希「だってエリちが鶏むね肉はカ口リーゼロや言うから……」

にこ「そんな嘘に騙されてんじゃないわよ！
　　希は変なところが抜けてるんだから！」

穂乃果「えええええええっ！！！！！！」

にこ「な、何よ突然……。びっくりするじゃないの……」

希「穂乃果ちゃんどうしたん……？」

穂乃果「鶏むね肉13ｋｇのカ口リー……。今調べたら、約25000kcalだって……」

にこ「にまんごせん！？」

穂乃果「大変だよ希ちゃん！　これって、12日分の摂取カ口リーに相当するみたいだよ！」

にこ「むしろよくそれだけ食べれたわね……」

希「そうなんか……。しかもな……。うち……」

穂乃果「ど、どうしたの？　深刻な顔して……」

にこ「まだ何かあるのかしら……」

希「全部から揚げにして食べたんよ……」

穂乃果「から揚げ！？」

希「カ口リーゼロや思って……。ついうれしくてなぁ……」

にこ「……食べてておかしいと思わなかったの？」

希「おいしいとしか思わんかった……」

穂乃果「大変だよ！　から揚げだと30000kcalになるんだって！」

にこ「完全なカ口リー過多じゃないの！」

希「あああああああああああああっ！！！！！！」

にこ「ひっ……！」

穂乃果「希ちゃん……？」

希「穂乃果はん！　うちは、どないしたらええんやろうか！？」

穂乃果「え、ちょ……、ちょっと」

希「これあかんやつやんけ！　もうお先真っ暗や！」

にこ「なんで急にコテコテの関西弁になったのよ……」

希「ちょっと穂乃果はん！　後生の頼みや！
　うちと並んで立ってもろてもよろしいやろうか！？」

穂乃果「い、いいけど。ちょっと怖いよ……、希ちゃん……」

希「どうや！？　にこはん！　目ん玉かっぽじってよう見てみいや！」

にこ「そ、そんなところかっぽじらないわよ……」

希「太ももの太さが3倍くらい違うやろ！？」

にこ「さすがにそこまでは違わないわよ！」

穂乃果「そ、そうだよ！　希ちゃんは別に太ってないよ！」

希「嘘つきは泥棒の始まりやで！　うちの二の腕と穂乃果はんの太ももが同じくらいやろうが！」

穂乃果「そんなことないってば！」

希「ああ！　うちはもうおしまいや！」

穂乃果「大丈夫だって！　昨日と全然変わってないよ！」

希「こんなに足の太いアイドルなんておらんやろ！」

穂乃果「全然太くないってば！　希ちゃんはいつも通りかわいいから！」

にこ「そうよ。それに、そんなに気になるならダイエットでもしたらいいじゃないの」

希「ダイエット……」

穂乃果「そ、そうだよ！　希ちゃん！　私も一緒に付き合うから！」

希「そう言われても……。うち、何をしたらええんやろうか……」

穂乃果「うーん……。あ、自転車とかいいんじゃないかな？」

希「自転車……。そうや！　競輪や！　うち、競輪選手を目指すわ！」

にこ「いきなり何を言い出すのよ！　あんたは！」

希「だってそうやろ！　競輪選手ならみんな足太いやんけ！
　スクールアイドルなんてやめて、うちは競輪の世界に行くわ！」

穂乃果「ダメだよ希ちゃん！　希ちゃんは、μ’ｓの大事な仲間なんだからね！」

にこ「そうよ！　急にやめるなんて私が許さないわよ！」

希「こんなに足太い人間がアイドルやってるほうが許されないやろ！」

にこ「希！　いい加減にしなさいよ！　別に太ってないって言ってるじゃないの！」

希「そうや……。証拠……。証拠を見せたるわ……」ﾌﾗﾌﾗ

穂乃果「希ちゃん！　どこに行くつもり！？」

希「だ、大丈夫や……。別に逃げるとかそういうんじゃないんでおま……」

にこ「おま！？」

希「これや……」ﾄﾞﾝｯ

にこ「これは……」

穂乃果「体重計？」

希「そうや。これから二人の前で、これに乗ったるわ」

穂乃果「何もそこまでしなくても……」

希「いいや、これはうちのけじめや。数字は嘘をつかん。
　二人に現実を見せるいい機会や」

にこ「……何ｋｇ以上だったらμ’ｓをやめるつもりなのよ」

