6: 2009/07/14(火) 15:37:08.10 ID:TgQYDaV+O

ある暑い夏の日だった。

音楽室
律「あーつーいー」

澪「ばかりつ!余計暑くなるだろ!」

唯「澪ちゃん大きい声出さないでよ~。暑くなるよ~。」

紬「(みんな汗でシャツが透けてる…)」

澪「それよりせっかく夏休みまで学校来たんだから練習やろうよ!」

律「だなー夏休み明けにライブあるし…」

唯「あーちー」ゴロゴロ

紬「皆さんアイス持ってきてありますよ。練習終わったら食べましょう?」

唯「さぁ練習だ!」シャキーン!


8: 2009/07/14(火) 15:38:15.23 ID:TgQYDaV+O

ジャジャ♪ジャジャ♪ジャーン♪


澪「ふぅ…もう今日はこれくらいでいいかな?」



真上にあった白い太陽がいつの間にかオレンジ色になっていた。

唯「むぎー、アーイースー」

紬「はいどうぞ」

唯「うまうま…パクパク」

律「よし!みんな帰りにマック寄って行こうぜ!!」


3人「おぉーっ」



9: 2009/07/14(火) 15:39:10.76 ID:TgQYDaV+O
マック
律「はぁー…冷房効いてて涼しいなー」

澪「今日の練習の反省会やるぞ!」

唯「私チキンフィレオセット!」

紬「じゃあ……私はアップルパイとマックシェイクで」

律「私はビッグマックセット!!」

澪「あ…みんなもう決めたのか!…私はマックチキンで!」

店員「はい。かしこまりま……」

唯「ちょっと待ったーっ!」

澪「えっ!どうかしたの!?」

唯「クーポンで!!」キリッ


11: 2009/07/14(火) 15:39:52.78 ID:TgQYDaV+O

4人は反省会そっちのけで楽しく語り合った。

律「ははははっ!」

唯「面白いでしょーっ?…そこで栃東が……っ」

澪「あっ!もうこんな時間だ!」

紬「本当ですわ」

唯「え~…ここからが面白かったのになぁ」

律「また明日聞かしてくれよな!!」


4人はまた暑い中に戻りそして、自宅へと帰って行った。


17: 2009/07/14(火) 15:46:12.81 ID:TgQYDaV+O
唯の家
唯「ただいま~」

憂「おかえり!お姉ちゃん!」

唯「扇風機…扇風機…」


唯「あ~~……」


唯は扇風機の前で定番の行動をしていた。

憂「(お姉ちゃん……かわいい……)」


憂「お姉ちゃん!今日はお姉ちゃんの好きなハンバーグ作ったよ!」


唯「やった~!ありがとー憂ー!」


唯はマックでお腹を満たした事なんてすっかり忘れていた。


19: 2009/07/14(火) 15:48:46.01 ID:TgQYDaV+O
唯「ごちそうさまー」

憂「はーい」

唯「じゃあ私お風呂に入ってくるね!」



お風呂
唯「あ~…日本人に生まれて良かったなぁ…」


湯船に浸りながら感傷に浸っていた。


唯「もう夏休みもだいぶ終わっちゃったなぁ~…」


唯「いっぱい練習して、最後のライブも大成功で終わらせてやるっ!」


22: 2009/07/14(火) 15:51:24.19 ID:TgQYDaV+O

唯「ふぅ……さっぱりした!」


唯は濡れた髪を拭きながら火照って赤くなった体を扇風機で冷ました。


唯「憂ー!私もう寝るね~」

憂「おやすみ!」

唯「おやすみ~」



唯の部屋

唯「はぁ~疲れたな~」

唯「明日も夏休み特訓頑張らなくちゃ!」



唯は気合いを入れると同時に眠りについた。
セミの鳴き声が響き渡る暑い夜だった。

23: 2009/07/14(火) 15:53:10.24 ID:TgQYDaV+O
次の日

音楽室
唯「おっはよー!」

律「おーす……唯……」

澪「唯……今日は残念なお知らせが……」

唯「え…?どうしたの?」

紬「実は……私……」


紬「アイス持ってくるの忘れちゃった!」


唯「そんな!!…じゃあ今日の練習は…」ガビーン

澪「あるに決まってるだろ!」

澪「じゃあ早く練習するぞ!!」


唯「アイス!アイス!」プンプン

唯は口をフグみたいに膨らませた。

24: 2009/07/14(火) 15:54:23.28 ID:TgQYDaV+O

ジャジャ♪ピーン♪

いつもの演奏とは違い変な音が混じっていた


澪「おい唯!いつも出来てたのにどうしてミスしたんだ?」


唯「え…?なんでたろ…?」


紬「このフレーズだけはいつも出来てたのに…」


律「もう1回最初からやってみよう!」


律の一声でもう1回仕切り直しとなった。
唯はまだ何故ミスをしたのか分からなかった。


26: 2009/07/14(火) 15:58:58.99 ID:TgQYDaV+O

ジャジャ♪ジャジャ♪ピーン♪


唯「あ、あれ?…」

律「……調子悪いのか唯?」

唯「いや…弦の方が調子悪いのかな…?」

澪「そっか…う~ん、とりあえず今日はこれで終わりにしようか。」

紬「唯ちゃん!アイスは忘れちゃったけどケーキならあるわ!」


唯「わーい!ティータイムだ!」

律「……唯……」

唯は先ほどのミスの事なんかそっちのけで、紬のケーキに夢中になった。

いつも鳴いていたセミの声が小さかった。


27: 2009/07/14(火) 16:00:19.40 ID:TgQYDaV+O

唯「はぁ~…むぎちゃんのケーキ美味しいな~」パクパク

律「ミルクティーもおいしいな!」

澪「(夏休みまでケーキ食べて太っちゃう…)パクパク」

紬「みんなが喜んでくれて私もうれしいわ!」


唯「むぎちゃん!!ミルクティーおかわり!」

律「私も!!」

紬「はい、どうぞ」


紬は唯と律の注文に笑顔で答えた。
丁寧にカップにティーを注ぎ、丁寧に2人に手渡した。

律「ありがとな!むぎ!」

唯「ありが……あ!」

ガッチャーン

唯は丁寧に手渡されたカップをひっくり返してしまった。
机の上はミルクティーで汚れたが、いい匂いが広がった。

唯「あぁっ!むぎちゃん!ごめんなさい!」

28: 2009/07/14(火) 16:01:23.93 ID:TgQYDaV+O
唯「むぎちゃ~ん!せっかくミルクティー入れてくれたのに……ごめんなさい!」ポロポロ

