1: 2013/03/10(日) 02:17:44.39 ID:rAUCvunEo
白坂小梅(所属している……プロダクションが……合併して一か月………)

小梅(私の所属するEグループは浜川愛結奈さんと宮本フレデリカさんで三人……)

小梅「………」ポチポチ

新着メール:1件

小梅「……あっ……」ポチポチ

フレデリカ『おっはー☆何か今日新しいイベントの説明があるみたいよ?』

小梅「………」

モバP「プロダクションが合併して……」
THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 022白坂小梅
3: 2013/03/10(日) 02:21:06.62 ID:rAUCvunEo
------ レッスン場

ガチャ

小梅「お、おはよう……ございます」

P「おはよう、小梅」

小梅「………」キョロキョロ

P「ははっ、二人はまだ来てないよ」

小梅「そ、そうなん……ですか」

P「まだ10月なのに今朝はちょっと冷えるね、皆が来るまでストーブつけようか?」

小梅「だ、大丈夫……です」

P「……そっか」

P「にしても、このレッスン場、空調くらいつけてくれてても良いのに……」

P「Eグループ専用とは言っても何とも設備が乏しい所だね」

小梅「で、でも……私は……こ、ここ好き……」

P「そう?そう言って貰えると良かったよ」

4: 2013/03/10(日) 02:24:29.87 ID:rAUCvunEo
>>2 多分また長くなるので引越してきました

※続きものになります

前スレはVIPになりますが

モバP「プロダクションが合併して……」

という名前で立てました

5: 2013/03/10(日) 02:28:12.31 ID:rAUCvunEo

6: 2013/03/10(日) 02:30:50.63 ID:rAUCvunEo
P「よしっ、皆揃ったね」

フレデリカ「ふわぁ~、オール明けは眠いなぁ」

愛結奈「にしても今朝は寒いわね……」

P「レッスン中にストーブつけるわけにもいかないからね……」

フレデリカ「ところで、プロデューサー次のイベントってなーに?」

P「うん、一週間後の日曜日に他のプロダクションと共同でメイドコレクションってイベントをやる事になったんだ」

愛結奈「メ、メイド?」

小梅「戦慄のティーパーティ……?」

P「違うよ小梅、やるのはただの喫茶店だから」

小梅「……ちがう」シュン

P「うちからは小梅とフレデリカにメイドをやって貰う事になるから」

小梅「わ、私……ですか?」

フレデリカ「フンフフーン♪面白そうっ!」

愛結奈「プロデューサー、ワタシは何をすれば良いの?」

P「……愛結奈は男装してウェイターをする事になってるね」

愛結奈「……マジ?」

P「そうみたい」

愛結奈「はぁ……まぁ、いいわ」

7: 2013/03/10(日) 02:33:03.24 ID:rAUCvunEo
P「………」

フレデリカ「プロデューサーどしたの?まだ何かあるの?」

P「……うんそのメイドコレクションの最終日なんだけどね」

P「LIVEバトルをすることになってる」

愛結奈「へぇ……LIVEバトルね。ま、私が勝つけど……!」

P「メンバーはこの三人リーダーは小梅になる」

小梅「わ、私が……り、り、リーダー……?」

フレデリカ「……プロデューサー?」

P「……上からの命令だよ代表者ってのは常にリーダーとして先頭に立つ必要があるみたいだ」

P「つまり、LIVEバトルを行う際は必ず小梅をリーダーとしなければいけない」

愛結奈「……プロデューサーから何か言わなかったの?」

P「全部突っぱねられたよ……」

小梅「あ、あ、あの……」

P「大丈夫だよ、小梅。ちゃんと小梅に合ったステージ構成は考えてあるから」

小梅「う、うん……」

P「ともかく、今ここであれこれ言ってても仕方ない早速LIVEバトルに向けての練習をして行こうと思う」

P「小梅には大勢の人前に慣れるように人と接する機会の多い仕事を取ってきてあるから」

小梅「は、はい……が、が、頑張ります……」

P「うん、頑張って行こう」

P(やっぱりフレデリカも愛結奈も気づいているか……そもそも、小梅にはLIVEの経験が無い……)

P(そんな状態でLIVEバトルのリーダーとして出るのは相当なプレッシャーだろう……)

P(完全に僕の落ち度だ、こんな事ならもっと早く経験を積ませておくべきだった……)

P(つけ焼き刃で人前に慣れさせた所で……)

小梅(わ、私が……LIVEバトル……)

8: 2013/03/10(日) 02:36:05.93 ID:rAUCvunEo
------ 数日後 レッスン場

ガチャッ

P「うーん、まいったなぁ……」

愛結奈「プロデューサー、いきなりどうしたのよ。また何か問題?」

P「うん、実は明後日のイベントの前にメイドをする子達は各自オリジナルのケーキを作っとけって言われてさ」

小梅「ケ、ケーキ……?」

フレデリカ「え~、アタシケーキとか作った事無いよ?」

P「いや、ケーキ自体は出来合いの物があるから大丈夫だよ盛りつけとかトッピングで個性を出して欲しいんだって」

愛結奈「メイドじゃなくて良かったわ……」

小梅「こ、個性……ですか……」

フレデリカ「ん~、そう言われてもね~」

P「毎回いきなり言うんだからまいったよね……」

愛結奈「で、どうするのよ?」

P「二人は何かイメージは付いてる?」

小梅「…………」フルフル

フレデリカ「食べるイメージならあるよ~!」

P「うーん、じゃあ食堂のキッチンで他のグループの子達も練習してるみたいだから混ぜてもらおうか」

P「材料は揃ってるから、色々試してみると良い」

P「僕はちょっと明日のイベントの打ち合わせがあるから3人で行ってきてよ」

フレデリカ「は~い!じゃあ早速いこっか!」

小梅「う、うん……楽しみ…です」

愛結奈「ふふっ、中々面白そうね!」

9: 2013/03/10(日) 02:39:18.86 ID:rAUCvunEo
------ キッチン

愛結奈「で、勢い良く来たものの……」

フレデリカ「何からしたらいいかわかんないね~」

小梅「ど、どうしましょう……愛結奈さん……」

愛結奈「ワタシに聞かれてもね……」

フレデリカ「二人とも、助っ人連れてきたよ!」

?「ふぇっ、わ、わたしですかっ!?」

愛結奈「知り合いなの?」

フレデリカ「ううん、料理できそうだったから連れてきた」

?「やややっ、無理ですよそんなのっ!ぜ~ったい無理ですよっ!」

小梅「…………」

愛結奈「小梅は知ってるの?」

小梅「う、うん……ど、道明寺歌鈴さん……ほとんど……会った事な、ないですけど……」

フレデリカ「じゃ、そういうわけで先生役宜しくねっ!」

道明寺歌鈴「何だか良くわかりませんが……が、がんばりまつ!」

小梅(噛んだ……)

愛結奈(本当に大丈夫かしら……)

10: 2013/03/10(日) 02:41:57.81 ID:rAUCvunEo
道明寺歌鈴(17)
http://i.imgur.com/SSKIgZY.jpg

