1: 2009/09/27(日) 17:48:24.62 ID:Q4PjnTziO
唯「ねぇりっちゃん?今日はね?凄いお知らせがあるんだ!」

唯「一ヶ月ぐらい前にね、ずっと働いてたコンビニで、社員として働かないかって言われたんだ」

唯「これで私も一端の社会人だよ?まだまだ戸惑うこともあるけど、来年も良いお知らせができるように頑張るよ」

唯「ねぇ?りっちゃん?今の私はりっちゃんにとってどう見える?」

………

唯「やっぱりバカみたいなのかなぁ?」

唯「今日はもう帰るよ、また来年だね」

唯「ばいばい」

4: 2009/09/27(日) 17:53:11.44 ID:Q4PjnTziO
りっちゃん、あなたがここへ来てから私はとても退屈な人生を過ごしていました

もしかすると、今でも退屈なのかもしれません

りっちゃんはそっちで楽しくやれてる?退屈してない?

あの明るかったりっちゃんなら大丈夫だよね?

ねぇ、りっちゃん



………答えてよ

5: 2009/09/27(日) 17:58:19.87 ID:Q4PjnTziO
色んな想いが駆け巡りながら私は自宅へとたどり着いた

あの日から何も変わらず、憂が私を出迎えてくれる

いや、あの日より前に戻ったと言うべきなのか

こうしてみるとりっちゃんが氏んでしまった事実もいずれは皆、忘れてしまうのかなとも思い、悲しくなった

いや、これは都合良く言い過ぎだ

りっちゃんは………、私が頃したも同然なのだから

6: 2009/09/27(日) 18:01:53.64 ID:Q4PjnTziO
私が高校二年生の時………


律「何か腹減ったなぁ」

唯「じゃあコンビニ行く?」

律「えぇ、雨降ってんじゃん」

唯「近いしいいじゃん!傘貸すから歩いて行こうよ!」

律「それなら行こっか!」

唯「うん!」

7: 2009/09/27(日) 18:04:13.36 ID:Q4PjnTziO
律「おい唯!歩きながら食べるのやめろよ」

唯「だっておいひぃんだもん」

律「ったく」


キキーーーッ

律「唯!危ない!!!」


ドンッ

8: 2009/09/27(日) 18:08:14.63 ID:Q4PjnTziO

………

……




唯「私が代わりに氏んでいたら…」


昔の事を思い出すといつも泣けてくる

それがりっちゃんが氏んでしまった時のことでも

みんなで楽しくお茶してる時のことでも

みんなで真剣に演奏してる時のことでも…

11: 2009/09/27(日) 18:17:18.78 ID:Q4PjnTziO
そして、そうやって泣いてる私はいつの間にかベッドに倒れこんでいる

今回もだ

するととても懐かしいものが目に入った

ギー太だ…

いや、実際は毎日顔を会わしているはずなのだが、私が懐かしいと感じたのはなるべく意識しないようにしていたからなのだろう

ギー太を見ると昔を思い出す

するともういつものパターンだ

13: 2009/09/27(日) 18:21:37.47 ID:Q4PjnTziO
唯「ごめんね?ギー太。私がもっとましなギタリストなら、もっと良い音を出してあげれたのに…」

