1: 2013/02/28(木) 23:19:29.00 ID:i3xtH7iG0
SS クラリス「誰がために」の設定を引き継いでいます。

クラリス「それでは、私は教会に戻りますね」

P「えぇ、お疲れ様です。クラリスさん」

ガチャ

蘭子「闇に飲まれよ!」

P「あぁ、お疲れ蘭子」

クラリス「闇に飲まれよ……?」

クラリス(どういう意味でしょうか……?)

蘭子「我が下僕よ、拠度の戦いでかのような供物を……(プロデューサーさん、収録したらお土産を……)」ビクッ

P「ん?どうした?」

蘭子「な、なぜ、神の使いがかのような場所に……!(どうして、ここにシスターさんがいるんですか?)」

クラリス「私ですか?」

蘭子「」コクコク

クラリス(キャラ付けとでも言うのでしょうか……)

クラリス「プロデューサーさんのところのアイドルは個性的ですね」
アイドルマスター\THE IDOLM@STERシンデレラガールズ ぷちちょこ アクリルキーホルダー クラリス
2: 2013/02/28(木) 23:20:49.99 ID:i3xtH7iG0
すみませんモバマスSSです。

P「いや、そんなことは……」

P(でも、クラリスさんが会ったのって、蘭子とみくとかキャラが確かに濃い。強烈なくらい濃い)

蘭子「わ、我が下僕よ、我の質問に答えよ!」

P「ん?まぁ、俺がスカウトした」

蘭子「スカウト……。つまり、かの者は神の使いを模した偶像と言うのか?(えーと…スカウトしたってことは、シスターさんじゃなくて、シスターの恰好をしたアイドルさんってことですか?)」

蘭子(いくらプロデューサーさんでも本職のシスターさんをスカウトするはずないもんね)

クラリス「模した……?それはつまりどういうことでしょうか」

P(マズイ……!)

P「い、いや、そのクラリスさん。ほん――」

クラリス「初めまして。クラリスと申します。残念ながら本物のシスターです。コスプレなど罰当たりな行為ではありません。えぇ絶対に」

P「あはは、あはは」

P(目が笑ってないんだけど)

4: 2013/02/28(木) 23:23:31.40 ID:i3xtH7iG0
蘭子「そ、それは失礼した。して……使いが何故ここに……?」

クラリス「えーと、先程の会話から推定しますと……、下僕がプロデューサーさんで、神の使いが私ということでしょうか?」

蘭子「」コクコク

クラリス「……下僕ですか」

クラリス(百歩譲って私が神の使いということは許してあげますけれども……)

小梅「……ねぇねぇ」クイクイ

クラリス「はい?なんですか?えーと……」

小梅「小梅。あの……本物のし、シスターさん…なんで…すか?」

クラリス「えぇ、そうですよ」

小梅「あの…良ければ…ホラー…映画…見ない?」

クラリス「私がシスターであることと何か関係が?」

小梅「うん。なんか…雰囲気が…でそう…」

クラリス「よく分からないですけど構いませんよ。年長者として、シスターとして、頼まれごとを断るわけにはいきませんね」

6: 2013/02/28(木) 23:27:33.63 ID:i3xtH7iG0
小梅「本当?それじゃ…ちょっと…待ってて。私の…家で…見よう…」

クラリス「あ、そうです。えーと…蘭子さんも一緒に見ませんか?これを機に仲良くしましょうよ」

蘭子「え、あ…」

クラリス「闇を操るあなたなら、何も恐れるものはないですよね」

蘭子「ふ、ふふふふ。当たり前だろう。全て私の前に跪くのだ(も、問題ないです!)

P「……あのクラリスさん?」

P(もしかして怒ってらっしゃる……?)

