2: 2014/04/01(火) 23:09:46.16 ID:jWL5xzCl0
渋谷凛「ん……すぅ……」スヤスヤ
??「……てください……様……!」
凛「んー……」ムニャ
??「……起きてください、剣士様!」ユサユサ
凛「えー……どうしたの、お母さん……学校、今日は休みだよ……」ムニャムニャ
凛「……え?」パチッ
??「おはようございます、凛ちゃ……じゃなくて、剣士様!」
凛「え、ちひろさん?って、ここはどこ……ん、剣士様……?」
千川ちひろ「はいっ!いよいよ今日、魔王を倒しに行かれるのですね!」
ちひろ「ああ、やっと魔物たちに襲われる心配をしなくて済むのですね……」シミジミ
凛「……?」
4: 2014/04/01(火) 23:11:02.98 ID:jWL5xzCl0
ちひろ「ああ、そうでした!剣士様の剣と防具はこちらに!」
凛「え……ちょっと待って、ちひろさん」
ちひろ「ほらほら、武器や防具は装備しないと意味がありませんから!」
凛「ま、待ってちひろさん!あっ……服、脱がしちゃ……きゃっ!?」
凛「……ふーん、本当に私、剣士なんだ……悪くないかな」
ちひろ「さあ、行ってらっしゃいませ剣士様!ご活躍、期待していますね!」
凛「う、うん……えっと、行ってきます?」
ちひろ「あ、その前に……旅のお供のスタミナドリンクは」
凛「行ってきます」スタスタ
ちひろ「あ、ちょっと待って凛ちゃ、剣士様……うーん、買ってもらえませんでしたね……でも!」
ちひろ「魔王を倒した伝説の剣士様が泊まった宿として売りだせば……ふふ、ふふふふ……!!」
5: 2014/04/01(火) 23:13:33.45 ID:jWL5xzCl0
凛「うーん……何だかゲームの世界みたいだけど……どうしたらいいのかな」
凛「魔王を倒すって言っても、場所が分からないし……ん?」
『↑魔王の城 直進30マス』
凛「えっ、マス……?」
凛「……あ、遠くにマス目が見える。すごろくみたい……でも、サイコロは」
ボフンッ
凛「……出てきたけど、なにこれ?」
凛「どの面も同じ数字になってる……あ、そういうことか」
凛「振ってみよう……えいっ」ポイッ
カラカラカラ……
[3]
6: 2014/04/01(火) 23:14:40.98 ID:jWL5xzCl0
凛「最初は3か……」
フワッ
凛「きゃっ?!えっ、体が……!!」
ビュンッ!!
凛「きゃぁぁぁぁぁっ!?」
ヒュウウウウウ……
ピタッ
凛「な、なにこれ……マスの所まで飛ばされたんだけど」
凛「って、そうだ。ここは……」
『シノの酒場』
凛「……えっ?」
10: 2014/04/01(火) 23:16:19.82 ID:jWL5xzCl0
――シノの酒場
ガチャッ
凛「あの……誰かいますか?」
??「あら、いらっしゃい……」グビッ
凛「あ……本当に志乃さんだ」
柊志乃「ふふ、待ってたわよ剣士様……」ゴクゴク
凛(この世界でもずっとお酒飲んでるんだ……)
志乃「ここは魔王を倒す者同士が集まる酒場よ……飲んでく?」グビッ
凛「志乃さん、私未成年なんだけど……」
志乃「ソフトドリンクもあるわよ。はい、メニュー」
凛「じゃあ、ウーロン茶……って、待って!魔王を倒す者が集まるって……!」
志乃「ほら、あそこにもいるわよ」
凛「……えっ?あれって」
11: 2014/04/01(火) 23:18:56.69 ID:jWL5xzCl0
??「はぁー……もう分かんないよ……うぅ……」
島村卯月「あぁー……凛ちゃん、未央ちゃん……私、どうしたらいいの……?」グスッ
凛「う、卯月?!」
卯月「えっ……もしかして凛ちゃん、ですか……!?」
凛「うん、もしかして卯月も」
卯月「うわあぁぁぁぁっ!!凛ちゃーんっ!!!」ギュウッ
凛「ど、どうしたの卯月?!」
卯月「だって、朝起きたら変な宿にいて、気付いたら勇者になってて……」
凛「……卯月もなんだ。私もそうだったよ」
卯月「ほ、本当っ!?」
12: 2014/04/01(火) 23:19:42.11 ID:jWL5xzCl0
凛「なんとなくだけど……魔王を倒したら、元に戻れるんじゃないかな」