唯は泣きながら謝った。

紬「大丈夫ですわ」


律「ははっ!本当唯はドジっ娘だな!」

澪「こら!!律!唯の悪口言わないの!」

唯「えへへ~私ドジばっかりだよ~」

紬「けがしないように気を付けてね?」


唯「うん!」


紬の心配とは裏腹に唯は笑った。

セミの鳴き声がいつもより儚かった。


35: 2009/07/14(火) 16:08:20.37 ID:TgQYDaV+O
律は嫌な空気を断ち切ろうとした。

律「よ~しっ!今日の帰りはファミレス行くぞ!」

澪「今日こそ反省会な!(ああ…また太っちゃう…)」

唯「飲みほーだい!!」

紬「(ファミレス…?)」




ファミレス
唯「飲み放題安くていいね~」

律「なぁみんな!!私の作戦を聞いてくれ!」

唯「なんですか!?りっちゃん隊長!!」

律「みんなでカルピス飲みまくって、ドリンクバー空っぽにしようぜ!!」

澪「他の人に迷惑かけちゃ駄目だろ!」

紬「(ワクワク…)」

律「じゃあみんな頑張ろぜ!!」

唯&紬「おっー!!」

37: 2009/07/14(火) 16:09:31.17 ID:TgQYDaV+O

唯は練習の時よりやる気が出ていた。

澪「(わ…私もやろっ♪)」


唯たちは力を合わせてカルピスを飲みまくった。
しかし1時間経った所で店員が補充をしたのでキッパリ諦めた。

律「そ、そりゃないだろ…」

唯「も~っ!」

律「もうこうなったらやけ食いだっ!店員さん!ピザください!」


律は自分の作戦があっさり阻害されたので店員に強めに言った。



38: 2009/07/14(火) 16:10:16.37 ID:TgQYDaV+O

店員「おまたせいたしました。」

律「おぉ!おいしそう……唯!タバスコ取って!」

唯「うん!………あれ?」

唯はタバスコに目線を向けたまま固まっていた。


律「え?自分で取れってこと!?」

唯「あ……」

澪「どうしたんだ唯?……ほら律、タバスコ」ヒョイ

律「やっぱピザにはタバスコだよな!!」


律はチーズの色が赤くなるまでタバスコをかけた。

紬「見てるだけで辛そう…」

唯「(………気のせいかな)」



39: 2009/07/14(火) 16:17:46.15 ID:TgQYDaV+O

律はタバスコだらけになったピザをあっという間に食べた。

律「ふぅ~ごちそうさま!!」

3人「ごちそうさま!!」

律「もう今日はここら辺で解散な!!」


少し怒り気味の律の一声で今日一日の部活動が終わった。



唯の家
唯「ただいま~…」


憂「おかえり!……あれ?どうしたのお姉ちゃん?元気無さそうだけど…」


唯「いや、なんか…ギターやりすぎて左手が思いの…筋肉痛かな~?」


憂「大丈夫…?とりあえず湿布貼っておこうね?」


憂は唯の左手に綺麗に湿布を貼った。

唯「冷たくて気持ちいい~」

41: 2009/07/14(火) 16:19:45.65 ID:TgQYDaV+O

次の日
唯「う~…ん」

憂「お姉ちゃん?まだ寝てるの?」


唯「憂~。起こしてよ~。」


唯は寝っ転がりながら憂に言った。


憂「もう……しょうがないね。よいしょっ!」


憂は唯の手を引っ張って唯を起き上がらせた。


唯「ありがと~。憂」

憂「それくらい自分でやってよね!(甘えん坊のお姉ちゃん……)」

43: 2009/07/14(火) 16:22:15.89 ID:TgQYDaV+O

唯「じゃあもう学校行くね!」

憂「今日も練習頑張てっね!いってらっしゃい!」

唯「いってきま~…痛てっ!」コテンッ

憂「もう~お姉ちゃんったら!…なんで何もない所で転ぶのよ…」


唯「痛たたっ……大丈夫だよ、憂~」


唯「じゃあ行ってきまーすっ!」ダダダッ


憂「(お姉ちゃん大丈夫なのかな…)」


44: 2009/07/14(火) 16:23:04.31 ID:TgQYDaV+O
学校
唯「おはよ~!」

律「おーすっ!」

澪「おはよ!」

紬「おはよ唯ちゃん!」

澪「じゃあ早速練習やるか!」


3人「おぉーっ!」


4人はいつもの定位置に着いて練習を始めた。


