1: 2009/09/14(月) 01:51:40.56 ID:Y4Bb5LIEO


夏の夕焼けに蜩(ひぐらし)の音が優しい、ここは軽音部―放課後ティータイムの部室。

律「あー今日も軽音部は平和だな~。」ズズズ


唯「むぎちゃんのお菓子もいつもどうりおっいしいよ~。」ボリボリ

律「よきかなよきかな…。」


梓「そんなこと言ってる場合じゃないです!二人ともそろそろ練習を始めなきゃだめですよ!」

澪「梓の言うとおりだぞ。最近は食べてばっかで練習がすすまないじゃないか。」

唯「えー…まだ紅茶二杯しか飲んでないよ。もうちょっとだけ…」


律「そーそー練習前の水分補給水分補給…」ズズー

唯「糖分も~補給補給…」パリッ

梓「昨日もそう言ってろくに練習しないで終わったじゃないですか!もうお茶の時間は終わりです!」

むぎ「まぁまぁまぁ、ねぇ、みんな念能力って知ってる?」


2: 2009/09/14(月) 01:54:53.33 ID:Y4Bb5LIEO
唯「ねんのうりょく?何それ、むぎちゃん。」

律「弟の読んでるマンガであったような…超能力みたいなもんだろ?」


むぎ「大ざっぱに言えばその通り。念は四大行から…うんたらかんたら…燃えるほうの…かんたらうんたら…発は能力者の性質で…かんたらかんたら……というものよ。」


唯「わ~魔法みたいだね~!!」


澪「でもそれは漫画だろ?何でそんなおとぎ話を?」

むぎ「おとぎ話じゃないわ。みんなも実際に使えるのよ。」

澪「えっ?どういうことだ?むぎ?」


むぎ「みんながいつも食べてるお菓子。あれには念を開花させる力があるの。だからみんなは、もう念を使いこなせるはずよ。」

唯「どうりでおいしすぎると思ったよ~むぎちゃんたら!。」

むぎ「うふふ。」

梓「(つっこむとこソコじゃない気が…)。」

3: 2009/09/14(月) 02:03:56.90 ID:Y4Bb5LIEO
むぎ「まずは水見式でみんなの系統をしらべてみましょう。」

そう言うとむぎは自分の飲んでいた紅茶の中に薄いクッキーをいちまい、半分に割って浮かべた。

むぎ「まずは唯ちゃんから。」


唯「なんだかドキドキするね!。」

スッ


6: 2009/09/14(月) 02:06:01.79 ID:Y4Bb5LIEO
………ゴボ…ゴボボ……ドドドドド…

唯「うわっ!紅茶が溢れだしたよ!」

むぎ「唯ちゃんは強化系ね。それも中々の素質!」

律「唯は単純だからな~。」

唯「むーうるしゃいなぁ…」

律「じゃあ~次、あたしやっていい?」

むぎ「うん。どうぞ。」

スッ

14: 2009/09/14(月) 02:16:13.66 ID:Y4Bb5LIEO

律「あれ、紅茶の色が変わってきたゾ。これは何?」

むぎ「りっちゃんは放出系みたい。」

律「うぅ…何かマイナーでやだな…。」
―――

律「と、なるほど。梓は操作系で、澪は神経質な具現化系か~。」

澪「繊細と呼べ!」ゴチッ、

律「あだッ!」

唯「むぎちゃんて何系なの?」

むぎ「わたし?ふふ、驚かないでね?」
スッ



17: 2009/09/14(月) 02:18:24.88 ID:Y4Bb5LIEO
………ボロッ、

梓「クッキーが粉々に!何なんですコレ!?」

むぎ「私は特質系なの。」

律「うへ~さすが むぎだな~。」


むぎ「それじゃあ、みんな自分の系統はわかったわね。後はその系統と自分の嗜好に合った「発」―必殺技をかんがえなきゃ!。コレと決めたらすぐに出来るようになるけど、再度別のものに変えることは難しいから気をつけて。」


