ちひろ「……あれ？　確認と言っても、これって仕事をサボっている事には変わりないですよね？」

モバP「し、仕事は残りをまとめるだけなので直ぐ終わりますよ。珍しく定時には終わりそうです」

ちひろ「あら、そうなんですか。ほんと、珍しいですね」

モバP「今日は先に色々済ませておいたので……ああ、そうだ。
　　　SNSはファンとの距離を近づけるものですが、炎上の種にもなりやすい。こういった事を管轄するのも、歴としたプロデューサーの仕事かもしれませんね（ｷﾘｯ」

ちひろ「まぁブログやツイッターが原因で炎上しちゃった芸能人も少なくはないですけど……そもそもやらせなければいいのでは……」

モバP「アイドル達は必然的に生活を縛られてしまうものです。それくらいの自由は利かせてあげたいじゃあないですか」

ちひろ「随分とアイドル思いな事で。それで、本音は？」

モバP「プロデュースしているアイドルたちの、私生活と可愛いところを見てみたい」

ちひろ「……ド直球でしたね」

ちひろ「まぁ、いいですよ。私もちょっと気になりますし」

モバP「お、そうですか。今見始めたばかりなので、ちひろさんも一緒にどうです？」

ちひろ「……今回だけですよ？　次からは自宅でなさってくださいね」

モバP「うっ……分かりましたよ」

ちひろ「よろしい。で、誰のブログを見ているんですか？」

モバP（なんだかんだでノリノリだなちひろさん……）

モバP「今見ているのは美穂のブログですね。これです(ｶﾁｯ」

ちひろ「わ、ブログトップが可愛らしいくまになってる。この白いくまって……」

モバP「ええ、美穂の持っているあのぬいぐるみだと思います。アイドル達の話だと、泉にブログの装飾とかを手伝って貰っているんだとか」

ちひろ「泉ちゃん凄いわね……小さいくまがページ下をとことこ歩いてる……」

モバP「閲覧者数は最近10万を越えたんですよ。始めて間もないんですが、美穂の人気が窺えます」

ちひろ「アイドルや芸能人のブログって、ブクマに入れてると1日1回はちらっと覗きたくなりますよね。美穂ちゃんもブクマを沢山して貰ってるんですねー」

モバP「いやぁ、美穂もここまで来たんだなぁ……そう思うと泣けてきます」

ちひろ「何言ってるんですか。もっともっと上を目指すんでしょう？」

モバP「はは、そうですね、すみません。さてと、それじゃあ記事を見ていきましょうか。今日が○月△日だから……お、昨日更新されてますよ」

『今からバラエティ番組収録です！　○月×日　PM06:41』


『みなさん、こんばんは。今、携帯から記事を書いています。
　なぜ携帯からかと言いますと、7時からあの有名なバラエティ番組の撮影が始まるからなんです。
　ちょっと前まではテレビで見ていたあの番組に出演できるなんて、夢のようで嬉しい！
　こういうところも、アイドルを始めて良かったなぁと思うところかもしれません。


　収録中にミスしちゃわないかとどきどきしているので、今回もこのぬいぐるみを持ってきて来ちゃいました。

［白いくまのぬいぐるみがスタジオの椅子に座っている写真］

　いつもいつも、緊張する収録の前はこのぬいぐるみを数分抱いているんです。
　すると、いつの間にか緊張が解けているんです、すごいですよね！
　きっとこのぬいぐるみに、私の想いがぎゅっと籠もっているからなんだと思います。名前も付けちゃうくらいに気に入っているので、安心するのもありますね。