ジャジャ♪ジャーン♪

唯「良かったぁ!今日は上手くいった!」


46: 2009/07/14(火) 16:24:54.16 ID:TgQYDaV+O

律「よしっ!じゃあそろそろ別の曲もやるか!」

澪&紬「おぉーっ!」

唯「えぇーっ!またコード覚えなきゃいけないの…」

澪「当たり前だろ!…ライブで1曲しかやらないなんてカッコ悪いだろ!!」


唯「うっ……」


唯はせっかく覚えたのにまた別の曲を覚えなきゃいけなくなってガッカリした。


唯「むー…っ!」

澪「ほっぺ膨らましたってやるもんはやるぞ!」



47: 2009/07/14(火) 16:26:44.28 ID:TgQYDaV+O
唯「え~と最初のコードは……」バタンッ


唯はコードを確認しようとすた瞬間唯はよろめいて、倒れた。


澪「唯!大丈夫か!?」

唯「あれ?……あれ?」


律「貧血かな?…とりあえず病院に行って診てもらおうよ!」


唯たちは学校近くの病院へと向かった。

この時唯たちはまだ気付いていなかった。
軽音部に不吉なことが近づいていると……


49: 2009/07/14(火) 16:29:50.63 ID:TgQYDaV+O
病院
先生「平沢唯さん……昨日はよく眠れましたか?」


唯「はい!」

律「(いつも寝坊してるしな…)」


先生「じゃあ最近ムリなダイエットとかしてない?」


唯「してません!」


紬「(いつもお菓子食べてるから…)」

先生は色々質問した。

先生「貧血じゃないんなぁ?…何か心辺りある?」


唯「ん~…なんか最近筋肉痛ぐらいかな~?左手がピリピリ痺れるし…」


先生が無言になった。


50: 2009/07/14(火) 16:31:00.68 ID:TgQYDaV+O
先生「左手が痺れる……?」

唯「はい…それが何か…?」

先生「……とりあえず色々検査したいから、一晩入院してくれる?」


唯「は…はぁ、」


唯はどうして筋肉痛で入院するんだろうと疑問に思った。


律「一晩入院か~、まぁ早く筋肉痛治せよな!」


唯「うん!ありがと~」


先生「…………」


唯と先生が診察室に残り他のみんなは帰った。

51: 2009/07/14(火) 16:37:54.21 ID:TgQYDaV+O
先生「じゃあ早速検査を始めるね」


そう言って先生は唯の体を調べ始めた。
MRIやレントゲンなど色々なことをした。


唯「ん~検査される側も疲れるなぁ…」


先生「明日の朝には検査の結果が出るから今日は一応点滴を打っておくね」


唯「はーい!」


看護士「…もう消灯の時間だから静かに寝ましょうねっ」


唯「おやすみなさい…」


唯は慣れない病院のベッドだったがすぐに眠った。



52: 2009/07/14(火) 16:40:12.49 ID:TgQYDaV+O
次の日
唯「くかーっ、くかーっ」Zzz…

コンコン
先生「平沢さ……まだ寝てるのか…」


唯「ん?……あっ先生!おはようございます!」


先生「平沢さん、検査の結果が出たよ…」


唯「私どうだったんですかぁ?」


先生「………」


唯「先生?……」


先生の真面目な顔にさすがの唯も心配になった。


先生「平沢さん…落ち着いて聞いてほしい…?」


54: 2009/07/14(火) 16:42:40.87 ID:TgQYDaV+O
先生「平沢さん……キミは………」


唯「先生……?」


先生「じきに……左半身が……動かなくなってしまう…」


唯「……へっ?……」


先生「昨日の検査の結果……どうやら君の脳は血液が上手くまわっていなくて…………」


唯「左半身……?……嘘でしょ…?そしたら左手が……ギターが…」


先生「……すまない。」


唯「私……もうギター弾けないの…?」


先生「…………」


暑い真夏の日のことだった。

しかしセミの鳴き声はしなかった。

58: 2009/07/14(火) 16:44:51.81 ID:TgQYDaV+O
その日すぐに唯は退院の許可をもらった。
少しでも進行を遅らせる為に腕と脚に重りを着けていた。
筋トレすることで多少は長く動かせるらしい。