ギー太を弾きながら私はそういった。こうやってギー太を弾いてやるのは実に久しぶりだ。高二以来か

ギー太「いえ、あなたにはあなたしか出せない音があります」

唯「弾いてやれなきゃ意味ないよ」

ギー太「それでも私はあなたが主で良かったと思っています」

唯「…ありがとう」


そんな会話を頭の中で繰り広げていた

しかし私には確かにギー太の声は聞こえたのだ

それでも端から見るとただの変人なのだろうが…

14: 2009/09/27(日) 18:26:09.24 ID:Q4PjnTziO
ジリリリリリ

唯「んーー」

カチャ

いつの間にか寝てしまっていたのか

すると私の横にはギー太がいた

唯「久しぶりだなぁ、こうやって添い寝するのも」

すると階段の下から声が聞こえた

憂「お姉ちゃん!朝だよ!起きて!」

唯「はぁい!今行くよぉ!!!」

15: 2009/09/27(日) 18:30:29.37 ID:Q4PjnTziO
階段を降りていくとまた声が聞こえた

憂「え?珍しいね、一回で起きるなんて」

唯「冗談でしょ?」

私は毎日一回できちんと起きているはずだ

憂「ごめんね、まだ朝ごはんできてないから先に顔洗ってきて?」

唯「うん、分かったぁ」

16: 2009/09/27(日) 18:34:06.07 ID:Q4PjnTziO
唯「………」ジャブジャブ

唯「………」フキフキ

唯「………ふぅ」

そして寝癖を直そうと鏡を見ると信じられないものが目に写った

唯「若ぁい!!!」

久しぶりにギー太を弾いてやったからだろうか

とても気分が良くなった

18: 2009/09/27(日) 18:37:49.71 ID:Q4PjnTziO
唯「憂!見て!!!若返ったとおも…わ………」

憂「あ、お姉ちゃん!早く朝ごはん食べよ?」

なんてことだ…

………憂も若い

唯「憂どうしたの?」

憂「ん?何が?」

唯「………いや、別に」

これは若いとかの騒ぎじゃない、まだ子供じゃないか

20: 2009/09/27(日) 18:43:44.30 ID:Q4PjnTziO
憂「早く食べなきゃ遅刻するよ?」

唯「何言ってるの?まだまだあるじゃん」

私は社員になってからは遅刻を絶対にしないように目覚ましを早めにかけている

それだけじゃあ心配なので憂にも会社に行く前に起こしてもらうようにしている

唯「あれ!?憂こそ遅刻じゃないの?今日は休み?」

憂「え?変なこと言ってないで早く食べなよ。それこそ私も遅刻しちゃうよ」

唯「………?分かった…」

22: 2009/09/27(日) 18:46:40.74 ID:Q4PjnTziO
憂「よし、早く着替えてきて!もう後10分しかないよ」

唯「まだ一時間あるよ…」

憂「また時計見間違えてるんじゃない?」

唯「………あってるよ」ボソッ

憂「いいから早く!!!」

唯「分かった!分かったから!!!」

25: 2009/09/27(日) 18:53:21.03 ID:Q4PjnTziO
唯「…スーツがない」

唯「憂!スーツどこぉ!?」

憂「何言ってんの?早く制服に着替えてよ」

唯「制服ぅ!?」

憂「そこに掛かってるでしょ」

唯「冗談でしょ!?学校なんてとっくに辞めたじゃん」

憂「もう!私が着させてあげるから早く!」

唯「………憂?今何歳?」

憂「お姉ちゃんの一個下」

唯「じゃあ私は何歳だっけ?」

憂「17歳でしょ」

唯「………そっか」

27: 2009/09/27(日) 19:00:17.96 ID:Q4PjnTziO
私は今年30歳になるはずなのだが…

唯「ということはまさか…」

憂「もう!!!早く行こうよ!!!」


りっちゃん…、りっちゃんはいるのかな


りっちゃんのことばかり考えていると学校に着いた

これが相対性理論ってやつか?ほんとにすぐに着いた

この扉を開けばすぐに分かる

しかし、私は中々扉を開けることができずにいた

28: 2009/09/27(日) 19:05:54.09 ID:Q4PjnTziO
しばらく立ち止まっていると後ろから肩を叩かれた

私は恥ずかしながら声を出して驚いてしまった

「よぉ唯!何やってんだよドアの前で」

聞き覚えのある声…、私はすぐに振り向いた

唯「あぁぁ、りっちゃん」ポロポロ

私は思わず泣いてしまった

律「ど、どうしたんだよ!?そんなに強く肩叩いたか?」オドオド

唯「違うよぉ…りっちゃぁん!ふぇぇぇぇん!」

私はりっちゃんを潰れるほど抱き締めた

29: 2009/09/27(日) 19:11:57.91 ID:Q4PjnTziO
他の生徒の視線が痛いので教室に入った

「あらあら、朝から仲が良いのね」

このおっとりとした声で迎えてくれるのは

唯「ムギちゃん!」

紬「おはよう、唯ちゃん、りっちゃん」

律「聞いてくれよムギ!唯のやつさぁ、私が肩に手を置いたらさぁ急に泣き出しちゃってさぁ」

唯「ちょっと!その話はもういいよ!」

紬「あらあら、何かあったの?」

唯「何でもないよ」

急に恥ずかしくなってきた

31: 2009/09/27(日) 19:17:48.16 ID:Q4PjnTziO
唯「ねぇ今って何月だっけ?」

律「7月だよ」

唯「7月…?ってもしかして」

紬「どうかしたの?」

唯「今日は…部活は?」

律「だからテスト前だから無いんだって」

紬「テスト終わったら美味しいお菓子持ってくるから?ね?」

唯「………テスト…」

32: 2009/09/27(日) 19:22:19.08 ID:Q4PjnTziO
そしてテスト返却日

唯「危なかった…」

憂のお陰で追試は無かった、しかし私はやはり中卒だけあって覚えるのも苦労した…

私はこっちではちゃんと卒業できるのだろうか…

そういえば高二になってから数日たったけど今だに戻れない

まぁ戻りたいとも思わないが…

35: 2009/09/27(日) 19:29:22.35 ID:Q4PjnTziO
そして夏の合宿

私は何故か咳が頻繁に出るようになっていた

医者は何も異常はないと言っていたし、普段の私生活には支障は無いので気にはしなかった

とにかく遊ぼう!みんなとこうして遊ぶのは10年以上なかったので大人げなく心が踊った

梓「練習しましょうよ~!」

唯「いいじゃん梓ちゃん!遊ぼうよ!後で練習もするから」

もちろん練習も楽しみだ

