1: 2010/07/14(水) 18:24:57.18 ID:+TVaxoDw0
憂「あれ? お姉ちゃんどこ行くの?」

唯「アイスなかったから買いに行こうかなと思って」

憂「えっ、でも外雨だよ?」

唯「望む所だよ! 苦労した分だけアイスはおいしくなるからね!」

憂「前向きだね! 偉いよお姉ちゃん!」

唯「えへへぇ、そんなに褒めないでうい~」

憂「じゃあついでに、牛乳買って来てくれるかな?」

2: 2010/07/14(水) 18:39:01.49 ID:+TVaxoDw0
唯「あ、切れてたんだっけ」

憂「うん。今日グラタン作ろうと思ってたのに困ってたんだ」

唯「おぉ~、グラタン!」

憂「お願いしていいかな?」

唯「うん! お姉ちゃんに任せてっ!」

 そして30分後……

唯「ういー! ただいまお姉ちゃんが帰還したよ!」

憂「おかえりお姉ちゃん!」

3: 2010/07/14(水) 18:40:05.55 ID:+TVaxoDw0
唯「はいお土産~」

憂「あっ、私の好きなキャラメルコーンだ!」

唯「うん。憂が喜ぶかなと思って」

憂「ありがとうお姉ちゃん! 後で一緒に食べようね!」

唯「でへへ……」

憂「それで牛乳は?」

唯「ぎゅう……にゅう?」

7: 2010/07/14(水) 18:43:28.72 ID:+TVaxoDw0
憂「牛乳……」

唯「あああ忘れてたあ!!」

憂「あ、あはは、忘れたんならしょうがないよね」

唯「頼まれた牛乳一つ満足に買って来れないなんて……」

憂「ほら、元々牛乳目的で買いに行った訳じゃないし」

唯「私はダメだ……ダメ姉だよ……」

憂「そ、そんな事ないよっ!」

唯「せっかくのグラタンが」

9: 2010/07/14(水) 18:46:30.60 ID:+TVaxoDw0
憂「もっとおいしいの作るから! 今度の楽しみにしよ?」

唯「そうだ! このバニラ水に溶かしたら牛乳にならない!?」

憂「え……ちょっと無理なんじゃないかな」

唯「え~? やってみなきゃ分からないじゃん!」

憂「でも苦労して買って来たアイスなのに」

唯「いいんだよ! お姉ちゃん責任取りたいの!」

憂(というか本末転倒の様な……)

10: 2010/07/14(水) 18:50:29.57 ID:+TVaxoDw0
唯「ていうかバニラグラタンなんて斬新じゃない!?」

憂「ないと思うけどなぁ……あは、ははは」

唯「いいからやってみよ!」

憂「え、え~? ホントにいいの?」

唯「何事もチャレンジだよ! うーいー!」

憂「分かった。やってみるよ」

唯「頑張って憂! 私は念を送るからね!」

憂「えっと……ありがとうお姉ちゃん!」

11: 2010/07/14(水) 18:54:12.25 ID:+TVaxoDw0
 そして30分後……

憂「はい、出来ました~」

唯「ぐらたん♪ ぐらたん♪」

憂「今日はグラタンとアスパラの牛肉巻きです」

唯「おいしそう! それでは実食です!」

憂「いただきますが先だよ」

唯「いただきます!」

憂「いただきます」

12: 2010/07/14(水) 18:57:21.83 ID:+TVaxoDw0
唯「それでは改めまして……むうっ、こ、これはっ!」

憂「やっぱり……」

唯「あまーーーい!!」

憂「あははは……甘いね~」

唯「でも、甘くてもおいひいよぉ~!」

憂「う、うん!」(本当においしい気がしてきた)

