1: 20/03/07(土)01:39:32 ID:an1
ガチャ

忍「はい、どうぞ」

P「お邪魔しまー」

忍「薫ちゃんじゃないんだから。ほら、ちょっとそこで待ってて。タオル持ってくるよ」

P「ん、助かる」

P「...ふぇ、ぶぇっくしょい!」

忍「あーほら早く拭いて拭いて!風邪引いちゃうよ!」

P「かたじけない...」ズビッ

3: 20/03/07(土)01:41:34 ID:an1
忍「お風呂沸かすから先にシャワー浴びてて。沸いたら入っていいから」

P「いいのか?先に入って」

忍「いいも何も、暖まらなきゃ風邪引いちゃうでしょ?ほら、体拭いたら入ってきなって」

P「じゃあ遠慮なく...」ズズッ

―――――

4: 20/03/07(土)01:41:59 ID:an1
―――――

カポーン

P「ふぃー...っとぉ」ザバッ

P「あ"~あったけぇ...染みるわぁ」バシャッ

忍『Pさーん、着替え置いとくよ?』

P「おーありがとうな。...って、着替えあったの?」

5: 20/03/07(土)01:43:16 ID:an1
忍『前に二回くらいうち来たでしょ?その事を加蓮ちゃんに言ったら、いろいろアドバイスしてくれてね』

P「おーそうか...北条さんには感謝しないとな」

忍『...いろいろと、ね』ボソッ

P「ん?何か言った?」

忍『な、何でもない!ごゆっくり!』バタンッ

P「...何だったんだ...まぁいいか」

―――――

6: 20/03/07(土)01:43:40 ID:an1
―――――

P「いいお湯でしたよっと」

忍「はーい。軽くご飯作ったから食べてね。ほんと軽くだけど」

P「おー...ありがとう、忍」

忍「どうせ何も食べてないんでしょ?ほら、食べて食べて」

P「鍋...いいな」

忍「Pさん、ここに置いてあるやつ持ってって?」

P「はいはい。よっ...と」カチャ

忍「はいはいどいてどいて。鍋通りまーす」

P「よし、じゃあ火つけるぞ」カチッ

7: 20/03/07(土)01:44:39 ID:an1
忍「Pさん、生姜いる?」スッ

P「いいなぁ生姜。ポン酢と合わせると最強だよ最強」

忍「わかる。冬の鍋と相性最高だよね」

―――――

8: 20/03/07(土)01:45:14 ID:an1
―――――

グツグツグツグツ...

忍「ハフッ...そういえばさ」

P「なんだ?」

忍「Pさん、この後泊まってくでしょ?」

P「ブフッ」

忍「Pさん!?あーもう、ほらティッシュ!」

P「ゴホッゴホッ...あーありがてぇ...喉と心に染みる...」

忍「冗談言う余裕はあるんだね。で、どうするつもりなの?」

P「どうするって、電車乗って家に...」

忍「この嵐の中で?」

9: 20/03/07(土)01:45:44 ID:an1
ビュオォォォォ...ガタッガタガタッ...

P「ぐっ」

忍「はぁ...嵐で電車が止まって帰れなくなって、事務所に泊まるわけにもいかないからウチに来たんでしょ?」

P「むぅ」

忍「今日は泊まってってよ。遠慮せずに、ね?」

P「...お言葉に甘えさせてもらいます」

忍「ん、よろしい。じゃあお鍋食べちゃおうか。ハフッ...んー!ポン酢と生姜やっぱりいいよねぇ」

P「ハフッ...うーむ旨い。ゆず胡椒も案外いけるな...」

―――――

10: 20/03/07(土)01:46:07 ID:an1
―――――

忍「...」カチャカチャ

P「鍋通るぞ」

忍「ありがと。そこ置いといて」

P「よっ...と」ゴトッ

P「洗い物手伝おうか?」

忍「いや、大丈夫。じゃあ...林檎剥いてくれない?野菜室に入ってるから」

P「了解。一個でいいか?」

忍「うん。お願い」

P「えーと...これか」ガタッ

忍「包丁はこれ使ってね」コトッ

P「了解了解」

11: 20/03/07(土)01:46:30 ID:an1
忍「...よし、洗い物終わり!Pさんの林檎食べ終わったらお風呂入ってくるよ」

P「うーん...俺が林檎剥いてる間に、風呂入ってこればいいんじゃないか?」

忍「でもそれだと...」

P「いいからいいから」

忍「...じゃあ、お言葉に甘えて」

―――――

12: 20/03/07(土)01:46:55 ID:an1
―――――

カポーン

忍「...」

忍(...)

忍「っあぁ~...」

忍(やっちゃった!遂に!Pさんを家に泊めちゃった!)

忍(今まで家に入れたことはあったけど、泊めるのは初だもんなぁ...)

忍(お風呂に入れちゃって、ご飯もいっしょに食べちゃって...)

忍「あー...」ブクブクブク...

