1: 2013/02/23(土) 20:15:02.98 ID:RyI994390
【2月23日】

P「ない!どこにやったんだ!」ガサガサ

千早「あの、プロデューサー?これ、落ちていました」

P「おお!俺の免許証!いやぁなくしたらどうしようかと思った」

P「危なく無免許運転になるとこだった、ありがとな千早!」

千早「あ、いえ・・・」

千早「それで見てしまったのですが・・・」

P「ん?」

千早「プロデューサー今日が誕生日だったんですね」

P「あー・・・」

3: 2013/02/23(土) 20:18:31.09 ID:RyI994390
千早「音無さんも社長も教えてくれないって春香たちボヤいてましたよ」

千早「こんな時間じゃあ準備もできないじゃないですか・・・」

P「んー、まあ祝ってもらうって年齢でもないしな」

P「年下のアイドルたちに気を使わせるってのもなーって」

千早「教えなくても、プロデューサーに何かあげるとしたらって話してるの聞きますよ」

千早「その・・・私だって普段お世話になっているし・・・」

P「んーそれになあ・・・」

P「あまり祝われ慣れていないっていうの?」

P「メインで祝われるのちょっと苦手なんだよ」

千早「あ・・・それわかります」

5: 2013/02/23(土) 20:22:37.55 ID:RyI994390
千早「祝われるより祝うほうが気が楽です」

千早「プレゼントをもらっても私はちゃんと喜べるだろうかって不安になってしまうし」

千早「誕生日を祝われるという経験も少ないですし・・・」

P(ん?これは年頃の女の子としてはマズイんじゃないか?)

P(アイドルとしてこういう意識を持っていたら周りにも伝わるだろうし)

P(歌も表現性の幅を減らすことになるんじゃ・・・)

P(というか、そもそも導く側の人間である俺がこれじゃあ・・・)

6: 2013/02/23(土) 20:27:36.72 ID:RyI994390
P「よし!千早、明日確かオフだったよな?」

千早「えっ!?は、はい、そうですけど・・・」

P「明日一緒にショッピングモールに行こう!」

千早「えぇ!?」

P「千早には俺の誕生日プレゼントを買ってもらう」

P「さらに一日早いが俺が千早の誕生日プレゼントを買う」

P「まあ言うなればプレゼント交換だ」

千早「えっ、私の誕生日も・・・?」

P「俺のプレゼントでちゃんと喜べるか事前練習みたいなもんだ」

P「お互い祝われることに慣れなくちゃな、俺も勉強だ、いいな?」

千早「は、はい・・・わかりました・・・」

7: 2013/02/23(土) 20:32:32.54 ID:RyI994390
千早(何だか勢いにおされて承諾してしまったわ・・・)

千早(プロデューサーへのプレゼント何がいいのかしら)

千早(こんなことなら春香たちの会話にもっと参加するべきだったわ)

千早(・・・というか、明日プロデューサーと2人で買い物・・・)

千早(2人・・・2人っきり!?)