　それでは、収録に行ってきますね。
　今日も皆さんと、ぬいぐるみくんの力を借りて頑張ります！

　ヽ(・(エ)・)ﾉ ｸﾏｰ!』

ちひろ「ふふ、美穂ちゃんらしくて可愛いですね」

モバP「見ていて何と言いますか、和みます。くまの顔文字が最近のメールの流行ってのは美穂からかもしれないな……」

ちひろ「あ、コメント欄を設けているんですね。普通だったら付けないと思うんですが、誹謗中傷とか大丈夫なんですか？」

モバP「美穂ですからコメント欄を設けているんですよ。あの子ならぶっ飛んだ事を書かないですし、コメントの内容も……」



12ｸﾏｰ『美穂ちゃん収録頑張って！　番組絶対見るよ！　ヽ(・(エ)・)ﾉ』

47ｸﾏｰ『美穂ちゃんもとうとうあのバラエティに出演か……成長っぷりにおいちゃん嬉しくて涙が出るよ』

51ｸﾏｰ『47ｸﾏｰ　美穂ﾀｿの祖父さんですか？　美穂ちゃんをください』

77ｸﾏｰ『私はくまのぬいぐるみになりたい　ヽ(・(エ)・)ﾉ』

83ｸﾏｰ『私はくまのぬいぐるみを抱いている美穂ちゃんの座っている椅子になりたい　ヽ(・(エ)・)ﾉ』

90ｸﾏｰ『気持ち悪いコメントは止めないか。私は美穂ちゃんの吸う空気になれればそれでいいです　ヽ(・(エ)・)ﾉ』

102ｸﾏｰ『ぬいぐるみの名前、ずっと秘密にしてるよな……気になるぜ……』

ちひろ「確かに平和ですね」

モバP「こういうのがちらほらあるだけなんです。流石は美穂、といったところですよ。ぬいぐるみを持っていくのはどうかと思うんですけどね……」

ちひろ「それほど信頼されてるって証拠じゃないですか。良かったですね、プロデューサーさん」

モバP「？　何がです？　美穂との信頼関係はあると自負はしてますけど……」

ちひろ「……あー、はい。なんでもないですよ、ええ。次、行きましょうか」

モバP「あ、はい。じゃあ次は……（ｶﾁｶﾁ」

ちひろ「わ、プロデューサーさんのブクマにアイドルのSNSがびっしり……流石というか何というか」

モバP「全員プロデュースしているんですから、これくらい当然ですよ。じゃあ次は適当に……ここだっ（ｶﾁｯ」

ちひろ「どれどれ……あら、この子は」

モバP「お、千枝のツイッターページに飛びましたね」

ちひろ「へぇ、千枝ちゃんツイッターをしているんですね」

モバＰ「ええ。千枝にブログはちょっと難しかったようで。ツイッターは簡単ですからねー」

ちひろ「わ、60万人にフォローされてる。千枝ちゃん人気凄いわ……」

モバＰ「アカウントを作った日に10万人を突破しましたからね。『こんな多くの方に見て貰って、だ、大丈夫ですか？』と千枝も驚いていましたよ」

ちひろ「フォローしている人数は200ちょっと。これは事務所の子達ですか？」

モバＰ「大体がそうですね。残りは千枝の親族と友達が見守っているようで」

ちひろ「愛されてますねぇ……」

モバＰ「それじゃあ、内容を見ていきましょうか」

※ツイッターっぽくしているので、ツイート部分は下から見て頂けると幸いです

佐々木千枝
@Tie_Usausa　via：富山県

アイドルをしています、佐々木千枝です。分からない事だらけですが、よろしくお願いします！


『色々とやってみた方がいいのかな……着がえもいるかな？2時間前』

『明日はとっても楽しみな事があってうきうきです♪2時間前』

『@Ryo_Rocker　ありがとうございます！　千枝、がんばりました！5時間前』

『今日の収録は失敗しませんでした！5時間前』

『これから美由紀ちゃんと一緒に撮影ですっ8時間前』

『@Rin_Shibuya　良かったです。でも私の方がもっともっとそうですよっ○月×日』

『@Rin_Shibuya　えっ、凛さんは違うんですか？○月×日』

『@Rin_Shibuya　ご、ごめんなさい。とっても楽しみだったので○月×日』

『えっと、京都で一緒にお仕事をした皆さんとのスケジュールが合ったので、
　これから遅くなっちゃったお疲れ様会をするんです。○月×日』

『あ、あの、そんなえOちなことじゃないです！○月×日』

『これからプロデューサーさんと一緒に、えへへ○月×日』

『私の宝物です！　京都のお土産で、おそろいなんです！
　［モバPと千枝の手だけが映っていて、お互いにお揃いのお土産を持っている写真］○月×日』

