1: 2013/02/28(木) 21:29:28.11 ID:GAUmIcA20
やよい「おはようございます」

P「おう、おはよう…」

P「どうした?元気無いな」

やよい「頭がくらくらがんがんします…」

P「頭痛いのか?薬は?」

やよい「飲んでません…」
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4: 2013/02/28(木) 21:31:42.77 ID:GAUmIcA20
P「大丈夫なのか?」

やよい「えっと…」

P「…」

P「いつもは何のんでる?」

やよい「半分が優しさで出来た薬なら飲んだことあります」

P「半分が優しさで出来た薬だな。それなら事務所の救急箱にもあるから、ちょっと待ってて」

小鳥「私取ってきましょうか?」

P「すみません音無さん。お願いします」

小鳥「いえいえ。大丈夫?やよいちゃん。顔色随分悪いみたいだけど」

やよい「はい…」

P「やよい、おいで」

6: 2013/02/28(木) 21:36:22.45 ID:GAUmIcA20
やよい「はい」

P「ふむ。熱は無いか」ピトッ

やよい「つっ…」

P「すまん、痛かったか?」

やよい「なんだか動くだけで痛くて…」

P「そうとう酷いな…」

P「もしかしてこの時期…インフルエンザとかじゃないよな…」

やよい「あ、いえ、その、そういうのじゃないです…」

P「ん?心当たりがあるのか?」

やよい「はい…」

やよい「実は昨日、夜更かししちゃって…」

P「夜更かし?」

8: 2013/02/28(木) 21:41:11.57 ID:GAUmIcA20
P「こんなに体調崩すまで…一体何時にねたんだ?」

やよい「覚えてません…気が付いたら机で寝てました…」

P「おいおい」

P(そうか…やよいも中学生、夜更かしをしてみたくなる年頃か)

P(その気持ちはよくわかるが、やよいの体のためにもここは心を鬼にして叱ってやらないといかんな)

P「体を壊したら元も子もないだろ。そんな夜更かしはしちゃいかんぞ」

P「いいな?」

やよい「はい、すみません…私の手際が悪いばっかりに迷惑かけちゃって…」

P「手際?夜何かやってたのか?」

やよい「えっと…今日長介たちが遠足に行くので、そのお弁当を皆の分作ってました」

11: 2013/02/28(木) 21:49:42.71 ID:GAUmIcA20
やよい「それから食器洗ったりアイロンかけたりしてたら、いつの間にかすごい遅くなっちゃって…」

P(遊んでて遅くなったとか思った1分前の俺を引っ叩いてやりたいわ…)