忍「加蓮ちゃんにアドバイス貰ったアレ、できるかな...」

―――――

13: 20/03/07(土)01:47:16 ID:an1
―――――

忍「お待たせ」ホクホク

P「はいはい、林檎剥いといたぞ」

忍「ありがとう、Pさん」

P「ご飯作ってくれたし、これくらいはな。泊めてもくれるんだし」

忍「泊めっ...」

P「どうした?」

忍「い、いやなんでもない!」

P「お、おぉ、そうか...?」

忍「ん...おいしい」シャリッ

14: 20/03/07(土)01:47:34 ID:an1
P「やっぱ青森の林檎は旨いよなぁ。安定した旨さと言うか」シャクッ

忍「それでいて安いから、こっちでもよく見る。林檎のお菓子なんかは青森産のことが多いよね」シャリッ

P「だよなぁ。あかりには悪いけど、関東で林檎といったら青森のイメージだしなぁ」シャクシャク

忍「あかりちゃんも頑張ってるみたいなんだけどね。だんだん人気も安定してきたみたいだし」シャリッ

P「そうだな。徐々にテレビやラジオなんかの露出も増えてきた。ここからが正念場だよ」モグモグ

忍「そのうちいっしょに仕事することも増えてくるのかなぁ」モグッ

15: 20/03/07(土)01:48:55 ID:an1
P「多分な。今はまだ計画段階だけど、フリルドスクエアのレギュラー番組に出すことも考えてる」シャリッ

忍「へぇー!楽しみだなぁ」シャクッ

P「まだ計画だけどな。実現すれば、フリルドスクエアとあかりの絡みも増えてくるだろうさ」

忍「あきらちゃんとかりあむさんとも増えてくるのかなぁ」シャク

P「その辺はまだ分からないな。可能性はあるかもしれないが...」

忍「りあむさんかぁ...あんまり話したこと無いんだよね」シャクッ

P「面白いやつだぞ。色々とな」

16: 20/03/07(土)01:49:15 ID:an1
忍「ふーん...よし、ごちそうさま。Pさんも食べた?」

P「おう」

忍「片付けてくるよ。爪楊枝貸して?」

P「皿に入れてあるよ」

忍「ありがと。よい...しょっと」スクッ

P「じゃあ俺は、歯を磨いてこようかな」

忍「了解。アタシもこれ終わったら磨くよ」

―――――

17: 20/03/07(土)01:50:14 ID:an1
―――――

忍「...でね?その時柚ちゃんがいきなり大きい声で、紬も柚も袖も分かりにくいんだよ!って...」

P「それ、俺も居合わせたかったなぁ...絶対面白かっただろうに。ちょっと悔しい」

忍「でしょ?...っと、もうそろそろいい時間だね」

P「ん、じゃあ寝るか。ちょっとそこ退いてくれ」

忍「なんで?」

P「なんでって...床で寝るからだけど」

忍「あー...うん、そりゃそうだよね」

P「毛布...はあるか。忍、クッションか何か無いか?枕にしたいんだけど」

18: 20/03/07(土)01:51:09 ID:an1
忍「...あ、あのさ!」

P「うおっ!」ビクッ

忍「...ちょっと、提案があるんだけどさ」

P「どうしたいきなり」

忍「い...いっしょに、ベッドで寝ない?」

P「...は?」

忍「ほら、床だと風邪引くかもだし、朝体痛くなるだろうし...」

P「...ダメだ」

忍「...何で?」

P「俺はプロデューサー、お前はその担当アイドル。それ以前に、俺は大人でお前は女子高生だ。それ以上の理由なんて必要ないだろ」

19: 20/03/07(土)01:51:57 ID:an1
忍「むぅ...」

P「諦めろ。ほら、早くベッド入った入った」

忍「...はい、クッション」

P「助かる」

忍「...Pさんは、いっしょに寝たくないの?」ギッ

P「...」

忍「...」

P「......」

忍「......」

P「...ノーコメントで」

忍「ちょっと!?」

P「電気消すぞー」パチッ

忍「納得いかないなぁ...」ガサッ

20: 20/03/07(土)01:52:27 ID:an1
P「...」ガサッ

忍「...」

P「おやすみ」

忍「...意気地無し」ボソッ

P「...」

―――――

21: 20/03/07(土)01:52:48 ID:an1
―――――

忍「...Pさん、まだ起きてる?」

P「...起きてる」

忍「Pさんには、いろいろと感謝してるんだよ」

P「...」

忍「青森から一人で出てきたアタシを拾ってくれて、アイドルとして輝かせてくれて」

P「...」

忍「ホント、感謝してもしきれないよ」

P「俺は、元からあった魅力を引き出しただけだ」

忍「それでもだよ」

22: 20/03/07(土)01:53:17 ID:an1
忍「アイドルになってから、ユニットを組んで、他の娘とも関わりが出来て、もちろんアイドルとしての活動もして」

