん///」

ハギヨシ「いえ。それでは試合頑張ってください」ニコッ

咲「…はいっ!!」


淡「なになに、彼氏のいない私への当てつけってわけ!?」ゴゴゴゴゴ

恭子「くそう宮永め、ちょっと男がいるからって見せつけよってからに…」ゴゴゴゴゴ


淡・恭子・健夜「「「ぶっつぶす!!!!!!」」」

咲「!?」ゾクッ


穏乃(ラーメン食べたい)

22: 2014/12/05(金) 23:47:42.07
純「おーおー、見せつけてくれんなぁ」

智紀「でもあの二人、まだ付き合ってない模様…」

純「マジかよ!?」

透華「まあ、何をぐずぐずしているのでしょうハギヨシは」

衣「しかしヤバイぞ咲。モニター越しでも分かる奴らの魑魅魍魎ぶり…」ゴクリ


咲(この大会が終わったら伝えよう、萩原さんに)

ハギヨシ(この大会が終わったら伝えましょう、宮永様…いや咲に)


咲・ハギヨシ「「待っていてください、萩原さん(咲)」」


カンッ!

23: 2014/12/05(金) 23:49:57.45
乙 すっごいニヤけた

引用元: ハギヨシ「役得ですから」咲「そ、そうですか///」