1: 2010/03/09(火) 18:05:15.43 ID:eTACklRNO
唯「うーん…ぬーん…めーん…」

律「何をそんなに悩んでるんだ?」

唯「何をってりっちゃん今日は7月7日だよ」

律「7月7日?」

澪「七夕だよ」

唯「そう!だからそのお願いを考えてたの」

律「高校生にもなってそんなことやってるのか?」

唯「うん!だって願い事たくさんあるんだもん」

梓「唯先輩らしいですね」

4: 2010/03/09(火) 18:07:09.33 ID:eTACklRNO
律「そんなの書いたって願いがほんとに叶うわけないだろー現実見ろよ現実」

唯「ちゃんとお願いすれば叶うもん!ねっ、あずにゃん」

梓「まぁ、願い事次第じゃないですか?」

律「でも直接的には効果ないって!ムギもそう思うだろ?」

紬「私は素敵だと思うわ、私も小さい時にお願いしてそれが叶ったもの」

唯「ほんと!ムギちゃんいいなぁ」

5: 2010/03/09(火) 18:08:58.75 ID:eTACklRNO
紬「唯ちゃんの願い事も心から願えばきっと叶うわよ」

律「わざわざ短冊に書いて笹に吊さなくてもよくないか?」

紬「ううん、私はそうやって気持ちを込めるのが大事だと思うの」

澪「なるほど、確かに文字に書いたりするといいって言うな」

梓「なんだか、そう聞くと願い事書きたくなってきますね」

紬「せっかくだから、みんなで願い事を書きましょう」

6: 2010/03/09(火) 18:10:26.35 ID:eTACklRNO
澪「楽しそうだな、私も書いてみよう」

律「じゃあ私も書こうかな」

澪「願い事なんて叶わないんじゃなかったのか?」

律「み、みんなが書くんなら私だって書いていいだろ」

唯「そういえばムギちゃんのお願いが叶ったのっていつなの?」

紬「私の願い事が叶ったのは去年よ」

そう、去年の春。
小学校2年生の七夕の時の願い事が叶った

7: 2010/03/09(火) 18:11:57.26 ID:eTACklRNO
・・・

・・



琴吹紬。小学生2年

教師「みんな明後日7月7日がなんの日か分かるかな?」

「七夕ー!」

教師「そう、よくできました!それでみんなは願い事はあるかな?」

「あるー!いっぱいあるー!」

教師「いっぱいかぁ…欲張りはいけないから1個だけ、みんなが叶えたい願い事を考えてきてください」

8: 2010/03/09(火) 18:13:59.51 ID:eTACklRNO
教師「それを明後日の七夕の日に短冊に書いて笹に吊します!分かったかな?」

「はーい!わかりましたー!」

教師「はい。では、そろそろ帰りましょう」

「はい、先生さようならー」

教師「さようなら」

紬「わたしの願いごと…」

紬「どんなことお願いすればいいのかな?」

10: 2010/03/09(火) 18:16:09.81 ID:eTACklRNO
紬(みんなはどんなことお願いするのかな?)

女の子1「ねーねー、お願いなににするの?」

女の子2「わたしはお菓子の家が食べたいかな」

女の子1「へーかわいいね!わたしは世界一周したいなぁ」

紬(お菓子の家…世界一周かぁ…みんないろいろ考えてるんだ)