11: 2013/03/10(日) 02:43:23.18 ID:rAUCvunEo
歌鈴「でも……先生と言っても基本的には全部用意されてるんで何も教える事は無いですよ?」

愛結奈「言われてみればケーキが一杯あるわね」

フレデリカ「ん~、良し決めた!こうしよっかなぁ~」

小梅「ど、どうするん……ですか……?」

フレデリカ「このカップケーキのクリームを指ですくって……」

フレデリカ「ぺろっ♪ご主人さま、甘々のフレデリカはいかがっ?」

歌鈴「は、破廉恥っ!」

愛結奈「売れそうだけど、許可は下りないわね……」

小梅「……す、凄いです……」 パタパタ

12: 2013/03/10(日) 02:46:46.37 ID:rAUCvunEo
愛結奈「そう言えば、あなたはどんなの作ったの?」

歌鈴「ふぇっ!?私ですか?」

小梅「き、気になります……」

歌鈴「ま、まぁあまり自信は無いんですけど」

ズルッ

歌鈴「なんでバナナぁ~!? ひゃ、ひゃあぁ~!?」 グシャッ

フレデリカ「お~、ストライク……」

歌鈴「はわわわ、ケーキがぁ!」

愛結奈「……なんか、ごめん」

歌鈴「ふぇぇ……」

小梅(あっ……グシャッって……アレみたい……)

13: 2013/03/10(日) 02:49:03.95 ID:rAUCvunEo
小梅「わ、私は……どうしようかな……」

小梅(私の……個性……)

小梅「…………」

小梅「そ、そうだ……」

小梅「真っ赤な……ソース……」

小梅「後は……ど、どうしよう……」

小梅「…………」キョロキョロ

小梅「……あっ……」

小梅「えへへ……これにしよう……」

14: 2013/03/10(日) 02:52:33.01 ID:rAUCvunEo
フレデリカ「意外に早く終わったね~。これで本番は大丈夫かな?」

歌鈴「はぁ~、何とか作り直し終わりました」

小梅「うん……これで大丈夫……」

愛結奈「小梅のケーキってその真っ赤なソースかけただけなの?」

小梅「み、見たいですか……?」

愛結奈「……何をよ?」

小梅「……えいっ……」ボコッ

歌鈴「ヒィッ!?み、右目が……と、取れた……!?」

小梅「か……かわいい目玉……のせる……」ゴロン

フレデリカ「あっ、カワイイねぇ~」

小梅「えへへ……ち、チョコです……」

歌鈴「あわわわ……あ、悪霊退散!悪霊退散!」

愛結奈「……当日にそのイタズラは絶対やっちゃ駄目よ」

小梅「…………」シュン

15: 2013/03/10(日) 02:55:09.84 ID:rAUCvunEo
------ そして…… メイドコレクション 当日

東郷あい「……説明は以上、皆には4人1組となって持ち場について貰う」

あい「各プロダクションの合同イベントで初めて会う顔も多いだろうが仲良くイベントを盛り上げて行こう」

フレデリカ「こうして見ると色んな子が居るんだね~」

小梅「メ、メイド服……はず、恥ずかしい……」

愛結奈「そう?良く似合ってるじゃないの」

小梅「えへへ……衣装……あ、あいさんが着せてくれました……」

フレデリカ「へぇ~、あのメイド長がね~。確かCoolプロの人だよね?」

小梅「う、うん……い、良い人です……」

愛結奈「にしてもいつも着てるパーカーみたいに袖がブカブカね。小梅っぽいっちゃ小梅っぽいけど……」

小梅「ふりふりしてるの……変な感じ」

愛結奈「それにしても4人1組って事は、ワタシ達のグループは後1人、誰が入るのかしら?」

歌鈴「えへへ!皆さん!私ですよっ!」

フレデリカ「歌鈴ちゃんだったんだ」

歌鈴「よろしゅく……」

小梅(また……噛んだ……)

愛結奈(何も起こりませんように……)

16: 2013/03/10(日) 02:57:24.32 ID:rAUCvunEo
------ キッチン

愛結奈「注文来たわよ!」

歌鈴「ふぇっ、ま、またですかっ!」

フレデリカ「思った以上に盛況だね、合同イベントの効果かなぁ~」モグモグ

愛結奈「フレデリカも食べてばっかいないで手伝いなさい!」

小梅「わ、私のケーキ……注文来ない……」

フレデリカ「なんでだろね?小梅ちゃんのケーキ可愛いのに」

小梅「もうちょっと……色々した方がい、良いかな……?」

フレデリカ「エッフェル塔乗せてみようよ」

小梅「が、骸骨の……お菓子あった……」

フレデリカ「こうすれば凱旋門っぽくない?」

歌鈴(ま、禍々しい……)

愛結奈「ほらっ、歌鈴!あれはほっといてさっさとやるわよ!」

17: 2013/03/10(日) 02:59:30.08 ID:rAUCvunEo
------ 屋外

小梅「……ふぅ……」

小梅(……やっと休憩……)

小梅「でも……楽しかったな……」

小梅(あんな風に……皆と一緒に……)

小梅「えへへ……」

小梅(幸せ……)

小梅(フレデリカさんも愛結奈さんも歌鈴さんも……そうだといいな……)

小梅「……あっ……」

小梅(そういえば……Pさんどこ……?)

小梅「い、イベントで……忙しいのかな……?」

ガサッ

小梅「…………?」

小梅(誰か……居る…?)

18: 2013/03/10(日) 03:02:10.52 ID:rAUCvunEo
小梅「だ、誰……ですか?」

?「ん?アンタは……」

小梅「…………」

小梅(Dグループの……松永…涼さん……)

松永涼「確かPサンのグループの子だったっけ?」

小梅「し、白坂……小梅……」

涼「あー、そうそう悪いね、まだSプロの子の名前全員覚えて無くってさ」

小梅「Pさんのこと……し、知ってるんです……か?」

涼「そりゃ、前のプロダクションじゃPサンにプロデュースしてもらってたからね」

小梅「…………」

涼「いつもレッスンしてる場所が違うからアンタとも会う事も無かったけど……」

涼「確かそっちにはフレデリカと愛結奈サンと綾瀬がいたんじゃなかったっけ?」

小梅「…は、はい……」

涼「その3人とアタシがPサンにプロデュースしてもらってたんだよ」

小梅「そ、そうだったんですか……」

小梅(綾瀬さんも……Pさんにプロデュースして……もらってたんだ……)

19: 2013/03/10(日) 03:04:40.16 ID:rAUCvunEo
松永涼(18)

20: 2013/03/10(日) 03:06:24.19 ID:rAUCvunEo
涼「白坂はEグループだったっけ?」

小梅「あ、あのっ……こ、こ、小梅で……良いです……」

涼「そ、じゃあアタシの事も涼で良いよ。名字で呼ばれると学校みたいで嫌だから」

小梅「う、うん……り、涼さん……」

涼(そう言えば、Pサンって確か自分からEグループ担当に志願してたんだよね……)

