1: 2010/01/13(水) 19:42:44.58 ID:eFKR53Kf0
純「そうかな?」

憂「膝の上に乗せて動けなくなりたい」

6: 2010/01/13(水) 19:45:48.66 ID:eFKR53Kf0
純「じゃあ、私を膝枕すればいいじゃん」

憂「えっ」

純「ほら私、猫っぽいし」

憂「純ちゃんはカニっぽいよ」

純「は? 私ちゃんと真っ直ぐ歩くし。ジャンケン強いし」

憂「どちらかと言うとカニパンっぽいかなー」

純「あんなパサパサしてないし。辛党だし」

憂「でも猫じゃないよ」

純「猫だって」

7: 2010/01/13(水) 19:48:27.81 ID:eFKR53Kf0
梓「何々? 何の話?」

憂「あっ、梓ちゃん」

純「梓、私って猫っぽいと思うでしょ?」

梓「へっ?」

純「そこは素直にうんと言って」

梓「う、うん……」

純「ほらーっ! ほらほら憂! 梓もこう言ってるじゃん!」

憂「明らかに言わせたよね」

梓「何でそんなに必氏なの純?」

8: 2010/01/13(水) 19:52:27.67 ID:eFKR53Kf0
純「必氏? ひ、必氏じゃないし!」

憂「そんなに言うなら膝枕してあげるよ」

純「べっ、別に憂に膝枕してもらいたかった訳じゃないから!」

憂「じゃあ梓ちゃん、ちょっとここに頭乗せてみて」

梓「急に何よ……いいけど」チョコン

純「えっ」

憂「あっ、やっぱり梓ちゃんって猫っぽいね」

梓「悪かったね」

憂「ううん、嬉しい」ニコッ

10: 2010/01/13(水) 19:56:24.45 ID:eFKR53Kf0
梓「わ、訳わかんない! もういいでしょ!」カァッ

憂「ちぇっ、梓ちゃんのケチ」

梓「人をどーぶつ扱いしといてそれは無い」

憂「いいじゃない。いつもお姉ちゃんに構われてるんだし」

梓「憂がそれを羨ましがるのは変だと思うけど」

憂「そうだね。でも梓ちゃんも好きだから」

梓「ちょ、ちょっとやめてよ、恥ずかしいな!」

憂「えへへっ、照れてるの?」

純(梓ェ……)

11: 2010/01/13(水) 20:11:41.46 ID:eFKR53Kf0
放課後

純「ういー、一緒に帰らない?」

憂「あれっ、純ちゃんジャズ研は?」

純「今日はお休み。毎日ある訳じゃないよ」

憂「ふぅ~ん……結構お休み多いよね」

純「でしょ? 憂も入ったら?」

憂「別に私、かっこいい先輩とか興味ないから」

純「まあ憂もどっちかっていうと、かっこいいグループだもんね」

憂「そうなの?」

12: 2010/01/13(水) 20:16:37.99 ID:eFKR53Kf0
純「だって憂ってば勉強もスポーツも出来て、文武両道って感じじゃん」

憂「あはは、褒めても何も出ないよ~」

純「それなのに気さくでさ――憂みたいに完璧な子って見た事ないよ」

憂「またまたー」

純「いや本当だって! 私だってその……」

憂「ん?」

純「なっ、何でも無いし! へへへ!」

憂「でも私は、うちのお姉ちゃんみたいに、かわいくなりたいな」

13: 2010/01/13(水) 20:19:30.38 ID:eFKR53Kf0
純「お姉さん一筋だもんね~、憂は」

憂「そんな事ないよ」

純「でも唯さん部なんてあったら入るでしょ?」

憂「あるの!?」

純「すごい食い付きじゃん」

憂「むしろあったら潰すけどね」

純「こわっ!」

憂「あはは、冗談だよー、純ちゃん」

純(目が笑ってませんけど)

14: 2010/01/13(水) 20:22:32.59 ID:eFKR53Kf0
……

純「あのさ、憂。またマフラー無くしたって言ってたじゃん」

憂「うん」

純「それで私今、先輩にマフラー編んでるって知ってるでしょ?」

憂「すごい凝ってるやつだね」

純「そう。でさ、練習でね、もう一つ編んだのがあってさ」

憂「へえ~、純ちゃん二つもあれ編んでたんだ。執念だねー」

純「うん。それでさ、良かったら憂貰ってくれる?」

憂「えっ、何で私?」

15: 2010/01/13(水) 20:26:28.53 ID:eFKR53Kf0
純「一応ほら、中学からのツレだし私達」

憂「でも悪いよ」

純「そうやって遠慮される方が傷つくんですけど」

憂「わ、分かったよ」

純「じゃ、これ!」サッ

憂「今? ありがとう純ちゃん」

純「どう?」

憂「うん、すっごくあったかいよ純ちゃん!」

純「本当!?」

16: 2010/01/13(水) 20:30:13.45 ID:eFKR53Kf0
憂「うん。手編みとか初めて貰ったから感動だよ」

純「にへへ……」

憂「練習とは思えない位よく出来てる。純ちゃん編物の天才だね」

純「私、今なら空も飛べるはず」

憂「窪塚的な意味? それとも押尾的な意味で?」

純「両方!」

憂「危ないからやめなよ」

純「憂がそう言うなら」

17: 2010/01/13(水) 20:35:08.87 ID:eFKR53Kf0
数日後

梓「うーいー」ギュウーッ

憂「何するの梓ちゃん」

純「梓!?」

梓「いやね、いつも唯先輩が私に抱き付いて来るでしょ?」

憂「はぁ」

梓「そのお返しよ!」

憂「ちょっと意味が分からないけど」

梓「江戸の敵を長崎で討つ的なアレ?」

純「憂、超嫌がってるし! 離れなさいよ梓!」

18: 2010/01/13(水) 20:38:42.46 ID:eFKR53Kf0
憂「お姉ちゃんに抱きつかれるの、そんなに嫌だったの梓ちゃん?」

梓「――嫌って言うか、公然と抱きつかれるのはちょっと、ね」

純「あんた今、公然と憂に抱き付いてるって!」

憂「澪先輩だって見ているのに?」

梓「え゛っ!?」

憂「でも悔しい、唯先輩もあったかくて気持ちいいです」

梓「ひっ! 読心術? エスパー憂!?」

憂「あ~ず~さ~、よ~む~ぞぉ~!」

梓「にゃあああああぁっ!!」ズサーッ

19: 2010/01/13(水) 20:42:06.02 ID:eFKR53Kf0
憂「今、梓ちゃんにゃあって言ったね純ちゃん」

純「うん」プクク

梓「なっ、言ってないから! 悲鳴の発音良すぎただけだから!」

純「人の悲鳴であんなの初めて聞いたよ」

憂「日に日に猫化していく梓ちゃんかわいい」

梓「人を妖怪みたいに言わないで!」

純「あ、あのさー、憂」

憂「うん?」

純「実は猫飼い始めたんだ私」(小首を傾げる憂マジ萌える……)

20: 2010/01/13(水) 20:46:06.94 ID:eFKR53Kf0
憂「えっ、本当!?」

梓「……」ピクッ

純「うん――だからさ、そんなに猫好きなら、うちに見に来ない?」

憂「本当ー!? 行く行く!」

純「じゃあ今度の休み遊びおいで」

憂「わぁ、楽しみだな~」

梓「ね、ねえ純……」

純「梓? 何?」

梓「私も純の猫、見てみたいなぁ~って」

22: 2010/01/13(水) 20:50:10.25 ID:eFKR53Kf0
純「えっ」(憂との二人きりの時間を邪魔する気?)

憂「えへへ」

梓「な、何よ」

憂「梓ちゃんも相当な猫好きとみた」

梓「うぐっ、エスパー憂恐るべし……」

純「そ、そういう事なら別にいいよ」

梓「本当!? ありがとう純!」ガシッ

憂「今からワクワクするね」

純「あはは」(梓は嫌いじゃないけど……うぅ)

24: 2010/01/13(水) 20:54:35.41 ID:eFKR53Kf0
そして休日

憂「ねえ梓ちゃん、猫ってセミ食べるよね」

梓「ふぅんそうなんだ」

憂「どんな味なのかな?」

梓「何故それを私に聞く」

憂「ほら、梓ちゃんってワイルドだから」

梓「ワイルドって……」

憂「サバイバル的な事をしてそうな感じ」

梓「憂の中で、変な梓像を作るのはやめて」

25: 2010/01/13(水) 20:59:58.11 ID:eFKR53Kf0
純の家

純「いらっしゃい憂、梓」

梓「あれっ? メガネしてる」

純「家ではコンタクトしないから」

梓「へぇ、純って視力弱かったんだ」

憂「でもメガネも似合うよね」

純「そ、そう?」(今度からメガネでも登校してみようかな)

梓「えーっ、野暮ったいよ。いつもの方が絶対いい」

憂「う~ん……私はありだと思うけどなー」

梓「ない。絶対ないって」

純「……」

26: 2010/01/13(水) 21:04:03.32 ID:eFKR53Kf0
……

憂「へぇ~、これが純ちゃんの猫かー」

梓「か、かわいいね!」

純「でしょう?」

憂「名前は何て言うの?」

純「ニャー太」

梓(うわっ、何そのベタな名前)

憂「いいね!」

梓「えっ」

憂「その名前すごくいい」

28: 2010/01/13(水) 21:09:12.27 ID:eFKR53Kf0
純「そ、そうかな?」

憂「うん! 純ちゃんすごくセンスあるよ」

純「照れるし、なはは……」

梓「……」ナデナデ

ニャー太「ニャア」

純「あっ、梓もうニャー太を手懐けたの?」

梓「ふにゃん」

ニャー太「ゴロゴロ」

憂「会話してる?」

29: 2010/01/13(水) 21:14:35.22 ID:eFKR53Kf0
梓「にゃおにゃお」

ニャー太「フギャ」

純「梓……」

憂「こうしていると、どっちが猫か分からないね」

純「間違えて梓置いてかないでよ」

梓「ひどい」

憂「あっ、ニャー太が喋った」

梓「早速間違えんな!」

30: 2010/01/13(水) 21:19:22.55 ID:eFKR53Kf0
憂「梓ちゃん私にも猫触らせてよ」

梓「う、うん……それいけあずにゃん二号」

純「梓、名前ニャー太だから」

憂「あはは、かわいい~」

ニャー太「フニャー」

憂「それにしても人懐っこい猫だね」

純「そう?」(おかしいな、私は良く引っかかれるんだけど)

憂「あっ……寝ちゃった」

純「ふふ、憂、膝の上に猫乗せる念願叶ったね」

33: 2010/01/13(水) 21:24:22.37 ID:eFKR53Kf0
憂「えへへー、純ちゃんのお陰だよ。ありがとう」

純「うん」ポッ

梓「はー、何だか私も眠くなってきた」

純「いつまで猫とシンクロしてんの。音楽でも聴く?」

梓「へえ、ジャズ研のセンス、聴かせてもらいましょうか」

純「何で上から目線なのよ」

梓「そりゃ親プロだから。耳はブクブク肥えてるよ」

純「変なプレッシャーかけないで」

梓「冗談ですー、にゃは♪」

純(くそ、むかつくけどかわいい……)

35: 2010/01/13(水) 21:29:37.39 ID:eFKR53Kf0
梓「ねえ純、お茶菓子はないの?」

純「ああ、はいはい」

梓「さぁて、私の舌を満足させる事が出来るかな?」

純「はい?」

梓「何せ、いつもムギ先輩の高級菓子を食しているからね私」

純「無理だね。梓の分は用意出来そうにない」

梓「ちょい待ち! たまには庶民のお菓子を味わうのも悪くない!」

純「いつから貴族になったのよ、あんた」

36: 2010/01/13(水) 21:33:53.60 ID:eFKR53Kf0
梓「あっ、純! 憂を見て!」

純「ん……なっ!?」

梓「猫を抱いて、座ったまま寝ている――しかもめちゃくちゃ姿勢正しい!」

純(う、美しい!)ダッ

梓「どうしたの純?」

純(すごいわ憂! パンチラしてないのが残念だけど!)パシャッ

梓「……何してんの純?」

純「う~ん、こっちの方がいいかなー」パシャッ

梓「純、お菓子も用意せずに何してんの?」

37: 2010/01/13(水) 21:38:16.00 ID:eFKR53Kf0
純「えっ、あっ、お、おもしろいから写真撮っているに決まってるじゃない!」

梓「ちょっと純、確かに傑作だけど」

純「こんなシャッターチャンス、滅多に無いんだからね!」パシャッ

梓「あんまりおもしろがったら憂かわいそうだよ」

純「失礼な! 私憂の事、誰かに見せびらかしたりしないし!」クワッ

梓「い、いや、それならいいんだけど」

純「フォウッ!」パシャッ

梓(じゃあ何で、そんな熱心に撮ってるんだろう……)

38: 2010/01/13(水) 21:50:00.60 ID:eFKR53Kf0
……

憂「純ちゃん」

純「あっ、憂起きた?」

憂「ごめん私寝ちゃってたんだ」

純「いいよいいよ別に」(レアな寝顔撮れたし)

憂「えへへ――純ちゃん家って落ち着くよね」

純「そう? 何なら住む?」

憂「あはは、お姉ちゃんみたくなっちゃいそう」

純「えっ、憂がお姉さんみたいに?」(ありえないっ! でも……)

梓「純、ばかうけ無くなったー」

40: 2010/01/13(水) 21:55:31.80 ID:eFKR53Kf0
……

憂「さて、そろそろ帰らないと」

純「えっ、もう?」

憂「うん。晩御飯作らなきゃいけないし」

純「そっかぁ……」

梓「憂は大変だねー」

憂「でもニャー太と遊べて、楽しかったよ」

純「そ、そう?」

憂「ありがとう純ちゃん」

純「へへへ……」

41: 2010/01/13(水) 21:59:39.32 ID:eFKR53Kf0
梓「でも純、お別れの前に結構毛だらけなんだけど」

純「あっ」

憂「本当だ」

梓「あずにゃん二号といっぱい遊んだもんね」

純「ニャー太だってば。ごめん今ガムテで取るから」ベリッ

憂「ひゃっ! じ、自分で出来るよ純ちゃん!」

純「ダメッ! 素人がやると服の繊維が傷むッ! 任せて!」ベリベリ

憂「はぁ……」

純(労せずして憂にボディタッチ! ナイスな展開じゃないの!)ハァハァ

42: 2010/01/13(水) 22:04:50.98 ID:eFKR53Kf0
梓「純、早く私にもやって」

純(くっ、梓にまでやるのは面倒臭い!)ベリベリ

梓「じゅーん」

純(だが、ここで否定する事はさっきの言い訳の理に反する!)ベリッ

梓「はーやーくーぅー」バタバタ

憂「純ちゃん、私もういいから梓ちゃん綺麗にしてあげてよ」

純「いや、もうちょっとだけだから!」ベリッ

梓「純純じゅーん!」ゴロゴロ

純「ちょーっと待っててね、梓」(うぜぇ……)

43: 2010/01/13(水) 22:11:39.71 ID:eFKR53Kf0
平沢家

憂「ただいまー」

唯「あっ、ういー! おかえりっ!」

憂「えへへっ、お姉ちゃんお腹空いてるよね? すぐに――」

和「心配ないわ憂」

憂「あっ、和さん! いらしてたんですか!?」

和「ええ、たまの休み位、私が唯の勉強見てあげないと」

唯「あうぅ~、私は普通にのんびりしたかったのに」

和「唯ったらそうやって、いつまでもサボるんだから」

唯「もう、和ちゃんのいじわるー」プクー

憂「でもお姉ちゃんは、やれば出来る人です」キリッ

44: 2010/01/13(水) 22:16:37.67 ID:eFKR53Kf0
唯「うい~、大好き!」ガバッ

憂「えへへ……お姉ちゃん和さんが見てるから」ポー

和「コホン、とにかく今日は私と唯で何か作るから。憂はゆっくりしてなさい」

憂「えっ、そんな」

唯「いいからいいから。憂はゴロゴロしててよ」

憂(純ちゃん家でも、思いっきりゴロゴロして来たんだけど)

和「たまには、ね」

憂「はい……分かりました。それじゃあお言葉に甘えます」

唯「よーし、お姉ちゃん張り切って作るよ憂!」

46: 2010/01/13(水) 22:20:29.49 ID:eFKR53Kf0
……

憂「ご馳走様です」

唯「ふぃ~、お腹ぽんぽんだよ和ちゃん」

和「ほら唯、ソースつけてるよ」ゴシゴシ

唯「ありがと~、和ちゃん!」グリグリ

和「ゆーい、この後は洗い物でしょ」

唯「ほへふひは~」ヘナヘナ

憂「あっ、それ位、私やり――」

和「いいの。憂はじっとしてて」

憂「は、はい」ウズウズ

47: 2010/01/13(水) 22:24:23.45 ID:eFKR53Kf0
唯「ねー、そういえば猫どうだったの?」

憂「純ちゃんの? うん、かわいかったよ~」

唯「あ~、いいないいなー、私も触りたかった」

憂「梓ちゃんに、特に懐いてた」

唯「うわ~、何それすごい! まとめてかわいがりたい!」

和「唯も憂も昔っから小動物好きよねー」

唯「うん。でも今はいないからつまんない」

和「私は犬の方が好きかな。しつけられるし」

唯「あはは、私はどっちも好き~」

49: 2010/01/13(水) 22:28:15.35 ID:eFKR53Kf0
憂「でも飼うとなると、やっぱり大変ですよ」

唯「私、頑張って面倒見ますよ!?」

和「唯はその前に、自分がもっとしっかりしないと」

唯「あはは、ハッキリ言いますなぁ和ちゃん!」

和「もう、開き直っちゃって唯ったら」

憂「それがお姉ちゃんのいい所なんですよ!」

唯「えへん!」

和「はは……そうかなぁ」

50: 2010/01/13(水) 22:31:35.96 ID:eFKR53Kf0
……

和「じゃあ私、そろそろ帰るわね」

唯「あっ、送って行くよ和ちゃん!」

憂「私も行きます」

和「ありがとう。お願いするわ」

唯「よーし、暗いから三人で手を繋いで行こう!」

憂「うんっ!」

和「ふふっ、変わらないわね」

唯「あれっ……ういー、そのマフラーどうしたの?」

52: 2010/01/13(水) 22:35:00.87 ID:eFKR53Kf0
憂「あっ、これ? 純ちゃんに貰ったんだ」

唯「へ~」

憂「ごめんね、お姉ちゃんに折角貰ったマフラー、無くしちゃって」

唯「もういいよ。しょうがないじゃん」

和「あったかそうなマフラー貰えて良かったわね」

憂「はい。しかも手編みだそうで」

唯「ふぇー、これが噂の手編み! 初めて見ました!」

和「あらあら、手編みだなんて。随分仲のいいお友達なのね」

53: 2010/01/13(水) 22:39:12.96 ID:eFKR53Kf0
憂「い、いえ、友達には元々渡したい人がいてですね」

和「ほうほう」

憂「これはその本命の為に、練習で作ったって事なので」

唯「練習でこんなの編めるなんて純ちゃんすごいね!」

和「ふふ……なるほどそういう事か」

憂「本当にそうですから! 深い意味なんて無いですよ!」

和「分かってるわよ」ナデナデ

憂「はい……」カァッ

唯「いや~、お姉ちゃん純ちゃん尊敬しちゃうなっ!」

54: 2010/01/13(水) 22:44:07.97 ID:eFKR53Kf0
月曜日

純「おはよー、憂」

憂「お、おはよう純ちゃん」

純「どうしたの憂?」

憂「な、何でも」(もう和さんが変な事言うから意識しちゃうよ)

梓「純おはよう。話してたCD、持って来たよ」

純「はいはい、プロのお墨付き、ありがたくお借りしますよ」

梓「そ、それはただの悪ノリだから。あんまりからかわないで」カァッ

純「うん……」(抱き締めたくなるから、不意に照れるのはやめて欲しい)

56: 2010/01/13(水) 22:50:47.94 ID:eFKR53Kf0
二年二組の教室

律「昨日ちょっと散歩してたらさー」

唯「うん」

律「澪の奴が橋で川見ながら佇んでたんだ」

唯「へえ~、どうして?」

紬「鯉でも見ていたんじゃないのかしら」

唯「あっ、なるほどー」

律「――いや私はさ、もしや飛び降りかと思って」

唯「えっ、この時期に飛び込み?」

紬「温度とか水深は大丈夫なのかしら……」

58: 2010/01/13(水) 22:56:25.70 ID:eFKR53Kf0
律「だから止めたんだ『早まるな澪ー』って」

唯「ていうか汚いよねー、川は」

律「そしたら『自殺なんてする訳無いだろバカ律!』って」

唯「うん、そうなるよね」

律「それで、こっ酷く怒られちゃったんだ」

紬「りっちゃんは悪くありません!」

律「じゃあ何で、川なんか見てるんだって聞いたらさ」

唯「分かった! 渦巻き探してた!」

律「『情緒も分からないのかバカ律!』って」

60: 2010/01/13(水) 22:59:37.13 ID:eFKR53Kf0
唯「まるでバカりっちゃんのバーゲンセールだね」

紬「りっちゃんはお買い得なの!」

律「ああ私の早とちりだよ! でも澪の奴、あまりにバカバカ言い過ぎじゃね!?」

唯「あれっ、傷ついてたのー、りっちゃん?」

紬「ゆ、唯ちゃん!」

律「ううっ、悔しい、悔しいよー、ムギ~!」ガバッ

紬「りっちゃん……」ヨシヨシ

唯「あはは、りっちゃんは澪ちゃんの事になると、しつこいよねー!」

63: 2010/01/13(水) 23:03:56.89 ID:eFKR53Kf0
律「くそぅ唯! お前の血の色は何色だーっ!」

唯「やだなぁりっちゃん、マジで怒っちゃいやん」ビクッ

律「いや怒ったぞ。人が黙っていればバカにして!」

唯「許してよー、ほら、パンツ見せてあげるから」ピラ

紬「ブホッ」

律「おい、何してんだ唯!?」

唯「えっ、ダメかな? 憂ならこれでいつも許してくれるんだけど」

律「どんな仲直りだ、そりは!」

紬(唯ちゃんと憂ちゃんったら、やっぱりいけない関係なの!?)ハァハァ

64: 2010/01/13(水) 23:09:30.74 ID:eFKR53Kf0
唯「というのは冗談ですが」

律「冗談かよ! ていうか微妙にリアリティのあるウソをつくな!」

紬「私には今の台詞は聞こえなかった」

唯「じゃあ肩をお揉みしますからー」

律「しゃーねえ、それで手を打ってやるよ」

唯「えへへっ! りっちゃんだーい好き!」ガバッ

律「ちょっ、抱きついてるだけじゃん!」カァッ

紬「じゃあ私もー」ムギューッ

律「こらっ! 苦しいだろもう!」

65: 2010/01/13(水) 23:15:08.72 ID:eFKR53Kf0
放課後

純(あっ、梓にノート借りっ放しだった……軽音部に届けるか)

和「あら、鈴木さんよね?」

純「え゛っ、生徒会の真鍋先輩!?」

和「光栄ね。名前を知っててくれてたの?」

純「そ、それはこっちの台詞というか」(うわ、やっぱりこの人かっこいい)

和「そっち音楽室よね? 軽音部に用事?」

純「はい、梓にノート届けようと」

和「私もヤボ用でね。一緒に行こうか」

純「はひっ、是非!」

66: 2010/01/13(水) 23:19:01.45 ID:eFKR53Kf0
さわ子「あら、珍しい取り合わせね」

和「山中先生こんにちは」

さわ子「真鍋さん、そっちはえっと佐藤さん?」

純「す、鈴木です」

さわ子「あ、ゴメンね、ちょっと外した」

純「いえ……」

さわ子「一度、軽音部に入ろうとしてくれた子よね?」

純「そうです」

さわ子「で、どうしたの? すごい時間差だけど入部しに来たの?」

67: 2010/01/13(水) 23:25:37.62 ID:eFKR53Kf0
純「い、いえあのー」

和「先生、憶測でものを言うもんじゃありません。困ってるじゃないですか」

さわ子「真鍋さんに怒られちゃった……」シュン

純「や、その私は別に大丈夫と言うか」

さわ子「そうよね! 真鍋さん気にしすぎ!」

純(立ち直りはやっ!)

和「憂から聞いたんだけど、鈴木さん猫飼い始めたのよね」

純「あ、はい。中々手間のかかる奴でして」

さわ子「へー、猫! 猫はいいわよね自由で! 私も猫大好き!」

純「先生も猫飼ったりしてるんですか?」

68: 2010/01/13(水) 23:29:44.03 ID:eFKR53Kf0
さわ子「えっ? 私は飼わないわよ」

純「好きなのに?」

さわ子「ほら、猫で満足すると独身引きずるって言うじゃない」

和「そうなんですか?」

さわ子「そうよ。かわいい顔して奴等、人間を堕落させる悪魔の生き物なのよ」

純(一転してひどい言われようだ!)

和「でもそれは、人によるんじゃないですかね?」

さわ子「ダメよ! キミの夢が叶うのは猫のお陰じゃないのよ!」

和「ちょ、ちょっと落ち着いて下さい。私が悪かったですから」

純(何だこの人……)

69: 2010/01/13(水) 23:34:47.66 ID:eFKR53Kf0
翌日

純「昨日、うちの親マジ喧嘩してさ、びびったよ」

憂「喧嘩かー、うちの両親じゃ見た事ないなー」

梓「憂の両親って、未だにラブラブしてるバカップルなんだよね」

憂「恥ずかしながらそうだね。ペアルックとかしちゃってるし」

純「うわぁ……」

梓「林家ペー、パー夫妻か」

憂「あはは……きっついよね」

純「まあ平和なのは何よりじゃん」

憂「でも喧嘩する程、仲が良いとも言うよ」

純「うん、ありがとう憂」

71: 2010/01/13(水) 23:42:23.26 ID:eFKR53Kf0
……

梓「ねえ憂って、本当に軽音部入る気ない?」

憂「出し抜けにどうしたの梓ちゃん」

梓「だってあれだけギター弾けるのに、勿体無いなって」

純「えっ、憂ってギター弾けたの? かっこいい!」

憂「た、大した事無いよ」

梓「それがね、唯先輩に教えられる位の腕前」

純「すごいじゃん!」

憂「違うよ。お姉ちゃんは説明書読まないタイプってだけで――」

梓「でも憂が実践して教えてるのは、確かでしょ」

73: 2010/01/13(水) 23:49:56.12 ID:eFKR53Kf0
憂「はあ……でもそれと上手さは、関係無いと言うか」

純「お姉さんもギター持つとかっこいいよね」

梓「唯先輩が本気を出したら、そりゃあすごいよ」

憂「でしょ、梓ちゃん」ニコニコ

純「ていうか梓って、秋山先輩に憧れてたんじゃ?」

梓「そ、それは置いといて! とにかく一年が私だけって状況がさ」

純「結局仲間が欲しいだけじゃない」

梓「そうよ、悪い?」

憂「あはは、誘ってくれるのは嬉しいんだけど」

74: 2010/01/13(水) 23:54:22.30 ID:eFKR53Kf0
梓「えー、いいじゃない! 入ってよういー!」

純(こいつもしや、憂まで狙い始めたんじゃ)

憂「ほら私の両親、ほとんど海外だから」

梓「やだやだー!」

純(そうだ。私のサードアイがそう告げている)

梓「憂が入ってくれないと、将来的に軽音部の存続がやばいんだよ!」

純(山中先生の言う通り、猫は悪魔の生き物なのかも)

憂「多分、大丈夫だって」

純(秋山先輩にお姉さんに、今度は憂。こいつ手当たり次第じゃないの)

76: 2010/01/14(木) 00:00:06.62 ID:1RkhIzaJ0
梓「憂のいじわる! 人でなし!」

純「こら梓、いい加減にしな! 無理強いは良くないよ!」

梓「じゃあ純が入って」

純「はい?」

梓「ベースとかやれそう。雰囲気的に」

純「や、やらないわよー!」(わ、私までターゲット!?)

梓「入部すれば、もれなくムギ先輩のティータイムにあずかれるよ」

純「無理! 私みたいな普通人には向かない!」

梓「なによ純! 私が普通じゃないとでも言うの!?」

77: 2010/01/14(木) 00:06:25.07 ID:1RkhIzaJ0
憂「まあまあ梓ちゃん、純ちゃんも」

純「べ、別に喧嘩してる訳じゃないし」

梓「あの、私がちょっとしつこすぎた。ごめん……」

純「いいって、梓の気持ちも分かるよ」

憂「誘ってくれたのは嬉しかったよ、梓ちゃん」

梓「ふ、ふん! 急に優しくするのはやめて!」カァッ

憂「梓ちゃん……」(抱き締めていいかな)

純(かわいい――いやっ、騙されるな! 私には憂だけよ!)