千早(ど、どうしよう何だか急に緊張してきたわ)ソワソワ

9: 2013/02/23(土) 20:37:31.11 ID:RyI994390
【2月24日】

P「おっ、おーい千早ー」

千早「プロデューサー、今日はよろしくお願いします」

P「はは、そんな堅苦しくしないでさ」

P「今日はいつもと服装が違うな、事務所のときと雰囲気が違って驚いたよ」

千早「春香に買ってもらった服なんですが・・・やっぱり変でしょうか?」テレッ

P「いいや、すごく可愛いよ、似合ってる」

千早「ほ、本当ですか!」パァァ

P「よしじゃあ店を回るか」

千早「は、はいっ」

10: 2013/02/23(土) 20:42:40.82 ID:RyI994390
【服屋】

P「女の子といえば服と思ったが・・・」

千早「私あまり普段着には興味が・・・」

P「ほぉー、それにしては今日はスカートなんか履いて可愛い服だけど」

千早「か、からかわないでくださいっ!」カァァ

P「ハハッ、いやでもその服、春香に買ってもらったって言ってたよな?」

千早「はい、よく春香や美希にマネキンのように扱われて・・・」

P「うーん、やっぱり普段着は年頃の女の子のセンスには勝てないな」

千早「わ、私はプロデューサーの選んでくれたものならっ」

P「いや、もう少し見て回ろう、他にもいろんな店があるしな」

千早「はい・・・」

12: 2013/02/23(土) 20:48:01.63 ID:RyI994390
【靴屋】

千早「プロデューサー、靴のサイズはいくつですか?」

P「27だが・・・、千早、靴を買おうとしているのか?」

千早「はい、普段私たちのために仕事で歩き回ってくれているので革靴をと思って」

P「うーん、悪いが別のものにしてくれないか?」

千早「ダメだったでしょうか?」

P「いやぁ、ダメというわけではないんだが・・・」

P「ほら、革靴ってすり減っていく消耗品だろ?」

P「せっかく千早からもらったものを捨てたくないだろ?」

千早「そ、そうなんですか?」カァァ

P「そういうもんなの!さ、もう少し回ろう」

千早「は、はい」

13: 2013/02/23(土) 20:53:26.70 ID:RyI994390
【健康用品店】

P「千早はひとり暮らしだからな、何かいいものはないかな」

千早「一応健康には気をつけているつもりですが・・・」

P「まぁまぁ、いろいろあるみたいだぞ、千早も見てみたらどうだ?」

千早「は、はぁ・・・」

千早「あら?これは・・・」

『背中や脇のお肉をキャッチ!バストアップブラ!』

千早「くっ」

『バストの成長に“○○○”配合クリーム!』

千早「くっ!」

『電流で筋肉を刺激、簡単バストアップ!』

千早「プ、プロデューサー・・・ここはダメです・・・」

P「え?けど、まだ全部見終えてないし・・・」

千早「いいから!」ガシッ

P「ちょ、ちょっとぉぉぉぉ」

15: 2013/02/23(土) 20:58:45.65 ID:RyI994390
【文房具店】

千早「一、十、百、千、万・・・やはりいいものとなると・・・」

P「何を見てるんだ千早?」

千早「あ、万年筆をと思って、これなら長く使えますし」

千早「でも、やはりいいものとなると高くて・・・」

P「おいおい千早、そんな高価なものは受け取れないよ」

千早「けれど、プロデューサーの役に立って使えるものとなると値段や機能がちゃんとしたものを・・・」

P「あのな千早、プレゼントで大事なのは役立つとか値段とかじゃないんだ」

P「自分がどんな思いをこめるか、プレゼントする人をどう思っているか」

P「そういったことが伝われば、どんなものでも嬉しいもんだよ」

千早「プレゼントする人をどう思っているか・・・」

17: 2013/02/23(土) 21:03:56.28 ID:RyI994390
P「まぁ受け売りの言葉で俺もちゃんとできてないんだけどなハハハッ」

P「・・・って千早?」

千早「どんな思いをこめるか・・・」ブツブツ

P「おーい千早ー?」

千早「プロデューサー、少し一人で考えさせてください」

P「お、おう」

千早「ちゃんと自分の思いを整理したいので」

P「じ、じゃぁ、一時間後に待ち合わせで」

千早「はい、それでは」スタスタスタ

P「・・・大丈夫かなぁ?」

21: 2013/02/23(土) 21:09:26.44 ID:RyI994390
千早(私はプロデューサーのことをどう思っているのかしら・・・)

千早(人として・・・仕事のパートナーとして・・・だんせ・・・)ハッ

千早(男性とかっ!そんなふうにはっ!)カァァ

千早(ハッ)

千早「コホンッ」

千早(とにかくプロデューサーのことは頼りにしてるわ)

千早(私もプロデューサーの仕事に答える分努力しなきゃ・・・って)

千早「あら?これは・・・」

22: 2013/02/23(土) 21:14:42.40 ID:RyI994390
P(千早に余計なことを言ってしまったかもしれないな)

P(変に考えこんでなければいいけど・・・)

P(それにしては、何が『その人をどう思っているかが大事』だぁ!)

P(こっちだってプレゼント慣れしてないのに・・・)

P(自分のハードルをあげてどうするんだ、俺のバカッ!)