小梅「あ、あのっ……ここでな、何を……?」

涼「何って……休憩中だけど?」

小梅「で、でも……Dグループは…まだき、休憩じゃ……」

涼「…………」

小梅「…………」

涼「たい焼きあるんだけど……食べる?」

小梅「…えっ……」

涼「頭と尻尾どっちが良い?」

小梅「……あ、頭……」

涼「はい」

小梅「あ……ありがとう……」モグモグ

涼「それ、口止め料だから」

小梅「…………」

21: 2013/03/10(日) 03:08:24.35 ID:rAUCvunEo
涼「どーにも、こういうキャピキャピしたのは性に合わないんだよね」

小梅「そ、そうなんですか……」

涼「ま、休んでも良かったんだけど一応Pサンの顔も立てとかないとね」

小梅「で、でも……涼さんもきっとに、似合うと思います……」

涼「アタシはどうせならホラーチックな方が良いかな」

小梅「!?」

涼「どうしたの?」

小梅「ほ、ほ、ホラー……す、す、好きなんですか……?」

涼「え?まぁ、ホラー映画は好きだから良く見るけど……」

小梅「…………」キラキラ

涼(こ、こんなに目を輝かせるなんて……よっぽど好きなんだな)

小梅「わ、わ、私も……だ、大好き……ほ、ホラー映画にで、出たいです……」

涼「ホラー映画のヒロインとか仕事じゃ嫌だなぁ……だって氏ぬだろ!?」

小梅「えへへ……グチャッてなるのも……た、楽しそう……」

涼「…………」

小梅「こ、今度……一緒に観賞会し、しませんか……?」

涼「……う、うん……良いけど……」

22: 2013/03/10(日) 03:10:30.29 ID:rAUCvunEo
P「ん?」

小梅「あっ……P、Pさん……」

涼「やばっ……」

P「小梅と涼か。涼のグループはまだ休憩には入って無いはずだけど?」

涼「……ちょっと昼寝。呼ばれたら起こしてねPサン」

P「相変わらずだね。あんまり迷惑かけすぎないように」

涼「はいはーい」

小梅「…………」

P「小梅は休憩中?」

小梅「う、うん……涼さんとは、話してました……」

P「そっか、涼はホラー映画好きだし小梅と気が合うかもね」

小梅「えへへ……こ、今度一緒にか、観賞会します……」

P「へぇ、あの涼がね……」

23: 2013/03/10(日) 03:14:12.22 ID:rAUCvunEo
------ ステージ裏

フレデリカ「ん~、今日は長かったね~」

愛結奈「フレデリカはほとんど食べてばっかりだったじゃない」

P「皆、喫茶店お疲れ様。このLIVEバトルが最後のシメだから頑張って行こう」

フレデリカ「今日はプロデューサーをご主人さまって呼んだげる♪」

小梅「ご、ご、ゴス……違う……」

P「はいはい、でもフレデリカも小梅もメイドのLIVE衣装、良く似合ってるよ」

フレデリカ「ありがと!ご主人さま!……コレ周りの人に変に思われるかな?」

愛結奈「まぁ今日だけなら大丈夫なんじゃ無い?」

P「小梅は初めてのLIVEで緊張しているだろうけど、いつも通りやれば大丈夫だからね」

P「無理だと思ったら愛結奈とフレデリカに任せればいいから」

小梅「う、うん……」

P「大事なのは落ち着いていくことだ」

愛結奈「もう……小梅もカワイイんだから、堂々としてればイイの!ソコがカワイイんだけど!」

小梅「か、カワイイ……?」

P「そろそろ出番か、みんな頑張ってきてね」

フレデリカ「頑張ってご奉仕しちゃうよー!」

愛結奈「勝つしかないでしょ!」

小梅(私の……は、初めてのLIVE……が、が、頑張らなきゃ……)

24: 2013/03/10(日) 03:16:54.67 ID:rAUCvunEo
------ ステージ

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

小梅(こ、こ、こんなに人が……)

フレデリカ(規模はまぁまぁって感じだねぇ~)

愛結奈(相手は無名のアイドルだし……まぁ勝てる勝負よね)

フレデリカ「曲がはじまったよ!」

愛結奈「さぁ、お手並み拝見といきましょ!」

小梅「……お、お願いしま……す」

25: 2013/03/10(日) 03:18:23.42 ID:rAUCvunEo
------

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

フレデリカ(フンフンフフーン♪良い感じかなぁ~)

愛結奈(LIVEは楽しまないと!)

小梅(う、うん……じ、じ、上手にできてる……)

愛結奈(次は小梅のソロね、頼んだわよ!)

フレデリカ(ここさえ乗り切れば後はもう大丈夫かな……)

小梅(わ、私の……そ、ソロ……)

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

小梅「…………」ビクッ

小梅(し、集中して……気付かなかったけど……お客さんがこ、こんなに……)

愛結奈「!?」

フレデリカ「!?」

小梅(あ、あれ……つ、次の歌詞……何だっけ……?)

愛結奈(何やってるのよ!?小梅!)

フレデリカ(……まずいかな……)

26: 2013/03/10(日) 03:20:22.33 ID:rAUCvunEo
小梅(えっ?……つ、つ、次は……ど、どうすれば良いんだっけ……)

P『フレデリカ!愛結奈!カバーを!!』

フレデリカ(小梅ちゃんの動きが完全に止まっちゃった……)

愛結奈(ど真ん中で棒立ちになられたら邪魔でカバーもできないじゃない……)

愛結奈「小梅!簡単なステップでも良いから動きなさい!」

小梅「……あっ……」

小梅(そ、そ、そうだ……)

ワー! ワー! ワー!

小梅「…………」ビクッ

フレデリカ(しまった……観客が冷め始めてる……)

小梅「……あっ……あっ……」

小梅(み、皆さっきと雰囲気がか、変わって……こ、こ、怖い………)

27: 2013/03/10(日) 03:22:15.77 ID:rAUCvunEo
フレデリカ「必殺!!ビスキュイ・ド・サヴォワ~!!」

フレデリカ「えへへ~、メイドさんの衣装、どうかな?似合ってる?うふふ♪味見しちゃいたいくらい?」

愛結奈(ナイス!フレデリカ!時間を稼いでくれているうちに……)

愛結奈「小梅!今がチャンスよ!少し後ろに下がって!」

小梅「……えっ!?……は、はい……」ズルッ

ドテッ

小梅「……あっ……」

フレデリカ(こ、小梅ちゃん!?)

愛結奈(こけた!?)

28: 2013/03/10(日) 03:24:39.16 ID:rAUCvunEo
Boooooo! Boooooo!

フレデリカ「やばっ……ブーイング……!?」

フレデリカ(このタイミングでなんて……いくらなんでも早すぎない?アウェイのせいかな……)

愛結奈「小梅!大丈夫!?」

小梅(……わ、私の……せい……?)

Boooooo! Boooooo!

小梅(……み、み、皆……わ、私の事……怒って……?)

小梅「……い、嫌っ……」

小梅「……ご、ご、ごめんなさい……お、怒らないで……」

Boooooo! Boooooo!