唯「……とりあえず学校に行こう………」


学校
唯「みんな!おはよう!」

唯はみんなにバレない様に元気に挨拶した。

律「おぉーっす!もう退院しても大丈夫なのか!?」


唯「うん!点滴打ったら元気いっぱいになったよ~♪」


唯はなんとか笑いながら言った。
その笑顔に軽音部のみんなは安心した。


63: 2009/07/14(火) 16:46:36.98 ID:TgQYDaV+O
澪「あれ?唯…その手足に付けてるのなに?」

唯「こ、これっ!?……え~と…そうアレだよ!!常にトレーニングになるかなって思って!!」


紬「まぁ練習熱心ですね」

唯「へへ~っ!漫画みたいにピンチになったら取り外して周りの人を驚かせてやるんだっ!」


律「なん…だと…?」
律「ってみんな言うかもなっ!」

唯「  重り  か  」


唯と律はブリーチネタで笑った。
澪と紬は意味が分からなかったが2人の笑顔を見てつられて笑った。


65: 2009/07/14(火) 16:54:04.28 ID:TgQYDaV+O

軽く談笑した後に練習をした。
唯は少しだけミスをしたが新曲だったので唯以外の人は、深くは考えなかった。

唯だけが違和感を感じた。
しっかり押さえてるはずの弦からは綺麗な音が出ない。
長い間立っているのが辛い。
重りのせいだけではなかった。



律「もう今日の練習はこれくらいでいっか!」


澪「みんな各自自主トレを忘れるなよ!もうすぐライブなんだから……」


唯は焦りを感じた。
同時にみんなにこのまま秘密にしててもいいのかと思った。


ライブまであと2週間を切った。


66: 2009/07/14(火) 16:54:55.42 ID:TgQYDaV+O
唯の家
唯「ただいま~」

憂「お姉ちゃん!どこ行ってたの!?」

唯「うん?学校だよ?」

憂「なんで退院した後に真っ直ぐ家に帰って来なかったのよ!?すっごく心配したんだからっ!」


唯「へへへ…ごめんね?憂…」


唯は怒られたのに嬉しく思った。


憂「まぁ……元気そうで良かった!」

憂「もうご飯出来てるから食べようっ!」

唯「うんっ!」

67: 2009/07/14(火) 16:56:25.55 ID:TgQYDaV+O

唯「パクパク…」

憂「今日のチャーハン美味しい…?」

唯「当たり前じゃん!憂が作ったご飯は全部おいしいよっ!」ポロポロ…


憂「ありがと~…って、お姉ちゃん口からチャーハンこぼしてるよ~」


唯「あ……ごめんね?…」

憂「もう…せっかく作ったのに」


憂は文句を言いながら唯の口をハンカチで拭いてあげた。

唯は唇が震えていた。
よく食べ物が噛めなくなっている事に気付いた。

唯は憂の目を見て
泣いた。


68: 2009/07/14(火) 16:59:28.53 ID:TgQYDaV+O
憂「え!?え!?…どうしたの?お姉ちゃん…」

突然の唯の涙に憂は驚いた。

唯「憂…実は……実はね?」


唯は泣きながら昨日の病院での出来事を話した。
憂は泣きながら唯の話を聞いた。


憂「…なんで?……なんでお姉ちゃんがそんな目に会うの……」


唯「ごめんね?…きっと日頃の行いが悪かったんだよ……」


憂「そんなことないよ……」


唯「私……ギターも弾けなくなっちゃうんだって…」

唯「軽音部のみんなには心配かけたくないから……黙っててくれる?お願い……」

唯は真剣に憂にワガママを言った。

73: 2009/07/14(火) 17:08:24.67 ID:TgQYDaV+O
唯「おねがい憂!もうすぐライブだから……みんなの集中を切らしたくないんだ…」