クラリス「なんでしょうか。あ、それで少しお願いがありましてね……」ゴニョゴニョ

P「はぁ、はぁはい。それくらいなら構いませんよ。任せて下さい」

小梅「それじゃ…三人で…私の…家に。お仕事…終わったら…ね」

P「小梅の仕事終わる頃には暗くなってそうだから俺が皆を送るよ」

蘭子「流石は我が下僕褒めて使わす」

P「それじゃ、小梅仕事頑張って終わらせようか」

小梅「分かった…頑張る…」ガチャ

9: 2013/02/28(木) 23:30:25.31 ID:i3xtH7iG0
クラリス「あぁ、遅くなると連絡された方がよろしいんじゃ?」

蘭子「あ、あの、私……!」

クラリス「私は一度帰りますね。またあとで」ガチャ

――

クラリス「うーん……」

クラリス(今度からシスターの服で来るのはやめましょうかね……)

みく「あ、クラリスさんニャ」

クラリス「あ、みくさん。こんにちは」

みく「もう、帰るところニャン?」

クラリス「えぇ、私はお仕事がまだあまりないので」

みく「みくも、帰るから待ってて欲しいニャン!」

クラリス「一人は危ないですからね。待っていますよ」

みく「ありがとニャ!ちょっとだけ待ってて欲しいニャン」バタンッ

10: 2013/02/28(木) 23:34:52.92 ID:i3xtH7iG0
みく「お待たせニャ!」ゼェゼェ

クラリス「そこまで急がなくても……」

みく「というか、クラリスさんはこれから教会に行くのニャ?」

クラリス「その予定ですけど……」

みく「みくもついていっていいかニャ?」

クラリス「構いませんが。なにか用事でも?」

みく「また、歌を聴きたいのニャン」

クラリス「ふふ。そういうことならどうぞ。さぁ、行きましょうか」

みく「はいニャ!」

11: 2013/02/28(木) 23:39:36.34 ID:i3xtH7iG0
―――
――

クラリス「そういえばみくさん質問していいですか?」

みく「なんだニャ?」

クラリス「プロデューサーさんがプロデュースされてる方たちは皆個性的なのですか?」

みく「んー、分からないニャ!」

クラリス(まぁ、自覚はないでしょうね)

みく「でも、他にもアイドルとか一杯いるし、個性的じゃにゃいと埋もれちゃうニャ!」

クラリス「なるほど。大変なのですね」

みく「クラリスさんもアイドルじゃにゃいか」

クラリス「そういえばそうでしたね。さて、教会に着いたことですし、何か聴きたい歌でもありますか?」

みく「また、みくの歌が聴きたいニャ」

クラリス「本人の前で歌うほど恥ずかしいことはないですね。まだ、人様に聴かせるレベルではないのに……」

みく「クラリスさん謙遜しすぎだニャ」

クラリス「みくさんは優しいですね。それでは――♪」

13: 2013/02/28(木) 23:42:42.62 ID:i3xtH7iG0
クラリス「お粗末さまでした」ペコリ

みく「流石だニャー。皆に聴かせてあげたいニャ」パチパチ

クラリス「流石それは……」カァ

みく「あ、みく帰らなきゃニャ」

クラリス「駅までお送りしますよ。私も出る予定があるので」

みく「ありがとニャ」

クラリス「いえいえ」

――

みく「それじゃ。またニャ」ブンブン

クラリス「えぇ」

クラリス(そろそろ事務所に向かわないと間に合わないですね)

15: 2013/02/28(木) 23:47:35.29 ID:i3xtH7iG0
事務所
クラリス「失礼します。間に合いました?」

P「えぇ、丁度いいところに来ました。それじゃ、行きましょうか」

蘭子「いざ行かん、友の館に」

P「言ってる意味が分からないけどそれじゃ行くか」

小梅「それ…じゃ…行く」

車内
蘭子「わ、我が下僕は――」

P「あぁ、俺は帰るよ。まだ仕事あるし」

小梅「次…右。それで…まっすぐ」

P「はいはい」

クラリス「暗くなってきましたね」

P「夜ですからね」

小梅「やっぱり…ホラー…とかは…夜に…見るのが…いい」

蘭子「ククク、帳が落ちる」

16: 2013/02/28(木) 23:51:50.38 ID:i3xtH7iG0
小梅「あ、そこ…着く」

P「おう。中々いい家だな」

小梅「そう…なの?」

クラリス「ええ、良いお家だと思いますよ」

P「それじゃ、皆じゃあな。クラリスさん頼みます」

クラリス「えぇ。お仕事頑張って下さい」

17: 2013/02/28(木) 23:57:55.27 ID:i3xtH7iG0
―――
――

小梅「それじゃ…なに…見る?」

クラリス「任せますよ」

蘭子「ふ、まずは古の法則に則り、髑髏<しゃれこうべ>は踊る(やっぱり、スタンダードなものからじゃないですか)」

小梅「蘭子…骨が…見たいの?」

蘭子「否、我は髑髏より、血を好む。そして、生き血を啜り覚醒するのだ。しか――」

小梅「分かった…。血の方がいいんだね。なら…これで…」

蘭子「え、ちょっ、あの……」

蘭子(どうしよういつもの癖でとんでもないこと言っちゃった……)

小梅「それじゃ…スプラッタ系…でいいね。まさか…蘭子が…こういうの…好き…とは思ってなかった。…仲間」

18: 2013/03/01(金) 00:01:27.32 ID:JVqZHRV80
蘭子(どうしよう。そんなの得意じゃないよ。ここは……クラリスさんに)

蘭子「か、神の使いよ。貴殿はどう思うか?」

蘭子(お願い。いやだって言って…)

クラリス「そうですねぇ。私はどちらでも」

蘭子(ダメだった……)ズーン

クラリス「けれども、まだ夜は浅いですから普通のホラーでいいんじゃないでしょうか?」

小梅「まぁ、シスターさんがそう言うなら」

蘭子「ふ、ふん。神の使いにしては怖気づいたのか。それでは闇の軍勢には勝てまいな(ありがとうございます。本当にありがとうございます)」

クラリス「ただ、小梅さんが残念がってるみたいなんで少し映画を見る前に私がお話をしましょうか」

小梅「怖い話?」ワクワク

クラリス「怖いかは知りませんが体験談です」

小梅「シスターの…体験談…怖そう」キラキラ

蘭子「ふん!聴かせてみよ」

蘭子(耳塞いでおこう……)

19: 2013/03/01(金) 00:07:24.00 ID:JVqZHRV80
クラリス「それではお話します。実は私ではなく、知り合いの身に起こったことを私が見ていたのですが――」

クラリス「それで、私がどうかしたのですか?そう聞くとですね彼は口を動かしたんです」

小梅「そ、それで」ドキドキ

蘭子(もう終わったかな……)ソロー

クラリス「でも、なんて言ったか聞こえませんでした。ですので私は彼の元に近づきました。近づけば近づくほど、地面が濡れていました。今思えばそこで気づけば良かったんです。どうして、床が濡れているのか、どうして彼が言葉を発せないか」

小梅「そ、それ…で…」

蘭子(終わってなかった―っ!)ギュ

クラリス「はい。彼の前まで行った時強烈な匂いに思わず鼻を押えました。彼は突然顔をこちらに向けました」

小梅「うん…うん…」キラキラ

クラリス「私は思わず言葉を失いました。彼は目を抉られていたのです。そして――」

蘭子「か、神の使いよ。そ、そろそろ幕を引こうではないか(もう勘弁して下さい)」

小梅「えー…蘭子…好きじゃないの?」ジトー

21: 2013/03/01(金) 00:14:55.03 ID:JVqZHRV80
蘭子「え、えとその……」

クラリス「きっと、蘭子さんは、早く映画を見たいんですよ。小梅さん聴きたかったら、また今度お話しますよ」

小梅「約束…だよ…」キラキラ

ガチャ ジー

クラリス「始まりましたね。部屋が暗いと雰囲気が出ますね」

蘭子「この暗闇、我が生まれ落ちた場所を思い出す。血が湧きたつというもの。(雰囲気があっていいですね!)」

クラリス「それは凄いですね。というか 疲れませんか?」

蘭子「これは私の真の姿。真実の言葉、真実の振る舞い、疲れるわけがない。(慣れているんでこっちのが楽です)」

小梅「蘭子…、声が…大きい」

蘭子「あ、その、ご、ごめんなさい」

クラリス「まぁ、まぁ、二人共。喧嘩なさらず」

22: 2013/03/01(金) 00:19:24.04 ID:JVqZHRV80
―――
――

『誰だっ!』

『なんだ誰もいないじゃないか』

『おかしいなぁ』

蘭子「あ、あ」

蘭子(後ろ、後ろにいますって)

小梅「」ドキドキ

『うわわああ!!』

蘭子「ひっ!」

小梅「シスターは怖くないの?」

クラリス「え?私ですか?そうですねぇ。やっぱり本物の方が怖いですかね」

蘭子「か、神のつ――」

小梅「え?本物に会ったことあるの!?」

クラリス「えぇ。まぁ、職業上会うことがありますね。小梅さんもあるでしょう?」

小梅「うん…あの子…とか」

23: 2013/03/01(金) 00:26:16.25 ID:JVqZHRV80
蘭子「あ、あの子?」

クラリス「あぁ、あそこにおられる方ですか?」

小梅「うん。見える…人…初めて…会った」キラキラ

蘭子(私は見えないんですけど……)

クラリス「そう言えば、先程口走ってしまいましたが、私は本物のシスターなので向こうの方で修業をしてましたのでその時に異端審問官のお仕事を手伝ったことがあるんです」

蘭子「い、異端審問官!?そのようなものが未だに存在していたとは…」

小梅「異端審問官?」

クラリス「分かりやすく言うと悪魔狩りですね。色々見ましたよ。憑りつかれた人を」

小梅「それ…凄いね」

クラリス「ちなみにこういう映画を見てるとそういう悪魔とかが寄って気易いんですよね」

小梅「なんで…?」

26: 2013/03/01(金) 00:33:00.66 ID:JVqZHRV80
クラリス「雰囲気ですかね。例えば――、いえ止めておきましょう。知らなければいいということもありますからね。ね、蘭子さん?」

蘭子「なっ、神の使いよ。我に悪魔が憑くとでも思っているのか?然らば、証拠を示してみよ。疾く吐くがよい。(なんでそこで黙るんですか)」

クラリス「いえ、考えてみれば、闇を操る蘭子さんなんですからそれくらい全然平気でしたね。さて、続きを見ましょうか」

小梅「そう…言えば…、シスターは…悪魔…とか…そういうの…払えるの?」

クラリス「えぇ。簡単なものでしたら」

小梅「今度…その…現場…見せて」

クラリス「それは……、機会があればですよ」

小梅「うんっ」

27: 2013/03/01(金) 00:36:48.50 ID:JVqZHRV80
―――
――


蘭子(うぅ、トイレ行きたくなってきた……)モジモジ

小梅「そろそろ…眠くなって…きた」

クラリス「そうですか。では、プロデューサーさんに迎えに来て貰いましょうか」

蘭子「……神の使いよ。一ついいか?」クイクイ

クラリス「はい?」

蘭子「…その、トイレ付いてきて貰っていいですか?」カァァ

クラリス「えぇ、いいですよ。……まさか、怖くなられたんですか?」

蘭子「そんなこと……あります」

クラリス(意外と可愛らしいですね。私の嘘をここまで信じて貰えると嬉しい限りです)

29: 2013/03/01(金) 00:38:22.89 ID:JVqZHRV80
小梅「部屋…出て…右ね」

蘭子「神の使いよ。そこにいるか?」

クラリス「えぇ、いますよ」

蘭子「あの…その、すみません」ガチャ

クラリス「いえいえ。では電話をしておいたので外で待っておきましょうか」

蘭子「」コクコク

30: 2013/03/01(金) 00:42:25.12 ID:JVqZHRV80

P「寒いな……」

P(意外に早く電話があったから驚いたよ……まぁ、仕事が丁度終わった時だからいいんだけどさ)

クラリス「プロデューサーさん。お早いご到着ですね」

蘭子(プロデューサーさん誰かと電話でもしてるのかな。私たちに背を向けっぱなしで)

蘭子「我が…」

クラリス「しっ!」

蘭子「なっ」

蘭子(え?なになに?)

クラリス「プロデューサーさん。どうされたんですか?先程からキョロキョロと地面を見ているようですけど」

P「いいえ、ちょっと落し物をしてしまいまして。いえ、大したものじゃないんですけどね」

蘭子「我が下僕よ。今宵の我は力が漲っている。我の力を借りることが出来るのを喜ぶがいい(手伝いますよプロデューサーさん)」

クラリス「プロデューサーさん。何を無くされたんですか?」

P「え?ちょっと――目と鼻と口ですかね?」クルリ

蘭子「えっ……キャアアアアアア!」

31: 2013/03/01(金) 00:45:44.35 ID:JVqZHRV80
蘭子(え?なに?どういうこと?え?え?え?)

蘭子「えと、プロデュ、クラリスさん!え?あれ!あれ!」ポロポロ

クラリス「のっぺらぼうなんて……ちょっとふざけすぎたみたいですよ。プロデューサーさん。ほら、マスク取って下さい」

P「そうなんですか?ちょっとこれだと見えないんですよ。よっと」ヒョイ

蘭子「?」

P「ってうわ、蘭子が泣いてるじゃないですか!?誰がやったんです?」

クラリス「プロデューサーさんですよ。頼みましたけど、気合い入れ過ぎじゃないですか?」

P「う。そう言われると返す言葉が……蘭子大丈夫か?」

蘭子「」ササササ

P(俺から離れていく……)

クラリス「あらあら」

蘭子「…ッ…ッ」ギュ

P「俺嫌われたみたいなんですけど」

32: 2013/03/01(金) 00:47:08.12 ID:JVqZHRV80
クラリス「そりゃ、女の子を怖がらせたからですよ。とりあえず、車に乗りましょうか」

P「はい……」

P(こういうことやろうって言い出したのクラリスさんなのに……)

33: 2013/03/01(金) 00:51:55.01 ID:JVqZHRV80
車内
クラリス「蘭子さん。大丈夫ですか?」

蘭子「」フルフル

クラリス「怖いのが苦手なら最初に仰っていただければいいのに」

蘭子「」ジワッ

P「きっと、言えなかったんですよ。クラリスさんを怒らせたと思ってて」

クラリス「そうでしたか……。それはすみませんでした。私も修行が足りませんね」ナデナデ

蘭子「」ギュ

クラリス「……プロデューサーさん。教会に行ってもらえますか?」

P「え?いいですけど何をされるんですか?」

クラリス「ちょっと神様の真似事を」ニコリ

P「はい?」

クラリス「ですから、神様の真似事を」

蘭子「?」

34: 2013/03/01(金) 00:55:17.27 ID:JVqZHRV80
教会
クラリス「では、少しお待ちください」

P「……なぁ、蘭子。機嫌直してくれよ」

蘭子「」ツーン

P「うーん。ごめんな?そこまでびっくりさせる気はなかったんだよ」

蘭子「…怖かった。ホントに…」

蘭子(まだ、プロデューサーの顔見れない。うう……)

P(完全に嫌われた……)ズーン

クラリス「お待たせしました」

蘭子「わぁ…」

P「クラリスさん、その恰好……」

クラリス「へ、変ですかね?」

P「そんなことはないですよ」

P(女神様みたいだ……)

クラリス「蘭子さん。ちょっとこっちに……」

35: 2013/03/01(金) 01:00:01.48 ID:JVqZHRV80
蘭子「?」トコトコ

クラリス「えいっ」ギュ

蘭子「え?あ……」

クラリス「私もちょっと意地悪が過ぎました。これからも仲良くしてくれると嬉しいです」

蘭子「……」

クラリス「というわけで、特別に蘭子さんには私が本物のシスターだと言う証拠を見せてあげましょう」

蘭子(なにするんだろう……)

36: 2013/03/01(金) 01:01:15.10 ID:JVqZHRV80
クラリス「それでは……。折角こんな恰好をしているので、賛歌でも――」

蘭子「凄い…」

蘭子(本物は凄いなぁ……)

クラリス「お粗末様でした」ペコリ

P「流石ですね」パチパチ

蘭子「す、凄い!え、えと、クラリスさん」パチパチパチ

クラリス「ありがとうございます。もう、蘭子さんには何も憑いてないですよ。私には見えません」

P「憑く?」

クラリス「いえ、こっちの話です」

P「?」

クラリス「ささ、遅くなってしまいました。帰りましょうか」

蘭子「は、はいっ!」

37: 2013/03/01(金) 01:03:29.89 ID:JVqZHRV80
車内

蘭子「その…、く、クラリスさん」ボソボソ

クラリス「なんですか?」

蘭子「その…なんで、怒ってたんですか?」

クラリス「そうですねぇ……。素直じゃないからじゃないですかね?」

クラリス(私をコスプレって言ったことはもう許してあげましょう)

蘭子「素直じゃ…ない?」

クラリス「えぇ、気恥ずかしいからって下僕なんて呼び方しちゃプロデューサーさんが可哀想じゃないですか」

蘭子「え、あ…」

クラリス「…折角好きな人の近くにいるんですからね」ボソボソ

蘭子「――っ」カァァ

P「蘭子。そろそろ着くぞ」

蘭子「え?あ、はい」

38: 2013/03/01(金) 01:05:46.21 ID:JVqZHRV80
P「着いたぞ。今日はごめんな」

蘭子「べ、別に…いいです。もう平気…」

P「そっかありがとな」ナデナデ

蘭子「――っ」

蘭子(うぅ…恥ずかしい)

蘭子「わ、我がげ…、いや、き、騎士よ。これからも我が隣にいてくだひゃい。それでは失礼ひゅる」

P「え?あ、おい。蘭子」

蘭子(噛んだ。もう消え入りたい。闇に飲まれたい……)カァァ

39: 2013/03/01(金) 01:07:26.37 ID:JVqZHRV80
クラリス「下僕から騎士ですか…。ま。少しは自分の気持ちに正直になれたんですかね?」

P「全く……。え?クラリスさん今、何か言いました?」

クラリス「いいえ……闇に飲まれよです」

P「はは。なんですか一体。と言うか、クラリスさん少し大人気なくないですか?」

クラリス「そうでしょうか?」

P「蘭子はまだ子供なんですから。コスプレだって言われたこと位で怒らなくても……」

クラリス「……プロデューサーさんって鈍いとか朴念仁とか言われたことありますか?」

P「え?そうですねぇ……。朴念仁はないですが、鈍いと言われたことは。よく知ってますね」

クラリス「えぇ。まぁ……」

クラリス(これは苦労しそうですね…)ハァ

P「あ、そう言えば、蘭子が俺のこと騎士って呼んでましたね。またなんかの漫画に影響されたんですかね?」

クラリス「私には分かりかねます。それより、騎士ですよ。プロデューサーさん。蘭子さんから信頼されてるんですね」

P「そうなんですかね?それだといいですけど」

40: 2013/03/01(金) 01:09:33.76 ID:JVqZHRV80
翌日

小梅「おはよう…あ、蘭子…シスターさん…おはよう」ガチャ

蘭子「わ、我が仲間小梅よ。煩わしい大陽ね!」

クラリス「おはようございます」

小梅「確かに…太陽…が…眩しくて…煩わしい…ね。あ、ねぇ…シスターさん。あそこ」ヒョイ

クラリス「何か?……あぁ、確かに」

蘭子(このパターンに見覚えが……)

小梅「蘭子…。見て」

蘭子「ひっ、わ、我を呼び止めるのは誰ぞ!?」

小梅「私。ほら…あそこに…あの子がいるよ…」

蘭子「も、もう勘弁してください!」

蘭子(怖いのはしばらく無理っ!)

41: 2013/03/01(金) 01:12:03.78 ID:JVqZHRV80
――

蘭子「はぁ…はぁ…。これは呪いか?」

クラリス「大丈夫ですか?」

蘭子「あ、はい」

クラリス「また、泣いてしまうかと」

蘭子「なっ、そんなこと…」

蘭子(強く否定出来ないのが悔しい……)

蘭子「あ、あの…」

クラリス「はい?」

蘭子「えと、その…なんていうか。えーと」モジモジ

蘭子(が、頑張れ私……!)

43: 2013/03/01(金) 01:15:58.92 ID:JVqZHRV80
蘭子「昨日は、ごっ――」

クラリス「いいですよ。私の方こそごめんなさい」ペコリ

蘭子「あぅ……」

クラリス「それより、プロデューサーさんとは話したんですか?」

蘭子「」フルフル

クラリス「そう言えば、騎士ってちゃんと聞こえてたみたいですよ」ボソッ

蘭子「――っ!」ボッ

蘭子(考えてみれば、昨日泣き顔まで見られて、そんなこと口走っちゃったんだ。もうプロデューサーさんにバレちゃったよね……)

蘭子「あ、あの…、く、クラリスさん。わ、私の思いは、つ、伝わりますかね?」

クラリス「さぁ、それは神のみぞ知ってますわ」

44: 2013/03/01(金) 01:16:47.65 ID:JVqZHRV80
お疲れ様でした。画像貼って下さった方。こんな時間に見てくれた方ありがとうございました。

45: 2013/03/01(金) 01:20:21.85 ID:UZ3Aj5o80
乙乙乙

46: 2013/03/01(金) 01:22:54.76 ID:cdHMi9hM0

引用元: 蘭子「シ、シスターがなぜここに?」