2: ◆aAGpgHyonkae 2015/02/15(日) 20:12:42.03 ID:JI4zUvU8O
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


──まきりんぱなの帰り道──


凛「海未ちゃんにチョコをあげるにゃ!」

花陽「ぴゃぁっ!」ビクッ

真姫「急にどうしたのよもう。花陽がびっくりしてるじゃない」

凛「あ、ごめんね!」アセアセ

花陽「は、花陽は大丈夫。続けて?」

凛「う、うん」

凛「凛ね思ったの。凛は海未ちゃんにすごくお世話になってるなって」

花陽「うんうん!」

凛「海未ちゃんはいつも凛のことを大切にしてくれてるなって!」

真姫「うん」

凛「だから、お姉ちゃんみたいな海未ちゃんに何かお礼したいなって!」ニコッ

まきぱな『なるほどぉー』

3: 2015/02/15(日) 20:13:18.81 ID:JI4zUvU8O
花陽「凛ちゃんは海未ちゃんのことが大好きなんだね!」ニコッ

凛「えぇぇ!? そ、そそ、そうじゃなくてぇ///」アワアワ

花陽「愛してるんだね!」パァーッ!

凛「にゃぁぁぁああ! かよちんっ! 声が大きいよぉ!///」アワアワ

真姫(かわいい)

花陽「任せてよ凛ちゃん! 花陽と真姫ちゃんが凛ちゃんを究極サポートだよ! ね!?」ニコッ

凛「ほ、ほんと!?」キラキラッ

真姫「当たり前じゃない。私たち友達でしょ?」プイッ

花陽「よぉーし! うみりんラブラブ大作戦だよぉ!」グッ!

真姫「お、おー!」

凛「は、恥ずかしいからその作戦名はやめないかにゃ?///」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

4: 2015/02/15(日) 20:14:22.71 ID:JI4zUvU8O


──真姫ハウス──


花陽「というわけで作戦会議だよ!」

凛「作戦会議にゃ? みんなで手作りチョコ作るんじゃないの?」

真姫「甘いわよ、凛!」クワッ!

凛「にゃっ!?」

花陽「そうだよ凛ちゃん!」クワッ!