唯「やっぱりアイスはすごいねぇ!」

憂「そうだね。お姉ちゃんのお陰だよ」

13: 2010/07/14(水) 19:00:56.06 ID:+TVaxoDw0
唯「調理した憂もすごいけどね!」

憂「ありがとう、お姉ちゃん」

唯「ホント憂は料理の天才だよぉ!」

憂「あ、あんまりからかわないで」

唯「あれあれ? 耳まで赤くしてどうしたの?」

憂「ひどいよ~、もう!」

唯「にしし、正直たまりませんなぁ」

憂「親父臭いよお姉ちゃん」

15: 2010/07/14(水) 19:04:38.92 ID:+TVaxoDw0
 晩御飯後

唯「ちゃーらーらー、ちゃららちゃらんらちゃーらーらー♪」

憂「レニー・クラヴィッツ?」

唯「憂よく分かったね!」

憂「梓ちゃんにそのCD借りた事あるから」

唯「私もあずにゃんに教えてもらった~、へへへ」

憂「でもお姉ちゃんが弾くとやっぱりお姉ちゃんっぽいね」

唯「ムハハハ! 私が一番ギー太を上手く弾けるんだもん!」

16: 2010/07/14(水) 19:07:38.30 ID:+TVaxoDw0
憂「お姉ちゃん張り切るのはいいけど、そろそろ寝ないと」

唯「んー、もうちょっと~」

憂「もう、夜更かしは身体に毒だよ」

唯「ねぇうい~」

憂「なぁに? 飲み物もってくる?」

唯「なんかさ、視線を感じない?」

憂「えぇ?」

20: 2010/07/14(水) 19:16:49.18 ID:+TVaxoDw0
唯「オバケ的な」

憂「ありえないよ」

唯「ほらあそこの、ちょっと空いた戸棚とかさ」

憂「閉めてくる」

唯「閉めても覗かれた感覚は消えないよ~」

憂「気のせいだよお姉ちゃん。疲れてるんじゃない?」

唯「憂は感じなかった?」

憂「や、やめてよお姉ちゃん……」

22: 2010/07/14(水) 19:22:12.88 ID:+TVaxoDw0
唯「むふふ、憂ったら怖がりさんなんだから」

憂「おっ、お姉ちゃんのイジワル! からかって!」

唯「か、からかってはいないよ?」

憂「もういい! 私先に寝るからね!」

唯「あっ、う、うい……」

 行ってしまった。実は今日りっちゃん家で怖い映画見て、
一人で寝るのが心細かっただけなのに……

 憂を怖がらせれば自然に一緒に寝られる予定が、とんだ計算外。
唯ちゃんピンチ。

 こうなったらギー太、キミだけが頼りだよ。

27: 2010/07/14(水) 19:31:23.29 ID:+TVaxoDw0
ギー太『うん唯ちゃん! いざとなったら変形して助けるよ!』

唯「えっ、本当!? すご~いギー太!」

ギー太『巨大化するよ! マシンガン飛び出すよ!』

唯「すご~いすご~い! これならオバケなんて怖くないね!」

ギー太『ジャキーンジャキーン!』

唯「ズバババ!」

憂「お姉ちゃん……」

唯「は、はうっ!! ううううい!!」

28: 2010/07/14(水) 19:34:44.75 ID:+TVaxoDw0
憂(一緒に寝てもいいなんて、今更そんな事……)