『@Mobile_Pro　ありがとうございますっ。今から楽しみにしてますね！○月□日』

『@Mobile_Pro　またお送りしました！○月□日』

『@Mobile_Pro　あの、ダイレクトメッセージ、というのを送りましたっ○月□日』

モバP「はは、これもまた千枝らしいなぁ。真面目というか真っ直ぐというか」

ちひろ「……これ真面目なんですか？」

モバP「えっ」

ちひろ「えっ」

モバP「うーん？　……考えてみると、確かにちょっとファンを混乱させるようなことを言っているかもしれませんね」

ちひろ「ですよね、ですよね！？　えOちな～のツイートなんか2000リツイートされちゃってますよ！？」

モバP「では今から注意しましょうか。リプライ、リプライっと……」

ちひろ「……へ？」

ちひろ「……ちょっと待って下さい。なんでプロデューサーさんもツイッターやってるんですか」

モバP「え？　そりゃあもう、この方が楽に注意できますし」

ちひろ「影でアイドルを支える貴方が表に出てどうするんですか！　アイドルとのやり取りで炎上するかも知れないじゃないですか！？」

モバP「鍵をつけているので他からは自分の内容は見えないですし、アイドルや仕事関連以外のリプライは無視しているので平気ですよ。特に問題はないです」

ちひろ「……本当に大丈夫なんですか？」

モバP「今のところは何も問題無いですよ？」

ちひろ「ならいいんですけど……もしかして、この@Mobile_Proがプロデューサーさん？」

モバP「良く分かりましたね、その通りです」

ちひろ「良くも何もバレバレってレベルじゃないんですけど」

モバP「そうですかねぇ。自分みたいなプロデューサーは腐るほどいると思うんですが……」

ちひろ（1人で100人以上のアイドルを丁寧にプロデュースするプロデューサーなんて、世界に貴方だけですよ……）

モバP「とまぁ、千枝はこんな感じですよ。他の子も、仲間と楽しくやっているようでなによりです」

ちひろ「それは何よりなんですけど……あ、1ついいですか？」

モバP「なんです？」

ちひろ「ちょっと失礼ですけど、プロデューサーさんのダイレクトメッセージを見させて頂いてよろしいですか？　千枝ちゃんとのリプライで気になりまして」

モバP「あ、いいですよ。ダイレクトと言ってもそこまでプライベートなことは送信し合っていないので（ｶﾁｯ」

※次のDMも下からご覧下さい

『モバプロ　@Mobile_Pro
　D Tie_Usausa　んー、我が家は何もないんだけどなぁ。
　まぁ千枝と外を長く出歩くのも色々と怖いし、行きたいのならそれでいいぞ。
　ただし、きちんと変装はしてくれよ？　　　　　　　　　　　　　　○月□日』

『佐々木千枝　@Tie_Usausa
　D Mobile_Pro　本当ですか！？
　それなら千枝、プロデューサーさんのお家でご飯食べたいですっ　　　　　○月□日』

『モバプロ　@Mobile_Pro
　D Tie_Usausa　明明後日の夜かー。
　ああ、仕事も入っていないから何も無いな。じゃあご飯でも食べに行こうか？　　　　　○月□日』

『佐々木千枝　@Tie_Usausa
　D Mobile_Pro　あの、明明後日の夜って空いていますか？
　お母さんとお父さんがお仕事で夜遅くまで帰って来られないらしくて。
　千枝、お母さんお父さんが帰ってくるまで、プロデューサーさんと一緒に居たいんです……　　　　　○月□日』

『モバプロ　@Mobile_Pro
　D Mayu_Sakuma　はいはい、後で一緒に帰ろうな　　　　　○月◇日』

『佐久間まゆ　@Mayu_Sakuma
　D Mobile_Pro　Pさぁん。今日はいつになったら事務所に戻るんですかぁ……？　　　　　○月◇日』

『モバプロ　@Mobile_Pro
　D Kaede_Takagaki　それ、DMで聞く必要ありますかね？
　肩が触れるほど真横にいるんですから普通に話しましょうよ　　　　　○月○日』

『高垣楓　@Kaede_Takagaki
　D Mobile_Pro　ふとんがふっとんだって、真剣に考えると面白い状態ですよね。
　ふとんがふっとんでるなんて……ふふっ……　　　　　○月○日』