P「そ、そうだったのか…すまん…」

やよい「いえ、そんな…」

やよい「きっと私のやり方がよくなかったから、こんなことになっちゃったんです…」

P「いや、一人で家事も仕事も勉強もこなしてたら普通は寝る時間なんか無くなるぞ…?」

P「とりあえずソファに横になってな」

やよい「はい…」

小鳥「やよいちゃん、お薬、飲める?」

やよい「はい。ありがとうございます」

やよい「…あれ…なんか、ぐにゃって…」フラッ

P「おっと…大丈夫か?」

14: 2013/02/28(木) 21:54:58.47 ID:GAUmIcA20
やよい「プロデューサー…」

小鳥「ここのところ寝不足気味に見えたけど、最近ちゃんと眠れてた?」

やよい「一週間くらい、色々忙しくてあんまり眠れてないです…すみません…」

小鳥「そっか…昨日のが引き金になって一気にきたって感じね、きっと」

小鳥「飲めた?」

やよい「はい」

P「今日の仕事は…レギュラーのラジオだけか…」

P「とりあえず今日は誰かに変わってもらって、家帰ったほうがいいんじゃないか?」

律子「あんまり動かさない方がいいかもしれませんよ」

P「というと?」

律子「さっき動いただけで痛むって言ってたから、多分それ偏頭痛ですよ」

律子「薬が効くまでは安静にして、痛みが和らいでから移動するのが一番楽だと思うけど…」

15: 2013/02/28(木) 22:04:16.60 ID:GAUmIcA20
P「そうなのか…詳しいな、律子」

P「じゃあとりあえず仮眠室で暫く寝てるか?」

やよい「えっと…はい。出来れば…」

律子「じゃあ、ブランケット今持ってくるわ」

小鳥「あと何か欲しいものある?」

やよい「いえ、大丈夫です。ありがとうございます」

P「やよい、立てるか?」

律子「プロデューサー殿?」

P「ん?」

律子「たまには男らしいとこ見せてくださいよ」ニヤニヤ

18: 2013/02/28(木) 22:11:10.18 ID:GAUmIcA20
P「え?」

律子「やよいが立つのもつらそうにしてますよ」

P「あ、ああ、そういうことか…」

P「じゃあ、やよい、ちょっと失礼します」

やよい「わっ? ぷろでゅーさー?」

P「軽っ… やよい、ちゃんとご飯食べてるか?」

やよい「は、はい…」

P「天使並みに軽いぞ」

小鳥「天使をお姫様抱っこしたことあるんですか…?」

P「ん?いや、今まさにしてるが」

小鳥「さいですか…じゃあ仮眠室のベッド準備しといたんで、寝かせてあげてください」

P「分かった。」

21: 2013/02/28(木) 22:17:42.34 ID:GAUmIcA20
P「うし、行こうか」ガチャッ

律子「プロデューサーもなーんかやよいには甘いですよね」

小鳥「まぁ、担当アイドルにちょっと甘いのは皆そうですよ」

律子「ふぅん…」

律子「そいえば、最初担当してもらったとき…ちょっと甘やかしてくれたっけ…」

律子「ま、今は甘やかす側ですけどね」

小鳥「たまにプロデューサーさんに甘えてるじゃないですか。律子さん」

律子「あれは…ちょっと暇つぶししてるだけですよ…」

小鳥「はいはい」

律子「あっ なんですかその反応は…」

小鳥「あんまり煩くするとやよいちゃんが起きちゃいますよ?」

律子「はい…」

小鳥「ちゃっちゃと書類仕上げちゃいましょうか。」

律子「ええ。そうですね」

23: 2013/02/28(木) 22:22:42.06 ID:GAUmIcA20
ガチャッ バタン

P「ふぅ」

小鳥「お疲れ様です。どうです?やよいちゃんの様子は」

P「横になった途端に寝ちゃったよ」

P「よっぽど寝不足が酷かったんだな」

律子「プロデューサーもあんまり人のこと言えないんじゃないですか?」

P「ん?俺は元気だけど」

律子「昨日の睡眠時間は?」

P「3時に寝て6時に起きたから…3時間?」

律子「やっぱりちゃんと寝てないじゃないですか」

律子「この時期は感染力の強い病気が横行してますから、気をつけてくださいよ」

律子「プロデューサーに体壊されたら…大変ですから」

P「なんだ律子、心配してくれてるのか?」

25: 2013/02/28(木) 22:28:29.38 ID:GAUmIcA20
律子「なっ…」

P「案外可愛いとこあるよな、律子って」

小鳥「いじらしいですねぇ」

律子「私は…仕事に支障をきたさないようにって、思っただけですから」

P「そっか。それでもありがとな」

律子「いえ」

P「それじゃあ俺外回り行ってくるわ」

P「やよいのこと、よろしくな」

律子「はい」

小鳥「えっと、起きるまで寝かせておいていいんですか?」

P「うん。多分夜まで起きないと思うけど」

P「夜になったら少しは体調戻ってると思うから、帰り際に家に送ってくよ」

27: 2013/02/28(木) 22:35:28.43 ID:GAUmIcA20
小鳥「ええ」

P「あと、時折様子を見に行ってやってくれると…」

小鳥「ふふっ 分かりました」

P「うん。じゃあお願いします」

P「いってきます」ガチャッ

小鳥「行ってらっしゃい」

バタン

律子「よっぽど心配なんですね…客先でポカをやらかさないか心配ですよ」

29: 2013/02/28(木) 22:42:54.67 ID:GAUmIcA20

小鳥「あはは…」

律子「にしても、やよいは大丈夫なんですか…?」

28: 2013/02/28(木) 22:41:50.60 ID:GAUmIcA20
小鳥「うーん…見たところ睡眠不足からくる体調不良っぽいので、きっちり休めば多分…」