梓「ん?あれ?あ、梓ちゃん?」

38: 2009/09/27(日) 19:33:56.89 ID:Q4PjnTziO
梓「先輩、急に梓ちゃんだなんてどうしたんですか?」

唯「あ…、そっか」

30歳のおばちゃんがあずにゃんだなんて恥ずかしくて呼べるはずもない

唯「…あ、あずにゃん///」

梓「もう!何なんですか!こっちまで恥ずかしくなってきちゃいましたよ!」

唯「ごめん」

梓「怒ってないですって!さぁ、遊びましょう!」

唯「うん!」




澪「私も遊ぶ~!!」

律「ニヤリ」

41: 2009/09/27(日) 19:40:33.88 ID:Q4PjnTziO
その日の夜

唯「つ、疲れた…」ゼェハァ

さすがに体力はそのままか

しばらく引きこもっていたせいですっかり体力が無くなってしまった…

しかし練習もやりたい…

唯「………」ゴホッゴホッ

澪「唯、大丈夫か?」

唯「え?うん!大丈夫だよ!」

澪「あんまり無理はするなよ?」

律「飯~飯~!!!」

澪「少しは唯を見習え!!!」ゴンッ

律「ってぇ………」

42: 2009/09/27(日) 19:45:58.21 ID:Q4PjnTziO
久しぶりの演奏はとても酷いものだった

澪「やっぱり調子悪いんじゃないか?」

唯「大丈夫だよ~えへへ」

このキャラは疲れる…

もっとも取り柄である音感はまだ生きていたのでそれが救いだった

最後に一回合わせてご飯を食べることになった

凄く良い感じだったのに私が足を引っ張ってしまったのが少し後ろめたい

43: 2009/09/27(日) 19:51:23.07 ID:Q4PjnTziO
りっちゃんの提案で肝試しをすることになった

私はもう二度とりっちゃんに危険な目は会わせたくなかったが、どうしても澪ちゃんを驚かせたいらしく渋々肝試しをすることにした

肝試し…か、引きこもっていたせいか暗いところがとても落ち着くようになった

なので何も恐怖は感じなかった…

すると悲鳴が聞こえてきた

澪ちゃんだ

怖がりな彼女なら仕方ないが、その悲鳴に少し驚いてしまった

47: 2009/09/27(日) 20:19:41.70 ID:Q4PjnTziO

唯「あ、山中先生」

さわ子「何よ、今更そんな呼び方」

唯「えっと、さわちゃん先生、どうしたんですか?」

さわ子「皆を驚かそうと思ったら迷子になったのよぉ」

この人、10数年前と同じことやってる

私がクスリと笑うとさわちゃん先生はひどいと言った

そういえば、ここまで前と同じことを繰り返しているような気がする

そして着々とりっちゃんの命日に近づいているのも気がついていた

48: 2009/09/27(日) 20:28:27.87 ID:Q4PjnTziO
合宿が終わり、私はようやくギターを弾く感覚を思い出し始めていた

しかし、咳の方も少し酷くなっていたような気もしていた

でももうじき学園祭だ!そんなこと気にしていられないよ

確か、前の学祭…ってか今回の学祭は私は風邪を引いて皆に迷惑をかけたんだった

体調管理もちゃんとしなくちゃ!

そう意気込むとまた咳が出た。幸先不安だ

52: 2009/09/27(日) 20:34:21.16 ID:Q4PjnTziO
そして

梓「いよいよ来週ですね!学祭!」

あの時は既に風邪は引いていたはずだ、しかし、まだ私は元気だ

そういった意味では少しだけ過去を変えたのかもしれない

ならばりっちゃんも氏なせずにすむかもしれない

澪「みんな!頑張ろう」

一同「おーーっ!!!」

53: 2009/09/27(日) 20:41:00.25 ID:Q4PjnTziO
澪「いよいよ明日だな…」ガタガタ

私は歌の途中で咳が出るかもしれないのでボーカルは澪ちゃんだ

唯「大丈夫だよ、澪ちゃんなら!」

私のせいでこうなったのに、私が言っても意味無いか

澪「あ、あ、ありがとう」ガクブル

律「まぁ気楽に行こうぜ?緊張しても楽しんでも学祭は一回キリだからな」

紬「そうよ、どうせなら楽しみましょう?」

澪「みんな…」

この二人の言葉は私のとは違って重みがある

私のはただ責任から逃れているだけだ…

その分、ギターは頑張ろう!私はそう決意した

55: 2009/09/27(日) 20:49:15.05 ID:Q4PjnTziO
学祭当日


律「いや~案外良い演奏ができたなぁ」

梓「唯先輩!とっても良かったです!」

唯「ありがとう、あずにゃん」ポロポロ

澪「おい唯、学祭は来年もあるんだぞ?泣くにはちょっと早いだろ」

そう、私は少しだけ涙もろくなっていた。皆より年上だから?だが、そんなことはどうでも良かった

過去は変えられたのだ

ならばりっちゃんのことも変えられるハズなんだ




そしてまた時は過ぎ去っていく…

57: 2009/09/27(日) 20:58:31.56 ID:Q4PjnTziO
今気づいたけど>>25は17歳じゃなくて16歳だった、すまん


……………


11月27日、日曜日

私は今日で30歳………いや、17歳になる

そして今日、りっちゃんは氏ぬはずだ

予想通り、外は雨だった

携帯を見てみるとメールが入っていた、りっちゃんからだ

律『今日、誕生日だったよな?家遊びに行っていい?』

59: 2009/09/27(日) 21:05:03.82 ID:Q4PjnTziO


ここは断るべきなのだろうか…

しかし、今日一日りっちゃんを守り抜けばりっちゃんは氏なないはずだ

色々悩んだが、結局私はりっちゃんを家に呼ぶことにした

りっちゃんを氏なせないために

61: 2009/09/27(日) 21:12:44.99 ID:Q4PjnTziO
部屋を降りると、まず憂が私の誕生日を祝ってくれた

今年で三十路な私としては少しだけ複雑な心境だった

両親は今日は帰ってこれないらしい

娘の誕生日なのに帰ってこないとは薄情な親だ

今更ながらそう思った

しばらくするとインターホンが鳴った

唯「私が出るよ」

ガチャ

唯「はーい」

パンッ

唯「うわっ!?」

律「へっへぇ、誕生日おめでとう!」

唯「りっちゃん!」

62: 2009/09/27(日) 21:20:40.99 ID:Q4PjnTziO
しばらく遊んでいるとりっちゃんが言った

律「何か腹減ったなぁ」

そら来た、意地でもここは外へは出させないぞ?