唯「ご、ごめんね憂。うるさくしちゃって」

憂「それはいいけど、あんまり夜更かしはダメだよ?」

唯「……あっ! そういえば憂に渡す物があったんだよ!」

憂「私に?」

唯「ちょっと待っててっ!」

憂「そ、そんな慌てないで! 危ないよお姉ちゃん!」

 そして30秒後……

唯「ジャ~ン! これ!」

30: 2010/07/14(水) 19:38:50.55 ID:+TVaxoDw0
憂「もしかして私の頭のリボン?」

唯「うん! かわいいの見つけてさ、憂に似合うかなって!」

憂「お姉ちゃん……ありがとう」

唯「えへへ憂が喜んでくれたら、お姉ちゃんもすごく嬉しいよ~」

憂「でもあんまり無駄遣いはダメだよ?」

唯「あうっ、申し訳ねえです……」

憂「あ、あっ、あのねっ、お姉ちゃん!」

唯「どうしたの?」

31: 2010/07/14(水) 19:41:15.66 ID:+TVaxoDw0
憂「一緒に……寝てもいいかな?」

唯「えっ! もちろんだようい~!」

憂「ありがとうお姉ちゃん!」

唯「えへへ!」

 唯の部屋

憂「失礼しますね」

唯「どうぞどうぞどうぞ! 特等席ですよ!」

憂「久し振りだね二人で寝るの」

32: 2010/07/14(水) 19:44:21.82 ID:+TVaxoDw0
唯「安心するよね~」

憂「でもお父さんやお母さんに呆れられそう」

唯「いいんだよ。私達まだ子供だもん」

憂「うんそうだね。まだいいよね」

唯「……憂、さっきはゴメンね怖がらせて」

憂「ううん、私も怒鳴っちゃっていけなかったよ」

唯「えへへ大好きだようい~」

憂「う、うんお姉ちゃん」

36: 2010/07/14(水) 19:52:22.57 ID:+TVaxoDw0
 ……

梓「唯先輩を泉の中に落としてしまった」

梓「唯先輩にハグハグしてもらえなかったら私……」

泉「……ちょい」

梓「ううぅっ……うええぇ~~~ん!!」

泉「君、君」

梓「何よ!! 人が感傷に浸ってる時に!!」

38: 2010/07/14(水) 19:56:31.36 ID:+TVaxoDw0
泉「何を泣いていらっしゃるのかしら」

梓「あ、あなたは!?」

泉「私は泉の精ですわ。もしかしたら私の泉に何か落としましたね?」

梓「泉谷しげるさんじゃないですか!?」

泉「泉谷しげる? 何の事ですか?」

梓「えっ? 泉谷しげるさんですよね?」

泉「分かりませんが、こんな美女をおっさん扱いするのは良くないと思います」

39: 2010/07/14(水) 20:00:03.01 ID:+TVaxoDw0
梓「泉谷しげるさんサインください!」

泉「泉谷しげるじゃありません」

梓「唯先輩を泉に落としてしまったんです!」

泉「泉谷しげるじゃ……知ってますよ」

梓「全然浮かんでこないし、私どうしたらいいか」

泉「おーっほっほっ、ここは底なしですからね」

梓「私、唯先輩がいないと生きていけないのに!」

泉「これが本当の浮かばれない、なんつって」

40: 2010/07/14(水) 20:03:03.13 ID:+TVaxoDw0
梓「黙れハゲ」

泉「もしかして、あなたの落とした……ハゲてないわチビ」

梓「ハゲとるやないかい」

泉「ハゲてへんわ」

梓「もういいです。ハゲてないでいいです」

泉「何その妥協した感じ。そんな同情とかいらんわ」

梓「もう寝たいので帰っていいですか?」

41: 2010/07/14(水) 20:05:34.27 ID:+TVaxoDw0
泉「待ちなさい。忘れ物ですよ」

梓「こ、これは……」

憂「こんにちは、梓ちゃん」

梓「憂!!」

憂「こんにちは、梓ちゃん」

梓「二人も!!」

泉「じゃっ、私帰るから。後はよろしくやってね」

43: 2010/07/14(水) 20:08:29.54 ID:+TVaxoDw0
憂ーズ「「ばいばーい!」」

梓「待ってください!! 私が落としたのは憂じゃなくて……」

憂ーズ「「梓ちゃん私じゃダメ、かな?」」

梓「えっ? 違うの憂がダメっていうんじゃなくって」

憂ーズ「「梓ちゃん梓ちゃん」」

梓「うわあああああぁっーーー!!」

 梓の部屋

梓「ハッ! ゆ、夢? 憂が二人とかありえ……うへ……うへへへへ」

44: 2010/07/14(水) 20:24:23.11 ID:+TVaxoDw0
 7月某日、私はいつもとは変わった気分で月曜日の朝を迎えていた。
憂の事は好きだ。でもそれは友達としてだし、あんなはしたない夢を
見るなんて私らしくない。

 憂は姉である唯先輩とは違い、まじめでしっかりした優等生だ。
だけどその一方で、寂しがりで人に気を遣いすぎる子でもある。
そんな憂を私はほっとけないのだ。ただそれだけだった筈なのに。

 私はレズではない。そりゃ澪先輩に憧れたり、唯先輩が気になったり、
ムギ先輩に見とれたりした事はあるけれど、今まで女性を特別な目で
見た事はなかった。なかった筈なのに……

