1: 2010/07/14(水) 23:25:21.70 ID:VWbJqTst0
梓「なんですか藪から棒に」

紬「最近占いにハマってるのよ」

梓「はぁ」

紬「ね?ちょっとだけだから」

梓「別に構いませんけど……」

2: 2010/07/14(水) 23:27:10.19 ID:VWbJqTst0
紬「ありがとう。大丈夫、痛くしないから。休憩するだけだから」

梓「ホテルに行くわけじゃないんですから」

紬「早速見てあげる!」

梓「お手柔らかにお願いすめし」

紬「じゃあ準備するわね!」コトッ

梓「……なんですかこれ?」

4: 2010/07/14(水) 23:27:57.74 ID:VWbJqTst0
紬「ビー玉だけど?」

梓「なんでまた」

紬「水晶玉が手に入らなかったの」

梓「しょぼっ」

紬「細かいことはいいのよ」

梓「結構大きなことだと思いますよ?」

5: 2010/07/14(水) 23:28:41.36 ID:VWbJqTst0
紬「お香焚くわね。それっぽいから」

梓「ムギ先輩って結構形から入るタイプなんですね」

紬「さてと。じゃあいきま~す」

6: 2010/07/14(水) 23:29:32.11 ID:VWbJqTst0
梓「……くさっ。なんかお婆ちゃんの匂いがします」

紬「毎日香よ♪」

梓「お線香じゃないですか」

紬「ちゃんとしたお香が手に入らなかったの」

梓「なんで毎日香を置こうと思ったんですか」

紬「だって、カッコイイじゃない毎日香」

梓「全面的に否定せざるを得ない」

紬「毎日香~それは~君が見た光~♪」

梓「それは青雲ですよ」

7: 2010/07/14(水) 23:30:14.44 ID:VWbJqTst0
紬「そうだったかしら。じゃあ消すわ」

梓「急に醒めたっ。なんですかその毎日香に対する執着」

紬「私、三遊亭楽太郎さんが大好きなの♪」

梓「今は円楽ですよ」

紬「あら、私としたことが」

8: 2010/07/14(水) 23:31:14.01 ID:VWbJqTst0
紬「おほん。では、そなたの前世を視てしんぜよう」

梓「よろしくお願いしますだー」ハハァー

紬「ちちんぷいぷいの~ぷいっ」

梓「その呪文を聞いたの今世紀に入って初です」

紬「むむむ……」

9: 2010/07/14(水) 23:32:02.17 ID:VWbJqTst0
梓「線香臭い部屋でビー玉を覗き込むムギ先輩……」

紬「ムギギギギギ……!」

梓「青雲じゃなくて青筋が浮いてますよ」

紬「……うん!整いました!」

梓「ほほう。そのこころは」

12: 2010/07/14(水) 23:33:28.45 ID:VWbJqTst0
紬「梓ちゃんの前世は!」

梓「うんうん」

紬「アメリカでジャズ奏者をやっていた!」

梓「うんうん!」

紬「黒人よ!」

梓「」

13: 2010/07/14(水) 23:34:13.65 ID:VWbJqTst0
紬「お後がよろしいようで」

梓「勝手に終わらないで下さい」

紬「どうしたの?」

梓「聞きたいことが山ほどあるんですけど」

紬「どんとこいです!」

梓「……そんな詳しくわかるもんなんですか?」

紬「ええ!ちなみにバツ一子持ちの男性で糖尿を患っていたわ!」

梓「細かすぎません!?」

紬「それほどでも♪」

梓「いや……凄いですけど、褒めてないですよ?……それに黒人て」

15: 2010/07/14(水) 23:34:57.30 ID:VWbJqTst0
紬「あら、梓ちゃん。差別はいけないわよ」

梓「差別してるわけじゃありません。私は人種差別と黒人が大嫌いなんです」

紬「これが本当のブラックジョークね♪」

梓「HAHAHA!」

17: 2010/07/14(水) 23:36:00.32 ID:VWbJqTst0
紬「ほら、早速黒人っぽさが出てるわ」

梓「いまのは悪乗りしただけですよマザファッカー」

紬「サノバビXチ!」

梓「シット!」

紬「ファック!」

紬梓「「HAHAHAHAHA!」」

19: 2010/07/14(水) 23:36:45.38 ID:VWbJqTst0
梓「と、まぁおふざけはここまでにして」

紬「えぇ?もっとやりましょうよ、黒人ごっこ!」

梓「いやもういいですから」

紬「YOメ~ン!」チェキチェキ

梓「やめて」

紬「ごめんなさい。つい楽しくって」

梓「わかればよろしいです」

21: 2010/07/14(水) 23:37:49.96 ID:VWbJqTst0
梓「改めて確認しますと」

紬「はいはい」

梓「私の前世は黒人なんですね?」

紬「ええ!」

梓「バツ一子持ちで糖尿の?」

紬「Exactly(その通りよ梓ちゃん)」

22: 2010/07/14(水) 23:38:31.28 ID:VWbJqTst0
梓「……どうもフに落ちないなぁ」

紬「でも梓ちゃんの前世を裏付ける証拠はあるわよ」

梓「にゃんですと」

紬「ええ。梓ちゃんは日焼けしやすいわよね?」

梓「はい…先輩達と一緒に遊んでても、何故か私だけ真っ黒になっちゃうんですよね」

紬「ほら、それよ」

23: 2010/07/14(水) 23:39:24.16 ID:VWbJqTst0
梓「……ちょ、ちょっと待って下さい」

紬「?」

梓「え?その…え?…私が日焼けしやすいのは、前世が黒人だったからなんですか?」

紬「そうねぇ……それ以外の理由はちょっと考えつかないわねぇ……」

梓「ちくしょう」

24: 2010/07/14(水) 23:40:45.86 ID:VWbJqTst0
紬「まあまあ。私は前世がなんだって、梓ちゃんが好きよ?」

梓「ムギ先輩……」

紬「それに昔から言うでしょ?『結構毛だらけ猫灰だらけ、梓のおしりは糞だらけ』って」

梓「...FaOk you」

紬「oh...miss spell」

紬「FuOk you」

梓「FuOk you」

紬「good!