小梅(……そ、そんな目で……み、見ないで……)

小梅(……こんな…の……)

小梅「も、もう……グスッ……ヒック……」

小梅「も、もう嫌あぁぁぁ!!」ボロボロ

フレデリカ「こ、小梅ちゃん……」

愛結奈「小梅……」

29: 2013/03/10(日) 03:26:24.31 ID:rAUCvunEo
------ ステージ裏

小梅「……グスッ……」

フレデリカ「…………」

愛結奈「…………」

P「……みんな、お疲れ様……良く頑張ってくれた」

P(泣きじゃくる小梅にブーイング……みんなには辛いステージになってしまったな……)

P「今日は負けてしまったけど……また次に向けて頑張って行こう……」

フレデリカ「フフフーン♪そだね!次行ってみよー!」

愛結奈「もっともっと目立ってはしゃいで楽しむからね!」

小梅「……P、Pさん……わ、わ、私……」

P「……良いんだよ、小梅」

小梅「…………」

P「今日はゆっくり休むんだ……」

P(ごめん……君にこんな思いをさせるなんて……)

30: 2013/03/10(日) 03:28:21.54 ID:rAUCvunEo
------ 小梅の部屋

小梅「…………」

小梅(あ、アイドルって……あ、あ、あんな事ばっかりなのかな……)

小梅「お、お客さん……み、み、みんな怒って……」

小梅「あ、愛結奈さんもフレデリカさんも……寂しそうな顔して……」

小梅(全部……わ、私のせい……)

小梅(二人とも……わ、私にあんなに優しくしてくれて……)

小梅(そ、それなのにわ、私は……)

小梅(やっぱり……一緒にいちゃ……いけなかったのかな………?)

小梅(一緒に居たいけど……わ、私と一緒に居たら……また同じ事が……)

小梅「ど、ど、どうしたら……良いんだろ……?」

小梅(わかんない……)

31: 2013/03/10(日) 03:30:17.29 ID:rAUCvunEo
------ 翌日…… レッスン場

P「皆集まったね。昨日はLIVEバトルお疲れ様」

フレデリカ「…………」

愛結奈「プロデューサー、小梅がいないわよ?」

P「……小梅は今日は体調不良で休むって親御さんから連絡があったよ」

フレデリカ「どうすんの?」

P「あんな事があった後だし……今はそっとしておこう」

愛結奈「家に行ったりとかはしないの?」

フレデリカ「愛結奈さん……」

愛結奈「……もしかして我慢してた?」

P「……かなりね」

32: 2013/03/10(日) 03:32:17.46 ID:rAUCvunEo
------ 小梅の部屋

小梅「…………」

小梅「レッスン……ズル休み……しちゃった……」

小梅「ま、また……」

小梅(でも……い、一緒に居たら……もっとめ、迷惑かけるし……)

小梅(Pさんも……わ、私の事なんかプロデュースしてたら……)

小梅(きっと……立場もわ、悪くなるだろうし……)

小梅「い、言った方が……良いのかな……」

小梅(アイドル……辞めますって……)

33: 2013/03/10(日) 03:34:06.43 ID:rAUCvunEo
------ 翌日…… レッスン場 廊下

小梅「…………」キョロキョロ

小梅(早く来たから……まだ皆来てないかな……)

小梅(Pさんを見つけてい、言わないと……)

小梅(うん……き、きっとそれが一番い、良いから……)

小梅(あれ?……レッスン場に誰かいる……?)

34: 2013/03/10(日) 03:36:09.35 ID:rAUCvunEo
------ レッスン場

フレデリカ「…………」

愛結奈「珍しいわね、フレデリカがこんなに早く来るなんて」

フレデリカ「ん~、愛結奈さんよりは意外じゃないと思うけど?」

愛結奈「失礼ね、ワタシだってたまにはそういう気分の時はあるのよ」

フレデリカ「…………」

愛結奈「それより見た?今日の連絡事項」

フレデリカ「うん、見た……落ちてたねー」

愛結奈「まさか二人揃ってCランクアイドルに降格するなんてね……」

愛結奈「この前のLIVEバトルが響いたのかしら?」

フレデリカ「……かもね」

35: 2013/03/10(日) 03:38:39.29 ID:rAUCvunEo
------ レッスン場 廊下

小梅「!?」

小梅(フレデリカさんとあ、愛結奈さんがこ、こ、降格……?)

小梅「そ、そんな……」

小梅(わ、わ、私のせいだ……)

小梅(私が……前のLIVEでし、失敗したから……)

小梅「…………」ジワッ

小梅(ど、どうして……)

小梅(何で……いつも……私はこんな……)

小梅(大切な人に……迷惑ばっかり……か、かけてしまうんだろう……)

小梅(少しでもや、役に立ちたかった……だけなのに……)

36: 2013/03/10(日) 03:41:17.77 ID:rAUCvunEo
タッタッタッ

小梅(も、もう……あ、アイドル辞めよう……)

小梅(Pさん……わ、私……ごめんなさい……)

ドンッ!

小梅「…………」

P「…………」

小梅「……あっ……」

P「……小梅?」

小梅「ち、ち、ちがっ!ゆ、ゆ、幽霊……」

P「幽霊?」

小梅「わ、わた、私……ゆ、幽霊だから……P、Pさんにはみ、み、見えない……」パタパタ

P「え……どういう事?」

小梅「み、見えないん…グスッ…です……」ボロボロ

ダッ!

P「小梅!待って!」

小梅(い、嫌……!追いかけてこないで……)

37: 2013/03/10(日) 03:43:27.49 ID:rAUCvunEo
------ レッスン場

フレデリカ「愛結奈さんは降格した事って後悔してる?」

愛結奈「別に、一度行ってるならもう一回上がるのなんて簡単だわ」

フレデリカ「小梅ちゃんのせいで落ちたと思ってる?」

愛結奈「…………」

フレデリカ「……小梅ちゃんってカワイイよねー。」

フレデリカ「人づきあい下手な癖にそれでも誰かと仲良くなりたくってさ」

フレデリカ「イタズラしてみたりホラー映画進めてみたり、不器用だけど少しでも自分を知って貰おうってさ」

愛結奈「ふぅん。妙に興味持ってるじゃない?」

フレデリカ「……アタシね、嬉しかったんだ。一か月前に皆の前で小梅ちゃんが言ってくれた事」

フレデリカ「ホントはね、最初はあの子が可哀想だなって思ってサポートお願いしたんだよ?」

フレデリカ「それだけなのに小梅ちゃんは真剣にアタシ達の事心配してあんな風に叫んで……」

フレデリカ「その時思ったかな、この子とは仲良くしたいなって」

フレデリカ「……だからアタシはちょっとの失敗で降格なんてどうでも良いかな」

愛結奈「フレデリカって変な所で深く考えるとこあるわよね。普段テキトーな癖に」

フレデリカ「…………」

愛結奈「どの道、LIVEでの失敗なんて遅かれ早かれ誰でも経験する」

愛結奈「その時に自分ひとりで立ち直る力もまた必要……ワタシ達は信じて待つしかないわ」

フレデリカ「……愛結奈さん、そこのステップ逆だよ」

愛結奈「…………」

フレデリカ「フンフフーン♪自分も心配でしょうがない癖に……ツンデレってやつ?」

愛結奈「う、うるさいわね……」

38: 2013/03/10(日) 03:47:00.66 ID:rAUCvunEo
------ 公園

小梅「い、嫌……」

P「はぁ……はぁ……」

P(やっと追いついたけど、思った以上に早いな小梅って……)

P「なんでそんなに逃げるんだ?」

小梅「わ、私……あ、あ、アイドルや、辞めます……」

P「えっ!?」

小梅「さ、さよなら……!」

P「ま、待ってくれ!」

ガシッ

小梅「!?」

39: 2013/03/10(日) 03:49:54.65 ID:rAUCvunEo
小梅「は、離して……下さいっ……!」

P「………」

小梅「……グスッ……は、離して……」

小梅「うあぁぁぁぁん!!」ボロボロ

P「!?」

P(な、なんて大きな声で泣くんだ!?)

P(あれだけ走っても息切れ一つしないスタミナ。そして、この声量……)

P(この小さな身体にそれ程の力をつけるのに、一体どれだけの努力を……)

小梅「……グスッ……」

P(真面目にレッスンを続けてきた成果か……それなのに誰にも評価されずにずっと一人で……)

P(僕は彼女のために……)ギュッ

小梅「……P、Pさん……て、手が痛いです……」

P「ご、ごめん!?離すよ……」

40: 2013/03/10(日) 03:51:47.85 ID:rAUCvunEo
P「はい、紅茶で良かったかな?」

小梅「あ、ありがとう……ございます……」

P「手荒な真似をしてごめん……。手は大丈夫?」

小梅「はい……だ、大丈夫……」

P「……気分は落ち着いた?」

小梅「…………」

P「今は無理せずゆっくり気持ちを落ち着けると良いよ」

小梅「あ、あのっ……P、Pさん……私……」

P「ん?」

小梅「や、やっぱり……」

P「待って、その先を聞くわけにはいかないかな」

小梅「えっ……」

P「迷惑かけないために辞めようと思ってる?」

小梅「…………」

小梅(な、なんで……わかるの……?)

41: 2013/03/10(日) 03:53:37.07 ID:rAUCvunEo
P「……良いんだ。そこまで一人で背負わなくても」

小梅「で、でも……わ、わ、私……あ、あんな失敗して……」

P「かまわないよ、僕は小梅のプロデューサーだからね」

小梅「…………」

P「大丈夫だよ。一緒に頑張って乗り越えて行こう」

小梅「あっ……」

小梅(私がいたら……迷惑かけると……思ってたのに……)

小梅(だけど……それでも…ずっと……ずっとずっと……言って欲しかったのかな……)

小梅(こうやって……大丈夫だよって……)

42: 2013/03/10(日) 03:56:21.18 ID:rAUCvunEo
P「……小梅が一番気にしているのはフレデリカと愛結奈の事かな?」

小梅「う、うん……」

P「二人にその気持ちを言ってみた?」

小梅「…………」フルフル

P「じゃあさ、小梅が逆の立場だったらどうする?」

P「例えば、フレデリカが失敗して申し訳ないからアイドル辞めるって言ったらどうする?」

小梅「……や、やだ……」

P「……だと思った。でも、そう言う事じゃないかな?」

小梅「…………」

P「きっと二人もそんな事で小梅に辞めて欲しくないって思ってると思うよ」

小梅「な、なんで……ですか?」

P「さぁ?僕がそう思うからかな?」

小梅「わ、私……」

P「…………」

小梅「い、言ってみます……フレデリカさんと愛結奈さんに……き、気持ちを……」

小梅「ふ、二人と……い、一緒に居たいって……」

P「……そうだね、それが一番良い」

小梅「……で、でも……そ、そ、その前に……お、お願いがあります……」

P「ん?」

43: 2013/03/10(日) 03:59:06.84 ID:rAUCvunEo
------ 小梅の部屋

小梅「…………」

小梅(Pさんに……あんな事言っちゃったけど……)

小梅(だ、大丈夫かな……私にできるかな……)

小梅(うん……でも頑張らないと……)

小梅母『小梅ー!お友達が来てるわよー?』

小梅「えっ……?」

小梅(こんな時間にと、友達……誰なんだろ……?)

44: 2013/03/10(日) 04:01:34.66 ID:rAUCvunEo
------ 玄関

小梅「…………」

涼「よっす」

小梅「……り、涼さん……な、な、何で?」

涼「ちょっと夜遅いけど、今時間大丈夫?」

小梅「う、うん……」

涼「ほら、映画一緒に見るって約束しただろ」

涼「丁度時間も空いたし寄ってみたんだけど今からどう?」

小梅「…………」

45: 2013/03/10(日) 04:03:37.36 ID:rAUCvunEo
------ 小梅の部屋

小梅「ど、どうぞ……」

涼「何か想像通りの部屋だな妙に暗いし」

小梅「えへへ……う、嬉しいな……」

涼「いや、褒めたわけじゃないんだけど……」

小梅「こ、この骸骨の目覚ましとか……お、お気に入り……」

涼「へぇー、リアルだね?」

小梅「じ、時間が来ると……」

ギャーーーーーーー!!

涼「!?」

小梅「……か、かわいい……」

涼「そういうグッズは後で見るよ……」

46: 2013/03/10(日) 04:06:07.37 ID:rAUCvunEo
涼「今日は急に押し掛けて悪かったね」

小梅「う、ううん……ママもよ、喜んでるから……」

涼「そっか……さて、なに見る?色々借りてきたんだけどさ」

小梅「一杯あるんですか……?」

涼「適当に面白そうな奴を見つくろってきた……よしっ!これから見よっか!」

氏霊の盆踊り

小梅「…………」

涼「ん?」

小梅「……と、と、とってもお、面白そう……」

涼「だろ?へへっ!楽しみだね!」

涼「お菓子も買ってきたよ、映画と言えばポップコーンだろ!」

小梅(な、なんでこれが……)