唯「憂がねぇ、腕によりをかけて料理作るらしいよ、もちろんりっちゃんの分も」

律「え?まじで?」

ほぉら、食いついてきた

唯「うん、だからもうちょっと待とう?」

律「そうだな!」

よし、まずは順調だ

66: 2009/09/27(日) 21:26:31.51 ID:Q4PjnTziO
律「ふぅ、憂ちゃん!ごちそうさまでした!」

憂「お粗末様でした」

律「それじゃあ私はそろそろ」

ここが大勝負だ

唯「りっちゃん!今日は泊まっていきなよ!」

律「え?いや、でも明日学校だし…」

唯「大丈夫だよ!明日早起きすれば」

律「ん~、でも」チラッ

憂「私のことでしたらお構い無く」

ナイスうい!

律「いや、でも悪いからやっぱ帰るわ!ばいばい!」

唯「りっちゃん!!!」

憂「行っちゃったね」

唯「………」

67: 2009/09/27(日) 21:31:02.51 ID:Q4PjnTziO
その日の夜、私は泣いていた

唯「まだりっちゃんが氏んだって決まったわけじゃないのに………」ポロポロ

涙が止まらない

私は私にできることは全てした

これでもしりっちゃんが氏んでもそれはりっちゃんの運が悪いだけだよね?

唯「………」ゴホッゴホッ

唯「………」

唯「…zzz」

69: 2009/09/27(日) 21:34:33.80 ID:Q4PjnTziO
ジリリリリリ

唯「うぅ………」

カチャ

唯「知らない間に寝てたのか」

唯「………何か学校行くのやだな」

憂「お姉ちゃん、朝だよ!起きて!」

唯「今行くよぉ!」

71: 2009/09/27(日) 21:41:21.73 ID:Q4PjnTziO
唯「ん~、結局教室の前まで着いた」

唯「またこの扉が開けられない…」

前みたいにりっちゃんが後ろから肩を叩いてくれないものか…、そんなことを考えていたが思い切って扉を開けてみた

ガラガラガラ

私はすぐにりっちゃんの席を見た、が、誰もいない

唯「ムギちゃん、りっちゃんは?」

紬「まだみたいねぇ」

唯「そっかぁ」

だんだん不安になってくる…

72: 2009/09/27(日) 21:45:38.00 ID:Q4PjnTziO
そしてりっちゃんが来ないままチャイムが鳴り、先生が入ってきた

心なしかとても表情が暗く見える

先生「出席を取るぞ~」

先生が名前を読み進めるにつれて不安も高まっていった

75: 2009/09/27(日) 21:49:23.10 ID:Q4PjnTziO
ガラガラガラ

律「すんませーーん!!!寝坊しました!!!」

唯「…りっちゃん」

紬「あらあら」

何てあっけないんだ

今までの私の心配を返して欲しいくらいだ

先生「これがお前の望んだ世界なのだろう?」

唯「………え?」

78: 2009/09/27(日) 21:53:35.12 ID:Q4PjnTziO
時が止まった…ような気がした

律「私は生きていた、次にお前は何をするんだ?」

唯「何言ってんの?」

紬「あなたが望んだのはこれだけなの?」

唯「確かにりっちゃんが生きてたのは嬉しいけど………」

澪「けど………なんだ?」

唯「澪ちゃん!どうしてここに?」

梓「あなたはまだ何かを望むのですか?」

唯「………」

82: 2009/09/27(日) 21:57:35.68 ID:Q4PjnTziO
唯「私、皆と一緒に卒業したいの!」

律「それは都合が良すぎるだろ」

澪「だから望みを叶えるのは嫌だったんだ」

紬「何かを叶えてやれば、何でも叶うと思っている」

梓「あなたは最初は一つしか望まなかったのに」

唯「そんな…、どうして………」

梓「どうして?」

澪「決まっているだろ」

紬「それはあなたが」



律「たくさんの事を望みすぎたから」

87: 2009/09/27(日) 22:03:58.18 ID:Q4PjnTziO
澪「確かに当初の望みは叶えてぞ」

梓「ただ知っておいてください、過去は変わらないと」

紬「未来に生きてちょうだい、未来は変わるのだから」

律「だから、いつまでも過去に囚われるな」

唯「ちょっと、意味分かんないよ」

律「私たちの言いたいことは伝わったか?」

澪「決して忘れないで欲しい」

紬「いつでも覚えておいて欲しい」

梓「もう二回目はありませんから」



律「さぁ、目覚めろ」

89: 2009/09/27(日) 22:08:48.19 ID:Q4PjnTziO


唯「ゲッホ、ゲホッゲホッ」

唯「く、苦しい………」コホッ

唯「そうか私、練炭で自頃しようとしてたんだ」

唯「早く、窓を開けなくちゃ」ゴホッゴホッ

ガラッ

唯「うっ、煙が目に染みる…」

唯「………生きてるんだ、私」

91: 2009/09/27(日) 22:14:40.95 ID:Q4PjnTziO

自殺なんて、私にしては思い切ったことしたなぁ


暗闇の中で私はそんなことを思っていた


やっぱり暗闇は落ち着くなぁ

ん?

