1: 2013/02/17(日) 01:54:37.03 ID:mCGBCZqK0
小萌「え~~っと、シスターちゃん?」

禁書「何かな?」

小萌「私はさっき黄泉川先生と飲み明かして今からぐっすりと眠りにつこうとしているのです」

禁書「もう朝なんだよ。すずめもちゅんちゅん言ってるんだよ」

小萌「シスターちゃぁ~ん、世の中にはみんなが寝ている間に働いている人もいるのですよぉ~」

小萌「そしてそういう人たちはこういう時間におねんねするんですよぉ」

禁書「でもこもえは普段昼間に学校で授業をしてるんだよ」

小萌「うぅぅぅ、今日は特別なのですよぉ」

2: 2013/02/17(日) 02:00:14.44 ID:mCGBCZqK0
禁書「じゃあ日本のバレンタインについてきちんと教えてもらおうと思った私の熱意はどうなるのかな?」

小萌「私が寝て起きてからだから午後になるのです ふあぁ~ぁ」

禁書「それじゃあだめなんだよ!バレンタインは戦いだってカナミンも言ってたんだよ!」

小萌「そうは言っても先生は眠いのですよぉ!シスターちゃん、先生はもうおねむなのですう!」

禁書「せめて!せめて私にこもえのお手伝いをさせてほしいんだよ!」

小萌「はい?」

禁書「私はとうまからお小遣いをもらってないからこもえのお手伝いをしてお小遣いがほしいんだよ!」

小萌「どういうことですか?」

禁書「お手伝いをしてとうまにチョコをあげるんだよ!」

小萌「それ私の部屋でやることですか?」

禁書「ほかに頼める人がいないんだよ」

小萌「はぁ、仕方ありませんねぇ」

4: 2013/02/17(日) 02:13:59.15 ID:mCGBCZqK0
ごちゃごちゃ

禁書「あいかわらずすごい部屋なんだよ」

小萌「シスターちゃんも大人になればわかるのです」

禁書「とりあえず何をすればいいのかな?」

小萌「たばこのすいがらとビールの空き缶を別々のビニール袋に入れておいてもらえればそれでいいのです」

禁書「それだけでいいの?」

小萌「はい、それだけです ふあぁぁぁ」

禁書「よーし、がんばるんだよ!」

小萌「じゃあ最初にお駄賃をわたしておくのです」ジャラジャラ

6: 2013/02/17(日) 02:24:15.53 ID:mCGBCZqK0
いんでっくすは600円を手に入れた

小萌「じゃあ終わったら鍵をかけてかぎは新聞受けに放り込んでおいてほしいのです おやすみなさい」パタッ クー

禁書「じゃあ早速やるんだよ!」フンス

禁書「よいしょ、よいしょ」ガサゴソ

小萌「くー、すー」

禁書「うぅ、たばこもビールも臭いんだよぉ」ガサゴソ

禁書「こんなに臭いのを飲んだりすったりしてるはずなのにこもえからはそんな香りは一切感じないんだよ」クンクン

小萌「すー、かー」

禁書「すごく不思議だけどバレンタインチョコのためにがんばるんだよ!」フンス

7: 2013/02/17(日) 02:32:31.24 ID:mCGBCZqK0
一時間後

禁書「やっと終わったんだよ」

ごっちゃり

禁書「この部屋のゴミがほとんどたばことビールで占められていたことに驚きを隠せないんだよ」

小萌「くー、すー」

禁書「それじゃあこもえとはバイバイして次はあいさのところに行ってみるんだよ」

禁書「こもえとあいさとまいかのところしか行くあてのない私にとってどれか一つでも欠けると氏活問題なんだよ」

禁書「じゃあねこもえ、また遊びにくるからねー」

バタン ガチャリ ポトッ

小萌「うーん、むにゃむにゃ」

9: 2013/02/17(日) 02:37:14.64 ID:mCGBCZqK0
姫神「今週はバレンタインが控えている。つまり準備するための週末は今回限りということ」

姫神「やってみせる。私にもてるものすべてをなげうって上条君のハートとスポットライトを手に入れる」

ピンポーン

姫神「おや、来客とは珍しい」

ドンドンドン

あいさー!私なんだよー!