47: 2013/03/10(日) 04:08:08.10 ID:rAUCvunEo
小梅「あ、あの……そ、その前に……」

涼「どした?」

小梅「り、涼さんって……な、何でア、アイドルを……?」

涼「……聞きたい?」

小梅「う、うん……」コクッ

涼「アタシこれでもバンドのボーカルやってたんだよ。まぁ知らないとは思うけどさ。」

小梅「ば、バンド……?」

涼「そ、まぁ昔から歌うのは好きだったからね。」

涼「でもね、がむしゃらにバンドを続けていた時にPサンに出会ってね」

涼「アイドルにならないかって誘われたんだよ」

小梅「…………」

涼「熱意に押されてなっちゃったけど。最初は嫌だった、アイドルなんてガラじゃ無かったし」

涼「……でも皆と一緒に仕事続けて、ファンの前で歌って」

涼「そんな事続けてる内にアイドルの仕事も悪くないと思ってきたよ。この世界にしかない面白さに、目覚めたのかもね」

小梅「お、面白さ……」

涼「この世界に連れてきてくれたPサンには感謝してる。本人には言わないけどね!」

小梅「…………」

48: 2013/03/10(日) 04:10:47.23 ID:rAUCvunEo
涼「小梅は何でアイドルになったの?」

小梅「……り、涼さんみたいにち、ちゃんとしたり、理由がない……です……」

涼「…………」

小梅「…………」

涼「まぁ良いんじゃない?」

小梅「えっ……?」

涼「誰だってそうだろ?そもそもアイドルになるかならないかなんてのも自由だし」

涼「結局さ、アンタがどうしたいかだと思うよ」

小梅「わ、私が……」

涼「小梅はずっとレッスンばっかりでまともにLIVEもしてないんだっけ?」

小梅「う、うん……でもPさんが担当になってお、お仕事は……」

涼「ファンはできた?」

小梅「お、応援してくれる人はふ、増えました……す、少しですけど……」

涼「ならやっぱりファンの前でLIVEしないとね!」

49: 2013/03/10(日) 04:12:47.99 ID:rAUCvunEo
涼「アタシの歌でたくさんの人がアツくなってくれる……悪くないよ、アイドルも!」

小梅「ら、ライブ……で、でもわ、わ、私……う、上手く歌えなかった……」

涼「……小梅は何のために歌ってる?」

小梅「ど、どういうことですか……?」

涼「即答はできないか……、どうせ失敗しないように歌おうとか考えてんじゃないの?」

小梅「…………」

涼「失敗しない事もそりゃ大事だけどね……アタシの歌を聴けぇ!!!ぐらい強気でいかないと」

涼「ライブってのはさ、そういうもんなんだよ。小梅の努力を見てもらう場だろ?」

涼「だったら主役のアンタがオドオドしててどーすんだよ?」

小梅「オドオド……」

涼「難しい事は考えずに精一杯歌いな!絶対ハートにズシンってくるんだから!」

小梅「う、うん……り、涼さん……あ、あ、ありがとう……」

涼「ま、この話はこれくらいにしといて映画見ようぜ!」

50: 2013/03/10(日) 04:14:54.92 ID:rAUCvunEo
------

小梅「…………」ジー

涼「…………」ジー

涼「勢いで借りたんだけどさ……」

小梅「…………」モグモグ

涼「何だよこの映画……」

小梅「お、お、面白いです……り、涼さんのえ、選ぶ映画……」

涼「な、何か嬉しくないんだけど……」

小梅(や、やっぱり……?)

51: 2013/03/10(日) 04:16:25.84 ID:rAUCvunEo
------

涼「さってと、アタシはそろそろ帰るかな!」

小梅「あ、も、もうこんな時間……」

涼「今日は楽しかったよ」

小梅「り、涼さん……そ、そのよ、よ、良かったら……ま、また……」

涼「……また一緒に見ようか?」

小梅「う、うんっ!」

涼「また暇な時にでも遊びに来るよ」

小梅「え、えへへ……う、嬉しいです……」

涼「じゃあ今日は帰るよ、またね!」

小梅「ま、また……遊びに来て下さい……」

小梅(あれ……?)

小梅(そう言えば……涼さんは何で私の家……知ってるんだろ?)

52: 2013/03/10(日) 04:19:01.36 ID:rAUCvunEo
------

P『……そっか、楽しめたみたいで良かったよ』

涼『でさ、Pサンはなんでアタシを選んだの?』

涼『小梅の家に遊びに行くだけならフレデリカや愛結奈サンとかいるじゃん?』

P『涼が適任だと思ったからね。何だかんだでお節介焼きだし』

涼『はぁ?アンタ程じゃねーよ!』

P『……はいはい、でも本当にありがとう。引き受けてくれてさ』

涼『別に友達と遊んだだから感謝されるような事は何もしてないよ』

P『友達か……もうすっかり仲良くなったみたいだね』

涼『うるさいなーもう!んじゃ、切るよ!』

ピッ

涼「……ったく!お節介焼きが!」

涼(さて、後はアンタ次第だよ……小梅)

53: 2013/03/10(日) 04:21:46.51 ID:rAUCvunEo
------ 一週間後…… レッスン場

愛結奈「小梅が来なくなってもう一週間ね」

フレデリカ「…………」

愛結奈「プロデューサーは特に何も言わないし、一体どうするつもりなのかしら?」

フレデリカ「……知らない」

愛結奈(フレデリカもご機嫌斜めか……)

愛結奈(まぁ、大人だから仕事には持ち込まないでしょうけど……あんまり良くない傾向よね……)