律子「そこですよ。心配なのは」

小鳥「ほぇ?」

律子「連日仕事、勉強、家事に追われて、寝る時間が削られてるって言ってたじゃない」

律子「多分これから仕事が増えるにつれ…学年があがるにつれ、やよいの負担は増えてくような気がして」

小鳥「そうですねぇ… もう少し長介君たちが大きくなったら、少しは楽になるのかもしれませんけど…」

律子「なるほど…それを考えると、今が一番きつい時期かもしれませんね」

ガチャッ

春香「おはようございまーす」

千早「おはようございます」

律子「ああ、二人ともおはよう。奥でやよいが今寝てるから、少しだけ声量落としてもらえる?」

春香「やよいが?」

千早「徹夜のロケでもやったのかしら?」

小鳥「それが…家事に追われて体調崩しちゃったみたいで…」

33: 2013/02/28(木) 22:50:24.56 ID:GAUmIcA20
春香「えっ…大丈夫なんですか?」

小鳥「薬飲んだから暫くすれば楽になると思う」

春香「そう…ですか」

千早「高槻さんも大変ね… あ、そうだ。律子、これ…」

律子「ん?」

千早「さっき道すがら買った栄養ドリンクです。高槻さんが起きたらあげてください」

春香「あ、じゃあ私も。このクッキー渡してください」

律子「ふふっ…ありがとう、二人とも」

千早「春香、いいの?今日のお昼それしか食べるもの無いって…」

春香「しーっ…」

春香「どうせクッキーだけじゃお腹膨らまないし、気にしない気にしない」

千早「しょうがないわね…私のちょっとあげるから、抜きは止めなさい」

35: 2013/02/28(木) 22:55:30.39 ID:GAUmIcA20
春香「えへへ…ありがとう、千早ちゃん」

千早「どうせ元々あげるつもりだったし、気にしなくていいわ」

春香「千早ちゃんの手作りかぁ…」

小鳥「もうすっかり仲良しさんね」

春香「へ?」

小鳥「なんでもないわ。ほら、お昼食べてらっしゃい」

春香「あ、はい」

千早「じゃあ、あっちの部屋借りますね」

律子「はいはい」

ガチャッ バタン

律子「やよいは愛されてますねぇ」

小鳥「やっぱりいいもんですね。皆仲がいいって」

37: 2013/02/28(木) 23:00:28.29 ID:GAUmIcA20
律子「ええ」

律子「特にやよいはなんていうか…マスコットキャラ的な可愛さがありますし」

小鳥「寧ろぬいぐるみじゃないですか?こう、もふって感じで」

律子「ぬいぐるみ、か…」

小鳥「?」

律子「いえ。随分と世話焼きで頑張りやなぬいぐるみもいたもんだな、と」

小鳥「そうですね…事務所の掃除とかもやってくれてますし…」

律子「その上家では大家族の面倒を見て、学校では勉強して…」

律子「あの小さい体で本当によくやってますよね」

小鳥「プロデューサーが入れ込むのもちょっと分かる気がします」

律子「入れ込む…って?」

小鳥「プロデューサーさんを見てると、明らかに仕事上の信頼関係を超えてやよいに入れ込んでるって思うんです」

40: 2013/02/28(木) 23:05:43.79 ID:GAUmIcA20
小鳥「それが良いか悪いかは置いといて、二人の信頼関係は他の子達のそれとはちょっと違うんですよね」

律子「へぇ…よく見てますね、小鳥さん」

小鳥「え?結構これ事務所内じゃ有名というか、知られてることですよ」

律子「そうなんですか…」

律子「まぁ、あのプロデューサーなら入れ込んでると言っても変な間違いは起さないだろうから、そう心配することでもないですよね」

小鳥「そっちの方面の心配は無いですけど、最近ちょっと気がかりなことが一つ二つありまして…」

律子「何ですか?」

小鳥「やよいちゃんって、長女じゃないですか」

律子「そうですね」

小鳥「前からよく『お兄ちゃんが居たらなぁ』って言ってたんですよ」

律子「ああ、私も聞いたことあります」

小鳥「やよいちゃんはもしかしたら、プロデューサーさんをお兄ちゃんのように感じて依存してるのかも、とか思っちゃったり…」

律子「まだ中学生ですよ、やよいは。誰かに甘えたいのは普通じゃないですか」

41: 2013/02/28(木) 23:11:22.82 ID:GAUmIcA20
小鳥「その相手がプロデューサーさんって言うのが… 今みたいにちょっと甘える程度ならいいんですけど…」