憂「おはよう梓ちゃん!」

梓「あっ……」

 彼女を見た瞬間、突然に、胸のギターが激しく掻き鳴らされる。

45: 2010/07/14(水) 20:28:34.80 ID:+TVaxoDw0
憂「どうしたの?」

梓「おはよ。憂、頭のリボンいつもと違うね」

憂「えへへっ、分かった? 似合うでしょ」

梓「うん。赤いのも似合ってるよ」

憂「ありがとう梓ちゃん」

梓「でも何で急に変えたの? 気分転換?」

憂「あっ、それはねー」

純「梓、ちょっとこっち来なさい」

46: 2010/07/14(水) 20:30:25.24 ID:+TVaxoDw0
梓「いにゃっ! いきなり襟首つかまないでよ!」

憂「……?」

 ……

梓「何するのよ純!」

純「どうせ唯先輩関係だから、そっとしておく方がいいわ」

梓「純……それって冷たくない?」

純「何でよ。腋なめるぞ」

梓「はい?」

48: 2010/07/14(水) 20:32:39.39 ID:+TVaxoDw0
純「真に受けないで。アフリカンジョークよ」

梓「やめて気持ち悪い」

純「え~、アフリカじゃドヒャーってなるんだけどな」

梓「アフリカ基準のジョークを急にかます意味が分からない」

純「いやほら、梓ってワイルドだからウケるかなって」

梓「別に憂のお姉ちゃん話に付き合ってあげてもいいじゃない」

純「私を無視して話題を戻した!?」

梓「大体なんで私の邪魔するのよ」

純「それは……」

50: 2010/07/14(水) 20:47:00.10 ID:+TVaxoDw0
 ……

憂「それでね、お姉ちゃんが~」

梓「ねえ憂」

憂「ん?」

梓「憂がいるから唯先輩が自立できないのよ」

憂「え……」

梓「憂が甘やかすから唯先輩がダメになるの」

憂「そ、そんな事」

52: 2010/07/14(水) 20:50:43.30 ID:+TVaxoDw0
梓「はっきり言ってあげましょうか?」

憂「何……?」

梓「このままなら唯先輩の将来は真っ暗よ」

純「ちょっと梓! あんた何いってんの!?」

憂「あ……あうぅ……」

梓「そんな涙目になったって誤魔化されないんだから」

憂「ご、誤魔化すだなんて」

53: 2010/07/14(水) 20:54:47.91 ID:+TVaxoDw0
純「唯先輩はやれば出来る人じゃん! 梓もそう言ってたでしょ!」

憂「そっ、そうだよ! お姉ちゃんはやれば出来る!」

梓「うん、唯先輩はやれば出来る人。それは分かってる。でもね」

憂「でも?」

梓「裏を返せばやれるけどやらない人って事なの」

憂「そんな! そんな事ないよ!」

梓「常に唯先輩を甘やかして、いい気になってる憂には分からないよね」

54: 2010/07/14(水) 21:07:09.42 ID:+TVaxoDw0
憂「いい気だなんて私……」

純「梓! ひどいよそんな!」

梓「ごめん違った」

憂「あ、梓ちゃ……」

梓「唯先輩は優しいから憂を立ててるだけだね。
そう考えると本当に甘えてるのは憂、あなたかも知れない。
唯先輩に甘えて、唯先輩の可能性を奪ってるんだ」

憂「……うっ……ううぅ……」

純「や、やめてー!!」

55: 2010/07/14(水) 21:15:05.94 ID:+TVaxoDw0
 ……

純「こんな惨事になるのを私は防ぎたい」

梓「なるかボケーッ!!」

純「分かった本当の事を教えてあげる」

梓「上から目線だなぁ」

純「憂の髪留めが攻撃色に染まっているからよ」

梓「なにその髭のおじさんが考えそうな設定」

純「だから近付いちゃダメ」

56: 2010/07/14(水) 21:18:37.32 ID:+TVaxoDw0
梓「その説明のどこに納得すればいいの?」

純「攻撃色の憂をなめない方がいいわ」

梓「どういう事?」(むしろなめたいけど)