以下略


ちひろ「」

モバP「ね、対したことはなかったでしょう？」

ちひろ「もうどこから突っ込めばいいか分からないです」

モバP「そうですか？　あれ、おかしいですね……？」

ちひろ（夜に一緒に居たいとか家に行きたいとか千枝ちゃん、アピールの仕方がとても11歳とは思えないんですけど）

モバP「とにかく、千枝にはリプライで注意をしておきましょう」

ちひろ「何て送るんですか？」

モバP「『千枝、ちょっとファンを混乱させているツイートがあるから、次は少し考えてからツイートするようにな』、です。送信、っと」

ちひろ「これで改善されるんですかね」

モバP「千枝は言いつけをきちんと守ってくる良い子ですよ。信頼関係がきちんと出来てますから（ﾄﾞﾔｯ」

ちひろ（その信頼関係が深まりすぎて大変な事になりかけている事には気付いていないんですね……）

ちひろ「あ－、なんだか一気に疲れましたよ……」

モバP「そうですか？　残りの時間で全員分見ようと思ったんですが……今日は次で最後にしましょうか」

ちひろ「全員！？　……プロデューサーさんのアイドル愛はどうなっているんですか？」

モバP「それはもう、山よりも高く、海よりも深くです。プロデュースは、今となっちゃ生き甲斐ですからね」

ちひろ「あはは、心強いプロデューサーでなによりです……」

モバP「さてと、では最後に誰のを見ましょうか。ちひろさん、リクエストありますか？」

ちひろ「そうですねー、まだPaの子を見てないので、Paの誰かでお願いします」

モバP「Paですね。それじゃあ……莉嘉でいきましょうか」

ちひろ「莉嘉ちゃんですか。SNSとか好きそうですよね」

モバP「ええ、ブログとツイッターの両方をやってます。しかも両方とも更新が多いので、閲覧者がかなり居るんですよ」

ちひろ「さすがJC、ってところですね」

モバP「まぁJC故に、ってところもあるんですけど」

ちひろ「？　何か問題でもあるんですか？」

モバP「言ってしまうと、ネタバレとかフラゲとか、アウトな事を書いちゃうことが多いんですよ。莉嘉らしいと言えばそうなんですけど……」

ちひろ「ああー、攻め攻めでイケイケな子ですからね莉嘉ちゃん……」

モバP「千枝みたいにしてくれればちょっと注意するだけで安心なんですが……というわけで莉嘉のSNSは結構チェックしているわけです」

ちひろ「いや、千枝ちゃんも結構アレだと思うんですけど」

モバP「いやいや、そんなこと無かったじゃないですかー」

ちひろ（プロデューサーさんの目は節穴。ちっひー覚えた）

モバP「さて、ブログは後で自分がじっくりと確認するので、ツイッターだけを見るとします（ｶﾁｯ」

ちひろ「フォローされている数が90万……国民的アイドルに近い数ですね」

モバP「よくバラエティにも出ていますし、知名度はずば抜けてますからね。千枝の60万も普通にスゴイ数ですが、莉嘉はまたぶっ飛んでるなぁ……」

ちひろ「フォローしている数は1000を越えていますね。こういうのって、どうやってみんなのを見ているんでしょうか」

モバP「ああ、リストという機能がありまして、フォローしている人の呟きをリスト毎に分けることが出来るんですよ。『アイドル仲間』や『学校の友達』といった具合にですね」

ちひろ「へー、便利なものですね。でも確認するだけで疲れちゃいそうです……」

モバP「そこはJCパワーでなんとかって感じですかね。では、中身を見ましょうか」

※ツイッターの部分は先と同じく下から見て頂けると幸いです

城ヶ崎莉嘉　@RIKA_JC　via：Pくんと一緒！

やっほー☆　みんなのJCアイドル、城ヶ崎莉嘉だよ！
お仕事のこともプライベートなことも、どんどん呟いちゃうからね☆　お姉ちゃん（@MIKA_JK）と一緒によろしくー☆


『あ、Pくんも今日は仕事が早く終わって暇になるって言ってたし、ご飯に誘おうかな☆　お姉ちゃんも喜ぶもんねー　　1分前』

『お姉ちゃんとスケジュールが合ったから、今日は一緒にご飯食べるよ！　へへ、久しぶりだから嬉しいな☆　　3分前』

『@Noriko_douhghnut　次はどんなドーナツか楽しみにしてるね☆　　　　　40分前』

『楽屋に遊びに来てくれたかな子ちゃんからケーキ貰ったよー！　流石かな子ちゃん、デコレーションとか超カワイイ☆　
　[ケーキの後ろでかな子とピースしている莉嘉の写真]　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1時間前』