18: 2009/09/14(月) 02:19:28.50 ID:Y4Bb5LIEO
澪「なんだか練習どころじゃなくなってきたな…。」

梓「軽音部なのに…。」

唯「うむむむむ…私はどんな能力にしよう…。」

むぎ「唯ちゃん。強化系は…鍛えれば鍛えるほど、それ自体が技と呼べるものになるのよ。」

律「よっしゃっ!あたし決めた!。」

澪「え!?もう?」

むぎ「だいじょうぶなの?そんなに早く決めて?」

律「こういうのは勢いだよ勢い!うりゃっ!」


19: 2009/09/14(月) 02:22:00.85 ID:Y4Bb5LIEO
気合いの入ったかけ声とともに、律は右手を銃の形に似せて、近くにあった空のクッキー缶にねらいを定め、引き金を引くマネをした。


ボッッ!…ゴガンッッッ!!

むぎ「指先からすごい勢いでオーラの塊がっ!これがりっちゃんの…。」

律「そう!名付けて…R(りっちゃん)ガン!!。」

梓「R…ガン?それって幽々白書のレイガ…(ドガッッ)いだッ!!……いった~~~。」

律「RガンのRはりっちゃんのR…。それ以上言うねぃ…あずにゃん…。」

梓「うぅ…いたい…です。」



21: 2009/09/14(月) 02:25:28.42 ID:Y4Bb5LIEO
澪「あっコラ律!そんなもの梓に当てるなよ!ケガしたらどうするんだ!」

律「えへへっごめんごめん!」

むぎ「あらあら大変!梓ちゃん。すぐにこの紅茶を飲んで。」

梓「え?…は、ハイ…。」
ゴクゴク

梓「………ふあ?。」
澪「どうした?梓?」

梓「…み、みみ、澪せんぱい!!大好きです!あ~もも、もうガマンできないです!」

澪「ちょっ!なんだ!?コラッ!梓!離れろ!!」

唯「どどどどうしちゃったのーあずにゃん?」



22: 2009/09/14(月) 02:26:20.49 ID:Y4Bb5LIEO
むぎ「さっそく…効いてきたわね…あれが私の念能力……「猛姫吐恋獲(もうひとこえ)」!!。ああやって私のオーラを飲んだ人はたちまち誰でも百合っ子に!!ハァ…最高…ビューテイフォー…ウェルダーン…」

唯「むぎちゃん!鼻血!鼻血!テイッシュテイッシュ!」

23: 2009/09/14(月) 02:28:20.68 ID:Y4Bb5LIEO
律「わ~たしにまかせろ!りっちゃんガン!」

唯「おぉ!いけいけりっちゃん!あずにゃんを助けろ~!」

律「うおぉぉぉ…くぅらいやがれぇぇぇッッ!」

ズッッッギーュン!