卯月「そうだけど……外は魔王の手下がいっぱいいて……あっ、そっか!」
卯月「凛ちゃん、一緒に行きましょう!」
凛「うん……卯月がいると、頼もしいよ」
卯月「えへへ……もう、大丈夫です!」
卯月「勇者卯月、頑張りますっ!!」
志乃「ふふっ、素敵な友情に乾杯……」グビグビ
凛「……志乃さん、ありがとう」
卯月「魔王を倒しに、行ってきますっ!」
志乃「ええ、頑張ってね」
13: 2014/04/01(火) 23:20:47.20 ID:jWL5xzCl0
凛「じゃあ、先に進もうか」
ボフンッ
卯月「えーっと……じゃあ、これにしましょう!」
カラカラカラ……
[3]
フワッ
凛「……あ、やっぱり?」
卯月「きゃっ……あれ、凛ちゃんもだったんだ」
凛「うん……もう少し、まともな移動にしてほしかったかな」
卯月「あはは、そうだね――」
ビュンッ
14: 2014/04/01(火) 23:22:17.03 ID:jWL5xzCl0
ヒュウウウウウ……
ピタッ
凛「うぅ……移動だけで酔いそうだよ……」
卯月「そうですね……って、ここは?」
『ライブハウス東郷』
卯月「……なんだか聞いたことある名前だね」
凛「うん」
15: 2014/04/01(火) 23:23:15.90 ID:jWL5xzCl0
――ライブハウス東郷
ガチャッ
凛「あの、誰かいますか……?」
??「ああ、まいったな……ん、いらっしゃい」
卯月「えっと、どうしたんですか、あいさん?」
東郷あい「いや、今日のライブの出演者が魔王軍にやられて来られなくなってね……困っていたんだよ」
凛「そうなんだ……」
あい「どうしたものか……そうか、君たちに出てもらえば……!」
あい「いや、君たちはどうやら勇者様御一行のようだし、無理か……やはり、ライブは中止に」
卯月「……凛ちゃん!ライブ、出ようよ!」
凛「えっ?」
あい「ほ、本当かい!?助かるよ……さあ、早速こっちに来てくれ!」
凛「ちょ、ちょっと待って……はぁ」
16: 2014/04/01(火) 23:24:26.95 ID:jWL5xzCl0
――ホール
卯月「えへへ、なんだかわくわくするねっ!」
凛「う、うん……それより大丈夫かな、この装備だと踊るのは不安なんだけど」
卯月「大丈夫、絶対大丈夫だよ!」
凛「……そうだね。悩んでも仕方がないか」
ワァァァァァァッ……!!!
凛「じゃあ……残していこうか、私たちの足跡……!」
卯月「さあ、楽しいステージの始まりですよっ!」
17: 2014/04/01(火) 23:25:20.85 ID:jWL5xzCl0
凛「♪~~」スタッ
タンッ
凛「……っ!」ドサッ
卯月「凛ちゃんっ!?」
凛「大丈夫……卯月、続けて!」
卯月「う、うん……!」
あい「む……やはり、無理があったか……」
あい「成り行きとはいえ、彼女たちには申し訳ないことを……」
??「すみませーんっ!遅くなりましたーっ!!」
あい「……き、君は!」
??「ええっ、ライブ始まってるのっ?!急がなきゃっ!!」
18: 2014/04/01(火) 23:26:40.83 ID:jWL5xzCl0
ズキッ
凛(うっ……さっき転んだ時、少し捻ったかな……)
チラッ
卯月(凛ちゃん……ここは私が、頑張らなきゃ……!!)
卯月「え、えっと……次の曲は……!」
??「やっほー!みんな、お待たせーっ☆」
本田未央「スーパースターは遅れて登場するものだよ……ね、しぶりん、しまむー!」
凛「み、未央……!」
卯月「未央ちゃん、どうしてここに……!」
未央「ふっふっふ……二人とも、今はライブに集中だよっ!ミュージック、スタートっ!!」カラカラカラ……
[3,3,3]
未央「へへ……みんな、行くよっ!」
19: 2014/04/01(火) 23:27:59.76 ID:jWL5xzCl0
未央「燃やせ友情~♪パッションはミツボシ☆☆★」
ワァァァァァァァァァァァァッ!!!!!
ミオチャァァァァァァンッ!!!!
未央「みんな、ありがとーっ!」
ワァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!