憂「お姉ちゃん……」

唯「ごちそうさま……綺麗にご飯食べれなくてごめんね…」


唯は震える唇を噛みしめながら、部屋に戻った。


憂「うっ……うっ……」


憂「え~ん」


憂は米粒で汚れた机を見て泣いた。
階段を必氏になって登る姉を見て泣いた。


75: 2009/07/14(火) 17:09:06.22 ID:TgQYDaV+O
唯の部屋
唯「まだ……大丈夫だよね?…ライブまではギター弾けるよね?」

唯は左手を見ながらいった。

唯「…ライブだけは…せめてライブだけは…」


唯は夏休み明けのライブの事を考えながら眠りに落ちた。



77: 2009/07/14(火) 17:09:51.71 ID:TgQYDaV+O
次の日
憂「お姉ちゃん…!今日は部活休んで病院に行こうよ……」

憂はフラフラしながら学校へ行こうとする唯を引き止めた。


唯「だめ…もうすぐライブだし…それにみんなに迷惑かけちゃうから…」

憂「お姉ちゃん!」


唯「わ、私は大丈夫!」ビッ


唯は震える唇で笑いながら、震える左手でピースをした。


82: 2009/07/14(火) 17:20:12.64 ID:TgQYDaV+O
憂は悩みながらも唯の希望に答えた。
唯の肩を掴み一緒に学校へ向かった。


学校
唯「みんなおはよ~!」

憂「おはようございます…」

唯はみんなにバレないように力いっぱいに挨拶した。
反対に憂は力なく挨拶をした。


律「おぉー!憂ちゃんも来たんだ!?」


憂「え、えぇ!私もお姉ちゃん達の演奏を早く聞きたくて……」

憂は作り笑いをしながら、なんとか誤魔化した。


律「まだ練習中だから完璧じゃないんだよなー!」

律の笑顔は自然な笑顔だった。

84: 2009/07/14(火) 17:21:03.87 ID:TgQYDaV+O

唯は力なくギターを持った。
ふらつかない様に必氏に右足でバランスをとった。


澪「じゃあ今日は新曲の2番から行くぞっ」

律「よーしっ!1、2、3、4!」



ジャ………


紬「あれ……?」


ベース、キーボード、ドラムの音は聞こえたがギターの音は聞こえなかった。


律「唯!どうしたん……」

律はそう言いかけて言葉を止めた。


唯が泣いていた。


87: 2009/07/14(火) 17:23:44.62 ID:TgQYDaV+O
唯「うっ…うっ…動いてよ……」

澪「……どうしたんだ……唯?」

紬「唯ちゃん……?」


唯の左手は弦を押さえていたが、指先がプルプル震えていた。

憂「お姉ちゃん!」


唯は憂に寄りかかるように倒れた。


澪「おい!唯っ!」


憂は3人の不安そうな顔を見て我慢出来なくなった。

唯「憂……だめっ!」


憂は唯の言葉を無視して唯の病気のことを伝えた。
唯はさらに泣いた。


93: 2009/07/14(火) 17:40:05.07 ID:TgQYDaV+O

澪「うそでしょ……?」

紬「………」

律「………」

澪以外は沈黙していた。

憂「本当です……いつかは分からないけど……お姉ちゃんの左半身は……」


唯「ごめんね……ごめんね……ごめんね……」


唯は謝ることしか出来なかった。
3人は聞くことしか出来なかった。


94: 2009/07/14(火) 17:40:50.19 ID:TgQYDaV+O

唯「…でもね私!夏休み明けのライブは成功させたいのっ!」


憂「私からもお願いします!……今度のライブが最後になっちゃうかもしれないからっ!…」

3人は無言で考えた。

唯の望み通りこのままライブに向けて練習をすべきか。
唯の体を気遣って休ませてあげるべきか。


まだ高校生の3人にはとても決められなかった。


95: 2009/07/14(火) 17:42:28.96 ID:TgQYDaV+O
唯「みんなお願いっ!次が…次のライブが最後になってもいいからっ!…」

唯は涙を堪えきれなかった。
みんなの前では心配かけないと決めていたが堪えきれなかった。


律「……練習しよう」

紬「…うん…私もライブ成功させたい!」

澪「お、…おい!唯の体の方が……」

唯「澪ちゃんお願いっ!」


澪「……唯……」


澪は力の抜けた唯の左手を見て、決断した。

澪「……ライブ……成功させよう!」

4人は前とは違う状態になってしまったが、前より団結力が深まった。

96: 2009/07/14(火) 17:44:48.04 ID:TgQYDaV+O

その日から軽音部は練習に打ち込んだ。
いつものティータイムを我慢して練習をしていた。



唯の告白から日にちが経ち、ついに翌日にライブを控える日となった。


唯「みんな…私のワガママに付き合ってくれてありがと…」

律「お礼なんて言わなくていいよっ!」

紬「そうだよ!私たちは軽音部だもんっ!」

澪「…ついに…明日だな…」

澪がそう呟いた。
唯はギターを抱き締めた。

唯「あと1日だけ…あと1日だけでいいから…」


唯は左手を見ながら言った。


97: 2009/07/14(火) 17:46:07.31 ID:TgQYDaV+O

その日の帰りは憂と一緒に家に帰った。

唯の家
憂「お姉ちゃんっ!ついに明日ライブだねっ私お友達連れて行くね!」


憂はムリヤリ元気に言った。
唯はその言葉を聞いて自然に元気になった。

唯「あいがと~憂っ私頑張うねっ!」

余り呂律が回らなかったが憂には十分に伝わった。


今夜のご飯は唯の為に飲み込みやすい離乳食にした。

唯は「赤ちゃんみたいだね~」って笑っていた。


いつもと変わらない笑顔のせいでに憂は泣きそうになったが我慢した。

100: 2009/07/14(火) 17:50:49.04 ID:TgQYDaV+O

その夜、2人は同じベッドで寝た。