姫神「チッ、シスターかよ」

姫神「だめだめ、こんな態度ではファンから冷奴をぶつけられてしまう。いつも礼儀正しく巫女服が飾りでないことをみせつけてやるべき」

ガチャっ

禁書「あいさー!バレンタインチョコについて教えてほしいんだよ!」

姫神「まさかのライバル宣言だと・・」

11: 2013/02/17(日) 02:49:53.99 ID:mCGBCZqK0
姫神「バレンタインチョコを学んでどうするつもり?」

禁書「とうまにあげるんだよ!」

姫神「なん・・だと・・」

禁書「どうしたの?」

姫神「なんでそんなに似合わないことを?」

禁書「カナミンでもやってたんだよ!だから私も当麻にあげたい!」

姫神「おのれカナミンめ」

禁書「こもえからこれだけお金をもらったからこれでとうまにおいしいチョコを食べさせてあげるんだよ!」ジャラッ

姫神「ふむふむ」

姫神(この程度なら大したことはできない。まだ私に勝機は残されている)

12: 2013/02/17(日) 02:57:24.71 ID:mCGBCZqK0
姫神「こほん、それでは簡単にバレンタインチョコの作り方を教えてあげる」

禁書「何何?」

姫神「まずお店でチョコを買ってくる」

禁書「うんうん!」

姫神「それをリボンで包む」

禁書「うんうん!」

姫神「そこにメッセージカードを添える」

禁書「それでそれで?」

姫神「できあがり」

禁書「あれ?」

13: 2013/02/17(日) 03:02:55.08 ID:mCGBCZqK0
姫神「いいたいことはわかる。でも病院を思い出してほしい」

禁書「病院?」

姫神「病院の先生というのは自分にできないことは紹介状を書いて他の病院に送り込んだりするもの」

禁書「そうなの?」

姫神「そう」

禁書「言われてみれば救急車のたらいまわしとかニュースで見たんだよ」

姫神「できないことを無理してまでやる必要はない。これが世の中」

禁書「うーん、大人の世界が汚く見えるのはそういうことなんだね」

姫神「と、いうわけで私のバレンタイン講座はこれでおしまい」

禁書「参考になったんだよ!ありがとうあいさ!」

14: 2013/02/17(日) 03:08:24.16 ID:mCGBCZqK0
姫神「さらばライバル。だが私は卑怯だとは思わない」ヒラヒラ

姫神「なぜならば無知というものは時として大きな罪になるものだから」



禁書「とりあえずこのお金でチョコを買ってリボンで包んでメッセージを書けばいいんだよ」

禁書「あとはまいかに教えてもらえば完璧だね!」

ピコピコピコパコ

禁書「ん?」

舞夏「あれ~~、シスター」クルクル

禁書「あ、まいか。ちょうどよかったんだよ」

舞夏「探してたのかー?」

禁書「うん!まいかにバレンタインのことを教えてほしいんだよ!」

舞夏「ほうほう、それは興味深いなー」

15: 2013/02/17(日) 03:12:32.21 ID:mCGBCZqK0
禁書「と、いうわけでまいかにはリボンとかを手伝ってほしいんだよ!」

舞夏「うーん、それは別にかまわないけどもう一工夫ほしくないかー?」

禁書「え?」

舞夏「どうせなら手作りってやつをやってみないか?」

禁書「でも私料理はさっぱりなんだよ」

舞夏「大丈夫、私が簡単なのを教えてあげようじゃないか」フンス

禁書「さすがまいか、頼もしいんだよ」

17: 2013/02/17(日) 03:17:30.91 ID:mCGBCZqK0
土御門の部屋

舞夏「それじゃあ早速つくるぞー!」

禁書「やってみるさ!なんだよ!」

舞夏「といっても簡単に溶かしてかためるってやつをやるからそんなに難しいことはないからなー」

禁書「それでも私には初めての挑戦なんだよ」

舞夏「それじゃあまずはアーモンドを砕いてもらおう」

禁書「うーんと、どうすればいいの?」

舞夏「このまな板にアーモンドを少しだけ並べてみろ」

禁書「うん」ボトボト

舞夏「そしてもう一枚のまな板を上からそっと乗せる」

禁書「ゆっくりなんだよ」ソッ

舞夏「乗せたな?」

禁書「うん」

18: 2013/02/17(日) 03:20:30.11 ID:mCGBCZqK0
舞夏「じゃあまな板の上から軽くたたいてみろ」

禁書「わかったんだよ」トントン

ごきっ べきっ

禁書「手ごたえがはんぱないんだよ!」

舞夏「ふふん、今のでアーモンドがつぶれたからまな板をめくって確認してみるといいぞー」

禁書「とう」ヒョイ

ぼろっ

禁書「おお、粉々なんだよ」

舞夏「うんうん、これでトッピングが完成だ」

禁書「よくわからないけどがんばったんだっよ」

20: 2013/02/17(日) 03:27:34.83 ID:2JTrYns10
禁書「肝心のチョコレートはどうなってるの?」

舞夏「ふっ、私の練習用に既に加工しやすいようにやわらかくなったチョコレートが用意してある」

禁書「な、なんだってー」