凛「すごい……」
卯月「未央ちゃん、さすがですねっ」
あい「いやはや……助かったよ。なんとお礼をしたらいいものか……」
未央「いいのいいのっ!私達も楽しかったもん!ねっ?」
凛「……うん。未央のおかげだよ」
卯月「未央ちゃん、格好良かったよっ!」
未央「へへ……二人がいたから、頑張れたんだよっ」
20: 2014/04/01(火) 23:28:46.48 ID:jWL5xzCl0
あい「今日は本当にありがとう……魔王の討伐、頑張ってくれ」
凛「……うん。ありがとう、あいさん」
卯月「えへへ、行ってきますっ!」
未央「……えっ?しぶりんにしまむー、勇者だったの!?」
凛「うん、そうだけど……」
未央「ずるーいっ!!私も行くよっ!!」
卯月「ええっ!未央ちゃんも一緒に来てくれるの!?」
凛「……ふふっ、これでニュージェネレーションが揃ったね」
未央「私はあんまり戦える格好じゃないけど……ライブなら任せてよっ!」
卯月「うんっ!未央ちゃん、頼もしいねっ!」
凛「それじゃ……行こうか、卯月、未央」
凛「魔王を倒しに、ね」
21: 2014/04/01(火) 23:30:07.11 ID:jWL5xzCl0
卯月(それから、私達三人はサイコロ任せに旅を続けて)
凛「あ……宝箱だ」
卯月「でも、どうやって開ければ……」
未央「そっか、サイコロだよ!」カラカラカラ……
[3,4,6]
未央「ふっふっふ……えいっ!」ガチャッ
卯月「やった!やりましたよっ!」
凛「中身は……サイコロ?」
未央「サイコロ……何に使うの?」
卯月「……さあ?」
22: 2014/04/01(火) 23:31:28.97 ID:jWL5xzCl0
卯月(時には危険な目にも遭いましたけど)
小関麗奈「アーッハッハッハッハ!ここで会ったが百年目よ、覚悟しなさいッ!」
凛「麗奈……そこをどいて」
麗奈「なッ、何よ……ッ!このアタシが、そんなんで怯むとでも……ッ!!」
未央「ふっふっふ……これでもくらえーっ!」カラカラカラ……
[2,3,5]
凛「ていっ!」ザシュッ
麗奈「ちょ、待ってッ……きゃああぁぁッ!?」
卯月「それっ!」グサァーッ
麗奈「うッ……お、覚えてなさいッ!!」
23: 2014/04/01(火) 23:32:35.35 ID:jWL5xzCl0
卯月(順調に旅を続けたのでした)
凛「また宝箱?」
未央「さーて、次もスーパースター未央ちゃんにお任せ……」
ガチャッ
未央「あれっ?」
輿水幸子「フフーン!!宝箱だと思いましたか?このボクでs」
バタンッ
幸子「フギャーッ?!」
凛「さ、次行こうか」
卯月「り、凛ちゃん……ちょっと可哀想ですよ?」
24: 2014/04/01(火) 23:33:54.04 ID:jWL5xzCl0
――魔王の城
未央「ついにここまでやってきたねっ」
卯月「うぅ……なんだかドキドキしてきました!」
凛「大丈夫だよ。ここまでやって来れたんだから」
卯月「……うんっ」
未央「へへ……さあ、出てこい魔王っ!」
??「クックック……我が城に光が差すことは無し……」
神崎蘭子「勇者達よ、我が力にて――闇に飲まれよ!」
凛「あ、やっぱり蘭子なんだ」
蘭子「……蒼き剣士よ、如何したか?」
凛「ううん、なんでもないよ……さあ、始めようか」
25: 2014/04/01(火) 23:35:15.45 ID:jWL5xzCl0
凛「行くよっ!」カラカラカラ……
[2,3,4]
卯月「えいっ!」グサァーッ
蘭子「ククク……我がヴェールの前には全てが無力なり……!!」
凛「……効いてない!?」
蘭子「――我が呪われし右手には、炎を」
蘭子「我が聖なる左手には、氷を!」
バシュンッ
未央「きゃぁっ!?」
凛「未央っ!」
蘭子「フフフ、魔王の力に跪きなさい……っ!!」
26: 2014/04/01(火) 23:36:32.07 ID:jWL5xzCl0
卯月「一体、どうしたらいいの……?」
未央「らんらんが纏ってるヴェール、なんとかしないと……でも」
凛「――諦めちゃ駄目だよ、卯月、未央」
凛「卯月はずっと、不安だった私を励ましてくれた」
卯月「!」
凛「未央は私達のピンチに駆けつけて、助けてくれた」
未央「しぶりん……!」
凛「二人のおかげで、私達はここまで来れたんだ……だから、私は諦めない」
凛「どんなに困難でも……私は、私達は――負けない!!」カラカラカラ……
[2,5,6]
凛「……はぁっ!!」ザシュッ
蘭子「ぐっ……ま、まさかヴェールが……破られた!?」
27: 2014/04/01(火) 23:37:26.65 ID:jWL5xzCl0
卯月「凛ちゃん……!」
蘭子「しかし、我が力の前には赤子も同然――塵へと、帰れ!!」
バババババシュゥッ!!!!