81: 2010/01/14(木) 01:00:11.65 ID:1RkhIzaJ0
放課後

純「ういー、一緒に帰ろう」

憂「今日もジャズ研ないの?」

純「うん。たまには一緒にお茶しない?」

憂「そうだね。行こっか」

純「本当!?」ガタタッ

憂「そ、そこまでテンション上がらなくても」

純「い、いや普通よ、普通!」

憂「ふ~ん」

82: 2010/01/14(木) 01:04:50.28 ID:1RkhIzaJ0
……

梓「もっと練習したかったです」

律「今日はムギが風邪で休んじゃったし、たまにはいいだろ」

唯「じゃ、ムギちゃんのお見舞い行こっかー?」

澪「いや、こんなの連れて行ったら、ムギも気疲れするよ」

律「何だとこのぉー!」

唯「例えるなら、隣の人が壁ガンガン蹴ってても、音楽止めない人だもんね」

律「えっ? そ、そこまで迷惑な奴じゃないよ!?」

澪「まあ、ほんのちょっと言い過ぎだぞ唯」

律「ほんのちょっと!?」

84: 2010/01/14(木) 01:10:33.63 ID:1RkhIzaJ0
唯「でも、ムギちゃんいないと寂しいよね」

律「お菓子が無くってか~?」

唯「む~、私はりっちゃんとは違うんです!」

律「あはは! どうだかなー」

唯「バ~カバカバカ、バカりっちゃん!」

律「ほいほ~い、バカですよ~、ほげぇー!」グニー

唯「ふひゃっ! ちょ、りっちゃんその顔やめ――ひひ!」

梓「でも、いつも休んでるみたいなもんじゃないですか」

澪「まあムギが戻って来たら思いっきりやろうよ。な、梓」

85: 2010/01/14(木) 01:16:04.69 ID:1RkhIzaJ0
梓「そんな事言って、ムギ先輩が戻って来ても病み上がりだからとか――」

唯「あずにゃんあずにゃん、りっちゃんの顔見て――ブホォ!」

梓「そういう理由つけてサボるんじゃないですか?」

律「ギックー!」

梓「何がギックーですか、バカじゃないですか」

律「こっ、後輩にまでバカと言われた!」ガーン

唯「あははは! ひぃー、腹痛いー!」

律「部長だぞ! 偉いんだぞー!」

梓「自分で偉いとか言う時点でナシです」

87: 2010/01/14(木) 01:22:56.23 ID:1RkhIzaJ0
律「ナシって言われたー!」

唯「シャクシャクしてうまいんだー!」

澪「いい加減にしろお前ら」

梓「やってられねえです」

唯「まあまあ、あずにゃん機嫌直して!」ギュッ

澪「そんなんで直る訳が……」

梓「……」ポー

澪律「「直ってるー!!」」

梓「そっ、そこまで単純じゃないですー!」バタバタ

88: 2010/01/14(木) 01:28:31.19 ID:1RkhIzaJ0
唯「む、手強い……澪ちゃんタッチ」

澪「へ?」

律「そうか! 梓が懐いている澪がやれば効果は二倍……いや三倍だ!」

梓(み、澪先輩が私を抱き締める!?)ドキドキ

澪「そんな事、急に言われても……」

梓「澪先輩……」

澪(うっ、梓かわいい)カァッ

唯「さあ澪ちゃん! やっちゃって!」

89: 2010/01/14(木) 01:35:14.16 ID:1RkhIzaJ0
澪「でっ、出来るかっ!」

唯「えぇー」

澪「ふざけてないで帰るぞ!」(本当はやりたかったー!)

律「澪の意気地なしー」

澪「あ、梓だって迷惑だろ、こんなの」

梓「そうですか……」シュン

澪「うっ……」(くそ! どうして唯みたいに出来ない!)

唯「しょうがないあずにゃん、私で我慢だよー!」ガバッ

梓「べっ、別に唯先輩は、我慢とかそんなんじゃないです……」ポッ

90: 2010/01/14(木) 01:43:15.71 ID:1RkhIzaJ0
澪「……」シュン

律「澪も少しは素直になったらいいのに」ツン

澪「くおっ! 律、横っ腹はやめろ!」

律「じゃあいつもの」モニモニ

澪「おーまーえーはぁー!」ギュウー

律「うへっ、苦しい! 氏ぬって!」

唯「あはははは!」

梓「律先輩は懲りないですね」

91: 2010/01/14(木) 01:49:40.79 ID:1RkhIzaJ0
どっかのカフェの店内

純「あれっ、あれ軽音部の人達じゃない?」

憂「あっ、本当だ。早引けしたのかな」

純「うわ、お姉さんが梓に抱きついてる」

憂「……」

純「梓楽しそうだねー、何か」

憂「う、うん。お姉ちゃんも軽音部は、すっごく楽しいって言ってるよ」

純「そっかあ、私も……」(いや言うまい)

憂(そういえば昨日から、お姉ちゃんとハグしてないな……)

93: 2010/01/14(木) 01:53:59.39 ID:1RkhIzaJ0
純「ねえ憂、今日もつけてくれたんだマフラー」

憂「あ、うん。愛用させてもらってるよ」

純「へへ、嬉しいなあー。物を贈るっていいもんだね」

憂「純ちゃん、先輩には渡せたの?」

純「あ、いやまだ完成してなくて」

憂「何それ。ふふっ、純ちゃん無理せず、これ渡せば良かったんじゃない?」

純「いいよ。そんなに大事に使ってもらってるし、後悔はないよ」

憂「純ちゃん!」ガバッ

純「う、憂っ!?」

95: 2010/01/14(木) 01:59:09.90 ID:1RkhIzaJ0
憂「えへへっ、ごめんつい」

純「あはは、つい、ね」ポー

憂「私って寂しがり屋なのかも」

純「そ、そうね」(ううう憂が私に抱きついて来るとか、現実が夢なの?)