凛「ふ、二人ともこわいにゃぁ」ビクビクッ

花陽「いい、凛ちゃん? 海未ちゃんの人気は今や校内だけじゃないんだよ?」

凛「にゃ?」キョトン

真姫「A-RISEに勝ったμ'sよ? いまや世間からは大きな注目を浴びているわ」

凛「にゃ?」キョトン

花陽「ただでさえ大人気のμ'sなのに海未ちゃんは弓道部の活動もしていて」

花陽「……可愛いだけじゃないアイドルなんです!」

凛「弓道してる海未ちゃんかっこいいよね!」

花陽「うんっ♪」ニコッ

凛「つまりどういうこと?」

真姫「ライバルが多いってこと」ハァッ

凛「な、なるほどぉー」

5: 2015/02/15(日) 20:15:05.62 ID:JI4zUvU8O

花陽「なので、海未ちゃんのハートをガッチリ掴めるようなチョコをプレゼントしなきゃ!」

凛「ラーメンチョコかにゃ?」ニコッ

真姫「もう、ふざけないの!」

凛「ふふっ♪ 凛、知ってるよ?」

凛「海未ちゃんの好物は穂乃果ちゃん家のお饅頭だって!」

花陽「そうだねっ♪」ニコッ

凛「だから穂むらの和菓子をあげればいいんだよぉ!」ネコポーズ

真姫「そんなことはプロフィールにも書いてあるんだし、みんな思ってるわ」

真姫「もっとライバル達の上を行かないと!」

花陽「さすがですっ!」ニコッ

凛「にゃー? どうしたらいいにゃ?」

真姫「簡単よ。海未のことをもっとよく知ればいいのよ」ウインクパチッ


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

6: 2015/02/15(日) 20:16:24.96 ID:JI4zUvU8O


穂乃果「──それで私たちが?」

ことり「呼ばれたんだねっ♪」ニコッ

凛「わーい! 2人がいれば100人力にゃ!」ニコニコ

花陽「さすが真姫ちゃんです!」ニコッ

真姫「まーね」フフンッ

凛「ねぇねぇ! 海未ちゃんにどんなチョコをあげたら喜ぶかな!?」ワクワク

穂乃果「……ランチョパック?」

ことり「それ、穂乃果ちゃんが食べたいだけなんじゃ……」アハハッ

穂乃果「えー、チョコ味も美味しんだよ?」ブスー

真姫「そうじゃないでしょ……」

7: 2015/02/15(日) 20:17:02.59 ID:JI4zUvU8O

花陽「2人は毎年どんな物をあげてるの?」

ことり「ことりは手作りクッキーかな」

穂乃果「穂乃果はほむまんの売れ残りを」

花陽「ウレノコリアゲチャッタノォ!?」

穂乃果「え、ダメだった?」キョトン

真姫「う、海未の反応はどうなのよ?」

ことり「すっごい喜んでるよ?」ニコッ

真姫「そ、そう」

凛「……」

花陽「凛、ちゃん? どうかした?」

凛「う、うん……その」

真姫「まさか、やめるなんていうんじゃないでしょうね?」ジトーッ

凛「だ、だって!」

凛(二人よりも良いものなんて、あげられそうにないんだもん)シュン

穂乃果「……ねぇ凛ちゃん」

穂乃果「凛ちゃんにとって海未ちゃんってどんな人?」

凛「凛にとって?」キョトン

8: 2015/02/15(日) 20:18:12.17 ID:JI4zUvU8O

穂乃果「うんっ♪」


凛(……海未ちゃん)ギュッ

凛(……優しくて)

凛(真面目で)

凛(カッコよくて)

凛(可愛くて)

凛(頑張り屋さんで)

凛(──凛はそんな海未ちゃんが大好きなんだ)


凛「……大切な人、だよ」

穂乃果「だったら、その気持ちを込めればいいんじゃないかな?」ニコッ

凛「……っ!」

穂乃果「海未ちゃんは貰ったモノよりも、貰った気持ちを大切にしてくれる人だよ」グッ

凛「穂乃果ちゃん……!」

ことり「それにね、凛ちゃんが心を込めて作ったお菓子は」

ことり「この世界に一つしかないモノだと思うな♪」ニコッ

凛「ことりちゃん……うん♪」

凛「二人ともありがとう!」ニコッ

ことり「そして、告白を!」グッ!

凛「え!?///」

穂乃果「ファイトだよっ!」グッ!

凛「そそそ、それはちょっと!///」




真姫「さて、と」スッ

花陽「真姫ちゃん?」

真姫「台所。材料とか出さないとでしょ?」

花陽「花陽も手伝うよ」スッ

真姫「──ありがとう」ニコッ


9: 2015/02/15(日) 20:19:22.57 ID:JI4zUvU8O
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


時は流れてバレンタイン当日


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

10: 2015/02/15(日) 20:19:57.74 ID:JI4zUvU8O


──1年生教室──


真姫「放課後よ!」

花陽「いくよ、凛ちゃん!」グッ!

真姫「今日は弓道部に顔を出すって言ってたから……」

花陽「早く行かないとすれ違っちゃうよ!」

凛「う、うん! いっくにゃぁ!」ドキドキ


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

11: 2015/02/15(日) 20:23:33.12 ID:JI4zUvU8O


──2年生教室──


真姫「凛! 頑張って!」

花陽「花陽たちは陰から見守ってるから!」


──トンッ。


凛(……いつかの時のように2人が背中を押してくれた)

凛(100人リキだにゃ!)

凛「ありがとう!」


ガラガラッー。

凛「えっと、海未ちゃんは……あっ」


ことり「それでね、その時凛ちゃんが……」

海未「ホント、凛はかわいらしいです」ニコッ

穂乃果「でしょでしょ? 穂乃果もすっごい楽しくて……」


花陽「さすがです! 凛ちゃんのために海未ちゃんを足止めてくれていたんですね!」

真姫「やるじゃないっ!」グッ!

12: 2015/02/15(日) 20:32:06.13 ID:JI4zUvU8O


海未「さて、そろそろ」ガタッ!

穂乃果「ままま、待って海未ちゃん! まだ話が──」


凛「──あの、海未ちゃんっ!」


ことり(──きたっ!)

穂乃果(ナイスタイミング!)

海未「おや、凛? どうしまし──」


ドタドタドタッ!


真姫「ちょっとなによこれ! イミワカンナイッ!」

花陽「これ全部ニネンセイタチノファンナノォ!?」


ドタドタドタッ!


海未「……なんだか騒がし、い!?」

穂乃果「ひ、人がなだれ込んできた!?」

ことり「な、なにこれ!?」

凛「にゃっ、にゃぁぁぁああ!」

海未(──凛が人混みに!?)


「園田先輩これ! 受け取ってください!」

「南さん、私と姉妹の契りを……」

「生徒会長大好き!」

13: 2015/02/15(日) 20:33:24.05 ID:JI4zUvU8O

希「──ちっ! スピリチュアルやね!」シュタッ!

真姫「希!? どうして──」

希「話は後! 今はこの場を──」


ドンッ!


凛「きゃっ!」


真姫「凛!?」ダッ!

花陽「凛ちゃん!?」ダッ!

希「!? 2人とも頼んだで!」

希「はいはーい! 皆さん押さないで!」

希「μ'sの三人へプレゼントを渡す方はうちの指示に従って下さーい!」


海未「凛! どこですか!? 凛!」

海未「──りーんっ!」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

14: 2015/02/15(日) 20:34:02.57 ID:JI4zUvU8O


──屋上──


真姫「──まさかあんなにも人が押し寄せるなんてね」

凛「……うん」シュン

花陽「凛ちゃん落ち込まないで!」

花陽「まだチャンスはあるよ!」ニコッ

凛「──2人とも、ありがとう」

凛「でも、もういいんだ」

真姫「なっ! ちょっと凛! あん、た……」


──スッ。


凛「せっかく、みんなに手伝って貰ったのにごめんね」シュン

花陽「そんな……あんなに綺麗に包装したのに」

真姫(さっきの人混みで……)ギュッ

凛「これじゃ、渡せないから」ニコッ

凛「だから、今日は……ごめんね──」ダッ!

真姫「ちょ、凛!」

花陽「凛ちゃん!」


ガチャッ。

──バタンッ!


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

15: 2015/02/15(日) 20:34:56.95 ID:JI4zUvU8O


──公園のベンチ──


凛「はぁ……」シュン

凛(凛、なにやってるんだろう)

凛「気晴らしにゲームでもやるにゃ」

凛「……」シャンシャンッ

凛「……」シャンッ

凛「……」シャンシャンシャンシャンッ

凛(全然楽しくないにゃ)グスッ

凛「……海未ちゃん」


「……はい、ここにいますよ」


凛「へっ?」クルッ

海未「探しましたよ、凛」ニコッ

凛「う、海未ちゃん!?」

凛(いつの間に隣に!? ゲームしてて気づかなかった……)

海未「まったく、教室に凛がわざわざ来てくれた……と思ったら」

海未「急に人が押し寄せてくるなんて」

海未「少し、足止めを食ってしまいました」ニコッ

16: 2015/02/15(日) 20:35:47.27 ID:JI4zUvU8O
凛「その紙袋は……」

海未「ああ、ファンの方たちが私にと」

海未「ラブライブの影響ってすごいんですね」

凛「そう、だね」シュン

凛(いいなぁ)

凛(凛も海未ちゃんに渡したかったよ)ジワァ

凛(せっかく、みんなが、手伝って……)グスッ

海未「凛、あの──」

凛「──凛、用事を思い出したにゃ!」スクッ

17: 2015/02/15(日) 20:36:53.11 ID:JI4zUvU8O

凛「海未ちゃんごめんね。今日はばいばいにゃっ!」ダッ!

海未「あっ! 待ちなさい!」ガシッ!

凛「にゃぁっ!?」


──ポロッ。


海未「ん? これ、は?」キョトン

凛「そ、それはっ!」

海未(バレンタインチョコと……メッセージカード?)


『海未ちゃん、いつもありがとう。大好き』


海未「……」プルプルッ

凛(うぅ、こんなカタチで海未ちゃんの手に渡るなんて……)

凛「海未ちゃん、あのね! 違うの!」

凛「本当はもっと──」

18: 2015/02/15(日) 20:38:02.81 ID:JI4zUvU8O

海未「凛! これ、私に、ですか?」

凛「そ、そうだったんだけどね、あのね」オロオロ

海未「頂きます!」ガバッ!