『えーと、今日収録の●●は来週放送だからみんな見てね☆　　　　　1時間前』

『収録おーわりっ☆　みんな、行ってらっしゃいのリプありがとー！　　　　　1時間前』

『今から●●の収録！　ようやくレギュラー番組にも慣れてきたかな☆　行ってくるね！　　　　　4時間前』

『@Uduki_Shimamura　@Airi_Totokin　えへへ、いいでしょ☆　2人は明日Pくんと一緒だからチャンスだね！　　　　　5時間前』

『今日はPくんと一緒にお昼！　顔は駄目らしいから腕だけどーん☆
　[ランチのテーブルとモバPの腕に抱きつく莉嘉の写真]　　　　　5時間前』


中略


『実は寝坊しちゃって、今日はお姉ちゃんに起こして貰ったんだ。もー、今日はPくんと一緒に行くのに勿体ないっ　　　　8時間前』

『みんなおっはー☆　今日も莉嘉、頑張っちゃうよ☆　　　　　8時間前』

『@MIKA_JK　おやすみなさーい☆　　　　　○月×日』

『そろそろ寝ちゃおうかな、明日もお仕事頑張るよ☆　おやすみー！　　　　　○月×日』

『@Rin_Shibuya　と言うことは、凛ちゃんもこっそりPくんと一緒に居るんだよね☆　よーし、私も頑張っちゃうよ！　　　　　○月×日』

『凛ちゃんって結構大胆だよねー！　RT　@Rin_Shibuya：@Tie_Usausa　そんなこと言ったらプロデューサーに迷惑かけちゃうから気をつけて。
　そういうことは呟かないで、こっそりすればみんなにもバレないから。　　　　　○月×日』

ちひろ「Oh……」

モバP「げ、莉嘉のヤツまた現在地（via）を変えてるな。いい加減自分を出すのは止めてくれないとリプ欄が困るんだが……」

ちひろ「えっ、そこじゃないでしょう！？　いや、それも問題ですけど！」

モバP「ぬおっ！？　ど、どうしたんですかそんなに荒げた声で」

ちひろ「どうしたもこうしたもないですよっ。なんですかコレ！　内容がプロデューサーさんの事ばかりじゃないですか！」

モバP「いやー、注意は何度かしているんですが、言っても中々直してくれなくてデスネ……」

ちひろ「それじゃあ、本当にただチェックしているだけじゃないですか！　ファンと何ら変わりないですよ！？」

モバP「まぁ、莉嘉のファン1号は自分ですからね！（ﾄﾞﾔｧｧ」

ちひろ「誇ってる場合ですかぁぁぁ！」

ちひろ「というか、こんな内容でよく炎上しませんね。ファンはどう思われてるか知ってたりしますか？」

モバP「ブログの方だと『お、今日もPくん先輩の話題か。莉嘉ちゃん可愛いなぁ』や『Pくん先輩ｵｯｽｵｯｽ！』とか言われてるんで、大丈夫じゃないかなぁと」

ちひろ「あっ、鍛えられてるんですね……安心出来ないですけど少しほっとしました」

モバP「ずっとこんな調子だったので、みんな慣れてくれたんだと思います。いやぁ、よかったよかった」

ちひろ「よかったじゃないですよ！　そうだとしても、莉嘉ちゃんには早くプロデューサーさんとの写真とかを消して貰って下さい！
　　　　千枝ちゃんのはプロデューサーさんの名前が出ていなかったですけど、莉嘉ちゃんの名指しはさすがに危険ですって！　今更な気もしますけど！」