憂「純ちゃんってかわいいよね」

純「うっ、憂はかっこいいよっ!」カァッ

憂「えへへっ、照れるよ~、照れるよね?」

純「う、うん……」(何この幸せ空間? ストップさせたいんだけど!)

97: 2010/01/14(木) 02:19:08.39 ID:1RkhIzaJ0
平沢家

唯「ういー、ただいまっ!」

憂「おかえり~、ギー太」

唯「えっ? 憂、お姉ちゃんにおかえりは?」

憂「猫臭い」

唯「へっ?」

憂(ど、どうしてあんな事を……梓ちゃんに嫉妬?)スタスタ

唯「う、憂――待って!」ガバッ

憂「……」

98: 2010/01/14(木) 02:23:10.03 ID:1RkhIzaJ0
唯「憂どうしたの憂? 私何かした?」

憂(ううっ、お姉ちゃんがかわいすぎるせいだよ!)カァー

唯「うい~?」

憂「えへへ」ニコッ

唯「!?」

憂「何でもないよっ! おかえりお姉ちゃん!」

唯「……変なういー」

憂(かわゆいは罪ですよ、お姉ちゃん!)


おしまい

103: 2010/01/14(木) 06:59:45.96 ID:1RkhIzaJ0
後日談

純「くふっ、くふふふふ」

梓「純どうしたの? キモいよ」

純「いや、もしかしなくても私達は両思いなのかと」

梓「何が?」

純「私のサードアイがそう告げている」

梓(邪気眼だと……?)

憂「おはよー」

純「!!」ガタタッ

104: 2010/01/14(木) 07:08:08.85 ID:1RkhIzaJ0
憂「純ちゃんおはよう。今コケた?」

純「あ、いっ、うん」カァー

梓「憂おはよう」

憂「梓ちゃんおはよう。ちょっといいかな?」

梓「お金なら貸さないよ」

憂「違うよー」ギュッ

梓「……へ?」

純「えぉ?」

105: 2010/01/14(木) 07:12:42.07 ID:1RkhIzaJ0
梓「う、憂? 急に抱きついたりして……」

憂「だってお姉ちゃんばっかりずるいと思って」

梓「ええ?」

憂「それにこの間、梓ちゃんも私にやったじゃない」

梓「あはは――でもそろそろ離れて。周りの目が痛い」

純(物理的に痛い目に遭わせてやろうか)ギリッ

憂「えへへっ、全然普通の事だよ。昨日も純ちゃんともハグしたし」

梓「はい?」

純「なん……だと?」

106: 2010/01/14(木) 07:20:17.28 ID:1RkhIzaJ0
憂「お姉ちゃんと梓ちゃんだって、いつもしてるでしょ?」

梓「ゆ、唯先輩のスキンシップはあんまり普通じゃないんじゃないかな」

純(普通……普通の事……)ズーン

憂「いいよ。私お姉ちゃんみたいになりたいんだもん」

梓「それは――」

純「ダメだよ!!」

憂「純ちゃん?」

純「憂は憂でなきゃ! お姉さんみたいな憂なんて見たくない!」

107: 2010/01/14(木) 07:25:22.79 ID:1RkhIzaJ0
憂「純ちゃん……」

梓「私もどうかと思うよそれは」

憂「お、お姉ちゃんみたいにって言っても全部じゃなくて」

梓「いや、憂が唯先輩みたいに抱きついたら違和感ある」

憂「そんなどっかのプロ野球選手みたいな……」

梓「ダメだよ。故障者リスト入り間違いない」

純「何の話をしてるのよ!?」

憂「あ、野球ネタは純ちゃんダメだったね」

108: 2010/01/14(木) 07:29:32.85 ID:1RkhIzaJ0
純「とにかく憂は憂で憂あっての憂なんだから!」

梓「純、考えまとめてから話そうね」

憂「き、気持ちは伝わったよ。確かに私も無理してたかも知れない」

梓「そうよ。憂には憂のいい所があるんだから」

純「そう! それそれ!」

憂「あ、ありがとう二人とも」

梓「っていうか完璧な憂が唯先輩の真似したら腹立つのよ!」

純「それよ!」

憂「ごめんなさい」


おわり

109: 2010/01/14(木) 07:56:25.02 ID:uKpYpAPO0
おおー

110: 2010/01/14(木) 10:21:09.55 ID:obJcX1viO
おつ

引用元: 憂「猫ってかわいいよね」