わたしは願い事を考えながら学校を出る

校門では迎えの斉藤が待っていた

そして、いつものように車に乗りピアノ教室へ向かった

12: 2010/03/09(火) 18:17:37.27 ID:eTACklRNO
――――――――――

ピアノ教室

先生「紬ちゃん良くできました」

紬「ありがとうございます」

先生「この間のコンクールでも最優秀賞だったし未来はピアニストかしら」

紬「先生のおかげです」

先生「私は少し手助けをしただけ、コンクールで賞を取ったのは紬ちゃんの実力よ」

13: 2010/03/09(火) 18:18:58.67 ID:eTACklRNO
いつも通り褒められる

確かにわたしは賞をとったけど、才能というよりは恵まれた環境によるものが大きかったと思う

家に良いピアノはあるし、こうやって有名な先生からピアノを教わることができてる

先生「今日はここまで、次は…明日ね。じゃあ、また明日」

紬「はい、先生ありがとうございました」

14: 2010/03/09(火) 18:20:58.93 ID:eTACklRNO
ピアノ教室を出て再び車に乗り今度は家へ向かう

公園、商店街、河原いろんな景色が右から左へ流れていくのを見ながら願いごとについて考える

私の家はとても裕福だ
家は大豪邸だし世界中に別荘はあるし執事までいる

欲しいと言った物は必ず買ってもらえたし、習いたいと言った事は必ず習わせてもらえた

家族も仲が良く幸せで私にはとくに望むことはなかった

15: 2010/03/09(火) 18:22:25.45 ID:eTACklRNO
――――――――――

家に帰ると私はすぐに父のところへ行った

紬「お父様ただいま」

父「あぁ、おかえり」

私は父に無理なお願いをしてみた

紬「お父様!わたしお菓子の家が食べたい!」

父「お菓子の家?なるほど、おもしろいな。紬が食べてみたいなら用意してみようか」

簡単に願いは叶ってしまった

16: 2010/03/09(火) 18:24:01.80 ID:eTACklRNO
紬「お父様やっぱり世界一周がしたい!」

父「世界一周かい?そうだな、小学校はもうすぐ夏休みだし今年は世界一周旅行でもしようか」

紬「う、うん…」

この願いもまた簡単に叶ってしまう

願いが叶うこと。とても幸せなことだけど、簡単に叶ってしまうのは少し寂しかった

その日わたしは寝るまでずっと七夕の願いごとを考えたが良い願いが思いつくことはなかった

17: 2010/03/09(火) 18:25:18.37 ID:eTACklRNO
――――――――――

学校

次の日の学校もずっと七夕の願いごとを考える

女の子「紬ちゃん願いごと決めた?」

紬「ううん、まだ決まってないわ」

女の子「だよね、私もたくさんあってなかなか1つに決められないよ」

紬「そう、悩むよね…」

みんなもわたしと同じで願いごとを決めるのに悩んでいた

19: 2010/03/09(火) 18:27:25.21 ID:eTACklRNO
だけど、わたしとみんなでは悩んでる内容は少し違った

みんなは願いごとを決められないことに悩み
わたしは願いごとを見つけられないことに悩む

みんなからしたら私がとても羨ましいのだろうけど、私にはみんながとても羨ましかった

紬「あの…いくら考えても探し物が見つからない時ってどうする?」

女の子「えっ…?急になに?心理テスト?」

23: 2010/03/09(火) 18:28:50.24 ID:eTACklRNO
紬「違うの、ちょっとした質問なんだけど…どうするのかな?って答え聞きたくて」

女の子「うーん…考えても見つからないなら探しにいくかな」

紬「探しに?」

女の子「うん、考えてダメならいつまでも考えてないで行動する方がいいんじゃないかな」

紬「そうよね!ありがとう!すごく助かったわ」

女の子「う、うん?助けになれたならよかったよ」

紬「そうよね、考えてダメなら探しにいけばいいのよね」

24: 2010/03/09(火) 18:30:19.17 ID:eTACklRNO
わたしは学校が終わってからすぐに行動に移った

校門ではいつも通り斉藤が待っている。
今日はピアノ教室もあったが、一日だけ許してと小声で言い学校の裏から外へ出た

紬「探しに行くのはいいけど、どこに行きましょうか」

考えた私の頭には最初にいつも車の窓から見る公園が思い浮かんだ

紬「あの公園に行ってみましょう」

毎日のように登下校時に前を通る公園だが、まだ一度も中に入ったことがなかった

なんだか探検のようでとてもわくわくした

26: 2010/03/09(火) 18:32:32.93 ID:eTACklRNO
――――――――――

公園の中に初めて足を踏み入れる

公園の中は想像していたよりもずっと遊具が少なく閑散としていた

そんな中、砂場で1人で遊ぶ女の子を見つけた

紬「なにしてるの?」

律「砂のお城作ってるの」

紬「すごいね」

律「簡単だよ。一緒につくる?」

紬「いいの?」

律「うん、人数多いほうが助かるもん」

27: 2010/03/09(火) 18:34:31.46 ID:eTACklRNO
なにかを作ったりするのは得意だった
前に本で見たお城を思い出しながら形作っていく