唯も憂もなかなか寝付けなかった。


唯「ねぇ~憂~?」

憂「な~に?お姉ちゃん?」

唯「…あいがとねっ」

憂「え……?」

唯「私のワガママ聞いてくえてあいがとう。おかげでライウまで練習できたよ…」

憂「…私こそありがと。……明日のライブ上手くいくといいねっ!」


唯「うんっ!」


ある暑い真夏の日

セミの鳴き声が響き渡っていた。


101: 2009/07/14(火) 17:52:40.05 ID:TgQYDaV+O

ライブ当日
律「…やっとライブの日が来たな…」

澪「………うん」

紬「唯ちゃん調子はどう?」


唯「えへへ…ほらっ」パッ

唯はみんなの前で左手を握ったり開いたりした。
決して機敏に動いていなかったが、みんなは力強さを感じた。

唯「憂~…来てるかな?」チラッ

唯は舞台裏から観客席を覗き、一番前の席に憂が座っているのに気付いた。

唯「……よ~しっ!」

律「じゃあみんな!今日は思いっ切り楽しもうっ!」


3人「おぉーっ!」



107: 2009/07/14(火) 18:02:57.13 ID:TgQYDaV+O
律「みんなーっ!今日は来てくれてありがとうっ!」

観客「いえーいっ!」

律「こんな暑い夏だけどもっともっと暑くしてやるから覚悟しろよっー!」

律「1、2、3、4っ!」

律のMCで観客は盛り上がり、そのテンションのまま1曲目の演奏をはじめた。


110: 2009/07/14(火) 18:06:23.07 ID:TgQYDaV+O

唯は転ばないように椅子に座ってちゃんと演奏をしている。


軽音部のみんな、憂もその姿を見て安心していた。


唯「(良かったっ!……ちゃんとギターが弾ける……!)」


律「(平気そうだな唯…。)」


ギターの音、ドラムの音、ベースの音、キーボードの音

全てが綺麗に混ざっていた。


律「(よしっ!次の曲で最後だ…)」

律はそう思いながら1曲目を演奏をしていた。


116: 2009/07/14(火) 18:17:43.71 ID:TgQYDaV+O

律「唯…?大丈夫そうか?」

澪「ちゃんと1曲は出来たなっ」

紬「練習の成果が出ましたね!」


唯「……………」


律「唯……?」


唯「…ごめんね……みんな…」


澪「唯っ!」
紬「唯ちゃんっ」


唯の左手はダラリとした。


117: 2009/07/14(火) 18:18:41.93 ID:TgQYDaV+O
唯「はは……私……もうダメみたい…」

唯「でも……ここまで演奏出来て良かった…」

憂「お姉ちゃん!」

憂も観客席から唯のもとに向かった


唯「ごめんね…。こんな中途半端で終わらしちゃって…」


律「そんなことない!」

澪「そうだよ!……唯はよく頑張ったよ!」

紬「唯ちゃん…ありがとね…」


唯「み……みんな……」

唯は涙を流した。


122: 2009/07/14(火) 18:27:04.47 ID:TgQYDaV+O

その日唯たちの演奏は中止になり、次のバンドの演奏へとあっという間に切り替わった。



唯「うっ……うっ……」


軽音部のメンバーをなんて声をかけて良いか分からず無言でいた。


最初に声を出したのは唯だった

唯「ライブ…楽しかったなぁ…」

憂「わ……私も聞いてるだけで楽しかったよ!」

唯「ギー太ごめんね?……もう弾いて上げられないよ…」



124: 2009/07/14(火) 18:32:27.77 ID:TgQYDaV+O
律「……唯…」

唯「みんな…私はもう大丈夫だよ…」

唯「あの時みんなが私のワガママに付き合ってくれたから今日を迎えられたんだよ?…」


唯「本当に…本っ当にありがと!」


唯は泣き止んだが、唯の言葉を聞いて他の4人は泣き始めた。



セミの鳴き声よりも大きい声で泣いた。


129: 2009/07/14(火) 18:46:16.64 ID:TgQYDaV+O

唯はもう後悔をしていなかった。


軽音部に入ったこと。


みんなと出会ったこと。




最後の最後までみんなと演奏出来たこと。


もうギターを弾けなくなってしまったが、それ以上に素晴らしい多くのものを唯は得た。



132: 2009/07/14(火) 18:52:38.15 ID:TgQYDaV+O
数年後

長い成人式が終わり、唯の提案で軽音部は学校へと来ていた。

学校
律「唯…いくぞっ、せーのっ」

紬「よいしょっ」

律と紬は息を合わせて唯を車椅子に乗せた。

唯「へへっ~ありがと~!」

澪「さ、音楽室まで行くよ!」

澪はそう言って車椅子を押して音楽室まで向かった。

音楽室
唯「あ~久しぶりだなぁ!……あの夏の日を思い出すな~」


唯はあまり変わっていない音楽室に安心した。


133: 2009/07/14(火) 18:57:14.35 ID:TgQYDaV+O

律「本当に変わってないな~」

唯「むぎちゃん!むぎちゃん!」キラキラッ

紬「ティータイムですね!そう言われると思ってちゃんと持ってきましたわ」


澪「おい…勝手に食べていいのか?」


律「ったく澪はまだ心配性が治らないな~」

澪「う、うるさいっ!」


唯&紬「ははははっ」



134: 2009/07/14(火) 19:03:18.50 ID:TgQYDaV+O

唯「ん~チーズケーキおいしいなぁ~」

律「なぁ唯?どうして音楽室来ようと思ったんだ?」


唯「それはね、見たいものが会ったんだ!」

紬「見たいもの?」


そう言って唯は右手でホワイトボードを指差した。

そこには学生時代に書いた、『武道館』の文字があった。

唯「私、今度は客席から見てるからねっ!」


律、澪、紬そして新しく入った梓。

この4人は明日、武道館でライブを行う。



おしまい!