舞夏「学園都市の最新調理器具でチョコレートを柔らかいまま保存できる器具もあるくらいだからなー」

禁書「すごいんだよ!」

舞夏「ぶっちゃけチョコレートってのは口どけで変化を与えたり特別に何かを混ぜないとそう変化することはないからなー」

禁書「へー」

舞夏「とりあえずここにストレートとストロベリーとミルクとを用意してある。好きなのを選ぶがよい」

禁書「ストロベリーがいいんだよ」

舞夏「ストロベリーだけでいくのかー?」

禁書「うーん、じゃあストロベリーとミルクを同じだけ使うんだよ!」

21: 2013/02/17(日) 03:34:11.74 ID:2JTrYns10
舞夏「ふむふむ、それで形はどうするんだー?」

禁書「せっかくだからカナミンにでてきたやつを作ってみるんだよ!」

舞夏「って言われても私にはどんなのかわからないぞー?」

禁書「これ!これなんだよ!」

舞夏「ん?チラシ?」

禁書「ポストに入ってたんだよ!」

舞夏「何と、商品化されていたのか」

禁書「ってことでこれを目指すんだよ!」

舞夏「ここにある材料じゃ全く同じものはできないけどそれでも大丈夫かー?」

禁書「いいんだよ!カナミンも大切なのは気持ちだって言ってたんだよ!」

22: 2013/02/17(日) 03:50:12.53 ID:2JTrYns10
一時間後

禁書「大体完成なんだよ!」

舞夏「細かいとこだけやってもらったけど初めてにしては上出来なんだぞー」

禁書「ふふん」

舞夏「あとはアーモンドをこことここにまぶせば完璧だな」

禁書「私がやるんだよ」

舞夏「量はこのくらいだなー」

禁書「よっと」パラパラ

舞夏「うん、ばっちりだ」

禁書「やったー」

24: 2013/02/17(日) 03:54:35.53 ID:2JTrYns10
禁書「ただいまー」

上条「おおインデックス、どこ行ってたんだ?」

禁書「とうまのためにバレンタインチョコを作ってきたんだよ!」

上条「え?」

禁書「はいこれ!バレンタインになったら開けて食べてほしいんだよ!」

上条「ま、まじで!?」

禁書「うん!こもえのお手伝いしてお金をもらってあいさに色々教えてもらってまいかと一緒に作ったんだよ」

上条「へぇー、インデックスが俺のために・・・」

禁書「まいかがいろいろ用意してたのを使わせてもらったからお金は全部まいかにあげてきたんだよ」

上条「そっかそっか、いや何だかすっげえうれしいぞインデックス」

禁書「これもとうまのためなんだよ!」フフン

25: 2013/02/17(日) 04:00:48.34 ID:2JTrYns10
上条「えっと、今見るだけ見てもいいか?」

禁書「だめって言いたいところだけど見るだけなら特別に許してあげるんだよ」

上条「サンキューな」

パカッ

上条「おお、すげえ、手がこんでるじゃねえか」

禁書「がんばったから当然なんだよ」

上条「うわぁ、食べるのもったいねえな」

禁書「えへへ」

上条「うはあ、何かこう胸があったかくなってくるぜ」

26: 2013/02/17(日) 04:04:33.05 ID:2JTrYns10
上条「ありがとうなインデックス、大事に食べるからな!」

禁書「当然なんだよ」

上条「いつもいつもかみつかれてばかりのインデックスにここまでしてもらえるなんて涙が出そうだぜ」

禁書「む!私が噛むのはとうまが私を怒らせるのがいけないんだよ」

上条「え?そうだっけ?」

禁書「そうなの!」

上条「あー・・・」

上条(そうじゃないような気もするけど今はいいや。純粋にうれしいしな)

上条「こほん、このチョコのお礼にインデックスの好きなもの食べさせてやらないといけねーな」

禁書「当然なんだよ!」

上条「ん?」

29: 2013/02/17(日) 04:08:49.13 ID:2JTrYns10
禁書「カナミンでやってたんだよ!日本特有のルールでバレンタインの一ヵ月後のホワイトデーには三倍返しが基本だ!って」

上条「あのー、まさかインデックスさん、それを狙ってたんじゃ・・」

禁書「だからホワイトデーにはお肉をお腹一杯食べたいんだよ!」

上条「やっぱりか・・・」

上条(でもまあ、インデックスらしいか)

禁書「とうま、楽しみにしてるからね?」ニコ

上条「ったく・・・」

上条(手作りのチョコもらえたのはうれしいし一ヵ月後の焼肉ってんなら今からコツコツ貯めればなんとかなるだろ)

上条「わかったよ。期待しててくれ」ナデナデ

禁書「わーい!おにく!おにく!おっにっくぅ!!」

上条「ただし、鶏肉だからな?」

禁書「むぅ、でもこの際贅沢はいわないかも」

上条「じゃ、楽しみに待っててくれよな」

禁書「うん!!」

おわり

30: 2013/02/17(日) 04:10:56.74 ID:LyHRKQsO0
乙!

引用元: 禁書「とうまにバレンタインのチョコをあげたいんだよ!」