律「わぁ!うまいね!中世よーろっぱみたいなお城だ!すごーい!」

紬「ありがとう……あっ」

少し離れたところからこっちの様子を見ている女の子が目に入った

私はその子のところへ駆け寄った

紬「一緒に遊びましょう」

澪「あ………えっと……いいの?」

紬「うん!」

私は自分が誘われたのと同じように女の子を誘ってみた

30: 2010/03/09(火) 18:36:02.97 ID:eTACklRNO
澪「ありがとう」

最初は俯いていたが、遊びに誘うと少し恥ずかしげにながら笑ってくれた

私達は3人で一緒に協力して砂のお城を完成させた

律「本物のお城みたいだね!」

澪「素敵だね」

紬「うん、とっても良くできたわ」

澪「でも、これいつか壊されちゃうんだよね?」

31: 2010/03/09(火) 18:38:00.81 ID:eTACklRNO
律「みんなの公園だからね、わたしたちのばっかりこのまま残しておけないよ」

澪「なんか悲しいね」

紬「壊れてもまたみんなで作ればいいのよ、私達がいればまたいつでも作れるわ」

澪「そっかぁ、そうだよね」

律「じゃあ今日はそろそろ帰ろうかな、また3人で砂遊びしようね!ばいばい」

紬「うん、さようなら」

32: 2010/03/09(火) 18:39:36.30 ID:eTACklRNO
澪「わたしももう帰るね、今日は………誘ってくれてありがとう」

紬「うん」

澪「また遊んでね、ばいばい」

満面の笑みで大きく手を振りながら帰っていった

その姿も見えなくなり公園に1人になった私は次に行きたかった場所へと向かう事にした

36: 2010/03/09(火) 18:48:30.51 ID:eTACklRNO
――――――――――

次にわたしは商店街を歩いていた

紬「いろんなお店があるわ…」

商店街の中を歩いていると突然袖を引かれた

紬「え…?」

振り返ると女の子が私の袖を掴んでにこにこしていた

唯「えへへ」

紬「えっと……どなたですか?」

憂「おねえちゃん何してるの?お友達?」

よく見るととなりには妹らしき子も一緒だった

37: 2010/03/09(火) 18:49:38.44 ID:eTACklRNO
唯「んーん、髪の毛ぴかぴか!」

紬「う、うん」

憂「おねえちゃん髪の毛触っちゃダメだよ」

唯「一緒に福引きやろう!」

紬「福引き?」

唯「ガラガラ回すの!」

紬「ガラガラ?」

唯「うん!こっちこっち、ついてきて」

紬「うん?」

38: 2010/03/09(火) 18:51:04.06 ID:eTACklRNO
女の子に袖を引かれながら商店街の中を歩き福引きというのがある場所にきた

唯「あれがほしいの!」

そういって4等という紙の貼られたクリスマスツリーを指差した

唯「あれを当てて短冊を吊り下げるの」

賞品なんだろうけど、すごく季節感がなかった

紬(売れ残りなのかな…)

唯「福引券3回ぶんだから1人1回。まずはわたしからやるね」

39: 2010/03/09(火) 18:52:15.50 ID:eTACklRNO
女の子がガラガラと音をたてて福引きをする

紬「それでガラガラなのね」

唯「白だー」

「残念!ポケットティッシュねー」

唯「うー…」

憂「次はわたしがやるね」

ガラガラ…

憂「赤だ」

「はい、赤はトイレットペーパーね」

憂「ダメだったよー」

40: 2010/03/09(火) 18:53:54.19 ID:eTACklRNO
唯「むー…最後まかせたよ!」

紬「うん…」

紬(なんか期待されちゃってる?)

紬(くじ引きなんて運次第だし…ついてこなきゃよかったな)

ガラガラ……金色の玉が出てきた…カランカランカラン

「一等温泉旅行ペア券大当り~!」

紬「へ?」

憂「わぁ!すごい!一等だよ!」

紬(なんだか1番いいのを当てちゃったみたい)

41: 2010/03/09(火) 18:55:13.74 ID:eTACklRNO
唯「ほえー…」

紬(驚いてるのかな?なんだか嬉しくなさそうな…そっか、4等のクリスマスツリーがほしいんだった)