135: 2009/07/14(火) 19:05:19.84 ID:fCgAiFx00

学生時代の思い出が生きる糧になるってやつだな

139: 2009/07/14(火) 19:10:43.03 ID:XPTU8fuH0

唯がちょっとかわいそう。あずにゃんが悪いわけではないが

168: 2009/07/14(火) 21:49:28.94 ID:TgQYDaV+O


唯「(う~こんな世の中嫌だよ…)」

唯は悩んでいた。

最近、世の中が急激に変わってしまった。
もちろんその変化は軽音部の中にも影響を及ぼしている……



音楽室
唯「おはよ~…」

律「おぉーすっ!」

澪「おはよう!」

紬「おはようーっ」

梓「おはようございまーすっ」


律「なぁ唯!ちょっと聞きたいことあるんだけど!」

唯「えっ……何?」

唯は心配そうに律に聞いた。


169: 2009/07/14(火) 22:08:22.55 ID:TgQYDaV+O

なぜ唯が律の質問を心配するか。

その理由は今からちょうど1ヶ月前にある。


ちょうど1ヶ月前に政治家がとんでもない政策をだしたのである。


『国民正直化計画』

犯罪を減らすため、そして、日本国民を正直にしようと言う政策だ。

この政策が出た次の日から『思考発信装置』という装置をつけることを義務付けられた。


この装置をつけている者に質問を問いかけると、嘘偽りない答えを返してしまう。



もちろん軽音部のメンバー全員もこの装置を付けていたのだった……


170: 2009/07/14(火) 22:09:39.80 ID:TgQYDaV+O

律「なぁ唯?昨日は憂ちゃんとどんな事したの?」


唯《一緒のベッドで寝ちゃった~》


唯「ち、違う!嘘だよっ!」カァ…


律「へ~?この歳になっても妹と寝てるんだ~?あとさ~…」


唯は質問が聞こえない様に耳を塞いだ。

質問を聞かなければ装置は作動しない。


唯「りっちゃん!変な事聞かないでよねっ!」


171: 2009/07/14(火) 22:17:54.89 ID:TgQYDaV+O

唯「もう~っ!そういうりっちゃんは聡くんどんな事してるのさっ?」


律「ゲームだけど」
律《ゲームだけど》


唯「ズルいよ~」


こんな感じで1ヶ月過ごしていた。



ある時、紬がこんな質問をした。


紬「あの…女の子×女の子ってどう思いますか?」



175: 2009/07/14(火) 22:24:15.26 ID:TgQYDaV+O
澪《?》

律《?》

唯《?》

梓《?》


紬「はぁやっぱりそうですよね……」

唯「むぎちゃん、女の子×女の子ってな~に~?」

律「おい!バカっ!」


紬《私はりっちゃん×唯ちゃんが一番だと思います!》

紬「そ…そういう事です…」

律「へ~………」

唯「え?りっちゃん、りっちゃん×私って何?」

律《私と唯がカップルになるってことだよ!》

律「………」

唯「へ、へぇ~……」

177: 2009/07/14(火) 22:29:30.80 ID:TgQYDaV+O

唯「………」

律「………」

律「(気まずくなっちゃったよ…)」

紬「2人はお互いにどう思ってるんですか?」


唯《りっちゃんといると楽しいよ~!えへへっりっちゃん可愛いしね!》

唯「いや!違うよ!?…憧れで可愛いな~ってことだよ!」


律《唯はちょっと駄目な所があるから支えたくなるんだよな!》

律「これはっ!…友達として…」


澪「(ああ……軽音部は変わってしまったな……)」


梓「(唯先輩そんなこと思ってたんだ……)」


178: 2009/07/14(火) 22:34:18.41 ID:TgQYDaV+O
紬「え!?じゃあ両思いなんですね!」

紬はワクワクしていた。
もしこの装置が言葉だけではなく、映像も発信していたら紬は幸せ者だっただろう。

紬「このまま二人とも付き合ったらどうですかっ?」

唯《りっちゃんもそんな思っててくれたんだ!私はお付き合いしたいなっ!》

律《唯がいいなら…っ!》


唯「…よ、よろしく…」

律「よろしく…」


紬「二人とも!今の気持ちはっ!?」


二人とも耳を塞いでいた。


180: 2009/07/14(火) 22:39:05.69 ID:TgQYDaV+O
梓「えぇっ!唯先輩と律先輩付き合っちゃうんですか…!?」

律《うん!》
律「(別に言わなくても伝わるな)」

紬「(もしかしたら梓も?……でも別に聞かなくていっか、)」

唯「…じゃあもう帰ろっか…?」

律《一緒に帰ろぜ!唯!》

律「カァァッ…」


律はおでこまで赤くなっていた。


184: 2009/07/14(火) 22:47:09.47 ID:TgQYDaV+O
唯と律は2人きりで帰った。

唯「(うぅ…なんかドキドキする…)」ドキドキ

律「(なんで無口で帰ってるんだ…付き合ってるのに…)」ドキドキ


一言も話さずに唯の家に着いた。

唯「じゃ、じゃあ私はここで……」

律「おぅ…!じゃあな…」


憂「お姉ちゃんおかえり!…あれ?律さん…?」