純「後ろに立つ者は誰彼なしにめっされる」

梓「なにそれかわいい」

純「憂を甘く見ないで!」

梓「ひっ!?」

60: 2010/07/14(水) 21:22:05.60 ID:+TVaxoDw0
純「ウオッカの背後に立つようなものよ!」

梓「へ? それどういう事?」

純「ウオッカというのはダービー馬」

梓「よく分かんない」

純「蹴られたら3メートルは吹っ飛ばされるわよ!」

梓「えっ? え!? 蹴られるの!?」(うそこわひ……)

純「驚くのはまだ早い」

梓「ま、まだ他に何かあるっていうのっ!?」

61: 2010/07/14(水) 21:25:25.44 ID:+TVaxoDw0
純「黒い髪留めの時は暗くてネガティヴになり」

梓「あの憂が!?」

純「青い髪留めの時はいつもの20%増しで涙ぐみ」

梓「ポテチ増量みたいな嬉しさ!?」

純「ピンクの髪留めの時はやたらスキンシップしてくる」

梓「な、なんだってえええええええーッ!!」

純「気をつけな梓」(ホントからかい甲斐があるわ、この子)

憂「なにメチャクチャ言ってるのかな純ちゃん?」

62: 2010/07/14(水) 21:30:47.22 ID:+TVaxoDw0
純「フォウイッ! 聞いてた!?」

憂「騙されないで梓ちゃん。これはお姉ちゃんに買って貰っただけだから」

梓「分かってるわよそんな事! バカにしないで!」(危ない危ない!)

純「おじいちゃん子っぽい梓には分かるまい」

梓「誰がよ! 何でよ!」

憂「私はお姉ちゃん子だよ」

梓「分かり切ってるよ!」

63: 2010/07/14(水) 21:44:08.75 ID:+TVaxoDw0
 3年2組の教室

唯「それでね~、ういったらすごい喜んでくれたんだよ」

紬「本当に唯ちゃんと憂ちゃんは仲いいね」

唯「うん! 憂と私はず~っと一緒だもん!」

律「仲いいっていうレベルじゃねぇぞっ!」

紬「素敵じゃない。羨ましいわ」

唯「えへへ~」

律「まあ私らも卒業したら二度と会えないかもだしぃ」

65: 2010/07/14(水) 21:47:01.14 ID:+TVaxoDw0
唯「何でそんな寂しい事いうのりっちゃん!!」

紬「そらそうよ!」

律「冗談! 冗談ですわよ!」

唯「憂も軽音部のみんなとも、ず~っと一緒なんだから!!」

紬「唯ちゃん……」

律「ああ、ずっと一緒だ唯!」

唯「……何で私の頭をグシャグシャにするのりっちゃん?」

66: 2010/07/14(水) 21:50:51.73 ID:+TVaxoDw0
律「頭皮マッサージでございます」

唯「いたた……もういいよ!」

律「遠慮なさらないで唯さん!」

唯「あー、もうりっちゃんだけは一緒じゃなくていいや」

律「なんだとー! 私なしでは生きられない身体にしてやろうかぁ!」

唯「そうだね。とっても上手だから自分にやったらいいよ」

律「やだぁ、照れるよ~っ! ズビシ! ズビシ!」

67: 2010/07/14(水) 21:55:03.95 ID:+TVaxoDw0
唯「はっ! ほっ!」

律「おっ、よけた? やるな唯~」

唯「ハッ!」

律「ちょ、スカートめくんな!」

唯「ほほう、中々かわいい下着ですね~」

紬「りっちゃん女の子みたい!」

律「わ、わりぃかっ!」

唯「ううん、すごくかわいいよ」

69: 2010/07/14(水) 21:59:39.44 ID:+TVaxoDw0
律「や、やめろって! かわいくねーし!」

唯「どうしたのりっちゃん顔赤い~」

律「このやろ~! お前の下着も見ちゃうかんな!」

唯「あっ、やだやだやだ!」

律「うひひひ、大人しくしろい下手人が!」

唯「ああんムギちゃん助けて!」

紬「任せて! 私、犯人を匿うのが夢だったの~!」

70: 2010/07/14(水) 22:02:22.04 ID:+TVaxoDw0
律「ちっ、2対1とは卑怯なり!」

唯「あばばばばばば!」

律「だが時としてその不利な状況が私を燃え上がらせるっ!」

唯「まだ私だって本気じゃないから!」

律「甘いな! 私はこれで実力の半分も出していない!」

唯「じゃあ私も秘められた力を解放するよ!」

紬「がお~っ!」

澪「ふふっ、3年になっても相変わらずか」

和(唯……私は?)