ちょっと、眩しいよ!

でもこの光、暗闇の何倍も落ち着く………

この光の先には何が…

「早く来いよ!」

ふふっ、今行くよ

93: 2009/09/27(日) 22:18:03.54 ID:Q4PjnTziO
「私はここまでだ」

そんな、酷いよ

「唯、お前はちゃんと生きろ!」

でも、私は

「大丈夫だよ唯なら」

うん、分かった。頑張るよ!

「あぁ、ずっと見てるからな」

約束だよ

「あぁ、約束だ、さぁ、行け!」

94: 2009/09/27(日) 22:22:11.78 ID:Q4PjnTziO
唯「りっちゃん!!!」

憂「お、お姉ちゃん!」ビクッ

唯「あ、うい」

ここは…、病院か

憂「お姉ちゃん!何であんな危ないことしたのよ!」ポロポロ

唯「あぁぁ、ごめん、憂!ね?ほら、この通り元気だから!」オドオド

憂「もうっ、バカっ!」

唯「えへへ、ごめんねぇ」

97: 2009/09/27(日) 22:32:02.07 ID:Q4PjnTziO
一年後、11月27日

唯「ねぇ、りっちゃん?私は夢の中でりっちゃんが言ったような人間になれたのかな?」

唯「ちゃんと仕事も頑張ってるんだよ?」

唯「あ、そうだ!この前ね、昇給したんだ!」

唯「あの時はほんとにありがとう」

澪「唯!そろそろ帰ろう!」

梓「先輩!空気読んでくださいよ」

澪「ん?なんだ?」

梓「はぁ」

紬「あらあら、うふふ」

唯「ごめんねりっちゃん、また来年も来るよ」

唯「みんなぁ、待ってぇ!!!」


            ~fin~

121: 2009/09/27(日) 23:43:43.62 ID:Q4PjnTziO
唯「やっぱりムギちゃんの持ってくるお菓子は美味しいねぇ」

紬「あらあら、良かったわ、気に入ってもらえて」

澪「おい、そろそろ練習…」

唯「ちっ、ほんとに空気読めてないよね」

紬「あらあら、聞こえちゃうわよ?秋山さんはその現実から必氏で目をそらしているんだから」

唯「ごめんムギちゃ~ん、でもそれってさらに空気読めてないよね?」

紬「あらあら、うふふ」

梓「別に秋山先輩の肩を持つ訳じゃないですけど、そろそろ練習しましょうよ」

唯「ごめ~んあずにゃん!今からするよ~」

澪「………」

律「………」

124: 2009/09/27(日) 23:50:43.72 ID:Q4PjnTziO
ジャカジャカジャララーン

澪(あ、間違えちゃった)