希「それは各々の判断に任せるわ」ｽｯ

にこ「ちょ、ちょっと！　ちゃんと基準を設けなさいよ！」

希「いや、ええ。見ればわかる」ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ……

穂乃果「え……」

にこ「これは……」

希「なんや……。この数値は……」

穂乃果「希ちゃん……」

にこ「希……」

希「やったぁ！　なんや知らんけど、昨日より体重が落ちてるやん！」

穂乃果「ええ！？　これで！？」

希「え」

にこ「ちょっと穂乃果！」

穂乃果「ご、ごめん……。希ちゃん……」

希「やっぱり鶏むね肉はヘルシーやったやん！」

穂乃果「そ、そうだね！　良かったね！」

にこ「まぁなんにせよ。これで一件落着ね」

希「あー。なんや安心したら、うち、おなかすいてきてしもうたわ」

穂乃果「そういえば、私もちょっとおなかすいたかも」

にこ「じゃあファーストフード店でも行く？」

穂乃果「あ、いいねいいね！」

希「ファーストフードはあかんよ」

にこ「どうして？」

希「だって太るやん」

希「さぁ、ついたよぉ」

にこ「ええ！？　ここ！？」

穂乃果「回転寿司……」

希「おさかなさんはヘルシーなんよ」

にこ「ま、まぁ……。ファーストフードよりはいいのかも知れないけど……」

穂乃果「回転寿司なんて久しぶり！　楽しみ！」

希「そやったら良かったねぇ」

にこ「なんで穂乃果もノリノリなのよ……」

穂乃果「んー！　おいしい！」

にこ「ふん。まぁまぁね」

希「おいしいなぁ」

穂乃果「わっ！　希ちゃんもう20皿も食べたの！？」

にこ「食べるの早っ！　私まだ4皿目よ！？」

穂乃果「私なんて3皿だよ！」

希「食べるの早いとはよく言われるなぁ」

にこ「そんな次元じゃないわよ！　早すぎるのよあんた！」

穂乃果「も、もうやめようよ！　希ちゃん！　食べるのストップ！」

希「ええー？　なんでなん？」

にこ「なんでじゃないわよ！　さすがに100皿はやりすぎよ！」

希「こんなにおいしいのになぁ……」

穂乃果「ダメだよ！　いくら魚はヘルシーだって言っても、
　　　100皿だとカ口リーもすごいことになるよ！」

希「え……。そうなん……？」

穂乃果「そうだよ！　だからもう食べるのやめよう！」

希「寿司ってカ口リーゼロやないんか……。エリちに聞いたのになぁ……」

にこ「あんたまた絵里に騙されたの！？」

希「で、でも……。寿司が回りながら私を誘惑してくるやん……」

穂乃果「ああっ！！！　大変だよっ！！！」

にこ「ひっ……！？　び、びっくりするから大声出すの止めてって言ってるでしょ！？」

希「穂乃果ちゃんどないしたん……？」

穂乃果「お寿司100皿って……、13000kcalもあるらしいよ！」

にこ「ええ！？　……やばいわよ！　もうやめときなさいよ、希！」

希「……つまり、昨日の鶏むね肉よりはカ口リーが低いってことやん」

穂乃果「希ちゃん！？」

希「ええやんけ！　うちはまだ食べたいんや！」

にこ「だからなんで急にコテコテの関西弁になるのよ！」

穂乃果「ダメだよ！　希ちゃん！」

希「ええやろうが！　こんなうまそうなもん目の前にして、
　食べるの我慢するドアホがどこにおるんや！」

にこ「あんたもう散々食べたじゃないの！」

希「いか、中トロ、かんぱち、ぶり、あなご」ﾋｮｲﾋｮｲ

穂乃果「もうやめて！　希ちゃん！」

希「うるっさいんじゃボケナスどもが！」

にこ「誰がボケナスよ！」

希「ネギトロ、うに、いくら、サーモン、タイ、しめ鯖」ﾋｮｲﾋｮｲ

穂乃果「もう200皿だよ！？　お願いだからやめようよ！」

にこ「そうよ！　氏んじゃうわよ！」

希「ぬるいで二人とも……。手が来とるときはガメらんかい……！」

にこ「希！？」

希「細いんよおどれらは……。うちは太くいかしてもらおう……！」

穂乃果「ダメだよ希ちゃん！」