忍「この間の総選挙でも、高順位に位置付けて...けっこう、悔しかったけど」

P「...」

忍「それもこれも、最初に拾ってくれたPさんのお陰なんだよ」

P「...」

忍「でもそのうち、感謝って感情じゃ表せない気持ちが出て来てね?」

P「...」

忍「Pさんと話してると妙に嬉しくなったり、Pさんが他の子と話してるのをみると胸が苦しくなったり」

P「...」

23: 20/03/07(土)01:53:40 ID:an1
忍「フリルドスクエアのみんなとか、加蓮ちゃんとか伊吹ちゃんに聞いたらね」

忍「この気持ち、恋って言うんだって」

P「...それは...」

忍「今日Pさんから、家に邪魔させてくれって電話がかかってきたとき、嬉しかったんだ。やった、Pさんとゆっくり話できるって」

忍「Pさんとご飯食べてるときも、どうでもいい話で盛り上がってる時も、ずっと心臓バクバクしててさ」

忍「さっきいっしょに寝ようって言ったときなんか、心臓爆発するかと思ったよ」

P「...」

忍「じゃあ最後に、寝る前にこれだけ言わせて」

24: 20/03/07(土)01:53:58 ID:an1
忍「...Pさん。アタシ、Pさんのことが好き」

忍「この気持ちだけでも、伝えたかった」

P「忍...」

忍「Pさんは真面目だから、気持ちに答えてくれないでしょ?それくらいは分かるよ」

忍「だから、伝えるだけ。今は答えてくれなくていいよ」

P「...」

忍「うん、それだけ。それじゃあこの話はおしまい。まだしばらく収まりそうにないけどね」

P「...」

忍「じゃあ、おやすみ。...多分、初恋だったよ」ゴソゴソ

25: 20/03/07(土)01:54:26 ID:an1
P「...」ガサッ

忍「...?」

P「よっ...と。お邪魔するぞ」ギッ

忍「え、ちょっPさん!?なに入ってきてんの!?」

P「お前が入れって言ったんだろうが。ほら、もうちょい詰めて詰めて」

忍「え、あ、うん...」ゴソゴソ

P「あぁーあったけぇ...床とは大違いだ」

忍「...Pさん」

26: 20/03/07(土)01:54:54 ID:an1
P「...今の俺では、お前の気持ちに応えることはできない」

忍「っ...!」ズキッ

P「でも、いつかは」

忍「...!」

P「いつかは、応えることができるようになる。というか応えてみせる」

P「一年後かもしれないし、五年後かもしれない。もしかしたら、物凄い時間がかかるかもしれない」

P「それでも、いつかは応えてみせる」

忍「...Pさん、ぎゅってしてもいい?」

P「あぁ」

忍「ん...」ギュッ

P「無責任な男で、ごめんな」

忍「ううん。いいよ、いつまでも待ってるから」

27: 20/03/07(土)01:55:18 ID:an1
忍「今は、その言葉だけでも嬉しいんだ」

P「忍...」

忍「...Pさん、おやすみ」

P「うん。おやすみ」

忍「ふふっ...♪」ギュッ

―――――

28: 20/03/07(土)01:55:48 ID:an1
―――――

チュンッチュンッ、チチチッ

P「ん...ぅ...」ムクッ

P「ここは...忍の家か」

P「忍は...リビング?」ギッ、パタッパタッ

忍「あ、Pさんおはよう。朝ごはん作ってるよ」

P「忍。その...」

忍「待ってるから」

P「...おう」

29: 20/03/07(土)01:56:09 ID:an1
忍「早く、迎えに来てよ?待ちくたびれちゃうからね?」ニカッ

P「...わかった」

忍「うん♪じゃあ、お味噌汁取り分けてくれる?あとサラダを...」

P「了解。おっ、大根か。味噌汁の大根いいよな」

忍「アタシこれ好きなんだよね。Pさんは?」

P「大好きだよ」

忍「なら良かった。じゃあ、それとそれと...」

―――――

30: 20/03/07(土)01:56:28 ID:an1
―――――
―――


加蓮「で、そのあと進展したの?」

忍「進展...したのかな」

凛「デートとかはしたの?」

忍「したよ。いっしょに服買いに行ったり、ネックレス選んでもらったり...」

凛「ネックレスって、今つけてるそれ?」

忍「うん。いいって言ったのに、買ってもらっちゃった」

加蓮「なんだ、忍のPさんも中々やるじゃん。うりうり~」

31: 20/03/07(土)01:57:06 ID:an1
凛「なんか、羨ましいな」

加蓮「凛も担当Pさんと関係あるんでしょ?」

忍「そうなの?」

凛「言い方はあれだけどね。あんまり表にはだしてないつもりなんだけど...」

加蓮「あれだけイチャイチャしといて、よく言うよ。ずっとPさんの隣に座って、目合わせてさ。よく見なくてもカップルだよ、凛と担当Pさん」

凛「む...それを言ったら加蓮だって...」

32: 20/03/07(土)01:57:41 ID:an1
忍「ふふっ...」

忍(今は、応えてもらえないのは分かってる)

忍(それでも、いつかは)

忍「...待ってるから」

33: 20/03/07(土)01:58:35 ID:an1
以上です
深夜テンションで脳内妄想を書きました。
工藤忍をよろしくお願いします

引用元: 【モバマス】工藤忍「待ってるから」