律子「両親は帰りが遅くてほとんど会えない。自分より年長の人は家族に居ない。加えて毎日毎日恐ろしく忙しい」

律子「プロデューサーに甘えたくなるのは仕方ないですよ」

小鳥「そうですよね…」

律子「それにですね」

律子「やよいも誰かに依存するほど弱くないし、それを甘んじて受け入れるほどプロデューサーも馬鹿じゃありません」

律子「思っているより、あの二人の関係は上手いこと出来てると思いますよ。つかず離れず、時々寄り添って」

小鳥「素敵な関係ですね…それ」

律子「そうですね」

小鳥「っていうか、なんだかんだで律子さんもよく見てるじゃないですか。二人のこと」

律子「別にそんな訳じゃないです。ただ、二人の顔色を見てるとそんな気がするだけで」

小鳥「羨ましかったりします?」

律子「…ちょっと」

小鳥「ふふっ…今日の律子さんはやけに素直ですね」

43: 2013/02/28(木) 23:18:55.20 ID:GAUmIcA20
律子「いつでも私は素直な自然体ですけど…?」

律子「まぁ、私がアイドルだったら羨ましがっただろうな、っていうほうが正しいですね」

小鳥「今は羨ましくないんですか?」

律子「羨ましいって言うより、尊敬しますね」

小鳥「なるほど…」

律子「そんなわけで、彼の仕事ぶりを見習ってさっさと書類片付けましょうか」

小鳥「そうですね。終わったらやよいちゃんの様子でものぞいてきましょう」

45: 2013/02/28(木) 23:25:57.74 ID:GAUmIcA20
~仮眠室~

やよい「……んぅ…」

やよい「ふぁぁあ…」

やよい「うぅん…あれ…私…」

やよい「ここに寝かせてもらったんだっけ…」

やよい「今何時だろ…」

やよい「3時50分…結構寝ちゃったな…」

やよい「あれ…何か紙が…書置きかな?」

『4時頃には戻るから、それまではゆっくり休んでいてくれ。 P』

『何か欲しいものがあったら遠慮なく呼んでね。 小鳥』

『テーブルの上に春香と千早からの差し入れを置いておくから、お腹が空いたら食べて。 律子』

やよい「差し入れ?」

50: 2013/02/28(木) 23:32:48.44 ID:GAUmIcA20
やよい「よいしょっ…と… なんだか体が重い…」

やよい「あっ クッキーと…お薬?」

やよい「それにこの紙…また書置きかな…?」

『調子はどう?何か手伝えることあったらいつでも言ってね。 春香』

『栄養ドリンクは案外効くから試してみて。 千早』

やよい「春香さん…千早さん…ありがとうございます…」

やよい「うぅ…でも今はちょっと止めとこうかな」

ガチャッ

やよい「うん?誰か帰ってきたのかな」

やよい「随分急いでます…」

カチャッ

やよい「あれ…プロデューサー?」

P「あ…起きてたのか」

やよい「はい。さっき起きました」

P「そうか。よく眠れたか?」

52: 2013/02/28(木) 23:38:02.21 ID:GAUmIcA20
やよい「はい。もうすっかり…」

P「まだ目真っ赤に充血してるぞ」

P「今日一杯は安静にな」

やよい「はい…」

P「それで、頭痛とかはどうだ?」

やよい「うぅん…さっきよりは随分楽になりました」

P「そっか…歩けそうか?」

やよい「はい。それくらいなら大丈夫です。」

P「よし。じゃあ荷物は…そのポシェットだけか?」

やよい「はい」

P「じゃあ駐車場まで行くか。気分悪くなったらすぐ言ってくれよ」

やよい「ん…迷惑かけちゃってごめんなさい、プロデューサー」

P「迷惑って程のことでもないし、気にしないでいいよ」

P「外寒いけど、大丈夫か?」

やよい「寒いのは慣れてますから」

54: 2013/02/28(木) 23:45:16.26 ID:GAUmIcA20
P「そっか」

やよい「はい」

やよい「…えっと、プロデューサー?」

P「それでも手先は冷えるだろ。それにさっきからフラフラしてて危なっかしいから。ほら、手出して」

やよい「はいっ」

P「もう少しゆっくりのほうがいいか?」

やよい「大丈夫です」

やよい「あ、でも…」

P「ん?」

やよい「いえ…なんでもないです」

やよい(折角手を繋いでるんだったら、もう少しゆっくり歩きたいかなーって)

やよい(でも、あんまり我が儘ばっかり言ってると罰があたっちゃうよね)

56: 2013/02/28(木) 23:53:58.08 ID:GAUmIcA20
~高槻家~

P「やっと付いた…やよい結局寝ちゃったな」

ピンポーン

『はーい』

ガチャッ

P「お、長介君。久しぶりだね」

長介「あれ?プロデューサーの兄ちゃん」

長介「姉ちゃん…どうしたの?」

P「ちょっと寝不足で体調崩しちゃったみたいでな」

P「すまないが、あがってもいいかな?」

長介「う、うん」

P「それじゃあ、おじゃまします」

長介「姉ちゃん…」

長介「困ったな…」

58: 2013/02/28(木) 23:58:48.37 ID:GAUmIcA20
P「長介君、夕ご飯はいつもやよいが作ってたの?」

長介「うん。俺もたまに手伝うけど…ちゃんと作るのはやったことないし…」

P「そうか…」

P「台所使ってもよければ、俺が作るけど」

長介「ほんとですか?」

P「ああ。これでも一人暮らしだから料理くらいはできるよ」

長介「ありがとうございます。是非お願いします」

P「おう」

長介「あの、俺達に何か出来ることないですか?」

P「そうだな」

P「寝室にやよいが寝る布団を敷いてくれるか?」

長介「分かりました」

バタバタ

P「…いい弟だな」

P「家族内でも慕われてるんだなぁ。やよいは」

60: 2013/03/01(金) 00:05:05.41 ID:RUDmxfX00
P「しかし、中学生の女の子がこれだけの大家族を世話しなきゃいけないってのも酷なもんだな…」