唯「ちっ、ちょっと皆ストップ!」

澪「え?」

唯「いや、なんかさ。一人やる気無い人がいるみたいだから」

澪「………」

紬「…っち」ドンガラガッシャン

紬「あ、キーボード壊れちゃったわ」

唯「あぁあ、これじゃあ今日は練習できないね」

梓「まぁ仕方ないですね」

澪「…だって………じゃないか」

唯「あ?」

128: 2009/09/27(日) 23:56:56.43 ID:Q4PjnTziO

澪「唯だって間違えたじゃないか」

唯「は?何いきがっちゃってるの?」

紬「ほんとに空気読めてないわね」

梓「唯先輩、気にしないでください。出だしのリフよかったですよ」

唯「みんな!ありがとう!」

梓「ムギ先輩、キーボード、いつなら用意できますか?」

紬「明日なら用意できるわよ、じゃあ秋山さん、お金」

澪「………は?」

唯「は、じゃないでしょ、壊したんだから弁償しなきゃ」

澪「だって自分で」

唯「また言いがかり?しつこいよ秋山さん」

130: 2009/09/28(月) 00:01:38.75 ID:Q4PjnTziO


紬「じゃあ明日持ってきてね?」

澪「いくら?」

紬「そうねぇ、あのキーボード、50万したから………」

澪「50万!?」

紬「落ち着いて?秋山さん、特別に10万でいいわ」

澪「それでも大金だよ…」

紬「明日、もってこないとあなたとあなたの家族、社会的に抹頃するわよ?」

澪「な、家族は関係ないだろ!」

紬「秋山さんが期待に添えればいい話じゃない、楽しみにしてるわよ?」

澪「………」

131: 2009/09/28(月) 00:05:36.27 ID:2pAnpKtWO
澪宅

澪「10万なんて…一日じゃ用意できないよぉ」

澪「………グスッ…」ポロポロ

澪「最近、毎日泣いてる…」

澪「…だめだ、どうやっても用意できない……」ポロポロ

澪「ムギなら、ほんとにやるんだろうな…」

澪「………」

澪「………zzz」

132: 2009/09/28(月) 00:09:01.81 ID:2pAnpKtWO
澪「だめだ、結局用意できないまま学校に来てしまった…」

澪「あぁ、放課後が永遠に来なければいいのに」

澪「いやだなぁ」



澪「なんてことを言ってる間に放課後になってしまった」

134: 2009/09/28(月) 00:13:04.37 ID:2pAnpKtWO
音楽室

ガラガラ

澪「………」

紬「あらあら、秋山さん、お金は?」

澪「すみませんでした、用意できませんでした」

紬「良かったわ」

澪「え?」

紬「これで惨劇が見れるもの」

澪「………」


「待ってくれ!!!」

135: 2009/09/28(月) 00:17:08.18 ID:2pAnpKtWO
澪「り、律………」

律「いくらなんでも一日で10万は無理があるだろ!」

紬「………」

律「もう少し待ってやってくれ」

紬「分かったわ、りっちゃんがそこまで言うなら。もう払わなくてもいいわ」

唯「え?」

律「あ、ありがとう!ムギ!」

紬「りっちゃんが礼を言ってどうするのよ」ギロリ

澪「ひっ!?ありがとうございました」ガタガタ

紬「ふんっ」

唯「………」

136: 2009/09/28(月) 00:25:00.11 ID:2pAnpKtWO
澪宅


澪「………グスンッ…」

ピリリリリリ

澪「電話…、律から」

澪「はい、もしもし…グスッ」

律『な、なんだ!?泣いてたのか?』

澪「え?い、いや、気にしないでくれ」

律『そ、そうか。ちょっと重要な話があるから今から家に行っていいか?』

澪「あぁ」

律『わかった、すぐにいくよ!』

澪「分かった」

ピンポーン

澪「誰か来た、切るよ」

律『うん、ばいばーい』ブツッ

139: 2009/09/28(月) 00:27:42.86 ID:2pAnpKtWO


澪「はーい」

ガチャ

律「ヤッホー」

澪「………恋人かよ」

律「そんなところかなぁ」

澪「バカ言うな、まぁ上がってくれ」

律「すまんねぇ」

140: 2009/09/28(月) 00:33:15.87 ID:2pAnpKtWO
澪「で、どうしたんだ?わざわざ」

律「あぁ」

律「外でバンド組もう」

澪「…な……」

律「澪も体感してるだろう?もうあいつらは前のあいつらじゃない」

澪「………でも」

律「でもじゃねぇよ!このままで良いのかよ!」

澪「………私はまだ信じてるのかもしれない」

律「何を?」

澪「あいつらがまた、昔のようになってくれるって」

律「な…ここまでされて?」

澪「あぁ」

143: 2009/09/28(月) 00:37:17.31 ID:2pAnpKtWO
律「分かったよ、今日のところはもう帰るよ」

澪「あぁ、なぁ律?」

律「ん?」

澪「…ありがとう」

律「やめろよ、結局何もできなかったじゃねぇか」

澪「ううん、律は私の支えになってくれてる」

律「澪…」

律「ははは、良かったよ!こんな私でも役に立ててて」

144: 2009/09/28(月) 00:39:32.70 ID:2pAnpKtWO
翌日

澪「うぅ、学校行くの憂鬱だなぁ」

澪「まぁいいや、律もいてくれてるし」

澪「よーし、それじゃあ行ってきまぁす」

147: 2009/09/28(月) 01:00:52.70 ID:2pAnpKtWO
澪(うぅ、一生放課後が来なかったらいいのに)

澪(授業終わらないでくれ!)

キンコーンカンコーン

澪(あ、授業終わった)

澪(もう部活か、早いなぁ)

………

澪(…この扉の向こうにあいつらがいる)

澪(でも律もいるんだ!)

澪(………頑張れ澪ちゃん!!!)