71: 2010/07/14(水) 22:07:24.78 ID:+TVaxoDw0
 昼休み、2年1組の教室

梓「憂~、くるりの新譜だけど聴く?」

憂「へえ~、聴く聴く」

梓「じゃあかたっぽ貸したげる」

憂「ありがとう」

梓「いやいや」(教室の中なのに憂とイヤホンで繋がっちゃってる!)

憂「やっぱいいね~」

純「はぐ……はぐ……」(今日は梓やけに憂にごろにゃんしてるな)

72: 2010/07/14(水) 22:12:44.63 ID:+TVaxoDw0
梓「気に入ったんならCD持ってくるよ」(頭がフットーしそうだよぉ!)

憂「本当! ありがとう梓ちゃん!」

梓「はいここで抱きつきですね」(バッチコイ!)

憂「うん? 何が?」

梓「ハッ! 本音も建前もおかしくなってた!?」

憂「あははっ、梓ちゃんってたまに変だよね~」

梓「なははは……」

純(なんっか面白くない)

73: 2010/07/14(水) 22:17:13.33 ID:+TVaxoDw0
純「憂~、ちょっとゴメン」

憂「純ちゃん?」

純「秘技!! ポニテ崩しぃ~!!」

梓(純が憂のリボン取った!?)

憂「……何するの純ちゃん」

純「そろそろまぜろよ」

梓(髪を下ろした憂ってやっぱり唯先輩にそっくりだ)

74: 2010/07/14(水) 22:22:07.14 ID:+TVaxoDw0
憂「めっ!!」

純「あうっ」

梓(あれ? 私もしかして憂を唯先輩に重ねてただけなのかな?)

憂「もう! 次やったら許さないからね?」

純「はい……しぃましぇん」(まさか涙目になるとは)

梓「いやそもそも私は澪先輩に憧れていて……」

憂「ん?」

純「急にどーした梓?」

75: 2010/07/14(水) 22:26:40.23 ID:+TVaxoDw0
梓「ムギ先輩や律先輩もアリっちゃアリだし……」

憂「何がアリなの?」

梓「えっ? うわっ! 何っ!?」

純「声に出てたよ」

梓「うわっ、ちがっ! 違うから! 私そんな誰でもいいって訳じゃ!」

憂「ヘンな梓ちゃん」

純(ダメだこいつ……早く何とかしないと)

77: 2010/07/14(水) 22:34:30.77 ID:+TVaxoDw0
 放課後

梓「憂、一緒に帰ろっか」

憂「えっと軽音部は?」

梓「期末だからないんだ」

憂「そっか。お姉ちゃんいつも通りギター担いで行ったから」

梓「相変わらず唯先輩は……」

憂「最近すごく練習してたから残念だろうな~」

梓「ふ、ふぅんそうなんだ」(陰では一生懸命なんだよね)