律「ひ、久しぶりだね憂ちゃん…!」

憂「ちょうど良かった~!カレー作りすぎちゃったんですけど、良かったらウチどうですか!?」


律《行く!行くよ!》

律「……………」カァァ…ッ

187: 2009/07/14(火) 22:54:05.49 ID:TgQYDaV+O
唯の家
憂「はい、どうぞ律さん!お姉ちゃん!」

律「おぉ~美味しいカレーだな!」モグモグ

唯「でしょ~!憂が作るものは全部おいしいんだよっ」モグモグ

憂「そういえばお姉ちゃん達なんで2人きりで帰ってたの?」

律&唯《私たち付き合ってるからっ!》

律&唯「モグモグッ(あ、違っ!これは…)」

憂「えっ?なんでお姉ちゃん達が……?」

唯《へへ~っ!りっちゃんって照れると顔が赤くなってすごく可愛いんだよ~!》

律「唯っ!」カァァ…

律《私ちょっと駄目な子が可愛いく思うんだよね!》

唯「りっちゃん……」

もはやカレーの味なんて分からなかった。

190: 2009/07/14(火) 23:00:50.95 ID:TgQYDaV+O
憂「もう!!お姉ちゃんなんで黙ってお付き合いしちゃうんのよっ!……もう知らないんだから!」バタンッ


憂は自分の部屋に引きこもった。


律「………」

唯「……これから…どうする~?」


律《一緒にお風呂に入りたいなっ!》

律「いやいやいやっ!ただ思っているだけだから!」カァァッ

唯「じゃあ一緒に入ろっか…」カァッ

律「……へっ?」

唯《じゃあ一緒に入ろっか…》カァッ

唯「もう何度も言わせないでよね!(いいやっほおうーい!)」

律「(キタアアアア!)」


191: 2009/07/14(火) 23:06:40.13 ID:TgQYDaV+O

ちゃぽーん

唯「(りっちゃんと裸で2人きり…)」

律「(唯と裸で2人きり)」


唯「じゃあ私先に体洗ってるね」

律「それじゃ私は湯船に使ってるよ!」


ゴシゴシ
唯「(…………)」

律「(…唯が洗ってる所見てみたい…)」


ゴシゴシゴシ……


192: 2009/07/14(火) 23:12:03.95 ID:TgQYDaV+O
ゴシゴシゴシ…
唯「あっ…」

律「ん?どうしたんだ唯?」

唯《背中に手が届かないよ~》

唯「だっ!大丈夫だよっ!じ、自分で洗うからっ」

律「本当に大丈夫なのかよ?」ボソッ

唯《りっちゃんに体を洗ってほしいな~》

律「ちょっ!何変なこと考えてるんだよ!」

唯「……本当はどうおもってるの?」


律《洗いっこしたい!》

唯「…………いいよ」


ザバーンッ
律は顔を赤くしながら湯船から出て、唯の背中に近付いた。


193: 2009/07/14(火) 23:13:16.41 ID:TgQYDaV+O

ちょっと俺もリアルにシャワー浴びてくるね。

197: 2009/07/14(火) 23:31:30.92 ID:TgQYDaV+O

唯「……………」ドキドキ

律「じゃ、じゃあ体洗うぞ…」ドキドキ

唯「……うん」ドキドキ


ガラッ

憂「ちょっと待ったーっ!」

律&唯「……!!」ビクッ

憂「律さん!お姉ちゃんと何してたの!?」

律《洗いっこしようと……》


律「嫌、これはっ!唯が背中に手が届かな……」

憂「だめーっ!律さんもうウチから出てってー!」


律「……わ、悪かったよ…(自分から誘ったくせに…)」ガチャ

唯「(ああ……りっちゃん……)」


198: 2009/07/14(火) 23:41:06.65 ID:TgQYDaV+O
次の日
唯「お、おはよ~」

律「お…おぉ!」

紬「唯ちゃん!りっちゃん!昨日はどうだった!?」


律&唯《一緒にお風呂に入って……》


紬「それから?それから?」

律&唯《洗いっこしようとしたら憂に邪魔されたっ!》

梓「あ、洗いっこ~!…?」

律「いやいや!実際にはやってないよ!なっ?唯!」

唯「うん!うん!何にもしてないんだよ~っ!」

梓「もう!唯先輩にはそんな事して欲しくないですっ!」

200: 2009/07/14(火) 23:46:04.40 ID:TgQYDaV+O
紬「あれれ~?なんであずちゃんは唯ちゃんの事になるとムキになるのかな~?」ニヤニヤ…


澪「(むぎって確信犯だろうな……)」


梓《だって唯先輩の事が好きだからっ!唯先輩とあんなことや、こんなことをしたいもん!》


梓「いやあああっ」


律「かわいい顔してそんな事考えてたのかっ!?」


201: 2009/07/14(火) 23:52:01.82 ID:TgQYDaV+O
唯「あずにゃん……」

梓「うっ……うっ…(唯先輩引いちゃったよ…)」


澪「梓っ!私は応援するぞ!」

梓「ありがとうございます~!」


この時澪は考えていた。
梓と唯をくっつければ自分と律がくっつく可能性が出てくると。


澪「むぎ!また別荘で合宿しないか!?」

紬《いいですね~!女の子5人でお泊まりって!》

澪「よしっ!決まりだなっ!」


律「(やった!合宿なら憂がいない!)」

引用元: 唯「私……もうギター弾けないの…?」