紬「あの、これ4等のクリスマスツリーと取り替えてもらえませんか?」

「え?構わないけど、いいのかい?」

紬「はい」

「じゃあ、これ4等ね」

紬「ありがとうございます」

紬「はい、クリスマスツリー」

唯「くれるの?」

43: 2010/03/09(火) 18:56:30.90 ID:eTACklRNO
紬「うん、あなたの福引券で引いたんだもの」

消えていた電灯が灯るようにしょんぼりとしていた顔が明るい笑顔になる

唯「ありがとう!」

紬「どういたしまして」

唯「そうだ!ついてきて!」

そう言うとまたわたしの袖を引き歩き出す

今度連れていかれたのはアイス屋さんだった

44: 2010/03/09(火) 18:58:07.38 ID:eTACklRNO
唯「ソフトクリーム下さい!」

「いつもありがとうございます」

唯「はい!ソフトクリーム」

紬「わたしにくれるの?」

唯「クリスマスツリーのお礼だよぉ!わたしたちはもう帰るから、またね~」

紬「ありがとう。またね」

2人は仲良く肩をならべて帰っていった
大きなクリスマスツリーを抱えて前が見えないまま歩いてる妹がやや不安だった

そして、わたしもソフトクリームを食べながら宛もなく歩き始めた

紬「すごく美味しいソフトクリーム」

46: 2010/03/09(火) 18:59:34.55 ID:eTACklRNO
――――――――――

歩き続けて気がつくと河原まできていた

「にゃーにゃー」

紬「猫?」

そう思ったが、そこに猫の姿はなくかわりに女の子の姿があった

梓「にゃーにゃー」

紬「ど、どうしたの?」

梓「にゃ?じゃなかった…えっと…」

紬「…?」

47: 2010/03/09(火) 19:01:22.04 ID:eTACklRNO
梓「あの黒猫見ませんでしたか?」

紬「陰陽座の?見なかったわ」

梓「いえ、違います。普通の猫です…これくらいの大きさなんですが」

紬「ごめんなさい、見てないわ」

梓「ありがとうございます」

紬「飼い猫なの?」

梓「いいえ、いつもこの辺にいる猫なんです。せっかく餌持ってきたのに…」

48: 2010/03/09(火) 19:02:49.85 ID:eTACklRNO
梓「にゃーにゃー」

紬「よかったら、わたしも捜すわ」

梓「えっ!悪いですよ…どこかに行ってしまったのかもしれないですし」

紬「いいわよ、わたしすることもないし一緒に捜すわ」

紬「にゃーにゃー」

梓「ありがとうございます!」

梓「にゃーにゃー」

紬「にゃーにゃー」

和「あの人達なにしてるんだろう…」

49: 2010/03/09(火) 19:04:19.43 ID:eTACklRNO
2人で猫の鳴きまねをして猫を呼びながら捜し続けた

道行く人から見たら可笑しく見えただろうか

梓「にゃーにゃー」

紬「にゃーにゃー」

黒猫「にゃーにゃー」

梓「あっ!いた!よかったー」

紬「よかったわ」

梓「ほら、餌だよー」

黒猫「にゃー」

51: 2010/03/09(火) 19:05:31.32 ID:eTACklRNO
紬「わたしはもう行くね」

梓「あっ、はい!一緒に捜してくれてありがとうございました」

紬「いいのよ、元気でね」

歩き出し空を見ると西の空はもう朱色に染まっていた

紬「もう帰らなきゃダメね」

紬「いろいろ普段できないことができていろんな子と会って楽しかったけど、願いごとは見つからなかったな」

さわ子「はぁっ!?やっぱ行けなくなったって何よ!私はもう向かってるのよ!」

紬「きゃっ…」

53: 2010/03/09(火) 19:07:24.25 ID:eTACklRNO
突然後ろから聞こえた叫びに驚き振り返る

さわ子「ファOク!私が何しにここまできたと思ってるのよ!ドタキャンとか最悪!」

紬(不良だ…)