希「ふう……。ごっそさん。もう食えんわ」

にこ「な、なんてこと……」

穂乃果「まさか300皿も……」

希「……」

にこ「……？」

穂乃果「希ちゃん……？」

希「あああああああああああああああああっ！！！！！！！！！！！！」

にこ「ひっ……！？」

希「あかんやん！　うち、またやってもうた！」

にこ「だ、だから！　私と穂乃果が必氏に止めたでしょうよ！」

希「にこはん！　穂乃果はん！」

にこ「な、なによ」

穂乃果「な、なぁに？　希ちゃん」

希「どうして止めてくれなかったんや！　どうして！」

にこ「だから止めたって言ってんでしょうよ！」

希「結果止まってへんやんけ！　それじゃ止めたとは言わんわ！」

にこ「逆切れしてんじゃないわよ！」

希「穂乃果はん！　後生や！　うちと並んで立ってくれんか！？」

にこ「そのくだりはもういいわよ！」

穂乃果「希ちゃん……。うん。分かったよ」

にこ「だからもういいって言ってんでしょうが！　なんであんたも乗るのよ！？」

希「にこはん！　見てみい！　うちの太もも穂乃果はんの5倍くらいあるやろ！？」

にこ「そんなにないわよ！　しかもさっきより増えてんじゃないの！」

希「うちの指と穂乃果はんの太ももが同じくらいやんけ！」

にこ「どんな化け物よ！？」

絵里「騒がしいと思ったらあなた達……。
　　うちの制服を着て、公共の場で騒ぐのはやめてもらえる？
　　世間の評判にかかわるわ」

穂乃果「絵里ちゃん！」

希「エリち……」

にこ「ちょっと、絵里！？　あんたの嘘のせいでこっちはいい迷惑よ！」

絵里「嘘……？　言いがかりはやめてもらえる？
　　一体何の話をしているのか、私には見当もつかないわ」

にこ「希。あんた言ってやりなさいよ」

希「エリち……。あんなぁ……」

絵里「何かしら」

希「鶏むね肉とお寿司はカ口リーゼロだ、って言ってたやんなぁ……？」

絵里「そんなこと言ってないわよ」

希「え」

絵里「何よそれ。言ってないわよ」

希「言ってたやん……」

絵里「言ってないわ」

希「うち、そう聞いたで……？」

絵里「私はそんなこと一言も言ってないわよ」

希「嘘やろ……」

絵里「嘘じゃないわ」

にこ「どっちの言い分を信じればいいのよ……」

穂乃果「いいこと思いついた！」

絵里「何？　穂乃果」

穂乃果「希ちゃんはそれだけたくさん食べても体重増えないんだよね？」

希「うん……。増えへんなぁ……」

にこ「太らない、とは言わないのね」ﾎﾞｿｯ

穂乃果「じゃあ、希ちゃんが食べる時だけカ口リーゼロになってると思えばいいんじゃない？」

希「え……」

絵里「ハラショー！　素晴らしいわ、穂乃果！」

にこ「んん？」

穂乃果「それで万事解決だね！」

絵里「そうね。良かったわね、希」

希「穂乃果ちゃん……。エリち……。ありがとうなぁ」

にこ「ちょっと絵里」

絵里「何かしら？」

にこ「あんた本当は嘘ついたんじゃないの？」

絵里「そんなことしないわよ」

にこ「どうだか……」

凛「あー。みんなお揃いで何してるにゃー」

穂乃果「凛ちゃん！」

にこ「回転寿司屋で希の大食いショーを見学していたのよ」

希「にこっちひどいなぁ」

凛「凛も絵里ちゃんの話聞いてお寿司食べたくなったにゃー」

にこ「ん？」

穂乃果「凛ちゃん。絵里ちゃんの話って、何？」

凛「お寿司はカ口リーゼロだって。まぁさすがの凛ちゃんも騙されなかったけど」

にこ「ちょっと絵里……っていねぇし！」

希「やっぱエリちが言ってたやんなぁ……」

穂乃果「ま、まぁ。体重増えないんだから良かったよね！」

希「そうやねぇ……。でも、うち、今日からしばらくちくわだけで生活するわ」

凛「なんでにゃー？」

希「ちくわはカ口リーゼロや、ってエリちが言ってたもん」

にこ「あんたいい加減、絵里の言うこと信用するのやめなさいよ！」

終わり

読んでくれた方、レスくれた方、ありがとうございました。