P「本人はそうは感じてないみたいだけど」

長介「ひけました!」

P「ありがと」

長介「…起き上がれないくらい酷いんですか?」

P「いや、そこまでじゃないけど、今日一杯は大事をとって休ませたほうがよさそう」

P「だからまぁ、今夜は出来るだけ静かにして、やよいを起さないようにしてやってくれ」

長介「はい」

P「よいしょっ」

P「やよい、家だぞ」

やよい「ふぁい…」

P「眠いか?」

やよい「ちょっとだけ…」

P「そっか。じゃあもうしばらく寝てな」

やよい「はい…」

61: 2013/03/01(金) 00:10:08.78 ID:RUDmxfX00
P「…よし」

P「それじゃあご飯作るか」

長介「えっと、手伝いましょうか?」

P「いや…それより別にお願いしたいことがあるんだけど、いいかな」

長介「はい」

P「洗濯とかもやよいが夜まとめてやってたんだよね」

長介「そう…ですね」

P「んじゃあ、その洗濯を頼む」

長介「えっ?洗濯?」

P「うん。やり方は、まず服とか洗いたいものを洗濯機の中に入れて、洗剤を箱に書いてある量だけ入れる」

長介「箱に書いてある量…?」

P「分からなかったら聞きに来てくれればいいよ。」

P「それから、柔軟剤…はこのさいいいか」

P「それだけやったら蓋を閉めて、ボタンをおす」

長介「なんか一杯ボタンあるけど、どれを押せば…?」

62: 2013/03/01(金) 00:15:33.58 ID:RUDmxfX00
P「ええっと…ちょっとそんときになったら呼んで」

長介「分かりました」

P「じゃあ頼んだ」

長介「はい」

P「…洗濯物の量も多いんだろうな…」

P「とりあえず俺はさっさと料理を作らないと」

P「材料は…野菜はだいたいそろってるな。肉は鶏の腿肉が少々か」

P「うぅん…無難に鶏肉と根菜類の中華風炒めあたりをメインに作るか」

P「よし。やるか」

P「~♪~♪」

長介「プロデューサーの兄ちゃん。出来たよ」

P「おっ。早いな。ちょっと火みててくれるか?」

長介「うん」

64: 2013/03/01(金) 00:22:42.60 ID:RUDmxfX00
P「あの年にしてかなり頼りになる弟だな…」

P「さて。高槻家の洗濯機は…うわ、でかい」

P「しかも相当古そうだな…」

P「これでいいのかな」ピッ ピッ

P「多分いいよな」ピッ

P「よし」

P「ありがとう。もう食卓の方に行ってていいよ」

長介「うん」

長介「姉ちゃんのご飯はどうしよう…?」

P「まぁ、後で目を覚ましたら消化のいい雑炊でも作るよ」

長介「今日はいつごろまでいるんですか?」

P「そうだな…一通り家事を片付けてからだから…8時ごろまで居座っちゃうかもな」

長介「そうですか…あの、よかったら泊まっていきませんか?」

長介「そのほうが姉ちゃんも安心すると思うし」

P「それはちょっとプロデューサーとしてまずいかな…」

66: 2013/03/01(金) 00:28:29.13 ID:RUDmxfX00
長介「そう…ですか…」

P「週刊誌に変なこと書かれてもまずいしな」

長介「そうですよね…やっぱり」

P「ん…?」

長介「いや、姉ちゃんはアイドルなんだなぁって思って…」

P「ああ」

P「立派なアイドルだよ」

長介「そっか…」

P「実感無いか?」