ガラガラ

澪「………」

唯「………」

紬「………」

梓「………」

律「………」

151: 2009/09/28(月) 01:08:34.41 ID:2pAnpKtWO
紬「秋山さんが来ただけで部の空気が凍りついちゃったわね」

律「ほんと空気読めてねぇな」

唯「読めてないどころか、これって空気吸う資格も無いんじゃない?」



澪「え?律?」

唯「ヒャハハハりっちゃんご指名だよwwwwww」

律「冷やかすなよ、何?秋山さん」

澪「嘘でしょ?嘘なんだよね?嘘だろ?」

律「何が?」

澪「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

152: 2009/09/28(月) 01:12:13.68 ID:2pAnpKtWO
唯「うっわ、キモッ」

紬「ごめん、ちょっとトイレに行ってくるわね?ウップ」

梓「あ、ムギ先輩…練習………って言ってる場合でもないか」

律「………」

唯「ねぇ誰かあのゴミをゴミ箱に捨ててきてよ、って誰も触りたくないか」

澪「…嘘だ……嘘だ………」

153: 2009/09/28(月) 01:14:29.34 ID:2pAnpKtWO
澪「…嘘だ……嘘だ………」フラフラ

唯「ちょっと、どこ行く気?」

梓「ほっときましょう」

律「あぁ、それが一番だろ」

唯「………ちっ、気に入らない」

154: 2009/09/28(月) 01:17:55.00 ID:2pAnpKtWO
澪「嘘だ………」

「ほんとうだよ」

澪「嘘だ!!!」

「信じてくれ」

澪「…誰だ」

「私か?私は………お前だよ」

澪「え?」

「憎くないのか?」

澪「憎い」

「じゃあ………『殺せ』」

澪「頃す………みんな頃す、まず殺さなきゃいけないのは」

「田井中律」

澪「その通りだ」ニヤリ

156: 2009/09/28(月) 01:21:23.57 ID:2pAnpKtWO
プルルルルルル

律「秋山さんか、何の用だ?」

澪『今すぐ○○公園に来い』

律「あ?なんで…」ブチッ

律「………なんだってんだ」

158: 2009/09/28(月) 01:24:33.36 ID:2pAnpKtWO
○○公園

律「澪のやつ、まだ来てないな」

ドカッ

律「が…はっ」ドサッ

律「………澪…」

澪「よぉ律、急に『澪』だなんてどうしたんだ?」

ヒユッ

律「ぐあっ」

澪「ちょっと馴れ馴れしいんじゃないか?あぁ!?」

ヒユッヒユッ

律「ぐっうわっ」

159: 2009/09/28(月) 01:29:08.66 ID:2pAnpKtWO
澪「なにかっ!言うことがっ!あるんじゃないのか!あぁ!?」

律「ぐあ、い、痛い………」

律「…澪、ごめん」

澪「ハァハァ、何がごめんだよ、説得力無いんだよ!」

ヒユッ

律「ガハッ」

律「…あれ以上、澪が傷つくのが見てられなくて」

澪「あ?」

律「私が…澪を裏切れば、澪は私たちの知らないところで…幸せに暮らせると思ったから」ポロポロ

161: 2009/09/28(月) 01:34:36.73 ID:2pAnpKtWO
律「まさか…、ここまで澪が傷つくなんて…、思ってなかったから、だから…」ポロポロ