ガチャッ

涼「へぇー、初めて来たけど狭いレッスン場だね」

歌鈴「皆さん、お久しぶりですっ!」

愛結奈「あら?珍しい組み合わせね?」

涼「珍しいも何も歌鈴とは同じDグループだしね」

フレデリカ「涼ちゃんは実力あるのに態度悪いからね~」

涼「……別に、歌えたら何グループでも良いし」

歌鈴「んー、でも勿体無い気もしますね……。わたしみたいにドジするわけじゃないのに」

愛結奈「まぁ、涼らしいわね……。ところで今日はどうしたの?」

歌鈴「わたし達は今日はもう終わりなんで、遊びに来たんですよ」

フレデリカ「ありゃ?そうなんだ?まぁ今までこうやって会う機会は無かったしね~」

涼「そもそも、レッスン場が結構離れてるからね。そりゃ会う事も無いかな」

54: 2013/03/10(日) 04:24:25.99 ID:rAUCvunEo
涼「にしても二人だけなの?」

フレデリカ「…………」

愛結奈「……小梅はお休みよ、プロデューサーももう帰ったわ」

歌鈴「あれっ?小梅ちゃんはお仕事なんですか?」

涼「……なんだ、珍しいじゃん。Pさんが先に帰るなんて」

愛結奈「まぁ、レッスンメニューの指示や仕事はちゃんとやってくれてるから特に不自由はしてないけどね」

歌鈴「……あれっ?お仕事じゃないんですか?」

愛結奈「さっきからそう言ってるじゃない」

歌鈴「おかしいですね?」

フレデリカ「……何かあったの?」

歌鈴「い、いえっ!ついさっきそのPさんと小梅ちゃんにお会いしたんですけど?」

フレデリカ「!?」

愛結奈「!?」

55: 2013/03/10(日) 04:27:21.57 ID:rAUCvunEo
涼「アンタ、そう言うのは先に言った方がいいと思うよ……」

歌鈴「えぇっ!?な、なんか良くわからないけどすみません!」

フレデリカ「そんな事はどうでも良いからっ!どこに出かけたの?」

歌鈴「あ、あのあの、えとあのその……」

愛結奈「はぁ……、まずは落ち着きなさい」

歌鈴「はわわっ、え、えっと……○○ホールに行くって言ってました」

涼「○○ホールって言うとLIVEバトルに使われる所だったっけ?」

フレデリカ「うん、でも何でそんなとこにいくのかな?」

愛結奈「ついさっきって事はまだ向かってる途中よね、今から追いかけるわよ!」

涼「なんか面白そうじゃん!歌鈴!アタシ達もいこーぜ!」

歌鈴「ふぇっ!?ま、待って下さいよー!」

56: 2013/03/10(日) 04:29:28.60 ID:rAUCvunEo
------ ○○ホール

フレデリカ「案外空いてて助かったね~」

愛結奈「くっ!タクシー代とチケット代……後で割り勘するわよ……」

歌鈴「……すすすみません!も、持ち合わせが無かったので!」

涼「うちのプロダクションのLIVEバトルなんて今日あったっけ?」

フレデリカ「アタシは聞いて無いかなぁ~、でもこの相手って確か……」

愛結奈「……ワタシ達が前に負けた所ね」

歌鈴「そうなんですか?」

フレデリカ「まぁね~、楽にファン数稼げるからと思われて狙われてるのかな……?」

『それでは今からLIVEバトルを開始します!』

涼「おっ、始まったね」

愛結奈「……何を考えてるのよ、プロデューサー!」

フレデリカ「こ、小梅ちゃん一人!?」

歌鈴「ふぇぇ!?ど、どうなってるんですか?」

57: 2013/03/10(日) 04:31:44.77 ID:rAUCvunEo
------ ステージ

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

小梅「…………」

小梅(だ、大丈夫……)

小梅(この一週間……毎日LIVEバトルして……だ、大分慣れてるから……)

小梅(こ、こ、今度こそ……)

小梅(ひ、一人でも……ち、ちゃんと歌う……)

小梅「み、みんなに夢……見せてあげる……あ、悪夢かもしれないけど……!」

58: 2013/03/10(日) 04:33:13.49 ID:rAUCvunEo
------ 観客席

歌鈴「わわわ、こ、小梅ちゃん!流石に一人じゃ無理ですよぉ!」

涼「……観客の注目は完全に相手側だね」

愛結奈「一人な分、小梅に対する風当たりは強いわね……、またブーイングが来るかも知れないわよ」

フレデリカ「アタシ見てらんない!行ってくる!」

愛結奈「ど、どこへ行くのよ!」

フレデリカ「ステージ!!」

歌鈴「ふぇっ!?い、今からですか!?」

涼(小梅の奴……ガッチガチに固まってるな)

59: 2013/03/10(日) 04:35:17.36 ID:rAUCvunEo
------ ステージ裏

P「…………」

P(今回も駄目か……)

フレデリカ「プロデューサー!」

P「フレデリカ!愛結奈!どうしてここに……」

愛結奈「……歌鈴に行き先を喋っちゃったのはちょっと不味かったんじゃない?」

P「なるほど、そういうことか」

フレデリカ「それより何で小梅ちゃん一人でLIVEバトルさせてるの?」

P「…………」

愛結奈「こんな調子じゃ雰囲気が悪くなるのは目に見えてると思うけど?」

P「……これは、彼女が望んだことだよ」

フレデリカ「!?」

60: 2013/03/10(日) 04:37:55.39 ID:rAUCvunEo
------

小梅『……で、でも……そ、そ、その前に……お、お願いがあります……』

P『ん?』

小梅『わ、私……やっぱりまだ…歌えるじ、自信ないです……』

小梅『だ、だから……歌えるようになるまで……これから毎日一人でLIVEバトルし、したいです……』

P『でも、そんなことしたら……』

小梅『また……お、同じ事がお、起きるかもしれない……』

P『だろうね、辛いステージになるだけだよ?』

小梅『で、でも……良いんです……ち、ちゃんと皆の前で歌いたいから……』

小梅『う、歌えるようになって……フレデリカさんと愛結奈さんにあ、謝りたいから……』

P『…………』

小梅『つ、辛いけど……逃げたくないから……』

P『……わかった、LIVEバトルの相手を見つけてくるようにするよ』

小梅『……P、Pさん……あ、ありがとう……』

小梅『で、でも……や、やっぱり一人はこ、怖いから……』

P『ん?』

小梅『ど、どんなにブーイングが起きても……P、Pさんだけは…わ、私の事お、お、応援して……く、くれますか?』

P『……当たり前だよ』

小梅『え、えへへ……が、頑張る……』

61: 2013/03/10(日) 04:41:05.46 ID:rAUCvunEo
------ ステージ裏

愛結奈「はぁ……、思い込みの激しい子ね」

P「ちょっと不器用なとこがあるだけさ」

フレデリカ「……プロデューサー、アタシの名前はオーダー表に入ってる?」

愛結奈「ま、チームなんだから全員でないと意味がないわね!」

P「……二人ともちゃんとフロントメンバーに登録してるよ」

フレデリカ「急いできたから私服だけど出ないよりはマシかな~」

愛結奈「さぁ、ここまで来たらもう退けないわよ!」

P「ありがとう……」

62: 2013/03/10(日) 04:44:14.95 ID:rAUCvunEo
------ ステージ

小梅(ま、またお客さんが冷め始めて……)

小梅(いつも……こ、このくらいでだ、駄目になる……)

小梅(や、やっぱり……ちゃんとう、歌えてないのかな……)

Boooooo! Boooooo!

小梅「!?」

小梅(ま、また……ぶ、ぶ、ブーイング……)

小梅(こ、こ、怖い……)

小梅(でも……せ、精一杯う、歌わないと……)

『ブーブーブーブーうっせぇんだよ!!』

小梅「えっ!?」

63: 2013/03/10(日) 04:46:12.59 ID:rAUCvunEo
------ 観客席

涼「アタシの友達が歌ってんだ!!静かに聞かせろ!!」

歌鈴「りりり涼さん!?い、いきなりび、びっくりしましたよ!?」

涼「……ふん」

歌鈴「あっ、でもブーイング消えましたね?」

涼「これでうっさいのは消えたね」

歌鈴「でも、大声出すなら先に言って下さいよっ!」

涼「さぁショータイムの始まりだよ!」

涼「とっととアンタの歌でファンを失神させて病院送りにしてやりなっ!!」

涼「頑張れっ!小梅!!」

歌鈴「小梅ちゃん!!頑張って!!」

64: 2013/03/10(日) 04:50:34.39 ID:rAUCvunEo
------ ステージ

小梅「か、歌鈴さん……り、涼さ……」

フレデリカ「じゃん! 突然登場フレデリカだよ!」

愛結奈「さ、グズグズしないで行くわよ!」

小梅「ふ、フレデリカさん……あ、愛結奈さん……ど、ど、どうして……」

フレデリカ「ほら~、ライブ中なんだからそう言うのはあとあと!」

愛結奈「さっさと歌いなさい!バックはワタシ達がカバーするわ!」

小梅「は、はい……」

小梅(み、皆が……お、応援してくれて……)

小梅(あ、アイドル……辞めなくて良かった……)

小梅(Pさん、の、おか、おかげ……です……)

小梅(Pさんのおかげで、い、今まで、見えてなかったモノ、見えるようになった、みたいです)

小梅(……か、変えてくれて、ありがとう……)

小梅「わ、私……精一杯……う、う、歌うから……」

65: 2013/03/10(日) 04:52:40.29 ID:rAUCvunEo
------ ステージ裏

P「!?」

P「……こ、小梅?」

P(この歌声……レッスンの時とはまるで違う……)

P(今の小梅は歌だけならAランクアイドルにも負けてない……)

P「まさかこれほどの実力を持っていたなんて……」

P(まだ経験が不足しているけど、これからもっと伸びて行くだろう……)

P(観客の注目もこちら側に移ってきている)

P「この勝負は決まったか……」

P「……小梅、君の頑張りを皆が認めてくれたよ」

66: 2013/03/10(日) 04:55:09.10 ID:rAUCvunEo
------ ステージ

ワー! ワー! ワー! ワー!