純「私もジャズ研休みなんだけどスルーですか?」

79: 2010/07/14(水) 22:38:57.19 ID:+TVaxoDw0
梓「言われなくてもこびり付いて来るでしょ純は」

純「人を頑固な油汚れみたいに言うな!」

梓「冗談よ。たまには三人で帰るのもいいよね」

憂「でも部活も楽しいんでしょ~?」

梓「確かにないと物足りないかも」

純「かわいい後輩どもと会えないのは寂しいな」

梓「くそ嫌味かくそ」

82: 2010/07/14(水) 22:42:41.71 ID:+TVaxoDw0
純「羨ましいだろう? 今からウチ来るか梓?」

梓「そっちこそ軽音部に入らなかったの後悔してるんでしょ?」

純「なにおう!?」

梓「私が軽音部の話するといいな~、いいな~ってうるさいじゃん」

純「そ、そんな事ないもん!」

憂「そっかー、最初は二人ともお互いの部活に入ろうとしてたんだね」

梓「考えてみたらそうね」

83: 2010/07/14(水) 22:47:45.43 ID:+TVaxoDw0
純「……梓ともう少し早く友達になれていれば」

梓「うん? 何か言った純?」

純「な、何でもないよ! わははは!」

憂「純ちゃんも梓ちゃんと一緒だったら軽音部入ってたって事?」

純「ちょ、ちょっとうい~!」

梓「そうだよね。一人じゃ入りにくいよねウチの軽音部は」

純「そ、そうだよー! 梓は良く入部出来たもんだ!」

84: 2010/07/14(水) 22:50:39.29 ID:+TVaxoDw0
梓「そんな言い方って……私だって最初はとまどったけど」

純「ティータイムとかコスプレとか色々突き抜けすぎてるのよ!」

梓「私もちょっと普通じゃないなって思ったけど」

憂「今ではもう骨の髄まで馴染んでるよね」

純「並の人間にはついて来れない! 無理!」

梓「ふっ」(そうだよね先輩達の仲間になれるのは私だけだ)

純「何でニヤニヤしてるの梓?」

憂「梓ちゃん本当に軽音部が好きなんだね~」

85: 2010/07/14(水) 22:57:43.45 ID:+TVaxoDw0
 その夜、平沢家

唯「りっちゃんに先生の話聞いてなかったのかってバカにされた」

憂「お姉ちゃん何の話?」

唯「今日私、部活ないのにギー太持って行ったでしょ?」

憂「うん」

唯「だから言ってあげたの。聞いてなかったんじゃない忘れたんだと」

憂「お姉ちゃん正直だね!」

唯「ま、まぁね!」

86: 2010/07/14(水) 23:02:17.66 ID:+TVaxoDw0
憂「お姉ちゃんも部活なくてやっぱりつまらない?」

唯「うん? そりゃあ軽音部楽しいもん!」

憂「あはは、梓ちゃんもそんな感じだったよ」

唯「う~、あずにゃんとのスキンシップがないのも辛い」

憂「梓ちゃんかわいいもんね~」

唯「でもたまに思うんだ。後少しで何もかも変わっちゃうのかなって」

憂「……え?」

88: 2010/07/14(水) 23:05:40.86 ID:+TVaxoDw0
唯「やってる時は忘れてるけど、ずっとは続けられないんだよね」

憂「そ、それは分からないよ」

唯「前までは変わりたいって思ってた。だけど今はそれが怖いんだ」

憂「お姉ちゃん……」

唯「あ、ごめんね。柄にもない事いっちゃった……えへへ」

憂「変わったって大丈夫だよ! お姉ちゃん達は!」

唯「うい?」

憂「何がどう変わっても、お姉ちゃんはお姉ちゃん!」

89: 2010/07/14(水) 23:10:46.79 ID:+TVaxoDw0
唯「で、でも~……」

憂「頭のリボンの色が変わっても私は私でしょ?」

唯「そ、そっかぁ!」

憂「そうだよ!」

唯「DEATH DEVILのさわちゃんが教師になってもさわちゃんだもんね!」

憂「それは変わりすぎ!」

唯「よ~し!! 行くよギー太!!」

憂「お、お姉ちゃん勉強は!?」


                         おしまい

91: 2010/07/14(水) 23:12:03.49 ID:tfd3dun50
終わるなああああ

おつ!!

94: 2010/07/14(水) 23:44:06.36 ID:+TVaxoDw0
梓「クラスの完璧すぎる女の子の弱点を暴きたい」×2乗っ取り
憂「私を信じて!唯は才能あるから!」
憂「ご主人様もっと!」
さわ子「待たせたな!」
澪「ずっとずっと好きだった」
和「今日の突撃!隣の晩御飯は田中井律さんのお宅です」
澪「ムギの家を予約してみた」
唯「脚フェチ!」
唯「私もう子供じゃないよ」
律「なあ澪、私が氏んだら悲しんでくれる?」
憂「猫ってかわいいよね」
紬「唯ちゃん!」

せっかくこんだけ書いたのでやめる前に一度晒してみたかった
じゃあねじゃあね
けいおん大好きー!

引用元: 憂「お姉ちゃんのリボン」