モバP「わ、分かりました。えーと、『莉嘉、流石に名指しで写真投稿は危険だから、直ぐに削除しておいてくれ』……これでいいですかね？」

ちひろ「もう手遅れな気もしますが、消すに越したことはないですし……」

モバP「了解です、送信っ」

ちひろ「はぁ……プロデューサーさん。
　　　　やっぱりブログやツイッターに向いている、いないってありますし、一部の子には自粛させた方がいい気がするんですけど」

ちひろ（それとプロデューサーさんの管轄能力にちょっと難ありですし）

モバP「そうですか……心苦しいですけど、ちひろさんがこれほど言うならそうしま……おっ」

ちひろ「どうしました？」

モバP「いえ、返信が来たんですよ。多分莉嘉だと思います、さっきまでツイートしてましたし」

ちひろ「早く気付いて貰って良かったですね……」

モバP「あ、やはり莉嘉でした。
　　　『りょうかーい。えへへごめんね、Pくんとの写真が嬉しくてやり過ぎちゃった☆』だそうです。莉嘉はかわいいなぁ！」

ちひろ「文面がちょっと軽い気もしますけど、対応してくれて良かったですよ……」

モバP「って、あれ、また莉嘉から返信が来ましたよ」

『城ヶ崎莉嘉　@RIKA_JC
　@Mobile_Pro　あ、それと。みんなに知れ渡っちゃった☆　ごめんねPくん☆』

ちひろ「……え？」

モバP「！？　なんだ、リプライが……！？」




『渋谷凛　@Rin_Shibuya
　@Mobile_Pro　プロデューサー、これから暇なんだってね。今から事務所に行くから、久しぶりにご飯とか、どう？』

『本田未央　@MioHonda_chan
　@Mobile_Pro　プッロデューサー！　暇って聞い……あ、見た、かな？　とにかく、一緒にご飯食べに行こうよ！』

『島村卯月　@Uzuki_Shimamura
　@Mobile_Pro　プロデューサーさん！　莉嘉ちゃんからこれから暇だと聞きました！　私も時間が空いているので、ご飯とか如何ですか？』

『諸星きらり☆　@Kirarin_Hapihapi
　@Mobile_Pro　Pちゃんお暇なのー？　それなら－、きらりと一緒にご飯食べてはぴはぴすぅ！　今なら杏ちゃんもいるにぃ☆』

『双葉杏@がんばらない　@Anzu_Neet
　@Mobile_Pro　今きらりが私を抱えて事務所に走ってるから着いたら助けt』

『佐々木千枝　@Tie_Usausa
　@Mobile_Pro　莉嘉ちゃんのツイートから、プロデューサーさんがお暇って知りました。あの、明日の練習として、一緒に晩ご飯を食べたいですっ』

『城ヶ崎美嘉　@MIKA_JK
　@Mobile_Pro　プロデューサー暇なんでしょ、カワイイ妹から聞いたよ？　それじゃ莉嘉の言うとおりに、ご飯食べに行こっか★』

『白坂小梅　＠Koume_Shirasaka
　@Mobile_Pro　あの、プロデューサーがお暇だって、あの子が言ってました。だから、3人でご飯、行きたいです……駄目？』

『佐久間まゆ　＠Mayu_Sakuma
　@Mobile_Pro　Pさぁん。今、事務所の扉の前にいるので、一緒にご飯に行きませんかぁ？　まゆ、待ってますよぉ？』

『高垣楓　@Kaede_Takagaki
　@Mobile_Pro　プロデューサーさん、暇なら一緒に呑みに行きませんか？　お酒には酒（さか）らえないですよ……ふふっ』

『佐城雪美　@Yukimi_Sajo
　@Mobile_Pro　P、すぐ行く。待っていて』

『みくにゃん　@MikuMiku_nyan
　@Mobile_Pro　Pﾁｬﾝお暇にゃ？　それならみくと一緒にご飯を食べに行くと良いにゃ！　今からそっちに行くにゃー』

『片桐早苗@逮捕しちゃうぞ？　@Sanae_Katagiri
　@Mobile_Pro　プロデューサーくん暇なんだってね。よーし、おねーさんと晩ご飯に洒落込もう！　あ、カツ丼じゃないから安心してね？』

『輿水幸子　@Sachiko_kawaii
　@Mobile_Pro　プロデューサー、暇なんだそうですね？　それなら、カワイイ僕が一緒に晩ご飯を食べてあげますよ！　ふふ、嬉しいでしょう？』

『高森藍子　＠Aiko_Huwahuwa
　@Mobile_Pro　お暇でしたら私と一緒にご飯とかどうですか？　私、良いお店知ってるんですよ！』

『†神崎蘭子†　@Ranko_Darkness
　@Mobile_Pro　惰眠を貪りし我が下僕よ！　いざ、我と饗宴を共に！』
　（これからお暇だって聞きました！　あの、一緒にご飯を食べに行きたいんですけど、その、ダメですか？）