梓「ぐぎゃあッ!あばばばばばっっ…あべしっ!」


唯「うっひょー!!やったね!りっちゃん!」

律「へへ…またぁ、つまらんものを…うっちまったゼ…。」

澪「うっうっうぅ…まだお嫁に行ける…まだお嫁に行ける…まだお嫁に…。」


24: 2009/09/14(月) 02:30:36.14 ID:Y4Bb5LIEO

むぎ「あら?…まあ大変!もうこんな時間!早く帰らないと門が閉まっちゃうわ!」

唯「ほんとだ!みんな早く早く!」

律「ほらーカギ閉めちゃうゾ~。」

梓「(うぅ…こ、この恨み…絶対に返してやるもん!)」

澪「お嫁に行ける、行けない…お嫁に行ける、行けない…お嫁に…。」


25: 2009/09/14(月) 02:36:32.80 ID:Y4Bb5LIEO
―次の日の放課後


律「おーッス。」

唯「あ、りっちゃんだ。おーッス!」

むぎ「りっちゃんの分のお茶とお菓子、用意してあるわよ~」

澪「遅いぞ~りつ。また律が最後だぞ……ってアレ?梓は?…珍しいな。梓がいないなんて。」

律「あ、あ~…昨日の今日だしな~…。」

むぎ「あずさちゃんかわいかったわ~…。」

唯「澪ちゃんはもう平気なの?」

澪「ん?あぁ…なんてことないさ。梓も本意じゃないんだしな。はははは!」

唯「(紅茶持つ手が震えてる…。)」



26: 2009/09/14(月) 02:38:55.09 ID:Y4Bb5LIEO
律「じゃ~梓が来るまでひと休みと…。」


?「そーはいかないです!!」


律「だ、誰だ!?…梓?梓なのか?どこにいるんだ!?」


?「お察しの通り…確かに私は梓です…。…でも!昨日までの梓とは、違います!!」


ガチャッ、バーン!!


律「な!?ロッカー…の…中…だと!?」


澪「ずっとあの中にいたのか…ギターかかえて…。」


唯「あずにゃんスゴイ汗だよ!」


27: 2009/09/14(月) 02:40:11.22 ID:Y4Bb5LIEO
梓「今日こそは…ちゃんと練習してもらいます!お菓子は練習の後です!」


律「へっへっ…言うようになったな~あずにゃん…。」

澪「ものすごく正論だけどな。」


律「だがッッ!こいつを喰らっても、まだ言ってられるかなッッ?」

ドッ

ズッギューーン

梓「ふふ…!」

バッッッシーン!!


唯「…あぁっ!りっちゃん…ガンが…!」


律「……きか…ない!??」



28: 2009/09/14(月) 02:41:15.23 ID:Y4Bb5LIEO
梓「昨日のうらみを糧に……念はマスターしました!!そして、これが、私の念能力!!「Sons Of Sparta(じゃじゃ馬下克上)!!」」

唯「……ッ!わわわ体が勝手に!!」



律「なんだ!?クソッ…止まれッ!止まれッ!」




29: 2009/09/14(月) 02:42:17.14 ID:Y4Bb5LIEO
やっぱ萌えかー

32: 2009/09/14(月) 02:52:04.27 ID:Y4Bb5LIEO

梓「ふふふ…サンズ オブ スパルタン…わたしのギターの音色を聞いた者は、その日の放課後はみっちり練習しなきゃ気がすまなくなっちゃうんです!!さぁさぁ練習です!」


唯「そ、そんな~~ぎー太も好きだけど…お菓子はもっと大好きだよおぉぉ…。」

澪「よーし、じゃあ始めるかー。じゃ~まずはこの前の唯のパートから…。」



唯「あれ…?澪ちゃんは抵抗しないの…?」

律「コラーみおー!うらぎりものー!」


33: 2009/09/14(月) 02:53:08.27 ID:Y4Bb5LIEO
澪「なに言ってるんだ律!確かに梓のやり方は強引だが…たまには良い機会だゾ!文化祭も近いしな。…つまり……つまりだ……わたしは…」

ゴゴゴゴゴゴゴ

律「み…澪?」


澪「わたしは、梓の側につく…。わたしの念は…この瞬間!このために…使う!」


ズズズズズズズ



むぎ「あぁ!澪ちゃんの後ろに巨大な念物体が!あんなに大きな念を練っていたなんて…!」


律「でけぇ……。」

34: 2009/09/14(月) 02:56:21.68 ID:Y4Bb5LIEO
>>31
さんきゅです。


ゴゴゴゴゴ…ドーーン!