長介「まぁ…でも、頼りになる姉ちゃんってことに変わりはないから。…何言ってんだろ俺」

P「うん…やよいは本当にいいお姉さんだよな。事務所で見ててもそう思う」

長介「え?そうなの?」

P「おう」

長介「年少な方だから、てっきり妹みたいになってるのかと…」

P「あはは…まぁ、マスコットみたいに可愛がられてる節はあるけど」

69: 2013/03/01(金) 00:35:18.15 ID:RUDmxfX00
長介「へぇ…」

P「よし。出来た」

P「運ぶぞー」

長介「あ、俺も持つよ」

P「ならそのスープを頼む」

長介「うん」


P「夕食できたぞー」

長介「席つけー」

73: 2013/03/01(金) 00:46:04.85 ID:RUDmxfX00
~同所 午後8時~


P「あーこら、浩三、まだ髪の毛乾いてないだろー」

長介「こら。プロデューサーの兄ちゃんに迷惑かけんな」

長介「あと、姉ちゃん寝てるんだから静かにしろよ」

P「毎日こんなに一気に入ってるのか?」

長介「まぁ…そうだね」

P「大変だなぁ…」

長介「結局兄ちゃんほとんど湯船つかってないでしょ?」

P「皆の体洗ってたからな。」

P「やよいはこれでよく風邪ひかないなぁ」

長介「姉ちゃん意外と丈夫だから」

P「そうか…まぁ、風呂くらいはゆっくり入れるといいんだけどな…」

P「休日とか俺暇だし、半分くらい手伝ってやりたいよ。全く」

74: 2013/03/01(金) 00:51:00.76 ID:RUDmxfX00
長介「はは…姉ちゃんも休みの日に来てくれたら喜ぶだろうな」

P「そっか…」

長介「…でも、多分すぐ復活すると思うから、そんなに気にしないでください」

P「そんなわけにはいかない」

P「俺の担当アイドルだし…それ以前に体調崩した女の子を放っておくのは、な」

長介「…姉ちゃんが『とっても頼りになる』って言ってたのが今日よくわかりました」

P「そう?そりゃ光栄だ」

かすみ「あの…」

P「うん?」

かすみ「そろそろ寝ますね」

P「おう。皿洗い手伝ってくれてありがとな」

P「おやすみ。かすみちゃん」

かすみ「おやすみなさい」

P「長介君はまだ寝ないの?」

長介「うん…そろそろ寝るよ。今日は疲れたし」

76: 2013/03/01(金) 00:57:11.55 ID:RUDmxfX00
P「そっか。おやすみ」

長介「はい」

長介「あの、今日はありがとうございました」

P「気にするな」

長介「俺が言うのもなんだけど、姉ちゃんのこと、これからもよろしくお願いします」

P「うん」

P「とりあえず今日は、もう少しやよいの様子を見て帰るよ」

長介「はい…おやすみなさい」

P「おやすみ」

P「また何か困ったことあったら、いつでも呼んでくれな」

長介「はい」


P「ふう」

P「8時か…」

P「やよいは今別室で寝てるんだっけか」

77: 2013/03/01(金) 01:02:30.08 ID:RUDmxfX00
P「まだ寝てるかな」

スッ

P「…」

やよい「ぅっ…」

P「…?」

P「…起きてるのか?」

やよい「ん…」

P「…どうしたんだ…?そんなに辛いのか?」

やよい「体はもう…大丈夫です」

P「じゃあ…何かあったのか?」

やよい「お仕事キャンセルして、事務所の皆にも迷惑かけちゃって」