P(ごまかし聞かないぞ・・・何か・・・何かないか・・・って)

P「これは・・・」

23: 2013/02/23(土) 21:18:30.64 ID:RyI994390
千早「プロデューサー」

P「おぉ、千早。何か買ったのか?」

千早「はい、自分なりに思いを伝えられるものを選びました」

P「そ、そうか。俺も買ったしプレゼント交換といくか」

千早「はい、お願いします!」

24: 2013/02/23(土) 21:23:39.87 ID:RyI994390
P「じゃあ俺から渡そう、はい」コトン

千早「これは・・・大きさ的にアクセサリか何かでしょうか?」

P「うっ、まあ詮索しないで開けてくれ」

千早「す、すみません」

パカッ

千早「これはブローチ?」

P「ああ翼の形をしているだろ?」

P「トップアイドルまで羽ばたいていけるようにって願いを込めてみたんだ」

千早「トップアイドルまで・・・」

P「それに、それ位のワンポイントのオシャレなら千早も気にせず使えるだろ?」

P「それともう一つ、これは自分用にネクタイピン」

P「翼はひとつじゃ飛べないからな、おんなじデザインの奴だ」

P「これからも一緒に高く飛べるように・・・ってちょっとセリフ臭いか?」

千早「フフッ、いえとても嬉しいです。”一緒に”というのが、特に・・・」

26: 2013/02/23(土) 21:29:07.78 ID:RyI994390
千早「私の番ですね、受け取ってください」

P「これは・・・マグカップか?猫が描いてあるな」

千早「はい、そして私も自分用のがあるんです」

P「お、そっちも似たような猫が描いてあるな」

千早「この2つのカップ、こう合わせると・・・」

千早「ほら、寄り添って支えあっているように見えるんです」

P「本当だ、可愛いなぁ」

千早「私はまだ未熟です、これからもプロデューサーの力が必要なんです」

千早「もちろん私も努力します。プロデューサーの期待に答えられるように・・・」

千早「だから、この猫達ような感じで寄り添って支えあっていけるようにという思いをこめています」

P「そうか・・・ありがとう・・・」

千早「い、いかがだったでしょうか?私のプレゼントは・・・」

P「とても嬉しいよ、何よりも似たような思いでいてくれたことがさ」

P「大切に使わせてもらうよ」

千早「はい!」

28: 2013/02/23(土) 21:34:06.56 ID:RyI994390
P「でも、まあ何か、お揃いのものが2つもできちゃったな」

P「まるでカップルみたいだな!」

千早「わ、私はペアカップとかそういう考えで渡したんじゃ・・・」アタフタ

P「ハハッ、冗談だよ、冗談」

千早「か、からかわないでください!」カァァ

P「ま、なにはともあれ」

P「一日早いけど」

千早「はい、一日遅いですけど」

P・千早「誕生日おめでとう『千早!』『プロデューサー!』」

31: 2013/02/23(土) 21:38:14.55 ID:RyI994390
【2月25日】

雪歩「プロデューサー、お茶淹れますね」

P「あ、雪歩。これに入れてくれ」

雪歩「あ、猫ちゃんのカップですね、可愛いですぅ」

P「ちょっと似合わないかな?」

雪歩「そんなことないですよぉ、じゃあこれに淹れてきますね」

P(ハハッ、誕生日プレゼントってのも悪くないな・・・)

32: 2013/02/23(土) 21:43:13.40 ID:RyI994390
春香「ちはーやちゃん!おっはよ!」

千早「春香、おはよう」

春香「お誕生日おめでとー、じゃーん春香さんの自信作プレゼントー」

千早「ありがとう!これは・・・クッキー?」

春香「名付けて『千早ちゃんクッキー』!クッキーに千早ちゃんのイラストを載せてみましたー」

千早「すごいわ春香。私よりも可愛くできてるんじゃないかしら」

春香「そうかな~?千早ちゃんを元にしたからって本人には負けちゃうよ~」

千早「いいえ、それにこのクッキーから春香の思いを感じるわ・・・ありがとう春香」

春香「そう?そこまで言われると照れちゃうなー」

33: 2013/02/23(土) 21:48:17.96 ID:RyI994390
春香「あれ?千早ちゃんブローチしてたっけ?」

千早「これ?似合わないかしら?」

春香「ううん、ワンポイントで千早ちゃんのクールさをさらに引き立ててると思うよ!」グッ

千早「そ、そんな」テレッ

春香「誰かからのプレゼント?」

千早「ええ、これにも大切な思いが詰まっているわ・・・」

千早(人からプレゼントもらうのがこんなに嬉しいなんて)

千早(ありがとうございますプロデューサー・・・)

お し ま い

34: 2013/02/23(土) 21:49:44.17 ID:RyI994390
今日がリアル誕生日だったからフライングした、反省はしていない
私は少し固めのちーちゃんが好きです
当日は甘いのも期待しています

35: 2013/02/23(土) 21:55:29.18 ID:5/PSCr610

引用元: 千早「プロデューサーの誕生日?」