以下多数


モバP「」

ちひろ「！？」

モバP「こ、これは一体……うわ、どんどんとリプライが増えてるぅ！？」

ちひろ「これってもしかして、莉嘉ちゃんのツイートが原因なんですか！？　みんなどれだけ見てるんですか！？」

モバP「うん？　なんかメールも来てる……？　は？　20通！？」


『小日向美穂
　題名：お暇だと聞きました！
　本文：収録が一緒だった美嘉ちゃんから聞いたんですけど、今日はお仕事が早く終わるそうですね。
　　　　あの、私も今収録が終わったので、プロデューサーさんがよろしければ、一緒に晩ご飯を食べられたらいいなーって……。
　　　　事務所も近いので、これから美嘉ちゃんとお伺いします。答えは着いてお聞きしますねっ。プロデューサーくんも一緒ですよ！』

以下略

モバP「アカン」

ちひろ「うっわぁ、携帯が常時バイブレーションみたくなってますね……」

モバP「……ん？　何か扉の前が騒がしくなってるような……？」


＜ｱﾗ､ﾘﾝﾁｬﾝﾀﾁ｡ﾄﾞｳｻﾚﾀﾝﾃﾞｽｶｧ?

＜ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰﾆﾖｳｶﾞｱｯﾃﾈ｡ﾏﾕｺｿﾅﾆｼﾃﾙﾉ?

＜ｷｸﾞｳﾃﾞｽﾈｪ､ﾏﾕﾓPｻﾝﾆﾖｳｼﾞｶﾞｱﾙﾝﾃﾞｽﾖｫ

＜ﾌｰﾝ､ｿｳﾅﾝﾀﾞ…

＜ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻﾄﾉｺﾞﾊﾝ!　ﾀｯﾉｼﾐﾀﾞﾅｧ～

＜ﾆﾝｽﾞｳﾓｵｵｲﾐﾀｲﾃﾞｽｼ､ﾌｧﾐﾚｽﾀﾞﾄﾓﾝﾀﾞｲﾆﾅｯﾁｬｲｿｳﾃﾞｽﾈ

＜ﾆｮﾜｰ☆ Pﾁｬﾝ､ｷﾗﾘﾝﾊﾟﾜｰﾃﾞﾔｯﾃｷﾀﾆｨ!

＜ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ､ﾀｽｹﾛｰ! ｽﾞｯﾄｷﾗﾘﾆﾊｺﾊﾞﾚﾃﾃｷﾓﾁﾜﾙｸ…ｳｫｫ