やよい「それにプロデューサーにまで…」

P「俺も皆もそんなことは気にしてないよ。」

P「そんなことは気に病まないで、まずはきっちり体を休める。いいな」

やよい「はい…」

78: 2013/03/01(金) 01:07:46.52 ID:RUDmxfX00
やよい「でも、本当に、ごめんなさい」

P「いいか。失敗をしないのがプロじゃない。失敗をしてもきっちり取り返すのがプロだ」

P「心に留めておいてくれ」

やよい「はい」

P(にしても、随分と無理をさせてたみたいだな…ほぼ日中全部寝てもまだ目が真っ赤で眠そうだ…)

P「そうだ、やよい。お腹空いてないか?

やよい「いえ。大丈夫です」

P「喉は?」

やよい「帰り際に律子さん貰ったお茶を飲んだので大丈夫です」

P「そっか」

P「じゃあ、まだ眠そうだし、朝までぐっすり寝てくれ」

P「着替えは…確かかすみちゃんが用意してくれてたな」

P「あったあった」

P「よし。じゃあ、そろそろ俺も帰るから、何かあったら携帯に連絡して」

やよい「あの…」

80: 2013/03/01(金) 01:15:14.65 ID:RUDmxfX00
P「ん?」

やよい「…いえ。ありがとうございました…」

P「いや。それじゃあおやすみ、やよい」

やよい「…」

P「…ん?」

P「どうした?何か用でもあったか?」

やよい「…でください…」

P「ん?」

やよい「いかないで…ください…」

P「ん…?」

やよい「少しだけ…少しだけでいいんです…一緒に、居て下さい…」

P「ん…分かった。まだ8時過ぎだしな」

やよい「ごめんなさい。我が儘な子で」

P「大丈夫だよ。誰もそんなこと思ってないから。ほら、泣かないでくれよ…」

やよい「プロデューサー…」

82: 2013/03/01(金) 01:20:31.81 ID:RUDmxfX00
P「こういうときに一人は辛いもんな」

やよい「うぅ…」

P「よしよし」

P「体起してても大丈夫なのか?」

やよい「ん、横になります…」

P「…やよい、熱ないか?」

やよい「え?熱…はないと思います。風邪ではないので」

P「そうか…?」

やよい「私ちょっと体温高いので…心配しないでください」

P「そっか。いいなぁ。温かそうで…」

やよい「あ、プロデューサー寒いですか…?」

P「ん?まぁちょっとは…」

やよい「ええと…」

やよい「入りますか…?」

P「あはは…ちょっと入りたいな」

85: 2013/03/01(金) 01:26:04.76 ID:RUDmxfX00
やよい「私は良いですよ。入っても」

P「ん、そうするとそのまま寝ちゃいそうだから止めとくよ」

やよい「そうですか…」

P「うん」

やよい「あの、じゃあ代わりに手…」

P「ん?握ってくれるのか?」

やよい「はい…あの…握ってください…」

P「分かった」

やよい「ん…」

P「やっぱり温かいな」

やよい「意外とプロデューサーの手も温かいです」

やよい「やっぱり…安心します」

P「そうか」

P「なんか、眠気を誘われるな…」

やよい「私もです…急に眠くなってきちゃいました」

87: 2013/03/01(金) 01:31:35.44 ID:RUDmxfX00
P「良い事だ」

P「まだ体が十分に休まってないだろうから」

やよい「うん…」

P(…もう寝てくれそうだな)