澪「ふぅ…これが私の具現化した念。 『Don't say you are Navy(わたしの恋はホッチキス式43口径47+mm単砲身砲)』…この艦載固定式単砲身砲が…あずさの音を援護する!」

律「な…なんじゃこりゃあぁぁ…」

唯「もー!澪ちゃんの軍オタ!!」

澪「ううるさいッ!たまたまwikiで調べてたら良い感じのを見つけただけだ!…さーて、練習で間違えた人には、コイツのキツーイ1発をおみまいするゾ~!」



35: 2009/09/14(月) 02:57:14.25 ID:Y4Bb5LIEO
唯「うひぁぁー…りっちゃんガンよりずっと痛そう…。」


律「(くそ…梓の演奏を止めさせれば……ッ!待てよ!澪が念を使えたなら…あたしたちも!!)」

律「むぎ!あんたの念能力は、液体にむぎの念をとけ込ませれば効果を発動できるのか?」


むぎ「えぇ…そのとお…ッ!!まさか…りっちゃん!確かに私も、弱くていいなら念を飛ばせるけど!?」

律「察しが良いなぁむぎは…よし行くぞ!」

澪「何を…する気だ?」


梓「わたしにR―ガンは効きませんよ !!」


36: 2009/09/14(月) 03:00:06.65 ID:Y4Bb5LIEO
唯「(私も必殺技考えとけばよかった…)」


むぎ「はい!りっちゃん!」

ポワッ

律「よっしゃあぁ!当たれえぇぇぇぇ!!りっちゃんガンんんん!」

ドッ!

ズズ……ズギューーン!!


梓「(むぎ先輩の放ったオーラを混ぜて発射!?)ハッ!あまいですッ!そのくらいの強化では私の念は貫けません!!」


律「そっちじゃねぇよ…」

梓「えっ!?」


37: 2009/09/14(月) 03:01:34.03 ID:Y4Bb5LIEO
ズッッギューーンッ―…バチャーーン!
澪「紅茶の中が…狙い…!?」


律「よっしゃあ!唯!!いまだ!あの紅茶に唯の念を込めろおおぉぉぉ!!」

唯「へ?……なんだかよく分からないけど…分かったよ!りっちゃん!うりゃあー!」

ズズズズ…ドッッッバアァァァ!!!

律「強化系は…強化系を鍛えれば…それが、そのまま、『技』となる!!」

澪「な…!!ま、まるで…!」

梓「噴水!!!そして……これは…雨!!???」

ザザーーー……



38: 2009/09/14(月) 03:03:21.96 ID:Y4Bb5LIEO
律「むぎの念能力―猛姫吐恋獲(もうひとこえ)―は私のR-ガンの力を借りて紅茶の中に入った…そこに唯の強化系の念能力で紅茶を溢れさせれば…澪と梓は紅茶をモロに浴びちまうってぇ寸法さ……。」

唯「あ!体が動くよ!」

律「当然だ。アレを見な。」

唯「アレ?……!ありゃりゃ~~…。」


澪「あ、梓…昨日は…その、ゴメンな…。突き放したりして、…私も…梓の気持ち…こ、答えたい!」

梓「先輩…わたし…うれしいです…スゴク…スゴクうれしいです!!」

澪「先輩じゃダメだ!……み、澪って呼んで…くれないか?」

梓「!!…み、澪!…好き!ダイ好き!」


むぎ「オォォオォォゥ………プリティ…プリティグッド!!…アンメィズィング!!…ディ…ディープリィムーーヴド……」

唯「むぎちゃん!鼻血!鼻血!ティッシュテイッシュ!」


律「むぎの猛姫吐恋獲で、しばらく二人とも相思相愛ってか……さて、放課後ティータイムといこうか……。」

こうして、軽音部に平和なティータイム(と百合)が訪れた。 fin

39: 2009/09/14(月) 03:04:35.03 ID:tR1L+Cou0

40: 2009/09/14(月) 03:05:06.36 ID:Y4Bb5LIEO

正直途中で止めようと思うできでしたが、最後までありがとうございました。お粗末でした。


45: 2009/09/14(月) 03:24:13.12 ID:Y4Bb5LIEO
>>41
ギブギブ


>>42
真っ直ぐな批評、大好物です。感謝。

引用元: 唯「ねんのうりょく?」