さわ子「あぁ!なに見てんだコラァ!」

紬「ひぃっ…」

さわ子「あ…」

紬「うぅ…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…えぇ~ん…」

さわ子「あ…あの~…えっと…私が泣かした?」

55: 2010/03/09(火) 19:09:42.53 ID:eTACklRNO
紬「うぅっ…うぇ…」

さわ子「大きい声出してごめんね、ねっ?お願いだから泣き止んでよぉ~…」

紬「えぇ~ん…」

「やだ…高校生が小さい子をいじめてるわよ…」

さわ子「あぁもうっ!ちょっとここで待ってなさいよ!」

急ぎ足で遠ざかっていく足音、少しするとまた急ぎ足で近づいてくる

さわ子「ほら、とりあえずコレ飲んで泣き止んでよ」

紬「え…これなに?」

58: 2010/03/09(火) 19:11:18.10 ID:eTACklRNO
さわ子「缶ジュースよ、そんなのも知らないの?」

わたしが渡された缶を不思議そうに見ているとおねえさんは私の手から缶を取り上げる

さわ子「もう缶ジュースの開けかたも分からないの?こうするの」

気持ちの良い音をたてて缶が口を開ける

さわ子「はい!こうやって飲むの」

紬「へー…」

さわ子「黙ってどうしたの?ジュース嫌なの?なら私の紅茶とかえてあげるけど?」

紬「え、えっと…ジュースでいいです」

59: 2010/03/09(火) 19:13:10.62 ID:eTACklRNO
私の渇いた喉をジュースが潤してくれる

紬「美味しい…」

さわ子「やっと笑ってくれたわね…」

紬「あ…泣いたりしてごめんなさい」

さわ子「泣き止んでくれたらいいのよ、私が大声出したのが悪いんだし」

紬「おねえさんは高校生ですか?」

さわ子「うん、桜高よ」

紬「高校って楽しいですか?」

60: 2010/03/09(火) 19:15:10.65 ID:eTACklRNO
さわ子「楽しいわよ。今みたいにドタキャンとかムカつくこともあるけどね…」

さわ子「なかなか出会えないおもしろい仲間と一緒に楽しいことして同じ時間を過ごす」

さわ子「どんなにたくさんのお金を積んでもかえられない大切な時間よ」

さわ子「あなたも大事な友達と時間を大切に過ごしなさいよ」

紬「…はい!」

さわ子「さっ!そろそろ帰ろっか!あなたの家はどこ?送っていくわよ」

その時こちらに一台黒い車が近づいてきた

斉藤「お嬢様!」

61: 2010/03/09(火) 19:17:10.15 ID:eTACklRNO
紬「あっ、斉藤」

斉藤「捜しましたよ、お嬢様!皆さん心配してたんですよ!」

紬「勝手にいなくなってごめんなさい…」

斉藤「まぁ、無事でよかったです」

紬「そうだ斉藤、わたしこの方にとてもお世話になったの!よかったら家に招待したいのだけど」

斉藤「お嬢様の恩人なら喜んで招待しますよ」

さわ子「わたし?いやいや、いいっていいってたいした事してないし」

62: 2010/03/09(火) 19:18:20.55 ID:eTACklRNO
紬「いい話を聞かせてもらってジュースまでもらったのに何もお礼しないなんて悪いです」

さわ子「いいわよ、友達なんだから礼なんていいのよ」

紬「友達?」

さわ子「そう!私達は大切な友達同士だから、これくらい当たり前なの」

紬「でも…」

さわ子「どうしても礼がしたいって言うならあなたが大きくなった時に美味しい紅茶をご馳走してちょうだい」

紬「……はいっ!」

さわ子「そんじゃまたねー!」

63: 2010/03/09(火) 19:19:40.42 ID:eTACklRNO
その後、帰宅した私はたくさん怒られた

きっきり怒られた後はお父様とお母様に今日あった出来事を話した

いろんな人に出会った

公園の砂場でお城を作ったこと

商店街で福引きをして一等を当てたこと

すごく美味しいアイスクリーム屋さんの話

可愛い黒猫の事や缶ジュースの事

そして、やっと見つけることができた七夕でのお願いのこと

64: 2010/03/09(火) 19:20:48.10 ID:eTACklRNO
――――――――――

次の日の学校

先生「紬ちゃんはどんな願い事を書いたのかな?」

紬「はい、わたしの短冊に書いた願いごとは…」

『桜が丘高校に入学してなかなか出会えない楽しい仲間と一緒に大切な時間を過ごしたい。琴吹紬』




・・

・・・


紬(あの時の願いごとは今しっかりと叶いました)

65: 2010/03/09(火) 19:21:41.95 ID:eTACklRNO
唯「願い事決まったー!」

梓「私も決まりました」

唯「あずにゃん何にしたの?」

梓「猫が飼いたいです」

律「うわ…普通…」

梓「いいじゃないですか」

澪「唯は何にしたんだ?」

唯「サンタさんに会いたいだよ」

律「いや、クリスマスに願えよ」

67: 2010/03/09(火) 19:23:36.20 ID:eTACklRNO
紬「うふふ…唯ちゃんおもしろい」

唯「えへへ、でしょ~」

ガチャ…
ドアが開き先生が音楽室に入ってきて席についた

さわ子「あ~疲れた~…ダラけられるここは学校唯一の癒しの空間ね~」

紬「はい先生、紅茶です」

さわ子「あら、気がきくわね。ありがとう」

紬「お味はいかがですか?」

さわ子「うん、最高に美味しいわ」


終わり

69: 2010/03/09(火) 19:25:22.52 ID:eTACklRNO
終了です
思いついたのをパッパッと書いたため急ぎ足な内容で
小さい時の話なため口調がめちゃくちゃだったかもしれん

最後まで読んだ人ありがとう

70: 2010/03/09(火) 19:28:45.25 ID:NcgR93RwO
乙!

75: 2010/03/09(火) 19:37:53.56 ID:ta7MM1Qf0
乙、いい雰囲気の話だった

引用元: 紬「わたしの願いごと…」