モバP「まさか、早めにリプライをくれたアイドルが来てる？　まゆが居るみたいだけど、今日収録で別の県だったような……えっ、来るの早すぎないか！？」

ちひろ「ど、どうするんですかプロデューサーさん！　流石にこの人数は捌けないですよ！？」

モバP「うわぁ、そうこうしている内にもどんどんと……あ、またリプライが」

『川島瑞樹　@Mizuki_wkrw
　@Mobile_Pro　おそらく今、大変な事になっていそうね、わかるわ。そうそう、今宵はバーで1杯、如何かしら？』

モバP「わかってないよ！？」

ちひろ「これはもう、全員来そうですね……本当にどうするんですか？」

モバP「あー、もう分かりました。ここは1つ、自分が……」

ちひろ「おお、ビシッと言われるんですか？」

モバP「ええ、そろそろ言わなくちゃいけないな、と思っていたので。とりあえず先に来ている子たちに言ってきます（ｽﾀｽﾀ」

ちひろ「あ、プロデューサーさんが扉の方へ……やるときはやるじゃないですか」

ｶﾞﾁｬｯ

モバP「おーう、みんなお揃いだな」

凛「あ、プロデューサー」

未央「やっほー、なんか大所帯になってるねー」

卯月「あれ、プロデューサーさん……怒ってますか？」

モバP「よく分かったな。ちょっとみんなに言いたいことがある」

きらり「にょ……きらり、めーってされちゃう？」

まゆ「怒ってる顔も素敵ですよぉ」

杏「そんなこといいから助け気持ち悪い」

モバP「とにかく聞いてくれ。みんな、前にも言ったよな？　伝えたよな？」

ちひろ（……一体どう断るのかしら？）ﾜｸﾜｸ

モバP「……ツイッターで誰かを誘うときは、リプライじゃなくてダイレクトメッセージにしてくれって！」




ちひろ「…………あ、やっぱり駄目だわ。このプロデューサー」






おわり

ん？

え？

は？

即興で後日談かきます。出来はお察し

-------------------

翌日、夕刻・事務所

モバP「ふぅ、只今戻りましたー」

ちひろ「遅くまで外回りお疲れ様です、プロデューサーさん。……あ、そういえば、昨日はあの後私は帰っちゃいましたけど……結局どう対処されたんですか？」

モバP「あの大人数で外を練り歩く大道芸なんて無理なので、事務所にみんなを集めて出前を頼みましたよ。おかげで財布がすっからかんです……うう」

ちひろ「自業自得です。元はと言えばプロデューサーさんの管轄能力が甘かったからですよ？」

モバP「こ、言葉もありません……」

ちひろ「それで、ツイッターはどうされるんですか？　まさかあのままアカウントを使うわけじゃないですよね？」

モバP「ああ、完全に業務用アカウントにしましたよ。自分から呟くことはほぼ0にして、リプライやDMは仕事の内容だけ。アイドルにはメールで注意することにしました」

ちひろ「うーん、及第点ですね。それならもうあの悲劇を繰り返さないでしょうし」

モバP「……あー、はい。ソウデスネ」

ちひろ「……」

ちひろ「……プロデューサーさん？」

モバP「はい、なんでしょうか？」

ちひろ「どうして今、携帯を後ろ手に回したんですか？　別にもうSNSで問題があったわけじゃないですよね？」

モバP「そ、そんなことないですよ？」

ちひろ「……携帯、見せて頂けますか？　もしくは、何があったかを言って頂けますか？」

モバP「いや、あの」

ちひろ「いいですよね？（ﾆｺｫ」

モバP「あ、はい」

ちひろ「……」

モバP「え、えーとですね、昨日アイドル全員にツイッターを業務用にする事を伝えて、これからはメールだけになるぞーって話をしたんです」

ちひろ「はい」

モバP「そうしたら一部の子から、『メールだと時間が掛かっちゃうから、丁度良いモノがあるよ☆』って話を聞きまして」

ちひろ「ええ」

モバP「それでですね、あの……」


モバP「LINEを、始めちゃいまして……」

ちひろ「」

『莉嘉
　Pくん、Pくん！　昨日のこともあるし、お財布ピンチだよね？　それなら私の家に来てご飯食べようよ☆』

『千枝
　あ、莉嘉ちゃん、今日は千枝がプロデューサーのお家でご飯食べるって約束してるの。
　だから今日は、プロデューサーさんは千枝と夜を過ごすことになってて……えへへ』

『凛
　早苗さん見てる？　プロデューサーがアウトなんだけど』

『　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　モバプロ
　ちょっと待て凛！　違う、そういうことじゃないって！』

『きらり☆
　うきゃ？　千枝ちゃんお泊まりにぃ？　それならきらりもPちゃんハウスに行く－！』

『杏
　きらりー、それなら私を置いていってくれないｋ』

『智絵里
　Pさんのお家でお泊まり会ですか？　あっ、あのっ、私も参加していいですか？』

『仁奈
　ぷろでゅーさーのいえにとまりやがるですか？　になもまぜるですよー！』

『　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　モバプロ
　待て、誤情報でログを流すなって！　嫌な予感しかしない！』

ちひろ「……」

モバP「とまぁこんな感じで誤情報が流れてしまいまして、今自分の家に十数人のアイドルが押しかけることに……」

ちひろ「……く……ない……すか」

モバP「って……ち、ちひろさん？」

ちひろ「全く学習してないじゃないですかぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！」








SNSも程々に
今度こそおわり

おつおつ
一番ネットやっちゃいけないのはアイドルじゃなくてPだったというオチ

乙
SNSってこわい

あ、最後に
@Ryo_Rockerは松永涼のことです
劇場で千枝と絡んでいたのを見て、きっとツイッターでも千枝を見守ってくれていると思ったので

ハロウィン小梅ちゃんが引けなくて辛い
夜遅くまで見て頂き、本当にありがとうございました
また機会がありましたら、よろしくお願いします