凛「え!?」


かぱっと開封。


凛(……やっぱり割れちゃったよね。綺麗なハートだったんだけど)シュン

海未「……」モグモグッ

海未「……美味しいですよ、凛」ニコッ

凛「……うぅっ、ひっぐ」グスッ

海未「どうしたのですか?」ナデナデ

凛「うみちゃぁんっ!」ギュッ


ぎゅっ。


海未「わっ!」

凛「海未ちゃん! 海未ちゃん海未ちゃん! 海未ちゃぁんっ!」ポロポロ

海未「よしよし」ナデナデ

凛「ホントは……もっと綺麗で、ぐすっ。凛、みんなも手伝って……うぅっ」グスッ

海未「大丈夫です。大丈夫ですから」ナデナデ


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

19: 2015/02/15(日) 20:42:01.04 ID:JI4zUvU8O


海未「落ち着きましたか?」

凛「……うん」

海未「凛は、勇気がありますね」ニコッ

凛「え!? 凛が!?」

海未「はい、少なくとも私よりも」

凛「そ、そんなことないよぉ///」

凛「っていうかなんで急に?」

海未「ふふっ♪ それはまたの機会に」ニコッ


ガサゴソ。


海未「──はい、これは私から」

凛「……? これはなに?」キョトン

海未「なにってチョコレートですよ」

凛「……? 凛にくれるの?」

海未「はい」

海未「『あなたと一緒』です」

海未「凛は私にとって
、大切な人ですから」ニコッ

凛「あ、ありがとう/// 恥ずかしいにゃ/// ……ん?」

海未「で、ではまた! 学校で!」ガタッ!

凛「あ、うん! 今日はありがとうね」ニコッ

海未「……っ! そ、それでは!」ダッ!

20: 2015/02/15(日) 20:43:03.53 ID:JI4zUvU8O


凛「海未ちゃん、急に行っちゃったにゃ」

凛「なにか急いでたのかな?」

凛(『あなたと一緒』だって)

凛(穂乃果ちゃんとことりちゃんの言った通りだった)

凛(ちゃんと、凛の気持ちを……)

凛(──嬉しいにゃ)ニコニコ


ガサガサッ。


凛「……あ、メッセージカードだ」


『凛、いつもありがとうございます』


凛「うふふっ♪ 海未ちゃんらしい綺麗な字だにゃっ♪」ニコッ


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

21: 2015/02/15(日) 20:44:48.21 ID:JI4zUvU8O


──海未ちゃんの部屋──


海未「……はぁ」

海未(凛にチョコレートをあげてしまいました)

海未「あまりの恥ずかしさに逃走してしまいました」

海未(美味しく頂いてくれたでしょうか?)

海未(──凛は)

海未(ここぞという時に勇気が出せる凄い人です)


『凛、いつもありがとうございます』


海未(私には『あなたが書けた文字』が書けませんでしたから)

海未「──大好きなんて、破廉恥ですよ、凛///」カァーッ

22: 2015/02/15(日) 20:49:10.14 ID:JI4zUvU8O
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


──時は流れて……3月14日


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

23: 2015/02/15(日) 20:49:41.23 ID:JI4zUvU8O


──凛ちゃんの部屋──


凛「これでいいかなぁ」クルッ

凛(あれから少し時間が経って)

凛「うーん、まあいっか!」

凛(今日は海未ちゃんと2人で遊びに行くことになったにゃ)

凛「ハンカチとティッシュも持って……」

凛(ホワイトデーのお返しも兼ねて、なんだって)

凛「帽子も被って、と」

凛(プランは海未ちゃんにお任せしてるから……)

凛「凛はバッチリ準備して行くにゃ!」グッ!

凛(きっと海未ちゃんのことだから山に行くんだと思うにゃっ♪)

凛「ふふっ♪ さすが凛! 海未ちゃんの妹分にゃっ!」

凛(自分で言っておいてなんだけどちょっと恥ずかしいにゃ///)

凛「さぁ、山頂アタックに行っくにゃぁっ!」ニコッ

凛「……あ、危ない!」


ガサゴソ。


凛(──明日は大切な日だから)

凛「ちゃんと、渡せるといいな」ニコッ

凛(──ところで、こういうのもデートって言うのかな?)

凛「……ちょっと、恥ずかしいにゃ///」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


凛「海未ちゃんにチョコをあげるにゃ!」

おしまい

24: 2015/02/15(日) 20:50:28.74 ID:JI4zUvU8O
終わりです。

見てくれた方、ありがとうございました!

25: 2015/02/15(日) 21:00:52.84 ID:FFkXEnEg0
乙乙

引用元: 【ラブライブ!】凛「海未ちゃんにチョコをあげるにゃ!」