P「おやすみ、やよい」

やよい「おやすみなさい」

P(…)

P(いかん…眠くなってきた…)

P(久しぶりに随分動いたもんなぁ)

P(ご飯作って、洗濯物を部屋干しして、食器洗って、御風呂入れて、寝かせて、明日のご飯の用意して…)

P(これを毎日こなしてるやよいは凄いもんだなぁ…)

P「なぁ、やよい」

やよい「んぅ…zzz」

P「毎日お疲れ様」

89: 2013/03/01(金) 01:37:13.66 ID:RUDmxfX00
P(今思えば、あの夜がやはり分岐点だったのだろう)

P(もしやよいの体調不良が俺の出張日である翌日だったならば、或いは俺が出かけた後でやよいが事務所に来ていたなら、俺がやよいの家に行くこともなかっただろう)

P(事実は小説より奇なりと言った作家がいたらしいが、確かに頷ける)

P(あの夜、涙を浮かべて俺に縋り付いた少女が…)

P(今こうして、俺の隣で純白の花嫁衣装に身を包んでいるとは、当人である俺ですら想像していなかった)

P「なぁ。やよい」

やよい「はい?」

P「一体なんでこうなったんだろうな」

やよい「私にも分かりません」

やよい「私がプロデューサーのことを好きになったから、じゃないですか?」

P「そっか。俺がやよいを好きになったからか」

P「そりゃそうだよな」

やよい「今日は765プロの皆も来てくれてるんですよね」

P「ああ。勢ぞろいしてるそうだ」

やよい「そっかぁ…早く会いたいですね」

91: 2013/03/01(金) 01:44:07.53 ID:RUDmxfX00
P「そろそろじゃないか?ねぇ、長介君」

長介「ええ。もうそろそろ、入場の時間ですね」

長介「しかし、まさかプロデューサーの兄ちゃんが本当のお兄さんになるとは、思ってませんでしたよ」

P「俺もだよ」

長介「感慨深いですね」

やよい「ねぇねぇ長介、どう?このドレス?」

長介「…馬子にも衣装って奴だな」

やよい「あ、ひどい長介。」

長介「ははっ。よく似合ってるよ」

やよい「本当?」

長介「うん。すげえ綺麗だよ」

長介「プロデューサーの兄ちゃんも決まってる」

P「そうか。よかったよかった」

長介「じゃあ俺はもう席の方に戻るよ」

P「おう」

93: 2013/03/01(金) 01:50:52.48 ID:RUDmxfX00
長介「姉ちゃん」

やよい「うん?」

長介「今までありがとう。幸せにな」

やよい「…うん。」

長介「泣いたりするなよ?いまや超売れっ子の765プロの皆がわざわざ時間を割いて来てくれてるんだ」

長介「見せるべきは、みっともない泣き顔じゃないよな」

やよい「うん。そうだね」

やよい「長介」

長介「ん?」

やよい「ありがとう」

長介「おう」

バタン

94: 2013/03/01(金) 01:55:32.43 ID:RUDmxfX00
P「…いい家族だな」

やよい「プロデューサーも今からその家族の一員になるんですよ」

P「そうだったな」

P「改めて、よろしく。やよい」

やよい「はい」

スタッフ「そろそろですね。ドアが開いたら、二人で手を繋いでゆっくり入場してください」

P「わかりました」

P「やよい、手」

やよい「はい」

96: 2013/03/01(金) 01:57:47.58 ID:RUDmxfX00
やよい「…思い出しますね。あの時を」

P「ああ」

スタッフ「入場です」

P「さぁ」

P「行こうか」

やよい「ええ、あなた」




おわり

97: 2013/03/01(金) 01:59:57.72 ID:Y+RkzmTL0
おつ

引用元: P「やよいと頭痛」