小梅「…………」

フレデリカ「フンフンフフーン♪勝ったね~!」

愛結奈「はぁ、ライブって気持ち良いわよね。次のライブも楽しみにしてるわ」

小梅「わ、私……」

フレデリカ「くらえ!ガレット・ブルトンヌ!!!」ダキッ

小梅「ひゃっ!?」

フレデリカ「……良いんだよ、ランクが落ちたとかそんな事はどうでも」

愛結奈「小梅、ワタシがランクアップする実力が無いとか思って無いわよね?」

小梅「な、何で……知って」

フレデリカ「全部聞いたよ、プロデューサーから……心配かけてごめんね?」

小梅「そ、そんな……わ、わ、私の方こそめ、迷惑かけて……」

フレデリカ「……初勝利おめでと、頑張ったね」

愛結奈「良い歌だったじゃない……もう、すっかりやられちゃったわ!」

小梅「……グスッ……」

フレデリカ「また泣いちゃって、ホント泣き虫だね~。小梅ちゃんは」

愛結奈「ほら、いつまでも抱き合ってないでさっさと戻るわよ!」

67: 2013/03/10(日) 04:57:45.87 ID:rAUCvunEo
------ ステージ裏

P「みんな、お疲れ様。素晴らしいライブだったよ!」

フレデリカ「お疲れ様でした~!」

愛結奈「よくよく考えたら、着替え持ってないのに汗ダクになっちゃったわ……」

歌鈴「小梅ちゃん!とっても素敵なステージでしたよ!」

涼「小梅!こんなにアツくなれたのは久しぶりだよ!気に入った!!」

小梅「Pさん、わ、私……ちゃんと、アイドルらしく出来た……かな」

P「……もちろんさ、小梅。素敵な歌だったよ」

小梅「み、みんな、私の歌褒めてくれて、その、うん……うん……う、うれし……」

P「みんなに小梅の本当の気持ちが伝わったみたいだね」

小梅「ほ、本当の……自分、Pさんのお、おかげです……ね」

P「僕は何もしていない、全部君が頑張ったからだよ」

小梅「………」

68: 2013/03/10(日) 04:59:33.99 ID:rAUCvunEo
------ ○○ホール 入口

小梅「あ、あの……Pさん……き、急にどうしたんですか?」

P「ん?ライブが終わってすぐで申し訳ないけど、せっかくだから小梅にも見ておいて欲しいものがあってね」

小梅「……ぼ、帽子…ブカブカ……」

P「ごめんごめん、変装は考えて無かったからそんなのしか用意できなかったよ」

小梅「うん……だ、大丈夫……」

P「そろそろかな……お客さんが帰る時間だ」

『今日のLIVEバトル楽しかったねー!』

小梅「………」

『白坂……小梅だっけ?あの子凄かったね!』

『凄く良い歌だったね、今度のライブも見に行こうかな!』

小梅「……あっ……」

小梅(皆が……私の事……)

P「有名になってくると変装なんて役に立たないからこんな事は出来ないんだけどね……」

P「今だけの特権さ、ファンの皆の本音が聞ける良い瞬間だよ」

69: 2013/03/10(日) 05:01:15.92 ID:rAUCvunEo
小梅「………」

小梅(良いのかな……こんな幸せで……)

P「………」

小梅「………」

P「どう?気に入って貰えたかな?」

小梅「わ、私……Pさん、信じて……良かったです……本当です……」

P「………」

小梅「わ、私でも……みんなに認めてもらえて……わかりました……」

小梅「Pさん……これからは……色んな仕事……が、頑張ります」

P「うん、これからも一緒に頑張って行こう」

小梅「えへへ……うん……」

70: 2013/03/10(日) 05:04:13.09 ID:rAUCvunEo
------ 翌日…… 事務所

P「………」カタカタ

P(昨日のライブの影響でフレデリカも愛結奈もBランクアイドルに戻れたか)

P「まぁ、元々そこまでファンが減っていたわけじゃないから仕事でも簡単に戻せたけど……」

小梅「P、Pさん……」ヒョコッ

P「小梅どうしたんだい?それってメイドコレクションで着てたメイド服じゃないか?」

小梅「Pさん、あの……ご、ごほっ……ご奉仕する、します」

P「えっ!?ご奉仕?」

小梅「Pさん……ケ、ケーキ……た、食べて……ください……」

P(そういうことか……。一瞬変な意味で考えてしまった……)

小梅「お、美味しくなかったら……ご、ごめんなさ……い……。わ、私が作ったの……」

P「ありがとう小梅。真っ赤なソースがかかって美味しそうだね」

71: 2013/03/10(日) 05:06:57.07 ID:rAUCvunEo
小梅「あっ……ま、待って……」

P「ん?」

小梅「……えいっ……」ボコッ

P「!?」

P(み、右目が……と、とれた!?)

小梅「み、見た目かわいくしてみた……目玉のトッピング、お、おすすめなの……」ゴロン

P「い、頂くよ……」

P(なんだ、演出か……)

小梅「………」

P「うん、美味しい!」モグモグ

P(目玉をかじるのは抵抗があるけど……)

小梅「Pさんが、え、笑顔で食べてくれて……う、嬉しいです」

P「そりゃ、小梅がケーキ作ってきてくれるなんて嬉しい話だからね」

72: 2013/03/10(日) 05:09:13.73 ID:rAUCvunEo
小梅「……Pさん」

P「?」

小梅「私、もっと…み、みんなの笑顔が見たいって……思います。」

P「……小梅ならきっとできるよ」

小梅「……えへ、なんだか……嬉しいな……ふ、不思議な感じがするの……」

P(もう、ファンにおびえる姿は無いな……)

P「そう言えば、小梅に連絡する事があるよ」

小梅「は、はい……な、なんですか……?」

P「……昇格、おめでとう」

P(その純粋な君の気持ちがいつか、もっと多くの人に届くと良いな)

白坂小梅 現在Eランクアイドル

おわり

73: 2013/03/10(日) 05:40:42.51 ID:rAUCvunEo
ここまで読んで下さった方、ありがとうございます

読んでいた漫画の影響で少女漫画っぽさが抜けなくて

これじゃナイ小梅ちゃんになってしまっていたら済みません

続きは書こうとは思ってますが

いつになるかわからないのでこのスレはHTML化依頼を出しておきます

74: 2013/03/10(日) 07:57:52.36 ID:7QOndut/o
おつん!

引用元: モバP「プロダクションが合併して一か月……」