その後、一緒に演奏をして、友人になった」

25: 2010/07/14(水) 23:42:39.68 ID:VWbJqTst0
梓「また話がずれた」

紬「梓ちゃん、お尻痒くならないの?」

梓「ちゃんと拭いてるんで、憐れみをもった目を向けてくださらなくて結構です」

紬「ごめんね?でも今のは梓ちゃんも悪いわよ」

梓「一ミリも悪くないです。前世と全く関係無かったし……あ、あと聞きたいんですけど」

紬「何?私の好きなタイプ?」

梓「No,thank you」

紬「名曲よね。ちなみに私は沢田研二がタイプよ」

26: 2010/07/14(水) 23:43:23.31 ID:VWbJqTst0
梓「意外ですね。ズーレーかと思ってたのに」

紬「ズーレーがナオンとギロッポンでスーシーをクーウー」

梓「後半業界用語じゃないですよ」

紬「私バイだから♪」

梓「いらない知識で脳細胞を無駄に使ってしまいました」

紬「明日使えるものばかりでしたね♪」

梓「……また話がレズた」

27: 2010/07/14(水) 23:44:10.32 ID:VWbJqTst0
紬「で、何が聞きたいの?」

梓「ええっと、私が音楽が好きなのは前世が原因なんですか?」

紬「ああ、それは逆よ逆」

梓「逆?」

紬「そうよ!前世がジャズ奏者だったから音楽が好きなんじゃないの」

紬「梓ちゃんが音楽好きだから前世をジャズ奏者にしたのよ!」

28: 2010/07/14(水) 23:45:25.99 ID:VWbJqTst0
梓「……ちょ、ちょっと…え?どういうことなの?」

紬「?」

梓「え…前世…え?」

紬「梓ちゃん落ち着いて!ゆっくりでいいわよ。まずは友達から始めましょ」

梓「いやそうじゃなくて……なんか色々逆ですよね?」

紬「なにが逆なのかしら?」

紬「ハッ!?まさか友達からじゃなくて逆にセッ○クスから始めようってこと!?」

梓「聞いてください。ねぇ、聞いてください」

30: 2010/07/14(水) 23:46:24.00 ID:VWbJqTst0
梓「明らかにおかしいですよ」

紬「そうかしら?まあいいじゃない」

梓「この問題は流せないですよ」

紬「じゃあどこがおかしいっていうの?」

梓「まず眉毛がおかしい」

紬「それを言っちゃあおしまいよ」

梓「ごめんなさい」

紬「いいわよ」

梓「あはは」

紬「うふふ」

31: 2010/07/14(水) 23:47:11.10 ID:VWbJqTst0
梓「もうズバリ言いますけど」

紬「なんでしょう」

梓「私の今のイメージからそれっぽい前世を言ってますよね?」

紬「そうよ!」バーン

梓「今までの会話はなんだったんだろうか」

紬「だってしょうがないじゃない!いくらビー玉覗いてもわからないいんだもん!」

梓「ビー玉は悪くないと思いますよ」

紬「梓ちゃんだって凄く興味もってくれてたじゃない?だから期待を裏切っちゃ不味いと思って……」

梓「そうでしたっけ」

紬「そうよ。さっきだって……」

33: 2010/07/14(水) 23:48:09.35 ID:VWbJqTst0
紬『前世を占ってあげるわ!』

梓『本当ですか!?私、ムギ先輩に前世を視てもらうのが夢だったんですぅ!』

紬『うふふふふ。可愛い後輩だこと』

梓『ごろにゃん♪ごろにゃん♪』

紬『あらあら、甘えん坊さんね♪』

34: 2010/07/14(水) 23:49:07.26 ID:VWbJqTst0
紬「ほら」

梓「私の持ってる記憶と違う」

紬「よくあることよ」

梓「バツ一子持ちで糖尿っていうのは?適当に言ったんですか?」

紬「ああ、それも梓ちゃんの見た目から判断したのよ」

梓「ムギ先輩の目には私はどんな風に映っているんだろうか」

紬「うふふ」

梓「あはは。誤魔化された」

35: 2010/07/14(水) 23:50:31.10 ID:VWbJqTst0
梓「このエセ前世占いをやったのは私が初めてですか?」

紬「いいえ。さっき試しにさわ子先生の前世を視てみたわ」

梓「物凄く嫌な予感がするんですけど……なんて言ったんですか?」

紬「確か……『12月27日に廃棄処分されたクリスマスケーキ』って言ったわ!」

梓「私、黒人でも悪くないかなって思います」

紬「なんでもないようなことが、幸せだったと思うことってあるわよね」

37: 2010/07/14(水) 23:51:22.00 ID:VWbJqTst0
梓「それにしても、みんな遅いですね」

紬「どうしたのかしら」

梓「あんまり来ないようでしたら、もう帰りましょうか」

紬「あ、どうせ帰るんだったら……」

梓「はい?」

紬「なんでもなーい」

梓「……ふむ」

38: 2010/07/14(水) 23:52:43.90 ID:VWbJqTst0
紬「で、次はタロットカード占いなんだけど」

梓「まだやるんですか」

紬「ええ!こっちは少し自信があるわ!」

梓「とか言って。また適当なんじゃなんですか」

紬「大丈夫!こっちはちゃんと練習してきたから!」

梓「なんでさっきクオリティの低いアレをしたんですか?毎日香のアレ」

紬「過ぎ去ったことはいいのよ♪」

梓「……じゃあちょっとお願いします」

39: 2010/07/14(水) 23:54:15.21 ID:VWbJqTst0
紬「じゃあ好きなの一枚引いて?」

梓「はい」

紬「なんのカードでしたか?」

梓「氏神です」

紬「じゃあここにマジックペンがあるから、カードに梓ちゃんの名前を書いて下さい」

梓「……これでいいですか」カキカキ

紬「そしたら、その札を好きな場所に戻して」

梓「はーい。真ん中らへんに入れますね」

40: 2010/07/14(水) 23:55:03.95 ID:VWbJqTst0
紬「ありがとう。あなたは確かにカードをここ、真ん中に入れましたよね?」

梓「そうですね」

紬「ところが、ここで指を鳴らすと~」

梓「ドキドキ」

紬「ワン、ツー、スリー!」

41: 2010/07/14(水) 23:55:50.55 ID:VWbJqTst0
紬「なんと!氏神のカードが一瞬のうちに一番上に上がってきたではありませんか!」

梓「えー!?うそー!?」

紬「嘘ではございません!このサインに見覚えはないですか?」

梓「……あっ!こ、これは!確かに私の書いたサインです!」

紬「お後がよろしいようで」

梓「やんややんや~」

42: 2010/07/14(水) 23:56:32.95 ID:VWbJqTst0
梓「これ手品じゃないですか」

紬「あら、ばれちゃった?」

梓「ここまで長いノリツッコミは初めてです」

紬「お後がよろしいようで」

梓「正しい用法のようで正しくない!」

43: 2010/07/14(水) 23:57:18.95 ID:VWbJqTst0
紬「次は、このハンカチを縦縞から横縞にしてみせるわね」

梓「もう占い関係ないですね」

紬「じゃあミカンを浮かせてみせるわ!ほら!」

梓「ムギ先輩」

紬「どう?不思議でしょ!?」どやっ

梓「ムギ先輩?」

紬「あ、ひょっとしてマギー一門は嫌いだった?じゃあ口からトランプを……」

梓「ムギ先輩っ」

紬「ひゃいっ」

44: 2010/07/14(水) 23:58:02.22 ID:VWbJqTst0
梓「……どっか遊びに行きましょうか」

紬「えっ!?」

梓「もう今日はみんな来ないでしょうし」

紬「い、いいの?」

梓「はい。5人で遊ぶことはあっても、ムギ先輩個人と遊んだことはなかったですよね」

梓「だから、ね?今日は遊びに行きましょ」

紬「うん……うん!」

46: 2010/07/14(水) 23:58:43.74 ID:VWbJqTst0
紬「じゃ、じゃあ早速いきましょ!」

梓「ちょっと待って下さい。部室の鍵閉めないと」

紬「トンちゃんに任せましょう!」

梓「無茶言わないで下さいよ」

紬「……うふふ」ニコニコ

梓「嬉しそうですね」

47: 2010/07/14(水) 23:59:34.13 ID:VWbJqTst0
紬「私、梓ちゃんと遊ぶのが夢だったの♪」

梓「そうなんですか。今日もっと早く言ってくれたらたくさん遊べたのに」

紬「なんだか誘うのが恥ずかしくて……」

梓「さっきまでシットやらファックやら言ってたのに、変な所で恥ずかしがりますね」

紬「こーら!そんな下品なこと言うんじゃありません!」

梓「ぎゃふん」

48: 2010/07/15(木) 00:02:43.12 ID:432U2dPF0
紬「それに私、梓ちゃんといっぱいおしゃべりするのも夢だったの♪」

梓「そうだったんですか」

紬「うん!今日は夢が二つも叶うみたいだわ♪」

梓「……なんか、ありがとうございます」

紬「いーえいえ、こちらこそ♪あ、ちなみに」

梓「はい?」

紬「今日梓ちゃんに占いを見せたのは、『後輩を占うと、その子と仲良くなれる』って占いで出たからよ!」

梓「占いってすごい」

50: 2010/07/15(木) 00:03:28.15 ID:432U2dPF0
梓「さ、鍵も閉めたし。遊びに行きましょう。どこ行きますか?」

紬「私、良い駄菓子屋知ってるの!ほとんどのものが100円以下で買えるのよ!」

梓「たいていそうですよ。じゃあそこ行きましょう」

紬「うん!あとゲーセンも!さあほら急いで!ちゃきちゃき歩く!」

梓「はいはい。引っ張らないでください」ズルズル

51: 2010/07/15(木) 00:04:56.51 ID:432U2dPF0
紬「あ、そういえば」

梓「どうしました?」

紬「さっきミカンを浮かせたのはね、後ろから指を」

梓「知ってますよ」

紬「あらそうなの」

梓「そうですよ」

52: 2010/07/15(木) 00:05:41.93 ID:432U2dPF0
紬「もう一度やってみるわね」

梓「気に行ったんですね」

紬「ええ。マギー大好きなの……あら?」

53: 2010/07/15(木) 00:06:42.23 ID:432U2dPF0
梓「どうしました?」

紬「ミカンがないわ……」

梓「……ミカンが」

紬「みっかんない……」



紬梓「「お後がよろしいようで」」




お わ り

54: 2010/07/15(木) 00:07:25.41 ID:432U2dPF0
終わりです
みんなも笑点を見よう

56: 2010/07/15(木) 00:09:38.82 ID:D1E1bqUx0

引用元: 紬「前世を占ってあげるわ」