未央「く、来るよっ!!」
凛「……っ!!」バッ
ワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!
凛「……?」
卯月「え……?」
未央「ま、まさか……!!」
28: 2014/04/01(火) 23:38:35.78 ID:jWL5xzCl0
「凛ちゃーんっ!!大丈夫かーっ?!」
「卯月ちゃんには指一本触れさせないぞー!!!」
「未央ちゃん、俺達が三人を守るから……魔王に勝ってくれーっ!!」
ワァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!
蘭子「な、何が起こっているの……!?」
卯月「みんな……!」
未央「ありがとう……っ!」
凛「――行くよ、卯月、未央!」
卯月「うんっ!」
未央「もちろんっ!」
29: 2014/04/01(火) 23:40:50.99 ID:jWL5xzCl0
蘭子「クッ、これしきのこと……我が力にて全てを無へと還すのみよ!!」
凛「それはどうかな……っ!」カラカラカラ……
[2,3,5]
凛「えいっ!」ザシュッ
卯月「とりゃぁっ!」グサァーッ
未央「それっ!」バシィッ
蘭子「……ま、まさか……!!!」
凛「これで……どう?」
蘭子「ぐはっ……我が覇道は潰えぬ……何度でも蘇るわ……!きっと……!!」
蘭子「うぅ……」バタリ
31: 2014/04/01(火) 23:42:47.94 ID:jWL5xzCl0
凛「……これで終わったのかな」
未央「や、やったんだよね、私達!」
卯月「凄いですっ!本当に勝っちゃうなんて……!!」
未央「いやー、一時はどうなることかと思ったよー」
凛「本当だよ……二人のおかげかな」
卯月「ううん、凛ちゃんのおかげだよ!」
未央「いやいや、しまむーも頑張ったでしょー!」
凛「……ふふっ、やっぱり私達、誰が欠けても駄目なのかもね」
未央「……うん。二人がいるから、私も頑張れたんだよっ!」
卯月「えへへ……二人とも、大好きですっ!」ギュウッ
未央「わーっ!しまむー待って!苦しいよ……っ!」
凛「もう、卯月ったら……ほら、二人とも」
凛「一緒に帰ろう?元の世界へ」
32: 2014/04/01(火) 23:45:19.81 ID:jWL5xzCl0
――――――――――――――――――――
パチッ
凛「あれ……っ?」
凛「……事務所?って、毛布掛かってる……」
パサッ
卯月「えへへぇ……勇者、頑張りますっ……」ムニャムニャ
未央「ふふふ……スーパースターの……未央ちゃんだよー……」スヤスヤ
凛「……?」
P「おはよう、凛」
凛「おはよう……もしかして、私寝てた?」
P「そりゃあもう、ぐっすりと」
33: 2014/04/01(火) 23:47:16.19 ID:jWL5xzCl0
P「寝るのはいいんだけど、企画書握りしめて寝るのだけは勘弁してくれよ」
凛「あ……ごめん」
P「ま、いいけどさ。レッスン帰りに三人を呼び止めた俺も悪かったし」
P「それで……どう思う、その企画書」
凛「うん……やってみたいかな」
凛「あ、でも卯月と未央と三人一緒で、だよ」
P「ああ、そのつもりだよ……他に人を増やすかもしれないけどな」
P「……勇者御一行が魔王を倒しに行く……うーん、何かもう一つ足りないよなぁ」
P「あ、囚われのお姫様とかいいんじゃないかな」
凛「それじゃあ、囚われのプロデューサーにしようよ」
P「……え?」
凛「ふふっ……大丈夫。私がちゃんと、助けに行くから」
P「お、おう……」
凛「だから、プロデューサー……私が迎えに行くまで、ちゃんと待っててね?」
34: 2014/04/01(火) 23:48:35.16 ID:jWL5xzCl0
以上で終わりです
ありがとうございました
ありがとうございました
35: 2014/04/01(火) 23:57:58.01 ID:SOMcXjbm0
乙
引用元: 渋谷凛「ふーん、剣士か」
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります