1: 2013/03/16(土) 15:04:46.37 ID:DM/GqdBm0
春香「はい? 嫌われたって響ちゃんにですか?」

P「ああ、最近響の態度が冷たくて……泣きそう……」

春香「そういえば最近の響ちゃん、何となく機嫌悪そうでしたね」

千早「何かしたんじゃないですか? プロデューサー」

P「とは言え心当たりは無いんだよな……何かしたかなぁ……」

千早「プロデューサーが気が付かないだけで、我那覇さんは傷ついている可能性はあるわね」

P「はぐっ!? や、やっぱり俺に原因が……」

春香「ち、千早ちゃん……プロデューサーさんも心当たりは無いって言っているし……」

千早「でも考えてみて、春香。あの我那覇さんが訳も無くプロデューサーを嫌うかしら」

春香「それを言われちゃうと……その……」チラッ

P「だよな……響は訳も無く嫌わないよな……俺が気が付かないうちに何かしたんだ……」ドヨーン

3: 2013/03/16(土) 15:10:01.07 ID:DM/GqdBm0
千早「本当に心当たりは無いのですか? 約束を破ったり余計なことを言ったりとかは?」

P「………………無いな。いつも通り接しているつもりなんだが……」

春香「いつも通りって……例えばどんなことですか?」

P「褒めて欲しそうだったら頭を撫でてやったり、構って欲しそうだったら遊んであげたり……」

千早「まるでペットね……我那覇さん」

春香「だね……喜んでいるところが簡単に想像できるよ……」

千早「………………羨ましいわ。私もプロデューサーに飼われたい」

春香「えっ!?」

千早「? どうかしたかしら、春香?」

春香「う、うん……何でもないよ。き、気のせい……だよね」

千早「おかしな春香ね。ふふっ」

春香「あ、あはは、そうかな? 気にしないで、ね?」

4: 2013/03/16(土) 15:15:01.96 ID:DM/GqdBm0
P「でも最近は話をしていてもしかめっ面になるときあるし……完璧に嫌われてるよな……氏にたい」

春香「プロデューサーさんがこんなに落ち込んでるところ初めて見た……」

千早「落ち込んでるプロデューサー……かわいい」

春香「!? ち、千早ちゃん!?」

千早「どうしたの春香? さっきから変よ?」

春香「……ご、ごめん。もう気のせいだと思うことにするよ……うん」

P「はぁぁぁあぁぁぁぁ、………………旅に出ようかなぁ」

春香「ちょっ、ちょっと仕事があるんですからダメですよ! プロデューサーさんっ!」

P「うぅ……でも響に嫌われたら立ち直れない……」

千早「……あの、プロデューサー? 少し聞いて良いですか?」

P「ん……何だ? 担当アイドルに嫌われてる駄目なプロデューサーで良ければ何でも聞いてくれ……」

5: 2013/03/16(土) 15:20:01.84 ID:DM/GqdBm0
春香(落ち込みすぎて卑屈に……卑屈になってる……)

千早「もし私がプロデューサーを嫌ったらどう思います?」

P「……え!?」

千早「私がプロデューサーのことを嫌ったらどう思うか聞いているんです」

P「……う、うわあ……ああ……ああああああっ!?」ドンガラガッシャーン!!

千早「どうかしましたか? プロデューサー?」

春香「ぷ、プロデューサーさん!? 大丈夫ですかプロデューサーさんっ!?」

P「ああ、あふぅっ……ひいぃぃぃぃ……」ガクガク

千早「ふふっ、そんなに驚かないでください。もし、の話ですから」

P「あ……ああ……うんっ…………そ、そうだな……もし……の話だよな」

千早「本当はどうだかわかりませんけど」

P「あんっ!ああん……らめ……もうらめぇ!立ち直れないっ!!」ビクンビクン

6: 2013/03/16(土) 15:25:03.27 ID:DM/GqdBm0
千早「ふふっ、やっぱりプロデューサーかわいい」

春香(Sだ……千早ちゃんドSだっ……すっごい笑顔だよ……)

P「春香はっ!? 春香は違うよなっ!? 嫌ってなんか無いよなっ!?」

春香「お、落ち着いてください、プロデューサーさん! 千早ちゃんは嫌いとは言ってませんよ!?」

P「うぅ……答えてくれないってことは嫌いなんだぁ……終わった……何もかも」

春香「わあぁっ、だ、大丈夫です! 嫌ってなんか無いですよ?」

P「春香……ありがとうございますっありがとうございますっ!」

春香(ちょっと面倒くさいけど……これってもしかして私のことが?)

千早「そんなに嫌われるのが嫌なんですか?」

P「当たり前だ……良い信頼関係を築けていたと思ってたのに……それなのに……うぅ……」

春香「え、えっと、そこに……その、恋愛感情とかは?」

P「恋愛? 下心が全く無いとは言わないが……アイドルと恋愛はまずいだろ」

8: 2013/03/16(土) 15:30:03.24 ID:DM/GqdBm0
春香「そ、そうですか……はぁ……」

P「? それで春香たちに協力して欲しいんだが……」

千早「我那覇さんがプロデューサーを嫌った理由を調べるということですよね?」

P「うぐっ……嫌ってる前提なのか……ま、まぁそういうことだ。直接聞きづらいからな。頼む、二人とも」

千早「どうする? 春香。私は構わないのだけれど」

春香「うん、私も構わないよ。……正直、今のプロデューサーさんほっとけないし」

P「おお……ありがてぇ、ありがてぇ! こんな俺を見捨てないでくれるとはっ!」

春香「大丈夫ですよー? 大丈夫だからもう泣いちゃダメですよー?」ナデナデ

P「春香……俺、頑張れるかもしれない……」

千早「は、春香! 私も! 私もプロデューサーを撫でたいわっ!」

春香「それでまずは実際に響ちゃんとの様子を見せてもらえますか?」ナデナデ

千早「は、春香! 代わってちょうだい!」

10: 2013/03/16(土) 15:35:02.69 ID:DM/GqdBm0
P「ぐすっ……そうだな……実際に見てもらったほうが早いか……」

春香「はい、響ちゃんがどう反応するかでわかるかもしれないですし」

千早「くっ……春香、次は私にやらせてちょうだい」

春香「わ、わかったから……お、落ち着いて、千早ちゃん。ちょっ、ちょっと怖いよ?」

P「それじゃあ響が来るまで待つか。よし、ちょっと仕事してくるっ!」ダッ

春香「…………プロデューサーさん切り替え早いね」

千早「ええ、さっきまで泣いていた人だとは思えないわね」

春香「うん、そうだね。仕事はちゃんと出来るみたいだし、そこまで落ち込んでないのかな?」

千早「それなら相談なんてしないと思うわ。仕事で忘れようとしているのかも」

春香「あー。それに私たちが嫌いって言っても落ち込んじゃうみたいだったよね」

千早「あのときのプロデューサー……今思い返しても…………かわいい」

春香「…………何となく言われてるうちにそう思えてきそうで怖いよ」

11: 2013/03/16(土) 15:40:02.52 ID:DM/GqdBm0
・・・・・・

響「はいさーい……はぁ」


春香「あっ、響ちゃんが来たみたいだね。何となく元気ないみたいだけど」

千早「そうね、溜息ついてどうかしたのかしら? 悩み事とかだったり……」

P「あっ! 俺と仲直りしたくて悩んでいるとかどうだろう?」

春香・千早「………………はぁ」

春香「とりあえず原因がプロデューサーさんにあるのか見てみないとわからないよね」

千早「ええ、原因はともかく何かあるのは確実ね」

P「あれ? 何で二人して溜息ついた? そんな理由で悩んでないってこと?」

春香・千早「………………」

12: 2013/03/16(土) 15:45:01.74 ID:DM/GqdBm0
春香「それじゃあプロデューサーさん、私たち見てますから響ちゃんと軽く挨拶してきてください」

千早「不自然にならないでいつも通りの対応でお願いします」

P「あれー? 何でスルーされたの? 希望を持っちゃダメなの? 泣いて良いの?」

千早「はい、どうぞ」ニッコリ

P「えっ!? 泣けってこと!? 大の大人のマジ泣きだよ!? ドン引きするくらい泣くよ!?」

春香「ほら、プロデューサーさん。千早ちゃんのことは気にせずGO! ですよ! GO!」

P「あ、はい。……何か違う理由で泣きたくなってきた」

千早「泣いたら慰めてあげるのに……まったく」

春香「千早ちゃん、どんだけプロデューサーさんを慰めたいの……」

千早「聞きたい?」

春香「ごめん、やっぱりいいや」

14: 2013/03/16(土) 15:50:02.70 ID:DM/GqdBm0
P「おーい、響。おはよう」

響「ん? はいさい、プロデューサー」

春香(今の挨拶は普通、かな? ちょっと元気が無いけど)

P「えっと……その……何だ……最近、どうだ?」

春香(まるで父親が久しぶりに年頃の子供へ話しかけるような気まずさだ……)

響「えっ? うん……いつもどおり、自分完璧だぞ?」

P「そっか……うん、それなら良いんだ」

響「そ、そう……うん……」

P・響「………………ふぅ」

千早(何かしらこの空気……見てるほうがストレス溜まりそう)

15: 2013/03/16(土) 15:55:02.70 ID:DM/GqdBm0
春香(プロデューサーさん!普通に、話をして、ください!)バッ バッ バッ バッ

P(むっ、春香から765式サインが……しかし普通にって言われても……)

響「プロデューサー? どうかしたのか?」

P「いや、何でもないぞ? そっか、いつもどおりか……」ナデナデ

響「あっ…………えへへ……」

春香(見た、感じ、普通だね、響ちゃん)バッ バッ バッ バッ

千早(春香、私とは、小声で、喋れば、良いのでは?)バッ バッ バッ バッ バッ

春香「そ、そういえばそうだね……思わずやっちゃった、えへへ」

千早「我那覇さん、頭撫でられて喜んでるし……嫌われてはいないと思うのだけれど」

春香「うん、プロデューサーさんが気にしすぎてただけだよ、きっと」

16: 2013/03/16(土) 16:00:02.81 ID:DM/GqdBm0
P(おや? 普通に撫でられるし嫌われてはいなかったのか?)ナデナデ

響「えへへ………………!? っ、やめてっ!」パシン

P「えっ」

響「あっ、ご、ごめん……プロデューサーに撫でられるのが嫌だとか、そういうことじゃなくて……」

P「えっ、でも、えっ?」

響「えっと……その、うぅ……ごめん! プロデューサー!!」ダッ

P「ひ、響!?」

千早「我那覇さん、走って行っちゃったわね」

春香「撫でてる途中でプロデューサーさんの手を払うなんてどうしたんだろ?」

千早「とりあえずプロデューサーにおかしな点が無かったか聞きに行きましょう?」

19: 2013/03/16(土) 16:05:01.61 ID:DM/GqdBm0
P「」

春香「プロデューサーさん、大丈夫ですか?」

P「」

春香「私たちが見てた感じだと、途中で嫌がったように見えたんですけど……」

P「」

春香「何か気づいたことは――って、プロデューサーさん?」

P「」

千早「……春香、プロデューサーが息してないわ」

春香「ええっ!? ……わあぁっ!? 心臓も止まってるよ、千早ちゃん!!」

千早「しっかりしてください、プロデューサー!」パシン パシン

春香「プロデューサーさん!! プロデューサーさん!?」

20: 2013/03/16(土) 16:10:02.41 ID:DM/GqdBm0
・・・・・・

P「はぁ……はぁ……ほっぺが何故か痛い……」

春香「はぁ……はぁ……何とか心臓が動いてくれた……」

千早「はぁ……はぁ……ゾクッと来たわ……ふふっ」

春香「千早ちゃん、無表情でプロデューサーさんを叩いていたのは怖かったよ?」

千早「大丈夫よ、春香。プロデューサーになら叩かれても興奮できるわ」

春香「うん、何が大丈夫かわからないけど、いろいろ手遅れなんだね」

P「それにしても俺は何をしていたんだ?」

春香「記憶が飛んでるのかな……思い出させないほうが良いかも」

千早「我那覇さんの頭を撫でていたら手を払われたんです」

春香「千早ちゃーーんっ!? 何であっさり教えちゃうのっ!?」

23: 2013/03/16(土) 16:15:03.61 ID:DM/GqdBm0
P「えっ? 響が? …………えっ!?」

春香「だ、大丈夫ですよ? まだ本当に嫌われたのかわからないですからっ」

P「そ、そうだよな……響も嫌だからとは言ってなかったもんな」

千早「でも、手を払われたという事実は変わらないですけど」

P「ひぃん! あああああぁぁああぁあぁ」ガクガク

千早「大丈夫です、プロデューサー。私はプロデューサーのこと好きですから」

P「ち、千早ーーっ!!」

千早「よしよし、私の胸で泣いてください」ナデナデ

P「ありがとうー千早ー! 千早は女神さまやー!!」

春香「千早ちゃん……そこまでしてプロデューサーさんを慰めたかったの?」

24: 2013/03/16(土) 16:20:02.63 ID:DM/GqdBm0
・・・・・・

千早「それで我那覇さんの件なのだけれど……」ツヤツヤ

春香「うわぁ……満足気な表情してる……」

P「うぅ……どうすれば良いのやら」

千早「プロデューサー以外の人の場合を試してみたらどうかしら?」

春香「なるほど、原因がプロデューサーさんにあるのか試せばわかるかもしれないよね」

P「それで誰が試すんだ? 春香か? 千早か?」

春香「えっと、それじゃあわた――」


貴音「それなら私にお任せくださいっ!」バンッ

千早「四条さん? 急に現れてどうしたんですか?」

26: 2013/03/16(土) 16:25:03.00 ID:DM/GqdBm0
貴音「ふふっ、愚問ですよ、千早。響の為というのなら私の出番というもの」

春香「はぁ…………はぁ?」

貴音「春香と言えば千早、響と言えば私、これぞ王道というものです」

千早「四条さんが何を言っているのかわからないわ」

P「はるちは、ひびたか……なるほどなぁ……うんうん」

春香「プロデューサーさんは納得してるけど……王道って何の話なんだろ?」

貴音「ともかく私が食事にでも誘えば響も元気になってくれるはず」

P「頼めるか、貴音。食事代は俺が出そう」

貴音「さすがあなた様。ふふっ、私にお任せください」

春香「大丈夫かな……プロデューサーさんの懐」

27: 2013/03/16(土) 16:30:03.40 ID:DM/GqdBm0
・・・・・・

響「はぁ……プロデューサー大丈夫かな……」

貴音「響、元気が無いようですが大丈夫ですか?」

響「貴音……うん、自分大丈夫、だぞ」

貴音「……響、そのような顔で大丈夫と言われても安心など出来ません」

響「うっ……ごめん。で、でもしばらくしたら元気になるから本当に大丈夫だぞ!」

貴音「響……気分転換にらぁめんでも食べに行きませんか?」

響「えっ? ラーメン?」

貴音「おいしいものを食べれば心も豊かになると言うもの。おすすめのお店を案内いたします」ドヤァ

響「……ごめん、貴音。今は遠慮しとくよ」

貴音「えっ……その、らぁめんは嫌でしたか? そ、それでは他のものでも――」オロオロ

28: 2013/03/16(土) 16:35:03.24 ID:DM/GqdBm0
響「自分、今は食欲が無いんだ。食べに行くのはちょっと……」

貴音「響……もしや体調でも崩しているのですか?」

響「えっ……う、ううん、自分大丈夫だぞ。今回は他の人を誘ってよ」

貴音「は、はい……」

響「うぅ……ごめんね、貴音」

貴音「そんなに謝らないでください。響にも都合があるのですから……」

響「う、うん……ホントごめんっ!」

貴音「気にしないでください。それでは私は他の方に声を掛けてきます……」フラフラ


響「ごめん……貴音。でも自分……今、食べると……」

29: 2013/03/16(土) 16:40:02.44 ID:DM/GqdBm0
・・・・・・

貴音「………………」フラフラ

春香「大丈夫ですか? 貴音さん?」

貴音「響に断られました……」ポロポロ

千早「何も泣かなくても……。都合が悪かっただけかもしれないですし」

春香「…………じー」

千早「春香? 私をじっと見てどうかしたの?」

春香(ドSなのはプロデューサーさん限定なんだ)

P「わかるっ! わかるぞっ貴音っ!!」

貴音「あなた様っ! 響がっ、響がっ!!」ガシッ

千早「くっ……四条さん、プロデューサーと抱き合って羨ましい……」

春香「……何か私だけ場違いなんじゃないかな、これ」

31: 2013/03/16(土) 16:45:02.71 ID:DM/GqdBm0
・・・・・・

P・貴音「響ィ……響ィ」ドヨーン

千早「二人ともかなり落ち込んでるわね。どうしたものかしら」

春香「うん、もう直接聞いた方が早いんじゃないかな?」

千早「でも我那覇さんが素直に答えるかしら……」

春香「あー、確かに聞いても大丈夫って答えてたしね。でも他の方法は何かあるかな?」

千早「…………いえ、駄目だわ。他に思いつかないわね」

春香「うーん、やっぱり響ちゃんに聞いてみるしかないかなぁ」

千早「他に方法が無いのならしょうがないわ。聞くだけ聞いてみましょう?」

春香「プロデューサーさんたちもこのまま放っておけないし……そうしよ?」

千早「このままのプロデューサー………………ごくり」

33: 2013/03/16(土) 16:50:02.96 ID:DM/GqdBm0
春香「千早ちゃん、このままならプロデューサーさんを飼えるとか思ってないよね?」

千早「!? ふ、ふふっ、お、おかしなことを言うのね、は、春香。そそそ、そんなわけないじゃない」

春香「どもり過ぎだし目を背けてる時点でもうね……はぁ」

千早「は、春香!? ち、違うのよ? 本当に違うのよ? ちゃんと聞いてちょうだい?」

春香「じゃあ何を考えたのかな? 言えるよね、千早ちゃん?」

千早「う……そ、それは……///」

春香「聞いてって言ったの千早ちゃんだよ? 教えてよ~」

千早「ふぅ……まず始めに落ち込んでいるプロデューサーを慰めることによって私に依存させて、私が居ないと生きていけなく――」

春香「あっ、ごめんやっぱり言わなくて良いよ。そんなことより響ちゃんに聞きに行こう」

千早「えっ!? ちょっ、春香? これからがいいところなのよ? ねぇ春香? 春香?」

34: 2013/03/16(土) 16:55:01.90 ID:DM/GqdBm0
・・・・・・

春香「さぁ響ちゃん! 素直に吐いて楽になろう! さあ!」

響「春香? 急に何なんだ? 素直にって何のこと? あと千早は何で機嫌悪そうにしているんだ?」

千早「何でもないわ……まったく、聞いてきたのは春香じゃない……あと1時間は説明できたのに」

春香「ほら響ちゃん! さっさと吐いて楽になろう! そして私を助けて!!」

響「だから何のことかさっぱりだぞ……」

春香「響ちゃんの様子がおかしいからプロデューサーさんたちが心配してたよ?」

響「うっ……やっぱり心配してくれてたんだな……」

千早「まぁ、今あの二人は仲良く我那覇さんの思い出話で盛り上がってるわ」

春香「いつの間にそんなことになってたんだ……」

響「うえっ!? 思い出話って何だ!? どんなことを話しているんだあの二人は!?」

36: 2013/03/16(土) 17:00:12.03 ID:DM/GqdBm0
千早「辛いことから目を背けて過去の思い出に縋っているのよ……私もそうだからわかるわ」

春香「千早ちゃん……」

響「千早……」

千早「くっ……小さい頃は胸のことで悩むことなんて無かったのに……あの頃は良かったわ」

春香「辛いことって優君のことじゃなくて胸のことなの!?」

響「返せっ、春香と自分の涙を返せっ!!」

千早「83cmの二人にはわからないのよっ、胸のことで悩むなんて無いでしょう!」

春香「えっ……あ、ご、ごめん千早ちゃん」

響「ご、ごめん千早……って何で自分たちが謝る流れになっているんだ?」

千早「少なくても我那覇さんが原因でこんなことになっているのだけれど」

37: 2013/03/16(土) 17:05:03.17 ID:DM/GqdBm0
響「うぐっ、それは……そうなんだけど……うぅ……」

春香「響ちゃん、何があったのかな? プロデューサーさんたちが何かしたわけじゃないんでしょ?」

響「……うん、プロデューサーたちは悪くないんだ」

千早「ということは我那覇さん自身に原因があるのね?」

春香「私たちにも言えないことなのかな? 私たちでよければ相談に乗るよ?」

響「春香……でもこれは相談しても……」

千早「我那覇さん……。強要するわけではないけど、悩みは誰かに話すだけでも楽になれるわ」

響「千早……。わかった、一応ピヨコには話しているんだけど……実は――」

小鳥「ただいま戻りましたー。留守を任せちゃってごめんなさ――ってあれ?」

春香「小鳥さん……良いところで帰ってこなくても……」

39: 2013/03/16(土) 17:10:03.82 ID:DM/GqdBm0
小鳥「な、何なの? 何かあったのかしら? 帰ってきちゃ駄目だった?」

千早「春香。水を差されたけど音無さんは我那覇さんの話を知っているみたいだし許してあげましょう?」

春香「うん、そうだね。小鳥さんも悪気が有ったわけじゃないんだもんね」

響「しょうがないなぁ、ピヨコは」

小鳥「……最近の若い子はわからな――いえっ、私も十分若いわっ!」

春香「小鳥さん……そんなにムキにならなくても」

千早「春香、音無さんもいろいろあるのよ。温かい目で見てあげないと」

小鳥「千早ちゃんたち酷い……。それはそうと響ちゃん、ちゃんと診てもらったかしら?」

響「うぐっ!! そ、それは……まだだぞ」

小鳥「駄目じゃない、酷くなる前に診てもらわないと」

40: 2013/03/16(土) 17:15:02.18 ID:DM/GqdBm0
春香「診てもらう? もしかして怪我とか病気とか!?」

千早「そんな……我那覇さん。それが原因で様子がおかしかったのね」

春香「診てもらえば大丈夫なんだよね!? 響ちゃん、私も付き添うから一緒に行こう!?」

千早「それでどういった病気なんですか、音無さん」

小鳥「はい? 病気というか……ねぇ?」

響「あうぅ……」

春香「じゃあ何なんですか、教えてください! 小鳥さんっ!」

小鳥「何って……響ちゃん、虫歯なのよ」

春香・千早「はい?」

響「ぴ、ピヨコぉ……自分で言うつもりだったのにぃ……」

43: 2013/03/16(土) 17:20:03.20 ID:DM/GqdBm0
小鳥「虫歯が痛いのに歯医者が怖くて診てもらってないみたいなの」

千早「我那覇さんがプロデューサーや四条さんにあんな態度を取ったのは虫歯が原因……」

春香「がっかりだよ、響ちゃん……」

響「ううっ、でも自分、あのドリルの音が嫌なんだ……」

小鳥「そんなこと言って、放っておいたら大変なことになっちゃうわよ?」

響「わ、わかってるさー、……が、我慢できなくなったら行くよ」

春香「そんなこと言って行かないんでしょ、響ちゃん」

千早「はぁ……とりあえずプロデューサーたちにも説明してくるわね」

響「大丈夫だって! 自分完璧だからっ!」

小鳥「本当に完璧なら虫歯にならないでしょう?」

響「ピヨコぉ……」

44: 2013/03/16(土) 17:25:03.48 ID:DM/GqdBm0
P「聞いたぞ響っ!! 最近の態度は虫歯が原因だったんだな!」

貴音「聞きましたよ響っ!らぁめんを断ったのは歯が痛かったからなのですね!」

響「ふ、二人ともどうしたんだ!? 何か怖いぞ!?」

春香「うわぁ……原因がわかったとたん二人とも元気になってるよ……」

千早「我那覇さんが歯医者が怖くて診てもらいに行けないと教えておいたわ」

響「ち、千早!? 何で教えちゃうんだっ!! この二人に知られたら――」

P「よし、じゃあ響。今から歯医者に……」ガシッ

貴音「いざ、参りましょうっ」ズルズル

響「うぎゃーっ!! 助けてー春香、千早、ピヨコーっ!!」

春香「…………響ちゃん、連行されるように連れて行かれてるよ」

千早「早めに診てもらった方が我那覇さんのためよ……ふふっ」

46: 2013/03/16(土) 17:30:04.46 ID:DM/GqdBm0
春香「うん、プロデューサーさんたちも元気になったしこれで良かった、のかな?」

千早「落ち込んだプロデューサーが見れなくなるのは残念だけれど」

春香「千早ちゃん、そればっかだね。そんなに気に入ったの……って、はっ!?」

千早「聞きたい!? 聞きたいわよね!? 何なら歌にしても構わないわよ!?」

春香「い、いやぁ……遠慮したいかなぁ、なんて」

千早「春香、明日は休みよね? うちに泊まって行かない? 春香にも良さがわかるように説明するわ」

春香「……何でだろう、夜通し話を聞くことになる気がするよ。何で私、明日休みなのかなぁ……」

千早「それじゃあ行きましょう、春香? 楽しみだわ、ふふっ」ズルズル

春香「うわーんっ、助けてープロデューサーさーんっ!!」


小鳥「……最近、ああやって連れて行くのが流行ってるのかしら? やっぱり若い子はわからないわ……」

47: 2013/03/16(土) 17:35:03.30 ID:DM/GqdBm0
――後日

春香「響ちゃん、虫歯はもう大丈夫?」

響「うんっ、自分、あれから甘いものを食べ過ぎないように気をつけてるからなっ」

千早「それは良かったわね。でも、本当に気をつけれなければ駄目よ? 我那覇さん」

響「今回みんなにも迷惑かけちゃったしな。ちゃんと反省したさー」

春香「プロデューサーさんに相談を持ちかけられたときはどうなることかと思ったけどね」

響「うぅ……悪かったってばー。あの音が苦手なんだ……今思い出すだけで震えてくるぞ」ガクガク

千早「でもあれからプロデューサーも落ち込むことが無いのよね……」

響「えっ? 千早?」

春香「うん、慰めるなら私たちが原因だと駄目だもんね。何か良いきっかけ起きないかなぁ」

響「は、春香?」

49: 2013/03/16(土) 17:36:04.57 ID:DM/GqdBm0
亜美「おっはよーん! はるるんたち何を話してんの?」

千早「あら、おはよう亜美。落ち込んだプロデューサーがかわいいって話をしていたの」

響「えっ!? そんな話をしていたか? それにプロデューサーがかわいいって……」

春香「何を言っているの響ちゃん! かわいいに決まってるよ!」

響「は、春香? どうしたんだ、いつもの春香らしくないぞ?」

春香「そうだ! 響ちゃんも千早ちゃんの説明を受ければ納得するよ! ねっ?」

亜美「何の話かよくわからないけど……はるるん、それって洗脳じゃあ」

千早「我那覇さん、あとで話してあげるわ。そういえば真美は一緒じゃないのね?」

亜美「うん? 真美も一緒に来たよ? あー、でも真美は歯が痛くて静かにしてるから」

50: 2013/03/16(土) 17:36:40.67 ID:DM/GqdBm0
春香「歯が痛いって……もしかして虫歯?」

亜美「うん。兄ちゃんにバレたら恥ずかしいって我慢してるんだよねー」

響「それって……痛いのを我慢してプロデューサーと会ったら自分と同じように……」

千早「春香っ!」

春香「うん、千早ちゃん! 来たかもしれないよ!」


P「うわーんっ! はるえもーん、ちはえもーん!! 真美に嫌われたかもしれない!!」

春香・千早「キター!! 今行きます、プロデューサー(さん)!!」ダッ

亜美「…………ねぇ、ひびきん。何が起きてるの?」

響「…………自分もよくわからないけど……でも多分、気にしたら負けだと思うぞ?」

おわり

51: 2013/03/16(土) 17:44:15.14 ID:paZtfTOs0

52: 2013/03/16(土) 17:47:42.34 ID:TNwxKzoi0
おつおつ

引用元: P「どうやら響に嫌われたみたいなんだが……」