澪「都合が良いんだよっ!」ヒュン

律「ぐあっ!」

律「…澪、澪には私を頃す権利がある…、」

澪「言われなくても知ってるよ、それぐらい」

澪「何か…遺言は無いか?あるなら聞いてやるぞ」

律「澪、今までありがとう!大好き!」

澪「!?ぐああああ」ヒュンヒュン

ドカッドカッ

律「………………」

律「」

澪「ハァハァ、律うぅぅぅぅぅぅぅうわあああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

164: 2009/09/28(月) 01:38:57.69 ID:2pAnpKtWO
澪「もう後戻りは出来ないんだ」

澪「この家もいらないな」

私は自宅に火をつけた

二度と帰ってこぬように

必ず、復讐を遂げるために


澪「………次は後輩のくせにいきがった梓だ」ニヤリ

168: 2009/09/28(月) 01:46:00.85 ID:2pAnpKtWO
翌朝

梓「行ってきまぁす!」


梓「………」テクテク

ヒュン

梓「え?ぐあっ」ドサッ

澪「………」ニタァ

171: 2009/09/28(月) 01:52:06.92 ID:2pAnpKtWO
梓「………ぐっ、えっ?ここどこ!?」

澪「気がついたか、ここは今は使われてない工場だよ」

梓「澪先輩………、そうですか」

澪「なんだよ、お前まで、『澪先輩』って何なんだよ!」ヒュン

梓「ぎゃあぁ」

澪「分かってんだろ?自分の置かれてる立場」

梓「はい、覚悟はできてます、すみませんでした」

澪「なんなんだよ、なんなんだよお前も!!!なぁ!聞いてるんだよ!なんなんだよ!!!」

梓「いっ、ぐっ、ご、ごめんなさい」

澪「………あ?」

172: 2009/09/28(月) 01:57:00.99 ID:2pAnpKtWO
凶器は金属バットです


梓「私は、私が澪先輩の敵になれば、…先輩方は私の言うことを聞いて…、ちゃんと練習してくれたから」

梓「それにバンドとしての一体感も生まれたような気がしてました…ほんとは、澪先輩もいなきゃ意味ないってこと知ってたのに」

澪「………」

梓「だから、ほんとにすみま」

澪「………」ヒュン

ドカッドカッドカッ

澪「…うるさい」

梓「………………」

梓「」

174: 2009/09/28(月) 02:01:07.85 ID:2pAnpKtWO
澪「次は金の力だけで大口叩いてた…」

澪「琴吹紬だ」


澪「そろそろ学校が終わる頃か…」

澪「流石に二人じゃ練習はできないよな?」

175: 2009/09/28(月) 02:05:06.90 ID:2pAnpKtWO
紬「じゃあねぇ唯ちゃん」

唯「うん、ばいばいムギちゃん」



紬「………」テクテク

紬「きゃっ」ヒュン

紬「………」ドサッ

澪「今日で全てケリがつく…」

176: 2009/09/28(月) 02:11:08.48 ID:2pAnpKtWO
紬「………ここは…」

澪「今は使われてない工場だよ」

紬「梓ちゃんにりっちゃん!まさかあなたが…」

澪「その通りだよ」

紬「………あなたのそういう所が大嫌いなのよ」

澪「ほぉ、そりゃ結構」

紬「自分の嫌なことがあれば、すぐに他人を陥れて自分の有利な方に導く」

紬「見てるだけで吐き気がするのよ」

澪「すぐに見れなくしてやる、遺言は?」

紬「地獄に落ちろ、屑が」

澪「………」ヒュン

ドカッドカッ

紬「………………」

紬「」

177: 2009/09/28(月) 02:15:07.00 ID:2pAnpKtWO
澪「氏ぬべき人間は後二人」

澪「そして、次に氏ぬのは平沢唯だ」



ピンポーン

憂「はぁい」

ガチャ

憂「あ、澪さん、こんば」

澪「………」ヒュン

憂「ぐあっ」ドサッ

澪「邪魔なんだよ」

澪「確か唯の部屋は…ここか」

178: 2009/09/28(月) 02:20:19.20 ID:2pAnpKtWO
憂「お姉ちゃん、逃げてーっ!」


唯「ん?どうしたのぉういぃ?」

ガチャ

澪「よぉ」ニヤリ

唯「な、み、澪ちゃん!そ、そ、そ、そのバット何?野球でもしようって?」

澪「………」ヒュン

唯「痛いっ!痛いよ!ごめん!謝るから!今までの全部謝るから!!!」

唯「や、やめて?あ、そうだ!明日からムギちゃんいじめようよ!あいつ、うっとおしいよね!」

澪「………」

180: 2009/09/28(月) 02:24:38.26 ID:2pAnpKtWO
澪「結局、『自分』を持っていなかったのはお前だけだったな」

唯「キャーーーー!!!」

グサッ

澪「………?」

憂「お姉ちゃんは殺させないよ」

澪「だから邪魔だって」ヒュン

憂「ぐああっ」

憂「………」ドサッ

唯「ど、どけ!」

澪「………ちっ、出血が多すぎて上手くうごけ…な………」ドサッ

183: 2009/09/28(月) 02:34:03.79 ID:2pAnpKtWO
澪「……うぅ…ん」

澪「ここは…病院か」

警察「君がついたかね」

澪「………」ギロリ

警察「殺人未遂か…」

澪「………」

警察「君の家を燃やしたのも君か?」

澪「はい」

警察「君は本来なら院に入ってもらうべきだ」

警察「だが、君の学校での事情、君の精神状態を含めた場合………」

警察「君には暫く精神病棟に入院してもらうだろう」

澪「………」

184: 2009/09/28(月) 02:37:24.06 ID:2pAnpKtWO
それから数ヵ月後、精神病棟

澪「………」

コンコンコンッ

唯「失礼します」

澪「…頃しにきたか?」

唯「ううん、私、この数ヵ月間、ずっと考えてたんだ」

澪「………?」

唯「澪ちゃんがあの時言ってた『結局私だけ自分を持っていなかった』って言葉」

澪「………あれか」

185: 2009/09/28(月) 02:41:08.33 ID:2pAnpKtWO
澪「ここじゃなんだ、屋上で話そう」

唯「うん」

………


屋上

澪「それで?」

唯「私、決めたんだ、今まで散々澪ちゃんに酷いことしてきたから、これからは一生、澪ちゃんのためだけに生きていくって」

澪「ふんっ、くだらない、何より信用できない」

唯「ホントだよ!信じて?」

澪「………」

186: 2009/09/28(月) 02:45:34.70 ID:2pAnpKtWO
澪「………分かったよ、信じる」

唯「あ、ありがとう」パアアア

澪「ただ、一生じゃたりない」

唯「?」

澪「氏んだ後もついてきてくれるか?」

唯「…もちろんだよ、今から逝くの?」

澪「うん、なぁ氏んだ後もバンド組まないか?」

唯「いいね、それ!皆はいるのかなぁ?」

澪「そりゃあいるんじゃないか?ただ、私と組んでくれるかなぁ」

唯「大丈夫だよ」

澪「じゃあ後はここを飛び降りるだけだな」

唯「うん」

190: 2009/09/28(月) 03:01:43.48 ID:2pAnpKtWO
さるうぜぇwwwwww


唯「じゃあそろそ」バキッ

澪「………」

唯「え?」ヒュー

澪「バカかお前、お前も私の手で殺さないと気が済まないんだよ」

唯「酷いよ、澪ちゃん」ヒュー

澪「お前ほどじゃないよ」

唯「………」

ぐちゃ

191: 2009/09/28(月) 03:04:12.63 ID:2pAnpKtWO
あ、書けた



唯「」

澪「この光景が見たかったんだよ」

澪「氏ぬべき人間は後一人」ダッ

澪「次は………秋山澪だ」ヒュー

ぐちゃ

196: 2009/09/28(月) 03:14:01.25 ID:2pAnpKtWO
………

唯「やっぱりムギちゃんの入れるお茶は美味しいね」

紬「あらあら、嬉しいわ」

梓「もぉ!練習しましょうよ!」

唯「待ってよぉあずにゃ~ん」

律「ん?おい遅いぞ澪!」

唯「えぇ、早かったよぉ?」

梓「いいえ、遅かったです!」

紬「遅かったわねぇ」

197: 2009/09/28(月) 03:15:34.18 ID:2pAnpKtWO
澪「みんな、私を許してくくれるのか?」

梓「まぁ、悪いのは私たちですし」

唯「許すもなにも…ねぇ?」

紬「澪ちゃんは何も悪くないもの」

律「何やってんだよ澪!早く来いよ!」

澪「………」

澪「…うん!」ニッコリ

           ~fin~

引用元: 唯「二度と戻れない~くすぐり合って転げた日♪」